JP2014181245A - 高重合度ポリブチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】オリゴマー含有量が少ない高重合度ポリブチレンテレフタレートを生産性良く製造する方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも(1)テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸および/またはそのアルキルエステル誘導体と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールをエステル化反応させ、次いで重縮合反応させて、末端カルボキシル基濃度が10eq/t以下、固有粘度が0.6〜0.7である低重合度ポリブチレンテレフタレートを得る工程および(2)前記低重合度ポリブチレンテレフタレートを固相重合する工程を有することを特徴とする高重合度ポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも(1)テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸および/またはそのアルキルエステル誘導体と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールをエステル化反応させ、次いで重縮合反応させて、末端カルボキシル基濃度が10eq/t以下、固有粘度が0.6〜0.7である低重合度ポリブチレンテレフタレートを得る工程および(2)前記低重合度ポリブチレンテレフタレートを固相重合する工程を有することを特徴とする高重合度ポリブチレンテレフタレートの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリブチレンテレフタレートの製造方法に関する。
ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと記載する場合がある)は、優れた物理的、化学的性質を有するため、繊維、フィルム、その他の成形品など、種々の用途に広く用いられている。特に、強度や弾性率等の機械特性、耐熱性等に優れるため、エンジニアリングプラスチックとして広く用いられている。近年、エアコン等の絶縁体としてポリブチレンテレフタレートが用いられる傾向にあり、重合度が高く、冷媒やオイルなどに抽出されるオリゴマーの少ないポリブチレンテレフタレートが求められるようになってきた。
固相重合により高重合度ポリブチレンテレフタレートを得る方法として、例えば、極限粘度が0.5〜0.9であり、末端カルボキシル基量の最大値と最小値の差が約30eq/106g以下であり、末端カルボキシル基量の平均値が約15〜40eq/106gであるポリエステルプレポリマーを固相重合する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では、十分なオリゴマー低減効果が得られないという課題があった。
また、約0.15dl/g〜約0.45dl/gの極限粘度数および20%未満のカルボキシル末端基含量を有するポリエステルプレポリマーを生成する工程、および前記ポリエステルプレポリマーを流動層中の固相中で重合させ少なくとも0.60dl/gの極限粘度数および20%未満のカルボキシル末端基含量を有する重縮合ポリエステルを生成する工程からなる、高分子量で高純度のポリエステルを製造する方法などが知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、加水分解安定性の優れたポリブチレンテレフタレートの製造方法として、固有粘度0.1〜0.55dl/gの段階で溶融状態での重合を停止し、一旦冷却固化させて中間重合物を得た後、該中間重合物を固相重合する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、これらの方法では、中間重合物を粉砕機等で細粒化し、フィルターにより粒度均一化する等の工程が必要となり、工程が複雑で、異物が混入しやすいという課題があった。また、固相重合に長い時間を要するため、生産性に課題があった。
一方、オリゴマーの少ないポリエステルの製造方法として、溶融重合して得られるポリエステルプレポリマーを固相重合するに際し、ポリエステルプレポリマーの含有水分率を、固相重合に付されるまでの期間内0.05重量%以下に保持する方法(例えば、特許文献4参照)、重縮合反応触媒としてチタン系化合物を用いて得たポリエチレンテレフタレートポリマーのペレットを、固相重縮合反応に供する以前の任意の段階で水と接触させて、該ペレット中に含まれるオリゴマーを低減させる、ポリエチレンテレフタレートの処理方法(例えば、特許文献5参照)などが知られている。しかしながら、これらの方法においてもなお、十分なオリゴマー低減効果が得られないという課題があった。
