JP2018135480A - ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物 - Google Patents

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浩光 齋
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航 長谷川
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健太 三好
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【課題】フィルムのキズ欠点やフィルム表面の析出オリゴマー、ゲル化物が少なく、耐熱性及び製膜性に優れたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を提供する。【解決手段】カルボキシル末端基量が28〜40当量/トン、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対して環状3量体オリゴマーの含有量が0.40重量%以下、かつゲル化率が5.0重量%以下であることを特徴とするポリエチレンテレフタレート樹脂組成物により達成できる。【選択図】 なし

Description

本発明はポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に関する。詳しくは、フィルムのキズ欠点が少なく、フィルム表面の析出オリゴマーが少なく、溶融押し出し時に発生するゲル化物が少なく、耐熱性や製膜性に優れたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に関するものである。
ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートは機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、さまざまな用途に広く利用されており、需要量も増大している。
しかしながら、その用途および需要の拡大に伴い、ポリエチレンテレフタレートに要求される特性及び生産性もそれぞれの用途分野においてますます厳しくなっている。
ポリエチレンテレフタレートは環状3量体オリゴマーを含有し、250℃〜300℃というポリエチレンテレフタレートの融点以上の温度で溶融して押出し成形後のフィルムに環状3量体オリゴマーが多く含まれると、フィルム表面から環状3量体オリゴマーが析出してフィルム欠点となることがある。
ポリエチレンテレフタレートは成形加工時に250℃〜300℃というポリエチレンテレフタレートの融点以上の温度で溶融して押出し成形することが常であるが、この温度条件は一方でポリエチレンテレフタレートの熱分解や、酸素が混入した場合には酸化分解を引き起こす。その結果ゲル状の異物発生を引き起こし、フィルム表面の欠点となる問題がある。なお、ここでいう熱分解とは、例えばポリエチレンテレフタレートの場合は、エチレングリコールの水素が引き抜かれることによりポリマー主鎖が分断する反応をいい、酸化分解とは、酸素分子が分解に関与して、ラジカルを生成し、これが主鎖分断や架橋反応を引き起こすことをいう。
特許文献1には、液相重縮合後に得られたポリエチレンテレフタレートを加熱処理することで、環状3量体オリゴマーを低減してポリエチレンテレフタレートを得ることが提案されているが、ゲル状の異物が発生した。特許文献2、3には、加熱処理が提案されているが、アルカリ土類金属量およびアルカリ金属量とリン化合物の量の比であるM/Pが低いので、製膜時の静電印加性が悪く、フィルム表面に印加ムラが発生した。特許文献4には加熱処理が提案されているが、加熱処理の温度が低く、環状3量体オリゴーは十分に低減しない。特許文献5では固有粘度が高く、溶融押し出し成形時の温度が高くなり、環状3量体オリゴマーが増加して、フィルムからの析出オリゴマーが多くなった。
特開2006−104444号公報 特開2007−204577号公報 特開2006−282697号公報 特開2009−001716号公報 特開平6−184286号公報
そこで本発明の課題は、上記のような従来技術における問題点を解決し、ポリエステルフィルムの欠点が少なく、ポリエステルフィルム成形加工に適した、環状3量体オリゴマー量やゲルの少ないポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、カルボキシル末端基量が28〜40当量/トン、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対して環状3量体オリゴマーの含有量が0.40重量%以下、かつゲル化率5.0重量%以下であるポリエチレンテレフタレート樹脂組成物で達成される。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、カルボキシル末端基量の適正化でロールでのフィルムのキズ欠点の低減、環状3量体オリゴマーによる析出オリゴマーのフィルム欠点の低減、溶融時のゲル生成が少ないので、ゲルによるフィルム欠点が少ないフィルムとして有効である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の構成成分としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸またはこれを主体とした酸成分、ジオール成分としてエチレングリコールまたはこれを主体としたグリコール成分が挙げられる。
