JP2018128082A - 車両用動力伝達装置の油圧制御回路 - Google Patents

車両用動力伝達装置の油圧制御回路 Download PDF

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啓允 二谷
Hiromitsu Nitani
啓允 二谷
吉伸 曽我
Yoshinobu Soga
吉伸 曽我
修司 森山
Shuji Moriyama
修司 森山
山本 哲也
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
勇介 大形
Yusuke Ogata
勇介 大形
土田 建一
Kenichi Tsuchida
建一 土田
浩二 牧野
Koji Makino
浩二 牧野
林 利明
Toshiaki Hayashi
利明 林
祐太 芹口
Yuta Seriguchi
祐太 芹口
賢一 石井
Kenichi Ishii
賢一 石井
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Abstract

【課題】噛合クラッチのシンクロ機構を駆動する油圧アクチュエータを制御する噛合クラッチ用のリニヤソレノイドバルブの故障が発生しても、退避走行性能が確保できる車両用動力伝達装置の油圧制御回路を提供する。【解決手段】車両用動力伝達装置において、噛合クラッチD1を駆動する噛合クラッチ用油圧アクチュエータを制御するB1/S1リニヤソレノイドバルブ(噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブ)SLGと、車両のシフト操作装置が走行位置に操作されたことに基づいて走行レンジ圧を発生させるマニアル弁(走行レンジ圧発生装置)と、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGが故障した場合には、走行レンジ圧をB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGのドレンポートSLGdに供給する供給油路L3とが、設けられている。これにより、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGが故障した場合でも退避走行性能を確保できる。【選択図】図4

Description

本発明は、シンクロ機構付車両用動力伝達装置の油圧制御回路に関するものである。
駆動力源の動力が入力される入力回転部材と駆動輪へその動力を出力する出力回転部材との間に、シンクロ機構を用いて係合される噛合クラッチを介して動力伝達を行う第1動力伝達経路と無段変速機を介して動力伝達を行う第2動力伝達経路とが並列に設けられた車両用動力伝達装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用動力伝達装置がそれである。この特許文献1の第1動力伝達経路には、動力の伝達と遮断とを行う第1クラッチが設けられ、第2動力伝達経路には、動力の伝達と遮断とを行う第2クラッチが設けられている。そして、複数のリニヤソレイドバルブを有し、それら複数のリニヤソレイドバルブのうち前記噛合クラッチを駆動する噛合クラッチ用の油圧アクチュエータを制御する噛合クラッチ用のリニヤソレイドバルブの元圧を車両の走行レンジに応じて切り替える油圧制御回路が設けられている。
特開2016−023801号公報
ところで、上記油圧制御回路において、噛合クラッチ用のリニヤソレイドバルブの故障の発生に際して、噛合クラッチ用の油圧アクチュエータの作動を確保するための油圧回路たとえば噛合クラッチ用のリニヤソレイドバルブの元圧切替回路を備えていないので、噛合クラッチを介する第1動力伝達経路を形成することができず、退避走行性能が確保できないという不都合があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、噛合クラッチのシンクロ機構を駆動する油圧アクチュエータを制御する噛合クラッチ用のリニヤソレノイドバルブの故障が発生しても、退避走行性能が確保できる車両用動力伝達装置の油圧制御回路を提供することにある。
