JP2017135446A - 送受話装置 - Google Patents

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Masahiro Nakajima
政広 中嶋
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Abstract

【課題】騒音の大きな環境下で、使用者が圧迫感や不快感を覚えることなく、且つ、ノイズを低減して送受話を行うことができると共に、使用場面を問わない送受話装置を提供する。
【解決手段】送受話装置1は、後頭部を周回させるバンド本体15、その両端側にそれぞれ設けられ耳介に後方から引掛けられる第一耳掛け部11及び第二耳掛け部12を備えるヘッドバンド10と、振動出力デバイスを備えて第一耳掛け部の先端に取り付けられているスピーカ20と、振動入力デバイスを備えて第二耳掛け部に支持されているマイクロフォン70とを具備しており、第二耳掛け部は、耳介に沿わせる湾曲部12a、湾曲部の一端から直線状に延設された直棒部12b、及び、直棒部から交差する方向に突設された円筒部12cを備えており、バンド本体の端部が円筒部に回動可能に嵌入されていると共に、マイクロフォンは直棒部の下端に取り付けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、騒音の大きな環境下でも送受話を行うことができる送受話装置に関するものである。
工事現場や工場など騒音の大きな環境下で送受話を行うために、従前より、受話についてはイヤホンやヘッドフォンが使用され、送話には口元のごく近くに配した指向性の高い音圧マイクロフォンが使用されていた。しかしながら、受話については、周囲の騒音に負けない音量の音をイヤホンやヘッドフォンで聞くことにより難聴となる問題や、外耳道が塞がれるために周囲の音を聞き取りにくく、危険を察知しにくい、近くの人から話しかけられても気付かない等の問題があった。また、送話については、マイクロフォンが拾う周囲の音情報によるノイズが大きいという問題があった。
一方、騒音の大きな環境下で送話を行うためのマイクロフォンとしては、咽頭部の振動をピックアップして電気信号に変換する咽頭マイクロフォンも使用されている。咽頭マイクロフォンは、音圧マクロフォンに比べれば周囲の騒音の影響を受けにくい利点がある。しかしながら、振動ピックアップ面を咽頭部に圧接させる必要があるため、使用者に圧迫感があるという問題があった。また、振動ピックアップ面を咽頭部に圧接させるために首部に巻き付けるネックバンドに汗が溜まり、使用者が不快に感じるという問題もあった。
このような事情を鑑みて、骨伝導スピーカと骨伝導マイクロフォンの双方をヘルメットに取り付けた双方向通話装置が提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1の技術では、骨伝導スピーカはヘルメットのフレーム側部に取り付け、骨伝導マイクロフォンはヘルメットの頭頂部に取り付けている。
しかしながら、工事現場や工場などではヘルメットを被ることは一般的であるものの、騒音の大きい環境としては、ヘルメットを被ることがそぐわない場所もある。大勢の人が集うパーティー会場やイベント会場、街中の雑踏などである。そのため、場面を問わずに使用できる送受話装置に対する要請があった。
特許第4045132号公報
そこで、本発明は上記の実情に鑑み、騒音の大きな環境下で、使用者が圧迫感や不快感を覚えることなく、且つ、ノイズを低減して送受話を行うことができると共に、使用場面を問わない送受話装置の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる送受話装置は、
「後頭部を周回させる略円弧状に弾性体で形成されたバンド本体、該バンド本体の一端側に該バンド本体と一体または別体に設けられた、耳介に後方から引掛けられる第一耳掛け部、及び、該バンド本体の他端側に該バンド本体と別体に設けられた、耳介に後方から引掛けられる第二耳掛け部を備えるヘッドバンドと、
入力された電気信号を機械的振動に変換して出力する振動出力デバイスを備え、振動伝導面を内側に向けた状態で、前記第一耳掛け部の先端に取り付けられているスピーカと、