また、本発明におけるポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、カルボン酸成分の20モル%以下であれば、テレフタル酸およびこれを主体とする酸成分以外のジカルボン酸の1種または2種以上を共重合成分として含むことができ、また同様にグリコール成分の20モル%以下であれば、エチレングリコールまたはこれを主体とするグリコール成分以外のグリコール成分を1種または2種以上を共重合成分として含むことができる。さらに熱可塑性を損なわない程度であれば三官能以上の多官能性化合物を共重合成分として含んでいても良い。
また、エチレングリコール以外のジオール成分としては、反応系内で副生するジエチレングリコールが挙げられる。全ジオール成分に対する上記のジエチレングリコールの割合は、共重合成分として系外から添加される分も含め、通常3.0モル%以下、好ましくは2.5モル%以下、更に好ましくは2.0モル%以下である。ジエチレングリコール成分の割合が上記の範囲を超える場合は、成形体としての耐熱性、ガスバリア性などが不足し、あるいはアセトアルデヒド含有量の低減化が困難な傾向になる。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、カルボキシル末端基量が28〜40当量/トンであり、好ましくは30〜39当量/トンである。カルボキシル末端基量が28当量/トン未満の場合、フィルム成形工程において延伸ロールとフィルムの密着性が低下して滑りやすくなり、フィルム表面に傷が付きやすくなる。カルボキシル末端基量が40当量/トンを超える場合、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物中の線状オリゴマーが多く、製膜時の昇華物の発生が多くなり、工程内の汚れが多くなることで、工程内の汚れが走行中のフィルム表面に落下して、フィルムの欠点が増加する。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対して環状3量体オリゴマーの含有量が0.40重量%以下であり、好ましくは0.35重量%以下、さらに好ましくは0.30重量%以下である。環状3量体オリゴマーの含有量が0.40重量%を超えると、フィルム成形時やフィルム加工工程で環状3量体オリゴマーがフィルムの表面に析出しやすく、析出物がフィルムの表面欠点となる。さらに環状3量体オリゴマーは0.35重量%以下であることが析出抑制の観点から好ましく、さらには0.30重量%以下が好ましい。環状3量体オリゴマーの含有量の下限については特に限定されるものではないが、生産性を考慮すると、本発明においては0.22重量%が下限である。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対してゲル化率が5.0重量%以下であり、好ましくは4.0重量%以下、さらに好ましくは3.0重量%以下である。ゲル化率が5.0重量%を超えると、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を溶融押出成形する際に、押出機内でゲルが生成し、そのゲルがフィルムの欠点となる。ゲル生成の抑制の観点から、ゲル化率は4.0重量%以下が好ましく、さらに3.0重量%以下が好ましい。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、溶融比抵抗が2.5MΩ・m以下であることが好ましく、より好ましくは2.0MΩ・m以下である。溶融比抵抗が2.5MΩ・m以下であると、フィルム成形時の静電印加性が良好であり印加ムラが少なく、キャスト速度を上げることができるので、生産性が良好となる。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の固有粘度[η]は0.570〜0.680の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.600〜0.670の範囲である。固有粘度[η]が0.680以下であると、溶融押し出し時のせん断発熱で温度が上昇することがなく、溶融時の環状3量体オリゴマーの増加が少なくフィルム表面の欠点を抑制できする。一方で固有粘度[η]が0.570以上であるとフィルムの機械特性も十分になる。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の重縮合触媒はアンチモン化合物としては三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、脂肪族カルボン酸のアンチモン塩などが挙げられるが、これらの中でも重縮合反応性、得られるポリマーの色調、および安価に入手できる点から三酸化アンチモンが好ましく用いられる。アンチモン元素はポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対して40〜150ppm、好ましくは60〜120ppmである。アンチモン元素が40ppm未満の場合、環状三量体を減少させることが難しくなり、また液相重縮合時の重合活性が劣る。一方アンチモン元素が150ppmを超える場合には、一旦減少させた環状三量体がポリエステル溶融時に再生しやすくなる。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物はポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対してマンガン元素の含有量が15〜60ppm、好ましくは30〜55ppmとなるように用いることができる。マンガン元素の含有量が60ppmを超える場合はゲルが生成しやすく、フィルム表面の欠点が増加し、15ppm未満であるとゲル生成の抑制に効果が小さくなり、また重合活性の低下、溶融比抵抗が高くなることで、フィルム成形時の静電印加キャスト性が不良となる。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などが、本発明の目的を損なわない程度に含有してもよい。