本発明は、上述した従来技術における課題に鑑み、オリゴマー含有量が少ない高重合度ポリブチレンテレフタレートを生産性良く製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、末端カルボキシル基濃度が10eq/t、固有粘度(IV)が0.6〜0.7である低重合度ポリブチレンテレフタレートを固相重合することにより上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、少なくとも(1)テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸および/またはそのエステル形成性誘導体と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールをエステル化反応させ、次いで重縮合反応させて、末端カルボキシル基濃度が10eq/t以下、固有粘度(IV)が0.6〜0.7である低重合度ポリブチレンテレフタレートを得る工程および(2)前記低重合度ポリブチレンテレフタレートを固相重合する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、オリゴマー含有量を低減した高重合度ポリブチレンテレフタレートを容易に得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高重合度ポリブチレンテレフタレートの製造方法は、少なくとも、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸および/またはそのアルキルエステル誘導体と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールをエステル化反応させ、次いで重縮合反応させて低重合度ポリブチレンテレフタレートを得る工程と、前記低重合度ポリブチレンテレフタレートを固相重合する工程を有する。本発明において、低重合度ポリブチレンテレフタレートとは、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸および/またはそのアルキルエステル誘導体と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとのエステル化・重縮合反応により得られる、主鎖にエステル結合を有する重合体のうち、固有粘度が0.7以下のものを指し、高重合度ポリブチレンテレフタレートとは、固有粘度が0.7より高いポリブチレンテレフタレートを指す。高重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は1.0以上が好ましい。
本発明において、「テレフタル酸を主成分とする」とは、ポリブチレンテレフタレートを構成するジカルボン酸中、テレフタル酸が50モル%を超えることを指す。80モル%以上が好ましい。テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。また、ジカルボン酸のアルキルエステル誘導体としては、例えば、テレフタル酸のジメチルエステルであるジメチルテレフタレートなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。経済性を考慮するとジカルボン酸を使用することが好ましい。
本発明において、「1,4−ブタンジオールを主成分とする」とは、ポリブチレンテレフタレートを構成するジオール中、1,4−ブタンジオールが50モル%を超えることを指す。80モル%以上が好ましい。1,4−ブタンジオール以外のジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオールなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
本発明の高重合度ポリブチレンテレフタレートの製造方法は、少なくとも、(1)前述のジカルボン酸またはそのアルキルエステルとジオールをエステル化反応させ、次いで重縮合反応させて低重合度ポリブチレンテレフタレートを得る工程を有する。エステル化反応および重縮合反応は、回分式または連続式で行うことができるが、生産性および品質面の観点から、連続式でエステル化反応させ、次いで連続式で重縮合反応させることが好ましい。
まず、エステル化反応させる工程について説明する。前述のジカルボン酸とジオールを含む原料をスラリー調製し、エステル化反応槽に供給してエステル化反応させることが好ましい。本発明において、ジカルボン酸に対するジオールの仕込みモル比(ジオール仕込み量(モル)/ジカルボン酸仕込み量(モル))は、1.4〜2.0が好ましい。かかる仕込みモル比を1.4以上とすることにより、エステル化反応率が向上し、この後の重縮合反応が効率よく進み、生産性をより向上させることができる。1.6以上がより好ましい。一方、仕込みモル比を2.0以下とすることにより、反応系外に留出するブタンジオール量を抑制し、ブタンジオール使用量およびエステル化工程のエネルギー消費量を低減することができる。1.9以下がより好ましい。
本発明において、エステル化反応は、エステル化反応槽で行うことが好ましい。エステル化反応槽の型式としては、例えば、縦型撹拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、棚段型反応槽などを挙げることができる。複数の反応槽を用いる場合はこれら同種または異種の複数基の槽を直列する複数槽とすることができる。本発明においては、縦型撹拌完全混合槽においてエステル化反応させることが好ましい。
本発明においては、触媒の存在下でエステル化反応させることが好ましい。触媒存在下で反応させることにより、効率的にエステル化反応が進み、生産性をより向上させることができる。触媒としては、例えば、チタン化合物、スズ化合物、酸化鉛、酢酸鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、酢酸マンガン等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、特に有機チタン化合物が好ましい。有機チタン化合物としては、下記一般式(1)で表されるチタン酸エステルやその縮合物などが挙げられる。
