≪パターン化された硬化膜を形成する方法≫
パターン化された硬化膜(以下、「レジストパターン」ともいう)を形成する方法は、
金属表面を有する基板の金属表面上に、感光性組成物からなる感光性層を積層することと、
感光性層を露光することと、
露光後の感光性層を現像することとを含む。
感光性層の厚さは、80μm以上である。かかる厚さの感光性層を用いてレジストパターンを形成し、形成されたレジストパターンをめっき造形物を製造するための鋳型として用いてめっきを行うことによって、望ましいサイズのバンプやメタルポストを基板の金属表面上に形成することができる。
一般的に、80μm以上の厚い感光性層に対して、露光及び現像を行ってレジストパターンを形成する場合、露光光が感光性層の底部まで届きにくいため、断面形状が良好な矩形の非レジスト部を備えるレジストパターンの形成が困難である。
しかし、上記の方法によれば、後述するように、特定の(B)光重合開始剤を含む感光性組成物を用いて、レジストパターンを形成するための感光性層を形成することにより、厚さが80μm以上の厚い感光性層を形成する場合であっても、断面形状が良好な矩形である非レジスト部を備えるレジストパターンを形成できる。
以下、パターン化された硬化膜を形成する方法が含む、種々の工程について順に説明する。
以下、金属表面を有する基板の金属表面上への感光性組成物からなる感光性層の積層を、積層工程とも記す。
積層工程により形成された感光性層への露光について、露光工程とも記す。
露光後の感光性層の現像について、現像工程とも記す。
<積層工程>
積層工程では、金属表面を有する基板の金属表面上に、感光性組成物からなる感光性層を積層する。感光性層の厚さは80μm以上であり、好ましくは80〜500μmであり、より好ましくは120〜300μmである。
感光性層を形成するために使用される感光性組成物は、(A)光重合性化合物、及び(B)光重合開始剤を含む。感光性組成物は、(C)アルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよい。以下、積層工程で使用される材料と、積層工程の具体的方法とを説明する。
〔基板〕
基板としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。該基板としては、例えば、シリコン、窒化シリコン、チタン、タンタル、パラジウム、チタンタングステン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板やガラス基板等が挙げられる。
該基板としては、配線パターン等の金属表面を有するものが用いられる。金属表面を構成する金属種としては、銅、ハンダ、クロム、アルミニウム、ニッケル、金等が挙げられ、銅、金、アルミニウムが好ましく、銅がより好ましい。
〔感光性組成物〕
感光性層の形成に用いられる感光性組成物は、前述の通り、(A)光重合性化合物と、(B)光重合開始剤と、任意に(C)アルカリ可溶性樹脂とを含んでいてもよい。以下、感光性組成物に含まれる、必須又は任意の成分と、感光性組成物の調製方法とについて説明する。
[(A)光重合性化合物]
感光性組成物に含有される(A)光重合性化合物(以下、(A)成分ともいう。)としては、特に限定されず、従来公知の光重合性化合物を用いることができる。その中でも、エチレン性不飽和基を有する樹脂又はモノマーが好ましく、これらを組み合わせることがより好ましい。エチレン性不飽和基を有する樹脂とエチレン性不飽和基を有するモノマーとを組み合わせることにより、感光性組成物の硬化性を向上させ、パターン形成を容易にすることができる。
(エチレン性不飽和基を有する樹脂)
エチレン性不飽和基を有する樹脂としては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、カルドエポキシジアクリレート等が重合したオリゴマー類;多価アルコール類と一塩基酸又は多塩基酸とを縮合して得られるポリエステルプレポリマーに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ポリオールと2個のイソシアネート基を持つ化合物とを反応させた後、(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸ポリグリシジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。さらに、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂に多塩基酸無水物を反応させた樹脂を好適に用いることができる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
また、エチレン性不飽和基を有する樹脂としては、エポキシ化合物と不飽和基含有カルボン酸化合物との反応物を、さらに多塩基酸無水物と反応させることにより得られる樹脂を好適に用いることができる。
その中でも、下記式(a1)で表される化合物が好ましい。この式(a1)で表される化合物は、それ自体が、光硬化性が高い点で好ましい。
上記式(a1)中、Xは、下記式(a2)で表される基を表す。
上記式(a2)中、R
1aは、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基、又はハロゲン原子を表し、R
2aは、それぞれ独立に水素原子、又はメチル基を表し、Wは、単結合、又は下記構造式(a3)で表される基を表す。なお、式(a2)、及び構造式(a3)において「*」は、2価の基の結合手の末端を意味する。
上記式(a1)中、Yはジカルボン酸無水物から酸無水物基(−CO−O−CO−)を除いた残基を表す。ジカルボン酸無水物の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸等が挙げられる。
また、上記式(a1)中、Zは、テトラカルボン酸二無水物から2個の酸無水物基を除いた残基を表す。テトラカルボン酸二無水物の例としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。さらに、上記式(a1)中、aは、0〜20の整数を表す。
エチレン性不飽和基を有する樹脂の酸価は、樹脂固形分で、10〜150mgKOH/gであることが好ましく、70〜110mgKOH/gであることがより好ましい。酸価を10mgKOH/g以上とすることにより、現像液に対する十分な溶解性が得られるので好ましい。また、酸価を150mgKOH/g以下とすることにより、十分な硬化性を得ることができ、表面性を良好にすることができるので好ましい。
また、エチレン性不飽和基を有する樹脂の質量平均分子量は、1000〜40000であることが好ましく、2000〜30000であることがより好ましい。質量平均分子量を1000以上とすることにより、良好な耐熱性、膜強度を得ることができるので好ましい。また、質量平均分子量を40000以下とすることにより、良好な現像性を得ることができるので好ましい。
(エチレン性不飽和基を有するモノマー)
エチレン性不飽和基を有するモノマーには、単官能モノマーと多官能モノマーとがある。以下、単官能モノマー、及び多官能モノマーについて順に説明する。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ウレタン(メタ)アクリレート(すなわち、トリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネート等と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物)、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸ジ(メタ)アクリレート等の2官能性のモノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸ジ(メタ)アクリレートペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、多価アルコールとN−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等の3官能以上の多官能性のモノマーが挙げられ、2官能性モノマーが特に好ましい。
これらの多官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感光性組成物を用いて所定の方法に従って形成されるレジストパターンは、後述するようにめっき造形物形成用の鋳型として好ましく使用される。しかし、鋳型として使用されたレジストパターンは、めっき後に基板から剥離される。
ここで、感光性組成物が(A)光重合性化合物として2官能性モノマーを含む場合、露光による感光性層の露光による硬化が過度に進行しにくい。そうすると、鋳型として使用されたレジストパターンのめっき後の剥離が容易である。
(A)成分である光重合性化合物の含有量は、感光性組成物の固形分の合計100質量部に対して10〜99.9質量部であることが好ましい。(A)成分の含有量を固形分の合計100質量部に対して10質量部以上とすることにより、感光性組成物を用いて、耐熱性、耐薬品性、及び機械的強度に優れる硬化膜を形成しやすい。
[(B)光重合開始剤]
感光性組成物は、下記式(1)で表される化合物を含む(B)光重合開始剤(以下、(B)成分ともいう。)を含有する。感光性組成物は、下記式(1)で表される化合物を(B)光重合開始剤として含んでいるため、非常に感度に優れる。このため、下記式(1)で表される化合物を(B)成分として含む感光性組成物を用いることで、膜厚が厚いにも関わらず、断面形状が良好な矩形である非レジスト部を備えるレジストパターンを、低露光量で形成しやすい。
また、種々の基板上に形成されるレジストパターンには、湿気等により基板から剥離しないような優れた耐水性が望まれることも多い。下記式(1)で表される化合物を含有する(B)光重合開始剤を含む感光性組成物を用いると、水と接触した場合でも基板から剥離しにくい、耐水性に優れるレジストパターンを形成しやすい。
(R
1は水素原子、ニトロ基又は1価の有機基であり、R
2及びR
3は、それぞれ、置換基を有してもよい鎖状アルキル基、置換基を有してもよい環状有機基、又は水素原子であり、R
2とR
3とは相互に結合して環を形成してもよく、R
4は1価の有機基であり、R
5は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜11のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、nは0〜4の整数であり、mは0又は1である。)