無機粒子としては、例えば、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、金属微粉末などを含有していると易滑性が向上するので好ましい。
耐熱安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイトなどの亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート酸性リン酸エステル、およびリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸などのリン化合物が用いられる。ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対してリン元素の含有量は17〜40ppm、好ましくは28〜30ppm含まれる。40ppmを超えると加熱処理時に環状3量体オリゴマーが低減せず、環状3量体オリゴマー析出のフィル欠点が多くなる。また、17ppm未満の場合は耐熱性の低下およびゲル化率が上昇する。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物はポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対してカリウム元素を2〜10ppm含有していることが好ましく、より好ましくは3〜5ppmである。カリウム元素は電気陽性が大きいことからポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の溶融比抵抗が低くなることで、フィルム成形時の静電印加性が向上し、静電印加ムラがなく製膜性が良好である。
ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物には、上記のようなアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物を用いることができ、下記式のM/Pとなるように用いることができる。
0.60≦M/P≦1.30
(M:Mnから選ばれる2価の金属元素含有量、Kから選ばれる1価の金属元素量、P:リン元素含有量、式中において、Mは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、Pはリン元素のポリエステル10g当たりの総モル数を示す。)
M/Pは0.60〜1.30、好ましくは0.87〜1.18、さらに好ましくは0.89〜1.10である。M/Pが1.30を超える場合はゲルが生成しやすく、フィルム表面欠点が増加する。M/Pが0.60未満では製膜時のキャストへの密着が劣り、生産性が低下する。
以下に、本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法の具体例を説明する。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコール又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジオール成分とをエステル化反応した後、重縮合して得られたプレポリマーを用いて加熱処理により得られた重縮合体である。
本願発明のポリエチレンテレフタレート樹脂は、原料としてジカルボン酸成分とグリコール成分とを使用し、エステル化反応もしくはエステル交換反応を行い、次いで重縮合反応してポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を製造する。ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の製造方法としては周知の方法として回分式と連続式が知られているが、反応効率がよく、熱履歴が少ないことから高い耐熱性および低いゲル化率を満足するためには連続重合が好ましい。本願のポリエステル樹脂組成物はテレフタル酸ジメチルを原料とするエステル交換法、テレフタル酸を原料とするエステル化法のどちらの方法でも製造することはできるが、エステル化法で製造するのがコスト面、反応効率の観点から好ましい。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を連続重合設備で製造するに際して、反応槽の数は特に限定されないが、例えば直重法で製造する場合は反応効率の点からエステル化反応に1槽以上、重縮合反応に2槽以上用いることが好ましく、エステル化槽に2槽、重縮合反応に3槽用いることがさらに好ましい。