ピックアップした機械的振動を電気信号に変換して出力する振動入力デバイスを備え、振動ピックアップ面を内側に向けた状態で、前記第二耳掛け部に支持されているマイクロフォンとを具備しており、
前記第二耳掛け部は、耳介に沿わせる湾曲部、該湾曲部の一端から直線状に延設された直棒部、及び、該直棒部から交差する方向に突設された円筒部を備えており、
前記バンド本体の前記他端側の端部が、前記円筒部に回動可能に嵌入されていると共に、
前記マイクロフォンは前記直棒部の下端に取り付けられている」ものである。
上記構成では、スピーカは、振動伝導面を内側に向けた状態で第一耳掛け部の「先端」に取り付けられており、第一耳掛け部は使用者の耳介に「後方から」引掛けられるものである。従って、スピーカの振動伝導面は、自ずと耳介の直前の頬骨上で体表面に当接する。これにより、電気信号として入力された音声信号は、スピーカの振動出力デバイスによって機械的振動に変換され、その振動は振動伝導面を介して頬骨に伝導し、頭蓋骨を伝導して蝸牛に到達する。蝸牛で機械的振動は電気信号に変換され、この信号が聴覚神経に送られて脳が音声を認識する。このような骨伝導により、外耳道を介することなく音声が認識されるため、騒音の大きな環境下でイヤホンやヘッドフォンを使用していた従来とは異なり、難聴となるおそれや周囲の音を聞き取りにくいという問題がない。
一方、マイクロフォンは、振動ピックアップ面を内側に向けた状態で、第二耳掛け部に支持されており、具体的には第二掛け部における「直棒部」の下端に取り付けられている。そして、直棒部は湾曲部の一端から延設されており、この湾曲部は耳介に沿わせる部分であって、使用者の耳介に「後方から」引掛けられるものである。つまり、本構成では、直棒部は耳介の後ろで直線状に延びている部分である。従って、マイクロフォンの振動ピックアップ面は、自ずと耳介の後ろで側頭骨から突出している乳様突起の下の部分に当接する。この部分は、声帯で音声が発せられたときに体内組織を伝導してくる振動を、骨に遮られることなく受振することができる部分の一つである。
本発明者が検討した結果、声帯で音声が発せられたときに体内組織を伝導してくる振動は、頬骨より下方の体表面で受振することが可能であった。しかしながら、頬のような柔らかい筋肉部分では、マイクロフォンを安定して支持させることができない。そこで、マイクロフォンの振動ピックアップ面を体表面に当接させた状態を安定させることができ、且つ、従来の咽頭マイクロフォンで採用されていたようなネックバンドを必要としない位置をさがして種々の検討をした結果、振動ピックアップ面を当接させる位置としては、耳介の後ろで側頭骨から突出している乳様突起の下の筋肉部分が最も適していることが分かった。
ここで、騒音の大きな環境下での受話と送話では、ノイズの問題は送話において、より深刻である。送話の際のノイズの原因としては、周囲の音情報を拾ってしまうこと、及びマイクロフォンと体表面との摩擦による振動の発生を挙げることができる。そのため、送話に関しては、振動ピックアップ面を常に体表面にぴったりと、ずれることなく当接させておくことの重要性が高い。振動ピックアップ面が体表面にぴったりと当接していれば、周囲の音が空気を媒体として伝導する振動をピックアップしてしまうことを抑制することができ、振動ピックアップ面が体表面にずれることなく当接していれば、摩擦による振動の発生を抑制することができるからである。
そこで、本発明では、マイクロフォンを支持する第二耳掛け部を、バンド本体の端部側の軸方向に対して回動可能な構成としている。すなわち、第二耳掛け部の直棒部に対して交差する方向に円筒部を設け、この円筒部にバンド本体の端部を回動可能に嵌入しているため、バンド本体に対して円筒部が相対的に回動する。回動の中心軸は、円筒部の軸方向であり、円筒部に挿入されているバンド本体の端部側における軸方向である。つまり、バンド本体に対して円筒部が相対的に回動するのに伴い、第二耳掛け部がバンド本体に対して相対的に回動する。
これにより、使用者の頭部の動きに追随して、第二耳掛け部が回動するため、マイクロフォンの振動ピックアップ面を、常に体表面にぴったりと、ずれることなく当接させた状態に維持しやすく、周囲の音情報や摩擦に起因するノイズを低減することができる。