(R1O)nTi(OR2)4−n (1)
ただし、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜10の脂肪族、脂環族または芳香族の炭化水素基を示す。nは0〜4の範囲(小数含む)を示す。
(R1O)nTi(OR2)4−n (1)
ただし、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜10の脂肪族、脂環族または芳香族の炭化水素基を示す。nは0〜4の範囲(小数含む)を示す。
前記一般式(1)で表されるチタン酸エステルとしては、具体的には、チタン酸のメチルエステル、テトラ−n−プロピルエステル、テトライソプロピルエステル、テトラ−n−ブチルエステル、テトライソブチルエステル、テトラ−tert−ブチルエステル、テトラ−2エチルヘキシルエステル、テトラオクチルエステル、フェニルエステル、ベンジルエステル、トリルエステルあるいはこれらの混合エステルなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、入手容易性の観点から、チタン酸のテトラ−n−プロピルエステル(テトラ−n−プロピルチタネート)、テトライソプロピルエステル(テトラ−イソプロピルチタネート)、テトラ−n−ブチルエステル(テトラ−n−ブチルチタネート)が好ましく、チタン酸のテトラ−n−ブチルエステル(テトラ−n−ブチルチタネート)が特に好ましく用いられる。
触媒の存在下でエステル化反応させる場合、触媒をエステル化反応槽に1回添加してもよいし、複数回に分けて添加してもよい。触媒の添加量は、例えば、有機チタン化合物の場合を例にとると、チタン原子換算で低重合度ポリブチレンテレフタレート総重量に対して30〜160ppmが好ましい。有機チタン化合物の添加量が30ppm以上であれば、エステル化反応速度を向上させることができる。一方、有機チタン化合物の添加量が160ppm以下であれば、テトラヒドロフラン(THF)などの副生を抑制することができる。70ppm以下がより好ましい。
エステル化反応温度は、210〜260℃が好ましい。エステル化反応温度を210℃以上とすることにより、エステル化反応が効率よく進み、生産性をより向上させることができる。220℃以上がより好ましい。一方、エステル化反応温度を260℃以下とすることにより、熱エネルギー消費量を抑制することができる。250℃以下がより好ましい。
エステル化反応圧力は、13.3〜93kPaが好ましい。エステル化反応圧力を13.3kPa以上とすることにより、エステル化により発生する水を効率よく除去することができ、テトラヒドロフランの副生を抑制し、生産性をより向上させることができる。20kPa以上がより好ましい。一方、エステル化反応圧力を95kPa以下とすることにより、ブタンジオールの反応系外への留出を抑制することができる。87kPa以下がより好ましい。
次に、重縮合反応させる工程について説明する。重縮合反応は、回分式または連続式で行うことができるが、生産性および品質面の観点から、重縮合反応槽で連続的に重縮合反応させることが好ましい。重縮合反応槽は、1基でもよいし、同種または異種の複数基の槽を直列した複数槽でもよい。直列連続槽型反応器を用いて連続的に重合することが好ましい。前述のエステル化反応により得られた中間生成物を、例えば、第一重縮合反応槽および最終重縮合反応槽を用いて重縮合反応させ、低重合度ポリブチレンテレフタレートを得ることができる。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートは、最終重縮合反応槽の底部よりダイを経由してストランド状に抜き出し、冷却水にて水冷した後、ペレタイザーでカッティングし、ペレット状などの粒状体とすることが好ましい。
本発明において、第一重縮合反応槽および最終重縮合反応槽を用いて重縮合反応させる場合、第一重縮合反応槽の型式としては、例えば、縦型撹拌重合槽、横型撹拌重合槽、薄膜蒸発式重合槽などを挙げることができる。
第一重縮合反応槽における反応温度は、220〜270℃が好ましい。反応温度を220℃以上とすることにより、重縮合反応速度が向上し、生産性をより向上させることができる。230℃以上がより好ましい。一方、反応温度を270℃以下とすることにより、色調等の品質に優れた低重合度ポリブチレンテレフタレートを得ることができる。260℃以下がより好ましい。第一重縮合反応槽における反応圧力は、7kPa以下が好ましい。反応圧力を7kPa以下とすることにより、ブタンジオールの反応系外への留出が効率よく進むことから、重合時間を短縮することができ、生産性をより向上させることができる。6kPa以下がより好ましい。一方、反応圧力は1kPa以上が好ましく、昇華物の飛散や真空不良を抑制し、重縮合反応を効率良く進めることができる。
本発明において、最終重縮合反応槽(重縮合反応槽が複数ある場合、最後の重縮合反応槽)を用いる場合、その型式としては、例えば、横型1軸反応機、横型2軸反応機などを挙げることができる。最終重縮合反応槽は、第一重縮合反応槽と同種の槽であっても異種の槽であってもよい。