具体的には、テレフタル酸とエチレングリコールとの反応生成物であるエステル化反応物をエステル化反応槽に予め溶融状態で貯留しておき、テレフタル酸とエチレングリコールとをテレフタル酸に対するエチレングリコールのモル比が1.05〜1.5モルになるようにスラリー状にして一定流量で連続的にエステル化反応槽へ供給する。エステル化反応は、少なくとも2槽のエステル化反応槽を直列に連結した装置を用いて、反応によって生成した水を留出させながら行う。例えば、3槽を連続槽でエステル化反応を行う場合は、第1エステル化反応槽では、温度245〜265℃、圧力0.05〜0.15MPaでエステル化反応を行い、次いで第2エステル化反応槽では、温度250〜270℃、圧力0〜0.10MPaでエステル化反応を行い、更に最終エステル化反応槽では、温度255〜275℃、真空度0.101〜0.009MPaでエステル化反応を行う。4槽以上でエステル化反応を行う場合は、上記第1エステル化反応槽と最終エステル化反応槽との中間槽の反応温度及び圧力の条件はその間の条件で順次行うことが、エステル化反応を効率的、かつ円滑に進行できる点で好ましい。
次に得られたエステル化反応物を重縮合反応槽に移送し重縮合反応を行う。重縮合反応は、少なくとも2槽の重縮合反応槽を直列に連結した装置を用いて、反応によって生成したエチレングリコールを留出しながら行う。第1重縮合反応槽では、温度260〜290℃、真空度0.005〜0.001MPaで重縮合反応を行い、最終重縮合反応槽では、温度270〜300℃、真空度0.0005〜0.00005MPaで重縮合反応を行う。3槽以上で重縮合反応を行う場合は、上記第1重縮合反応槽と最終重縮合反応槽との中間槽の反応温度及び真空度の条件はその間の条件で順次行うことが、重縮合反応を効率的、かつ円滑に進行できる点で好ましい。
その後、得られた溶融ポリエチレンテレフタレート樹脂は口金よりストランド状に吐出・冷却し、カッターによってペレット化する方法によりポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を製造できる。 重縮合触媒はアンチモン化合物としては三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、脂肪族カルボン酸のアンチモン塩などが挙げられるが、これらの中でも重縮合反応性、得られるポリマーの色調、および安価に入手できる点から三酸化アンチモンが好ましく用いられる。
アンチモン化合物の添加方法としては、粉体又はエチレングリコールスラリー、エチレングリコール溶液などが挙げられるが、アンチモンの凝集による粗大化を防止でき、その結果透明性(ヘイズ)が良好となることから、エチレングリコール溶液として添加する方法が好ましい。アンチモン元素はポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対して40〜150ppm、好ましくは60〜120ppmである。アンチモン元素が40ppm未満の場合、環状三量体を減少させることが難しくなる。一方アンチモン元素が150ppmを超える場合には、一旦減少させた環状三量体がポリエステル溶融時に再生しやすくなる。
ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対してマンガン元素の含有量が15〜60ppm、好ましくは30〜55ppmとなるように用いることができる。マンガン元素の含有量が60ppmを超える場合はゲルが生成しやすく、フィルム表面の欠点が増加し、15ppm未満であるとゲル生成の抑制に効果が小さくなり、また溶融比抵抗が高くなることで、フィルム成形時の静電印加キャスト性が悪くなる。
必要に応じて耐熱安定剤、静電剤、消泡剤、酸化防止剤などを反応前、反応中に添加することができる。
安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイトなどの亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート酸性リン酸エステル、およびリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸などのリン化合物が好ましい。ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対してリン元素の含有量は17〜40ppm、好ましくは28〜30ppmである。40ppmを超える場合は重合活性の低下につながり、17ppm未満の場合は耐熱性の低下およびゲル化率が上昇する。これらの触媒及び安定剤の供給方法は、原料スラリー調製時や、エステル化反応やエステル交換反応の任意の段階において供給することができ、さらに、重縮合反応工程の初期に供給することもできる。 カリウム金属元素としては酢酸カリウムを用いることもできる。ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対してカリウム元素の含有量が2〜10ppmが好ましく、より好ましくは3〜5ppmである。カリウム元素は電気陽性が大きいことからポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の溶融比抵抗が低くなることで、フィルム成形時の静電印加性が向上し、静電印加ムラがなく良好である。カリウム元素の含有量の上下限については特に限定されるものではないが、ゲル化生成の抑制と溶融比低減の効果を考慮すると2〜10ppmの範囲が好ましい。