加えて、仮に、弾性体で形成されたバンド本体の両端に、それぞれスピーカ及びマイクロフォンが直接取り付けられていたとすると、使用者の頭部の大きさやバンド本体の弾性の大きさによっては、バンド本体によって頭部が両側から挟み込まれる力が大き過ぎ、圧迫感を覚えることがある。これに対し、本構成では、第一耳掛け部及び第二耳掛け部のうち少なくとも第二耳掛け部をバンド本体と別体としており、しかも第二耳掛け部をバンド本体に対して回動可能としている。これは、第二耳掛け部に対して、バンド本体を介して第一耳掛け部が回動可能ということでもある。従って、使用者の頭部の大きさ等に個人差があっても、圧迫感を抑制して、マイクロフォンの振動ピックアップ面及びスピーカの振動伝導面の双方を、使用者の体表面に当接させることができる。
そして、本構成では、咽頭マイクロフォンのネックバンドのように皮膚に直接的に巻き付けられる部分を有していないため、汗が溜まって不快に感じるおそれがない。また、ヘッドセット型の送受話装置であるため、外観もスマートで目立ちにくく、場面を問わずに使用することができる。
本発明にかかる送受話装置は、上記構成に加え、
「前記振動入力デバイスは、前記振動ピックアップ面との当接面を除く全体が、前記振動ピックアップ面より硬度の低い軟質材に埋設されている」ものとすることができる。
上述したように、騒音の大きな環境下での受話と送話では、ノイズの問題は送話において、より深刻である。そこで、本構成では、マイクロフォンの振動入力デバイスを、振動ピックアップ面との当接面を除き、振動ピックアップ面より硬度の低い軟質材に埋設する構成を採用した。詳細は後述するように、軟質材によって、振動を減衰させる作用を得ることができる。従って、振動入力デバイスにおいて、振動ピックアップ面との当接面を除く全表面が軟質材によって被覆されている本構成では、声帯で音声が発せられたときに体内組織を伝導してくる振動を、振動ピックアップ面を介して受振するに当たり、その他の方向から伝導してくる周囲の音による振動、すなわち、受振の目的以外の振動を減衰させ、ノイズを低減することができる。
以上のように、本発明の効果として、騒音の大きな環境下で、使用者が圧迫感や不快感を覚えることなく、且つ、ノイズを低減して送受話を行うことができると共に、使用場面を問わない送受話装置を、提供することができる。
本発明の一実施形態である送受話装置の斜視図である。 (a),(b)図1の送受話装置における第二耳掛け部の回動を説明する図である。 図1の送受話装置を装着した状態を、(a)スピーカ側から見た図、及び、(b)マイクロフォン側から見た図である。 図1の送受話装置の分解斜視図である。 図1の送受話装置における(a)第一振動出力デバイス部分におけるスピーカの断面図、(b)スピーカにおける第二振動出力デバイスの断面図、及び、(c)マイクロフォンの断面図である。
以下、本発明の一実施形態である送受話装置1について、図1乃至図5を用いて説明する。送受話装置1は、ヘッドバンド10と、入力された電気信号を機械的振動に変換して出力する振動出力デバイス50を備えるスピーカ20と、ピックアップした機械的振動を電気信号に変換して出力する振動入力デバイス71を備えるマイクロフォン70とを、主な構成としている。
ヘッドバンド10は、後頭部を周回させる略円弧状に弾性体で形成されたバンド本体15と、バンド本体15の一端側に設けられた第一耳掛け部11と、バンド本体15の他端側に設けられた第二耳掛け部12とを備えている。バンド本体15は、少なくとも第二耳掛け部12側の端部側では、断面の外形が円形である。バンド本体15を構成する弾性体としては、金属、樹脂、樹脂で被覆された金属を例示することができる。また、バンド本体15は、複数の部材から構成させ、隣接する部材を相対的にスライドさせることにより、全体の長さを調整できるものとすることができる。
第一耳掛け部11は、本実施形態ではバンド本体15と一体であり、耳介に後方から引掛けられる。具体的には、バンド本体15の一端側を上方に向かって湾曲させることにより、第一耳掛け部11が形成されている。
そして、第一耳掛け部11の先端には、振動伝導面41を内側に向けた状態で、スピーカ20が取り付けられている。これにより、第一耳掛け部11を耳介に後方から引掛けてヘッドバンド10を頭部に装着すると、図3(a)に示すように、スピーカ20は耳介の直前の頬骨上に位置し、その部分の体表面に振動伝導面41が当接する。
