JP2018133830A - 音響出力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】聴取者の耳に装着して用いられ、装着状態においても周囲音の聴取特性を持つ音響出力装置を提供する。【解決手段】音響出力装置100は、音響を発生する音響発生部110と、音響発生部110から発生される音響を一端121から取り込む音導部120と、音導部120を他端122付近で保持する保持部130を備えている。保持部130は、珠間切痕と係合して、音導部120の他端122の音響出力孔が外耳道の奥側を向くように支持する。音響出力装置100を装着している状態でも、聴取者の耳穴を塞ぐことはなく、周囲音を聴取することができる。【選択図】 図1

Description

本明細書で開示する技術は、聴取者の耳に装着して用いられる音響出力装置に関する。
再生装置や受信機から出力された電気信号を耳又は鼓膜に近接されたスピーカーで音響信号に変換する小型の音響変換装置すなわちイヤホンが広く普及している。この種の音響再生装置は、着用した聴取者本人だけに聴こえるように音響を発するので、さまざまな環境で利用に供されている。
現在普及しているイヤホンの多くは、聴取者の耳に差し込む形状をなしている。例えば、インナーイヤー型イヤホンは、聴取者の耳介に引っ掛ける形状である。また、カナル型イヤホンは、耳の穴(外耳道:ear canal)に深く差し込んで使用する形状であり、構造上密閉型が多く、遮音性能が比較的良好であることから、騒音のやや大きい場所でも音楽を楽しめるといったメリットがある。
カナル型イヤホンは、一般的に、電気信号を音響信号に変換するスピーカー・ユニットと、音響管を兼ねたほぼ円筒状のハウジング(筐体)を基本構成要素として、スピーカー・ユニットはハウジングの一端(外耳道の外側)に取り付けられる。ハウジングには、スピーカー・ユニットで発生した空気振動を外耳道に放射して鼓膜に伝える放射出口が設けられている。また、ハウジングの他端(外耳道の挿入部分)には、通常、聴取者が装着した際に外耳道に合致した形状となるイヤピース(着脱式部品)が取り付けられている。例えば、ハウジングの中心から外れた位置から斜めに音響管を配置することにより、耳甲介腔にハウジングを収めた上で、外耳道入口まで音響管を配置することができる、カナル型のイヤホン装置について提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。
聴取者がイヤホンを装着して、提示される音声を聴取している間であっても、例えば周囲の人々が話し掛けたときなどに、周囲音も同時に聴取する必要がある。しかしながら、カナル型など従来のイヤホンのほとんどは、装着状態において、聴取者が周囲音を聴き取ることは極めて困難である。何故ならば、再生音質の向上や再生音の外部への漏れ防止などの観点から、耳穴をほぼ完全に塞ぐ構造となっているからである。例えば、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、登山、スキー、スノーボードを始めとする野外並びに室内でスポーツを行なう際や、運転若しくはナビゲーションの際において、周囲音を聴き取ることができないのは、危険な状況である。また、コミュニケーション若しくはプレゼンテーションの際に、周囲音を聴き取ることができないと、サービスの低下につながる。
また、従来のイヤホンは、周囲の人々にも、装着状態の聴取者は耳穴を塞いでいるように見えるため、イヤホンの装着者に話し掛けづらい印象を与えることになり、人と人とのコミュニケーションを阻害することにもなる。
特許第4709017号公報
本明細書で開示する技術の目的は、聴取者の耳に装着して用いられ、装着状態においても非装着状態と同等の周囲音の聴取特性を実現しつつ、同時に良好な音響情報を出力することができる、優れた音響出力装置並びに音導装置を提供することにある。
本明細書で開示する技術は、上記課題を参酌してなされたものであり、第1の側面に係る技術は、
聴取者の耳の背面に配設される音響発生部と、
一端が前記音響発生部に接続されるとともに他端が前記聴取者の外耳道入り口付近に配設され、前記音響発生部が発生する音響を前記一端から取り込んで前記他端まで伝搬する、中空構造の音導部と、
を具備する音響出力装置である。
本明細書で開示する技術の第2の側面によれば、第1の側面に係る音響出力装置は、前記音導部の前記他端を前記聴取者の外耳道入り口付近で保持する保持部をさらに備えている。
本明細書で開示する技術の第3の側面によれば、第2の側面に係る音響出力装置の前記保持部は、前記聴取者の珠間切痕と係合するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第4の側面によれば、第1の側面に係る音響出力装置は、前記聴取者の耳垂を挟持して前記音響出力装置を耳に装着するピンチ部をさらに備えている。
本明細書で開示する技術の第5の側面によれば、第1の側面に係る音響出力装置の前記音導部は、前記聴取者の耳介の背面側から正面側に折り返す部位に配設された開閉構造のピンチ部を備え、前記ピンチ部が閉成位置に戻ろうとするピンチ力を利用して耳垂を挟持するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第6の側面によれば、第1の側面に係る音響出力装置は、前記音響発生部とともに前記聴取者の耳垂を挟持して、前記音響発生部を耳に装着するピンチ部をさらに備えている。
本明細書で開示する技術の第7の側面によれば、第1の側面に係る音響出力装置前記は、音導部の前記他端が前記聴取者の外耳道に深く挿入されることを防止するガード部をさらに備えている。
本明細書で開示する技術の第8の側面によれば、第2の側面に係る音響出力装置の前記保持部は、前記聴取者の外耳道入り口付近(珠間切痕)と係合するとともに、前記音導部を前記他端付近で固定して、外耳道に深く挿入しないように構成されている。
本明細書で開示する技術の第9の側面によれば、第1の側面に係る音響出力装置は、外力の作用に応じて変形して、前記音導部の前記他端が前記聴取者の外耳道に深く挿入されることを防止する変形部をさらに備えている。
本明細書で開示する技術の第10の側面によれば、第5の側面に係る音響出力装置の前記音導部は、前記他端と前記ピンチ部の間に、外力の作用に応じて変形する変形部を備えている。
本明細書で開示する技術の第11の側面によれば、第10の側面に係る音響出力装置の前記変形部は、所定以上の外力が加わると折り切れて前記音導部の前記他端が前記聴取者の外耳道に深く挿されることを防止するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第12の側面によれば、第10の側面に係る音響出力装置の前記変形部は、所定以上の外力が加わると折り切れて前記音導部の前記他端が前記聴取者の外耳道に深く挿入されることを防止するとともに、再接続が可能である。
本明細書で開示する技術の第13の側面によれば、第10の側面に係る音響出力装置の前記変形部は、外力が加わると折れ曲がって前記音導部の前記他端が前記聴取者の外耳道に深く挿入されることを防止するとともに、外力から解放されると元の形状に復元するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第14の側面によれば、第1の側面に係る音響出力装置は、前記音導部の前記他端に耳垢侵入防止部をさらに備えている。
本明細書で開示する技術の第15の側面によれば、第1の側面に係る音響出力装置は、前記音導部の内径の変化に応じて前記他端から外耳道に出力される音響の音量を調整する音量制御部をさらに備えている。
本明細書で開示する技術の第16の側面によれば、第15の側面に係る音響出力装置の前記音量制御部は、表面が押圧されたことに応じて前記音導部内に出没するミュート部のトグル動作によって、ミュート・オン状態とミュート・オフ状態の切り換えを行なうように構成されている。
本明細書で開示する技術の第17の側面によれば、第15の側面に係る音響出力装置の前記音量制御部は、表面が押圧されたことに応じて前記音導部内にミュート部が出現してミュート・オン状態になり、表面が押圧から解放されると前記ミュート部が前記音導部内から退避してミュート・オフ状態になるように構成されている。
本明細書で開示する技術の第18の側面によれば、第15の側面に係る音響出力装置の前記音量制御部は、前記音導部に挿入されたテーパー構造の軟質チューブと、前記軟質チューブを挿通するリング状の音量調整部を備え、前記音量調整部に挿入した位置に応じて前記軟質チューブの内径を連続的に変化させることにより、音量を連続的に設定するように構成されている。
本明細書で開示する技術の第19の側面によれば、第15の側面に係る音響出力装置の前記音量制御部は、前記音導部の一部の側面を構成する弾性変形部と、前記弾性変形部に当接するように回転可能に配設されたカムを備え、前記カムの回転角度の変化に応じて前記弾性変形部を前記音導部内に突き出して、音量を連続的に設定するように構成されている。
また、本明細書で開示する技術の第20の側面は、
一端が音響発生部に接続されるとともに他端が前記聴取者の外耳道入り口付近に配設され、前記音響発生部が発生する音響を前記一端から取り込んで前記他端まで伝搬する、中空構造の音導部と、
前記音導部の前記他端を前記聴取者の外耳道入り口付近で保持する保持部と、
を具備する音導装置である。
本明細書で開示する技術によれば、聴取者の耳に装着して用いられ、装着状態においても非装着状態と同等の周囲音の聴取特性を実現しつつ、同時に良好な音響情報を出力することができる、優れた音響出力装置並びに音導装置を提供することができる。
なお、本明細書に記載された効果は、あくまでも例示であり、本発明の効果はこれに限定されるものではない。また、本発明が、上記の効果以外に、さらに付加的な効果を奏する場合もある。
本明細書で開示する技術のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
