JP7047773B2 - 収音装置 - Google Patents

収音装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7047773B2
JP7047773B2 JP2018558857A JP2018558857A JP7047773B2 JP 7047773 B2 JP7047773 B2 JP 7047773B2 JP 2018558857 A JP2018558857 A JP 2018558857A JP 2018558857 A JP2018558857 A JP 2018558857A JP 7047773 B2 JP7047773 B2 JP 7047773B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
sound collecting
collecting device
unit
ear canal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018558857A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018123252A1 (ja
Inventor
剛 五十嵐
亨 中川
真己 新免
哲 曲谷地
誉 今
越 沖本
宏平 浅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Sony Group Corp
Original Assignee
Sony Corp
Sony Group Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp, Sony Group Corp filed Critical Sony Corp
Publication of JPWO2018123252A1 publication Critical patent/JPWO2018123252A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7047773B2 publication Critical patent/JP7047773B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/08Mouthpieces; Microphones; Attachments therefor
    • H04R1/083Special constructions of mouthpieces
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/10Earpieces; Attachments therefor ; Earphones; Monophonic headphones
    • H04R1/105Earpiece supports, e.g. ear hooks
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/10Earpieces; Attachments therefor ; Earphones; Monophonic headphones
    • H04R1/1016Earpieces of the intra-aural type
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R25/00Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception
    • H04R25/02Deaf-aid sets, i.e. electro-acoustic or electro-mechanical hearing aids; Electric tinnitus maskers providing an auditory perception adapted to be supported entirely by ear
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R5/00Stereophonic arrangements
    • H04R5/027Spatial or constructional arrangements of microphones, e.g. in dummy heads
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/10Earpieces; Attachments therefor ; Earphones; Monophonic headphones
    • H04R1/1083Reduction of ambient noise
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2460/00Details of hearing devices, i.e. of ear- or headphones covered by H04R1/10 or H04R5/033 but not provided for in any of their subgroups, or of hearing aids covered by H04R25/00 but not provided for in any of its subgroups
    • H04R2460/01Hearing devices using active noise cancellation
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R2460/00Details of hearing devices, i.e. of ear- or headphones covered by H04R1/10 or H04R5/033 but not provided for in any of their subgroups, or of hearing aids covered by H04R25/00 but not provided for in any of its subgroups
    • H04R2460/09Non-occlusive ear tips, i.e. leaving the ear canal open, for both custom and non-custom tips

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Otolaryngology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Headphones And Earphones (AREA)
  • Stereophonic Arrangements (AREA)
  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)

Description

本明細書で開示する技術は、ユーザの耳に装着して用いられる収音装置に関する。
最近、ユーザの耳に装着して用いられる挿耳型の収音装置が普及してきている。挿耳型の収音装置は、例えばバイノーラル(binaural)録音を挙げることができる。バイノーラル録音は、ユーザ毎の頭部や身体、耳たぶの形状などの個人差を考慮して、個々のユーザの鼓膜に届く状態に近い音を記録することである(周知)。バイノーラル録音された音声をイヤホンやヘッドホンで聴取すると、あたかも録音時の現場に居合わせたかのような臨場感を再現することができる。また、バイノーラル録音した音声信号に基づいて、ユーザ毎の頭部や身体、耳たぶなど人体の各部位による回折や反射の影響に応じて生じる音の変化を表現した頭部伝達関数(Head-Related Transfer Function:HRTF)を求めることができる。例えば、通常の音源(ドライソース)から再生される音声信号に対してHRTFを畳み込むことで、バーチャルに音像定位して、臨場感を再現することができる。
また、挿耳型の収音装置の他の用途として、例えばイヤホンやヘッドホンなどの装着型の音響出力装置と併用して、ノイズ・キャンセリングを行なうことなども挙げられる。
挿耳型の装置を用いてバイノーラル録音を行なう技術については既に幾つかの提案がなされているが(例えば、特許文献1、2を参照のこと)、そのほとんどはマイクロフォンなどの収音部はユーザの外耳道の外側に配置され、また装置本体はユーザの耳穴をほぼ完全に塞ぐ密閉構造となっている。
特開2004-128854号公報 特表2008-512015号公報
本明細書で開示する技術の目的は、ユーザの耳に装着して用いられる優れた収音装置を提供することにある。
本明細書で開示する技術は、上記課題を参酌してなされたものであり、収音部と、音響透過部を有し、前記収音部をユーザの外耳道内で保持する保持部と、を具備する収音装置である。
前記保持部は、前記音響透過部としての開口部を有するリング体と、一端が前記リング体に連結されるとともに他端で前記収音部を支持する1以上のアームからなる。そして、前記リング体は、ユーザの耳甲介腔に挿入され、珠間切痕付近で係止される。
あるいは、前記保持部は、前記音響透過部としての通気部を有する、スポンジなどの弾性部材からなる。
あるいは、前記保持部は、前記音響透過部としての開口部を有する星状体と、一端が前記星状体に連結されるとともに他端で前記収音部を支持する1以上のアームからなる。
前記保持部がいずれの構成であれ、基本的には、マイク孔を外耳道の外側に向けて前記収音部を保持する。そして、前記保持部は、マイク孔が外耳道の入り口より奥側となるように前記収音部を保持する。
また、収音装置は、音響出力部をさらに備えていてもよい。
前記収音装置をユーザの耳に装着したときに、前記音響出力部の音響出力孔と前記収音部の収音孔との相対位置が一定に保たれるように構成される。また、前記収音装置をユーザの耳に装着したときに、前記音響出力部の音響出力孔が前記収音部の収音孔よりも耳穴の外側に配置されるように構成される。
