JP2018152432A - 磁気記憶装置 - Google Patents

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将寿 吉川
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Abstract

【課題】一方向の書込み電流で互いに異なる2つのデータ書込みを行う。【解決手段】一実施形態の磁気記憶装置は、磁気抵抗効果素子と、上記磁気抵抗効果素子に電気的に接続されたセレクタと、ビット線に電気的に接続された第1端と、ワード線に電気的に接続された第2端と、を含むメモリセルを備える。上記磁気抵抗効果素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、第3強磁性層と、第1非磁性層と、第2非磁性層と、を含む。上記第1非磁性層は、上記第1強磁性層及び上記第2強磁性層の間に設けられる。上記第2非磁性層は、上記第2強磁性層及び上記第3強磁性層の間に設けられて上記第2強磁性層及び上記第3強磁性層を反強磁性的に結合する。上記第1強磁性層の膜厚は、上記第2強磁性層の膜厚より大きい。【選択図】図10

Description

実施形態は、磁気記憶装置に関する。
磁気抵抗効果素子を記憶素子として用いた磁気記憶装置(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)が知られている。
特許第5062538号公報 特開2013−175680号公報 米国特許第8233319号明細書
一方向の書込み電流で互いに異なる2つのデータの書込みを行う。
実施形態の磁気記憶装置は、磁気抵抗効果素子と、上記磁気抵抗効果素子に電気的に接続されたセレクタと、ビット線に電気的に接続された第1端と、ワード線に電気的に接続された第2端と、を含むメモリセルを備える。上記磁気抵抗効果素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、第3強磁性層と、第1非磁性層と、第2非磁性層と、を含む。上記第1非磁性層は、上記第1強磁性層及び上記第2強磁性層の間に設けられる。上記第2非磁性層は、上記第2強磁性層及び上記第3強磁性層の間に設けられて上記第2強磁性層及び上記第3強磁性層を反強磁性的に結合する。上記第1強磁性層の膜厚は、上記第2強磁性層の膜厚より大きい。
第1実施形態に係る磁気記憶装置の構成を説明するためのブロック図。 第1実施形態に係る磁気記憶装置のメモリセルアレイの構成を説明するための回路図。 第1実施形態に係る磁気記憶装置のメモリセルの構成を説明するための斜視図。 第1実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子の構成を説明するための断面図。 第1実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子の磁気抵抗特性を説明するためのダイアグラム。 第1実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子の磁化反転特性を説明するためのダイアグラム。 第1実施形態に係る磁気記憶装置における書込み動作を説明するためのタイミングチャート。 第1実施形態に係る磁気記憶装置におけるデータ“0”の書込み動作を説明するための模式図。 第1実施形態に係る磁気記憶装置におけるデータ“0”の書込み動作を説明するための模式図。 第1実施形態に係る磁気記憶装置におけるデータ“1”の書込み動作を説明するための模式図。 第1実施形態に係る磁気記憶装置におけるデータ“1”の書込み動作を説明するための模式図。 第2実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子の磁気抵抗特性を説明するためのダイアグラム。 第2実施形態に係る磁気記憶装置におけるデータ“1”の書込み動作を説明するための模式図。 第2実施形態に係る磁気記憶装置におけるデータ“0”の書込み動作を説明するための模式図。 変形例に係る磁気記憶装置における書込み動作を説明するためのタイミングチャート。 変形例に係る磁気記憶装置のメモリセルの構成を説明するための斜視図。 変形例に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子の構成を説明するための断面図。
以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。また、共通する参照符号を有する複数の構成要素を区別する場合、当該共通する参照符号に添え字を付して区別する。なお、複数の構成要素について特に区別を要さない場合、当該複数の構成要素には、共通する参照符号のみが付され、添え字は付さない。
1.第1実施形態
第1実施形態に係る磁気記憶装置について説明する。第1実施形態に係る磁気記憶装置は、例えば磁気抵抗効果(MTJ:Magnetic Tunnel Junction)素子を記憶素子として用いた、垂直磁化方式による磁気記憶装置である。
1.1 構成について
まず、第1実施形態に係る磁気記憶装置の構成について説明する。
1.1.1. 磁気記憶装置の構成について
図1は、第1実施形態に係る磁気記憶装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、磁気記憶装置1は、メモリセルアレイ11、書込み回路及び読出し回路(WC/RC)12、ロウデコーダ13、ページバッファ14、入出力回路15、並びに制御部16を備えている。
メモリセルアレイ11は、行(row)及び列(column)に対応付けられた複数のメモリセルMCを備えている。そして、同一行にあるメモリセルMCは、同一のワード線WLに接続され、同一列にあるメモリセルMCは、同一のビット線BLに接続される。
WC/RC12は、ビット線BLを介してメモリセルアレイ11と接続される。WC/RC12は、ビット線BLを介して動作対象のメモリセルMCに電流を供給し、メモリセルMCへのデータの書込み及び読出しを行う。より具体的には、WC/RC12の書込み回路が、メモリセルMCへのデータの書込みを行い、WC/RC12の読出し回路が、メモリセルMCからのデータの読出しを行う。
ロウデコーダ13は、ワード線WLを介してメモリセルアレイ11と接続される。ロウデコーダ13は、メモリセルアレイ11のロウ方向を指定するロウアドレスをデコードする。そして、デコード結果に応じてワード線WLを選択し、選択されたワード線WLにデータの書込み及び読出し等の動作に必要な電圧を印加する。
ページバッファ14は、メモリセルアレイ11内に書込まれるデータ、及びメモリセルアレイ11から読出されたデータを、ページと呼ばれるデータ単位で一時的に保持する。
入出力回路15は、磁気記憶装置1の外部から受信した各種信号を制御部16及びページバッファ14へと送信し、制御部16及びページバッファ14からの各種信号を磁気記憶装置1の外部へと送信する。
制御部16は、WC/RC12、ロウデコーダ13、ページバッファ14、及び入出力回路15と接続される。制御部16は、入出力回路15が磁気記憶装置1の外部から受信した各種信号に従い、WC/RC12、ロウデコーダ13、及びページバッファ14を制御する。
1.1.2. メモリセルアレイの構成について
次に、第1実施形態に係る磁気記憶装置のメモリセルアレイの構成について図2を用いて説明する。図2は、第1実施形態に係る磁気記憶装置のメモリセルアレイの構成を示す回路図である。
図2に示すように、メモリセルMCは、メモリセルアレイ11内でマトリクス状に配置され、m本のビット線BL(BL0、BL1、…、BL(m−1)(mは自然数))のうちの1本と、n本のワード線WL(WL0、WL1、…、WL(n−1)(nは自然数))のうちの1本との組に対応付けられる。すなわち、或るメモリセルMCの第1端はm本のビット線BLのいずれかに接続され、第2端はn本のワード線WLのいずれかに接続される。また、同一列のメモリセルMCの第1端は、同一のビット線BLに共通接続される。同一行のメモリセルMCの第2端は、同一のワード線WLに共通接続される。
メモリセルMCは、直列に接続されたセレクタSEL及び磁気抵抗効果素子MTJを含む。より具体的には、セレクタSELは入力端及び出力端を含み、磁気抵抗効果素子MTJは第1端及び第2端を含む。セレクタSELの出力端は、磁気抵抗効果素子MTJの第1端と電気的に接続される。図3の例では、セレクタSELの入力端はメモリセルMCの第1端に対応し、磁気抵抗効果素子MTJの第2端はメモリセルMCの第2端に対応する。
セレクタSELは、磁気抵抗効果素子MTJへのデータ書込み及び読出し時において、磁気抵抗効果素子MTJへの電流の供給を制御するスイッチとしての機能を有する。より具体的には、例えば、或るメモリセルMC内のセレクタSELは、当該メモリセルMCに対応するビット線BLからワード線WLへと流れる電流を通し、当該メモリセルMCに対応するワード線WLからビット線BLへと流れる電流を遮断する。すなわち、セレクタSELは、一方向から他方向への電流を通し、他方向から一方向への電流を遮断する整流機能を有する。
なお、セレクタSELは、例えば、Oxide - PN接合素子、Metal − Oxide Schottkyダイオード素子、MIM(Metal − Insulator − Metal)ダイオード素子、MSM(Metal − Semiconductor − Metal)ダイオード素子、及びOTS(Ovonic Threshold Switch)素子等が適用可能であるが、これに限られず、上述の如き整流機能を有する任意の素子が適用可能である。
磁気抵抗効果素子MTJは、セレクタSELによって供給を制御された電流により、抵抗値を低抵抗状態と高抵抗状態とに切替わることができる。磁気抵抗効果素子MTJは、その抵抗状態の変化によってデータを書込み可能であり、書込まれたデータを不揮発に保持し、読出し可能である記憶素子として機能する。
以上のように構成されることにより、メモリセルアレイ11は、1つのビット線BL及び1つのワード線WLの組を選択することによって1つのメモリセルMCを選択可能なクロスポイント構造を有する。
1.1.3. メモリセルの構成について
次に、第1実施形態に係る磁気記憶装置のメモリセルの構成について図3を用いて説明する。以下の説明では、磁気記憶装置1は、図示しない半導体基板上に設けられているものとする。そして、当該半導体基板の上面に平行な面をxy平面として定義し、当該xy平面に垂直な軸をz軸として定義する。以下の説明では、z軸方向は、膜厚方向とも言う。x軸及びy軸は、xy平面内で互いに直交する軸として定義される。
図3は、第1実施形態に係る磁気記憶装置のメモリセルの3次元構造の一例を模式的に説明するための斜視図である。図3に示すように、メモリセルMCは、例えば、ビット線BLとして機能する配線層21と、ワード線WLとして機能する配線層27に挟まれる。配線層21及び27はそれぞれ、例えば、y軸方向及びx軸方向に沿って延びる。メモリセルMCは、導電層22、素子層23、導電層24、素子層25、及び導電層26を含む。