図1は、本明細書で開示する技術の一実施形態に係る音響出力装置100(左耳装着用)の正面図である。 図2は、本明細書で開示する技術の一実施形態に係る音響出力装置100(左耳装着用)の斜視図である。 図3は、耳穴開放型の音響出力装置100が聴取者の耳に音波を出力する様子を示した図である。 図4は、図1及び図2に示した音響出力装置100の変形例を示した図(正面図)である。 図5は、図1及び図2に示した音響出力装置100の変形例を示した図(斜視図)である。 図6は、図1及び図2に示した音響出力装置100の変形例を示した図(斜視図)である。 図7は、音導部120のピンチ部123の閉成状態を示した図である。 図8は、音導部120のピンチ部123の開成状態を示した図である。 図9は、音響出力装置100を聴取者の左耳に装着した様子を示した図である。 図10は、音響発生部110を前面から眺めた様子を示した図である。 図11は、音響発生部110のA−A断面を示した図である。 図12は、楕円形状を有する音響発生部110を備えた音響出力装置100の外観を例示した図である。 図13は、半月形状の音響発生部110を備えた音響出力装置100の外観を例示した図である。 図14は、側縁が人の耳裏形状面に適合する形状を有する音響発生部110を備えた音響出力装置100の外観を例示した図である。 図15は、図14に示した音響出力装置100が、該当する聴取者の左耳に装着されている様子を示した図である。 図16は、音導部120の他端122から放射された音響1600が外耳道1601内を伝搬して鼓膜1602に到達する様子示した図である。 図17は、音導部120の長さ方向に定義した5つの部位を示した図である。 図18は、音導部120に適用可能な筒形状を例示した図である。 図19は、音導部120が耳垂の下端縁以外を通過して聴取者の左耳に装着されている様子を例示した図である。 図20は、音導部120が耳垂の下端縁以外を通過して聴取者の左耳に装着されている様子を例示した図である。 図21は、音導部120が耳垂の下端縁以外を通過して聴取者の左耳に装着されている様子を例示した図である。 図22は、保持部130が音導部120の他端122を外耳道の入り口付近に固定している様子を示した図である。 図23は、保持部130が音導部120の他端122を外耳道の入り口付近に固定している様子を示した図である。 図24は、リング状の保持部130が音導部120の他端122を支持する構成例を示した図である。 図25は、周囲音を取り込める中空構造をした、リング状以外の保持部130の構成例を示した図である。 図26は、柔軟な素材で製作された卵型の保持部130の構成例を示した図である。 図27は、図26に示した保持部130を聴取者の左耳に装着した様子を示した図である。 図28は、個人の耳の珠間切痕空間内の形状面に適合する形状に構成した保持部130を正面から見た様子を示した図である。 図29は、図28に示した保持部130を、聴取者の左耳に装着した様子を示した図である。 図30は、形状を維持し、適度な弾力を持つ保持部130の内部構成例を示した図である。 図31は、鼓膜をガードする役割を兼ね備えた保持部130を聴取者の耳に装着している様子を示した図である。 図32は、鼓膜をガードする役割を兼ね備えた保持部130を聴取者の耳に装着している様子を示した図である。 図33は、鼓膜をガードする役割を果たすことができる、リング状以外の保持部130の構成例を示した図である。 図34は、別部品として構成され、バネ性を有して開閉操作が可能なピンチ部123の構成例を示した図である。 図35は、別部品として構成され、バネ性を有して開閉操作が可能なピンチ部123の構成例を示した図である。 図36は、別部品として構成され、バネ性を有して開閉操作が可能なピンチ部123の他の構成例を示した図である。 図37は、別部品として構成され、バネ性を有して開閉操作が可能なピンチ部123の他の構成例を示した図である。 図38は、図36及び図37に示したピンチ部123の詳細な内部構造を示した図である。 図39は、音導部120のA部の捩じれによって発生するピンチ力を示した図である。 図40は、音導部120のA部の捩じれによって発生するピンチ力を示した図である。 図41は、聴取者の左耳に装着した音響出力装置100において、音導部120のA部の捩じれによってピンチ力4101、4102が発生する様子を示した図である。 図42は、音導部120のA部においてピンチ力を発生させるための構造を示した図である。 図43は、音響発生部110を耳垂に取り付ける機構の構成例を示した図である。 図44は、音響発生部110を耳垂に取り付ける機構の他の構成例を示した図である。 図45は、変形部124の構成例を示した図である。 図46は、変形部124の構成例を示した図である。 図47は、変形部124の構成例を示した図である。 図48は、音導部120の他端122に取り外し式の耳垢侵入防止部4801を取り付ける様子を示した図である。 図49は、耳垢侵入防止4801の構成例を示した図である。 図50は、音導部120のC部に音量制御部5000を設けた音響出力装置100の外観構成を示した図である。 図51は、ミュート機能を実現する音量制御部5000の断面構成例(ミュート・オフ状態)を示した図である。 図52は、ミュート機能を実現する音量制御部5000の断面構成例(ミュート・オン状態)を示した図である。 図53は、ミュート機能を実現する(ミュート音量調整機能付き)音量制御部5000の断面構成例を示した図である。 図54は、ミュート機能を実現する音量制御部5000の他の断面構成例(ミュート・オフ状態)を示した図である。 図55は、ミュート機能を実現する音量制御部5000の他の断面構成例(ミュート・オン状態)を示した図である。 図56は、ミュート機能を実現する(ミュート音量調整機能付き)音量制御部5000の他の断面構成例を示した図である。 図57は、音導部120の内径を連続的に変化させることで、連続音量調整を実現する音量制御部5000の断面構成例を示した図である。 図58は、音導部120の内径を連続的に変化させることで、連続音量調整を実現する音量制御部5000の断面構成例を示した図である。 図59は、音導部120の内径を連続的に変化させることで、連続音量調整を実現する音量制御部5000の断面構成例を示した図である。 図60は、音導部120の内径を連続的に変化させることで、連続音量調整を実現する音量制御部5000の他の断面構成例を示した図である。 図61は、音導部120の内径を連続的に変化させることで、連続音量調整を実現する音量制御部5000の他の断面構成例を示した図である。 図62は、音導部120の内径を連続的に変化させることで、連続音量調整を実現する音量制御部5000の他の断面構成例を示した図である。 図63は、音響発生部110をダイナミック型スピーカーで構成した場合の音響出力装置100の音響特性を例示した図である。 図64は、音響出力装置100への入力信号に適用する信号処理の周波数特性を例示した図である。 図65は、図64に示す信号処理により改善した音響出力装置100の音響特性(周波数レベル特性)を例示した図である。 図66は、音導部110による片側開放の共振作用(4分の1波長共振)を例示した図である。 図67は、音導部110による片側開放の共振作用(1+4分の1波長共振)を例示した図である。 図68は、音導部110による片側開放の共振作用(2+4分の1波長共振)を例示した図である。 図69は、片側開放の共振作用の影響を受けた音導部120の音響特性(周波数レベル特性)を例示した図である。 図70は、共振による音圧周波数のピーク特性を抑制する音導部120の構成例を示した図である。 図71は、共振による音圧周波数のピーク特性を抑制する音導部120の構成例を示した図である。 図72は、音孔7201からなる音響素子の構成例を示した図である。 図73は、気室7301からなる音響素子の構成例を示した図である。 図74は、共振による音圧周波数のピーク特性を抑制する音導部120を用いた場合の音響特性(周波数レベル特性)を例示した図である。 図75は、図9に示した音響出力装置100の耳(耳甲介腔の底面、耳裏形状面)との接触状態を示した図である。 図76は、耳甲介腔の底面形状に適合する保持部130と耳裏形状面に適合する音響発生部110を組み合わせた音響出力装置100を聴取者の左耳に装着した様子を示した図である。 図77は、図76に示す装着状態で、保持部130と音響発生部110を着用者の正面から眺めた様子を示した図である。
以下、図面を参照しながら本明細書で開示する技術の実施形態について詳細に説明する。
A.基本構造
図1及び図2には、本明細書で開示する技術の一実施形態に係る、聴取者の耳に装着して用いられる音響出力装置100の構成を示している。但し、図1は音響出力装置100の正面図であり、図2は音響出力装置100を左側から眺めた斜視図である。また、図1及び図2に示す音響出力装置100は、左耳に装着するように構成されているが、右耳装着用の音響出力装置(図示しない)はこれとは左右対称に構成されているものと理解されたい。
図1及び図2に示す音響出力装置100は、音響を発生する音響発生部110と、音響発生部110から発生される音響を一端121から取り込む音導部120と、音導部120を他端122付近で保持する保持部130を備えている。音導部120は、内径が1〜5ミリメートルの中空の管材からなり、その両端はともに開放端である。音導部120の一端121は、音響発生部110からの発生音の音響入力孔であり、他端122はその音響出力孔になっている。したがって、一端121が音響発生部110に取り付けられることで、音導部120は片側開放状態となっている。
後述するように、保持部130は、外耳道の入り口付近(例えば、珠間切痕)と係合して、音導部120の他端122の音響出力孔が外耳道の奥側を向くように、音導部120をその他端122付近で支持する。音導部120の少なくとも他端122付近の外径は、耳穴の内径よりもはるかに小さくなるように形成されている。したがって、音導部120の他端122が保持部130によって外耳道の入り口付近で保持されている状態でも、聴取者の耳穴を塞ぐことはない。すなわち、耳穴は開放されている。音響出力装置100は、従来のイヤホンとは異なり、「耳穴開放型」ということができる。
また、保持部130は、音導部120を保持した状態でも、外耳道入り口(耳穴)を外界に開放する開口部131を備えている。図1及び図2に示す例では、保持部130は、リング状の構造体であり、棒状の支持部材132でのみ音導部120の他端122付近と連結しているので、リング状構造体のそれ以外の部分はすべて開口部131となる。なお、後述するように、保持部130は、リング状構造に限定されるものではなく、中空構造を備えていれば、音導部120の他端122を支持できる任意の形状でよい。
管状の音導部120は、音響発生部110から発生される音響をその一端121から管内に取り込むと、その空気振動を伝搬して、保持部130によって外耳道の入り口付近に保持された他端122から外耳道に向けて放射して、鼓膜に伝える。
上述したように、音導部120の他端122付近を保持する保持部130は、外耳道の入り口(耳穴)を外界に開放する開口部131を備えている。したがって、音響出力装置100を装着している状態でも、聴取者の耳穴を塞ぐことはない。聴取者は、音響出力装置100を装着して音響発生部110から出力される音響を聴取している間も、開口部131を介して周囲音を十分に聴取することができる。
また、本実施形態に係る音響出力装置100は、耳穴を開放しているが、音響発生部110からの発生音(再生音)の外部への漏れを防止することができる。何故ならば、音導部120の他端122が外耳道の入り口付近で奥を向くように取り付けられ、発生音の空気振動を鼓膜の近くで放射することから、音響出力部100の出力を小さくしても十分な音質を得ることができるからである。
また、音導部120の他端122から放射される空気振動の指向性も、音漏れの防止に寄与する。図3には、耳穴開放型の音響出力装置100が聴取者の耳に音波を出力する様子を示している。音導部120の他端122から外耳道の内部に向けて空気振動が放射される。外耳道300は、外耳道入り口301から始まり鼓膜302の内側で終了する穴であり、一般的におよそ25〜30ミリメートルの長さがある。外耳道300は筒状をした閉空間である。このため、音導部120の他端122から外耳道300の奥に向かって放射された空気振動は、参照番号311で示すように、指向性を以って鼓膜302まで伝搬する。また、空気振動は外耳道300内では音圧が上がることから、とりわけ低域の感度(ゲイン)が向上する。他方、外耳道300の外側すなわち外界は開空間である。このため、音導部120の他端122から外耳道300の外に放射された空気振動は、参照番号312で示すように、外界では指向性がなく、急峻に減衰する。
