JP5970632B2 - 音響装置 - Google Patents
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Description
本発明の音響装置は、耳栓と当該耳栓に音響振動を与える音響振動発生装置とを有する音響装置であって、前記耳栓は、外耳道に挿入される遮音性の柔軟な耳栓体と当該耳栓体の反挿入側端部に被せて設けられた定形のキャップ体とを有し、前記キャップ体は、前記音響振動発生装置の振動出力面と接触して振動を受ける受振面をその先端部に有し、前記振動出力面は凹曲面であり、前記受振面は凸曲面であり、前記凸曲面の曲率半径は、2mm以上10mm以下であり、前記振動出力面の曲率半径は前記受振面の曲率半径と等しいかそれよりも大である、という特徴を有している。
ここで「反挿入側端部」とは、耳栓の着用時に外耳道から露出する側の端部の意味である(以下同様)。
本発明の接触構造は、耳栓と当該耳栓に音響振動を与える音響振動発生装置との接触構造であって、前記耳栓は、外耳道に挿入される遮音性の柔軟な耳栓体と当該耳栓体の反挿
入側端部に被せて設けられた定形のキャップ体とを有し、前記キャップ体は、前記音響振動発生装置の振動出力面と接触して振動を受ける受振面をその先端部に有し、前記振動出力面は凹曲面であり、前記受振面は凸曲面であり、前記凸曲面の曲率半径は、2mm以上10mm以下であり、前記振動出力面の曲率半径は前記受振面の曲率半径と等しいかそれよりも大である、という特徴を有している。
本発明の耳栓は、外耳道に挿入される遮音性の柔軟な耳栓体と当該耳栓体の反挿入側端部に被せて設けられたキャップ体とを有し、音響振動発生装置の振動出力面との接触により可振されて音響振動を当該外耳道に伝える耳栓であって、前記キャップ体は、前記振動出力面と接触して振動を受ける受振面をその先端部に有し、前記振動出力面は凹曲面であり、前記受振面は凸曲面であり、前記凸曲面の曲率半径は、2mm以上10mm以下である、という特徴を有している。
前記キャップ体の形状の例として、球状又は半球状を挙げることができる。
前記キャップ体の形状が半球状の場合、前記凹部又は前記スリーブ部は当該半球状のキャップ体の平面部の中央に形成される。
本発明の音響振動発生装置は、本発明の耳栓に接触して音響振動を与える音響振動発生装置であって、前記振動出力面が凹曲面であり、前記振動出力面の曲率半径は前記受振面の曲率半径と等しいかそれよりも大である、という特徴を有している。
本発明の音響振動発生装置において、前記振動出力面の中央に開口部を設け、前記振動出力面を振動させる音響振動発生源の振動出力部を当該開口部から外部に臨ませて設けてもよい。
本発明の接触構造によれば、本発明の音響装置を実現できる。
本発明の耳栓は、本発明の音響装置の耳栓に好適である。本発明の耳栓は、耳栓体の反挿入側端部にキャップ体を被せて設けることにより容易に製造できる。耳栓体として、遮音性の高い市販の耳栓を使用することにより、当該耳栓の持つ高い遮音性・安全性をそのまま生かしつつ、本発明の耳栓を実現できる。
本発明の音響振動発生装置は、本発明の音響装置の音響振動発生装置に好適である。
図1は耳栓の形態例を示す断面図である。
図1に示す耳栓21は、柔軟に変形して外耳道に挿入される遮音性の耳栓体22と当該耳栓体22の反挿入側端部22aに被せて設けられた定形のキャップ体23とを有する。キャップ体23は、その先端部に受振面23aを有する。受振面23aは、曲率が等方的に一定の凸曲面(この例では、半球面)である。受振面23aの曲率半径R1は、2mm以上10mm以下の範囲から選ばれる。
音響装置1は、使用者の頭部に着脱自在に装着されるイヤホン(装着体)11を有している。
イヤホン11は、第1骨伝導スピーカ(音響振動発生装置)24Rと第2骨伝導スピー
カ(音響振動発生装置)24Lと、を有する。第1骨伝導スピーカ24Rは、使用者の一
方(右耳)の外耳道に装着されている第1耳栓21Rのキャップ体23に接触する。第2骨伝導スピーカ24Lは、当該使用者の他方(左耳)の外耳道に装着されている第2耳栓21Lのキャップ体23に接触する。