配線層21の上面上に、下部電極BE(Bottom Electrode)として機能する導電層22が設けられる。導電層22は、例えば、タンタル(Ta)、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)、及び窒化タンタル(TaN)を含む。
導電層22の上面上には、セレクタSELとして機能する素子層(例えば半導体層)23が設けられる。
素子層23の上面上には、中間電極ME(Middle Electrode)として機能する導電層24が設けられる。導電層24は、例えば、タンタル(Ta)、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)、及び窒化タンタル(TaN)を含む。
導電層24の上面上には、磁気抵抗効果素子MTJとして機能する素子層25が設けられる。素子層25の詳細については後述する。
素子層25の上面上には、上部電極TE(Top Electrode)として機能する導電層26が設けられる。導電層26は、例えば、タンタル(Ta)、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、及びチタン(Ti)を含む。そして、導電層26の上面上には、配線層27が設けられる。
なお、配線層21の上面上には、y軸に沿って設けられた図示しない複数の他のメモリセルMCが設けられる。また、配線層27の下面上には、x軸方向に沿って設けられた図示しない複数の他のメモリセルMCが共通して設けられる。
1.1.4. 磁気抵抗効果素子の構成について
次に、第1実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1実施形態に係る磁気記憶装置のメモリセルのxz平面に沿った断面図の一例である。
図4に示すように、素子層25は、下地層として機能する非磁性層250、記憶層SL(Storage Layer)として機能する強磁性層251、トンネルバリア層として機能する非磁性層252、参照層RL(Reference Layer)として機能する強磁性層253、スペーサ層として機能する非磁性層254、シフトキャンセル層SCL(Shift Cancelling Layer)として機能する強磁性層255、及びキャップ層として機能する非磁性層256を含む。強磁性層251、非磁性層252、及び強磁性層253は、磁気トンネル接合を構成している。
素子層25は、例えば、ビット線BL側から非磁性層250、強磁性層251、非磁性層252、強磁性層253、非磁性層254、強磁性層255、及び非磁性層256の順に、z軸方向に複数の膜が積層される。素子層25は、強磁性層251、253、及び255の磁化方向がそれぞれ膜面に対して垂直方向を向く、垂直磁化型MTJ素子として機能する。
非磁性層250は、非磁性の膜であり、例えば酸化マグネシウム(MgO)、窒化マグネシウム(MgN)、窒化ジルコニウム(ZrN)、窒化ニオブ(NbN)、窒化シリコン(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ハフニウム(HfN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化クロム(CrN)、窒化モリブデン(MoN)、窒化チタン(TiN)、及び窒化バナジウム(VN)等の窒素化合物又は酸素化合物を含む。また、非磁性層250は、上述の窒素化合物又は酸素化合物の混合物を含んでも良い。つまり、非磁性層250は、2種類の元素からなる二元化合物に限らず、3種類の元素からなる三元化合物、例えば、窒化チタンアルミニウム(AlTiN)等を含んでも良い。窒素化合物及び酸素化合物は、それらに接する磁性層のダンピング定数上昇を抑制し、書き込み電流低減の効果が得られる。さらに高融点金属の窒素化合物または酸素化合物を用いることで、下地層材料の磁性層への拡散を抑制できMR比の劣化を防ぐことができる。ここで高融点金属とは、鉄(Fe)、コバルト(Co)より融点が高い材料であり、例えば、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、及びバナジウム(V)である。
強磁性層251は、強磁性を有し、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性層251は、ビット線BL側、ワード線WL側のいずれかの方向に向かう磁化方向を有する。強磁性層251は、例えば、コバルト鉄ボロン(CoFeB)又はホウ化鉄(FeB)を含み、z軸方向に膜厚tSLを有する。
なお、強磁性層251は、例えば、上面の面積が下面の面積よりも小さい。より具体的には、強磁性層251は、xy平面に沿った断面の断面積は、z軸方向に沿って徐々に小さくなる部分を含む。つまり、強磁性層251のxy平面に垂直な断面は、例えば、上底の長さが下底の長さよりも短い台形形状の部分を有する。すなわち、強磁性層251は、テーパ角θSL(θ>0)でテーパしている部分を含む。強磁性層251のうち、テーパ角θSLでテーパしている部分は、膜厚tSL_Tを有する。強磁性層251のテーパ部分は、例えば、非磁性層250との界面付近に設けられている。
なお、図4の例では、強磁性層251のxy平面に垂直な断面がz軸方向に沿って線形に変化する例について説明したが、これに限られない。例えば、強磁性層251のxy平面に垂直な断面は、z軸方向に沿って非線形に変化してもよい。
非磁性層252は、非磁性の絶縁膜であり、例えば酸化マグネシウム(MgO)を含む。
強磁性層253は、強磁性を有し、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有し、z軸方向に膜厚tRLを有する。より具体的には、強磁性層253は、界面参照層IRL(Interface Reference Layer)として機能する強磁性層253a、スペーサ層として機能する非磁性層253b、及び主参照層MRL(Main Reference Layer)として機能する強磁性層253cを含む。強磁性層253は、例えば、強磁性層251側から強磁性層253a、非磁性層253b、及び強磁性層253cの順に、z軸方向に複数の膜が積層される。強磁性層253a、非磁性層253b、及び強磁性層253cはそれぞれ、z軸方向に膜厚tIRL、tS1、及びtMRLを有する。すなわち、膜厚tRLは、膜厚tIRL、tS1、及びtMRLを含む。
強磁性層253aは、強磁性を有し、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性層253aは、ビット線BL側、ワード線WL側のいずれかの方向に向かう磁化方向を有する。強磁性層253aは、例えば、コバルト、鉄、又はニッケル(Ni)から選ばれる元素と、ボロン(B)、リン(P)、炭素(C)、又は窒素(N)から選ばれる元素を含む化合物を含む。
なお、強磁性層253aは、例えば、上面の面積が下面の面積よりも小さい。より具体的には、強磁性層253aは、xy平面に沿った断面の断面積は、z軸方向に沿って徐々に小さくなる部分を含む。つまり、強磁性層253aのxy平面に垂直な断面は、例えば、上底の長さが下底の長さよりも短い台形形状の部分を有する。すなわち、強磁性層253aは、テーパ角θIRL(θ>0)でテーパしている部分を含む。強磁性層253aのうち、テーパ角θIRLでテーパしている部分は、膜厚tIRL_Tを有する。強磁性層253aのテーパ部分は、例えば、非磁性層253bとの界面付近に設けられている。
なお、図4の例では、強磁性層253aのxy平面に垂直な断面がz軸方向に沿って線形に変化する例について説明したが、これに限られない。例えば、強磁性層253aのxy平面に垂直な断面は、z軸方向に沿って非線形に変化してもよい。
非磁性層253bは、非磁性の導電膜であり、例えば、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、又はチタン(Ti)を含む。
強磁性層253cは、強磁性を有し、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性層253cは、ビット線BL側、ワード線WL側のいずれかの方向に向かう磁化方向を有する。強磁性層253cは、例えば、コバルト白金(CoPt)、コバルトニッケル(CoNi)、又はコバルトパラジウム(CoPd)を含む。強磁性層253cは、例えば、上述の化合物の多層膜を含む。具体的には、例えば、強磁性層253cは、コバルト(Co)と白金(Pt)との多層膜(Co/Pt多層膜)、コバルト(Co)とニッケル(Ni)との多層膜(Co/Ni多層膜)、又はコバルト(Co)とパラジウム(Pd)との多層膜(Co/Pd多層膜)を含む。
強磁性層253a及び強磁性層253cは、非磁性層253bによって強磁性的に結合される。すなわち、強磁性層253a及び強磁性層253cは、外部磁場による影響がない場合、互いに平行な磁化方向を有するように結合される。以下の説明では、強磁性層253a及び強磁性層253cの間の強磁性結合は、単に“強磁性結合”とも言う。
強磁性結合の強さは、例えば、強磁性層253a及び強磁性層253cの間の強磁性結合の単位面積当たりの結合エネルギJex1の絶対値|Jex1|で示される。結合エネルギJex1は、強磁性結合であるので、“0”以上の数値となる(Jex1>0)。強磁性結合の強さ|Jex1|は、非磁性層253bの膜厚tS1の厚さに応じて変化する。反強磁性結合の強さ|Jex1|は、例えば、膜厚tS1が薄くなるに伴い、単調増加する。
非磁性層254は、非磁性の導電膜であり、例えばルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、バナジウム(V)、又はクロム(Cr)を含む。非磁性層254は、膜厚tS2を有する。
強磁性層255は、強磁性を有し、膜面に垂直な方向に磁化容易軸方向を有する。強磁性層255は、例えばコバルト白金合金(CoPt)、コバルトニッケル合金(CoNi)、又はコバルトパラジウム合金(CoPd)を含む。強磁性層255は、例えば、上述の化合物の多層膜を含む。具体的には、例えば、強磁性層255は、コバルト(Co)と白金(Pt)との多層膜(Co/Pt多層膜)、コバルト(Co)とニッケル(Ni)との多層膜(Co/Ni多層膜)、又はコバルト(Co)とパラジウム(Pd)との多層膜(Co/Pd多層膜)を含む。なお、強磁性層255に含まれる化合物の多層膜の周期数は、例えば、強磁性層253cに含まれる化合物の多層膜の周期数よりも大きい。強磁性層255は、ビット線BL側、ワード線WL側のいずれかの方向に向かう磁化方向を有する。強磁性層255の磁化方向は、固定されており、図4の例では、強磁性層253の方向を向いている。なお、「磁化方向が固定されている」とは、強磁性層251の磁化方向を反転させ得る大きさの電流(スピントルク)によって、磁化方向が変化しないことを意味する。
