JP5256852B2 - ヘッドホン - Google Patents
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Description
このヘッドホンとしては、軽量であって可搬性に優れることから、使用者の耳介の内側に装着するタイプ(通常、インナーイヤータイプと称される)が広く普及している。
また、このようなヘッドホンは、本体部から突出する筒状放音部とこの筒状放音部に取り付けたイヤーピースとを備え、そのイヤーピースを外耳道内に挿入して使用するタイプと、外耳道内に挿入する部分を持たず、音声が本体部から直接放音され、本体部のみを耳介に装着して使用するタイプと、に大分類される。
特に、前者はカナル型などと称されて後者と区別される。
また、保持されるべき耳介の形や大きさは個人差が大きく、ヘッドホンの装着感や外れ易さに差が出やすい。
また、イヤーパッドは、耳介に直接触れる部材でもあるので、きれいで清潔な状態に維持できるヘッドホンであることが望まれる。
1)スピーカユニットと、前記スピーカユニットを内部に収納すると共に前記スピーカユニットから出力された音声を外部に放出する放音面を有してなる筐体と、前記筐体の外面に着脱自在とされた環状部材と、を有するスピーカ部を備え、前記筐体は、前記外面に形成された周溝を有する第1の周状係合部を備え、前記環状部材は、内部に空間を有し径の外方向に向けて突出する突出部と、前記放音面側である一端面側の開口部に設けられ、前記第1の周状係合部と係合する周突条を有する第2の周状係合部と、を備え、前記第2の周状係合部の前記周突条が前記第1の周状係合部の前記周溝の周壁部に当接する範囲の径方向長さについては、前記放音面から近い側における前記径方向長さよりも前記放音面から遠い側における前記径方向長さの方が長いことを特徴とするヘッドホンである。
図1(a)に示すように、この実施例のヘッドホン50は、左耳用のスピーカ部1Lと、右耳用のスピーカ部1Rと、左右のスピーカ部1L,2Rのそれぞれから延出するコード2L,2Rと、各コード2L,2Rを連結する連結部3と、外部の再生機器に接続するためのプラグ5と、連結部3とプラグ部5とをつなぐメインコード4と、を有している。
そして、プラグ5が再生装置などに接続された際に、その装置からの音声信号は、プラグ5,メインコード4,及び連結部3を介し、Lチャネルの音声信号はコード2Lを介してスピーカ部1Lに供給され、Rチャネルの音声信号はコード2Rを介してスピーカ部1Rに供給され、各スピーカ部1L,2Rから音声として放出される。
図1(b)に示すように、スピーカ部1と、スピーカ部1から延出するコード2と、外部の音声再生装置に接続するためのプラグ5と、を有するいわゆるモノラルタイプのヘッドホン50Mであってもよい。
また、ヘッドホン50,50Mに対して、プラグ5などを備えず、無線通信手段を備えて音声信号が外部から無線で供給され得るワイヤレスタイプのヘッドホン(図示せず)であってもよい。
図2(a)は、スピーカ部1Lの正面図である。この正面図において、スピーカ部1Lは、左耳に装着した状態として、左方が前頭側、右方が後頭側、上方が頭頂側として示される。
図2(b)は、スピーカ部1Lの左側面図である。
図2(c)は、スピーカ部1Lの右側面図である。
図2(d)は、スピーカ部1Lの天面図である。
図2(e)は、スピーカ部1Lの背面図である。
図4は、詳細を後述するハウジング6の外観斜視図である。
図5は、詳細を後述するブッシング8の外観斜視図である。
図6は、詳細を後述するユニットカバー9の外観斜視図である。
図7は、詳細を後述するイヤーパッド10の外観斜視図である。
図8は、詳細を後述するイヤーパッド10の断面(スライス)図である。
スピーカ部1Rの構造は、このスピーカ部1Lの構造に対して左右対称としたものであるので、ここでは代表としてスピーカ部1Lについて詳述する。
ハウジング6は、図3及び図4に示され、また上述したように、概ね円錐台状で中空の基部6k及びその大径側に設けられた環状部6kjを有して形成されている。
すなわち、開口部6aの中心軸CL1と開口部6bの中心軸CL2とが一致せず、かつ平行でもない形状とされている。