前記目的を達成する為の第1発明の要旨とするところは、(a)駆動力源の動力が伝達される入力回転部材と駆動輪へ前記動力を出力する出力回転部材との間に、噛合クラッチを介して動力伝達を行う第1動力伝達経路と無段変速機を介して動力伝達を行う第2動力伝達経路とが並列に設けられた車両用動力伝達装置において、前記噛合クラッチを駆動する噛合クラッチ用油圧アクチュエータを制御する噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブの元圧を車両の走行レンジに応じて切り替える車両用動力伝達装置の油圧制御回路であって、(b)車両のシフト操作装置が走行位置に操作されたことに基づいて走行レンジ圧を発生させる走行レンジ圧発生装置と、(c)前記噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブが故障した場合には、前記走行レンジ圧を前記噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブのドレンポートに供給する供給油路とを、備えることにある。
第1発明によれば、前記噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブが故障した場合には、供給油路により前記噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブのドレンポートに供給された走行レンジ圧は、故障状態の前記噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブを通して噛合クラッチ用油圧アクチュエータへ供給されることから、噛合クラッチを介した第1動力伝達経路を成立させることができるので、前記噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブが故障した場合でも退避走行性能を確保できる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図である。 動力伝達装置の走行パターンの切り替わりを説明する為の図である。 車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 油圧制御回路の要部を説明する図である。
本発明の実施形態において、噛合クラッチはシンクロ機構を有し、前記噛合クラッチ用油圧アクチュエータにより前記シンクロ機構を介して噛み合い作動させることにある。このようにすれば、噛合クラッチの噛み合いが円滑に行われる。
また、本発明の実施形態において、車両は後進時に係合作動させられて前記第1動力伝達経路を反転させるブレーキを備えており、前記噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブは、車両後進時において前記ブレーキの係合油圧を制御するものであり、前記供給油路は、前記噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブが故障した場合には、前記シフト操作装置が後進位置へ操作されたときに発生させられる後進レンジ圧を、前記リニヤソレノイドバルブのドレンポートに供給するものである。このようにすれば、後進時の退避走行性能を確保することができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図である。図1において、車両10は、走行用の駆動力源として機能するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のエンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間に設けられた動力伝達装置16とを備えている。動力伝達装置16は、非回転部材としてのハウジング18内において、エンジン12に連結された流体式伝動装置としての公知のトルクコンバータ20と、トルクコンバータ20に連結された入力軸22と、入力軸22に連結された無段変速部としての公知のベルト式の無段変速機24と、同じく入力軸22に連結された前後進切替装置26と、前後進切替装置26を介して入力軸22に連結されて無段変速機24と並列に設けられたギヤ伝動部としてのギヤ伝動機構28と、無段変速機24及びギヤ伝動機構28の共通の出力回転部材である出力軸30と、カウンタ軸32と、出力軸30及びカウンタ軸32に各々相対回転不能に設けられて噛み合う一対のギヤから成る減速歯車装置34と、カウンタ軸32に相対回転不能に設けられたギヤ36に連結されたデフギヤ38と、デフギヤ38に連結された1対の車軸40等とを、備えている。このように構成された動力伝達装置16において、エンジン12の動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、トルクコンバータ20、無段変速機24(或いは前後進切替装置26及びギヤ伝動機構28)、減速歯車装置34、デフギヤ38、及び車軸40等を順次介して1対の駆動輪14へ伝達される。