式(1)中、R1は、水素原子、ニトロ基又は1価の有機基である。R1は、式(1)中のフルオレン環上で、−(CO)m−で表される基に結合する6員芳香環とは、異なる6員芳香環に結合する。式(1)中、R1のフルオレン環に対する結合位置は特に限定されない。式(1)で表される化合物が1以上のR1を有する場合、式(1)で表される化合物の合成が容易であること等から、1以上のR1のうちの1つがフルオレン環中の2位に結合するのが好ましい。R1が複数である場合、複数のR1は同一であっても異なっていてもよい。
R1が有機基である場合、R1は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の有機基から適宜選択される。R1が有機基である場合の好適な例としては、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基、1、又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン−1−イル基、及びピペラジン−1−イル基等が挙げられる。
R1がアルキル基である場合、アルキル基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜6がより好ましい。また、R1がアルキル基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。R1がアルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、R1がアルキル基である場合、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(−O−)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
R1がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜6がより好ましい。また、R1がアルコキシ基である場合、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい。R1がアルコキシ基である場合の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、sec−オクチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、イソノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、及びイソデシルオキシ基等が挙げられる。また、R1がアルコキシ基である場合、アルコキシ基は炭素鎖中にエーテル結合(−O−)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルコキシ基の例としては、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、プロピルオキシエトキシエトキシ基、及びメトキシプロピルオキシ基等が挙げられる。
R1がシクロアルキル基又はシクロアルコキシ基である場合、シクロアルキル基又はシクロアルコキシ基の炭素原子数は、3〜10が好ましく、3〜6がより好ましい。R1がシクロアルキル基である場合の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。R1がシクロアルコキシ基である場合の具体例としては、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、及びシクロオクチルオキシ基等が挙げられる。
R1が飽和脂肪族アシル基又は飽和脂肪族アシルオキシ基である場合、飽和脂肪族アシル基又は飽和脂肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、2〜21が好ましく、2〜7がより好ましい。R1が飽和脂肪族アシル基である場合の具体例としては、アセチル基、プロパノイル基、n−ブタノイル基、2−メチルプロパノイル基、n−ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロパノイル基、n−ヘキサノイル基、n−ヘプタノイル基、n−オクタノイル基、n−ノナノイル基、n−デカノイル基、n−ウンデカノイル基、n−ドデカノイル基、n−トリデカノイル基、n−テトラデカノイル基、n−ペンタデカノイル基、及びn−ヘキサデカノイル基等が挙げられる。R1が飽和脂肪族アシルオキシ基である場合の具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、n−ブタノイルオキシ基、2−メチルプロパノイルオキシ基、n−ペンタノイルオキシ基、2,2−ジメチルプロパノイルオキシ基、n−ヘキサノイルオキシ基、n−ヘプタノイルオキシ基、n−オクタノイルオキシ基、n−ノナノイルオキシ基、n−デカノイルオキシ基、n−ウンデカノイルオキシ基、n−ドデカノイルオキシ基、n−トリデカノイルオキシ基、n−テトラデカノイルオキシ基、n−ペンタデカノイルオキシ基、及びn−ヘキサデカノイルオキシ基等が挙げられる。
R1がアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2〜20が好ましく、2〜7がより好ましい。R1がアルコキシカルボニル基である場合の具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、sec−ペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、イソオクチルオキシカルボニル基、sec−オクチルオキシカルボニル基、tert−オクチルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、イソノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基、及びイソデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
R1がフェニルアルキル基である場合、フェニルアルキル基の炭素原子数は、7〜20が好ましく、7〜10がより好ましい。また、R1がナフチルアルキル基である場合、ナフチルアルキル基の炭素原子数は、11〜20が好ましく、11〜14がより好ましい。R1がフェニルアルキル基である場合の具体例としては、ベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、及び4−フェニルブチル基が挙げられる。R1がナフチルアルキル基である場合の具体例としては、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、2−(α−ナフチル)エチル基、及び2−(β−ナフチル)エチル基が挙げられる。R1が、フェニルアルキル基、又はナフチルアルキル基である場合、R1は、フェニル基、又はナフチル基上にさらに置換基を有していてもよい。
R1がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、1以上のN、S、Oを含む5員又は6員の単環であるか、かかる単環同士、又はかかる単環とベンゼン環とが縮合したヘテロシクリル基である。ヘテロシクリル基が縮合環である場合は、縮合する環の数は3以下である。ヘテロシクリル基は、芳香族基(ヘテロアリール基)であっても、非芳香族基であってもよい。かかるヘテロシクリル基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、キノキサリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。R1がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基はさらに置換基を有していてもよい。
R1がヘテロシクリルカルボニル基である場合、ヘテロシクリルカルボニル基に含まれるヘテロシクリル基は、R1がヘテロシクリル基である場合と同様である。
R1が1又は2の有機基で置換されたアミノ基である場合、有機基の好適な例は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜21の飽和脂肪族アシル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよい炭素原子数7〜20のフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよい炭素原子数11〜20のナフチルアルキル基、及びヘテロシクリル基等が挙げられる。これらの好適な有機基の具体例は、R1と同様である。1、又は2の有機基で置換されたアミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−ノニルアミノ基、n−デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ナフチルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、n−ブタノイルアミノ基、n−ペンタノイルアミノ基、n−ヘキサノイルアミノ基、n−ヘプタノイルアミノ基、n−オクタノイルアミノ基、n−デカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、α−ナフトイルアミノ基、及びβ−ナフトイルアミノ基等が挙げられる。
R1に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合の置換基としては、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜7の飽和脂肪族アシル基、炭素原子数2〜7のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜7の飽和脂肪族アシルオキシ基、炭素原子数1〜6のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、モルホリン−1−イル基、ピペラジン−1−イル基、ハロゲン、ニトロ基、及びシアノ基等が挙げられる。R1に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基がさらに置換基を有する場合、その置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で限定されないが、1〜4が好ましい。R1に含まれる、フェニル基、ナフチル基、及びヘテロシクリル基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基は、同一であっても異なっていてもよい。