上記のようなアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン化合物を用いることができ、下記式のM/Pとなるように用いることができる。
0.60≦M/P≦1.30
(M:Mnから選ばれる2価の金属元素含有量、Kから選ばれる1価の金属元素量、P:リン元素含有量、式中において、Mは、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、Pはリン元素のポリエステル10g当たりの総モル数を示す。) 。
M/Pは0.60〜1.30、好ましくは0.87〜1.18、さらに好ましくは0.89〜1.10である。M/Pが1.30を超える場合はゲルが生成しやすく、フィルム表面欠点が増加する。M/Pが0.60未満では製膜時のキャストへの密着が劣り、生産性が低下する。
なお、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の固有粘度[η]は、重合反応槽の反応温度と真空度を設定すればよい。
本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、固有粘度[η]が0.570〜0.680の範囲にあり、好ましくは0.600〜0.670の範囲である。固有粘度[η]が0.680以下であると、溶融押し出し時のせん断発熱で温度が上昇せず、溶融時の環状3量体オリゴマーの増加が少なくできフィルム表面の欠点を抑制できる。一方、固有粘度[η]が0.570以上であればフィルムの機械特性が十分となる。
次に得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、加熱処理を行う。加熱処理装置の型式は特に限定されるものではないが、例えば、静置式乾燥機、流動式乾燥機、攪拌翼を有する乾燥機、連続式タワー乾燥機などを用いることができるが、生産性の観点から連続式タワー乾燥機が好ましい。
本発明に係る加熱処理は、加熱処理前のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の固有粘度ηと加熱処理後のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の固有粘度ηの差(Δη)は、−0.010以上、+0.010以下の範囲が好ましく、より好ましくは−0.005以上、+0.005以下となるように行なう。
加熱処理を施す前に予備結晶化することが好ましい。予備結晶化はポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に機械的衝撃を与えせん断処理を施す方法や熱風流通下で加熱処理を施す方法などを採用することができる。
予備結晶化を終了したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は引き続いて加熱処理を施す。ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を加熱処理装置に仕込み、所定の露点を維持した不活性ガスを流通させ、所定の温度で加熱処理を施す。加熱処理が終了したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は冷却して装置内から取り出す。
不活性ガスとしては、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスや窒素ガス、炭酸ガス等を挙げることができる。これらの中でも窒素が入手しやすく好ましい。また、不活性ガスの露点は20〜40℃の範囲であり、好ましくは22〜30℃である。不活性ガスの露点が20℃未満の場合は、加熱処理時に固有粘度[η]が上昇する。一方で露点が40℃を超える場合は、カルボキシル末端基量が増加し、製膜時の昇華物により工程内の汚れが多くなる。
加熱処理を施す温度は、200〜220℃の範囲であり、さらに好ましくは205〜215℃の範囲である。200℃以上であると、環状3量体オリゴマーの減少が円滑に進むため好ましい。220℃以下であると、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の熱劣化を抑え、色調が良好となり好ましい。また220℃を超えると、特に連続処理する際に、ペレット状のポリエステル樹脂組成物が融着して、加熱処理を継続することができなくなる。
加熱処理を施す時間は、20〜80時間の範囲であり、さらに好ましくは30〜60時間の範囲である。この時間の範囲であると、カルボキシル末端基量が上がり過ぎず、また製膜時のフィルムの破れが少なくなり好ましい。
なお、本発明のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、以下の方法でポリエステルフィルムに成形することができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を真空乾燥した後、押し出し機に供給し、260〜300℃で溶解し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャステキングドラムに巻き付けて、冷却固化させて未延伸ポリエステルフィルムを作製する。