一般的に、固有粘度、末端カルボキシル基濃度は相対的に変動することが知られており、例えば、最終重縮合反応槽の反応温度および反応圧力を調整することにより、これら特性を所望の範囲にすることができる。このため、本発明においては、最終重縮合反応槽における反応温度は、220〜260℃が好ましい。反応温度は230℃以上がより好ましく、250℃以上がさらに好ましい。また、最終重縮合反応槽における反応圧力は、1.3kPa以下が好ましい。反応圧力は0.5〜0.7kPaがより好ましい。
エステル化反応槽や、第一重縮合反応槽、最終重縮合反応槽などの重縮合反応槽において減圧下で反応させる場合に用いられる減圧装置としては、具体的には、真空ポンプ、エゼクターなどが挙げられる。エゼクターとしては、スチームエゼクター、エチレングリコールエゼクター、1,4−ブタンジオールエゼクターが好ましく用いられる。1,4−ブタンジオールエゼクターを使用する場合、エゼクターに使用した1,4−ブタンジオールは低重合度ポリブチレンテレフタレートの原料としてそのまま使用することもできる。
本発明において、低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は0.6〜0.7である必要がある。低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度が低いほど、それを固相重合して得られる高重合度ポリブチレンテレフタレートのオリゴマーを低減することができるが、低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度が0.6より低いと、口金から出たストランドが不安定となり、カッティング工程でのペレット化が困難になるなど、低重合度ポリブチレンテレフタレートの取扱性が低く、生産性が低下する。また、ペレット化が困難であることから、次工程の固相重合を均一に進めるためには、冷却固化、粉砕、フルイによる粒度調整の工程を経る必要があり、工程が複雑で、収率が低減する。さらに、固相重合における重合時間が長くなり、生産性が低下する。0.62以上が好ましい。一方、固有粘度が0.7を超えると、高重合度ポリブチレンテレフタレート中のオリゴマー含有量が増大する。0.68以下が好ましい。
ここで、本発明において、低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は、次の方法により求めることができる。まず、o−クロロフェノールを溶媒として、低重合度ポリブチレンテレフタレートの濃度1.0dl/g、0.5dl/gおよび0.25dl/gの溶液を作製する。ウベローデ型粘度計を用いて、25℃において、前記各溶液の溶液粘度を測定し、濃度0に外挿することにより固有粘度を求める。
例えば、オンラインの粘度計を最終重縮合反応槽出側ラインに設置して、低重合度ポリブチレンテレフタレートの粘度を常時監視し、必要に応じて最終重縮合反応槽における反応温度を、前述の好ましい範囲内において調整することにより、低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度を上記範囲にすることができる。
また、本発明において、低重合度ポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基濃度が10eq/t以下であることが必要である。前述のとおり、低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度が低いほど、それを固相重合して得られる高重合度ポリブチレンテレフタレートのオリゴマーを低減することができるが、生産性が低下する課題があった。本発明においては、低重合度ポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基濃度に着目し、これを10eq/t以下とすることにより、生産性に優れる固有粘度を有する低重合度ポリブチレンテレフタレートを用いても、オリゴマー含有量を低減することができる。末端カルボキシル基濃度が10eq/tより高い場合、高重合度ポリブチレンテレフタレートのオリゴマー含有量が増大する。すなわち、低重合度ポリブチレンテレフタレートは、固有粘度が0.6〜0.7であり、末端カルボキシル基濃度が10eq/t以下であることが必要であり、これにより、生産性を向上させつつ、十分な低オリゴマー化効果が得られる。末端カルボキシル基濃度は9以下が好ましく、8以下がより好ましい。
ここで、本発明において、低重合度ポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基濃度は、次の方法により求めることができる。まず、低重合度ポリブチレンテレフタレート2.0gをo−クレゾール/クロロホルム溶媒(2/1(vol/vol))50mlに加熱溶解する。冷却後、クロロホルム30mlを加え、さらに、12%メタノール性塩化リチウム溶液5ml添加する。得られた溶液について、エタノール性水酸化カリウムで電位差滴定を行うことにより、末端カルボキシル基量(eq/t)を求める。
例えば、最終重縮合反応槽における反応温度および反応圧力を、前述の好ましい範囲内において調整することにより、末端カルボキシル基濃度を上記範囲にすることができる。
本発明において、低重合度ポリブチレンテレフタレートには、固相重合前に予めペレット表面に予備結晶化処理を施してもよく、ペレット同士の融着を抑制することができる。予備結晶化処理の方法は特に制限はないが、予備結晶化槽にて空気または不活性ガス気流下、100℃〜150℃の温度条件で、1〜10時間程度結晶化する方法が知られている。