以上説明した基の中でも、感度が向上する傾向がある点で、R1としては、ニトロ基、又はR6−CO−で表される基が好ましい。R6は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、種々の有機基から選択できる。R6として好適な基の例としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基、及び置換基を有してもよいヘテロシクリル基が挙げられる。R6として、これらの基の中では、2−メチルフェニル基、チオフェン−2−イル基、及びα−ナフチル基が特に好ましい。
また、透明性が良好となる傾向がある点で、R1としては水素原子が好ましい。なお、R1が水素原子であり且つR4が後述の式(R4−2)で表される基であると透明性はより良好となる傾向がある。
式(1)中、R2及びR3は、それぞれ、置換基を有してもよい鎖状アルキル基、置換基を有してもよい環状有機基、又は水素原子である。R2とR3とは相互に結合して環を形成してもよい。これらの基の中では、R2及びR3として、置換基を有してもよい鎖状アルキル基が好ましい。R2及びR3が置換基を有してもよい鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基は直鎖アルキル基でも分岐鎖アルキル基でもよい。
R2及びR3が置換基を持たない鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が特に好ましい。R2及びR3が鎖状アルキル基である場合の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、及びイソデシル基等が挙げられる。また、R2及びR3がアルキル基である場合、アルキル基は炭素鎖中にエーテル結合(−O−)を含んでいてもよい。炭素鎖中にエーテル結合を有するアルキル基の例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、エトキシエトキシエチル基、プロピルオキシエトキシエチル基、及びメトキシプロピル基等が挙げられる。
R2及びR3が置換基を有する鎖状アルキル基である場合、鎖状アルキル基の炭素原子数は、1〜20が好ましく、1〜10がより好ましく、1〜6が特に好ましい。この場合、置換基の炭素原子数は、鎖状アルキル基の炭素原子数に含まれない。置換基を有する鎖状アルキル基は、直鎖状であるのが好ましい。
アルキル基が有してもよい置換基は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。置換基の好適な例としては、シアノ基、ハロゲン原子、環状有機基、及びアルコキシカルボニル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中では、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。環状有機基としては、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、ヘテロシクリル基が挙げられる。シクロアルキル基の具体例としては、R1がシクロアルキル基である場合の好適な例と同様である。芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、及びフェナントリル基等が挙げられる。ヘテロシクリル基の具体例としては、R1がヘテロシクリル基である場合の好適な例と同様である。置換基がアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基に含まれるアルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。アルコキシカルボニル基に含まれるアルコキシ基の炭素原子数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。
鎖状アルキル基が置換基を有する場合、置換基の数は特に限定されない。好ましい置換基の数は鎖状アルキル基の炭素原子数に応じて変わる。置換基の数は、典型的には、1〜20であり、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。
R2及びR3が環状有機基である場合、環状有機基は、脂環式基であっても、芳香族基であってもよい。環状有機基としては、脂肪族環状炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロシクリル基が挙げられる。R2及びR3が環状有機基である場合に、環状有機基が有してもよい置換基は、R2及びR3が鎖状アルキル基である場合と同様である。
R2及びR3が芳香族炭化水素基である場合、芳香族炭化水素基は、フェニル基であるか、複数のベンゼン環が炭素−炭素結合を介して結合して形成される基であるか、複数のベンゼン環が縮合して形成される基であるのが好ましい。芳香族炭化水素基が、フェニル基であるか、複数のベンゼン環が結合又は縮合して形成される基である場合、芳香族炭化水素基に含まれるベンゼン環の環数は特に限定されず、3以下が好ましく、2以下がより好ましく、1が特に好ましい。芳香族炭化水素基の好ましい具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、及びフェナントリル基等が挙げられる。
R2及びR3が脂肪族環状炭化水素基である場合、脂肪族環状炭化水素基は、単環式であっても多環式であってもよい。脂肪族環状炭化水素基の炭素原子数は特に限定されないが、3〜20が好ましく、3〜10がより好ましい。単環式の環状炭化水素基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基、及びアダマンチル基等が挙げられる。
R2及びR3がヘテロシクリル基である場合、ヘテロシクリル基は、1以上のN、S、Oを含む5員又は6員の単環であるか、かかる単環同士、又はかかる単環とベンゼン環とが縮合したヘテロシクリル基である。ヘテロシクリル基が縮合環である場合は、縮合する環の数は3以下である。ヘテロシクリル基は、芳香族基(ヘテロアリール基)であっても、非芳香族基であってもよい。かかるヘテロシクリル基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、シンノリン、キノキサリン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピペリジン、テトラヒドロピラン、及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
R2とR3とは相互に結合して環を形成してもよい。R2とR3とが形成する環からなる基は、シクロアルキリデン基であるのが好ましい。R2とR3とが結合してシクロアルキリデン基を形成する場合、シクロアルキリデン基を構成する環は、5員環〜6員環であるのが好ましく、5員環であるのがより好ましい。
R2とR3とが結合して形成する基がシクロアルキリデン基である場合、シクロアルキリデン基は、1以上の他の環と縮合していてもよい。シクロアルキリデン基と縮合していてもよい環の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、及びピリミジン環等が挙げられる。
以上説明したR2及びR3の中でも好適な基の例としては、式−A1−A2で表される基が挙げられる。式中、A1は直鎖アルキレン基であり、A2は、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、環状有機基、又はアルコキシカルボニル基である。
A1の直鎖アルキレン基の炭素原子数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。A2がアルコキシ基である場合、アルコキシ基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。アルコキシ基の炭素原子数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましい。A2がハロゲン原子である場合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子がより好ましい。A2がハロゲン化アルキル基である場合、ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子、臭素原子がより好ましい。ハロゲン化アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。A2が環状有機基である場合、環状有機基の例は、R2及びR3が置換基として有する環状有機基と同様である。A2がアルコキシカルボニル基である場合、アルコキシカルボニル基の例は、R2及びR3が置換基として有するアルコキシカルボニル基と同様である。