この貫通孔6cは、小径側の開口部6bの近傍に設けられている。
また、この実施例において、貫通孔6cは直径0.4mmとされ、3つ設けられている。
また、3つの貫通孔6は、正面図である図2(a)において、中心CL2に対する円周上に配置されており、互いに略等間隔とされている。
この凹部6d1は、図2(d)に示すように、大径側の中心CL1に直交する平面PL1に対して、所定の角度θ2で傾斜する平面PL2に沿って設けられている。この実施例において、この角度θ2は13°とされている。
この突出部6kj1は、ユニットカバー9との嵌合に供される。
筐体7aの一端側にはフランジ7cが設けられている。
また、スピーカユニット7の他端側の面は、放音面7bとされ、振動板からの音声がこの放音面7bから外部に放出される。
また、嵌合鍔部8aにおいて、ハウジング6の貫通孔6cに対応して開口部8a1が形成されており、この開口部8a1と貫通孔6cとを介して、スピーカ部1Lの内部の空間であるバックキャビティBCと外部の空間とが連結されている。
具体的には、コード延出部8bは、図2(b)において、中心軸CL2と角度θ4をなす中心軸CL3に沿って延出する。例えばθ4は約80°〜約100°に設定される。
このユニットカバー9は、スピーカユニット7の保護などのために設けられている。
ユニットカバー9は、図2,図3,及び図6に示されるように、スピーカユニット7の放音面7bから放出された音を通過させる複数の放音孔9a(図3には図示せず)が形成された円盤状の基部9kと、その基部9kの縁部から円環状に立ち上げられた周壁部9bとを有している。
基部9kの外側となる面は放音面9k1である。この放音面9k1は、概ね平面に形成されている。
これらの凹部9b1及び深凹部9b1aは、イヤーパッド10との嵌合に供される(詳細は後述する)。
この実施例では、約180°離隔して1対設けられている。
この開口部9b3には、ハウジング6の環状部6kjに設けられた突出部6kj1が嵌合する。
スピーカユニット7は、この段部9b2とハウジング6の大径側の開口部6aの先端面6kj2との間にそのフランジ7cが挟み込まれることでスピーカ部1Lに、固定されている。
外観形状は、概ね上面と底面とが非平行な卵円錐台形状を呈し、その上面及び底面それぞれに開口部を有して中空に形成されている。
イヤーパッド10は、この底面10btm側から見た形が略鶏卵形状とされている。詳しく換言するならば、放音面9k1に概ね平行な平面への投影形状が略鶏卵形状とされている。
そして、底面10btmと天面10tpとは、中心軸CL1と中心軸CL5とが同じ軸にならないよう(すなわち非同軸に)形成されている。
また、このイヤーパッド10は、互いに直交する軸Cl及びC2を図2(e)のように設定した際に、軸C2に対する一方側〔図2(e)における右方側〕に開口部10aと同軸の円弧状に形成された円弧状部10bと、他方側〔図2(e)における左方側〕に軸C1に沿う方向に突出して形成された突出部10cを有している。ここで軸C1は、開口部10aの中心CL1と突出部10cの頂点10pとを繋ぐ線であり、突出部10cを概ね2分する中心線である。
換言するならば、ブッシング8は、コード2Lを所定方向へ引き出すためにその所定方向に延在するコード延出部8bを有し、軸C1と軸C2との交点(中心軸CL1と一致)と突出部10cの先端とを繋ぐ線分C1Bを基準(0°)にしたときに、中心線CL3のうちのコード延出部8bを貫く部分の線分CL3Bが、線分C1Bに対して概ね直交すると共に突出部10cから離れる方向に90°を越えた角度をなすように形成されている。
さらに、この周壁部10dには、内方に環状に突出する周突条である環状凸部10d1が形成されている。
この環状凸部10d1は、円弧状部10b側にも延在して開口部10aのほぼ全周にわたり形成されている。
この高凸部10d2の周方向位置は、イヤーパッド10が係合するユニットカバー9における深凹部9b1aの周方向位置と対応しており、両者が嵌合する際の周方向の位置決め構造として機能する。
そして、天面10tpには、ほぼ円形の開口部10eが形成されている。
この開口部10eの縁部周辺は、図3に示すように、平面PL2上に延在する鍔部10e1とされている。