強磁性層253c及び強磁性層255は、非磁性層254によって反強磁性的に結合される。すなわち、強磁性層253c及び強磁性層255は、外部磁場による影響がない場合、互いに反平行な磁化方向を有するように結合される。このため、図4の例では、強磁性層253cの磁化方向は、強磁性層255の方向を向いている。このような強磁性層253c、非磁性層254、及び強磁性層255の結合構造を、SAF(Synthetic Anti-Ferromagnetic)構造という。以下の説明では、強磁性層253c及び強磁性層255の間の反強磁性結合は、単に“反強磁性結合”とも言う。
反強磁性結合の強さは、例えば、強磁性層253c及び強磁性層255の間の反強磁性結合の単位面積当たりの結合エネルギJex2の絶対値|Jex2|で示される。反強磁性結合の強さ|Jex2|は、非磁性層254の膜厚tS2の厚さに応じて変化する。反強磁性結合の強さ|Jex2|は、例えば、膜厚tS2が或る値の近辺になった場合に局所的に大きくなる。つまり、反強磁性結合の強さ|Jex2|は、膜厚tS2の複数の値の各々に対応する複数のピーク値を有する。
なお、強磁性層253及び255は、周囲の強磁性層(例えば強磁性層251)の磁化方向に影響を与え得る磁場を形成する。当該磁場は、漏れ磁場(Stray field)と称される。強磁性層255の磁化方向が強磁性層253の磁化方向と反平行な場合、強磁性層255からの漏れ磁場は、強磁性層253からの漏れ磁場が強磁性層251の磁化方向に与える影響を低減し得る。図4の例では、強磁性層255からの漏れ磁場は、例えば、強磁性層253からの漏れ磁場を打ち消すように設計される。
非磁性層256は、非磁性の導電膜であり、例えば、白金(Pt)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)等を含む。
以上のように構成された磁気抵抗効果素子MTJにおいて、第1実施形態では、強磁性結合の強さ|Jex1|が、反強磁性結合の強さ|Jex2|よりも大きくなるように設計される。より具体的には、膜厚tS1及び膜厚tS2を調整することにより、強磁性結合の強さ|Jex1|が反強磁性結合の強さ|Jex2|よりも大きくなる(|Jex1|>|Jex2|)ように設計される。これにより、第1実施形態では、例えば、強磁性結合を切るために必要な磁界の大きさは、反強磁性結合を切るために必要な磁界の大きさよりも、大きくなる。この場合、強磁性層253cと強磁性層255とが反強磁性的に結合している間では、強磁性層253aと強磁性層253cとは強磁性的に結合している。このため、強磁性層253cと強磁性層255とが反強磁性的に結合している間では、強磁性層253aの磁化方向と強磁性層253cの磁化方向とは平行になる。すなわち、強磁性層253a、非磁性層253b、及び強磁性層253cは、強磁性層253c及び強磁性層255が反強磁性的に結合している場合、参照層RLとして1つの磁化方向を有する1つの強磁性層253とみなし得る。第1実施形態に係る以下の説明では、強磁性層253a、非磁性層253b、及び強磁性層253cは、参照層RLとして機能する、1つの磁化方向を有する1つの強磁性層253とみなせるものとして説明する。
また、第1実施形態では、強磁性層253は、強磁性層251よりも磁化エネルギΔEが小さくなるように設計される。磁化エネルギΔEは、例えば、スピントルクに対する磁化反転のしにくさを示す指標であり、磁化エネルギΔEが大きいほど、スピントルクに対して磁化反転しにくい。磁化エネルギΔEは、熱安定性Δと等価であり、例えば、以下の式により示される。
ΔE=Ku×Vol/(kB×T)≒Ms×Hc×A×t/(kB×T)
ここで、Kuは、異方性エネルギであり、Ku=Ms×Hkである。Ms及びHkはそれぞれ、飽和磁化及び異方性磁界である。異方性磁界Hkは、強磁性層が単磁区構造とみなせる場合、Hk≒Hcと近似できる。Hcは、保磁力である。Volは、体積であり、Vol=A×tである。A及びtはそれぞれ、xy平面に沿った断面積、及びz軸方向に沿った膜厚である。kB及びTはそれぞれ、ボルツマン定数、及び温度である。
強磁性層253の磁化エネルギΔE_RLが強磁性層251の磁化エネルギΔE_SLよりも小さくなるためには、例えば、強磁性層253の飽和磁化Ms_RLと膜厚tRLとの積Ms_RL×tRLが、強磁性層251の飽和磁化Ms_SLと膜厚tSLとの積Ms_SL×tSLよりも小さいことが望ましい。具体的には、例えば、強磁性層253の飽和磁化Ms_RLが、強磁性層251の飽和磁化Ms_SLよりも小さい、又は強磁性層253の膜厚tRLが、強磁性層251の膜厚tSLよりも小さいことのいずれか1つを少なくとも満たすことが望ましい。また、例えば、強磁性層253の保磁力Hc_RLが、強磁性層251の保磁力Hc_SLよりも小さいことが望ましい。また、例えば、強磁性層253の体積Vol_RLが、強磁性層251の体積Vol_SLよりも小さいことが望ましい。
テーパ角θSL及びθIRLは、強磁性層251の体積Vol_SLが強磁性層253の体積Vol_RLよりも大きくする観点から、0度より大きく90度未満(0<θSL、θIRL<90)の値を有することが望ましい。しかしながら、強磁性層251及び253aは、非磁性層252との界面での界面磁気異方性により垂直磁化を維持している。このため、強磁性層251のうち非磁性層252との界面付近がテーパ角θSL(>0)でテーパしている場合、当該テーパ部分は、界面磁気異方性の影響を受けられない可能性がある。この場合、強磁性層251の異方性エネルギKuは、テーパしていない強磁性層251の異方性エネルギKuと比較して小さくなり得る。このため、非磁性層252付近をテーパさせることは望ましくない。また、一般的に、テーパ部分は、磁気抵抗効果素子MTJが設けられる際に磁気によるダメージを受けやすいため、急激にテーパさせることは望ましくない。
上述の要件を満たすために、膜厚tSLは、例えば、0.5nm(ナノメートル)以上3.0nm以下であることが望ましい。また、膜厚tIRLは、0.5nm以上2.0nm以下であることが望ましい。テーパ角θSL及びθIRLは、例えば、70度以上90度未満(70≦θSL、θIRL<90)の範囲で設定されることが望ましく、膜厚tSL_T及びtIRL_Tは、1.0nm以下であることが望ましい。また、異方性エネルギKuを実行的な値に維持させる観点から、より好ましくは、テーパ角θSL及びθIRLは、例えば、80度以上90度未満(80≦θSL、θIRL<90)の範囲で設定されることが望ましく、膜厚tSL_T及びtIRL_Tは、0.5nm以下であることが望ましい。
なお、第1実施形態では、このような磁気抵抗効果素子MTJに直接書込み電流を流し、この書込み電流によって記憶層SL及び参照層RLにスピントルクを注入し、記憶層SLの磁化方向及び参照層RLの磁化方向を制御するスピン注入書込み方式を採用する。磁気抵抗効果素子MTJは、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係が平行か反平行かによって、低抵抗状態及び高抵抗状態のいずれかを取ることが出来る。
磁気抵抗効果素子MTJに、図4における矢印a1の方向、即ち記憶層SLから参照層RLに向かう方向に、或る大きさの書込み電流Iw0を流すと、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係は、平行になる。この平行状態の場合、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は最も低くなり、磁気抵抗効果素子MTJは低抵抗状態に設定される。この低抵抗状態は、「P(Parallel)状態」と呼ばれ、例えばデータ“0”の状態と規定される。
また、磁気抵抗効果素子MTJに、図4における矢印a2の方向、即ち記憶層SLから参照層RLに向かう方向(矢印a1と同じ方向)に、書込み電流Iw0より大きい書込み電流Iw1を流すと、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係は、反平行になる。この反平行状態の場合、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は最も高くなり、磁気抵抗効果素子MTJは高抵抗状態に設定される。この高抵抗状態は、「AP(Anti-Parallel)状態」と呼ばれ、例えばデータ“1”の状態と規定される。
なお、以下の説明では、上述したデータの規定方法に従って説明するが、データ“1”及びデータ“0”の規定の仕方は、上述した例に限られない。例えば、P状態をデータ“1”と規定し、AP状態をデータ“0”と規定してもよい。
1.1.5. 磁気抵抗効果素子の特性について
次に、上述のように構成された第1実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子が有する特性について説明する。
図5は、第1実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子MTJの磁気抵抗特性(R−H特性)を示すダイアグラムである。図5では、上述した記憶層SLと参照層RLとの間の磁化エネルギΔEに係る条件を満たすために、記憶層SLの保磁力Hc_SLが参照層RLの保磁力Hc_RLよりも大きい(Hc_SL>Hc_RL)磁気抵抗効果素子MTJのR−H特性が示される。なお、R−H特性は、外部から印加される磁界の大きさに応じて抵抗値が変化する様子を示す。また、図5では、磁界の大きさに応じて変化する記憶層SL及び参照層RLの磁化反転挙動が併せて示される。
記憶層SL及び参照層RLの磁化反転挙動を含むR−H特性は、メジャーループとも言い、記憶層SLのみの磁化反転挙動を示すR−H特性(マイナーループ)と区別される。なお、上述の通り、シフトキャンセル層SCLの磁化方向は固定されているため、図5では、シフトキャンセル層SCLの磁化反転挙動は示されていない。したがって、図5に示される磁界の範囲においては、シフトキャンセル層SCLの磁化方向は、参照層RL側に矢印が向く方向に固定されているものとしている。これに伴い、図5における磁界の大きさは、便宜的に、固定されたシフトキャンセル層SCLの磁化方向と平行な方向が正方向としている。
図5に示すように、初期状態(1a)において、参照層RL及びシフトキャンセル層SCLの磁化方向は反平行であり、参照層RL及び記憶層SLの磁化方向は平行である。つまり、初期状態(1a)において、磁気抵抗効果素子MTJは、抵抗値R0を有する低抵抗状態である。この状態からシフトキャンセル層SCLから記憶層SLに向かう方向の磁界が印加されると、磁界H_SL1付近において、記憶層SLの磁化方向が反転し、磁気抵抗効果素子MTJは抵抗値R1を有する高抵抗状態となる(1b)。より具体的には、例えば、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_SL1において抵抗値R0と抵抗値R1の中間の抵抗値(R1+R0)/2に達する。そして、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_SL1より大きくなった後速やかに抵抗値R1に達する。