本明細書で開示する技術によれば、ユーザの耳に装着して用いられる優れた収音装置を提供することができる。
なお、本明細書に記載された効果は、あくまでも例示であり、本発明の効果はこれに限定されるものではない。また、本発明が、上記の効果以外に、さらに付加的な効果を奏する場合もある。
本明細書で開示する技術のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
図1は、挿耳型の収音装置100の外観構成を示した図である。 図2は、挿耳型の収音装置100の外観構成を示した図である。 図3は、挿耳型の収音装置100の外観構成を示した図である。 図4は、挿耳型の収音装置100の外観構成を示した図である。 図5は、収音装置100を耳穴に装着した耳介(左耳)を示した図である。 図6は、左耳の耳穴に収音装置100を装着したユーザの頭部の断面図である。 図7は、挿耳型の収音装置700の外観構成を示した図である。 図8は、収音装置700を装着したユーザの頭部の断面図である。 図9は、挿耳型の収音装置900の外観構成を示した図である。 図10は、収音装置900をユーザの耳穴に装着した様子を示した図である。 図11は、音響出力機能付き収音装置100(右耳装着用)の正面図である。 図12は、音響出力機能付き収音装置100(右耳装着用)の斜視図である。 図13は、音響出力機能付き収音装置100をユーザの右耳に装着した様子を示した図である。 図14は、音導部1152の他端付近と結合したリング体1121の上面図と断面図の各々を示した図である。 図15は、リング体1121が左耳の珠間切痕で係止されたユーザの頭部の左耳付近の水平断面を示した図である。 図16は、音響出力部付きの収音装置1600の外観構成を示した図である。 図17は、音響出力部付きの収音装置1600の外観構成を示した図である。 図18は、音響出力部付きの収音装置1600の外観構成を示した図である。 図19は、音響出力部付きの収音装置1600の外観構成を示した図である。 図20は、音響出力部付きの収音装置1600の外観構成を示した図である。 図21は、音響出力部1650の断面を示した図である。 図22は、音響出力部1650の断面を示した図である。 図23は、音響出力機能付き収音装置1600をユーザの左耳に装着した様子を示した図である。 図24は、音響出力部付きの収音装置2400の外観構成を示した図である。 図25は、音響出力部付きの収音装置2400の外観構成を示した図である。 図26は、音響出力部付きの収音装置2400の外観構成を示した図である。 図27は、音響出力部付きの収音装置2400の外観構成を示した図である。 図28は、音響出力部付きの収音装置2400の外観構成を示した図である。 図29は、音響出力部付きの収音装置2400の外観構成を示した図である。 図30は、収音装置2400の収音部及びその取り付け部を省略して、音響出力部の(音響出力側の)正面図を示した図である。 図31は、音響出力機能付き収音装置2400をユーザの左耳に装着した様子を示した図である。 図32は、C字の形状をした保持部を有する収音装置の外観構成例を示した図である。 図33は、C字の形状をした保持部を有する収音装置の外観構成例を示した図である。 図34は、耳介の形状並びに各部の名称を示した図である。
以下、図面を参照しながら本明細書で開示する技術の実施形態について詳細に説明する。
図1~図4には、本明細書で開示する技術の一実施形態に係る挿耳型の収音装置100をさまざまな角度から眺めた様子を示している。
図1は、収音装置100を正面方向(若しくは、ユーザの耳穴に装着したときの姿勢をした収音装置100を耳の外側から見る方向)から眺めた正面図である。また、図2は、図1中の矢印Aの方向から収音装置100を眺めた側面図であり、図3は、図1中の矢印Bの方向から収音装置100を眺めた側面図である。
各図に示すように、収音装置100は、マイクロフォンなどからなる収音部110と、収音部110を外耳道内で保持する保持部で構成される。保持部は、中空の(言い換えれば、音響を透過する開口部を有する)リング体121と、収音部110を支持する複数のアーム(図示の例では、3本のアーム)122~124で構成される。各アーム122~124は、それぞれ一端でリング体121と連結するとともに他端で収音部110を支持している。収音部110として、例えば直径2.5ミリメートル程度の円筒形状を想定している。なお、リング体121とアーム122~124は、樹脂など同じ素材を一体成形した部品であっても、材質が異なる素材を2色成形した部品であってもよい。
ここで、保持部が収音部110を外耳道内で保持するとは、収音孔となるマイク孔111が外耳道の入り口よりも奥側(鼓膜側)となるように収音部110を保持することを意味する。外耳道はS字のカーブを描く筒状をなすが、保持部は、例えば外耳道の入り口から奥に15ミリメートル以内の奥の位置で収音部110を保持する。また、保持部は、筒状をなす外耳道内で発生する定在波の節を外すような位置で収音部110を保持することが好ましい。
リング体121は例えば13.5ミリメートル程度の寸法であり、ユーザの耳甲介腔に装着することができる。図1などに示す例では、リング体121は、直線部分と曲線部分の有無を問わず、切断部のない閉じたO字のようなリングの形状(以下、単に「O字の形状」とも言う)をしている。但し、リング体は、図32や図33に示すような、直線部分と曲線部分の有無を問わず、切断部がある開いたC字のような形状(以下、単に「C字の形状」とも言う)であって、耳甲介腔に係合される形状でもよい。また、耳甲介腔の大きさには個人差があるが、リング体121の外径(若しくは、幅)を16ミリメートルよりも大きくすると、リング体121を耳甲介腔に挿入できない人が多くなる。リング体121を耳甲介腔に装着した状態では、収音部110が外耳道の内壁と接触せず完全に空中に浮いた状態、若しくは、収音部110と外耳道の内壁との接触が最小限となるように、収音部110は各アーム122~124によって支持されていることが好ましい。また、収音部110は、収音方向(若しくは、マイク孔111)が、外耳道の奥側(すなわち、鼓膜側)や外耳道の内壁側ではなく、外耳道の入り口の方向(すなわち外界)を向くように、各アーム122~124で支持されている。したがって、収音部110は、外耳道内に伝わってきた周囲音を好適に収音することができる。図4は、中空のリング体121のほぼ中央に収音部110が見える姿勢で収音装置100を眺めた正面図である。
図5には、収音装置100を耳穴に装着した耳介(左耳)を示している。リング体121は、好ましくは、耳甲介腔に挿入され、耳甲介腔の底面に当接するとともにV字の珠間切痕に引っ掛かるようにして耳介に係止される。このようにして、収音装置100は耳介に好適に装着される。
リング体121は、中抜き構造であり、内側のほとんどすべてが開口部となる。したがって、リング体121が耳甲介腔内に挿入されている状態でも、ユーザの耳穴を塞ぐことはない。すなわち、ユーザの耳穴は開放されており、収音装置100は耳穴開放型であり、音響透過性を有すると言うことができる。
また、図6には、左耳の耳穴に収音装置100を装着したユーザの頭部の、外耳道を通過するような冠状面により切断した縦断面図を示している。図6に示すように、収音部110は、リング体121から外耳道の奥側(鼓膜側)に向かって突出するように、各アーム122~124で支持されている。マイク孔111が外耳道の入り口よりも奥側(鼓膜側)となるように、収音部110が保持されていることを理解されたい。また、収音部110は、外耳道の内壁と接触せず完全に空中に浮いた状態、若しくは、外耳道の内壁との接触が最小限となるように、各アーム122~124で支持されていることを理解されたい。リング体121が適切な寸法及び適切な弾性を有することで、ユーザのフィット感が向上する。
なお、図1~図6では、左右の片方の収音装置100しか示していないが、左右一組の収音装置100をユーザの左右の各耳に装着して、バイノーラル録音が行なわれることを理解されたい。また、図1~図6のいずれも、音声信号の入力や電源供給のための信号線(ケーブル)の図示を便宜上省略している。
図6からも分かるように、本実施形態に係る収音装置100によれば、ユーザの外耳道の入り口付近(耳甲介腔)に装着された状態で、収音部110が外耳道内で支持される構成となっている。また、収音部110は、中空すなわち開口部を有するリング体121に連結された複数のアーム122~124によって、収音方向(若しくは、マイク孔111)が外耳道の外側を向く方向で支持される構造である。すなわち、リング体121とアーム122~124からなる収音部110の保持部は、耳穴開放型であり音響透過型と言うことができる。
したがって、収音したいユーザの周囲音は、耳穴開放型の保持部を透過して収音部110に到達して、好適に収音することができる。また、収音部110は、外耳道の外ではなく、外耳道の内部で鼓膜により近い場所で支持されているので、ユーザが聴取する音により近い状態で周囲音を収音することができる。
また、周囲音の変化は、ユーザの頭部や身体、耳たぶなど人体の表面による解説や反射の影響だけでなく、外耳道の内壁での回折や反射、さらには鼓膜からの反射の影響によっても生じ得る。本実施形態に係る収音装置100によれば、収音部110は外耳道内に配設されるので、外耳道の内壁での回折や反射、鼓膜からの反射の影響を考慮したバイノーラル録音を実現することができ、より高い精度で臨場感を再現することができる。また、本実施形態に係る収音装置100によれば、ユーザ毎の頭部や身体、耳たぶなど人体の各部位だけでなく、外耳道の形状や鼓膜からの反射音の影響をも考慮して、音の変化を表現した精度の高い頭部伝達関数を求めることが可能になる。
図7には、耳穴開放型で、且つ、収音部を外耳道の内部で支持することができる、他の収音装置700の外観構成例を示している。また、図8には、この収音装置700を左耳の耳穴に装着したユーザの頭部の、外耳道を通過するような冠状面により切断した縦断面図を示している。なお、図7及び図8のいずれも、音声信号の入力や電源供給のための信号線(ケーブル)の図示を便宜上省略している。また、図7及び図8では、左右の片方の収音装置700しか示していないが、左右一組の収音装置700をユーザの左右の各耳に装着して、バイノーラル録音が行なわれることを理解されたい。