一方、第二耳掛け部12はバンド本体15と別体である点で第一耳掛け部11と相違するが、耳介に後方から引掛けられる点では第一耳掛け部11と共通している。第二耳掛け部12は、円弧状の湾曲部12aと、湾曲部12aの一端から直線状に延設されて湾曲部12aと共に逆J字形を形成している直棒部12bと、直棒部12bの中途位置で、直棒部12bに対して直交する方向に延設された円筒部12cとを備えている。湾曲部12aが、耳介に沿わせる部分、すなわち、耳介に引き掛ける部分である。
円筒部12cの内径は、バンド本体15における第二耳掛け部12側の断面の外径より僅かに大きい。これにより、バンド本体15の端部を円筒部12cに挿入することにより、バンド本体15と第二耳掛け部12とを連結することができる。そして、その状態では、図2(a),(b)に示すように、第二耳掛け部12がバンド本体15に対して円筒部12cの軸(図示、X方向)周りに相対的に回動する。
そして、第二耳掛け部12の直棒部12bの下端に、振動ピックアップ面81を内側に向けた状態で、マイクロフォン70が取り付けられている。これにより、第二耳掛け部12を耳介に後方から引掛けてヘッドバンド10を頭部に装着すると、図3(b)に示すように、直棒部12bは耳介の後ろで上下に延び、マイクロフォン70の振動ピックアップ面81は、耳介の後ろで側頭骨から突出している乳様突起の下の部分に当接する。
次に、本実施形態のスピーカ20及びマイクロフォン70の具体的な構成を説明する。スピーカ20は、振動出力デバイス50と、ケースと、振動伝導板40を主な構成とする。ケースは、それぞれ有底筒状の第一ケース半体31及び第二ケース半体32からなるものであり、両者の開口を合わせて形成される内部空間に、振動出力デバイス50が収容される。なお、第一ケース半体31及び第二ケース半体32それぞれの開口は、パッキング35を介して嵌め合わされる。また、第一ケース半体31の内部側では底部から複数の円筒状部31bが立設しており、第二ケース半体32の底部には複数の孔部32hが貫設されている。従って、第二ケース半体32の外部から孔部32hを介して円筒状部31bにビス等の留め具(図示しない)を挿入することにより、第一ケース半体31及び第二ケース半体32がそれぞれの開口を重ね合わせてケースを形成している状態が保持される。
第一ケース半体31の底部の外表面には球状のボール部91bが設けられており、第一耳掛け部11の先端に設けられた円環状のソケット91sと共に、ボールジョイント91を形成している。
第二ケース半体32の底部の外表面には、浅い凹部32rが形成されており、第一ケース半体31及び第二ケース半体32をビス等で接合した後、この凹部32rに振動伝導板40が嵌め込まれ固定される。また、第一ケース半体31及び第二ケース半体32を嵌め合わせて形成されるケースの側周面には、振動出力デバイス50に電気信号を入力するための入力コードを、ケースの外部から内部に引き入れるためのコード導入部39が接続されている。
本実施形態では、振動出力デバイス50として、対象とする周波数帯と出力が相違する二つを備えている。一つは、周波数帯が10Hz〜4000Hzで出力が25dB〜30dBである第一振動出力デバイス51であり、もう一つは周波数帯が50Hz〜1600Hzで出力が10dB〜20dBである第二振動出力デバイス52である。このように周波数帯の異なるデバイスを複数備えることにより、一つのスピーカ20で広い周波数帯の振動、ひいては広い周波数帯の音声信号を使用者に聴取させることができる。ここで、第一振動出力デバイス51と第二振動出力デバイス52とで出力の大きさが異なるのは、高周波数の音声は出力が小さくても聴取できるのに対し、低周波数の音声は出力が大きくないと聴取しにくいためである。
第一振動出力デバイス51及び第二振動出力デバイス52は、何れもマグネットコイル式振動デバイスであり、図5(a),(b)に示すように、マグネット61と、マグネット61が固定された振動板62と、コイル63と、ヨーク64と、これらを保持する保持ケース65とを備えている。なお、図5(a)は、それぞれ第一振動出力デバイス51の中心を通り互いに直交する二平面で切断した二つの断面を組み合わせた、組み合わせ断面図である。