更に印加される磁界を強めていくと、磁界H_RL1付近において、参照層RLの磁化方向が反転し、磁気抵抗効果素子MTJは低抵抗状態となる(1c)。より具体的には、例えば、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_RL1において抵抗値(R1+R0)/2に達する。そして、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_RL1より大きくなった後速やかに抵抗値R0に達する。状態(1c)において、記憶層SL、参照層RL、及びシフトキャンセル層SCLの磁化方向は平行となる。
この状態(1c)から印加される磁界を弱めていくと、磁界H_RL2付近において、参照層RLの磁化方向が反転し、磁気抵抗効果素子MTJは高抵抗状態となる(1b)。より具体的には、例えば、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_RL2において抵抗値(R1+R0)/2に達する。そして、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_RL2より小さくなった後速やかに抵抗値R1に達する。
更に印加される磁界を弱めていくと、負の磁界H_SL2付近において、記憶層SLの磁化方向が反転し、磁気抵抗効果素子MTJは低抵抗状態となり、初期状態(1a)に戻る。より具体的には、例えば、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_SL2において抵抗値(R1+R0)/2に達する。そして、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_SL2より小さくなった後速やかに抵抗値R0に達する。
以上のように、第1実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJによれば、参照層RLが1つの磁化方向を有するとみなせる場合、参照層RL内の主参照層MRL及び界面参照層IRLは、メジャーループ内において互いに平行な磁化方向を保ちつつ、シフトキャンセル層SCLに対して磁化方向を反転させる。
なお、上述の通り、図5の例では、記憶層SLの保磁力Hc_SLは、参照層RLの保磁力Hc_RLより大きい。R−H特性において、記憶層SLの保磁力Hc_SLの大きさは、例えば、磁界H_SL1と磁界H_SL2との差の半分の値(Hc_SL=(H_SL1−H_SL2)/2)で表される。言い換えると、保磁力Hc_SLの大きさは、磁界H_SL1と磁界H_SL2との中間値(H_SL1+H_SL2)/2から、磁界H_SL1又はH_SL2までの大きさで表される。同様に、R−H特性において、参照層RLの保磁力Hc_RLの大きさは、例えば、磁界H_RL1と磁界H_RL2との差の半分の値(Hc_RL=(H_RL1−H_RL2)/2)で表される。言い換えると、保磁力Hc_RLの大きさは、磁界H_RL1と磁界H_RL2との中間値(H_RL1+H_RL2)/2から、磁界H_RL1又はH_RL2までの大きさで表される。
また、図6は、第1実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子MTJの磁化反転特性を説明するためのダイアグラムである。図6では、磁気抵抗効果素子MTJに印加される電圧と、当該電圧が印加された場合の記憶層SL及び参照層RLの磁化反転確率と、が示される。図6における磁化反転確率は、記憶層SLの磁化方向及び参照層RLの磁化方向が平行である確率として定義される。つまり、磁化反転確率が“0”の場合、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向は、0%の確率で互いに平行となっている(つまり、100%の確率で互いに反平行となっている)。また、磁化反転確率が“0.5”の場合、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向は、50%の確率で互いに平行となっている(つまり、50%の確率で互いに反平行となっている)。また、磁化反転確率が“1”の場合、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向は、100%の確率で互いに平行となっている(つまり、0%の確率で互いに反平行となっている)。また、図6において印加される電圧は、磁気抵抗効果素子MTJの記憶層SL側が参照層RL側に対して高い場合を正とする。なお、図6は、電圧が印加されていない状態において、記憶層SLの磁化方向と参照層RLの磁化方向とが互いに反平行状態である(磁化反転確率が“0”である)ものとして示される。
図6に示すように、磁気抵抗効果素子MTJに対して印加する電圧を“0”から徐々に上げていくに伴い、磁化反転確率が上昇していく。具体的には、磁化反転確率は、電圧Vc0において“0.5”に達し、電圧Vc0より大きいVc0maxにおいて“1”に達する。そして、電圧Vc0maxから当該電圧Vc0maxより大きい電圧Vc1minまでの間は、磁化反転確率は“1”のままとなる。
磁気抵抗効果素子MTJに対して印加する電圧を電圧Vc1minから更に徐々に上げていくに伴い、磁化反転確率が低下していく。具体的には、磁化反転確率は、電圧Vc1minより大きい電圧Vc1において“0.5”に達し、電圧Vc1より大きいVc1maxにおいて“0”に達する。そして、電圧Vc1maxから当該電圧Vc1maxより大きい電圧Vc2minの間は、磁化反転確率は“0”のままとなる。
磁気抵抗効果素子MTJに対して印加する電圧を電圧Vc2minから更に徐々に上げていくに伴い、磁化反転確率が再度上昇していく。
以上のように、第1実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJによれば、記憶層SLの磁化方向と参照層RLの磁化方向が平行となるような電圧Vw0が電圧Vc0maxと電圧Vc1minとの間に存在する。また、第1実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJによれば、記憶層SLの磁化方向と参照層RLの磁化方向が反平行となるような電圧Vw1が電圧Vc1maxと電圧Vc2minとの間に存在する。
1.2. 書込み動作について
次に、第1実施形態に係る磁気記憶装置の書込み動作について説明する。以下の説明では、磁気抵抗効果素子MTJ内の各要素のうち、強磁性層(記憶層SL、参照層RL、及びシフトキャンセル層SCL)の磁化方向について説明するものとし、その他の非磁性層については、簡単のため、その説明を省略する。
1.2.1 書込み動作の概要について
まず、第1実施形態に係る磁気記憶装置における書込み動作の概要について図7を用いて説明する。図7は、第1実施形態に係る磁気記憶装置の書込み動作の概要を説明するためのタイミングチャートである。図7では、時刻T10から時刻T12までの期間において、書込み対象のメモリセルMCへデータ“0”を書込むための電圧が供給される様子が示される。また、図7では、時刻T14から時刻T16までの期間において、データ“1”を書込むための電圧が供給される様子が示される。また、図7では、書込み対象のメモリセルMCへの書込みの際に、当該書込み対象のメモリセルMCに対応するビット線BL及びワード線WL、並びに当該書込み対象のメモリセルMCに対応しないビット線BL及びワード線WLに供給される電圧が示される。
以下の説明では、書込み対象のメモリセルMCを「選択メモリセルMC」と言い、選択メモリセルMCに対応するビット線BL及びワード線WLを「選択ビット線BL及び選択ワード線WL」と言う。また、選択メモリセルMCに対応しないビット線BL及びワード線WLを「非選択ビット線BL及び非選択ワード線WL」と言う。
まず、データ“0”が書込まれる場合の動作について説明する。
図7に示すように、時刻T10に至るまで、ビット線BL及びワード線WLには、例えば、電圧VSSが供給される。
時刻T10において、選択ビット線BL及び選択ワード線WLにはそれぞれ、電圧Vw0及び電圧VSSが供給される。これにより、選択メモリセルMCは、第1端が電圧Vw0となり、第2端が電圧VSSとなるため、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJに、選択ビット線BLから選択ワード線WLに向けて電流Iw0が流れる。
一方、非選択ビット線BL及び非選択ワード線WLにはそれぞれ、電圧VSS及び電圧Vw0が供給される。
これにより、第1端が選択ビット線BLに接続され、第2端が非選択ワード線WLに接続された非選択メモリセルMCは、第1端及び第2端がいずれも電圧Vw0で同電位となるため、電流が流れない。また、第1端が非選択ビット線BLに接続され、第2端が選択ワード線WLに接続された非選択メモリセルMCは、第1端及び第2端がいずれも電圧VSSで同電位となるため、電流が流れない。また、第1端が非選択ビット線BLに接続され、第2端が非選択ワード線WLに接続された非選択メモリセルMCは、第1端が電圧VSSとなり、第2端がVw0となるため、セレクタSELの入力端よりも出力端の電位の方が高くなる。このため、セレクタSELの整流機能により、非選択ワード線WLから非選択ビット線BL側への電流は流れない。したがって、選択ビット線BLから選択ワード線WLに向けてのみ、電流Iw0が流れる。
時刻T12において、選択ビット線BLには電圧VSSが供給される。また、非選択ワード線WLは、例えば、電圧VSSが供給される。これにより、選択メモリセルMCへの電流の供給が停止する。
以上で、選択メモリセルMCへのデータ“0”の書込みが終了する。
次に、データ“1”が書込まれる場合の動作について引き続き図7を用いて説明する。
時刻T14に至るまで、ビット線BL及びワード線WLには、例えば、電圧VSSが供給される。
時刻T14において、選択ビット線BLには電圧Vw0より大きい電圧Vw1が供給され、選択ワード線WLには電圧VSSが供給される。これにより、選択メモリセルMCは、第1端が電圧Vw1となり、第2端が電圧VSSとなるため、磁気抵抗効果素子MTJに電流Iw0より大きい電流Iw1が流れる。
一方、非選択ビット線BL及び非選択ワード線WLにはそれぞれ、電圧VSS及び電圧Vw1が供給される。
これにより、第1端が選択ビット線BLに接続され、第2端が非選択ワード線WLに接続された非選択メモリセルMCは、第1端及び第2端がいずれも電圧Vw1で同電位となるため、電流が流れない。また、第1端が非選択ビット線BLに接続され、第2端が選択ワード線WLに接続された非選択メモリセルMCは、第1端及び第2端がいずれも電圧VSSで同電位となるため、電流が流れない。また、第1端が非選択ビット線BLに接続され、第2端が非選択ワード線WLに接続された非選択メモリセルMCは、第1端が電圧VSSとなり、第2端がVw1となるため、セレクタSELの入力端よりも出力端の電位の方が高くなる。このため、セレクタSELの整流機能により、非選択ワード線WLから非選択ビット線BL側への電流は流れない。したがって、選択ビット線BLから選択ワード線WLに向けてのみ、電流Iw1が流れる。