図1などに示した収音装置100は、開口部を有するリング体121とアーム122~124からなる保持部を用いて、外耳道の内壁と接触せず完全に空中に浮いた状態で(若しくは、外耳道の内壁との接触が最小限となるように)収音部110を支持して、耳穴開放型で且つ音響透過性を担保している。これに対し、図7に示す収音装置700は、収音部710と、スポンジのような通気部を有する保持部720からなる。保持部720は、収音部710の外側を覆い、外径を有する円柱形状をなしている。また、収音部110として、例えば直径2.5ミリメートル程度の円筒形状を想定している(同上)。
そして、図8に示す装着状態では、収音装置700は外耳道の第1カーブ付近で係止されているが、外耳道の内壁と接触せず完全に空中に浮いた状態で(若しくは、外耳道の内壁との接触が最小限となるように)収音部710が支持されている。図8から、収音装置700は、図1に示した収音装置100と同様に、耳穴開放型で且つ音響透過性を担保していることを理解できよう。また、収音孔となるマイク孔の711が外耳道の入り口よりも奥側(鼓膜側)となるように、収音部710が保持されていることを理解されたい。外耳道はS字のカーブを描く筒状をなすが、保持部720は、例えば外耳道の入り口から奥に15ミリメートル以内の奥の位置で収音部710を保持する。
収音部710は、外耳道の外ではなく、外耳道の内部で鼓膜により近い場所で支持されているので、ユーザが聴取する音により近い状態で周囲音を収音することができる。また、収音部710は、外耳道内に配設されるので、外耳道の内壁での回折や反射、鼓膜からの反射の影響を考慮したバイノーラル録音を実現することができ、より高い精度で臨場感を再現することができる。したがって、収音装置700によれば、ユーザ毎の頭部や身体、耳たぶなど人体の各部位だけでなく、外耳道の形状や鼓膜からの反射音の影響をも考慮して、音の変化を表現した精度の高い頭部伝達関数を求めることが可能である。
なお、収音装置700の装着状態では、収音部710の収音方向(若しくは、マイク孔711)が外耳道の外側に向けられていることが好ましい。収音部710の収音方向は、外耳道の奥側(すなわち、鼓膜側)や外耳道の内壁側を向くよりも外耳道の外側に向けられることが好ましいと言うこともできる。また、通気部を有する保持部720が適切な寸法及び適切な弾性を有することで、ユーザのフィット感が向上する。
図9には、耳穴開放型で、且つ、収音部を外耳道の内部で支持することができる、さらに他の収音装置900の外観構成例を示している。また、図10には、この収音装置900をユーザの耳穴に装着した様子を示している。なお、図9及び図10のいずれも、音声信号の入力や電源供給のための信号線(ケーブル)の図示を便宜上省略している。また、図9及び図10では、左右の片方の収音装置900しか示していないが、左右一組の収音装置900をユーザの左右の各耳に装着して、バイノーラル録音が行なわれることを理解されたい。
図9に示す収音装置900は、収音部910と、フレーム構造をなし開口部を有する保持部からなる。保持部は、中空の(言い換えれば、音響を透過する開口部を有する)星状体921と、収音部910を支持する複数のアーム(図示の例では、5本のアーム)922~926で構成される。各アーム922~926は、それぞれ一端で星状体921の各頂点と連結するとともに、他端で収音部910を支持している。また、収音部910として、例えば直径2.5ミリメートル程度の円筒形状を想定している(同上)。
星状体921は、外耳道の入り口付近の内径と同等の寸法であり、図10に示すように、収音装置900を外耳道入り口に装着することができる。そして、星状体921を外耳道の入り口に装着した状態で、収音部910が外耳道の内壁と接触せず完全に空中に浮いた状態、若しくは、収音部910と外耳道の内壁との接触が最小限となるように、収音部910は各アーム922~926によって支持されている。したがって、収音装置900も、耳穴開放型で且つ音響透過性を担保していることを理解できよう。また、収音孔となるマイク孔911が外耳道の入り口よりも奥側(鼓膜側)となるように、収音部910が保持されていることを理解されたい。外耳道はS字のカーブを描く筒状をなすが、保持部は、例えば外耳道の入り口から奥に15ミリメートル以内の奥の位置で収音部910を保持する。
収音装置900を図10に示すようにユーザの耳穴に挿入する際、フレーム構造の保持部のアーム922~926は、外耳道の内壁に押しつぶされて細長い形状に変形する。その際、星状体921は閉じるように変形する。フレーム構造の保持部が適切な寸法及び適切な弾性を有することで、ユーザのフィット感が向上する。なお、星状体921とアーム922~926は、樹脂など同じ素材を一体成形した部品であっても、材質が異なる素材を2色成形した部品であってもよい。
なお、保持部のフレーム構造の形状は任意であり、機能的な観点で形状を設計したり、あるいは意匠的な観点から美観を重視した形状に設計したりするようにしてもよい。例えば星状体921は、五角星形ではなく六角星形でもよく、あるいは星状でなくてもよい。
収音部910は、外耳道の外ではなく、外耳道の内部で鼓膜により近い場所で支持されているので、ユーザが聴取する音により近い状態で周囲音を収音することができる。また、収音部910は、外耳道内に配設されるので、外耳道の内壁での回折や反射、鼓膜からの反射の影響を考慮したバイノーラル録音を実現することができ、より高い精度で臨場感を再現することができる。したがって、収音装置900によれば、ユーザ毎の頭部や身体、耳たぶなど人体の各部位だけでなく、外耳道の形状や鼓膜からの反射音の影響をも考慮して、音の変化を表現した精度の高い頭部伝達関数を求めることが可能である。
なお、収音部910は、収音方向(若しくは、マイク孔911)が、外耳道の奥側(すなわち、鼓膜側)ではなく、外界を向くように、各アーム922~926で支持されている。したがって、収音部910は、外耳道内に伝わってきた周囲音を好適に収音することができる。なお、収音部910の収音方向は、外耳道の奥側(すなわち、鼓膜側)や外耳道の内壁側を向くよりも外耳道の外側に向けられることが好ましいと言うこともできる。
図11~図13には、本明細書で開示する技術の他の実施形態に係る、音響出力部付きの収音装置1100の構成例を示している。図11は、音響出力機能付き収音装置1100(右耳装着用)の正面図であり、図12は、音響出力機能付き収音装置1100(右耳装着用)の斜視図であり、図13は、音響出力機能付き収音装置1100をユーザの右耳に装着した様子を示している。なお、図11~図13では、左右の片方の収音装置1100しか示していないが、左右一組の収音装置1100をユーザの左右の各耳に装着して、バイノーラル録音やバイノーラル再生を実現できることを理解されたい。
収音装置1100は、収音部1110と、収音部1110を保持する保持部と、音響出力部1150を備えている。図示の収音装置1100では、収音部1110及び保持部は、図1に示した収音装置100とほぼ同一の構成を備えている。すなわち、収音部1110は、例えば直径2.5ミリメートル程度の円筒形状をしたマイクロフォンである。そして、保持部は、中空の(言い換えれば、音響を透過する開口部を有する)リング体1121と、収音部1110を支持する複数のアーム1122…で構成される。図示の例では、リング体1121は、O字の形状をしているが、C字の形状であってもよい。各アームは、それぞれ一端でリング体1121と連結するとともに他端で、収音方向(若しくは、収音孔となるマイク孔1111)が外耳道の外側を向くような姿勢で収音部1110を支持している。なお、収音部1110の収音方向は、外耳道の奥側(すなわち、鼓膜側)や外耳道の内壁側を向くよりも外耳道の外側に向けられることが好ましいと言うこともできる。
収音部1110が耳穴開放型で音響透過性を有する点、外耳道の内部で鼓膜により近い場所で支持されて、ユーザが聴取する音により近い状態で周囲音を収音できる点、及び、ユーザ毎の頭部や身体、耳たぶなど人体の各部位だけでなく、外耳道の形状や鼓膜からの反射音の影響をも考慮してバイノーラル録音や頭部伝達関数を求めることが可能である点は、図1などを参照しながら既に説明した通りである。
収音部1110の耳穴開放型で音響透過性を有するという特徴を担保すべく、収音部1110に組み合わされる音響出力部1150も同様に音響透過性という特徴を備えている。耳穴開放型の音響出力装置については、例えば本出願人に既に譲渡されている特願2016-39004号明細書に記載されており、本実施例に係る音響出力部1150も同様の構成を備えている。
音響出力部1150は、音響を発生する音響発生部1151と、音響発生部1151から発生される音響を一端から取り込むとともに他端から外耳道の入り口に向かって出力する音導部1152を備えている。音導部1152は、開放端である他端付近で、上述した保持部のリング体1121と結合している。
音響発生部1151は、直径16ミリメートル程度の、ダイナミック型ドライバ(あるいは、静電型ドライバや圧電型ドライバ)のような音圧変化を生み出す発音素子を利用するので、音響発生時には音響発生部1151のハウジング内で気圧変化が生じる。このため、ハウジング内(バック・キャビティー)に発生した高気圧(フロント・キャビティーと逆相の音響)をハウジングの外に逃がすための1以上の排気孔(図示しない)がハウジングの背面側などに穿設されている。
音導部1152は、内径が1~5ミリメートルの中空(例えば、円筒型)の管材からなり、その両端はともに開放端である。音導部1152の一端は、音響発生部1151からの発生音の音響入力孔であり、他端はその音響出力孔になっている。したがって、一端が音響発生部1151に取り付けられることで、音導部1152は片側開放状態となっている。例えば、エラストマーのような弾性のある樹脂で音導部1152を製作することができる。