イヤホン11は、装着時に使用者の後頭部を跨ぐ円弧状又は略馬蹄形状のヘッドバンド部11Aと、当該ヘッドバンド部11Aの一端から使用者の一方の耳介の根本を跨ぐようにしてアーチ状に延びる第1耳掛部11B(R)と、当該ヘッドバンド部11Aの他端から使用者の他方の耳介の根本を跨ぐようにしてアーチ状に延びる第2耳掛部11B(L)と、第1耳掛部11B(R)から使用者の一方の耳穴に延びる第1アーム部11C(R)と、第2耳掛部11B(L)から使用者の他方の耳穴に延びる第2アーム部11C(L)と、を有している。両アーム部11C(R)、11C(L)の先端部は互いに内向きにL字形に屈曲している。
そして、右側のアーム部11C(R)の当該屈曲した部分の先端部に第1骨伝導スピー
カ24Rが、左側のアーム部11C(L)の当該屈曲した部分の先端部に第2骨伝導スピーカ24Lが、それぞれ設けられている。第1アーム部11C(R)は、第1耳掛部11B(R)に回動可能に連結されている。第2アーム部11C(L)は、第2耳掛部11B
(L)に回動可能に連結されている。
送信されてきた音声信号(電気信号)を音響振動に変換する電気音響変換器(音響振動発生源)26を備えている(図4参照)。電気音響変換器26の例として、圧電型スピーカ、静電型変換器、電磁型変換器、ダイナミック型変換器、等を挙げることができる。
骨伝導スピーカ24R及び24Lは、耳栓21R及び21Lの受振面23aと接触する振動出力面24aを有している。振動出力面24aは、曲率が等方的に一定の凹曲面(この例では、凹球面)であり、その曲率半径R2は、受振面23aの曲率半径R1よりも大(R2>R1)である。
この音響装置1は、第1耳栓21Rを使用者の一方(右)の外耳道に、第2耳栓21Lをその使用者のもう一方(左)の外耳道に、それぞれ装着した状態で、第1骨伝導スピーカ24Rの振動出力面24aを第1耳栓21Rのキャップ体23の受振面23aに、第2骨伝導スピーカ24Lの振動出力面24aを第2耳栓21Lのキャップ体23の受振面23aに、それぞれ当接させて使用する。受振面23aと振動出力面24aとが互いに非接触状態のときには、振動出力面24aが振動するのみであり、耳栓21R、21Lには全く振動が発生しない。
この音響装置1は、左右の外耳道に耳栓21R、21Lを装着した状態で、耳栓体22の反挿入側端部22aに設けられたキャップ体23の受振面(曲率が等方的に一定の凸曲面)23aにイヤホン11の左右の骨伝導スピーカ24R、24Lの振動出力面(曲率が等方的に一定の凹曲面)24aの一部を当接させた状態で使用するように構成されているので、耳栓体22に対して骨伝導スピーカ24R、24Lが傾いた姿勢(図4(B)参照)になっても、従来のような接触不良の状態にはならず、骨伝導スピーカ24R、24Lの振動が常に高効率に耳栓21R、21Lに伝達される。したがって、常に良好な聴取性能を発揮し得る。
なお、上記の例では、アーム部11C(R)、11C(L)が耳掛部11B(R)、11B(L)に回動可能に連結されているが、アーム部11C(R)、11C(L)の外殻を、自由に変形させることができ且つ変更後の姿勢に自律保持可能な部材で構成することにより、アーム部11C(R)、11C(L)の姿勢又は形状を可変にしてもよい。
図5(d)に示すように、キャップ体23の先端面全体の曲率が等方的に一定である必要はない。また、受振面23aの先端部の大部分の曲率が一定であれば、その周辺部から曲率を変化させてもよい。図5(d)の例では、受振面23aの先端部よりもその周囲の曲率が大きくなっている。
図5(b)に示す球形状のキャップ体23の表面に多数のディンプルを形成することにより、ゴルフボールの形状を模したキャップ体23を有する耳栓21が得られる。
したがって、本発明の耳栓21を両耳に装着し、その外側にイヤホン11を装着することにより、労働安全衛生法に基づく騒音障害防止のためのガイドラインに沿った騒音障害防止対策を実施しつつ、高騒音の作業環境での音声によるコミュニケーションが可能となる。