次に、(2)前記低重合度ポリブチレンテレフタレートを固相重合する工程について説明する。固相重合により、低重合度ポリブチレンテレフタレートから高重合度ポリブチレンテレフタレートを得ることができる。固相重合は、回分式または連続式で行うことができる。また、減圧下またはN2等の不活性ガス下で行うことができる。
固相重合の重合温度は、低重合度ポリブチレンテレフタレートの融点より0〜70℃低いことが好ましく、160〜200℃が好ましい。重合温度を160℃以上とすることにより、固相重合速度が向上し、生産性がより向上する。180℃以上がより好ましい。一方、重合温度を200℃以下とすることにより、低重合度ポリブチレンテレフタレートペレットの融着を抑制し、生産性をより向上させることができる。190℃以下がより好ましい。
固相重合の重合時間は、低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度、目標とする高重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度によって変わるが、10時間〜25時間が好ましい。重合時間を10時間以上とすることにより、オリゴマーをより低減することができる。好ましくは13時間以上、より好ましくは15時間以上である。一方、重合時間を25時間以内とすることにより、生産性をより向上させることができる。好ましくは20時間以内、より好ましくは18時間以内である。
本発明において、固相重合は不活性ガス下または減圧下で行うことが好ましい。不活性ガス下で固相重合することにより、得られる高重合度ポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基濃度や色調等の品質を均一にすることができる。また、減圧下で固相重合することにより、オリゴマーの揮発による低減効果が加わり、より一層のオリゴマー低減効果が得られる。減圧下で固相重合を実施する場合、真空度は0.13kPa以下が好ましく、固相重合時間をより短縮して高重合度ポリブチレンテレフタレートの生産性をより向上させることができる。0.06kPa以下がさらに好ましい。また、不活性ガス下で固相重合を実施する場合、不活性ガスとしては、例えば、ヘリウム、窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン等が挙げられる。特に窒素が好ましい。
本発明の製造方法により、高重合度ポリブチレンテレフタレートを得ることができる。本発明において、高重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は1.0〜1.3が好ましい。固有粘度を1.0以上にすることにより、オリゴマーをより低減することができる。1.1以上がより好ましい。一方、固有粘度を1.3以下にすることにより、生産性をより向上させることができる。
ここで、本発明において、高重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は、次の方法により求めることができる。まず、o−クロロフェノールを溶媒として、高重合度ポリブチレンテレフタレートの濃度1.0dl/g、0.5dl/gおよび0.25dl/gの溶液を作製する。ウベローデ型粘度計を用いて、25℃において、前記各溶液の溶液粘度を測定し、濃度0に外挿することにより固有粘度を求める。
本発明の高重合度ポリブチレンテレフタレートは、オリゴマー含有量が少ないことを特徴とする。高重合度ポリブチレンテレフタレートのオリゴマー含有率は、0.1重量%以下が好ましい。ここで、オリゴマーとは、分子量が300〜1200程度の直鎖状または環状のポリブチレンテレフタレートを指す。高重合度ポリブチレンテレフタレートの特性を発揮する観点から、オリゴマー含有量は低いほど好ましい。なお、オリゴマー含有率は、本発明の高重合度ポリブチレンテレフタレートの製造方法を用いることにより、容易に前述の所望の範囲にすることができる。
また、本発明において、オリゴマー含有量は、次の方法により求めることができる。まず、固相重合後の高重合度ポリブチレンテレフタレートを0.15〜0.16g秤量し、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/クロロホルム(1/1(vol/vol))2mlを加え溶解する。クロロホルム8mlを加えた後、全体が100mlになるまでアセトニトリルを徐々に加えて高重合度ポリブチレンテレフタレートを不溶化させる。“テフロン”(登録商標)製のディスクフィルター(0.45μm)で不溶化物をろ過し、ろ液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により定量分析することにより、オリゴマー含有量を求めることができる。
本発明の製造方法によれば、成形品、フィルム、モノフィラメント、繊維等に好適に使用することができる高品位の高重合度ポリブチレンテレフタレートを効率的に得ることができる。本発明により得られる高重合度ポリブチレンテレフタレートは、各種の自動車部品や電気・電子部品、エアコン用の絶縁体等などに有用に用いることができる。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中、各測定値は下記のとおり求めた。