時刻T16において、選択ビット線BLには電圧VSSが供給される。また、非選択ワード線WLは、例えば、電圧VSSが供給される。これにより、選択メモリセルMCへの電流の供給が停止する。
以上で、選択メモリセルMCへのデータ“1”の書込みが終了する。
1.2.2 書込み動作の際の磁化方向の変化について
次に、第1実施形態に係る磁気記憶装置における書込み動作の際の磁化方向の変化について図8〜図11を用いて説明する。図8及び図9は、第1実施形態に係る磁気記憶装置におけるデータ“0”書込み動作の際の磁気抵抗効果素子の磁化方向の変化の一例を示す模式図である。図8は、データ“1”が書込まれた状態からデータ“0”を書込む場合を示し、図9は、データ“0”が書込まれた状態からデータ“0”を書込む場合を示している。図10及び図11は、第1実施形態に係る磁気記憶装置におけるデータ“1”書込み動作の際の磁気抵抗効果素子の磁化方向の変化の一例を示す模式図である。図10は、データ“0”が書込まれた状態からデータ“1”を書込む場合を示し、図11は、データ“1”が書込まれた状態からデータ“1”を書込む場合を示している。なお、図8及び図9における時刻T10〜T12、並びに図10及び図11における時刻T14〜T16は、図7における時刻T10〜T16に対応する。
まず、データ“1”が書込まれた状態からデータ“0”を書込む際の磁化方向の変化について説明する。
図8に示すように、時刻T10に至るまで、参照層RLの磁化方向は、シフトキャンセル層SCLの磁化方向と反平行な方向である。記憶層SLの磁化方向は、参照層RLの磁化方向と反平行な方向である。時刻T10に至るまで、データ“0”書込みにおいて、制御部16は、選択メモリセルMCを選択しないため、磁気抵抗効果素子MTJには電流は流れない。
時刻T10から時刻T12の間、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJに電圧Vw0を印加し、記憶層SLからシフトキャンセル層SCLに向けて電流Iw0を流す。電流Iw0によって、記憶層SLには、参照層RLの磁化方向と平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。これにより、記憶層SLの磁化方向は、参照層RLの磁化方向と平行な方向に反転する。
時刻T12において、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJへの電圧Vw0の印加を停止する。これにより、記憶層SLの磁化方向と、参照層RLの磁化方向とが互いに平行となり、データ“0”が書込まれる。
次に、データ“0”が書込まれた状態からデータ“0”を書込む際の磁化方向の変化について説明する。
図9に示すように、時刻T10に至るまで、参照層RLの磁化方向は、シフトキャンセル層SCLの磁化方向と反平行な方向である。記憶層SLの磁化方向は、参照層RLの磁化方向と平行な方向である。時刻T10に至るまで、データ“0”書込みにおいて、制御部16は、選択メモリセルMCを選択しないため、磁気抵抗効果素子MTJには電流は流れない。
時刻T10から時刻T12の間、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJに電圧Vw0を印加し、記憶層SLからシフトキャンセル層SCLに向けて電流Iw0を流す。これに伴い、記憶層SLには参照層RLの磁化方向と平行なスピントルクが注入される。しかしながら、記憶層SLの磁化方向は、既に参照層RLの磁化方向と平行であるため、電流Iw0によって記憶層SLの磁化方向は変化しない。一方、電流Iw0によって、参照層RLには、記憶層SLの磁化方向と反平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。しかしながら、電流Iw0によって参照層RLに注入されるスピントルクは、参照層RLの磁化方向を反転させる程度に大きくないため、参照層RLの磁化方向は変化しない。
時刻T12において、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJへの電圧Vw0の印加を停止する。これにより、記憶層SLの磁化方向と、参照層RLの磁化方向とが互いに平行となり、データ“0”が書込まれる。
以上で、選択メモリセルMCへのデータ“0”の書込みが終了する。
次に、データ“0”が書込まれた状態からデータ“1”の書込む際の磁化方向の変化について説明する。
図10に示すように、時刻T14に至るまで、参照層RLの磁化方向は、シフトキャンセル層SCLの磁化方向と反平行な方向である。記憶層SLの磁化方向は、参照層RLの磁化方向と平行な方向である。時刻T14に至るまで、データ“1”書込みにおいて、制御部16は、選択メモリセルMCを選択しないため、磁気抵抗効果素子MTJには電流は流れない。
時刻T14から時刻T16の間、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJに電圧Vw1を印加し、記憶層SLからシフトキャンセル層SCLに向けて電流Iw1を流す。電流Iw1によって、参照層RLには、記憶層SLの磁化方向と反平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。電流Iw1によって参照層RLに注入されるスピントルクは、参照層RLの磁化方向を反転させる程度に大きい。このため、参照層RLの磁化方向は、記憶層SLの磁化方向と反平行な方向に反転する。
続いて、電流Iw1によって、記憶層SLには、参照層RLの磁化方向と平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。これにより、記憶層SLの磁化方向は、参照層RLの磁化方向と平行な方向に反転する。
時刻T16において、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJへの電圧Vw1の印加を停止する。これに伴い、参照層RL及び記憶層SLへのスピントルクの注入が停止する。参照層RLの磁化方向は、シフトキャンセル層SCLとの反強磁性結合によって、シフトキャンセル層SCLの磁化方向と反平行な方向に反転する。これにより、記憶層SLの磁化方向と、参照層RLとが互いに反平行となり、データ“1”が書込まれる。
次に、データ“1”が書込まれた状態からデータ“1”の書込む際の磁化方向の変化について説明する。
図11に示すように、時刻T14に至るまで、参照層RLの磁化方向は、シフトキャンセル層SCLの磁化方向と反平行な方向である。記憶層SLの磁化方向は、参照層RLの磁化方向と反平行な方向である。時刻T14に至るまで、データ“1”書込みにおいて、制御部16は、選択メモリセルMCを選択しないため、磁気抵抗効果素子MTJには電流は流れない。
時刻T14から時刻T16の間、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJに電圧Vw1を印加し、記憶層SLからシフトキャンセル層SCLに向けて電流Iw1を流す。電流Iw1によって、記憶層SLには、参照層RLの磁化方向と平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。これにより、記憶層SLの磁化方向は、参照層RLの磁化方向と平行な方向に反転する。
続いて、電流Iw1によって、参照層RLには、記憶層SLの磁化方向と反平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。電流Iw1によって参照層RLに注入されるスピントルクは、参照層RLの磁化方向を反転させる程度に大きい。このため、参照層RLの磁化方向は、記憶層SLの磁化方向と反平行な方向に反転する。
続いて、電流Iw1によって、記憶層SLには、参照層RLの磁化方向と平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。これにより、記憶層SLの磁化方向は、参照層RLの磁化方向と平行な方向に反転する。
時刻T16において、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJへの電圧Vw1の印加を停止する。これに伴い、参照層RL及び記憶層SLへのスピントルクの注入が停止する。参照層RLの磁化方向は、シフトキャンセル層SCLとの反強磁性結合によって、シフトキャンセル層SCLの磁化方向と反平行な方向に反転する。これにより、記憶層SLの磁化方向と、参照層RLとが互いに反平行となり、データ“1”が書込まれる。
以上で、選択メモリセルMCへのデータ“1”の書込みが終了する。
1.3 本実施形態に係る効果について
第1実施形態によれば、一方向の書込み電流によって互いに異なる2つのデータの書込みを行うことができる。本効果につき、以下に説明する。
一般に、記憶層から参照層に向けて電流が流れる場合、参照層には、記憶層の磁化方向と反平行のスピントルクが注入される。つまり、記憶層の磁化方向が参照層の磁化方向と平行な場合、記憶層から参照層に向けて電流が流れることによって、参照層には、磁化方向を反転させる方向のスピントルクが注入される。一方、参照層は、磁化エネルギが大きければ大きいほど、磁化方向が強く固定され、外部の磁界やスピントルクによって反転しにくい性質を有する。
第1実施形態によれば、参照層RLの磁化エネルギΔE_RLは、記憶層SLの磁化エネルギΔE_SLよりも小さい。上述の関係を満たすためには、例えば、参照層RLの保磁力Hc_RLは、記憶層SLの保磁力Hc_SLより小さい。また、例えば、参照層RLの飽和磁化Ms_RL及び膜厚tRLの積Ms_RL×tRLは、記憶層SLの飽和磁化Ms_SL及び膜厚tSLの積Ms_SL×tSLより小さい。また、例えば、参照層RLの体積Vol_RLは、記憶層SLの体積Vol_SLより小さい。これにより、記憶層SLの磁化方向と平行な磁化方向を有する参照層RLは、記憶層SLから参照層RLに向けて電流が流れる場合に、記憶層SLから注入されるスピントルクによって、磁化方向を反転されやすくなる。
また、制御部16は、データ“0”の書込みの際に、記憶層SLから参照層RLに向けて電流Iw0が流れるように、メモリセルMCに電圧Vw0を印加する。電流Iw0は、参照層RLの磁化エネルギΔE_RLが記憶層SLの磁化エネルギΔE_SLよりも小さい場合に、参照層RLの磁化方向と記憶層SLの磁化方向を平行状態にする(磁化反転確率が“1”となる)大きさに設定される。これにより、電流Iw0によって参照層RLに注入されるスピントルクでは、参照層RLの磁化方向は反転しない。このため、磁気抵抗効果素子MTJは、データ“0”を書込まれることができる。
また、制御部16は、データ“1”の書込みの際に、記憶層SLから参照層RLに向けて電流Iw0より大きい電流Iw1が流れるように、メモリセルMCに電圧Vw1を印加する。電流Iw1は、参照層RLの磁化エネルギΔE_RLが記憶層Slの磁化エネルギΔE_SLよりも小さい場合に、参照層RLの磁化方向と記憶層SLの磁化方向を反平行状態にする(磁化反転確率が“0”となる)大きさに設定される。これにより、参照層RLは、電流Iw1によって注入されるスピントルクによって磁化反転する。このため、磁気抵抗効果素子MTJは、データ“1”を書込まれることができる。