再び図1及び図2を参照しながら説明する。管状の音導部120は、中間部分に、耳介の背面側から正面側に折り返す屈曲形状を有している。この屈曲部分は、開閉構造を有するピンチ部123となっており、ピンチ力を発生して耳垂を挟持することができるが、詳細については後述に譲る。
また、音導部120は、外耳道の入り口付近に配設される他端122と、屈曲するピンチ部123の間に、変形部124をさらに有している。変形部124は、過度な外力が作用すると変形して、音導部120の他端122が必要以上に外耳道の奥に入り込まないようにするが、詳細については後述に譲る。
図4乃至図6には、図1及び図2に示した音響出力装置100の変形例を示している。但し、図4は音響出力装置100の正面図であり、図5は音響出力装置100を左側から眺めた斜視図である。また、図6は、音響発生部110の背面側が見える方向から眺めた斜視図である。図1及び図2に示した音響出力装置100と同一の構成要素については、同一の参照番号を付している。
図1及び図2に示した音響出力装置100では、音導部120は、角筒型の管材で構成されている。これに対し、図4乃至図6に示す音響出力装置100の音導部120は、円筒型の管材で構成されている。音導部120に使用される部材は、管状、すなわち空気振動を伝搬することができる中空構造であれば、形状は任意である。
なお、後述するように、音響発生部110は、音圧変化を生み出すスピーカーのような発音素子を利用するので、発音時には音響発生部110のハウジング内で気圧変化が生じる。図6に示すように、ハウジング内に高気圧が発生した場合のための1以上の排気孔601が、ハウジングの背面側に穿設されている。また、音響発生部110には、音楽プレイヤーやスマートフォン、タブレット端末などの音声再生装置(図示しない)若しくは音声再生装置からの無線信号を受信する受信機(図示しない)からの音声信号を入力するコード602が接続されている。
B.耳への装着機構
音響出力装置100は、音導部120の中間部分に、耳介の背面側から正面側に折り返す屈曲形状を有している。この屈曲部分は開閉構造を有するピンチ部123となっており、ピンチ部123で発生するピンチ力を利用して、音導部120で聴取者の耳介を挟持するようにして、音響出力装置100を聴取者の耳に装着することができる。
図7にはピンチ部123の閉成状態を示し、図8にはピンチ部123の開成状態を示している。また、図9には、本実施形態に係る音響出力装置100を聴取者の左耳に装着した様子を示している。
図7及び図8から分かるように、管状の音導部120は、ピンチ部123で屈曲する開閉構造を有する。そして、図8に示すような開成位置のピンチ部123には、図7に示す閉成位置に戻ろうとするピンチ力が発生する。
図9に示すように、音導部120を他端122付近で支持する保持部130は、好ましくは、耳甲介腔の底面に当接し、珠間切痕901と係合することで、外耳道の入り口付近に取り付けられている。また、音導部120の一端121と結合する音響発生部110は、耳介902の裏側に配設されている。そして、参照番号903及び904で示すように、開成した音導部120を閉成位置に戻そうとするピンチ力がピンチ部123により発生して、音響発生部110が耳介の裏側表面に押し付けられ、図示のように屈曲する音導部120が耳介(耳垂)902を挟持するようにして、音響出力装置100が左耳に取り付けられる。
音響出力装置100を耳に取り付けるために、音導部120は、耳介902の任意の場所を挟持すればよい。但し、平坦で単純な形状をした耳介下半分の耳垂部分を挟持した方が、閉成時の接触面積が広くなり、小さいピンチ力でも強固に保持できるので、好ましい。ピンチ力が小さければ、装着時に聴取者が痛みを感じなくて済み、長時間の使用にも耐えられる。
また、耳垂は比較的小さいので、耳介の裏側に設置する音響発生部110から耳垂の端部を折り返して通過し外耳道の入り口に到達するまでの距離は短く、その分だけ音導部120の長さも短くて済む。外耳道の入り口から最短となる場所を折り返して通過するようにすることで、音導部120の長さを最短距離にすることができる。音導部120の長さは、例えば40ミリメートル程度である。音響を伝搬する長さが短いと、音響発生部110の一端121から取り込まれた音響が他端122から出力されるまでの減衰は小さくなるので、音響発生部110の出力を小さく抑えることができる。
これに対し、耳介の上半分を開閉構造の音導部120で挟持しようとすると(図示しない)、他端122が外耳道の入り口付近に固定された音導管120は、耳介の外側に向かって耳甲介、対輪、舟状窩、耳輪の順に、耳介軟骨の形によって生じる複雑な凹凸形状の上を通過しなければならない。すなわち、閉成時における音導管120と耳介表面との接触面積が極めて小さく、同じピンチ力で挟持しても不安定になる。また、耳垂に比べて耳介の上半分は広いので、耳介の裏側に設置する音響発生部110から耳輪上を通過し外耳道の入り口に到達するまでの距離が長くなる。その分だけ音導管120も長くなるため、音響発生部110からの発生音が外耳道に放射される前に減衰し、若しくは音響発生部110の出力を増大させる必要がある。付言すれば、耳垂に比べて、耳介の上半分の耳輪の大きさは個人差が大きいので、耳介の上半分を挟持しようとすると、音導部120の長さを調整する必要が生じるため、面倒である。
C.音響発生部
続いて、音響発生部110について詳細に説明する。音響発生部110が音響を発生する原理は任意である。ここでは、音圧変化を生み出すスピーカーのような発音素子を利用する音響発生部110の構造について説明する。
図10には、音響発生部110を前面から眺めた様子を示している。また、図11には、音響発生部110のA−A断面図を示している。図10及び図11に示す音響発生部110は、いわゆるダイナミック型のスピーカーである。図11に示すように、音響発生部110の内部には、マグネット1104により構成される磁気回路中に対向して、ボイス・コイル1105を有する振動板1101が配置されている。また、音響発生部110の内部は、この振動板1101によって、振動板前面空間(フロント・キャビティー)1102と振動板背面空間1103(バック・キャビティー)に仕切られている。そして、コード602を介してボイス・コイル1105に入力される音声信号に応じて磁界が変化すると、マグネット1104の磁力よって振動板1101が前後に動作することで、振動板前面空間1102と振動板背面空間1103の間で気圧の変化が発生し、これが音響となる。
振動板前面空間1102で発生する音響は、音導部120の一端121に取り込まれると、その管内を伝搬して、音導部120の他端122から外耳道の奥に向かって放射されると、その後は鼓膜に到達する。
一方、振動板背面空間1103で発生した音響は、振動板1101の振動を妨げないように、音響発生部110のハウジングの背面側に穿設された排気孔601から外部へ放射される。
排気孔601について、外部への音漏れを考慮すると、音響発生部110内の発音素子が直径16ミリメートルのダイナミック・スピーカーであれば、排気孔601の内径は1.0ミリメートル以下であることが好ましい。
なお、音響発生部110の発音素子は、上記のダイナミック型の他、バランスド・アーマーチュア型、コンデンサー型、圧電型、静電型のうちいずれか1つ、又は2以上の複合であってもよい。
また、これまで図示してきた音響発生部110の形状は円盤状であったが、これに限定される訳ではない。音導部120の一端121に取り付けられるとともに、音導部120のピンチ部123が発生するピンチ力により耳介の裏側表面に押し付けられるという作用を阻害しない限り、内部に収容する発音素子の形状に合わせて、あるいは耳介の裏側表面に適合するように、音響発生部110を任意の形状に構成することができる。図12には、楕円形状を有する音響発生部110を備えた音響出力装置100の外観を例示している。また、図13には、半月形状の音響発生部110を備えた音響出力装置100の外観を例示している。
また、人の耳裏の形状は個人差が大きい。そこで、音響発生部110の形状を個人の耳裏形状面に適合する形状に形成するようにしてもよい。図14には、側縁が人の耳裏形状面(図15の参照番号1501で示す)に適合する形状を有する音響発生部110を備えた音響出力装置100の外観を例示している。また、図15には、図14に示した音響出力装置100が、該当する聴取者の左耳に装着されている様子を示している。図15に示す例では、音響発生部110の側縁が耳裏形状面1501と好適に係合しており、このような場合、ピンチ部123のより小さなピンチ力でも、音響出力装置100を聴取者の耳に強固に装着することができる。
D.音導部
振動板前面空間1102で発生する音響は、音導部120の一端121に取り込まれると、外耳道の入り口付近まで誘導され、音導部120の他端122から外耳道の奥に向かって放射され、これによって鼓膜へと音声情報を伝達する。
音導部120(ピンチ部123)が外耳道の入り口から最短となる場所を折り返して通過するようにすることで、音導部120の長さを最短距離にすることができる。この場合、音導部120は、音響発生部110で発生した音を耳の後ろから最短距離で外耳道の入り口付近まで伝搬させるので、音導部120の内部音響抵抗による音響ロスを最低限に抑えることが可能である。音導部120の長さは、例えば40ミリメートル程度である(前述)。
図16には、音導部120の他端122から放射された音響1600が外耳道1601内を伝搬して鼓膜1602に到達する様子を、音響出力装置100を装着した聴取者の頭部の左耳付近の冠状面で示している。
音導部120は、機能や構造に基づいて、図17に示すように長さ方向にA〜Eの5つの部位を定義することができる。A〜Eの各部は、それぞれ個別の部品として製作して、図示の順に連結して音導部120を構成することもできるし、隣接する2以上の部位を一体の部品として構成することもできる。
E部は、音響発生部110(図17では図示を省略)と連結する部位であり、その先端部は音響発生部110から発生される音響を取り込む一端(音響入力孔)121に相当する。
D部は、くの字形状に屈曲するように両端でE部とC部と連結する。音導部120は、D部で、耳垂の端部を折り返す。また、D部は、音導部120の開閉構造を実現するピンチ部123に相当し、開成した音導部120を閉成位置に戻そうとするピンチ力を発生させる。ピンチ部123の構造の詳細については、後述に譲る。
C部は、変形部124に相当する。変形部124は、B部とD部の間に外力が加わると折れ曲がるとともに外力から解放されると復元する弾性若しくは可撓性、又は、外力が加わると折れ切れてしまう脆弱性を有している。変形部124の可撓性又は脆弱性により、外力が加わってもA部の先端が過度に外耳道の奥に入り込まないようにすることができる。逆に、C部が可撓性や脆弱性ではなく剛性があると、C部が外力に押されたときに、A部がともに押し込まれてその先端が外耳道の奥に入り込んでしまい、外耳道の内壁や鼓膜を傷付ける恐れがあり、危険である。