ただし、受振面23aの曲率半径R1を2mmよりも小さくすると、必ずそうなるとまではいえないが、振動出力面24a振動出力面24aとの間で滑りが発生しやすくなることが経験上判っている。この不具合を回避するべく振動出力面24aの曲率半径R2を受振面23aに合わせて小さくすると、イヤホン11を装着する際に、受振面23aと振動出力面24aとの位置合わせがし難くなる。また、突起23cが必須となり強度低下を招く可能性が大きくなる。
また、振動出力面24aの中央部に開口部を設け、スピーカ24R、24L内の電気音響変換器26の振動出力部を当該開口部から振動出力面24aと略同一面となるように外部に臨ませてもよい。この構成によれば、電気音響変換器26からの振動を直接耳栓21のキャップ体23に伝えることもできる。
11 イヤホン
21 耳栓
21R 第1耳栓
21L 第2耳栓
22 耳栓体
22a 反挿入側端部
23 定形部
23a 受振面(凸曲面)
24R 第1骨伝導スピーカ(音響振動発生装置)
24L 第2骨伝導スピーカ(音響振動発生装置)
24a 振動出力面(凹曲面)
26 電気音響変換器(音響振動発振源)
R1 受振面の曲率半径
R2 振動出力面の曲率半径
Claims (6)
- 耳栓と当該耳栓に音響振動を与える音響振動発生装置とを有する音響装置であって、
前記耳栓は、外耳道に挿入される遮音性の柔軟な耳栓体と当該耳栓体の反挿入側端部に被せて設けられた定形のキャップ体とを有し、
前記キャップ体は、前記音響振動発生装置の振動出力面と接触して振動を受ける受振面をその先端部に有し、
前記振動出力面は凹曲面であり、
前記受振面は凸曲面であり、
前記凸曲面の曲率半径は、2mm以上10mm以下であり、
前記振動出力面の曲率半径は前記受振面の先端部の曲率半径と等しいかそれよりも大であり、
前記受振面は、その先端部よりもその周囲の曲率が大きくなっていることを特徴とする、音響装置。 - 耳栓と当該耳栓に音響振動を与える音響振動発生装置との接触構造であって、
前記耳栓は、外耳道に挿入される遮音性の柔軟な耳栓体と当該耳栓体の反挿入側端部に被せて設けられた定形のキャップ体とを有し、
前記キャップ体は、前記音響振動発生装置の振動出力面と接触して振動を受ける受振面をその先端部に有し、
前記振動出力面は凹曲面であり、
前記受振面は凸曲面であり、
前記凸曲面の曲率半径は、2mm以上10mm以下であり、
前記振動出力面の曲率半径は前記受振面の先端部の曲率半径と等しいかそれよりも大であり、
前記受振面は、その先端部よりもその周囲の曲率が大きくなっていることを特徴とする、耳栓と音響振動発生装置との接触構造。 - 外耳道に挿入される遮音性の柔軟な耳栓体と当該耳栓体の反挿入側端部に設けられたキャップ体とを有し、音響振動発生装置の振動出力面との接触により可振されて音響振動を当該外耳道に伝える耳栓であって、
前記キャップ体は、前記振動出力面と接触して振動を受ける受振面をその先端部に有し、
前記振動出力面は凹曲面であり、
前記受振面は凸曲面であり、
前記凸曲面の曲率半径は、2mm以上10mm以下であり、
前記受振面は、その先端部よりもその周囲の曲率が大きくなっている ことを特徴とする、耳栓。 - 前記キャップ体は、前記受振面とは反対側に円形の凹部又は円環状のスリーブ部を有し、
前記耳栓体の反挿入側端部が前記凹部又は前記スリーブ部に挿入され固定されている、請求項3記載の耳栓。 - 請求項3又は4の耳栓に接触して音響振動を与える音響振動発生装置であって、
前記振動出力面が凹曲面であり、
前記振動出力面の曲率半径は前記受振面の曲率半径と等しいかそれよりも大である、音響振動発生装置。 - 前記振動出力面の中央に開口部を有し、
前記振動出力面を振動させる音響振動発生源の振動出力部が当該開口部から外部に臨ませて設けられている、請求項5記載の音響振動発生装置。
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