このように、動力伝達装置16は、エンジン12(ここではエンジン12の動力が伝達される入力回転部材である入力軸22も同意)と駆動輪14(ここでは駆動輪14へエンジン12の動力を出力する出力回転部材である出力軸30も同意)との間の動力伝達経路に並列に設けられた、第1変速部としてのギヤ伝動機構28及び第2変速部としての無段変速機24を備えている。よって、動力伝達装置16は、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ伝動機構28を介して駆動輪14側(すなわち出力軸30)へ伝達する第1動力伝達経路PT1と、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機24を介して駆動輪14側(すなわち出力軸30)へ伝達する第2動力伝達経路PT2との複数の動力伝達経路PTを、入力軸22と出力軸30との間に並列に備えている。動力伝達装置16は、車両10の走行状態に応じてその第1動力伝達経路PT1とその第2動力伝達経路PT2とが切り替えられる。その為、動力伝達装置16は、エンジン12の動力を駆動輪14側へ伝達する動力伝達経路PTを、第1動力伝達経路PT1と第2動力伝達経路PT2とで選択的に切り替える複数の係合装置を備えている。この係合装置は、第1動力伝達経路PT1を断接する第1係合装置(換言すれば係合されることで第1動力伝達経路PT1を形成する第1係合装置)としての第1クラッチC1及び第1ブレーキB1と、第2動力伝達経路PT2を断接する第2係合装置(換言すれば、係合されることで第2動力伝達経路PT2を形成する第2係合装置)としての第2クラッチC2とを含んでいる。第1クラッチC1、第1ブレーキB1、及び第2クラッチC2は、断接装置に相当するものであり、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる公知の油圧式摩擦係合装置(摩擦クラッチ)である。第1クラッチC1及び第1ブレーキB1は、第1摩擦クラッチに相当し、第2クラッチC2は、第2摩擦クラッチに相当する。又、第1クラッチC1及び第1ブレーキB1は、各々、後述するように、前後進切替装置26を構成する要素の1つである。
トルクコンバータ20は、入力軸22回りにその入力軸22に対して同軸心に設けられており、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、及び入力軸22に連結されたタービン翼車20tを備えている。ポンプ翼車20pには、無段変速機24を変速制御したり、前記複数の係合装置を作動したり、動力伝達装置16の各部に潤滑油を供給したりする為の作動油圧をエンジン12により回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプ42が連結されている。
前後進切替装置26は、第1動力伝達経路PT1において入力軸22回りにその入力軸22に対して同軸心に設けられており、ダブルピニオン型の遊星歯車装置26p、第1クラッチC1、及び第1ブレーキB1を備えている。遊星歯車装置26pは、入力要素としてのキャリヤ26cと、出力要素としてのサンギヤ26sと、反力要素としてのリングギヤ26rとの3つの回転要素を有する差動機構である。キャリヤ26cは入力軸22に一体的に連結され、リングギヤ26rは第1ブレーキB1を介してハウジング18に選択的に連結され、サンギヤ26sは入力軸22回りにその入力軸22に対して同軸心に相対回転可能に設けられた小径ギヤ44に連結されている。又、キャリヤ26cとサンギヤ26sとは、第1クラッチC1を介して選択的に連結される。よって、第1クラッチC1は、前記3つの回転要素のうちの2つの回転要素を選択的に連結する係合装置であり、第1ブレーキB1は、前記反力要素をハウジング18に選択的に連結する係合装置である。
ギヤ伝動機構28は、小径ギヤ44と、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心に相対回転不能に設けられてその小径ギヤ44と噛み合う大径ギヤ48とを備えている。又、ギヤ伝動機構28は、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心に相対回転可能に設けられたアイドラギヤ50と、出力軸30回りにその出力軸30に対して同軸心に相対回転不能に設けられてそのアイドラギヤ50と噛み合う出力ギヤ52とを備えている。出力ギヤ52は、アイドラギヤ50よりも大径である。従って、ギヤ伝動機構28は、入力軸22と出力軸30との間の動力伝達経路PTにおいて、所定の変速比(変速段)としての1つの変速比(変速段)が形成されるギヤ伝動機構である。ギヤ機構カウンタ軸46回りには、更に、大径ギヤ48とアイドラギヤ50との間に、これらの間を選択的に断接する噛合クラッチD1が設けられている。噛合クラッチD1は、動力伝達装置16に備えられて、前後進切替装置26(前記第1摩擦クラッチも同意)と出力軸30との間の動力伝達経路に配設された(換言すれば前記第1摩擦クラッチよりも出力軸30側に設けられた)、第1動力伝達経路PT1を断接する第3係合装置(換言すれば前記第1摩擦クラッチと共に係合されることで第1動力伝達経路PT1を形成する第3係合装置)として機能するものであり、前記複数の係合装置に含まれる。