管状の音導部1152は、中間付近でほぼU字に屈曲し、耳介の背面側から正面側に折り返す屈曲形状を有している。したがって、図13に示すように、収音装置1100をユーザの耳に取り付けた際、音導部1152の音響出力孔は保持部によって外耳道の入り口付近に配置される一方、音響発生部1151は耳介の裏側に配置される。音導部1152は、屈曲形状により耳介の下端で折り返し、耳介の裏側の音響発生部1151から取り込んだ空気振動を耳介の表側まで伝搬することができる。
音導部1152の他端は、保持部のリング体1121の内側面の一箇所と結合している。図13に示す例では、リング体1121は、耳甲介腔内に挿入されて、耳甲介腔の底面に当接している。また、リング体1121と結合した音導部1152は、珠間切痕の谷間を通過する。そして、音導部1152が珠間切痕の谷間に引っ掛かるようにしてリング体1121が珠間切痕若しくは耳珠の内壁に係止されることで、収音装置1100は、耳介に好適に装着される。リング体1121が耳甲介腔内に収容されるとともに音導部1152が珠間切痕の谷間を通過するようにして係止された状態では、音導部1152の他端の音響出力孔が外耳道の入り口を向く姿勢となるように、リング体1121は音導部1152の他端付近を支持している。
収音装置1100をユーザの耳甲介腔に装着したときに、音響出力部1150の音響出力孔と、収音部1110の収音孔であるマイク孔1111との相対位置が一定に保たれる、という点を理解されたい。また、収音装置1100をユーザの耳甲介腔に装着したときに、音響出力部1150の音響出力孔は、収音部1110の収音孔であるマイク孔1111よりも、ユーザの耳穴の外側に配置される、という点を理解されたい。マイク孔1111は、基本的には、リング体1121の開口のほぼ中央に配設されている。
音導部1152は、空気振動を伝搬するという目的からは、内径がなるべく大きいことが好ましい。他方、図13に示すように、音導部1152はその他端付近で珠間切痕の谷間を通過する。このため、音導部1152の外径を珠間切痕の間隙(例えば3.6ミリメートル)以上にすると、珠間切痕の谷間が広げられるためユーザの耳に圧迫感を与えることが懸念される。
リング体1121は、中抜き構造であり、内側のほとんどすべてが開口部となる。また、音導部1152の少なくとも他端付近の外径は、耳穴(外耳道の入り口付近)の内径よりも小さくなるように形成されている。したがって、リング体1121が耳甲介腔内に挿入されている状態でも、ユーザの耳穴を塞ぐことはない。また、音響発生部1151は、ユーザの耳の裏側など耳穴から離間した場所に配設されるので、音響出力部1150は、ユーザの耳穴は開放されていると言うことができる。すなわち、音響出力部1150付きの収音装置1100は耳穴開放型であり、音響透過性を有すると言うことができる。
音響発生部1151は、ユーザの耳穴から離間した場所に配設されているが、その発生音の外部への漏れを防止することができる。何故ならば、音導部1152の他端が外耳道の奥側を向くように取り付けられ、発生音の空気振動を鼓膜の知覚で放出することから、音響発生部1151の出力を小さくしても、音導部1152の音響出力孔で十分な音質を得ることができるからである。
また、音導部1152の他端から放出される空気振動の指向性も、音漏れの防止に寄与する。音導部1152の他端から外耳道の内部に向けて空気振動が放出される。外耳道は、外耳道入り口から始まり鼓膜の内側で終了する穴、すなわちS字のカーブを描く筒状をした閉空間であり、一般的におよそ25~30ミリメートルの長さがある。音導部1152の他端から外耳道の奥に向かって放出された空気振動は、指向性を以って鼓膜まで到達すると、一部は反射する。また、空気振動は外耳道内では音圧が上がることから、とりわけ低域の感度(ゲイン)が向上する。他方、外耳道の外側すなわち外界は開空間である。このため、音導部1152の他端から外耳道の外に放出された空気振動は、外界に放たれると指向性がなくなり、急峻に減衰する。
厳密に言うと、リング体1121が珠間切痕で係止された状態では、音響出力孔である音導部1152の他端は、外耳道入り口付近ではなく、むしろ耳甲介腔に対向していることが好ましい。そこで、リング体1121は、音響出力孔が外耳道入り口を向くように、音導部1152の他端を斜めに傾けて支持している。何故ならば、低域成分の感度を保つには、音導部1152の他端からの音の放出方向と外耳道の穴方向が一致していることが極めて重要だからである。他方、音導部1152の他端が水平を向くようにリング体1121で支持されていると、音導部1152の他端から放出された空気振動の大部分が耳甲介腔で反射されてしまい、外耳道内に伝搬され難くなる。
図14の(A)と(B)には、音導部1152の他端付近と結合したリング体1121の上面図と断面図の各々を示している。また、図15には、リング体1121が左耳の珠間切痕で係止されたユーザの頭部の左耳付近の水平断面を示している。但し、図14及び図15の各々において、図面の簡素化のため、収音部1110及びアーム1122~1124は省略している。
図13を参照しながら既に説明したように、リング体1121は耳甲介腔に挿入され、リング体1121と結合した音導部1152が珠間切痕の谷間を通過し、リング体1121は珠間切痕に引っ掛かるようにして係止される。そして、図15から分かるように、リング体1121が珠間切痕若しくは耳珠の内壁で係止されたときには外耳道の穴方向から傾いているが、音導部1152の他端の音響出力孔は、外耳道を向く姿勢となっている。すなわち、音導部1152の他端からの音の放出方向と外耳道の穴方向が一致している。
音響出力部1150付きの収音装置1100を、収音部1110単体で使用した場合、実施例1で説明したように、収音部1110が耳穴開放型で音響透過性を有することから、外耳道の形状や鼓膜からの反射音を考慮したバイノーラル録音や頭部伝達関数の計算、バーチャル音像定位を実現することができる。また、音響出力部1150による音声再生時に収音部1110を同時に利用することで、外耳道の形状や鼓膜からの反射音を考慮したノイズ・キャンセルを実現することができる。
また、音響出力部1150付きの収音装置1100は、音響出力部1150単体としても、耳穴開放型であるという特徴がある。耳穴開放型の音響出力部1150の利点について、以下にまとめておく。
(1)ユーザは、音響出力部1150付きの収音装置1100を装着中も、周囲音を自然に聴くことができる。したがって、空間把握、危険察知、会話並びに会話時の微妙なニュアンスの把握といった、聴覚特性に依存した人間の機能を正常に利用することができる。
(2)音響出力部1150付きの収音装置1100は、装着時において耳穴を塞いでいないので、他人から見て、話し掛けてもよい外観をしている。また、音響出力部1150付きの収音装置1100を装着したユーザは、常に周囲音が聞こえているため、人間の性質として、人が近づいてきたら足音などの音響情報から、「音の方向に体の向きを変える」、「音の方向に視線を移す」といった受動的な態度を少なからずとる。そういった振る舞いが、他人に「話し掛けてもよい」という印象を与えるので、人と人とのコミュニケーションを阻害しない。
(3)音響出力部1150付きの収音装置1100は、自己発生系ノイズ音の影響を受けない。音響出力孔である音導部1152の他端は、耳穴装着時において、外耳道の内壁に接触していないので、ユーザ自身の声や、鼓動音、咀嚼音、唾を飲み込むときの音、血流音、呼吸音、歩行時に体を伝わる振動音、コードなどの衣擦れ音の影響を受けない。また、イヤピースと外耳道内壁との摩擦音が発生することもない。また、耳穴が解放されていることから、外耳道の湿気籠りする心配がない。
(4)音響出力部1150付きの収音装置1100は、耳への装着性が良好で、耳の大きさや形状の個人差などに起因する位置決めばらつきを吸収することができる。リング体1121が珠間切痕若しくは耳珠の内壁に係止されて、音導部1152の他端の音響出力孔が外耳道の入り口を向くように支持するように構成されている。したがって、音導体が耳輪で折り返す耳かけ式の音響出力装置の場合のような、長さ調整を必要としない。また、リング体1121が珠間切痕若しくは耳珠の内壁に係止されることによって、良好な装着状態を維持することができる。また、音導部1152が、耳介背面から耳垂で折り返して外耳道入り口付近まで延設されるという構造は、ユーザがメガネやメガネ型ウェアラブル・デバイス、耳かけ式デバイスを併用しても、これらの他の装置と一切干渉しない。
(5)音導部1152は、音響発生部1151で発生した音を耳の後ろから最短距離で外耳道の入り口付近まで伝搬させる。したがって、耳かけ式の音響出力装置と比較すると、音導部の長さが短縮される分だけ、音響ロスを最低限に抑えることができ、音響発生部1151を低出力にして、良好な音質を得ることができる。付言すれば、音響発生部1151の寸法的な許容度が高く、必要な音響帯域や音圧に応じた設計が可能である。
図16~図20には、他の構成例に係る音響出力部付きの収音装置1600の外観を、見る方向を変えながら示している。なお、図16~図20では、左右の片方の収音装置1600しか示していないが、左右一組の音響出力機能付き収音装置1600をユーザの左右の各耳に装着して、バイノーラル録音やバイノーラル再生、ノイズ・キャンセリングなどを実現できることを理解されたい。
収音装置1600は、収音部1610と、収音部1610を保持する保持部と、音響出力部1650を備えている。
図示の収音装置1600では、収音部1610及び保持部は、図1に示した収音装置100とほぼ同一の構成を備えている。すなわち、収音部1610は、例えば直径2.5ミリメートル程度の円筒形状をしたマイクロフォンである。そして、保持部は、中空の(言い換えれば、音響を透過する開口部を有する)リング体1621と、収音部1610を支持する複数のアーム1622、1623…で構成される。図示の例では、リング体1621は、O字の形状をしているが、C字の形状であってもよい。各アームは、それぞれ一端でリング体1621と連結するとともに他端で収音部1610を支持している。また、収音部1610は、収音方向(若しくは、収音孔となるマイク孔1611)が、外耳道の奥側(すなわち、鼓膜側)ではなく、外界を向くように支持されている。なお、収音部1610の収音方向は、外耳道の奥側(すなわち、鼓膜側)や外耳道の内壁側を向くよりも外耳道の外側に向けられることが好ましいと言うこともできる。