(1)固有粘度
o−クロロフェノールを溶媒として、低重合度ポリブチレンテレフタレート、高重合度ポリブチレンテレフタレートの濃度1.0dl/g、0.5dl/gおよび0.25dl/gの溶液を作製した。ウベローデ型粘度計を用いて、25℃において、前記各溶液の溶液粘度を測定し、濃度0に外挿することにより固有粘度を求めた。
o−クロロフェノールを溶媒として、低重合度ポリブチレンテレフタレート、高重合度ポリブチレンテレフタレートの濃度1.0dl/g、0.5dl/gおよび0.25dl/gの溶液を作製した。ウベローデ型粘度計を用いて、25℃において、前記各溶液の溶液粘度を測定し、濃度0に外挿することにより固有粘度を求めた。
(2)末端カルボキシル基濃度
低重合度ポリブチレンテレフタレート2.0gをo−クレゾール/クロロホルム溶媒(2/1(vol/vol)))50mlに加熱溶解した。冷却後、クロロホルム30mlを加え、さらに、12%メタノール性塩化リチウム溶液を5ml添加した。得られた溶液について、エタノール性水酸化カリウムで電位差滴定を行い、末端カルボキシル基量(eq/t)を得た。
低重合度ポリブチレンテレフタレート2.0gをo−クレゾール/クロロホルム溶媒(2/1(vol/vol)))50mlに加熱溶解した。冷却後、クロロホルム30mlを加え、さらに、12%メタノール性塩化リチウム溶液を5ml添加した。得られた溶液について、エタノール性水酸化カリウムで電位差滴定を行い、末端カルボキシル基量(eq/t)を得た。
(3)融点
低重合度ポリブチレンテレフタレートを5mg秤量し、Perkin−Elmer社製Pyris Diamond DSCを用いて、窒素気流下、20℃/分の昇温速度で230℃まで昇温し、低重合度ポリブチレンテレフタレートの融点を測定した。
低重合度ポリブチレンテレフタレートを5mg秤量し、Perkin−Elmer社製Pyris Diamond DSCを用いて、窒素気流下、20℃/分の昇温速度で230℃まで昇温し、低重合度ポリブチレンテレフタレートの融点を測定した。
(4)オリゴマー含有率
固相重合後の高重合度ポリブチレンテレフタレートを0.15〜0.16g秤量し、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/クロロホルム(1/1(vol/vol))2mlを加え溶解した。クロロホルム8mlを加えた後、全体が100mlになるまでアセトニトリルを徐々に加えて高重合度ポリブチレンテレフタレートを不溶化させた。“テフロン”(登録商標)製のディスクフィルター(0.45μm)で不溶化物をろ過し、ろ液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により定量分析した。HPLC装置は島津製LC−10Aを使用し、カラムはInertsil ODS−3(4.6×150mm、5μm)を用いた。測定条件は、カラム温度:45℃、移動相:水/アセトニトリル=20/80(vol/vol)、流速:1.5ml/分、注入量:20μl、検出波長:UV242nmとした。
固相重合後の高重合度ポリブチレンテレフタレートを0.15〜0.16g秤量し、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)/クロロホルム(1/1(vol/vol))2mlを加え溶解した。クロロホルム8mlを加えた後、全体が100mlになるまでアセトニトリルを徐々に加えて高重合度ポリブチレンテレフタレートを不溶化させた。“テフロン”(登録商標)製のディスクフィルター(0.45μm)で不溶化物をろ過し、ろ液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により定量分析した。HPLC装置は島津製LC−10Aを使用し、カラムはInertsil ODS−3(4.6×150mm、5μm)を用いた。測定条件は、カラム温度:45℃、移動相:水/アセトニトリル=20/80(vol/vol)、流速:1.5ml/分、注入量:20μl、検出波長:UV242nmとした。
実施例1
スラリー化槽、スラリー貯槽、精留塔を有する縦型撹拌完全混合槽型エステル化反応槽1基、第一重縮合反応槽1基、最終重縮合反応槽1基、ペレタイザーを直列に配した製造装置を用いて、以下の方法により低重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。まず、1,4−ブタンジオール/テレフタル酸仕込みモル比が1.80となるように、テレフタル酸754重量部に対して1,4−ブタンジオール736重量部の割合で両原料をスラリー化槽に供給し、撹拌混合を行い、スラリーを調製した後、50℃の定温にしたスラリー貯槽に移した。スラリー貯槽からスラリーをポンプにより1446重量部/時の一定速度で完全混合槽型エステル化反応槽に供給し、併せて6重量%濃度テトラ−n−ブチルチタネート(TBT)の1,4−ブタンジオール溶液を7重量部/時で完全混合槽型エステル化反応槽に連続的に供給した。TBTの添加量はチタン原子換算で低重合度ポリブチレンテレフタレート総重量に対して59ppmであった。エステル化温度230℃、反応圧力80kPaでエステル化反応させた。