そして、この鍔部10e1は、ハウジング6に形成された凹部6d1と嵌合するように形成されている。
この外形サイズは、例えば、図2(c)に示すφnが17mmとされ、肉厚が約1mmとされる。
円弧状部10bにおいては、その径方向厚さが肉厚の2倍程度なのでほとんど空間なく形成される。
一方、突出部10cにおいては、その径方向厚さが肉厚に比べて充分に厚いので、内側に空間Sが形成される。
一方、突出部10cは、開口部10aから距離L1だけ突出して形成されている。
この距離L1は、肉厚Aよりも充分に厚く(大きく)く、突出部10cの内部には空間Sが形成される。
また、肉厚Cは肉厚Bよりもさらに薄く設定されている。
すなわち、突出部10cは柔軟性を有し、その柔軟性も、単なる材料の柔軟さだけではなく、内部に空間Sを擁しての柔軟性であるので、任意の形状に変形することができるという効果を発揮する。
図9は分解斜視図である。また、この組み立ての説明においてコード2Lの説明は省略してある。
具体的には、ブッシング8の嵌合鍔部8aを変形させながら、ハウジング6の開口部6bに押し込み挿入して嵌合させる。
この固定においては、スピーカユニット7のフランジ7cがユニットカバー9の段部9b2に当接して、中心軸CL1方向の位置決めがされる。
その際に、ハウジング6の環状部6kjの先端面6kj2がスピーカユニット7に当接し、スピーカユニット7は、先端面6kj2とユニットカバー9の段部9b2とにより強固に挟まれて支持される。
その際、上述したように、高凸部10d2を深凹部9b1aに係合させることで両者の周方向の位置決めがなされる。
突出部10cが耳珠E2に対向する耳介Eの内壁E3に当接するように装着される。
具体的には、円弧状部10b及びコード延出部8bで概ねの位置決めがされ、突出部10cが内壁E3に弾力をもって当接することで、耳介Eからの外れ難さが発揮される。
また、コード円出部8bもエラストマー材で形成されているので、耳への当たり具合は良好である。
従って、内壁E3に対し、その内壁E3の形状に沿って容易に変形し、内壁E3の当接範囲に対して適度な、かつ均一な反発力で押圧する。
これに対応して、実施例のスピーカ部1Lにおけるスピーカユニット7の駆動軸SPZも、中心軸CL1よりも円弧状部10b側に偏った位置に設定してある。
耳珠E2の形状や大きさには個体差があるので、この耳珠E2により貫通孔6cが塞がれることがないよう、貫通孔6cは、上述したように、小径側の開口部6bの近傍、すなわち、外形側から充分に遠くブッシング6側に偏った位置に設けられている。
さらに、図11に示されるように、この実施例においては、貫通孔6cは、耳珠E2から径方向に離れた位置に設けられると共に、周方向においても、反時計回り方向に離隔した位置に設けられている。
図12は、左耳に装着した際に、スピーカ部1Lの前後方向の外形が概ね最大となる位置で切断し、頭部の上方側から見た断面図である。
一方、突出部10c側は、内壁E3に当接し、その内壁E3の形状に沿って内方側に変形する。この変形により弾性反発力fが発生し、内壁E3を押圧する。
この弾性反発力fの反力frにより、円弧状部10bが耳珠E2の内側壁を押圧するので、このスピーカ部1Lは、より一層良好に耳介E内に支持される。
これに対して、内壁E3は、頭部側から立ち上がる(図12の上方向に)壁である。この点に着目して、実施例のスピーカ部1Lは、イヤーパッド10における円弧状部10b側の厚さTbと、突出部10c側の厚さTcとを異なる厚さとしている。
具体的には、Tb<Tc としてある。
図13は、図12と同じ向きでの外観図(天面図に相当)であり、図14は、図13の右上方から見た斜視図である。
両端部10bt,10ct間は、この天面図において略直線で示される境界線6Lで連結されている。この境界線6Lは凹部6d1の形状に対応する。
すなわち、突出部10c側は、頭部に対して立ち上がる内壁E3に対して良好な弾性反発力を得るために、イヤーパッド10cの厚さ(高さ)を大きくとっているので、厚さ方向端部10ctの位置がブッシング9に接近し、ハウジング6に貫通孔6cを設ける範囲が狭くなっている。