A部は、先端が音導部120内を伝搬する音響を出力する他端(音響出力孔)122に相当する。A部は、保持部130(図17では図示を省略)によって支持されており、保持部130が耳甲介腔の底面に当接しながら外耳道の入り口付近(例えば、珠間切痕)と係合すると、E部の先端すなわち音導部120の他端122は外耳道の内部を向くように配置される。また、B部は、C部としての変形部124とA部としての音導部120の他端122を連結する。C部としての変形部124は耳垂のなす平面とほぼ平行であるのに対し、A部としての音導部120の他端122は外耳道の奥を向くので、これらを連結するB部はほぼ直角な屈曲形状をなす。
音導部120は、音響発生部110が発生する音響すなわち空気振動を伝搬することができる中空構造の管材で構成される。図1及び図2には、角筒型の管材で構成される音導部120を例示した。また、図4乃至図6には、円筒型の管材で構成される音導部120を例示した。音導部120に使用される部材は、空気振動を伝搬することができる中空構造であれば、形状は任意であり、上記の角筒型や円筒型に限定されない。図18には、音導部120に適用可能な他の筒形状を例示している。図示のように、楕円筒型1801、角丸筒型1802、半月円筒型1803、台形筒型1804の各管材も、音導部120として利用することができる。
また、図9、図15、図16に示した例では、音導部120は、耳介背面から耳垂の下方の端縁で耳介正面に折り返して、外耳道の入り口付近まで延設され、その他端122は珠間切痕と係合する保持部130によって支持されている。しかしながら、音導部120が耳介を通過する場所は、耳垂の下端縁に限定されない。
図19乃至図21には、音導部120が耳垂の下端縁以外を通過して聴取者の左耳に装着されている様子を例示している。図19に示す例では、音導部120は、耳介背面から耳垂の斜め下の端縁でピンチ部123が耳介正面に折り返して、耳介背面から外耳道入り口付近まで延設されている。また、図20に示す例では、音導部120のピンチ部123は、耳介背面からほぼ水平方向で耳介正面に折り返して、外耳道入り口付近まで延設されている。また、図21に示す例では、音導部120は、耳介背面から耳介正面へ折り返すピンチ部123の付近で、聴取者の耳垂に穿孔した貫通孔2101に貫挿されて、外耳道入り口付近まで延設されている。
E.保持部
保持部130は、耳甲介腔の底面に当接しつつ外耳道の入り口付近(例えば、珠間切痕)と係合して、音導部120の他端122の音響出力孔が外耳道の奥側を向くように、音導部120の他端122付近を保持する。すなわち、保持部130は、音導部120の他端122が耳穴(外耳道の奥側)に向くようにする位置決めの役割と、音導部120の他端122が外耳道の入り口付近から外れないようにする保持の役割がある。
音導部120の他端122が耳穴に向くように正確に配置されると、図16の参照番号1600で示したように、音導部120の他端122から放射された音響1600が外耳道1601内を伝搬して鼓膜1602に到達する。他方、音導部120の他端122が耳穴(外耳道の方向)に対して傾斜して配置されると、音響出力の感度が減衰してしまう。
これまで図示してきた保持部130は、リング状の構造体であり、棒状の支持部材132でのみ音導部120の他端122付近と連結しているので、リング状構造体のそれ以外の部分はすべて開口部131となる中空構造である。図22及び図23には、リング状の保持部130が、音導部120の他端122を外耳道の入り口付近に固定している様子を示している。但し、図22は音響出力装置100を装着中の聴取者の左耳の外観を示し、図23はそのときの聴取者の頭部の左耳付近の冠状面を示している。図22に示すように、好ましくは、保持部130を耳甲介腔の底面に当接させつつ珠間切痕2201に掛けることで、聴取者の耳への安定した装着を実現している。また、図23に示すように、保持部130が珠間切痕2301に係合したときに、音導部120の他端122は耳穴を向くように配置されている。
保持部130は、リング状の構造体であり、棒状の支持部材132でのみ音導部120の他端122付近と連結しているので、リング状構造体のそれ以外の部分はすべて開口部131となる。また、音導部120の他端122付近の内径は、耳穴の外径よりもはるかに小さく形成されている。また、保持部130によって外耳道の入り口付近で保持されている状態でも、聴取者の耳穴を塞ぐことはなく開放している。したがって、音響出力装置100を装着した状態でも、周囲音は妨害されることなく耳穴の間隙から外耳道内へ入り込んで鼓膜で聴取されるので、周囲音の自然な聴こえを実現することができる。また、耳穴が解放されていることが、周囲にいる他人に対して、聴取者に話し掛けてもよいという印象を与えることができ、人と人とのコミュニケーションを阻害しない。
リング状の保持部130は、棒状の支持部材132で音導部120の他端122付近を支持する(前述)。図24には、リング状の保持部130が音導部120の他端122を支持する、他の構成例を示している。図24(A)は、保持部130が一箇所で棒状の支持部材132により音導部120の他端122を支持している例を示している。また、図24(B)は、保持部130が二箇所で棒状の支持部材132A及び132Bにより音導部120の他端122を支持している例を示している。また、図24(C)は、保持部130が三箇所で棒状の支持部材132A、132B、132Cにより音導部120の他端122の他端122を支持している例を示している。また、図24(D)は、保持部130が螺旋状の支持部材132を用いて一箇所で音導部120の他端122を支持している例を示している。
図24に示すいずれの構成例も、保持部130は中空構造であり、耳穴を開放している。したがって、聴取者が保持部130を珠間切痕に係合した状態でも、周囲音は妨害されることなく耳穴の間隙から外耳道内へ入り込んで鼓膜で聴取されるので、周囲音の自然な聴こえを実現することができる。
要するに、保持部130は、周囲音を取り込める中空構造であれば、任意の形状でよい。但し、上述した音導部120の他端122の位置決めの役割と、音導部120の他端122が外耳道の入り口付近に保持する役割を果たすものとする。
図25には、周囲音を取り込める中空構造をした、リング状以外の保持部130の構成例を示している。図25(A)は角型をした保持部130の構成例、図25(B)は楕円型をした保持部130の構成例、図25(C)は卵型をした保持部130の構成例である。図25(A)〜(C)で示す保持部130は、リング状を含めて、環状構造をした保持部130として1つの分類にまとめることができる。また、環状構造以外として、図25(D)は錨型をした保持部130の構成例、図25(E)は半球型をした保持部130の構成例、図25(F)は穴あきの半球型をした保持部130の構成例をそれぞれ示している。図示を省略するが、半球型ではなく球型をした保持部130であってもよい。
また、保持部130を、柔軟で、より好ましくは復元力(適度な弾力)のある素材で製作することで、保持部130の珠間切痕への保持性を良好にすることができる。
図26には、柔軟な素材で製作された卵型の保持部130の構成例を示している。同図(A)は変形前の保持部130を正面から見た様子、同図(B)は変形前の保持部130を斜めから見た様子をそれぞれ示している。また、同図(C)には、変形した後の保持部130を正面から見た様子を示している。音響出力装置100を使用時には、例えば参照番号2601で示すように、他端122が保持部130と連結する音導部120を引っ張るような外力が作用する。保持部130が柔軟な素材で形成された環状構造の場合、このような引張力2601が作用すると、参照番号2602及び2603で示すように紙面左右方向に拡張するように変形するので、保持部130は耳甲介腔の底面の形状に馴染んで面で接触する状態となり、珠間切痕への保持性がより良好になる。図27には、図26に示した(図26(C)に示した変形状態の)保持部130を、珠間切痕の形状2701に合致するように係合して、聴取者の左耳に装着した様子を示している。
また、保持部130を個人の耳の珠間切痕空間内の耳甲介腔の底面の形状面に適合する形状に構成することで、保持部130の珠間切痕への保持性を良好にすることができる。
図28には、個人の耳の珠間切痕空間内の耳甲介腔の底面の形状面に適合する形状に構成した保持部130を正面から見た様子を示している。また、図29には、図28に示した保持部130を、聴取者の左耳に装着した様子を示している。図29から分かるように、左耳の珠間切痕に装着された保持部130は、聴取者の耳の珠間切痕空間内の形状面2901に適合するので、珠間切痕への保持性がより良好になる。
図30には、適度な弾力を持ち、珠間切痕空間内の形状(耳甲介腔の底面形状)に適合することができる保持部130の内部構成例を示している。図示の保持部130は、形状可変・記憶ワイヤー又は細く弾性のあるピアノ線からなる環状の構造体3001の表面を、シリコンなどで樹脂コーティングして構成される。そして、保持部130は、棒状の支持部材132で音導部120の他端122付近と連結している(前述)。図30に示す保持部130は、柔軟で珠間切痕への保持性を良好にする保持部130(図26、図27を参照のこと)や、個人の耳の珠間切痕空間形状面に適合する保持部130(図28、図29を参照のこと)として利用することができる。
図26及び図27に示した保持部130の構成例と、図28及び図29に示した保持部130の構成例は、耳甲介腔の底面と面(若しくは広い接触面積)で接触するという点で共通する。接触面積が広いと、ピンチ部123のピンチ力により保持部130が耳甲介腔の底面に押し当てられて、ピンチ力が分散するので、長時間使用しても不快感を大幅に改善することができる。一方、図9には基本構成からなる音響出力装置100の左耳への装着状態を示したが、図75には保持部130と音響発生部110の左耳(耳甲介腔の底面、耳裏形状面)との接触状態を示している。この場合、保持部130は耳甲介腔の底面と点(若しくは狭い接触面積)で接触するとともに、音響発生部110は耳介の裏側と点(若しくは狭い接触面積)で接触しているので、ピンチ力が狭い接触部分に集中する。このため、聴取者は図75に示すような装着状態で音響出力装置100を長時間使用すると、接触部分において次第に痛みを感じ不快感が増していくであろう。
また、図14には、音響発生部110の形状を聴取者の耳裏形状面に適合する形状に形成する例を示した。このような場合、接触面積が広くなるので、より小さなピンチ力でも音響出力装置100を聴取者の耳に強固に装着することができ、また、ピンチ力が分散するので長時間使用しても不快感を改善することができる。さらに、図26及び図27に示した保持部130の構成例、又は、図28及び図29に示した保持部130の構成例を、図14に示した耳裏形状面に適合する音響発生部110を組み合わせて用いるようにしてもよい。図76には、耳甲介腔の底面形状に適合する保持部130と耳裏形状面に適合する音響発生部110を組み合わせた音響出力装置100を聴取者の左耳に装着した様子を示している。また、図77には、図76に示す装着状態で、保持部130と音響発生部110を着用者の正面(図76とは直交する方向)から眺めた様子を示している。保持部130は、単純なリング状ではなく、下端部は耳甲介腔の底面形状に倣うように湾曲している。また、音響発生部110は、耳裏に当接する部分が耳裏形状面に適合するような底面形状であるだけでなく、その断面をフラットではなく円弧状(R形状)のような曲面形状に形成している。したがって、保持部130と音響発生部110はともに面(広い接触面積)で対応部位とそれぞれ接触しているので、より小さなピンチ力でも音響出力装置100を聴取者の耳に強固に装着することができ、また、ピンチ力が分散するので長時間使用しても不快感を大幅に改善することができる。