R2及びR3の好適な具体例としては、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、及びn−オクチル基等のアルキル基;2−メトキシエチル基、3−メトキシ−n−プロピル基、4−メトキシ−n−ブチル基、5−メトキシ−n−ペンチル基、6−メトキシ−n−ヘキシル基、7−メトキシ−n−ヘプチル基、8−メトキシ−n−オクチル基、2−エトキシエチル基、3−エトキシ−n−プロピル基、4−エトキシ−n−ブチル基、5−エトキシ−n−ペンチル基、6−エトキシ−n−ヘキシル基、7−エトキシ−n−ヘプチル基、及び8−エトキシ−n−オクチル基等のアルコキシアルキル基;2−シアノエチル基、3−シアノ−n−プロピル基、4−シアノ−n−ブチル基、5−シアノ−n−ペンチル基、6−シアノ−n−ヘキシル基、7−シアノ−n−ヘプチル基、及び8−シアノ−n−オクチル基等のシアノアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニル−n−プロピル基、4−フェニル−n−ブチル基、5−フェニル−n−ペンチル基、6−フェニル−n−ヘキシル基、7−フェニル−n−ヘプチル基、及び8−フェニル−n−オクチル基等のフェニルアルキル基;2−シクロヘキシルエチル基、3−シクロヘキシル−n−プロピル基、4−シクロヘキシル−n−ブチル基、5−シクロヘキシル−n−ペンチル基、6−シクロヘキシル−n−ヘキシル基、7−シクロヘキシル−n−ヘプチル基、8−シクロヘキシル−n−オクチル基、2−シクロペンチルエチル基、3−シクロペンチル−n−プロピル基、4−シクロペンチル−n−ブチル基、5−シクロペンチル−n−ペンチル基、6−シクロペンチル−n−ヘキシル基、7−シクロペンチル−n−ヘプチル基、及び8−シクロペンチル−n−オクチル基等のシクロアルキルアルキル基;2−メトキシカルボニルエチル基、3−メトキシカルボニル−n−プロピル基、4−メトキシカルボニル−n−ブチル基、5−メトキシカルボニル−n−ペンチル基、6−メトキシカルボニル−n−ヘキシル基、7−メトキシカルボニル−n−ヘプチル基、8−メトキシカルボニル−n−オクチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、3−エトキシカルボニル−n−プロピル基、4−エトキシカルボニル−n−ブチル基、5−エトキシカルボニル−n−ペンチル基、6−エトキシカルボニル−n−ヘキシル基、7−エトキシカルボニル−n−ヘプチル基、及び8−エトキシカルボニル−n−オクチル基等のアルコキシカルボニルアルキル基;2−クロルエチル基、3−クロル−n−プロピル基、4−クロル−n−ブチル基、5−クロル−n−ペンチル基、6−クロル−n−ヘキシル基、7−クロル−n−ヘプチル基、8−クロル−n−オクチル基、2−ブロモエチル基、3−ブロモ−n−プロピル基、4−ブロモ−n−ブチル基、5−ブロモ−n−ペンチル基、6−ブロモ−n−ヘキシル基、7−ブロモ−n−ヘプチル基、8−ブロモ−n−オクチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、及び3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−n−ペンチル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
R2及びR3として、上記の中でも好適な基は、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−フェニルエチル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、及び3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−n−ペンチル基である。
R4の好適な有機基の例としては、R1と同様に、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル基、シクロアルコキシ基、飽和脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基、飽和脂肪族アシルオキシ基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいフェノキシ基、置換基を有してもよいベンゾイル基、置換基を有してもよいフェノキシカルボニル基、置換基を有してもよいベンゾイルオキシ基、置換基を有してもよいフェニルアルキル基、置換基を有してもよいナフチル基、置換基を有してもよいナフトキシ基、置換基を有してもよいナフトイル基、置換基を有してもよいナフトキシカルボニル基、置換基を有してもよいナフトイルオキシ基、置換基を有してもよいナフチルアルキル基、置換基を有してもよいヘテロシクリル基、置換基を有してもよいヘテロシクリルカルボニル基、1、又は2の有機基で置換されたアミノ基、モルホリン−1−イル基、及びピペラジン−1−イル基等が挙げられる。これらの基の具体例は、R1について説明したものと同様である。また、R4としてはシクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェノキシアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基、も好ましい。フェノキシアルキル基、及びフェニルチオアルキル基が有していてもよい置換基は、R1に含まれるフェニル基が有していてもよい置換基と同様である。
有機基の中でも、R4としては、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又はシクロアルキルアルキル基、芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1〜4のアルキル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。置換基を有していてもよいフェニル基の中では、メチルフェニル基が好ましく、2−メチルフェニル基がより好ましい。シクロアルキルアルキル基に含まれるシクロアルキル基の炭素原子数は、5〜10が好ましく、5〜8がより好ましく、5又は6が特に好ましい。シクロアルキルアルキル基に含まれるアルキレン基の炭素原子数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、2が特に好ましい。シクロアルキルアルキル基の中では、シクロペンチルエチル基が好ましい。芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基に含まれるアルキレン基の炭素原子数は、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、2が特に好ましい。芳香環上に置換基を有していてもよいフェニルチオアルキル基の中では、2−(4−クロロフェニルチオ)エチル基が好ましい。
また、R4としては、−A3−CO−O−A4で表される基も好ましい。A3は、2価の有機基であり、2価の炭化水素基であるのが好ましく、アルキレン基であるのがより好ましい。A4は、1価の有機基であり、1価の炭化水素基であるのが好ましい。
A3がアルキレン基である場合、アルキレン基は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、直鎖状が好ましい。A3がアルキレン基である場合、アルキレン基の炭素原子数は1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4が特に好ましい。
A4の好適な例としては、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、及び炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられる。A4の好適な具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−ナフチルメチル基、及びβ−ナフチルメチル基等が挙げられる。
−A3−CO−O−A4で表される基の好適な具体例としては、2−メトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−n−プロピルオキシカルボニルエチル基、2−n−ブチルオキシカルボニルエチル基、2−n−ペンチルオキシカルボニルエチル基、2−n−ヘキシルオキシカルボニルエチル基、2−ベンジルオキシカルボニルエチル基、2−フェノキシカルボニルエチル基、3−メトキシカルボニル−n−プロピル基、3−エトキシカルボニル−n−プロピル基、3−n−プロピルオキシカルボニル−n−プロピル基、3−n−ブチルオキシカルボニル−n−プロピル基、3−n−ペンチルオキシカルボニル−n−プロピル基、3−n−ヘキシルオキシカルボニル−n−プロピル基、3−ベンジルオキシカルボニル−n−プロピル基、及び3−フェノキシカルボニル−n−プロピル基等が挙げられる。
以上、R
4について説明したが、R
4としては、下記式(R4−1)又は(R4−2)で表される基が好ましい。
(式(R4−1)及び(R4−2)中、R
7及びR
8はそれぞれ有機基であり、pは0〜4の整数であり、R
7及びR
8がベンゼン環上の隣接する位置に存在する場合、R
7とR
8とが互いに結合して環を形成してもよく、qは1〜8の整数であり、rは1〜5の整数であり、sは0〜(r+3)の整数であり、R
9は有機基である。)
式(R4−1)中のR7及びR8についての有機基の例は、R1と同様である。R7としては、アルキル基又はフェニル基が好ましい。R7がアルキル基である場合、その炭素原子数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましく、1が最も好ましい。つまり、R7はメチル基であるのが最も好ましい。R7とR8とが結合して環を形成する場合、当該環は、芳香族環でもよく、脂肪族環でもよい。式(R4−1)で表される基であって、R7とR8とが環を形成している基の好適な例としては、ナフタレン−1−イル基や、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−5−イル基等が挙げられる。上記式(R4−1)中、pは0〜4の整数であり、0又は1であるのが好ましく、0であるのがより好ましい。
上記式(R4−2)中、R9は有機基である。有機基としては、R1について説明した有機基と同様の基が挙げられる。有機基の中では、アルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。R9としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が好ましく例示され、これらの中でも、メチル基であることがより好ましい。
上記式(R4−2)中、rは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。上記式(R4−2)中、sは0〜(r+3)であり、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0が特に好ましい。上記式(R4−2)中、qは1〜8の整数であり、1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1又は2が特に好ましい。
式(1)中、R5は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜11のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基である。R5がアルキル基である場合に有してもよい置換基としては、フェニル基、ナフチル基等が好ましく例示される。また、R1がアリール基である場合に有してもよい置換基としては、炭素原子数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が好ましく例示される。