また、主参照層MRLと界面参照層IRLとの間の強磁性結合は、主参照層MRLとシフトキャンセル層SCLとの間の反強磁性結合よりも強い。これにより、外部磁場又はスピントルクの影響に対して、反強磁性結合よりも強磁性結合の方が切れにくい。このため、主参照層MRL及び界面参照層IRLは、主参照層MRL及びシフトキャンセル層SCLが反強磁性的に結合している場合、平行な磁化方向を有するとみなすことができる。
また、メモリセルアレイ11内におけるメモリセルMCの集積度が高くなるほど、磁気抵抗効果素子MTJのxy平面に沿った断面の断面積は、例えば、大きな割合で変化し得る。そこで、磁気抵抗効果素子MTJは、記憶層SLの上方に参照層RLを設けられる。これにより、磁気抵抗効果素子MTJに含まれる積層構造のうちの上層の断面積が下層の断面積に対して小さくなる場合において、記憶層SLの断面積を参照層RLの断面積に対して、大きくすることができる。このため、記憶層SLの体積Vol_SLが参照層RLの体積Vol_RLに対して大きくなるように設計しやすくすることができる。
また、セレクタSELは、一方向の電流を通し、他方向の電流を遮断する整流機能を有する。これにより、磁気抵抗効果素子MTJに対して書込み電流と逆方向に流れる電流を遮断することができる。
また、セレクタSELは、Oxide-PN接合素子、Metal-Oxide Schottkyダイオード素子、MIMダイオード(Metal-Insulator-Metal:金属-絶縁体-金属)素子、MSMダイオード(Metal-Semiconductor-Metal:金属-半導体-金属)素子、及びOTS(Ovonic Threshold Switch)素子のいずれか1つを含む。これにより、セレクタSELは、電流経路がz軸方向に沿うように設けられることができる。このため、平面型トランジスタのように電流経路がxy平面に沿ったセレクタを用いることなく、メモリセルMCを設けることができる。したがって、メモリセルアレイ11を、6F2サイズより稠密な4F2サイズで設けることができる。
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係る磁気記憶装置について説明する。第2実施形態は、強磁性層253a、非磁性層253b、及び強磁性層253cが1体の強磁性層253とみなせない点において、第1実施形態と相違する。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
2.1 磁気抵抗効果素子の構成について
第2実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子の構成について説明する。第2実施形態に係る磁気抵抗効果素子MTJとして機能する素子層25の積層構造は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
第2実施形態では、強磁性層253a及び強磁性層253cの間の強磁性結合の結合力が、強磁性層253c及び強磁性層255の間の反強磁性結合の結合力よりも小さくなるように設計される。より具体的には、非磁性層253bの膜厚tS1及び非磁性層254の膜厚tS2を調整することにより、絶対値|Jex1|が絶対値|Jex2|よりも小さくなる(|Jex1|<|Jex2|)ように設計される。これにより、第2実施形態では、例えば、強磁性層253a及び強磁性層253cの間の強磁性結合を切るために必要な磁界の大きさは、強磁性層253c及び強磁性層255の間の反強磁性結合を切るために必要な磁界の大きさよりも、大きくなる。この場合、強磁性層253cと強磁性層255とが反強磁性的に結合している間に、強磁性層253aの磁化方向と強磁性層253cの磁化方向とが反平行になり得る。すなわち、強磁性層253a、非磁性層253b、及び強磁性層253cは、参照層RLとして機能する1つの強磁性層253とみなせない。第2実施形態に係る以下の説明では、強磁性層253a及び強磁性層253cは、各々が互いに異なる磁化方向を有し得るものとして説明する。
また、第2実施形態では、強磁性層253aは、強磁性層251よりも磁化エネルギΔEが小さくなるように設計される。
強磁性層253aの磁化エネルギΔE_IRLが強磁性層251の磁化エネルギΔE_SLよりも小さくなるためには、例えば、強磁性層253aの膜厚tIRLが、強磁性層251の膜厚tSLよりも小さいことが望ましい。また、例えば、強磁性層253aの保磁力Hc_IRLが、強磁性層251の保磁力Hc_SLよりも小さいことが望ましい。また、例えば、強磁性層253aの体積Vol_IRLが、強磁性層251の体積Vol_SLよりも小さいことが望ましい。
2.2 磁気抵抗効果素子の磁気抵抗特性について
次に、第2実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子が有する磁気抵抗特性について説明する。
図12は、第2実施形態に係る磁気記憶装置の磁気抵抗効果素子MTJの磁気抵抗特性(R−H特性)を示すダイアグラムである。図12のR−H特性は、図5のR−H特性と同様、外部から印加される磁界の大きさに応じて、記憶層SL及び参照層RL(主参照層MRL及び界面参照層IRL)の磁化反転挙動が示される。図12における磁界の大きさは、便宜的に、シフトキャンセル層SCLの磁化方向と平行な方向が正方向としている。なお、上述の通り、シフトキャンセル層SCLの磁化方向は固定されているため、図12では、シフトキャンセル層SCLの磁化反転挙動は示されていない。したがって、図12に示される磁界の範囲においては、シフトキャンセル層SCLの磁化方向は、参照層RL側に矢印が向く方向に固定されているものとしている。
図12に示すように、初期状態(2a)において、参照層RL及びシフトキャンセル層SCLの磁化方向は反平行であり、参照層RL及び記憶層SLの磁化方向は平行である。つまり、初期状態(2a)において、磁気抵抗効果素子MTJは、抵抗値R0を有する低抵抗状態である。この状態からシフトキャンセル層SCLから記憶層SLに向かう方向の磁界が印加されると、磁界H_SL1付近において、記憶層SLの磁化方向が反転し、磁気抵抗効果素子MTJは抵抗値R1を有する高抵抗状態となる(2b)。より具体的には、例えば、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_SL1において抵抗値(R1+R0)/2に達する。そして、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_SL1より大きくなった後速やかに抵抗値R1に達する。
更に印加される磁界を強めていくと、界面参照層IRLの磁化方向が主参照層MRLの磁化方向と反平行となるように徐々に反転していく。これに伴い、磁気抵抗効果素子MTJは、抵抗値が抵抗値R1から徐々に低くなる(2b’)。なお、界面参照層IRLの磁化方向が徐々に反転している間、主参照層MRLの磁化方向は変化しない。そして、抵抗値がR1より小さいR1’まで低下すると、主参照層MRL及び界面参照層IRLの磁化方向は、記憶層SLの磁化方向と平行な方向になるように急激に反転し始め、磁気抵抗効果素子MTJは低抵抗状態となる(2c)。より具体的には、例えば、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_RL1において抵抗値(R1+R0)/2に達する。そして、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_RL1より大きくなった後速やかに抵抗値R0に達する。状態(2c)では、記憶層SL、参照層RL、及びシフトキャンセル層SCLの磁化方向は平行となる。
この状態(2c)から印加される磁界を弱めていくと、磁界H_RL2付近において、主参照層MRL及び界面参照層IRLの磁化方向が同時に反転する。より具体的には、例えば、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_RL2において、抵抗値(R1+R0)/2に達する。なお、界面参照層IRLの磁化方向は、磁界H_RL2において完全には反転しない(2b’)。そして、磁界H_SL1付近まで印加される磁界を弱めていくと抵抗値は徐々に上昇し、抵抗値R1に達する(2b)。
更に印加される磁界を弱めていくと、負の磁界H_SL2付近において、記憶層SLの磁化方向が反転し、磁気抵抗効果素子MTJは低抵抗状態となる。より具体的には、例えば、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_SL2において、抵抗値(R1+R0)/2に達する。そして、磁気抵抗効果素子MTJの抵抗値は、磁界H_RL2より小さくなった後速やかに抵抗値R0に達し、初期状態(1a)に戻る。
このように、強磁性層253a、非磁性層253b、及び強磁性層253cが参照層RLとして機能する1つの強磁性層253であるとみなせない場合、主参照層MRL及び界面参照層IRLの磁化方向は、メジャーループ内において互いに平行とならない状態(2b’)を含む。なお、図12における状態(2b’)の形状は、界面参照層IRLと主参照層MRLの間の強磁性結合の強さに応じて変化する。状態(2b’)の形状は、例えば、以下の式に示される強磁性結合の劣化比Sで定義される。
S=(R1’−R0)/(R1−R0)
劣化比Sは、その値が小さいほど、強磁性結合が、界面参照層IRLとシフトキャンセル層SCLの間の反強磁性結合に対して弱いことを示す。例えば、劣化比Sの値は、0.8以上1.0未満(0.8≦S<1.0)が望ましく、0.8以上0.95以下(0.8≦S≦0.95)が更に望ましく、0.8以上0.9以下(0.8≦S≦0.9)が更に望ましい。
2.3 書込み動作の際の磁化方向の変化について
次に、第2実施形態に係る磁気記憶装置における書込み動作の際の磁化方向の変化について図13及び図14を用いて説明する。図13及び図14は、第2実施形態に係る磁気記憶装置におけるデータ“1”書込み動作の際の磁気抵抗効果素子の磁化方向の変化の様子の一例を示す模式図である。図13は、データ“0”が書込まれた状態からデータ“1”を書込む場合を示し、図14は、データ“1”が書込まれた状態からデータ“1”を書込む場合を示している。なお、図13及び図14における時刻T14〜T16は、図7における時刻T14〜T16に対応する。
まず、データ“0”が書込まれた状態からデータ“1”の書込む際の磁化方向の変化について説明する。
図13に示すように、時刻T14に至るまで、主参照層MRLの磁化方向は、シフトキャンセル層SCLの磁化方向と反平行な方向であり、界面参照層IRLの磁化方向と平行な方向である。記憶層SLの磁化方向は、例えば主参照層MRL及び界面参照層IRLの磁化方向と平行な方向である。時刻T14に至るまで、データ“1”書込みにおいて、制御部16は、選択メモリセルMCを選択しない。