該未延伸フィルムを70〜120℃に加熱されたロール間で縦方向に2.5〜5倍延伸する。このフィルムの少なくとも片面にコロナ放電処理を施して塗液などを塗布してもよい。引き続き、連続的に70〜150℃の加熱された熱風ゾーンで幅方向に2.5〜5倍延伸し、続いて200〜240℃の熱処理ゾーンに導き、5〜40秒間の熱処理を施し、100〜200℃の冷却ゾーンを経て結晶配向を完了させる。また、上記熱処理中に必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。
本発明で得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、環状3量体オリゴマーの含有量が少なく、溶融成形時のゲル生成が少なく、フィルム成形に適したカルボキシル末端基量を有することから、液晶ディスプレイのディスプレイデバイスや磁気記録材料などのIT関連用途のフィルムに好適に使用できる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、物性の測定方法、効果の評価方法は以下の方法で行った。
(1)固有粘度[η]
液相重縮合で得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物0.1gをo−クロロフェノール10mlに100℃、30分で溶解し、25℃での溶液粘度を測定した。また、加熱処理で得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物0.1gをo−クロロフェノール10mlに160℃、15分で溶解し、25℃での溶液粘度を測定した。
(2)カルボキシル末端基量[COOH]
液相縮重合で得られたエステル化物およびポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は次の文献に記載されたMauliceの方法により測定した。
M. J.Maulice, F. Huizinga “Anal. Chim. Acta”Vol. 22, p−363(1960)。すなわち、エステル化反応物またはポリエチレンテレフタレート樹脂組成物2gをo−クレゾール/クロロホルム(重量比7/3)50mlに溶解し、N/20−水酸化ナトリウムメタノール溶液により滴定し、COOH末端基量を測定し、eq/ポリエステル1tonの値で表した。また、加熱処理で得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物は、該樹脂組成物2gをo−クレゾールに溶解し、N/20−水酸化ナトリウムメタノール溶液により滴定し、COOH末端基量を測定し、当量/ポリエステル1トンの値で表した。電位差滴定を用いて、滴定曲線を描き、その変曲点を終点として、COOH末端基量を求めた。
(3)環状3量体オリゴマー含有量
ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の試料ペレットまたはフィルムをo−クロロフェノールに溶解し、内部標準を添加する。さらにメタノールを加えてポリマーを析出させて遠心分離によって上澄みを採取し、液体クロマトグラフ(島津製作所社製、SYSTEM CONTROLLER 型番:SCL−10A VP、LIQUID CHROMATOGRAPH 型番:LC−10AD VP、UV−VIS DETECTOR 型番:SPD−10A VP、COLUMN OVEN 型番:CTO−10A VPLC−2010A)を用いて定量した。
(4)ポリマー中のカリウム金属含有量[K]
原子吸光法(日立製作所製:変更ゼーマン原子吸光光度計180−80.フレーム:アセチレン空気)にて定量を行った。
(5)金属元素の含有量[Mn、Sb、P]
ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の試料ペレットを溶融プレス機で円柱状に成型し、蛍光X線元素分析装置(理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270))を用いて測定した。
(6)ゲル化率
ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を凍結粉砕機(Sprex CertiPerp社製)にて粉砕し、ステンレスビーカーに0.5g秤量した。真空乾燥機を用いて、50℃で2時間真空乾燥した後、空気と窒素の混合気体で酸素濃度1%とし、試料含有容器に酸素濃度1%の混合気体を配管より通し十分に置換された後に、該容器を300℃のオイルバスに浸し、酸素/窒素濃度1%流通下(流量0.5L/分)6時間加熱処理を行った。これを、20mlのオルトクロロフェノール(以下OCP)で、160℃で1時間溶解し、放冷した。この溶液を、ガラスフィルター(柴田科学社製、3GP40)を使用しろ過、ジクロロメタンにてガラスフィルターを洗浄した。ガラスフィルターを130℃で2時間乾燥し、ろ過前後のろ過器の重量の増分より、フィルターに残留したOCP不溶物(ゲル)の重量を算出し、OCP不溶物のポリエステル重量(0.5g)に対する重量分率を求め、ゲル化率(重量%)とした。
(7)溶融比抵抗
銅板2枚を電極として、間にテフロン(登録商標)のスペーサーを挟んで銅板22cm、銅板間隔9mmの電極を作成する。この電極を290℃で溶融したポリマー中に沈め、電極間に5,000Vの電圧を加えたときの電流量から抵抗値を算出した。
(8)静電印加キャスト性(製膜性)
溶融押出ししたフィルムの上部に設置した電極と回転冷却体間に6kVの直流電圧を印加し、キャスト速度を少しずつ上昇させ、印加ムラが発生したときのキャスト速度(m/min)を判定し、次の基準に従って判定した。 50m/min以上が1級、40m/min以上50m/min未満が2級、30m/min以上40m/min未満が3級、30m/min未満が4級とした。2級以上を合格とした。