スラリー化槽、スラリー貯槽、精留塔を有する縦型撹拌完全混合槽型エステル化反応槽1基、第一重縮合反応槽1基、最終重縮合反応槽1基、ペレタイザーを直列に配した製造装置を用いて、以下の方法により低重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。まず、1,4−ブタンジオール/テレフタル酸仕込みモル比が1.80となるように、テレフタル酸754重量部に対して1,4−ブタンジオール736重量部の割合で両原料をスラリー化槽に供給し、撹拌混合を行い、スラリーを調製した後、50℃の定温にしたスラリー貯槽に移した。スラリー貯槽からスラリーをポンプにより1446重量部/時の一定速度で完全混合槽型エステル化反応槽に供給し、併せて6重量%濃度テトラ−n−ブチルチタネート(TBT)の1,4−ブタンジオール溶液を7重量部/時で完全混合槽型エステル化反応槽に連続的に供給した。TBTの添加量はチタン原子換算で低重合度ポリブチレンテレフタレート総重量に対して59ppmであった。エステル化温度230℃、反応圧力80kPaでエステル化反応させた。
続いて、得られた中間生成物をギヤポンプにて第一重縮合反応槽に供給し、前述のTBTの1,4−ブタンジオール溶液7重量部/時で添加した。TBTの添加量はチタン原子換算で低重合度ポリブチレンテレフタレート総重量に対して59ppmであった。反応温度255℃、反応圧力1.8kPaで重縮合反応させた。得られた反応物を、最終重縮合反応槽(横型2軸反応機)に供給し、反応温度250.5℃、反応圧力0.58kPa、滞留時間1.5時間の条件で重縮合反応させ、低重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートをギヤポンプによりダイを経由して系外にストランド状に吐出し、冷却水により冷却し、ペレタイザーによりペレット化した。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は0.62dl/g、末端カルボキシル基濃度は7.4eq/tであった。
得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートを、アドバンテック東洋(株)イナートガスオーブンを用いて、空気気流下120℃の条件で3時間予備結晶化を行った後、東京理科機器(株)製ロータリーエバポレーターを用いて、185℃、15時間、真空度0.05kPaの条件で固相重合し、高重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。得られた高重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は1.10、オリゴマー含有率は0.06重量%であった。オリゴマー結果を表1に示す。
実施例2〜4
最終重縮合反応槽における反応温度および反応圧力を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、表1に示す低重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度および末端カルボキシル基濃度を表1に示す。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートを用いた以外は実施例1と同様にして、高重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。結果を表1に示す。
最終重縮合反応槽における反応温度および反応圧力を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、表1に示す低重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度および末端カルボキシル基濃度を表1に示す。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートを用いた以外は実施例1と同様にして、高重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。結果を表1に示す。
実施例5〜7
固相重合における重合温度および重合時間を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、高重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。結果を表1に示す。
固相重合における重合温度および重合時間を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、高重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。結果を表1に示す。
実施例8
固相重合を真空方式からN2気流方式に変更した以外は実施例1と同様にして、高重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。結果を表1に示す。
固相重合を真空方式からN2気流方式に変更した以外は実施例1と同様にして、高重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。結果を表1に示す。
比較例1、3
最終重縮合反応槽における反応温度および反応圧力を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、表1に示す低重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度および末端カルボキシル基濃度を表1に示す。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートを用いた以外は実施例1と同様にして、高重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。結果を表1に示す。