式(1)中、R5としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、メチルフェニル基、ナフチル基等が好ましく例示され、これらの中でも、メチル基又はフェニル基がより好ましい。
(B)成分である光重合開始剤の含有量は、感光性組成物の固形分の合計100質量部に対して0.001〜30質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部がさらに好ましい。
また、(B)成分である光重合開始剤の含有量は、(A)成分と(B)成分との総和に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましい。
下記式(1)で表される化合物の含有量は、例えば(B)成分全体に対して1〜100質量%の範囲であればよく、好ましくは50質量%以上であり、70〜100質量%であることがより好ましい。
(B)成分における式(1)で表される化合物は単独で用いても2種以上用いてもよく、2種以上使用する場合、以下の(i)〜(iii)が好ましい。
(i)R1が水素原子である化合物とR1がニトロ基である化合物との組み合わせ
(ii)R4が式(R4−1)である化合物とR4が式(R4−2)である化合物との組み合わせ
(iii)R4が式(R4−1)又は式(R4−2)である化合物とR4が炭素原子数1〜4のアルキル基である化合物
中でも、感度及び硬化物の透過率等の特性向上の点で、上記(i)の組み合わせが好ましく、上記(i)と、(ii)又は(iii)とを満たす組み合わせがより好ましい。
上記(i)〜(iii)の組み合わせによる各化合物の配合比(質量比)は、目的の感度等の特性に合わせて適宜調整すればよい。例えば、1:99〜99:1が好ましく、10:90〜90:10がより好ましく、30:70〜70;30がさらに好ましい。
式(1)で表される化合物の好適な具体例としては、以下の化合物1〜化合物41が挙げられる。
[(C)アルカリ可溶性樹脂]
本発明に係る感光性組成物は、(A)光重合性化合物として使用される樹脂以外の他の樹脂として、(C)アルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよい。感光性組成物に(C)アルカリ可溶性樹脂を配合することで、感光性組成物にアルカリ現像性を付与することができる。
本明細書においてアルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、濃度0.05質量%のKOH水溶液に1分間浸漬した際に、膜厚0.01μm以上溶解するものをいう。
(C)アルカリ可溶性樹脂の中では、製膜性に優れる点や、単量体の選択によって樹脂の特性を調整しやすいこと等から、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合体が好ましい。エチレン性不飽和二重結合を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸アミド;クロトン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、これらジカルボン酸の無水物;酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル、及びアリルオキシエタノールのようなアリル化合物;ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、及びビニルアントラニルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ安息香酸ビニル、テトラクロロ安息香酸ビニル、及びナフトエ酸ビニルのようなビニルエステル;スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、及び4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレンのようなスチレン又はスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセンのようなオレフィンが挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合体である(C)アルカリ可溶性樹脂は、通常、不飽和カルボン酸に由来する単位を含む。不飽和カルボン酸の例としては、(メタ)アクリル酸;クロトン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、これらジカルボン酸の無水物が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として使用されるエチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合体に含まれる、不飽和カルボン酸に由来する単位の量は、樹脂が所望するアルカリ可溶性を有する限り特に限定されない。アルカリ可溶性樹脂として使用される樹脂中の、不飽和カルボン酸に由来する単位の量は、樹脂の質量に対して、5〜25質量%が好ましく、8〜16質量%がより好ましい。
以上例示した単量体から選択される1種以上の単量体の重合体である、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合体の中では、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選択される1種以上の単量体の重合体が好ましい。以下、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選択される1種以上の単量体の重合体について説明する。
(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選択される1種以上の単量体の重合体の調製に用いられる、(メタ)アクリル酸エステルは、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、公知の(メタ)アクリル酸エステルから適宜選択される。
(メタ)アクリル酸エステルの好適な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、4−メチルフェニル(メタ)アクリレート、3−メチルフェニル(メタ)アクリレート、2−メチルフェニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、ナフタレン−1−イル(メタ)アクリレート、ナフタレン−2−イル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、3−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、及び2−フェニルフェニル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェネチル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;クロロエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、及びフルフリル(メタ)アクリレート;エポキシ基を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステル;脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルの詳細については後述する。
また、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選択される1種以上の単量体の重合体の中では、感光性組成物を用いて耐熱性と柔軟性とのバランスに優れるレジストパターンを形成しやすいことから、脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含む樹脂も好ましい。
脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルにおいて、脂環式骨格を有する基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。
脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルのうち、脂環式炭化水素基を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば下記式(c1−1)〜(c1−8)で表される化合物が挙げられる。これらの中では、下記式(c1−3)〜(c1−8)で表される化合物が好ましく、下記式(c1−3)又は(c1−4)で表される化合物がより好ましい。
上記式中、Rc1は水素原子又はメチル基を示し、Rc2は単結合又は炭素原子数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、Rc3は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示す。Rc2としては、単結合、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。Rc3としては、メチル基、エチル基が好ましい。
(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選択される1種以上の単量体の重合体が、脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含む樹脂である場合、樹脂中の脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位の量は、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
(メタ)アクリル酸に由来する単位と、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位とを含む樹脂において、樹脂中の、(メタ)アクリル酸に由来する単位の量は、1〜95質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。(メタ)アクリル酸に由来する単位と、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位とを含む樹脂において、樹脂中の、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位の量は、1〜95質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。