具体的には、噛合クラッチD1は、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心に相対回転不能に設けられたクラッチハブ54と、アイドラギヤ50とクラッチハブ54との間に配置されてそのアイドラギヤ50に固設されたクラッチギヤ56と、クラッチハブ54に対してスプライン嵌合されることによりギヤ機構カウンタ軸46の軸心回りの相対回転不能且つその軸心と平行な方向の相対移動可能に設けられた円筒状のスリーブ58とを備えている。クラッチハブ54と常に一体的に回転させられるスリーブ58がクラッチギヤ56側へ移動させられてそのクラッチギヤ56と噛み合わされることで、アイドラギヤ50とギヤ機構カウンタ軸46とが接続される。更に、噛合クラッチD1は、スリーブ58とクラッチギヤ56とを嵌合する際に回転を同期させる、同期機構としての公知のシンクロメッシュ機構S1を備えている。このように構成された噛合クラッチD1では、フォークシャフト60が油圧アクチュエータによって作動させられることにより、フォークシャフト60に固設されたシフトフォーク64を介してスリーブ58がギヤ機構カウンタ軸46の軸心と平行な方向に摺動させられ、係合状態と解放状態とが切り替えられる。
第1動力伝達経路PT1は、噛合クラッチD1と噛合クラッチD1よりも入力軸22側に設けられた第1クラッチC1(又は第1ブレーキB1)とが共に係合されることで形成される。第1クラッチC1の係合により前進用動力伝達経路が形成され、第1ブレーキB1の係合により後進用動力伝達経路が形成される。動力伝達装置16では、第1動力伝達経路PT1が形成されると、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ伝動機構28を経由して出力軸30へ伝達することができる動力伝達可能状態とされる。一方で、第1動力伝達経路PT1は、少なくとも第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が共に解放されるか、或いは少なくとも噛合クラッチD1が解放されると、動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)とされる。
無段変速機24は、入力軸22に設けられた有効径が可変のプライマリプーリ66と、出力軸30と同軸心の回転軸68に設けられた有効径が可変のセカンダリプーリ70と、それら各プーリ66、70の間に巻き掛けられた伝動ベルト72とを備え、各プーリ66、70と伝動ベルト72との間の摩擦力(ベルト挟圧力)を介して動力伝達が行われる。プライマリプーリ66では、プライマリプーリ66へ供給する油圧、すなわちプライマリ側の油圧アクチュエータ66cへ供給されるプライマリ圧PSLPが電子制御装置78(図3、4参照)により駆動される油圧制御回路80(図3、4参照)によって調圧制御されることにより、各シーブ66a、66b間のV溝幅を変更するプライマリ推力Win(=プライマリ圧PSLP×受圧面積)が付与される。又、セカンダリプーリ70では、セカンダリプーリ70へ供給する油圧(すなわちセカンダリ側の油圧アクチュエータ70cへ供給されるセカンダリ圧PSLS)が油圧制御回路80によって調圧制御されることにより、各シーブ70a、70b間のV溝幅を変更するセカンダリ推力Wout(=セカンダリ圧PSLS×受圧面積)が付与される。無段変速機24では、プライマリ推力Win(プライマリ圧PSLP)及びセカンダリ推力Wout(セカンダリ圧PSLS)が各々制御されることで、各プーリ66、70のV溝幅が変化して伝動ベルト72の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γcvt(=プライマリプーリ回転速度Npri/セカンダリプーリ回転速度Nsec)が変化させられると共に、伝動ベルト72が滑りを生じないように各プーリ66、70と伝動ベルト72との間の摩擦力が制御される。