収音部1610が耳穴開放型で音響透過性を有する点、外耳道の内部で鼓膜により近い場所で支持されて、ユーザが聴取する音により近い状態で周囲音を収音できる点、及び、ユーザ毎の頭部や身体、耳たぶなど人体の各部位だけでなく、外耳道の形状や鼓膜からの反射音の影響をも考慮してバイノーラル録音や頭部伝達関数を求めることが可能である点は、図1などを参照しながら既に説明した通りである。
一方、音響出力部1650は、音響を発生する音響発生部を内蔵するとともに、短い中空の管状の音導部1651を備えている。この音響発生部は、直径9ミリメートル程度のダイナミック型ドライバのような音圧変化を生み出す発音素子からなり、そのハウジングはリング体1621の一部と一体化している。図16などに示す例では、音響出力部1650のハウジングはリング体1621の外側面と結合しているが、小型であるためリング体1621の内側面と結合する設計や、音響出力部1650のハウジングの中央付近でリング体1621と結合する設計も考え得る。リング体1621は例えば13.5ミリメートル程度の寸法であり、ユーザの耳甲介腔に装着することができる。耳甲介腔の大きさには個人差があるが、リング体1621の外径(若しくは、幅)を16ミリメートルよりも大きくすると、リング体1621を耳甲介腔に挿入できない人が多くなる。また、音導部1651は、音響出力部1650の前面(ハウジング内に配設された振動板(後述)の前面側)に外耳道の入り口の方向に突設された、短い中空の管材からなる。音導部1651の先端の開口部は音響出力孔となっており、音導部1651は、音響出力部1650で発生される音響を外耳道の入り口に向かって出力する。
図21及び図22には、音響出力部1650の断面図であり、ハウジングの内部構成を示している。但し、図21は主に音響出力部の断面を示し、図22は排気部(後述)を含めた断面を示している。また、図面の簡素化のため、収音部1610や保持部については適宜省略している。なお、図21及び図22に示す発音素子は、ダイナミック型ドライバであるが、同様に音圧変化を生じさせるタイプの静電型ドライバを用いることもできる。あるいは、バランスド・アーマチュア型や圧電型などのまったくタイプが異なる発音素子を用いたり、複数のタイプの発音素子を組み合わせたハイブリッド型を用いたりしてもよい。
音響出力部1650の内部には、マグネット2101により構成される磁気回路中に対向して、ボイス・コイル2102を有する振動板2103が配置されている。また、音響出力部1650の内部は、この振動板2103によって、振動板前面空間(フロント・キャビティー)2104と振動板背面空間2105(バック・キャビティー)に仕切られている。そして、信号線(図示しない)を介してボイス・コイル2102に入力される音声信号に応じて磁界が変化すると、マグネット2101の磁力よって振動板2103が前後方向(ボイス・コイル2102の巻き線方向)に動作することで、振動板前面空間2104と振動板背面空間2105の間で気圧の変化が発生し、これが音響となる。
振動板前面空間2104で発生した音響は、音導部1651の管内を伝搬して、その先端の音響出力孔から外耳道の奥に向かって放出されると、その後は鼓膜に到達する。
一方、振動板背面空間2105で発生した音響(振動板前面空間2104と逆相の音響)が振動板2103の振動を妨げないように、音響出力部1650のハウジングの外部へ放出するための排気孔が必要である。
音響出力部1650を含む収音装置1600は、ユーザの耳甲介腔に装着して用いられることを想定している(後述並びに図23を参照のこと)。もし、音響出力部1650のハウジングの背面などに排気孔を穿設すると、振動板背面空間2105で発生した音響が耳甲介腔内で放出されることになるので、収音部1610で収音されてしまい、あるいは音響出力部1650で生成される再生音にとって大きな雑音になる。
そこで、図22に示すように、音響出力部1650(振動板2103)の背面側に、排気部2201が配設されている。この排気部2201は、音響出力部1650のハウジングの背面側から珠間切痕を通過して耳介の外に達するほど十分な長さを持つ中空の管材からなり、その先端の開口部は振動板背面空間2105で発生した音響を放出するための排気孔となっている。このような構成にすれば、排気部2201は、収音部1610や音導部1651の先端の音響出力孔から十分離間した、耳介の外に振動板背面空間2105で発生した音響を放出することができるので、音漏れの影響を抑制することができる。なお、排気部2201は、音声信号や電源などの信号線を挿通させるダクトを兼用していてもよい。
図23には、音響出力機能付き収音装置1600をユーザの左耳に装着した様子を示している。図11などに示した収音装置1100とは異なり、音響出力部1650が直径約9ミリメートルと小型であることから、音響出力部1650をリング体1620と一体的に構成しても、収音装置1100全体をユーザの耳甲介腔に装着することが可能である、ということを理解されたい。
図23に示す例では、リング体1621は、一体化された音響出力部1650とともに耳甲介腔内に挿入されて、耳甲介腔の底面に当接している。また、音響出力部1650のハウジングの背面から突設された排気部2201は、珠間切痕の谷間を通過する。そして、排気部2201が珠間切痕の谷間に引っ掛かるようにして、リング体1621が珠間切痕若しくは耳珠の内壁に係止されることで、収音装置1600は、耳介に好適に装着される。
また、耳甲介腔内に挿入されたリング体1621が図23に示すように珠間切痕若しくは耳珠の内壁に係止された状態では、図23では隠れて見えないが、音導部1651の先端の音響出力孔が外耳道の入り口を向く姿勢となるように、音導部1651は音響出力部1650のハウジングの前面から突設している。
収音装置1600をユーザの耳甲介腔に装着したときに、音響出力部1650の音響出力孔と、収音部1610の収音孔であるマイク孔1611との相対位置が一定に保たれる、という点を理解されたい。また、収音装置1600をユーザの耳甲介腔に装着したときに、音響出力部1650の音響出力孔は、収音部1610の収音孔であるマイク孔1611よりも、ユーザの耳穴の外側に配置される、という点を理解されたい。マイク孔1611は、基本的には、リング体1621の開口のほぼ中央に配設されている。
排気部2201は、不要な音響(バック・キャビティーに発生した、フロント・キャビティーと逆相の音響)を音響出力部1650のハウジングの外に排出するという目的、並びに信号線用のダクトを兼用するという観点から、内径がなるべく大きいことが好ましい。他方、図23に示したように、排気部2201は珠間切痕の谷間を通過する。このため、排気部2201の外径を珠間切痕の間隙(例えば3.6ミリメートル)以上にすると、珠間切痕の谷間が広げられるためユーザの耳に圧迫感を与えることが懸念される。
リング体1621は、中抜き構造であり、内側のほとんどすべてが開口部となる。また、音響出力部1650のハウジングはリング体1621の一部と一体化しているので、リング体1621の内側の開口部を一切干渉しない。したがって、音響出力部1650が一体となった収音装置1600全体が耳甲介腔内に挿入されている状態でも、ユーザの耳穴を塞ぐことはない。すなわち、ユーザの耳穴は開放されており、音響出力部1650付きの収音装置1600は耳穴開放型であり、音響透過性を有すると言うことができる。
音響出力部1650は、耳甲介腔内に配設されるので、その出力を小さくしても、音導部1651の先端の音響出力孔で十分な音質を得ることができる。したがって、音響出力部1650の発生音の外部への漏れを防止することができる。
また、音導部1651の先端から放出される空気振動の指向性も、音漏れの防止に寄与する。音導部1651の先端から外耳道の内部に向けて空気振動が放出される。外耳道は、S字のカーブを描く筒状をした閉空間であり、一般的におよそ25~30ミリメートルの長さがある。音導部1651の先端から外耳道の奥に向かって放出された空気振動は、指向性を以って鼓膜まで到達すると、一部は反射する。また、空気振動は外耳道内では音圧が上がることから、とりわけ低域の感度(ゲイン)が向上する。他方、外耳道の外側すなわち外界は開空間である。このため、音導部1651の先端から外耳道の外に放出された空気振動は、外界に放たれると指向性がなくなり、急峻に減衰する。リング体1621が珠間切痕で係止された状態では、音響出力孔である音導部1651の先端は、外耳道入り口付近ではなく、むしろ耳甲介腔に対向していることが好ましい。
音響出力部1650付きの収音装置1600を、収音部1610単体で使用した場合、実施例1で説明したように、収音部1610が耳穴開放型で音響透過性を有することから、外耳道の形状や鼓膜からの反射音を考慮したバイノーラル録音や頭部伝達関数の計算、バーチャル音像定位を実現することができる。また、音響出力部1650による音声再生時に収音部1610を同時に利用することで、外耳道の形状や鼓膜からの反射音を考慮したノイズ・キャンセルを実現することができる。
また、音響出力部1650付きの収音装置1600は、音響出力部1650単体としても、耳穴開放型であるという特徴がある。したがって、収音装置1100と同様に、上述した利点(1)~(4)を有する。
図24~図29には、さらに他の構成例に係る音響出力部付きの収音装置2400の外観を、見る方向を変えながら示している。また、参考のため、図30には、収音部及びその取り付け部を省略して、音響出力部の(音響出力側の)正面図を示している。なお、図24~図29では、左右の片方の収音装置2400しか示していないが、左右一組の音響出力機能付き収音装置2400をユーザの左右の各耳に装着して、バイノーラル録音やバイノーラル再生、ノイズ・キャンセリングなどを実現できることを理解されたい。
収音装置2400は、収音部2410と、収音部2410を保持する保持部2420と、音響出力部2450を備えている。