断面形状が良好な矩形である非レジスト部を有するレジストパターンを特に形成しやすいことから、(C)アルカリ可溶性樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合体であって芳香族基を有する単位を含む重合体が好ましい。
ここで芳香族基は、芳香族炭化水素基であっても、芳香族複素環基であってもよく、芳香族炭化水素基が好ましい。
かかる芳香族基を有する単位を含む重合体としては、前述の不飽和カルボン酸に由来する単位と、芳香族基を有する単位とを含む重合体が好ましく、(メタ)アクリル酸に由来する単位と、芳香族基を有する単位とを含む重合体がより好ましい。
(C)アルカリ可溶性樹脂は、不飽和カルボン酸に由来する単位を含むことにより、良好なアルカリ可溶性を示すとともに、形成されるレジストパターンに柔軟性を付与できレジストパターンにおけるクラックの発生を抑制しやすい。
また、フェノール性水酸基を有する単位を含む重合体も、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合体であって芳香族基を有する単位を含む重合体として好ましい。
不飽和カルボン酸に由来する単位と、芳香族基を有する単位とを含む重合体において、芳香族基を有する単位を与える単量体としては、例えば、ベンジルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、及びビニルアントラニルエーテルのような芳香族基を含むビニルエーテル;ビニルフェニルアセテート、及びビニル−β−フェニルブチレートのような芳香族基を含む脂肪酸エステル;フェニル(メタ)アクリレート、4−メチルフェニル(メタ)アクリレート、3−メチルフェニル(メタ)アクリレート、2−メチルフェニル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、ナフタレン−1−イル(メタ)アクリレート、ナフタレン−2−イル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、3−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、及び2−フェニルフェニル(メタ)アクリレートのような芳香族(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェネチル(メタ)アクリレートのようなアラルキル(メタ)アクリレート;安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ安息香酸ビニル、テトラクロロ安息香酸ビニル、及びナフトエ酸ビニルのような芳香族カルボン酸ビニルエステル;スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、及び4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレンのようなスチレン又はスチレン誘導体;4−グリシジルオキシフェニル(メタ)アクリレート、3−グリシジルオキシフェニル(メタ)アクリレート、2−グリシジルオキシフェニル(メタ)アクリレート、4−グリシジルオキシフェニルメチル(メタ)アクリレート、3−グリシジルオキシフェニルメチル(メタ)アクリレート、及び2−グリシジルオキシフェニルメチル(メタ)アクリレートのようなエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸芳香族エステルが挙げられる。
これらの芳香族基を有する単量体の中では、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、及び4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレンのようなスチレン又はスチレン誘導体が好ましい。
不飽和カルボン酸に由来する単位と、芳香族基を有する単位とを含む樹脂は、これらの単位以外の単位を含んでいてもよい。不飽和カルボン酸に由来する単位、及び芳香族基を有する単位以外の単位としては、例えば、不飽和カルボン酸、及び上記の芳香族基を有する単量体に該当しない前述される種々の単量体に由来する単位が挙げられる。
不飽和カルボン酸に由来する単位と、芳香族基を有する単位とを含む樹脂は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレートに由来する単位、及び/又は脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含むのが好ましい。この場合、樹脂の柔軟性が特に良好であるため、形成されるレジストパターンにおけるクラックの発生を抑制しやすい。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレートと、脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルとについては前述の通りである。
不飽和カルボン酸に由来する単位と、芳香族基を有する単位とを含む重合体における芳香族基を有する単位の量は、5〜95質量%が好ましく、10〜93質量%がより好ましく、20〜90質量%が特に好ましく、50〜85質量%が最も好ましい。
芳香族基を有する単位の含有量が5質量%以上であると、耐熱性及び形状が良好であるレジストパターンを形成しやすい。
芳香族基を有する単位の含有量が95質量%超であると、形成されるレジストパターンの剛性が高すぎる場合がある。レジストパターンの剛性が高すぎると、クラックが発生しやすい。
不飽和カルボン酸に由来する単位と、芳香族基を有する単位とを含む重合体における、不飽和カルボン酸に由来する単位の量は、1〜95質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。
不飽和カルボン酸に由来する単位と、芳香族基を有する単位とを含む重合体が、上記の範囲内の量の不飽和カルボン酸に由来する単位を含む場合、感光性組成物の現像液への溶解性と、形成されるレジストパターンの柔軟性とのバランスをとりやすい。
前述の通り、フェノール性水酸基を有する単位を含む重合体も(C)アルカリ可溶性樹脂として好ましく使用される。
フェノール性水酸基を有する単位を与える単量体としては、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートと、ヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン誘導体とが挙げられる。
ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートの具体例としては、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、及び2−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートが挙げられ4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレートが好ましい。
ヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン誘導体の好ましい例としては、ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレン等が挙げられる。これらの好ましいヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン誘導体は、パラ置換体であっても、メタ置換体であっても、オルト置換体であってもよく、パラ置換体であるのが好ましい。ヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン誘導体の中では、p−ヒドロキシスチレンが好ましい。
ヒドロキシスチレン樹脂は、ヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン誘導体に由来する単位以外に、種々の単位を含んでいてもよい。ヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン誘導体に由来する単位以外の単位は、不飽和カルボン酸に由来する単位を含む(C)アルカリ可溶性樹脂について説明した種々の単量体に由来する単位であってよい。
ヒドロキシスチレン樹脂が含んでいてもよい、ヒドロキシスチレン又はヒドロキシスチレン誘導体に由来する単位以外の単位を与える単量体の好適な例としては、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルの好適な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、4−メチルフェニル(メタ)アクリレート、3−メチルフェニル(メタ)アクリレート、2−メチルフェニル(メタ)アクリレート、ナフタレン−1−イル(メタ)アクリレート、ナフタレン−2−イル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、3−フェニルフェニル(メタ)アクリレート、及び2−フェニルフェニル(メタ)アクリレートのような水酸基を持たない芳香族(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、及びフェネチル(メタ)アクリレートのようなアラルキル(メタ)アクリレート;クロロエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びフルフリル(メタ)アクリレート;エポキシ基を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステル;脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
フェノール性水酸基を有する単位を含む重合体における、フェノール性水酸基を有する単位の量は、5〜95質量%が好ましく、10〜93質量%がより好ましく、20〜90質量%が特に好ましく、50〜85質量%が最も好ましい。
フェノール性水酸基を有する単位を含む重合体における、フェノール性水酸基を有する単位の含有量が5質量%以上であると、耐熱性及び形状が良好であるレジストパターンを形成しやすい。