図5(a)に示すように、第一振動出力デバイス51の振動板62は連結ピン45によって第一ケース半体31と連結されており、振動板62の振動が伝導されて振動伝導板40が振動する。この振動伝導板40の外表面が振動伝導面41であり、使用者の体表面に当接させる面である。なお、第二振動出力デバイス52に関する図5(b)ではケースの図示を省略しているが、振動板62から振動伝導面41への振動の伝導は、上記と同様である。なお、本書面では、第一振動出力デバイス51及び第二振動出力デバイス52を特に区別する必要がない場合に、振動出力デバイス50と総称している。
マイクロフォン70は、振動入力デバイス71と、ケースと、軟質材75の成形体を主な構成とする。ケースは、有底筒状のケース本体80と、ケース本体80の開口を被覆する蓋体85とからなり、蓋体85でケース本体80の開口を閉塞することにより形成される内部空間に、振動入力デバイス71が収容されている。通常の音圧マイクとは異なり、このケース(ケース本体80及び蓋体85)には集音用の貫通孔は設けられていない。空気を媒体とする振動をピックアップの対象としていないためである。
ケース本体80の内部側では、底面80sから円環状の周壁が立設されており、ケース本体80の底面80sと周壁とで有底筒状のデバイス収容部80cを形成している。このデバイス収容部80cに振動入力デバイス71が収容されているが、振動入力デバイス71は一つの面のみをケース本体80の底面80sに当接させた状態で、残る全表面、すなわち底面80sに当接している面の反対側の面及び側周面は、軟質材75で完全に被覆されている。具体的には、軟質材75は、振動入力デバイス71が嵌入される凹部75rを有する有底筒状に成形されており、凹部75rの深さは振動入力デバイス71の高さと同一である。そして、この凹部75rに振動入力デバイス71が埋設された状態で、凹部75rの開口縁をケース本体80の底面80sに当接させるように、軟質材75の成形体がデバイス収容部80cに収容されている。これにより、振動入力デバイス71の露呈している一面のみが、ケース本体80の底面80sに当接する。このケース本体80の底面80sが、振動ピックアップ面81である。本実施形態では、振動入力デバイス71として、圧電型の加速度センサを使用している。
ケース本体80の側周面には、振動入力デバイス71で変換された電気信号を出力するための出力コードを、ケースの内部から外部に引き出すためのコード導出部89が形成されている。
蓋体85の外表面には球状のボール部92bが設けられており、第二耳掛け部12の直棒部12bの下端に設けられた円環状のソケット92sと共に、ボールジョイント92を形成している。
上記構成のスピーカ20及びマイクロフォン70を備える送受話装置1と、同一構成の他の送受話装置1との間では、次のように送受話が行われる。他の送受話装置1において音声信号から変換された電気信号を受信しスピーカ20に入力されると、入力された電気信号に基づいて振動出力デバイス50のコイル63に交流電流が流れる。これにより、電磁石となったコイル63に流れる電流の大きさと方向の変化に伴って、コイル63とマグネット61との間に引力と反発力が交互に生じ、マグネット61が固定されている振動板62が振動する。振動板62の振動は、連結ピン45を介して第一ケース半体31に伝導し、第一ケース半体31に固定された振動伝導板40が振動する。振動伝導板40の振動伝導面41は使用者の頬骨上の体表面に当接しているため、頬骨を介して頭蓋骨を振動が伝導して蝸牛に到達する。これにより、上述のように使用者は通話相手の音声を脳で認識する。
一方、使用者が音声を発したとき、音声は空気を媒体とする振動として伝導すると共に、声帯の振動が体内組織内を伝導する。マイクロフォン70は、使用者の体表面に当接させている振動ピックアップ面81から、体内組織内を伝導してきた振動をピックアップする。ピックアップされた機械的振動は、振動入力デバイス71によって電気信号に変換され、出力される。振動ピックアップ面81は、耳介の後ろで側頭骨から突出している乳様突起の下の部分に当接させており、この部分は声帯で音声が発せられたときに体内組織を伝導してくる振動を、骨に遮られることなく受振することができる部分であるため、体内組織を介して安定的に声帯の振動を受振することができる。