さらに、保持部130は、音導部120の他端122が外耳道の内部に必要以上に入り込まないようにして鼓膜をガードする役割を果たすことが好ましい。例えば、保持部130は、音導部120の他端122付近を、支持部材132を介して固定するとともに、耳穴よりも大きなサイズをしていれば、音導部120の他端122が外耳道の内部に必要以上に入り込まないので、鼓膜をガードすることができる。図31及び図32には、鼓膜をガードする役割を兼ね備えた保持部130を聴取者の耳に装着している様子を示している。但し、図31は、リング状の保持部130が聴取者の左耳の珠間切痕3101と係合している様子を示している。また、図32は、リング状の保持部130が珠間切痕3201から外れて係合状態にないが、リングの外径が外耳道入り口3202の内径よりも大きいために、外耳道の奥深くへ物理的に入り込めない様子を示している。あるいは、保持部130は、大きなサイズにするのではなく、外耳道の奥深くへ物理的に入り込めない形状であってもよい。
要するに、保持部130は、外耳道の奥深くへ物理的に入り込めず鼓膜をガードする役割を持ち、且つ、周囲音を取り込める中空構造であれば、任意の形状でよい。但し、上述した音導部120の他端122の位置決めの役割と、音導部120の他端122が外耳道の入り口付近に保持する役割を果たすものとする。
図33には、鼓膜をガードする役割を果たすことができる、リング状以外の保持部130の構成例を示している。図33(A)は角型をした保持部130の構成例、図33(B)は楕円型をした保持部130の構成例、図33(C)は卵型をした保持部130の構成例である。図33(A)〜(C)で示す保持部130は、リング状を含めて、環状構造をした保持部130として1つの分類にまとめることができる。また、環状構造以外として、参照番号図33(D)は錨型をした保持部130の構成例、図33(E)は半球型をした保持部130の構成例、図33(F)は穴あきの半球型をした保持部130の構成例をそれぞれ示している。図示を省略するが、半球型ではなく球型をした保持部130であってもよい。また、図33(A)〜(F)に示したような、保持部130が1又は2以上の支持部材132で音導部120の他端122付近を支持する構造ではなく、図33(G)並びに図33(H)に示すような、放射状に形成された多足型の保持部130であってもよい。
F.耳への装着機構
図9などに示した例では、音響出力装置100は、音導部120の中間部分に配設されたピンチ部123の開閉構造を利用して、屈曲する音導部120で聴取者の耳介を挟持するようにして取り付けられる。
人間の耳は、人それぞれ異なる形状をしているので、装着の安定性は個人によってばらつくことが予想される。本実施形態では、図7乃至図9に示したように、音導部120の他端122付近を支持する保持部130が珠間切痕と係合するとともに、ピンチ部123で発生するピンチ力によって音導部120の一端121と連結する音響発生部110のハウジングが耳介の裏側表面に押し付けられるので、上記のような耳形状の個人差に拘わらず、装着の安定性を実現することができる。
例えば、バネ性を有する素材で音導部120を一体的に製作して、くの字形状に屈曲したピンチ部123のピンチ力を発生させることができる。
あるいは、バネ性を有して開閉操作が可能な別部品で音導部120のD部を構成して、これをピンチ部123としてC部とE部を連結することで、くの字形状に屈曲し、ピンチ力を発生する音導部120を構成することができる。
図34及び図35には、別部品として構成され、バネ性を有して開閉操作が可能なピンチ部123の構成例を示している。但し、図34にはピンチ部123の閉成状態を示し、図35にはピンチ部123の開成状態を示している。図示のピンチ部123は、閉成位置におけるくの字形状を記憶する形状記憶引きバネ3401と、形状記憶引きバネ3401とともに屈曲・伸展する螺旋構造ピンチ・ダクト3402と、これらの屈曲部分の外側を覆う高伸縮性被膜3403で構成される。そして、ピンチ部123を開成状態にすると、図35の参照番号3501で示すように、閉成位置に戻ろうとするピンチ力を発生させる。また、ピンチ部123の変形に伴って、高伸縮性被膜3403は、屈曲部分の内側及び外側において伸縮するとともに、音導部120内部を閉空間に保つ。
また、図36及び図37には、別部品として構成され、バネ性を有して開閉操作が可能なピンチ部123の他の構成例を示している。但し、図36にはピンチ部123の閉成状態を示し、図37にはピンチ部123の開成状態を示している。図示のピンチ部123は、長さ方向に伸縮する高伸縮紐3601と、高伸縮紐3601の伸縮に伴って屈曲・伸展する扇型分割式ピンチ・ダクト3602と、これらの屈曲部分の外側を覆う高伸縮性被膜3603で構成される。そして、ピンチ部123を開成状態にすると、図37の参照番号3701で示すように、閉成位置に戻ろうとするピンチ力を発生させる。
図38には、図36及び図37に示したピンチ部123の詳細な内部構造を図解している。高伸縮紐3601は、屈曲するピンチ部123の内寄りを貫挿されている。そして、高伸縮紐3601に作用する張力3801、3802によって、ピンチ部123が閉成位置に戻ろうとするピンチ力3803が発生する。また、扇型分割式ピンチ・ダクト3602は、断面が扇形の複数のダクトを、各々の中心を屈曲するピンチ部123の内寄りに向けるとともに円周側を外寄りに向けて配設して構成されている。そして、高伸縮紐3601の伸縮に伴ってピンチ部123が屈曲・伸展する動作に伴って、扇型分割式ピンチ・ダクト3602は開閉する。
ここまでは、音導部120の屈曲形状をしたD部に相当するピンチ部123における曲げにより耳垂を挟持するピンチ力を発生させる例について説明してきた。D部で発生するピンチ力ではなく(あるいは、D部で発生するピンチ力に加えて)、E部における軸回りの捩じれにより発生するピンチ力を利用して耳垂を挟持するという方法も考えられる。
図39には、閉成状態の音導部120で、E部の捩じれによって、D部を介してC部に発生する、開成位置に戻ろうとするピンチ力3901を示している。また、図40には、開成状態の音導部120で、E部の捩じれによって、D部を介してC部に発生する、閉成位置に戻ろうとするピンチ力(トルク)4001を示している。また、図41には、聴取者の左耳に装着した音響出力装置100において、音導部120のE部の捩じれによってピンチ力4101、4102が発生する様子を示している。
図42には、音導部120のE部においてピンチ力を発生させるための構造を、拡大して詳細に示している。図示のE部の両端はそれぞれ、音響発生部110との連結部4201と、D部との連結部4202となっており、これらがピンチ力発生用バネ4203で接続されている。また、ピンチ力発生用バネ4203の外側は高伸縮性被膜4204で覆われている。音導部120が図40に示したような開成状態になると、E部のピンチ力発生用バネ4203には、閉成位置に戻ろうとするピンチ力(トルク)4205が発生する。また、E部の捩じれに伴って、高伸縮性被膜4204は、E部の捩じれに伴って伸縮して、音導部120内部を閉空間に保つ。
また、音響出力装置100を耳に装着する手段は、音導部120のピンチ構造には限定されない。例えば、音導部120のピンチ部123が耳垂を挟持するのに代えて、若しくは、ピンチ部123が耳垂を挟持する作用に加えて、音響発生部110を耳垂に取り付けるための機構を利用してもよい。
図43及び図44には、音響発生部110のハウジングを利用して耳垂を挟持して固定するピンチ機構の構成例をそれぞれ示している。
図43に示す例では、音響発生部110のハウジングには、耳垂を挟持するように開閉可能なマグネット部4301が取り付けられている。そして、図43に示すように、耳垂を介して音響発生部110とマグネット部4301を対向するようにして配置すると、マグネット部4301の磁気によって音響発生部110を吸着することによって耳垂を挟持することができ、その結果、音響発生部110は耳垂の背面側に固定される。
また、図44に示す例では、音響発生部110のハウジングには、耳垂の背面に当接する場所にて螺合するねじ式スライド部4401と、ねじ式スライド部4401に対向するようにして配設されたフック部4402が配設されている。ねじ式スライド4401を回して、ねじ式スライド部4401とフック部4402間の間隙を調整することができる。そして、図44に示すように、耳垂を介してねじ式さライド部4401とフック部4402が対向するようにして配置し、ねじ式スライド4401を回して、ねじ式スライド部4401とフック部4402間の間隙を狭めていくと、耳垂を挟持することができ、その結果、音響発生部110は耳垂の背面側に固定される。また、ねじ式スライド部4401を回転させて、ねじ式スライド部4401とフック部4402間の間隙を調整することで、装着・脱着が可能である。
G.変形部
図1、図2を参照しながら説明したように、音導部120は、外耳道の入り口付近に配設される他端122と、屈曲するピンチ部123の間に、変形部124を有している。この変形部124は、外力が作用すると変形して、音導部120の他端122が必要以上に外耳道の奥に入り込まないようにする。
図45乃至図47には、音導部120のうち変形部124の部分だけを切り出して断面の構成例をそれぞれ示している。いずれの例も、音導部120のC部を長さ方向でB部側とD部側に2分割し、これらを変形部124で接続する構造となっている。
図45乃至図47に示すいずれの例も、音導部120が聴取者の耳に向かって押し付けられ、そのC部に曲げ力などの過度の外力が作用すると、折れて変形する。音導部120がC部で折れる結果、ほぼ直角に屈曲するD部を介して接続される音導部120の他端122は、外耳道の奥に入り込むことはなくなる。
図45に示す例では、2分割された音導部120のC部が薄肉脆弱部4501で連結されて、変形部124を構成する。C部に所定以上の外力(曲げ力)が加わると、薄肉脆弱部4501で折り切れてしまう。その結果、外力は音導部120の他端122まで伝わらなくなるので、外耳道の奥に入り込むことはない。なお、薄肉脆弱部4501は、折り切れてしまうと、分断されたC部を再び繋ぎ合わせることは困難であり、音導部120を交換する必要がある。
また、図46に示す例では、2分割された音導部120のC部が継式脆弱部4601で連結されて、変形部124を構成する。上記の薄肉脆弱部4501と同様、継式脆弱部4601も脆弱な素材で形成されている。したがって、C部に所定以上の外力(曲げ力)が加わると、継式脆弱部4601で折り切れてしまう。その結果、外力は音導部120の他端122まで伝わらなくなるので、外耳道の奥に入り込むことはない。但し、継式脆弱部4601は、薄肉脆弱部4501とは相違し、折り切れた後、分断されたC部を再接続することができ、音導部120を再利用することができる。