その位置は、具体的には、外周面6dにおけるブッシング9の近傍であり、突出部10cの突出方向である軸C1を含むと共に、放音面9k1を含む平面PL1に対して直交する面PL3、に対して図14の矢印D13方向側に偏った位置である。
次に、ヘッドホン50の変形例であるヘッドホン51について図15乃至図17を用いて説明する。
このヘッドホン51は、上述したハウジング構造体KT(筐体KT)に対してイヤーパッド10との係合部分の形状が異なるハウジング構造体KT1(筐体KT1)有するものである。このハウジング構造体KT1は、内部にスピーカユニット7を内部に収めた筐体である。
このヘッドホン51は、ハウジング構造体KT1以外は共通であるので、以下、ハウジング構造体KTとハウジング構造体KT1との違いと主に説明する。
もちろん、放音面9k1(19k1)側の径方向の当接長さを長くしても良く、この場合、図3における矢印D4方向に付与される外力に対してもより外れ難くすることができる。
以下、この当接長さについても便宜的に係合深さとも称する。
図17は、ハウジング構造体KT1を備えたスピーカ部11Lについて示している。
具体例として、K=0.4mm,Kadd=1.3mm である。
他の係合部(突出部以外の係合部)の係合深さKよりも、突出部10cの係合深さK1が大きくなるようにされていればよい。
具体的には、一点鎖線で示した最も突出量の大きい例α1、波線で示した最も突出量の小さい例α2、実線で示した中間の突出量となる例α3である。
この係合深さK1は、少なくとも凹凸係合におけるブッシング8側(放音面9k1の反対側)の当接範囲を広くすることで実行される。もちろん、放音面9k1側の当接範囲も広くすることは好ましい。
ユニットカバー9の放音面9k1は、完全にフラットな平坦面でなくてもよい。図3においては、わずかに外方に凸となる緩やかな曲面となっている。
このような場合は、上述した放音面9k1を含む面を平面PL1を、例えば放音面9k1の周縁を含む平面として、あるいは、最も突出した頂部を含み駆動軸SPZに直交する平面として定義することができる。
2L,2R コード
3 連結部
4 メインコード
5 プラグ
6 ハウジング
6a (大径側)開口部
6b (小径側)開口部
6c 貫通孔
6d 外周面
6d1 凹部
6k 基部
6kj 環状部
6kj1 突出部
7 スピーカユニット
7a 筐体
7b 放音面
7c フランジ
8 ブッシング
8a 嵌合鍔部
8b コード延出部
9,19 ユニットカバー
9a 放音孔
9b 周壁部
9b1 凹部
9b1a 深凹部
9b1s 側面
9b2 段部
9b3 開口部
9k 基部
9k1 放音面
10 イヤーパッド
10a 開口部
10b 円弧状部
10c 突出部
10c1 内壁部
10c2 外壁部
10d 周壁部
10d1 環状凸部
10d2 高凸部
10e 開口部
10e1 鍔部
10btm 底面
10p 頂点
10tp 天面
19n 肉盛り部
50 ヘッドホン
50M ヘッドホン(モノラルタイプ)
A,B,C (径方向の)厚さ
BC バックキャビティ
CL1,CL2,CL3,CL5 中心軸
E 耳介
E1 珠間切痕
E2 耳珠
E2s 空間
E3 内壁
E4 外耳道
f 弾性反発力
fr 反力
KT 構造体
K,K1 係合深さ
S 空間
SPZ (スピーカユニットの)駆動軸
Tb,Tc 厚さ
Claims (1)
- スピーカユニットと、前記スピーカユニットを内部に収納すると共に前記スピーカユニットから出力された音声を外部に放出する放音面を有してなる筐体と、前記筐体の外面に着脱自在とされた環状部材と、を有するスピーカ部を備え、
前記筐体は、前記外面に形成された周溝を有する第1の周状係合部を備え、
前記環状部材は、内部に空間を有し径の外方向に向けて突出する突出部と、前記放音面側である一端面側の開口部に設けられ、前記第1の周状係合部と係合する周突条を有する第2の周状係合部と、を備え、
前記第2の周状係合部の前記周突条が前記第1の周状係合部の前記周溝の周壁部に当接する範囲の径方向長さについては、前記放音面から近い側における前記径方向長さよりも前記放音面から遠い側における前記径方向長さの方が長いことを特徴とするヘッドホン。
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