加えて、振動入力デバイス71は、ケース本体80の底面80s(振動ピックアップ面81)に当接している面を除き、軟質材75に埋設されているため、体内組織を伝導してくる振動以外の振動を、軟質材75によって減衰させることができる。これにより、振動入力デバイス71は、周囲の騒音など空気を媒体として伝導してくる振動に起因するノイズが大幅に低減された電気信号を、出力することができる。
ここで、軟質材75としては、振動ピックアップ面81の硬度、すなわち、ケース本体80の底面80sを構成している材料の硬度より、硬度の低い材料を使用する。本実施形態では、ケースの材料はABS樹脂としており、検討の結果、次の材料M1〜M6が軟質材として適していた。なお、以下に示す硬度は、日本ゴム協会標準規格SRIS0101に準拠したアスカーC型硬度計により測定したものである。
M1:軟質ゲル状ポリウレタン(厚さ2mm、硬度C54±5)
M2:シリコーンフォーム(厚さ1.6mm、硬度C65)
M3:ポリエチレンフォーム(厚さ1.6mm、硬度C28)
M4:ブタジエンゴムフォーム、片面にスキン層(厚さ1.6mm、硬度C42)
M5:クロロプレンゴムフォーム(厚さ1.6mm、硬度C9)
M6:エチレンプロピレンゴム(厚さ5mm、硬度C42)
上記の軟質材に関する検討は、次のように行った。ファンクションジェネレータで周波数帯10Hz〜20kHzのスイープ信号を発生させ、その振動を、本実施形態のマイクロフォン70の振動入力デバイス71と同一の振動入力デバイス71で受振させた。スイープ信号を直接的に振動入力デバイス71で受振させた場合と、間に軟質材を挟んで振動入力デバイス71で受振させた場合とで、振動入力デバイス71から出力される電気信号を対比した。その結果、軟質材を介することなく直接的にスイープ信号を受振させた場合に振動入力デバイス71から出力された電気信号は、上記の軟質材M1〜M6を介して受振させた場合では、上記の周波数帯の全範囲に亘り殆ど検出されなかった。このことから、上記の軟質材M1〜M6によって、空気を媒体として伝導する上記の周波数帯の振動を、効果的に減衰させられることが分かった。
ここで、本実施形態で採用しているように、軟質材75を予め振動入力デバイス71を嵌入できる凹部75rを備える成形体としておけば、振動入力デバイス71において一面のみを残して他の全表面を軟質材75で被覆する工程が容易であり、マイクロフォン70の量産に適している。この場合、軟質材75の成形性を考慮すると、M1の軟質ゲル状ポリウレタンが好適である。この軟質ゲル状ポリウレタンは、液状のポリウレタン樹脂を型に射出して成形することができる。成形圧力が小さくても成形できるため、成形型として樹脂型を使用することができ、振動入力デバイス71の形状に対応させた成形が容易である。
上記のようにマイクロフォン70から出力された電気信号は、他の送受話装置1に送信され、スピーカ20に入力されることにより、上述の過程を経て通話相手によって音声として認識される。なお、複数の送受話装置1間での電気信号の送受信は、携帯型のトランシーバを介して行うことができる。或いは、Bluetooth(登録商標)などの無線通信規格を使用して、送受信を行うことができる。この場合、電気信号の受信回路、送信回路、及びアンテナが内蔵された携帯型のコントローラを、各送受話装置1が備える構成とすることができる。
以上のように、本実施形態の送受話装置1によれば、空気を媒体として伝導する振動によらず、頭蓋骨を伝導する振動で受話を行い、体内組織を伝導する振動で送話を行うため、騒音の大きな環境下でも送受話を行うことができる。
騒音の大きな環境下での使用において、ノイズの問題が特に大きい送話については、マイクロフォン70を支持する第二耳掛け部12を、バンド本体15の端部側の軸を中心として回動する構成としていることにより、使用者の頭部の動きに追随してマイクロフォン70が第二耳掛け部12を介して回動する。これにより、マイクロフォン70の振動ピックアップ面81を常に使用者の体表面にぴったりと当接させておくことができるため、周囲の音に起因するノイズを効果に低減することができると共に、振動ピックアップ面81が体表面に対してずれないように保持することができるため、摩擦に起因するノイズを効果に低減することができる。
また、バンド本体15に対して第二耳掛け部12が回動するということは、バンド本体15を介してスピーカ20が第二耳掛け部12に対して回動するということでもあるため、スピーカ20の振動伝導面41についても、使用者の体表面にぴったりと、ずれることなく当接させておくことができる。