また、図47に示す例では、2分割された音導部120のC部が軟構造屈曲部4701で連結されて、変形部124を構成する。軟構造屈曲部4701は、上記の薄肉脆弱部4501並びに継式脆弱部4601とは相違し、可撓性を持ち、折れ曲がっても折り切れることはなく、また、折れ曲がると元の真直ぐな形状に戻ろうとする復元力が発生する。したがって、C部に所定以上の外力(曲げ力)が加わると、軟構造屈曲部4701で一旦折れ曲がる。その結果、外力は音導部120の他端122まで伝わらなくなるので、外耳道の奥に入り込むことはない。また、外力から解放されると、軟構造屈曲部4701の復元力により音導部120のC部は元通りの形状に自動的に復帰するので、音導部120を再利用することができる。
H.耳垢侵入防止
音導部120の他端122は、音響出力孔として、外耳道の奥側を向くようにその入り口付近に配設される。外耳道には、空気中の埃や皮膚の残骸などが耳垢船からの分泌物と混ざって、耳垢が蓄積される。音導部120の他端122が耳垢に触れたりして、音響出力孔を塞いでしまうと。音質が劣化する原因になる。また、耳垢は不潔であり、外耳道内壁などの皮膚にダメージを与えることも懸念される。
そこで、音導部120の他端122に、耳垢侵入防止部を配設するようにしてもよい。耳垢侵入防止部は、音導部120の他端122と一体的に形成されても、あるいは、他端122に対して取り外し可能であってもよい。取り外し式の耳垢侵入防止部は、取り外して清掃することが可能であり、また、汚れが酷くなると交換すればよい。
図48には、音導部120の他端122に取り外し式の耳垢侵入防止部4801を取り付ける様子を示している。また、図49には、耳垢侵入防止4801の構成例を示している。図示の耳垢侵入防止部4801は中空の構造体であり、音導部120の管内を伝搬してきた音響の空気振動がそのまま通過するようになっている。また、耳垢侵入防止部4801の内部には、空気振動は通過させるが耳垢は通過させない耳垢侵入防止フィルター4901が設置されている。
I.音量調整機能
本実施形態に係る音響出力装置100は、音響発生部110で発生する音響の空気振動を、中空構造の音導部120で外耳道の入り口付近まで伝搬する構成となっている。したがって、空気振動の通り道である音導部120の一部で内径を制御することで、音導部120の他端122から外耳道に出力される(若しくは、鼓膜で聴取される)音響の音量調整機能を実現することができる。
例えば、図50に示すように、音響出力装置100を装着中の聴取者が指でつまみ易い音導部120のC部に音量制御部5000を設けて、音量制御部5000に対する指先操作に応じて音量制御部5000付近における音導部120の内径を変化させることで、音量の調整を行なうようにする。
図51乃至図53には、ミュート機能を実現する音量制御部5000の断面構成例と一連のミュート動作を示している。音量制御部5000は、音導部120の管内に出没するミュート部5001を備えている。ミュート部5001は、指先などによる音量制御部5000の表面に対する押圧操作に応じてトグル動作して、音導部120の管内への出現と退避を交互に切り換えるものとする。具体的には、ミュート・オフ状態で指先操作されると、ミュート部5001が音導部120の管内に出現してミュート・オン状態に切り替わるが、指を離してもミュート・オン状態を保つ。また、ミュート・オン状態で再度指先操作すると、ミュート部5001が音導部120の管内から退避してミュート・オンが解除され、ミュート・オフ状態に復帰する。
図51には、ミュート・オフ状態の音量制御部5000を示している。ミュート・オフ状態では、ミュート部5001は、音導部120の外側に突設している。したがって、音導部120の内部は完全に開放されているので、参照番号5101で示すように、音響発生部110から取り込まれた音響の空気振動は、遮られることなく、音導部120の他端122に向かって進行することができる。
一方、図52には、ミュート・オン状態の音量制御部5000を示している。ミュート・オン状態では、ミュート部5001は、音導部120の内側に凹んでしまい、空気振動の伝搬路となる音導部120の内部を塞いでいる。したがって、参照場号5201で示すように、音響発生部110から取り込まれた音響の空気振動は、内側に凹んだミュート部5001で遮られ、音導部120の他端122までほとんど届かなくなる。ミュート・オン状態で指先をミュート部5001から指先を離しても、図示のミュート・オフ状態に保たれる。また、ミュート・オン状態で再度ミュート部5001を指先操作すると、ミュート・オンが解除されて、図51に示したミュート・オフ状態に復帰する。
また、図53には、図51及び図52に示した音量制御部5000の変形例を示している。図53に示す音量制御部5000は、音導部120の管内には、ミュート部5001と対向する壁面にミュート音量調整部5002が配設されている。図示の例では、内側に凹んだミュート部5001がミュート音量調整部5002に当接して、空気振動の伝搬路を塞ぐことで、ミュートを実現する。ここで、ミュート音量調整部5002は、音導部120の内壁面に沿って長さ方向に移動可能である。そして、ミュート音量調整部5002の位置に応じて、内側に凹んだミュート部5001との密着の度合い、すなわち空気振動の伝搬路を防ぐ程度が変化するので、ミュートする音量を調整することができる。
図54乃至図56には、ミュート機能を実現する音量制御部5000の他の断面構成例と一連のミュート動作を示している。音量制御部5000は、音導部120の管内に出没するミュート部5001を備えているが、図51乃至図53に示した例とは相違して、トグル動作しないものとする。すなわち、ミュート部5001は、指先などで押されている期間だけ音導部120の管内に出現してミュート・オン状態になるが、指先を離すとミュート部5001はすぐに音導部120の管内から退避してミュート・オフ状態に復帰する。
図54には、ミュート・オフ状態の音量制御部5000を示している。ミュート・オフ状態では、ミュート部5001は、平坦な形状をしており、音導部120の管内からは退避している。したがって、音導部120の内部は完全に開放されているので、参照番号5401で示すように、音響発生部110から取り込まれた音響の空気振動は、遮られることなく、音導部120の他端122に向かって進行することができる。
一方、図55には、ミュート・オン状態の音量制御部5000を示している。ミュート・オン状態では、ミュート部5001は、指先などで押されると弾性変形して、音導部120の内側に突き出して、空気振動の伝搬路となる音導部120の内部を塞いでいる。したがって、参照場号5501で示すように、音響発生部110から取り込まれた音響の空気振動は、内側に凹んだミュート部5001で遮られ、音導部120の他端122までほとんど届かなくなる。ミュート・オン状態で指先をミュート部5001から指先を離して押圧から解放すると、ミュート部5001は弾性変形が解かれて、図54に示したミュート・オフ状態に復帰する。
また、図56には、図54及び図55に示した音量制御部5000の変形例を示している。図56に示す音量制御部5000は、音導部120の管内には、ミュート部5001と対向する壁面にミュート音量調整部5002が配設されている。図示の例では、内側に凹んだミュート部5001がミュート音量調整部5002に当接して、空気振動の伝搬路を塞ぐことで、ミュートを実現する。ここで、ミュート音量調整部5002は、壁面に沿って音導部120の長さ方向に移動可能である。そして、ミュート音量調整部5002の位置に応じて、内側に凹んだミュート部5001との密着の度合い、すなわち空気振動の伝搬路を防ぐ程度が変化するので、ミュートする音量を調整することができる。
図57乃至図59には、音導部120の内径を連続的に変化させることで、(ミュートではなく)連続音量調整を実現する音量制御部5000の断面構成例と一連の音量調整動作を示している。音量制御部5000は、音導部120のC部に挿入される軟質チューブ5701と、この軟質チューブ5701を挿通するリング状の音量調整部5702で構成される。軟質チューブ5701の外周は、先端が音量調整部5702を向くテーパー構造を有しており、音量調整部5702から遠ざかるに従って外径が大きくなっている。一方、音量調整部5702の内径は、テーパー構造をした軟質チューブ5701の先端部よりも大きいが後端部よりも小さい。音量調整部5702の内径は、長さ方向に一定であるか、若しくは、軟質チューブ5701の外周よりも勾配が緩やかなテーパー形状とする。
音量調整部5702は、軟質チューブ5701の長手方向に移動することができる。軟質チューブ5701は、リング状の音量調整部5702内に収容されるに従って絞り込まれ、その結果、径方向に圧縮されて細くなっていく。すなわち、図57乃至図59に示す例では、リング状の音量調整部5702の長手方向の位置を変化させるによって、軟質チューブ5701を絞り込んで内径を連続的に変化させる構造になっている。
図57に示す状態では、軟質チューブ5701は音量調整部5702と完全に離間している。したがって、軟質チューブ5701は初期の内径のままであり、参照番号5711で示すように、音響発生部110から取り込まれた音響の空気振動を遮ることなく、音導部120の他端122に向かって伝搬することができる。
図58に示す状態では、軟質チューブ5701は音量調整部5702に半分程度収容されている。その結果、軟質チューブ5701は径方向に圧縮され、初期の内径よりも細くなっている。このため、参照番号5801で示すように、音響発生部110から取り込まれた音響の空気振動は、軟質チューブ5701が圧縮された度合いに応じて減衰するので、他端122から放射され、聴取者の鼓膜に届く音響の音量は低下する。軟質チューブ5701を音量調整部5702に挿入する操作に応じて、音量は連続的に低下していくという点を十分理解されたい。
図59に示す状態では、軟質チューブ5701は、音量調整部5702に完全に収容され、押し潰されているので、空気振動の伝搬路は完全に塞がっている。したがって、参照場号5901で示すように、音響発生部110から取り込まれた音響の空気振動は、軟質チューブ5701が押し潰された場所で遮られ、音導部120の他端122までほとんど届かなくなるので、音量は0である。
図60乃至図62には、音導部120の内径を連続的に変化させることで、連続音量調整を実現する音量制御部5000の他の断面構成例と一連の音量調整動作を示している。音量制御部5000は、C部にて音導部120の側面の一部を構成する弾性変形部6001と、回転軸6003回りに回転可能で弾性変形部6001に当接するように配設されたカム6002で構成される。カム6002は、円板でもよいが、回転軸6003が偏心しているため円周までの距離が一定でなく、回転角度に応じて弾性変形部6001を音導部120の管内に突き出す度合いが変化する。