最終重縮合反応槽における反応温度および反応圧力を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、表1に示す低重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度および末端カルボキシル基濃度を表1に示す。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートを用いた以外は実施例1と同様にして、高重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。結果を表1に示す。
比較例2
低重合度ポリブチレンテレフタレートの製造において、回分式で重合を実施した。1,4−ブタンジオール/テレフタル酸モル比を1.80となるようテレフタル酸754重量部に対して1,4−ブタンジオール736重量部をエステル化反応槽に供給し、次いで、テトラ−n−ブチルチタネート(TBT)を0.95重量部供給した。TBTの添加量はチタン原子換算で低重合度ポリブチレンテレフタレート総重量に対して134ppmであった。エステル化温度230℃、反応圧力40kPaでエステル化反応させた。
低重合度ポリブチレンテレフタレートの製造において、回分式で重合を実施した。1,4−ブタンジオール/テレフタル酸モル比を1.80となるようテレフタル酸754重量部に対して1,4−ブタンジオール736重量部をエステル化反応槽に供給し、次いで、テトラ−n−ブチルチタネート(TBT)を0.95重量部供給した。TBTの添加量はチタン原子換算で低重合度ポリブチレンテレフタレート総重量に対して134ppmであった。エステル化温度230℃、反応圧力40kPaでエステル化反応させた。
続いて、得られた中間生成物をエステル化反応槽から重縮合反応槽に移行し、重縮合反応温度247.5℃、反応圧力0.17kPaで重縮合反応させ、低重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。重縮合反応槽を加圧することにより、得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートをダイを経由して系外にストランド状に吐出し、冷却水により冷却し、ペレタイザーによりペレット化した。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートの固有粘度は0.68dl/g、末端カルボキシル基濃度は25.0eq/tであった。得られた低重合度ポリブチレンテレフタレートを用いて実施例1と同じ方法で固相重合を実施したところ、オリゴマー含有率は0.24重量%であった。
比較例4
最終重縮合反応槽における反応温度および反応圧力を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、表1に示す低重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。固有粘度が低くペレタイザーにおいてストランドが安定せず、ペレット化が困難であったため、固相重合が実施できなかった。
最終重縮合反応槽における反応温度および反応圧力を表1に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、表1に示す低重合度ポリブチレンテレフタレートを得た。固有粘度が低くペレタイザーにおいてストランドが安定せず、ペレット化が困難であったため、固相重合が実施できなかった。
Claims (5)
- 少なくとも(1)テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸および/またはそのアルキルエステル誘導体と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールをエステル化反応させ、次いで重縮合反応させて、末端カルボキシル基濃度が10eq/t以下、固有粘度が0.6〜0.7である低重合度ポリブチレンテレフタレートを得る工程および(2)前記低重合度ポリブチレンテレフタレートを固相重合する工程を有することを特徴とする高重合度ポリブチレンテレフタレートの製造方法。
- 前記(2)固相重合する工程を重合温度160〜200℃、重合時間10〜25時間の条件で実施することを特徴とする請求項1記載の高重合度ポリブチレンテレフタレートの製造方法。
- 前記(2)固相重合する工程を減圧下で実施することを特徴とする請求項1または2記載の高重合度ポリブチレンテレフタレートの製造方法。
- 前記(1)低重合度ポリブチレンテレフタレートを得る工程において、連続的にエステル化反応させることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の高重合度ポリブチレンテレフタレートの製造方法。
- 請求項1〜4いずれかに記載の製造方法により得られる、オリゴマー含有率が0.1重量%以下である高重合度ポリブチレンテレフタレート。
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