また、フェノール性水酸基を有する単位を含む重合体における、フェノール性水酸基を有する単位の含有量が95質量%超であると、形成されるレジストパターンの剛性が高すぎる場合がある。レジストパターンの剛性が高すぎると、クラックが発生しやすい。
フェノール性水酸基を有する単位の含有量が過多であることによるクラックが発生しやすい問題は、フェノール性水酸基を有する単位を含む重合体が、樹脂に柔軟性を付与する単位を少量(例えば5質量%未満)しか含まないか、含まない場合に顕著である。
柔軟性を付与する単位は、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸に由来する単位、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレートに由来する単位、及び脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位からなる群より選択される1種以上である。
フェノール性水酸基を有する単位を含む重合体は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレートに由来する単位、及び/又は脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含むのが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレートに由来する単位、及び脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含むのがより好ましい。
フェノール性水酸基を有する単位を含む重合体が、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレートに由来する単位、及び/又は脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位を含む場合、樹脂の柔軟性が増すためクラックを防止する効果があり好ましい。
フェノール性水酸基を有する単位を含む重合体において、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレートに由来する単位の含有量と、脂環式骨格を有する基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する単位の含有量とは、それぞれ独立に、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
(C)アルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値。本明細書において同じ。)は、2000〜200000であることが好ましく、2000〜40000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感光性組成物の膜形成能、露光後の現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
感光性組成物が(C)アルカリ可溶性樹脂を含む場合、感光性組成物中の(C)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、感光性組成物の固形分中、15〜95質量%が好ましく、35〜85質量%がより好ましく、50〜70質量%が特に好ましい。
[その他の成分]
感光性組成物は、必要に応じて、各種の添加剤を含んでいてもよい。具体的には、溶剤、増感剤、硬化促進剤、光架橋剤、光増感剤、分散助剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤、着色剤等が例示される。
感光性組成物に使用される溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、蟻酸n−ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤の中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、3−メトキシブチルアセテートは、上述の(A)成分、(B)成分、及び(C)成分に対して優れた溶解性を示すため好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートを用いることが特に好ましい。溶剤の使用量は、感光性組成物の用途に応じて適宜決定すればよいが、一例として、感光性組成物の固形分の合計100質量部に対して、50〜900質量部程度が挙げられる。
感光性組成物に使用される熱重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテル等を挙げることができる。また、消泡剤としては、シリコーン系、フッ素系等の化合物を、界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン等の化合物を、それぞれ例示できる。
[感光性組成物の調製方法]
感光性組成物は、上記の各成分を通常の方法で混合、撹拌して調製される。上記の各成分を、混合、撹拌する際に使用できる装置としては、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等が挙げられる。上記の各成分を均一に混合した後に、得られた混合物を、さらにメッシュ、メンブランフィルタ等を用いて濾過してもよい。
〔積層方法〕
以上説明した感光性組成物を、前述の金属表面を有する基板の金属表面上に積層して、感光性層が形成される。感光性層の厚さは80μm以上であり、好ましくは80〜500μmであり、より好ましくは120〜300μmである。
基板上に感光性層を積層する方法は特に限定されないが、典型的には、前述の感光性組成物を基板上に塗布する方法と、前述の感光性組成物を用いて形成されるドライフィルムを基板上に積層する方法とが挙げられる。
以下、塗布と、ドライフィルムの積層とについて説明する。
[塗布]
基板上への感光性組成物の塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法等の方法を採用することができる。
1回の塗布で、所望する膜厚の感光層の形成が困難である場合、2回以上の複数回の塗布を行って、感光層を形成してもよい。
感光性層に対してはプレベークを行うのが好ましい。プレベーク条件は、感光性組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚等によって異なるが、通常は70〜170℃、好ましくは80〜150℃で、2〜60分間程度である。塗布を複数回行う場合、複数回の塗布を行った後に感光層に対してプレベークを行ってもよく、各回の塗布後にプレベークを行ってもよい。
[ドライフィルム]
以上説明した感光性組成物は、ドライフィルムの形態で使用されてもよい。ドライフィルムは、前述の感光性組成物からなる感光性層を、基材フィルム上に形成することにより製造する。
基材フィルムとしては、光透過性を有するものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等が挙げられるが、光透過性及び破断強度のバランスに優れる点でポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。
基材フィルム上に感光性層を形成するに際しては、アプリケーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、カーテンフローコーター等を用いて、基材フィルム上に乾燥後の膜厚が80μm以上であり、好ましくは80〜500μmであり、より好ましくは120〜300μmとなるように、感光性組成物を塗布し、乾燥させる。
ドライフィルムにおいて、感光性層の上にさらに保護フィルムを形成してもよい。この保護フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等が挙げられる。
以上説明したドライフィルムを、前述の基板上に貼り付けることにより感光層が基板上に積層される。所望する膜厚のドライフィルムの調製又は入手が困難である場合、複数毎のドライフィルムを基板上に貼り付けて、所望する膜厚の感光性層を形成してもよい。
ドライフィルムを用いて形成される感光性層に対しても、塗布により感光性層を形成する場合と同様に、感光性層に対してプレベークを行うのが好ましい。
<露光工程>
上記のようにして形成された感光性層に対して、所定の形状のパターンを形成できるネガ型のマスクを介して、活性光線又は放射線、例えば波長が300〜500nmの紫外線又は可視光線を位置選択的に照射(露光)する。
放射線の線源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザー等を用いることができる。また、放射線には、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、γ線、電子線、陽子線、中性子線、イオン線等が含まれる。放射線照射量は、感光性組成物の組成や感光性層の膜厚等によっても異なるが、例えば100〜1000mJ/cm2程度が好ましい。
前述の感光性組成物は感度に優れるため、感光性層の厚さが厚くても、低露光量で所望の形状のレジストパターンを形成しやすい。
<現像工程>
露光された感光性層を、従来知られる方法に従って現像し、不溶な部分を溶解、除去することにより、所定のレジストパターンを形成する。現像液は、感光性組成物の組成に応じて適宜選択される。感光性組成物が、アルカリ可溶性樹脂のようなアルカリ可溶性の成分を含む場合、現像液としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系の現像液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩の水溶液を用いることができる。
現像時間は、感光性組成物の組成や感光性層の膜厚等によっても異なるが、通常1〜30分間である。現像方法は、液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法等のいずれでもよい。現像は、現像液を交換しながら、複数回に分けて行われてもよい。
現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、エアーガンや、オーブン等を用いて乾燥させる。このようにして、レジストパターンを製造できる。