図60に示す状態では、カム6002は、回転軸6003からの距離が最も短くなる回転位置で弾性変形部6001に当接している。したがって、弾性変形部6001は、初期の形状のままであり、参照番号6011で示すように、音響発生部110から取り込まれた音響の空気振動を遮ることなく、音導部120の他端122に向かって伝搬することができる。
図61に示す状態では、カム6002は、図60に示した状態よりも回転軸6003からの距離が長くなる回転位置で弾性変形部6001に当接している。したがって、弾性変形部6001は、弾性変形して、音導部120の内側に少しだけ突き出して、空気振動の伝搬路となる音導部120の内部を少し塞いでいる。このような場合、参照番号6101で示すように、音響発生部110から取り込まれた音響の空気振動は、突き出した弾性変形部6001が伝搬路を遮る度合いに応じて減衰する。その結果、他端122から放射され、聴取者の鼓膜に届く音響の音量は低下する。弾性変形部6001が伝搬路を遮る度合い、言い換えれば、カム6002の回転に応じて、音量は連続的に低下していくという点を十分理解されたい。
図62に示す状態では、カム6002は、回転軸6003からの距離が最長となる回転位置で弾性変形部6001に当接しているため、弾性変形部6001は、弾性変形して、音導部120の内側に大きく突き出して、空気振動の伝搬路となる音導部120の内部を完全に塞いでいる。したがって、参照番号6201で示すように、音響発生部110から取り込まれた音響の空気振動は、音導部120の他端122までほとんど届かなくなるので、音量は0である。
J.音声信号の処理
図11を参照しながら説明したように、音響発生部110にはダイナミック型スピーカーを適用することができる。すなわち、音響発生部110の内部は、この振動板1101によって、振動板前面空間(フロント・キャビティー)1102と振動板背面空間1103(バック・キャビティー)に仕切られている。そして、コード602を介してボイス・コイル1105に入力される音声信号に応じて磁界が変化すると、マグネット1104の磁力よって振動板198が前後に動作することで、振動板前面空間1102と振動板背面空間1103の間で気圧の変化が発生し、これが音響となる。
音響発生用の発音素子として、ダイナミック型以外にも、バランスド・アーマーチュア型、コンデンサー型などを挙げることができる。しかしながら、耳介の背面側から正面側に折り返す屈曲形状をしたパイプ構造の音導部120を十分にドライブするには、音響発生部110はダイナミック型であることが好ましいと本出願人は思料する。
図63には、音響発生部110をダイナミック型スピーカーで構成した場合の、音導部120の他端1220における音響特性(周波数レベル特性)を例示している。同図の横軸は周波数レベル[Hz]、縦軸は出力音圧[dBV]である。同図から、音楽を視聴する上で重要となる100Hz以下の低域で応答があること、並びに20kHz付近の可聴域でも応答があることを確認することができる。
音導部120すなわちパイプで伝搬する音響は低域が弱くなるという問題がある。そこで、音導部110による片側開放の共振や、低域の減衰などを信号処理によって補正するようにしてもよい。
例えば、音響発生部110に入力する音声信号に対して図64に示すような周波数特性の信号処理(等化器)を適用した場合、音響出力装置100の音響特性(周波数レベル特性)を図65に示すように改善することができる。但し、図65中、信号処理により改善した周波数レベル特性を実線で示し、比較として、改善前の(図63に示した)周波数レベル特性を点線で示している。改善前と比較すると、信号処理により低域を向上する一方、広域を抑制して、広い帯域にわたって出力音圧が平坦化していることが分かる。このような信号処理は音響出力装置100内部で行なうことができるが、外部で上記の信号処理を実施した後の音声信号を音響出力装置100に入力するようにしてもよい。
また、図66〜図68には、音導部110による片側開放の共振作用を例示している。図66には、片側開放の音導部120の全長が4分の1波長に相当する周波数成分の音が共振して定在波が現れる様子を示している。また、図67には、音導部120の全長が1+4分の1波長に相当する周波数成分の音が共振して定在波が現れる様子を示している。また、図68には、音導部120の全長が2+4分の1波長共振に相当する周波数成分の音が共振して定在波が現れる様子を示している。そして、図69には、片側開放の共振作用の影響を受けた音導部120の他端1220における音響特性(周波数レベル特性)を例示している。この場合、共振による音圧周波数のピーク特性を持つ。すなわち、音導部120の長さが4分の1波長、1+4分の1波長、2+4分の1波長、…にそれぞれ相当する周波数付近で、共振による音圧周波数のピークが現れる。
図69に示すように、特定の周波数成分においてのみ音圧レベルのピークが現れると、音質の劣化につながる。ピークを広範囲の周波数領域にわたって音圧レベルを均一にすることが好ましく、このためには、ピークを平坦化する必要がある。
図70及び図71には、共振による音圧周波数のピーク特性を抑制する音導部120の構成例をそれぞれ示している。各図に示す音導部120は、音導部110による片側開放の共振作用により発生する定在波の振幅が最大となる腹に相当する部分に、共振作用を抑制する音響素子(音響抵抗)をそれぞれ配設している。具体的には、図70に示す音導部120は、音導部120の全長が1+4分の1波長に相当する周波数成分からなる音の定在波の腹に相当する壁面に、音響素子125が配設されている。また、図71に示す音導部120は、音導部120の全長が2+4分の1波長に相当する周波数成分からなる音の定在波の腹に相当する壁面に、音響素子125が配設されている。N+4分の1波長に相当する周波数成分からなる音の定在波の腹に相当する壁面に、音響素子125を配設する(但し、Nは1以上の整数)、と一般化して表現することができる。
図72には、音響素子125の一例を拡大して示している。図示の音響素子125は、音導部120の壁面に穿設された微細な音孔で構成される。図72に示すように、音孔7201は、音導管120内を進行する定在波を音導部120の外部に放出することにより減衰して、共振成分の周波数レベル特性を調整する。音孔7201の径や長さなどによって、音響素子125は異なる効果を実現することができる。
また、図73には、音響素子125の他の例を拡大して示している。図示の音響素子125は、音導部120の壁面に凹設された気室7301で構成される。図73に示すように、音導管120内を進行する定在波が気室7301内に回り込むことにより減衰して、共振成分の周波数レベル特性を調整する。気室7301の容積や形状などによって、音響素子125は異なる効果を実現することができる。
但し、音響素子125が音孔や気室のみで構成されると、定在波成分が音孔から外部に漏れ、又は気室に回り込んで、減衰され過ぎてしまうことが懸念される。そこで、音響素子125は、音孔に音響抵抗を充填して、定在波成分の減衰を調整することがより好ましい。音響抵抗は、音波が通過する際の抵抗が空気よりも大きくなる部材であり、音響抵抗の充填密度を大きくするほど抵抗が増す。音響抵抗は、例えば、不織布や、ウレタンなどの発泡フォームで構成される。
図74には、共振による音圧周波数のピーク特性を抑制する音導部120を用いた場合の音響特性(周波数レベル特性)を例示している。同図では、共振による音圧周波数のピーク特性を抑制した後の音響特性(周波数レベル特性)を実線で示し、比較として、抑制前の音響特性を点線で示している。共振による音圧周波数のピーク特性を抑制することにより、広い帯域に出力音圧が平坦化していることが分かる。
K.まとめ
最後に、本実施形態に係る音響出力装置100の特徴についてまとめておく。
(1)聴取者は、音響出力装置100を装着中も、周囲音を自然に聴くことができる。したがって、空間把握、危険察知、会話並びに会話時の微妙なニュアンスの把握といった、聴覚特性に依存した人間の機能を正常に利用することができる。
(2)音響出力装置100は、装着時において耳穴を塞いでいないので、他人から見て、話し掛けてもよい外観をしている。また、音響出力装置100を装着した聴取者は、常に周囲音が聞こえているため、人間の性質として、人が近づいてきたら足音などの音響情報から、「音の方向に体の向きを変える」、「音の方向に視線を移す」といった受動的な態度を少なからずとる。そういった振る舞いが、他人に「話し掛けてもよい」という印象を与えるので、人と人とのコミュニケーションを阻害しない。
(3)音響出力装置100は、自己発生系ノイズ音の影響を受けない。音響出力孔である音導部120の他端122は、耳穴装着時において、外耳道の内壁から離間しているので、聴取者自身の声や、鼓動音、咀嚼音、唾を飲み込むときの音、血流音、呼吸音、歩行時に体を伝わる振動音、コードなどの衣擦れ音の影響を受けない。また、イヤピースと外耳道内壁との摩擦音が発生することもない。また、耳穴が解放されていることから、外耳道の湿気籠りする心配がない。
(4)音響出力装置100は、耳への装着性が良好で、耳の大きさや形状の個人差などに起因する位置決めばらつきを吸収することができる。保持部130が珠間切痕と係合して、音導部120の他端122の音響出力孔が外耳道の奥側を向くように支持するように構成されている。したがって、音導体が耳輪で折り返す耳かけ式の音響出力装置の場合のような、長さ調整を必要としない。また、保持部130が珠間切痕と係合することによって、良好な装着状態を維持することができる。さらに、音導部120の折り返し部分であるピンチ部123で耳垂を挟持して固定することにより、良好な装着状態を維持することができる。また、音導部120が、耳介背面から耳垂で折り返して外耳道入り口付近まで延設されるという構造は、聴取者がメガネやメガネ型ウェアラブル・デバイス、耳かけ式デバイスを併用しても、これらの他の装置と干渉しない。
(5)音導部120は、音響発生部110で発生した音を耳の後ろから最短距離で外耳道の入り口付近まで伝搬させる。したがって、耳かけ式の音響出力装置と比較すると、音導部の長さが短縮される分だけ、音響ロスを最低限に抑えることができ、音響発生部110を低出力にして、良好な音質を得ることができる。付言すれば、音響発生部110の寸法的な許容度が高く、必要な音響帯域や音圧に応じた設計が可能である。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本明細書で開示する技術について詳細に説明してきた。しかしながら、本明細書で開示する技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書で開示する技術を適用した音響出力装置は、いわゆるイヤホンと同様に聴取者の耳に装着して用いられるが、装着状態においても非装着状態と同等の周囲音の聴取特性を実現しつつ、同時に音響情報を出力することができる、及び、装着状態においても周囲の人々からは聴取者の耳穴を塞いでいないように見える、といった特徴がある。このような特徴を生かして、本明細書で開示する技術を適用した音響出力装置を、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、登山、スキー、スノーボードを始めとする野外並びに室内で行なうさまざまなスポーツ分野(プレイ中や遠隔コーチングなど)、周囲音聴取と音声情報提示が同時に必要となるコミュニケーション若しくはプレゼンテーション分野(例えば、芝居観覧時情報補足、博物館音声情報提示、バード・ウォッチング(鳴声聴取)など)、運転若しくはナビゲーション、警備員、ニュースキャスターなどに適用することができる。