時刻T14から時刻T16の間、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJに電圧Vw1を印加し、記憶層SLからシフトキャンセル層SCLに向けて電流Iw1を流す。電流Iw1によって、界面参照層IRLには、記憶層SLの磁化方向と反平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。電流Iw1によって界面参照層IRLに注入されるスピントルクは、界面参照層IRLの磁化方向を反転させる程度に大きい。このため、界面参照層IRLの磁化方向は、記憶層SLの磁化方向と反平行な方向に反転する。
その後、引き続き電流Iw1によって、記憶層SLには、界面参照層IRLの磁化方向と平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。これにより、記憶層SLの磁化方向は、界面参照層IRLの磁化方向と平行な方向に反転する。
時刻T16において、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJへの電圧Vw1の印加を停止する。これに伴い、界面参照層IRL及び記憶層SLへのスピントルクの注入が停止する。界面参照層IRLの磁化方向は、主参照層MRLとの強磁性結合によって、主参照層MRLの磁化方向と平行な方向に反転する。これにより、記憶層SLの磁化方向と、界面参照層IRL及び主参照層MRLの磁化方向とが互いに反平行となり、データ“1”が書込まれる。
次に、データ“1”が書込まれた状態からデータ“1”の書込む際の磁化方向の変化について説明する。
図14に示すように、時刻T14に至るまで、主参照層MRLの磁化方向は、シフトキャンセル層SCLの磁化方向と反平行な方向であり、界面参照層IRLの磁化方向と平行な方向である。記憶層SLの磁化方向は、例えば主参照層MRL及び界面参照層IRLの磁化方向と反平行な方向である。時刻T14に至るまで、データ“1”書込みにおいて、制御部16は、選択メモリセルMCを選択しない。
時刻T14から時刻T16の間、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJに電圧Vw1を印加し、記憶層SLからシフトキャンセル層SCLに向けて電流Iw1を流す。電流Iw1によって、記憶層SLには、界面参照層IRLの磁化方向と平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。これにより、記憶層SLの磁化方向は、界面参照層IRLの磁化方向と平行な方向に反転する。
続いて、電流Iw1によって、界面参照層IRLには、記憶層SLの磁化方向と反平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。電流Iw1によって界面参照層IRLに注入されるスピントルクは、界面参照層IRLの磁化方向を反転させる程度に大きい。このため、界面参照層IRLの磁化方向は、記憶層SLの磁化方向と反平行な方向に反転する。
続いて、電流Iw1によって、記憶層SLには、界面参照層IRLの磁化方向と平行な磁化方向を有するスピントルクが注入される。これにより、記憶層SLの磁化方向は、界面参照層IRLの磁化方向と平行な方向に反転する。
時刻T16において、制御部16は、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJへの電圧Vw1の印加を停止する。これに伴い、界面参照層IRL及び記憶層SLへのスピントルクの注入が停止する。界面参照層IRLの磁化方向は、主参照層MRLとの強磁性結合によって、主参照層MRLの磁化方向と平行な方向に反転する。これにより、記憶層SLの磁化方向と、界面参照層IRL及び主参照層MRLの磁化方向とが互いに反平行となり、データ“1”が書込まれる。
以上で、選択メモリセルMCへのデータ“1”の書込みが終了する。
2.4 本実施形態に係る効果について
第2実施形態によれば、主参照層MRLと界面参照層IRLとの間の強磁性結合は、主参照層MRLとシフトキャンセル層SCLとの間の反強磁性結合よりも弱い。これにより、外部磁場又はスピントルクの影響に対して、反強磁性結合よりも強磁性結合の方が切れやすい。このため、主参照層MRL及び界面参照層IRLは、主参照層MRL及びシフトキャンセル層SCLが反強磁性的に結合されている間においても、平行でない磁化方向を有し得る。
また、界面参照層IRLの磁化エネルギΔE_RLは、記憶層SLの磁化エネルギΔE_SLよりも小さい。より具体的には、界面参照層IRLの保磁力Hc_IRLは、記憶層SLの保磁力Hc_SLより小さい。及び/又は、界面参照層IRLの飽和磁化Ms_IRL及び膜厚tIRLの積Ms_IRL×tIRLは、記憶層SLの飽和磁化Ms_SL及び膜厚tSLの積Ms_SL×tSLより小さい。及び/又は、界面参照層IRLの体積Vol_IRLは、記憶層SLの体積Vol_SLより小さい。これにより、記憶層SLの磁化方向と平行な磁化方向を有する界面参照層IRLは、記憶層SLから界面参照層IRLに向けて電流が流れる場合に、記憶層SLから注入されるスピントルクによって、磁化方向を反転されやすくなる。
また、制御部16は、データ“0”の書込みの際に、記憶層SLから界面参照層IRLに向けて電流Iw0が流れるように、メモリセルMCに電圧Vw0を印加する。電流Iw0は、界面参照層IRLの磁化エネルギΔE_IRLが記憶層Slの磁化エネルギΔE_SLよりも小さい場合に、界面参照層IRLの磁化方向と記憶層SLの磁化方向を平行状態にする(磁化反転確率が“1”となる)大きさに設定される。これにより、電流Iw0によって界面参照層IRLに注入されるスピントルクでは、界面参照層IRLの磁化方向は反転しない。このため、磁気抵抗効果素子MTJは、データ“0”を書込まれることができる。
また、制御部16は、データ“1”の書込みの際に、記憶層SLから界面参照層IRLに向けて電流Iw0より大きい電流Iw1が流れるように、メモリセルMCに電圧Vw1を印加する。電流Iw1は、界面参照層IRLの磁化エネルギΔE_IRLが記憶層Slの磁化エネルギΔE_SLよりも小さい場合に、界面参照層IRLの磁化方向と記憶層SLの磁化方向を反平行状態にする(磁化反転確率が“0”となる)大きさに設定される。これにより、界面参照層IRLは、電流Iw1によって注入されるスピントルクによって磁化反転する。このため、磁気抵抗効果素子MTJは、データ“1”を書込まれることができる。
3. 変形例等
上述の第1実施形態及び第2実施形態で述べた形態に限らず、種々の変形が可能である。
3.1 第1変形例
第1実施形態及び第2実施形態では、電圧Vw1が電圧Vw0より大きい場合について説明したが、これに限られない。
図15は、第1変形例に係る磁気記憶装置の書込み動作の概要を説明するためのタイミングチャートである。図15では、時刻T20から時刻T22までの期間において書込み対象のメモリセルMCへデータ“0”が書込まれ、時刻T24から時刻T26までの期間においてデータ“1”が書込まれる様子が示される。
まず、データ“0”が書込まれる場合の動作について説明する。
図15に示すように、時刻T20に至るまで、ビット線BL及びワード線WLには、例えば、電圧VSSが供給される。
時刻T20において、選択ビット線BL及び選択ワード線WLにはそれぞれ、電圧Vw2及び電圧VSSが供給される。これにより、選択メモリセルMCは、第1端が電圧Vw2となり、第2端が電圧VSSとなるため、選択メモリセルMC内の磁気抵抗効果素子MTJに、選択ビット線BLから選択ワード線WLに向けて或る電流が流れる。
一方、非選択ビット線BL及び非選択ワード線WLにはそれぞれ、電圧VSS及び電圧Vw2が供給される。
これにより、第1端が選択ビット線BLに接続され、第2端が非選択ワード線WLに接続された非選択メモリセルMCは、第1端及び第2端がいずれも電圧Vw2で同電位となるため、電流が流れない。また、第1端が非選択ビット線BLに接続され、第2端が選択ワード線WLに接続された非選択メモリセルMCは、第1端及び第2端がいずれも電圧VSSで同電位となるため、電流が流れない。また、第1端が非選択ビット線BLに接続され、第2端が非選択ワード線WLに接続された非選択メモリセルMCは、第1端が電圧VSSとなり、第2端がVw2となるため、セレクタSELの入力端よりも出力端の電位の方が高くなる。このため、セレクタSELの整流機能により、非選択ワード線WLから非選択ビット線BL側への電流は流れない。
時刻T22において、選択ビット線BLには電圧VSSが供給される。また、非選択ワード線WLは、例えば、電圧VSSが供給される。これにより、選択メモリセルMCへの電流の供給が停止する。このため、時刻T20から時刻T22の期間D0において、選択メモリセルMCにのみ、或る電流が流れる。
以上で、選択メモリセルMCへのデータ“0”の書込みが終了する。
次に、データ“1”が書込まれる場合の動作について引き続き図15を用いて説明する。
時刻T24に至るまで、ビット線BL及びワード線WLには、例えば、電圧VSSが供給される。
時刻T24において、選択ビット線BLには電圧Vw2が供給され、選択ワード線WLには電圧VSSが供給される。これにより、選択メモリセルMCは、第1端が電圧Vw2となり、第2端が電圧VSSとなるため、磁気抵抗効果素子MTJに電流が流れる。
一方、非選択ビット線BL及び非選択ワード線WLにはそれぞれ、電圧VSS及び電圧Vw1が供給される。これにより、選択メモリセルには或る電流が流れ、非選択メモリセルには電流が流れない。
時刻T26において、選択ビット線BLには電圧VSSが供給される。また、非選択ワード線WLは、例えば、電圧VSSが供給される。これにより、選択メモリセルMCへの電流の供給が停止する。このため、時刻T24から時刻T26の期間D1において、選択メモリセルMCにのみ、或る電流が流れる。
以上で、選択メモリセルMCへのデータ“1”の書込みが終了する。
なお、期間D1は、期間D0より長く設定される。これにより、データ“0”の書込みの際に印加される電圧に対してデータ“1”の書込みの際に印加される電圧の大きさを大きくすることなく、参照層RL又は界面参照層IRLに対して注入するスピントルクを大きくすることができる。このため、参照層RL又は界面参照層IRLは、期間D1の方が期間D0よりも磁化反転し易くなる。したがって、変形例に係る書込み動作は、第1実施形態及び第2実施形態に係る書込み動作と実質的に同じ効果を得ることができる。
3.2 第2変形例
上述の各実施形態及びその変形例で述べた磁気抵抗効果素子MTJは、参照層RLが記憶層SLの上方に設けられるボトムフリー型である場合について説明したが、記憶層SLが参照層RLの上方に設けられるトップフリー型であってもよい。
図16及び図17は、トップフリー型が適用された場合の構成例を示す。図16は、第2変形例に係るメモリセルの構成を説明するための斜視図である。図17は、第2変形例に係る磁気抵抗効果素子の構成を説明するための断面図である。