このようにして、上記の方法に従って、前述の感光性組成物を用いて金属表面を有する基板の金属表面上にレジストパターンを形成することにより、膜厚80μm以上の厚いレジストパターンにおいても、断面形状が良好な矩形である非レジスト部を形成することができる。
≪めっき造形物の製造方法≫
上述したレジストパターンは、めっき造形物を形成するための鋳型として好ましく使用される。めっき造形物の製造方法は、上述したレジストパターンをメッキ造形物を形成すための鋳型として備える鋳型付き基板にめっきを施して、鋳型内にめっき造形物を形成することを含む。すなわち、レジストパターン中の非レジスト部に、めっきにより金属を充填し、めっき造形物を形成する。
鋳型付き基板を形成する際、基板としては、前述の基板が用いられる。レジストパターン中の非レジスト部の形状をめっき造形物の形状に合わせて設計することとの他は、鋳型付き基板は、前述のパターン化された硬化膜の形成方法と同様の方法で製造される。
上記の方法により形成された鋳型付き基板の鋳型中の非レジスト部(現像液で除去された部分)に、めっきにより金属等の導体を埋め込むことにより、例えば、バンプやメタルポスト等の接続端子のようなめっき造形物を形成することができる。なお、めっき処理方法は特に制限されず、従来から公知の各種方法を採用することができる。めっき液としては、特にハンダめっき、銅めっき、金めっき、ニッケルめっき液が好適に用いられる。残っている鋳型は、最後に、常法に従って剥離液等を用いて除去される。
上記のめっき造形物の製造方法では、前述した特定の組成の感光性組成物を用いて形成される、良好な矩形の断面形状を有する非レジスト部を備える鋳型を用いてめっき造形物を製造するため、得られるめっき造形物の断面形状も良好な矩形である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<(A)光重合性化合物>
実施例及び比較例において、(A)光重合性化合物((A)成分)として、下記A1及びA2と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートであるA3とを用いた。
<(B)重合開始剤>
実施例及び比較例において、(B)光重合開始剤((B)成分)として、下記B1〜B4を用いた。
<(C)アルカリ可溶性樹脂>
実施例及び比較例において、(C)アルカリ可溶性樹脂((C)成分)として、下記C1〜C4を用いた。(C)アルカリ可溶性樹脂の構造を示す下記式において、括弧の右下数値は、樹脂における括弧内の単位の含有量(質量%)である。
<(S)溶剤>
実施例及び比較例において、(S)溶剤として、3−メトキシブチルアセテート(MA)と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PM)とを用いた。
[実施例1〜9、及び比較例1〜5]
表1に記載の種類の(A)成分と、表1に記載の種類の(B)成分と、表1に記載の種類の(C)成分とを、固形分濃度が70質量%となるように表1に記載の種類の(S)溶剤に溶解させて、各実施例及び比較例の感光性組成物を得た。
なお、(A)成分の使用量は60質量部であり、(B)成分の使用量は12質量部であり、(C)成分の使用量は100質量部であった。
得られた感光性組成物を用いて、以下の方法に従って、解像性、EOP(マスク寸法を
再現するのに必要な最適露光量)、及びレジストパターンにおける非レジスト部の断面形状を評価した。
<解像性評価>
各実施例及び比較例の感光性組成物をスピンコータを用いて銅基板上に塗布し、膜厚120μmのレジストパターンを形成できる膜厚の感光性層を形成し、120℃で600秒間プリベークした。さらに、この感光性層上に同じ感光性組成物を用いて、膜厚120μmのレジストパターンを形成できる膜厚の感光性層を形成し、120℃で600秒間プリベークし、膜厚240μmのレジストパターンを形成できる膜厚の感光性層を形成した。プリベーク後、40、60、80、100μmサイズのビアホールを含むテストマスクと、露光装置Prisma GHI(ウルトラテック社製)とを用いて、露光量を100〜2000mJ/cm2の範囲で100mJ/cm2ずつ変化させながら露光した。次いで、基板をホットプレート上に載置して100℃で3分間の露光後加熱(PEB)を行った。その後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(NMD−3、東京応化工業株式会社製)を感光性層に滴下して、23℃で60秒間放置し、これを10回繰り返して現像した。その後、流水洗浄し、窒素ブローして膜厚240μmのレジストパターンを得た。
なお、比較例1及び2の感光性組成物については、現像時により感光性膜が過度に溶解され、レジストパターンを得ることが出来なかった。
100μmサイズのパターンが寸法通り100μmにプリントされた露光量で露光した際に解像できたパターンの最小寸法(μm)を解像性の評価結果として、表1に記す。
<EOP評価>
前述の解像性評価において、100μmサイズのパターンが寸法通り100μmにプリントされた露光量(mJ/cm2)をEOPの評価結果として、表1に記す。
<非レジスト部の断面形状の評価>
100μmサイズのビアホールを含むテストマスクを用いることと、EOPの評価結果の露光量で露光を行うこととの他は、解像性評価と同様にして、膜厚240μmのレジストパターンを得た。
なお、比較例1及び2の感光性組成物については、現像時により感光性膜が過度に溶解され、レジストパターンを得ることが出来なかった。
得られたレジストパターンの断面を走査型電子顕微鏡で観察し、非レジスト部(ホール)の断面について、開口部(トップ)の寸法(TCD(μm))と、基板側底部(ボトム)の寸法(BCD(μm))とを測定し、TCD/BCDの値によりホールの断面の矩形性を以下の基準に従って評価した。TCD/BCDの値が1に近いほど、ホールの断面形状が良好な矩形である。非レジスト部の断面形状の評価結果を、表1に記す。
◎:TCD/BCDの値が0.9以上1.2未満である。
○:TCD/BCDの値が0.8以上0.9未満である。
×:TCD/BCDの値が0.8未満である。
実施例1〜9によれば、(A)光重合性化合物と、式(1)で表される化合物を(B)光重合開始剤として含む感光性組成物を使用すれば、レジストパターンの膜厚が240μmと厚くても、低露光量で、良好な矩形の断面形状を有する非レジスト部を備えるレジストパターンを形成できることが分かる。
他方、比較例1〜5によれば、式(1)に含まれない構造の(B)光重合開始剤を含む感光性組成物を用いる場合、レジストパターンの膜厚が240μmと厚いことによって、そもそも所望の形状のレジストパターンを形成できなかったり、断面形状が良好な矩形である非レジスト部を備えるレジストパターンを形成しにくかったりすることが分かる。
〔実施例10、比較例6〕
実施例10では、実施例1で得られた感光性組成物を用いて形成したドライフィルムを感光性層の積層に用いた。具体的には、実施例1で得た感光性組成物を、アプリケーターによりPETフィルム上に塗布した後、塗布膜を100℃で乾燥し、膜厚120μmのレジストパターンを形成できる膜厚の感光性層を形成した。
比較例6では、比較例1で得られた感光性組成物を用いて形成したドライフィルムを感光性層の積層に用いた。比較例6で用いたドライフィルムの製造方法は、実施例10で用いたドライフィルムの製造方法と同様である。
実施例1で得た感光性組成物からなるドライフィルム、又は比較例1で得た感光性組成物からなるドライフィルムを用いて、ドライフィルムラミネータ(EXL−1200HSF1−CE、テイコクテーピングシステム株式会社製)を用いて、速度1m/分、圧力0.5MPa(G)、ステージ温度80℃、ロール温度30℃の条件で、銅スパッタウエハ基板の表面に、感光性層を貼り付けた。基板表面に貼り付けられた感光性層上に、実施例1で得た感光性組成物からなるドライフィルム、又は比較例1で得た感光性組成物からなるドライフィルムを、再度上記の方法で貼り付け、膜厚240μmのレジストパターンを形成できる膜厚の感光性層を基板上に形成した。
基板上に積層された感光性層に対して、110℃で600秒間の条件でプレベークを行った。
このように、ドライフィルムを用いて形成されたプレベークされた感光性層を備える基板を用いて、実施例1と同様にして、解像度の評価と、EOPの評価と、非レジスト部の断面形状の評価とを行った。
その結果、実施例10の評価結果は実施例1の評価結果と同様であり、比較例6の評価結果は比較例1の評価結果と同様であった。これらの結果から、感光性層を、塗布により形成しても、ドライフィルムを用いて形成しても、レジストパターンの断面形状や、所望の形状のレジストパターンを形成するための露光量への影響はほとんどないことが分かる。
〔実施例11〜13、比較例7〜9、参考例1、及び参考例2〕
参考例1、及び実施例10〜12では、表2に記載のレジストパターンが形成される膜厚の感光性層を形成することの他は、実施例1で用いた感光性組成物を用いて、実施例1と同様の方法でプレベークされた感光性層を備える基板を得た。
実施例12では、膜厚150μmのレジストパターンを形成できる膜厚の感光性を2層重ね塗りして、感光性層を形成した。
参考例2、及び比較例7〜9では、表2に記載のレジストパターンが形成される膜厚の感光性層を形成することの他は、比較例4で用いた感光性組成物を用いて、実施例1と同様の方法でプレベークされた感光性層を備える基板を得た。
比較例10では、膜厚150μmのレジストパターンを形成できる膜厚の感光性層を2層重ね塗りして、感光性層を形成した。
各実施例、比較例、及び参考例で得られた、プレベークされた感光性層を備える基板を用いて、実施例1と同様にして、解像度の評価と、EOPの評価と、非レジスト部の断面形状の評価とを行った。これらの評価結果を表2に記す。
参考例1と、実施例1と、実施例11〜13とによれば、(A)光重合性化合物と、式(1)で表される化合物を(B)光重合開始剤として含む感光性組成物を使用すれば、レジストパターンの膜厚を40μm以上の範囲、特に80μm以上の範囲で変化させても、低露光量で、良好な矩形の断面形状を有する非レジスト部を備えるレジストパターンを形成できることが分かる。
他方、参考例2と、比較例4と、比較例7〜9とによれば、式(1)に含まれない構造の(B)光重合開始剤を含む感光性組成物を用いると、膜厚が比較的薄い(例えば、80μm以下)場合に、良好な矩形の断面形状を有する非レジスト部を備えるレジストパターンを形成できても、高い露光量が必要であることが分かる。また、膜厚が比較的厚い(例えば、120μm以上)場合に、そもそも所望の形状のレジストパターンを形成できなかったり、断面形状が良好な矩形である非レジスト部を備えるレジストパターンを形成しにくかったりすることが分かる。