音響出力部2450は、直径6ミリメートル程度のダイナミック型ドライバのような音圧変化を生み出す発音素子からなり、そのハウジングは円板状をなし、リング状の保持部2420の一部と一体化と結合している。図示の例では、保持部2420は、O字のリング形状をしているが、C字の形状であってもよい。図24などに示す例では、音響出力部2450のハウジングはリング状の保持部2420の内側面と結合しているが、小型であるためリング状の保持部2420の外側面と結合する設計や、音響出力部2450のハウジングの中央付近でリング状の保持部2420と結合する設計も考え得る。保持部2420は例えば13.5ミリメートル程度の寸法であり、ユーザの耳甲介腔に装着することができる。耳甲介腔の大きさには個人差があるが、保持部2420の外径(若しくは、幅)を16ミリメートルよりも大きくすると、保持部2420を耳甲介腔に挿入できない人が多くなる。また、音響出力部2450の前面側(ハウジング内に配設された振動板(図示しない)の前面側)には、発生した音響を出力する三日月形状の音響出力孔2451が穿設されている。
一方、収音部2410は、図1に示した収音装置100の収音部110とほぼ同一の構成を備えている。すなわち、収音部2410は、例えば直径2.5ミリメートル程度の円筒形状をしたマイクロフォンである。収音部2410は、音響出力部2450のハウジングの前面側に複数(図示の例では2本)のリング状の保持部2420によって前方(収音装置2400をユーザの耳に取り付けたときの外耳道の奥の方向)に突出するように支持されている。また、収音部2410は、収音方向(若しくは、収音孔となるマイク孔2411)が、外耳道の奥側(すなわち、鼓膜側)ではなく、外界を向くように支持されている(図28を参照のこと)。なお、収音部2410の収音方向は、外耳道の奥側(すなわち、鼓膜側)や外耳道の内壁側を向くよりも外耳道の外側に向けられることが好ましいと言うこともできる。
収音部2410が耳穴開放型で音響透過性を有する点、外耳道の内部で鼓膜により近い場所で支持されて、ユーザが聴取する音により近い状態で周囲音を収音できる点、及び、ユーザ毎の頭部や身体、耳たぶなど人体の各部位だけでなく、外耳道の形状や鼓膜からの反射音の影響をも考慮してバイノーラル録音や頭部伝達関数を求めることが可能である点は、図1などを参照しながら既に説明した通りである。
音響出力部2450の内部構成については、図示並びに詳細な説明を省略する。基本的には、図21及び図22と同様に、音響出力部2450のハウジング内に、マグネットにより構成される磁気回路に対向してボイス・コイルを有する振動板が配置され、ボイス・コイルに音声信号を入力した際の磁界が変化して、マグネットの磁力によって振動板が前後方向に動作して、振動板の前面空間で音響を生成する。
音響出力部2450内の発音素子で発生した音響は、音響出力部2450のハウジングの前面に穿設された音響出力孔から外耳道の奥に向かって放出されると、その後は鼓膜に到達する。
なお、図30から分かるように、音響出力部2450のハウジングに、三日月形状をした音響出力孔2451が、リング状の保持部2420の中央ではなく周縁に寄った場所に穿設されている。音響出力孔2451が収音部2410のマイク孔2411よりもリング状の保持部2420の外側に配置されているのは、音響出力孔2451から放出される再生音が、外界から外耳道内に伝達され収音部2410で収音される周囲音となるべく干渉し合わないようにするためである。もし、音響出力部2450のハウジング前面の、保持部2420のリング中央となる付近に音響出力孔2451を穿設すると、音響出力孔2451が収音部2410のマイク孔2411と至近距離で対峙することになり、収音部2410は周囲音ではなく音響出力部2450の再生音を集音してしまうであろう。
また、音響出力部2450のハウジングの背面側には、音声信号や電源などの信号線を挿通させるダクト2460が連結されている。音響出力部2450にダイナミック型ドライバや静電型ドライバのような気圧変化を生じさせる発音素子を利用する場合、ハウジング内(バック・キャビティー)に発生した高気圧(フロント・キャビティーと逆相の音響)をハウジングの外に逃がす必要があるが、このダクト2460を排気部として兼用することができる。ダクト2460の、保持部2420から離間した場所には、このような音響を放出するための排気孔2461が穿設されている(図29を参照のこと)。排気孔2461は、収音部2410や音響出力孔2451から十分離間しているので、廃棄された音響が収音部2410で収音されたり音響出力部2450の再生音の雑音になったりすることはない。
図31には、音響出力部付きの収音装置2400をユーザの左耳に装着した様子を示している。図16に示した収音装置1600と同様に、音響出力部2450が直径約6ミリメートルと小型であることから、音響出力部2450と一体化したリング状の保持部2420をユーザの耳甲介腔に装着することが可能である、ということを理解されたい。
図31に示す例では、リング状の保持部2420は、耳甲介腔内に挿入されて、耳甲介腔の底面に当接している。また、保持部2420の内側面の一箇所には音響出力部2450が結合し、さらに音響出力部2450のハウジングの背面に連結したダクト2460は、珠間切痕の谷間を通過する。そして、ダクト2460が珠間切痕の谷間に引っ掛かるようにして、保持部2420が珠間切痕若しくは耳珠の内壁に係止されることで、収音装置2400は、耳介に好適に装着される。
また、耳甲介腔内に挿入された保持部2420が図31に示すように珠間切痕若しくは耳珠の内壁に係止された状態では、音響出力部2450のハウジングの前面には、外耳道の入り口を向くように音響出力孔2451が穿設されていると理解されたい。
収音装置2400をユーザの耳甲介腔に装着したときに、音響出力部2450の音響出力孔と、収音部2410の収音孔であるマイク孔2411との相対位置が一定に保たれる、という点を理解されたい。また、収音装置2400をユーザの耳甲介腔に装着したときに、音響出力部2450の音響出力孔は、収音部2410の収音孔であるマイク孔2411よりも、ユーザの耳穴の外側に配置される、という点を理解されたい。マイク孔2411は、基本的には、リング体2421の開口のほぼ中央に配設されている。
ダクト2460は、不要な音響を排出する排出部を兼用するという観点から、内径がなるべく大きいことが好ましい。他方、図31に示したように、ダクト2460は珠間切痕の谷間を通過する。このため、ダクト2460の外径を珠間切痕の間隙(例えば3.6ミリメートル)以上にすると、珠間切痕の谷間が広げられるためユーザの耳に圧迫感を与えることが懸念される。
保持部2420は、リング状すなわち中抜き構造であり、内側のほとんどすべてが開口部となる。また、小型の音響出力部2450のハウジングは保持部2420の内側面の一箇所と結合しているが、保持部2420の開口を阻害しない。したがって、音響出力部2450が一体となった収音装置2400全体が耳甲介腔内に挿入されている状態でも、ユーザの耳穴を塞ぐことはない。すなわち、ユーザの耳穴は開放されており、音響出力部2450付きの収音装置2400は耳穴開放型であり、音響透過性を有すると言うことができる。
音響出力部2450は、耳甲介腔内に配設されるので、その出力を小さくしても、音響出力孔2451で十分な音質を得ることができる。したがって、音響出力部2450の発生音の外部への漏れを防止することができる。
また、音響出力孔2451から放出される空気振動の指向性も、音漏れの防止に寄与する。音響出力孔2451から外耳道の内部に向けて空気振動が放出される。外耳道は、S字のカーブを描く筒状をした閉空間であり、一般的におよそ25~30ミリメートルの長さがある。音響出力孔2451から外耳道の奥に向かって放出された空気振動は、指向性を以って鼓膜まで到達すると、一部は反射する。また、空気振動は外耳道内では音圧が上がることから、とりわけ低域の感度(ゲイン)が向上する。他方、外耳道の外側すなわち外界は開空間である。このため、音響出力孔2451から外耳道の外に放出された空気振動は、外界に放たれると指向性がなくなり、急峻に減衰する。リング状の保持部2420が珠間切痕で係止された状態では、音響出力孔2451は、外耳道入り口付近ではなく、むしろ耳甲介腔に対向していることが好ましい。
音響出力部2450付きの収音装置2400を、収音部2410単体で使用した場合、実施例1で説明したように、収音部2410が耳穴開放型で音響透過性を有することから、外耳道の形状や鼓膜からの反射音を考慮したバイノーラル録音や頭部伝達関数の計算、バーチャル音像定位を実現することができる。また、音響出力部2450による音声再生時に収音部2410を同時に利用することで、外耳道の形状や鼓膜からの反射音を考慮したノイズ・キャンセルを実現することができる。
また、音響出力部2450付きの収音装置2400は、音響出力部2450単体としても、耳穴開放型であるという特徴がある。したがって、収音装置1100と同様に、上述した利点(1)~(4)を有する。
参考のため、耳介の構造について、図34を参照しながら説明しておく。耳介の構造を大まかに言うと、外側から順に、耳輪、対耳輪、耳甲介、耳珠がある。また、耳珠の外側には、対となる突起である対耳珠がある。耳珠と対耳珠の間にある切れ込みが、珠間切痕である。また、耳介の下端は、耳垂である。
耳輪は、耳の最外周で、耳の輪郭を形成する部位である。耳輪は、耳介の中央付近(外耳道入り口の上付近)で内側に向かって湾曲した後は、耳介の中央付近をほぼ水平に通過し、耳甲介を上下に分割する突起をなしている。耳輪脚は耳輪が耳介の内側に向かって湾曲する付近であり、耳輪根は耳輪脚のさらに耳甲介に入り込んでくる部分である。
対耳輪は、対耳珠から上方に向かう稜線であり、耳甲介の縁にも相当する。対耳輪をなす稜線は二股に分かれ、上の枝は対耳輪上脚と言い、三角窩の上側の辺に相当する。また、下の枝は対耳輪下脚と言い、三角窩の下側の辺に相当する。
耳甲介は、耳の中央の、最も窪んだ部分であり、耳輪根を境に、上半分の細長い窪みからなる耳甲介艇と、下半分の耳甲介腔に分かれる。また、耳甲介腔の耳珠付近に、外耳道入り口がある。