加えて、スピーカ20はバンド本体15に対してボールジョイント91で接続されていると共に、マイクロフォン70は第二耳掛け部12に対してボールジョイント92で接続されている。これにより、頭部の微小な動きに対しても、スピーカ20及びマイクロフォン70が追随し、振動伝導面41及び振動ピックアップ面81それぞれの体表面との良好な当接を維持することができる。すなわち、左右に傾動するような頭部の大きな動きに対しては、バンド本体15に対して第二耳掛け部12が回動する作用による効果が主に発揮され、頭部の微小な動きに対しては、ボールジョイント91,92の作用が主に発揮される。
更に、本実施形態のマイクロフォン70では、振動入力デバイス71において、振動ピックアップ面81との当接面を除く全体が軟質材75に埋設されているため、振動ピックアップ面81以外の方向から伝導する振動を減衰させることができ、ノイズを効果的に低減することができる。
また、ヘッドバンド10において、第一耳掛け部11及び第二耳掛け部12のうち、第二耳掛け部12をバンド本体15と別体としており、第二耳掛け部12をバンド本体15に対して回動する構成としているため、使用者の頭部の大きさ等に個人差があっても、圧迫感を覚えることなく使用することができる。また、送受話装置1は、ネックバンドのように、皮膚に直接的に巻き付けられる部分を有していないため、汗が溜まることに起因する不快感を覚えるおそれがない。
そして、本実施形態の送受話装置1は、ヘッドセットタイプであるため、場面を問わず使用することができる。
以上、好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、第一耳掛け部11及び第二耳掛け部12のうち、第二耳掛け部12のみがバンド本体15と別体である場合を例示したが、第一耳掛け部についてもバンド本体と別体とすることができる。
また、ヘッドバンド10は、バンド本体15の両端部近くを連結している連結バンドを備える構成とすることができ、この連結バンドは、ゴム紐等の弾性を有する紐状部材で形成することができる。このような連結バンドが、使用者の頭頂部付近を通るように、ヘッドバンド10を頭部に装着することにより、送受話装置1の保持状態をより安定させることができる。
1 送受話装置
10 ヘッドバンド
11 第一耳掛け部
12 第二耳掛け部
12a 湾曲部
12b 直棒部
12c 円筒部
15 バンド本体
20 スピーカ
41 振動伝導面
50 振動出力デバイス
70 マイクロフォン
71 振動入力デバイス
75 軟質材
81 振動ピックアップ面

Claims (2)

  1. 後頭部を周回させる略円弧状に弾性体で形成されたバンド本体、該バンド本体の一端側に該バンド本体と一体または別体に設けられた、耳介に後方から引掛けられる第一耳掛け部、及び、該バンド本体の他端側に該バンド本体と別体に設けられた、耳介に後方から引掛けられる第二耳掛け部を備えるヘッドバンドと、
    入力された電気信号を機械的振動に変換して出力する振動出力デバイスを備え、振動伝導面を内側に向けた状態で、前記第一耳掛け部の先端に取り付けられているスピーカと、
    ピックアップした機械的振動を電気信号に変換して出力する振動入力デバイスを備え、振動ピックアップ面を内側に向けた状態で、前記第二耳掛け部に支持されているマイクロフォンとを具備しており、
    前記第二耳掛け部は、耳介に沿わせる湾曲部、該湾曲部の一端から直線状に延設された直棒部、及び、該直棒部から交差する方向に突設された円筒部を備えており、
    前記バンド本体の前記他端側の端部が、前記円筒部に回動可能に嵌入されていると共に、
    前記マイクロフォンは前記直棒部の下端に取り付けられている
    ことを特徴とする送受話装置。
  2. 前記振動入力デバイスは、前記振動ピックアップ面との当接面を除く全体が、前記振動ピックアップ面より硬度の低い軟質材に埋設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の送受話装置。
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