(9)フィルムのキズ欠点
フィルムを5cm×5cmの大きさに切り出し、光学顕微鏡で40倍にて観察し、任意に選び撮影したフィルム表面の菱形状のキズの個数をカウントした。0個であれば1級、2個未満のものを2級、2個以上10個未満のものを3級、10個以上のものを4級とし、2級以上を合格とした。
(10)環状3量体オリゴマー析出のフィルム欠点
フィルムを5cm×5cmの大きさに切り出し、150℃で60分間熱風乾燥機内にて加熱した後、フィルム表面を走査型電子顕微鏡で1,000倍にて観察し、任意に選び撮影したフィルム表面の環状三量体の析出物個数をカウントした。環状三量体の析出性は、3個未満を1級、5個未満のものを2級、5個以上10個未満のものを3級、10個以上のものを4級とし、2級以上を合格とした。
(11)長期押し出し時のフィルム欠点(ゲルのフィルム欠点)
ポリエステルチップを160℃で5時間乾燥後、Tダイ式口金を備えた押し出し機に供給し、300℃で、口金からキャスティングドラムを回転させながらキャスティングドラム上に押し出し未延伸フィルムを連続的に得る。10時間経過後から11時間経過後の1時間の間、フィルム表面を観察し、この間に表面に、10時間経過するまでは見られなかったスジ状の欠点が新たに観察されれば否、観察されなければ可とした。
[実施例1]
(溶融重合反応)
第1エステル化反応槽でテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー(エチレングリコール/テレフタル酸のモル比が1.05〜1.30)を8.0〜8.7t/hrの一定流量で連続的に添加し、245〜255℃で水を留出させながらエステル化反応率90〜95%までエステル化反応を行う。水とエチレングリコールを混合し調製した水酸化カリウム溶液(0.216重量%)をポリエステル樹脂に対して0.0005重量%(0.09mol/t相当)となるように第1エステル化反応槽および第2エステル化反応槽に分割し、連続的に添加した。
また、第2エステル化反応槽においてはリン酸水溶液をポリエステル樹脂組成物に対して0.014重量%(1.428mol/t相当)となるように連続的に添加した。
第2エステル化反応槽では、255℃で水を留出させながら、エステル化反応率97%までエステル化反応を行い、エステル化反応を完了する。
重縮合反応においては、第1重縮合反応槽では、温度260℃、真空度10kPaで重縮合反応を行い、三酸化二アンチモンをポリエステル樹脂に対して0.0127重量%(0.422mol/t相当)、酢酸マンガンをポリエステル樹脂組成物に対して0.021質量%(0.855mol/t相当)となるように添加した。
第2重縮合反応槽では、温度275℃、真空度2.2kPa、第3重縮合反応槽では、温度280℃、真空度0.2kPaで重縮合反応を行い、目標の固有粘度まで重合反応を実施した。その後、窒素ガスによって重縮合反応槽を常圧に戻し、口金より冷水中にストランド状に吐出し、押し出しカッターによって円柱状にペレット化し、表面結晶化装置によって予備結晶化し、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。得られた液相ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の固有粘度[η]は0.627、環状3量体オリゴマー量は1.10重量%、カルボキシル末端基量は34当量/トンであった。
(加熱処理)
重縮合反応で得られた液相ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を、連続式タワー乾燥機を用いて、露点が25℃の窒素ガス中、210℃の温度で40時間加熱処理を行い、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を得た。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の品質は、固有粘度[η]が0.625、環状3量体オリゴマー量が0.29重量%、カルボキシル末端基量が36当量/トンであった。
(フィルム成形)
得られたポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を150℃で3時間乾燥し、押し出し機に供給し、285℃で溶融押し出しを行い、静電印加された20℃のキャストドラム上にキャストし未延伸シートを得た。この未延伸シートを90℃に加熱された延伸ロールによって長手方向に3.1倍延伸し、次いでテンター式延伸機によって120℃で幅方向に3.7倍延伸し、その後230℃で熱固定してロールに巻き取った。フィルムの成形性は良好であり、得られたフィルムの静電印加キャスト性、フィルムのキズ欠点、環状3量体オリゴマー析出のフィルム欠点、ゲルのフィルム欠点はともに良好であった。
[実施例2〜8]
加熱処理条件を表1のように変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表2に示すようにフィルムの評価は良好であった。
[実施例9〜18]
表1の通り、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の組成を変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表2に示すようにフィルムの評価は良好であった。