三角窩は、対耳輪上脚と対耳輪下脚と耳輪を三辺とする三角形の窪みである。また、舟状窩は、対耳輪と耳輪の間にある、耳介全体で言うと上外側の部分にある窪みである。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本明細書で開示する技術について詳細に説明してきた。しかしながら、本明細書で開示する技術の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書で開示する技術を適用した収音装置並びに音響出力機能付き収音装置は、ユーザの耳に装着して用いられるが、「耳穴開放型」という点で従来のバイノーラル・マイクやイヤホンとは大いに異なる。したがって、本明細書で開示する技術を適用した収音装置は、装着状態においても非装着状態と同等の周囲音の聴取特性を実現しつつ、外耳道の内壁での回折や反射や鼓膜からの反射の影響をも考慮した精密なバイノーラル録音や、外耳道の形状や鼓膜からの反射音の影響をも考慮して、音の変化を表現した精度の高い頭部伝達関数を求めることが可能である。また、このような収音装置を耳に装着した状態においても、周囲の人々からはユーザの耳穴を塞いでいないように見える、といった特徴がある。
要するに、例示という形態により本明細書で開示する技術について説明してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本明細書で開示する技術の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
なお、本明細書の開示の技術は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)収音部と、
音響透過部を有し、前記収音部をユーザの外耳道内で保持する保持部と、
を具備する収音装置。
(2)前記保持部は、前記音響透過部としての開口部を有するリング体と、一端が前記リング体に連結されるとともに他端で前記収音部を支持する1以上のアームからなる、
上記(1)に記載の収音装置。
(3)前記リング体は、ユーザの耳甲介腔に挿入され、珠間切痕付近で係止される、
上記(2)に記載の収音装置。
(4)前記保持部は、前記音響透過部としての通気部を有する弾性部材からなる、
上記(1)に記載の収音装置。
(5)前記保持部は、前記音響透過部としての開口部を有する星状体と、一端が前記星状体に連結されるとともに他端で前記収音部を支持する1以上のアームからなる、
上記(1)に記載の収音装置。
(6)前記保持部は、マイク孔を外耳道の外側に向けて前記収音部を保持する、
上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の収音装置。
(7)前記保持部は、マイク孔が外耳道の入り口より奥側となるように前記収音部を保持する、
上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の収音装置。
(8)音響出力部をさらに備える、
上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の収音装置。
(9)前記収音装置をユーザの耳に装着したときに、前記音響出力部の音響出力孔と前記収音部の収音孔との相対位置は一定に保たれる、
上記(8)に記載の収音装置。
(10)前記収音装置をユーザの耳に装着したときに、前記音響出力部の音響出力孔は前記収音部の収音孔よりも耳穴の外側に配置される、
上記(8)又は(9)のいずれかに記載の収音装置。
(11)前記音響出力部は、音響発生部と、前記音響発生部が発生する音響を一端から取り込んで他端まで伝搬する中空構造の音導部を備える、
上記(8)又は(10)のいずれかに記載の収音装置。
(12)前記音響発生部はユーザの耳の背面に配設され、
前記音導部の前記一端は前記音響発生部に接続され、
前記音導部の前記他端の音響出力孔は前記保持部によりユーザの耳介内で保持される、
上記(11)に記載の収音装置。
(13)前記音導部は、前記他端付近で珠間切痕に挿通される、
上記(12)に記載の収音装置。
(14)前記音響出力部は、リング体からなる前記保持部の一部と一体化される、
上記(8)又は(10)のいずれかに記載の収音装置。
(15)前記音響出力部のハウジングは、前記リング体がユーザの耳甲介腔に挿入された状態で、外耳道の入り口の方向に突設し先端に音響出力孔を有する音導部を備える、
上記(14)に記載の収音装置。
(16)前記音響出力部は、リング体からなる前記保持部の内側面に結合される、
上記(8)又は(10)のいずれかに記載の収音装置。
(17)前記音響出力部のハウジングの前面側に配設された音響出力孔をさらに備える、
上記(16)に記載収音装置。
(18)前記音響出力部のハウジングの背面に排気部をさらに備える、
上記(14)又は(17)のいずれかに記載の収音装置。
(19)前記排気部は、ハウジングの背面側から珠間切痕を通過して耳介の外に排気孔を有する、
上記(18)に記載の収音装置。
(20)前記排気部内に挿通された信号線をさらに備える、
上記(18)又は(19)のいずれかに記載の収音装置。
100…収音装置
110…収音部、111…マイク孔
121…リング体、122~124…アーム
700…収音装置
710収音部、711…マイク孔
720…保持部
900…収音装置
910…収音部、911…マイク孔
921…星状体、922~926…アーム
1100…(音響出力機能付き)収音装置
1110…収音部、1111…マイク孔
1121…リング体、1122、1123…アーム
1150…音響出力部、1151…音響発生部、1152…音導部
1600…(音響出力機能付き)収音装置
1610…収音部、1611…マイク孔
1621…リング体、1622、1623…アーム
1650…音響出力部、1651…音導部
2101…マグネット、2102…ボイス・コイル
2103…振動板
2201…排気部
2400…収音装置
2410…収音部、2411…マイク孔
2420…保持部
2450…音響出力部、2451…音響出力孔
2460…ダクト、2461…排気孔

Claims (20)

  1. 収音部と、
    音響透過部を有し、前記収音部をユーザの外耳道内で保持する保持部と、
    を具備し、
    前記保持部は、前記音響透過部としての開口部を有する構造体と、一端が前記構造体に連結されるとともに他端で前記収音部を支持する1以上のアームからなる、
    収音装置。
  2. 前記構造体は、前記音響透過部としての開口部を有するリング体であり、一端が前記リング体に連結されるとともに他端で前記収音部を支持する1以上のアームからなる、
    請求項1に記載の収音装置。
  3. 前記リング体は、ユーザの耳甲介腔に挿入され、珠間切痕付近で係止される、
    請求項2に記載の収音装置。
  4. 前記構造体及び前記1以上のアームは、前記音響透過部としての通気部を有する弾性部材からなる、
    請求項1に記載の収音装置。
  5. 前記構造体は、前記音響透過部としての開口部を有する星状体であり、一端が前記星状体に連結されるとともに他端で前記収音部を支持する1以上のアームからなる、
    請求項1に記載の収音装置。
  6. 前記保持部は、マイク孔を外耳道の外側に向けて前記収音部を保持する、
    請求項1に記載の収音装置。
  7. 前記保持部は、マイク孔が外耳道の入り口より奥側となるように前記収音部を保持する、
    請求項1に記載の収音装置。
  8. 音響出力部をさらに備える、
    請求項1に記載の収音装置。
  9. 前記収音装置をユーザの耳に装着したときに、前記音響出力部の音響出力孔と前記収音部の収音孔との相対位置は一定に保たれる、
    請求項8に記載の収音装置。
  10. 前記収音装置をユーザの耳に装着したときに、前記音響出力部の音響出力孔は前記収音部の収音孔よりも耳穴の外側に配置される、
    請求項8に記載の収音装置。
  11. 前記音響出力部は、音響発生部と、前記音響発生部が発生する音響を一端から取り込んで他端まで伝搬する中空構造の音導部を備える、
    請求項8に記載の収音装置。
  12. 前記音響発生部はユーザの耳の背面に配設され、
    前記音導部の前記一端は前記音響発生部に接続され、
    前記音導部の前記他端の音響出力孔は前記保持部によりユーザの耳介内で保持される、
    請求項11に記載の収音装置。
  13. 前記音導部は、前記他端付近で珠間切痕に挿通される、
    請求項12に記載の収音装置。
  14. 前記音響出力部は、リング体からなる前記保持部の一部と一体化される、
    請求項8に記載の収音装置。
  15. 前記音響出力部のハウジングは、前記リング体がユーザの耳甲介腔に挿入された状態で、外耳道の入り口の方向に突設し先端に音響出力孔を有する音導部を備える、
    請求項14に記載の収音装置。
  16. 前記音響出力部は、リング体からなる前記保持部の内側面に結合される、
    請求項8に記載の収音装置。
  17. 前記音響出力部のハウジングの前面側に配設された音響出力孔をさらに備える、
    請求項16に記載収音装置。
  18. 前記音響出力部のハウジングの背面に排気部をさらに備える、
    請求項14に記載の収音装置。
  19. 前記排気部は、前記ハウジングの背面側から珠間切痕を通過して、耳介の外に排気孔を有する、
    請求項18に記載の収音装置。
  20. 前記排気部内に挿通された信号線をさらに備える、
    請求項18に記載の収音装置。
JP2018558857A 2016-12-29 2017-11-01 収音装置 Active JP7047773B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016257266 2016-12-29
JP2016257266 2016-12-29
PCT/JP2017/039490 WO2018123252A1 (ja) 2016-12-29 2017-11-01 収音装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018123252A1 JPWO2018123252A1 (ja) 2019-10-31
JP7047773B2 true JP7047773B2 (ja) 2022-04-05

Family