図16に示すように、図示しない半導体基板上に、配線層27、導電層26、素子層25、導電層24、素子層23、導電層22、及び配線層21が、この順に順次積層される。
図17に示すように、素子層25は、例えば、ワード線WL側から非磁性層256(キャップ層)、強磁性層255(シフトキャンセル層SCL)、非磁性層254(第2スペーサ層)、強磁性層253(参照層RL)、非磁性層252(トンネルバリア層)、強磁性層251(記憶層SL)、及び非磁性層250(下地層)の順に、z軸方向に複数の膜が積層される。また、強磁性層253は、強磁性層253c(主参照層MRL)、非磁性層253b(第1スペーサ層)、及び強磁性層253a(界面参照層IRL)の順に、z軸方向に複数の膜が積層される。
磁気抵抗効果素子MTJに、図17における矢印a3の方向、即ち記憶層SLから参照層RLに向かう方向に、或る大きさの書込み電流Iw0を流すと、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係は、平行になる。また、磁気抵抗効果素子MTJに、図17における矢印a4の方向、即ち記憶層SLから参照層RLに向かう方向(矢印a3と同じ方向)に、書込み電流Iw0より大きい書込み電流Iw1を流すと、記憶層SL及び参照層RLの磁化方向の相対関係は、反平行になる。
強磁性層251及び253aは、例えば、上面の面積が下面の面積よりも大きい。より具体的には、強磁性層251及び253aは、xy平面に沿った断面の断面積が+z軸方向に沿って徐々に大きくなる部分を含む。つまり、強磁性層251及び253aのxy平面に垂直な断面は、例えば、上底の長さが下底の長さよりも長い台形形状の部分を有する。すなわち、強磁性層251及び253aはそれぞれ、テーパ角θSL及びθIRL(θSL<0、θIRL<0)でテーパしている部分を含む。テーパ角θSL及びθIRLは、例えば、−90度より大きく−70度以下(−70≧θSL、θIRL>−90)、より好ましくは−90度より大きく−80度以下(−80≧θSL、θIRL>−90)の範囲で設定されることが望ましい。
以上のように構成することにより、記憶層SLの磁化エネルギΔE_SLが参照層RLの磁化エネルギΔE_RLよりも大きくなるように設計し易くなる。これにより、トップフリー型を適用した場合においても、一方向の電流で互いに異なる2つのデータを書込むことが容易になる。
3.3 その他
上述の各実施形態及びその変形例で述べた磁気記憶装置1の書込み動作では、制御部16が電圧を制御することによってメモリセルMCに電流を供給する場合について説明したが、これに限られない。例えば、制御部16は、メモリセルMCに流す電流を直接制御することによって書込み動作を実行してもよい。この場合、具体的には例えば、第1実施形態及び第2実施形態においては、制御部16は、データ“0”及び“1”を書込む際に、メモリセルMCにそれぞれ電流Iw0及びIw1が流れるようにSA/CD12及びロウデコーダ13を制御してもよい。また、例えば、変形例においては、制御部16は、データ“0”及び“1”を書込む際に、メモリセルMCに或る電流を流す期間がそれぞれ期間D0及びD1になるようにSA/CD12及びロウデコーダ13を制御してもよい。
また、上述の各実施形態及びその変形例で述べた磁気抵抗効果素子MTJは、垂直磁化MTJである場合について説明したが、これに限らず、水平磁気異方性を有する水平磁化MTJ素子であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…磁気記憶装置、11…メモリセルアレイ、12…書込み回路及び読出し回路、13…ロウデコーダ、14…ページバッファ、15…入出力回路、16…制御部、21、27…配線層、22、24、26…導電層、23、25…素子層、250、252、253b、254、256…非磁性層、251、253、253a、253c、255…強磁性層。

Claims (20)

  1. 磁気抵抗効果素子と、
    前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続されたセレクタと、
    ビット線に電気的に接続された第1端と、ワード線に電気的に接続された第2端と、
    を含むメモリセルを備え、
    前記磁気抵抗効果素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、第3強磁性層と、前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の間に設けられる第1非磁性層と、前記第2強磁性層及び前記第3強磁性層の間に設けられて前記第2強磁性層及び前記第3強磁性層を反強磁性的に結合する第2非磁性層と、を含み、
    前記第1強磁性層の膜厚(tSL)は、前記第2強磁性層の膜厚(tRL)より大きい、
    磁気記憶装置。
  2. 前記第1強磁性層の体積は、前記第2強磁性層の体積より大きい、請求項1記載の磁気記憶装置。
  3. 前記第2強磁性層は、前記第1強磁性層の上方に設けられ、
    前記磁気抵抗効果素子の上面の面積は、前記磁気抵抗効果素子の下面の面積より小さい、
    請求項1記載の磁気記憶装置。
  4. 前記第2強磁性層は、前記第1強磁性層の下方に設けられ、
    前記磁気抵抗効果素子の上面の面積は、前記磁気抵抗効果素子の下面の面積より大きい、
    請求項1記載の磁気記憶装置。
  5. 前記セレクタは、Oxide-PN接合素子、Metal-Oxide Schottkyダイオード素子、MIMダイオード(Metal-Insulator-Metal:金属-絶縁体-金属)素子、MSMダイオード(Metal-Semiconductor-Metal:金属-半導体-金属)素子、及びOTS(Ovonic Threshold Switch)素子のいずれか1つを含む、請求項1記載の磁気記憶装置。
  6. 前記磁気記憶装置は、制御部を更に備え、
    前記制御部は、
    前記メモリセルの第1端に、前記メモリセルの第2端の電圧より高い第1電圧を供給し、第1データを書込む第1動作と、
    前記メモリセルの第1端に、前記第1電圧と異なり、前記メモリセルの第2端に電圧より高い第2電圧を供給し、前記第1データと異なる第2データを書込む第2動作と、
    を実行する、
    請求項1記載の磁気記憶装置。
  7. 磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続されたセレクタと、を含むメモリセルと、
    制御部と、を備え、
    前記磁気抵抗効果素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、第3強磁性層と、前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の間に設けられる第1非磁性層と、前記第2強磁性層及び前記第3強磁性層の間に設けられて前記第2強磁性層及び前記第3強磁性層を反強磁性的に結合する第2非磁性層と、を含み、
    前記制御部は、
    前記メモリセルの第1端に、前記メモリセルの第2端の電圧より高い第1電圧を供給し、第1データを書込む第1動作と、
    前記メモリセルの第1端に、前記メモリセルの第2端の電圧より高く、前記第1電圧と異なる第2電圧を供給し、前記第1データと異なる第2データを書込む第2動作と、
    を実行する、
    請求項1記載の磁気記憶装置。
  8. 前記第2電圧は、前記第1電圧より大きい、請求項7記載の磁気記憶装置。
  9. 前記第2電圧のパルス幅は、前記第1電圧のパルス幅より大きい、請求項7記載の磁気記憶装置。
  10. 磁気抵抗効果素子と、
    前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続されたセレクタと、
    を含むメモリセルを備え、
    前記磁気抵抗効果素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、第3強磁性層と、前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の間に設けられる第1非磁性層と、前記第2強磁性層及び前記第3強磁性層の間に設けられて前記第2強磁性層及び前記第3強磁性層を反強磁性的に結合する第2非磁性層と、を含み、
    前記第1強磁性層の磁化エネルギは、前記第2強磁性層の磁化エネルギより大きい、
    磁気記憶装置。
  11. 前記第1強磁性層の保磁力は、前記第2強磁性層の保磁力より大きい、請求項10記載の磁気記憶装置。
  12. 前記第1強磁性層の飽和磁化と膜厚との積は、前記第2強磁性層の飽和磁化と膜厚との積より大きい、請求項10記載の磁気記憶装置。
  13. 前記第1強磁性層の飽和磁化は、前記第2強磁性層の飽和磁化より大きい、請求項10記載の磁気記憶装置。
  14. 前記第1強磁性層の膜厚は、前記第2強磁性層の膜厚より大きい、請求項10記載の磁気記憶装置。
  15. 前記第1強磁性層の体積は、前記第2強磁性層の体積より大きい、請求項10記載の磁気記憶装置。
  16. 磁気抵抗効果素子と、
    前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続されたセレクタと、
    ビット線に電気的に接続された第1端と、ワード線に電気的に接続された第2端と、
    を含むメモリセルを備え、
    前記磁気抵抗効果素子は、第1強磁性層と、第2強磁性層と、第3強磁性層と、前記第1強磁性層及び前記第2強磁性層の間に設けられる第1非磁性層と、前記第2強磁性層及び前記第3強磁性層の間に設けられて前記第2強磁性層及び前記第3強磁性層を反強磁性的に結合する第2非磁性層と、を含み、
    前記第2強磁性層は、
    第3非磁性層と、
    前記第1非磁性層及び前記第3非磁性層との間に設けられる第4強磁性層と、
    前記第2非磁性層及び前記第3非磁性層との間に設けられる第5強磁性層と、
    を含み、
    前記第1強磁性層の膜厚(tSL)は、前記第4強磁性層の膜厚(tIRL)より大きい、
    磁気記憶装置。
  17. 前記第3非磁性層は、前記第4強磁性層及び前記第5強磁性層を強磁性的に結合し、
    前記第1強磁性層の磁化エネルギは、前記第4強磁性層の磁化エネルギより大きい、請求項16記載の磁気記憶装置。
  18. 前記第1強磁性層の体積は、前記第4強磁性層の体積より大きい、請求項16記載の磁気記憶装置。
  19. 前記第2強磁性層は、前記第1強磁性層の上方に設けられ、
    前記磁気抵抗効果素子の上面の面積は、前記磁気抵抗効果素子の下面の面積より小さい、
    請求項16記載の磁気記憶装置。
  20. 前記第2強磁性層は、前記第1強磁性層の下方に設けられ、
    前記磁気抵抗効果素子の上面の面積は、前記磁気抵抗効果素子の下面の面積より大きい、
    請求項16記載の磁気記憶装置。
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