[実施例19〜23]
加熱処理前のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の特性を表1のように変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表2に示すようにフィルムの評価は良好であった。
[実施例24]
加熱処理前のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の特性を表1のようにカリウム元素を含有しないこと以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表2に示すように製膜時の静電印加キャスト性は2級で合格であった。
[比較例1]
表3の通り、M/Pを変更して実施例1と同様の方法で実施した。結果は表4に示す。ポリエチレンタレフタレート樹脂組成物のカルボキシル末端基量が高く、フィルムのキズ欠点が3級で悪かった。
[比較例2]
表3の通り、M/Pを上げて、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の条件を変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表4に示す。ポリエチレンタレフタレート樹脂組成物のゲル化率が高く、ゲルのフィルム欠点が否で悪かった。
[比較例3]
表3の通り、加熱処理温度の条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表4に示す。製膜時の昇華物による工程内の汚れが増えた。また、フィルムのキズ欠点が4級で悪かった。
[比較例4]
表3の通り、加熱処理温度の条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表4に示す。環状3量体オリゴマー析出のフィルム欠点が4級で悪かった。
[比較例5]
表3の通り、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の条件を変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表4に示す。ポリエチレンタレフタレート樹脂組成物のゲル化率が高く、ゲルのフィルム欠点が否で悪かった。
[比較例6]
表3の通り、加熱処理温度の条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表4に示す。製膜時の昇華物による工程内の汚れが増えた。また、フィルムのキズ欠点が4級で悪かった。
[比較例7]
表3の通り、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の条件を変更する以外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表4に示す。ポリエチレンタレフタレート樹脂組成物のカルボキシル末端基量が高く、フィルムのキズ欠点が3級で悪かった。
[比較例8]
表3の通り、マンガン元素が0ppmになるようにポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の条件を変更、露点温度を−50℃になるように加熱処理条件を変更する外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表4に示す。ポリエチレンタレフタレート樹脂組成物のカルボキシル末端基量が15当量/トンと低く、フィルムのキズ欠点が4級と悪かった。
[比較例9]
表3の通り、マンガン元素が250ppm、リン元素が300ppmになるようにポリエチレンテレフタレート樹脂組成物の条件を変更、表3の通り、処理温度が150℃、処理時間1時間、露点温度を−50℃になるように加熱処理条件を変更する外は、実施例1と同様の方法で実施した。結果は表4に示す。ポリエチレンタレフタレート樹脂組成物のゲル化率が7.5%と高く、ゲルのフィルム欠点が否で悪かった。また、環状3量体オリゴマー析出のフィルム欠点は4級で悪かった。
Figure 2018135480
Figure 2018135480
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Figure 2018135480

Claims (3)

  1. カルボキシル末端基量が28〜40当量/トン、ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に対して環状3量体オリゴマーの含有量が0.40重量%以下、かつゲル化率が5.0重量%以下であることを特徴とするポリエチレンテレフタレート樹脂組成物。
  2. 溶融比抵抗が2.5MΩ・m以下であることを特徴とする請求項1記載のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物からなるポリエステルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102177746B1 (ko) * 2019-07-01 2020-11-12 에스케이씨 주식회사 광학 필름 및 이를 이용한 유기 발광 표시 장치

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