ID=62707399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018558857A Active JP7047773B2 (ja) 2016-12-29 2017-11-01 収音装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10841700B2 (ja)
EP (1) EP3565273B1 (ja)
JP (1) JP7047773B2 (ja)
KR (1) KR20190099412A (ja)
CN (1) CN110100456B (ja)
BR (1) BR112019012892A2 (ja)
WO (1) WO2018123252A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020021815A1 (ja) * 2018-07-24 2020-01-30 ソニー株式会社 収音装置
WO2022264528A1 (ja) * 2021-06-14 2022-12-22 ソニーグループ株式会社 収音装置
EP4429271A1 (en) * 2021-11-26 2024-09-11 Clepseadra, Inc. Acoustic apparatus

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007142601A (ja) 2005-11-15 2007-06-07 Sanyo Electric Co Ltd マイクロフォン装置
JP3155238U (ja) 2009-08-05 2009-11-12 国立大学法人長岡技術科学大学 イヤチップマイクおよびアタッチメント
US20130089225A1 (en) 2011-10-05 2013-04-11 Cheng-Ho Tsai Binaural-recording earphone set

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62274900A (ja) * 1986-05-22 1987-11-28 Koichi Kikuno 外耳道插入式マイク
JPH03117999A (ja) * 1989-09-30 1991-05-20 Sony Corp 電気音響変換器及び音響再生システム
JPH0495008U (ja) * 1990-12-10 1992-08-18
JP2004128854A (ja) 2002-10-02 2004-04-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 音響再生装置
US20050018838A1 (en) 2003-03-03 2005-01-27 Shure Incorporated Communications headset with isolating in-ear driver
GB0419346D0 (en) 2004-09-01 2004-09-29 Smyth Stephen M F Method and apparatus for improved headphone virtualisation
US20080310662A1 (en) * 2007-06-15 2008-12-18 Davidson Terence M Earpiece snoring sound transmitter
EP2501153A1 (en) * 2007-07-09 2012-09-19 GN Netcom A/S Noise dosimeter for monitoring the exposure to noise of a user wearing a headset
US8107654B2 (en) * 2008-05-21 2012-01-31 Starkey Laboratories, Inc Mixing of in-the-ear microphone and outside-the-ear microphone signals to enhance spatial perception
JP2010068299A (ja) * 2008-09-11 2010-03-25 Yamaha Corp イヤホン
US20100195860A1 (en) * 2009-02-05 2010-08-05 Cher Becker Soft shell in-ear earphones with miniature speaker inserts
WO2011056202A1 (en) * 2009-10-28 2011-05-12 Ototronix, Llc Improved cochlear implant
CN202261728U (zh) * 2011-08-12 2012-05-30 索尼公司 耳机
US9082388B2 (en) * 2012-05-25 2015-07-14 Bose Corporation In-ear active noise reduction earphone
US8971561B2 (en) * 2012-06-20 2015-03-03 Apple Inc. Earphone having a controlled acoustic leak port
US20140294191A1 (en) * 2013-03-27 2014-10-02 Red Tail Hawk Corporation Hearing Protection with Sound Exposure Control and Monitoring
KR20150142925A (ko) * 2014-06-12 2015-12-23 한국전자통신연구원 스테레오 음향 입력 장치
US10455311B2 (en) * 2014-06-18 2019-10-22 Sony Corporation In-the-ear device
JP2016039004A (ja) 2014-08-06 2016-03-22 日本特殊陶業株式会社 燃料電池
EP3429223B1 (en) * 2014-10-30 2021-09-29 Sony Group Corporation Sound output device and sound output method
EP3226582A1 (en) * 2016-03-29 2017-10-04 Oticon Medical A/S Hearing device comprising modular engagement means

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007142601A (ja) 2005-11-15 2007-06-07 Sanyo Electric Co Ltd マイクロフォン装置
JP3155238U (ja) 2009-08-05 2009-11-12 国立大学法人長岡技術科学大学 イヤチップマイクおよびアタッチメント
US20130089225A1 (en) 2011-10-05 2013-04-11 Cheng-Ho Tsai Binaural-recording earphone set

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2018123252A1 (ja) 2019-10-31
EP3565273A4 (en) 2020-03-18
US20190349681A1 (en) 2019-11-14
US10841700B2 (en) 2020-11-17
BR112019012892A2 (pt) 2019-11-26
WO2018123252A1 (ja) 2018-07-05
KR20190099412A (ko) 2019-08-27
EP3565273A1 (en) 2019-11-06
CN110100456B (zh) 2021-07-30
EP3565273B1 (en) 2021-10-06
CN110100456A (zh) 2019-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4775438B2 (ja) ヘッドホン
JP7036002B2 (ja) 音響出力装置
WO2018123210A1 (ja) 音響出力装置
CN110012373B (zh) 耳内设备
WO2007089033A1 (ja) 電気音響変換器及びイヤースピーカ装置
JP7047773B2 (ja) 収音装置
JP6668766B2 (ja) 音声信号処理装置
JP2020025341A (ja) イヤーピース及びそれを用いたイヤホン
JP2006246426A (ja) イヤホーンアタッチメント及び該イヤホーンアタッチメントを装着したイヤホーン
JP4952223B2 (ja) イヤースピーカ装置
EP1068771B1 (en) Earphone without impulse noise for protection against conductive hearing loss
JP2017147533A (ja) イヤホン
JP2009027675A (ja) イヤホンアタッチメント
WO2023095757A1 (ja) 音響装置
JP7320316B1 (ja) オープン型イヤホン
JPH0354990A (ja) イヤーマイクロフォンおよびその使用方法
JP2008060943A (ja) イヤホンアタッチメント
JP7239152B2 (ja) 挿入式パッシブ・ノイズキャンセル・イヤホン
JPS6031350Y2 (ja) 収音再生機器システム
JP2007235920A (ja) 電気音響変換器及びイヤースピーカ装置
JP2020099094A (ja) 信号処理装置
JPH0286296A (ja) 音響再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220307

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7047773

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151