本明細書では、例示という形態により本明細書で開示する技術について説明してきた。したがって、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本明細書で開示する技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
なお、本明細書の開示の技術は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)聴取者の耳の背面に配設される音響発生部と、
一端が前記音響発生部に接続されるとともに他端が前記聴取者の外耳道入り口付近に配設され、前記音響発生部が発生する音響を前記一端から取り込んで前記他端まで伝搬する、中空構造の音導部と、
を具備する音響出力装置。
(1−1)前記音導部は、前記聴取者の耳垂の端縁付近で耳の前面から背面へ折り返す折り返し構造を有する、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(1−2)前記音導部の前記他端は、前記聴取者の外耳道の内径よりも小さい外径を持つ、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(2)前記音導部の前記他端を前記聴取者の外耳道入り口付近で保持する保持部をさらに備える、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(3)前記保持部は、前記聴取者の珠間切痕と係合する、
上記(2)に記載の音響出力装置。
(3−1)前記保持部は、前記音導部の前記他端が外耳道の奥を向くように支持する、
上記(3)に記載の音響出力装置。
(3−2)前記保持部は、外耳道入り口を外界に開放する開口部を備える
上記(3)に記載の音響出力装置。
(3−3)前記保持部は、耳甲介腔の底面と接触する、
上記(3)に記載の音響出力装置。
(3−3−1)前記保持部は、耳甲介腔の底面と面(若しくは広い接触面積)で接触する接触部を備える、
上記(3−3)に記載の音響出力装置。
(3−3−2)前記保持部は、耳甲介腔の底面形状になるように湾曲した接触部を備える、
上記(3−3)に記載の音響出力装置。
(4)前記聴取者の耳垂を挟持して前記音響出力装置を耳に装着するピンチ部をさらに備える、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(5)前記音導部は、前記聴取者の耳介の背面側から正面側に折り返す部位に配設された開閉構造のピンチ部を備え、前記ピンチ部が閉成位置に戻ろうとするピンチ力を利用して耳垂を挟持する、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(6)前記音響発生部とともに前記聴取者の耳垂を挟持して、前記音響発生部を耳に装着するピンチ部をさらに備える、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(6−1)前記音響発生部は、聴取者の耳裏形状面に適合する形状からなる接触部を備える、
上記(6)に記載の音響出力装置。
(6−2)前記音響発生部は、聴取者の耳裏形状面に当接する部分において曲面形状からなる接触部を備える、
上記(6)又は(6−1)のいずれかに記載の音響出力装置。
(7)前記音導部の前記他端が前記聴取者の外耳道に深く挿入されることを防止するガード部をさらに備える、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(8)前記保持部は、前記聴取者の外耳道入り口付近(珠間切痕)と係合するとともに、前記音導部を前記他端付近で固定して、外耳道に深く挿入しないようにする、
上記(2)に記載の音響出力装置。
(9)外力の作用に応じて変形して、前記音導部の前記他端が前記聴取者の外耳道に深く挿入されることを防止する変形部をさらに備える、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(10)前記音導部は、前記他端と前記ピンチ部の間に、外力の作用に応じて変形する変形部を備える、
上記(5)に記載の音響出力装置。
(11)前記変形部は、所定以上の外力が加わると折り切れて前記音導部の前記他端が前記聴取者の外耳道に深く挿されることを防止する、
上記(10)に記載の音響出力装置。
(12)前記変形部は、所定以上の外力が加わると折り切れて前記音導部の前記他端が前記聴取者の外耳道に深く挿入されることを防止するとともに、再接続が可能である、
上記(10)に記載の音響出力装置。
(13)前記変形部は、外力が加わると折れ曲がって前記音導部の前記他端が前記聴取者の外耳道に深く挿入されることを防止するとともに、外力から解放されると元の形状に復元する、
上記(10)に記載の音響出力装置。
(14)前記音導部の前記他端に耳垢侵入防止部をさらに備える、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(14−1)前記耳垢侵入防止部は、前記他端から取り外し可能である、
上記(14)に記載の音響出力装置。
(15)前記音導部の内径の変化に応じて前記他端から外耳道に出力される音響の音量を調整する音量制御部をさらに備える、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(16)前記音量制御部は、表面が押圧されたことに応じて前記音導部内に出没するミュート部のトグル動作によって、ミュート・オン状態とミュート・オフ状態の切り換えを行なう、
上記(15)に記載の音響出力装置。
(17)前記音量制御部は、表面が押圧されたことに応じて前記音導部内にミュート部が出現してミュート・オン状態になり、表面が押圧から解放されると前記ミュート部が前記音導部内から退避してミュート・オフ状態になる、
上記(15)に記載の音響出力装置。
(18)前記音量制御部は、前記音導部に挿入されたテーパー構造の軟質チューブと、前記軟質チューブを挿通するリング状の音量調整部を備え、前記音量調整部に挿入した位置に応じて前記軟質チューブの内径を連続的に変化させることにより、音量を連続的に設定する、
上記(15)に記載の音響出力装置。
(19)前記音量制御部は、前記音導部の一部の側面を構成する弾性変形部と、前記弾性変形部に当接するように回転可能に配設されたカムを備え、前記カムの回転角度の変化に応じて前記弾性変形部を前記音導部内に突き出して、音量を連続的に設定する、
上記(15)に記載の音響出力装置。
(20)前記音響発生部は、ダイナミック型の発音素子を備える、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(21)前記音響発生部へ入力する音声信号に対して周波数レベルに応じたゲイン調整を行なう信号処理部をさらに備える、
上記(1)又は(20)のいずれかに記載の音響出力装置。
(22)前記信号処理部は、前記音導部の前記他端から出力される音声の低域の減衰を補正するための信号処理を行なう、
上記(21)に記載の音響出力装置。
(23)前記音導部は、前記中空構造の少なくとも1箇所に音響素子を備える、
上記(1)に記載の音響出力装置。
(23−1)前記音導部は、片側開放の前記中空構造における共振作用により発生する音の定在波の振幅が最大となる腹に相当する部分に前記音響素子を配設する、
上記(23)に記載の音響出力装置。
(23−2)前記音響素子は、前記中空構造の壁面に形成された音孔又は気室からなる、
上記(23)に記載の音響出力装置。
(23−2−1)前記音響素子は音響抵抗をさらに備える、
上記(23−2)に記載の音響出力装置。
100…音響出力装置、110…音響発生部
120…音導部、121…一端(音響入力孔)
122…他端(音響出力孔)、123…ピンチ部
124…変形部、130…保持部、132…支持部材
1101…振動板、1104…マグネット
1105…ボイス・コイル
3401…形状記憶引きバネ
3402…螺旋構造ピンチ・ダクト、3403…高伸縮性被膜
3601…高伸縮紐、3602…扇型分割式ピンチ・ダクト
3603…高伸縮性被膜
4201…連結部、4202…連結部
4203…ピンチ力発生用バネ、4204…高伸縮性被膜
4301…マグネット部
4401…ねじ式スライド部、4402…フック部
4501…薄肉脆弱部
4601…継式脆弱部
4701…軟構造屈曲部
4801…耳垢侵入防止部
4901…耳垢侵入防止フィルター
5000…音量制御部
5001…ミュート部、5002…・ミュート音量調整部
5701…軟質チューブ、5702…音量調整部
6001…弾性変形部、6002…カム、6003…回転軸

Claims (12)

  1. 耳介背面に設置される音響発生部と、前記音響発生部で生成された音を耳介背面から耳垂で折り返して外耳道入口付近の音響出力孔まで伝搬させる屈曲形状を有したパイプ構造の音導部と、外耳道入口付近にある耳の珠間切痕と結合するように配置される環状中空構造体である保持部を備える音響出力装置であって、
    前記保持部は中空構造体の一部に支持部材を有し、前記支持部材により前記音導部の音響出力孔を外耳道の入り口付近に固定することで前記音導部の音響出力孔が耳穴の外耳道の奥に音を放射できるように位置決めを行うとともに、前記支持部材以外の開口部から外耳道の入り口に周囲音を取り込む構造である、
    音響出力装置。
  2. 前記保持部は環状構造を有する、
    請求項1に記載の音響出力装置。
  3. 前記環状構造は、リング型である、
    請求項2に記載の音響出力装置。
  4. 前記環状構造は、卵型である、
    請求項2に記載の音響出力装置。
  5. 前記環状構造は、楕円型である、
    請求項2に記載の音響出力装置。
  6. 前記保持部は、柔軟な素材で形成された前記環状構造である、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の音響出力装置。
  7. 前記音響発生部は楕円形状を有する、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の音響出力装置。
  8. 前記音導部の音響出力孔に耳垢侵入防止フィルターを備える、
    請求項1乃至7のいずれかに記載の音響出力装置。
  9. 前記音響発生部はスピーカーを有する、
    請求項1乃至8のいずれかに記載の音響出力装置。
  10. 前記スピーカーはダイナミック型スピーカーである、
    請求項9に記載の音響出力装置。
  11. 前記ダイナミック型スピーカーは、無線で受信した音声信号による磁界変化に応じて音響を生成する、
    請求項10に記載の音響出力装置。
  12. 前記音響発生部は、前記スピーカーの振動板背面空間で発生した音響を外部に放射する排気孔を有する、
    請求項1乃至11のいずれかに記載の音響出力装置。
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