出力軸30は、回転軸68回りにその回転軸68に対して同軸心に相対回転可能に配置されている。第2クラッチC2は、無段変速機24よりも駆動輪14(ここでは出力軸30も同意)側に設けられており(すなわちセカンダリプーリ70と出力軸30との間に設けられており)、セカンダリプーリ70(回転軸68)と出力軸30との間を選択的に断接する。第2動力伝達経路PT2は、第2クラッチC2が係合されることで形成される。動力伝達装置16では、第2動力伝達経路PT2が形成されると、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機24を経由して出力軸30へ伝達することができる動力伝達可能状態とされる。一方で、第2動力伝達経路PT2は、第2クラッチC2が解放されると、ニュートラル状態とされる。
図2は、電子制御装置78により切り替えられる動力伝達装置16の各走行パターン(走行モード)毎の係合装置の係合表を用いて、その走行パターンの切り替わりを説明する為の図である。図2において、C1は第1クラッチC1の作動状態に対応し、C2は第2クラッチC2の作動状態に対応し、B1は第1ブレーキB1の作動状態に対応し、D1は噛合クラッチD1の作動状態に対応し、「○」は係合(接続)を示し、「×」は解放(遮断)を示している。
図2において、ギヤ伝動機構28を介して(すなわち第1動力伝達経路PT1を介して)エンジン12の動力が出力軸30に伝達される走行パターンであるギヤ走行では、第1クラッチC1及び噛合クラッチD1が係合され且つ第2クラッチC2及び第1ブレーキB1が解放される。このギヤ走行の走行パターンでは前進走行が可能となる。尚、第1ブレーキB1及び噛合クラッチD1が係合され且つ第2クラッチC2及び第1クラッチC1が解放される、ギヤ走行の走行パターンでは、後進走行が可能となる。
又、無段変速機24を介して(すなわち第2動力伝達経路PT2を介して)エンジン12の動力が出力軸30に伝達される走行パターンであるCVT走行(ベルト走行、無段変速走行)では、第2クラッチC2が係合され且つ第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が解放される。このCVT走行の走行パターンでは前進走行が可能となる。このCVT走行のうちでCVT走行(中車速)の走行パターンでは噛合クラッチD1が係合される一方で、CVT走行(高車速)の走行パターンでは噛合クラッチD1が解放される。このCVT走行(高車速)中に噛合クラッチD1が解放されるのは、例えばCVT走行中のギヤ伝動機構28等の引き摺りをなくすと共に、高車速においてギヤ伝動機構28や遊星歯車装置26pの構成部材(例えばピニオンギヤ)等が高回転化するのを防止する為である。噛合クラッチD1は、駆動輪14側からの入力を遮断する被駆動入力遮断クラッチとして機能する。
前記ギヤ走行は、例えば車両停止中を含む低車速領域において選択される。動力伝達装置16では、第1動力伝達経路PT1にて形成される変速比γgear(すなわちギヤ伝動機構28により形成される変速比EL)は、第2動力伝達経路PT2にて形成される最大変速比(すなわち無段変速機24により形成される最低車速側の変速比である最ロー変速比)γmaxよりも大きな値(すなわちロー側の変速比)に設定されている。つまり、無段変速機24は、ギヤ伝動機構28により形成される変速比ELよりも高車速側(ハイ側)の変速比γcvtを形成する。例えば変速比ELは、動力伝達装置16における第1速変速段の変速比γである第1速変速比γ1に相当し、無段変速機24の最ロー変速比γmaxは、動力伝達装置16における第2速変速段の変速比γである第2速変速比γ2に相当する。その為、ギヤ走行とCVT走行とは、例えば公知の有段変速機の変速マップにおける第1速変速段と第2速変速段とを切り替える為の変速線に従って切り替えられる。又、CVT走行においては、例えば公知の手法を用いて、アクセル開度や車速などの走行状態に基づいて変速比γcvtが変化させられる変速が実行される。
ギヤ走行からCVT走行(高車速)、或いはCVT走行(高車速)からギヤ走行へ切り替えられる際には、図2に示すように、CVT走行(中車速)を経由して切り替えられる。例えばギヤ走行からCVT走行(高車速)へ切り替えられる場合、第1クラッチC1を解放して第2クラッチC2を係合するようにクラッチを掛け替える変速、例えばクラッチツゥクラッチ変速(以下、CtoC変速という)が実行されてCVT走行(中車速)に切り替えられ、その後、噛合クラッチD1が解放される。又、例えばCVT走行(高車速)からギヤ走行へ切り替えられる場合、ギヤ走行への切替準備として噛合クラッチD1が係合されてCVT走行(中車速)に切り替えられ、その後、第2クラッチC2を解放して第1クラッチC1を係合するようにクラッチを掛け替える変速、例えばCtoC変速が実行される。
図3は、車両10における各種制御の為の、電子制御装置78の制御機能の要部及び制御系統の要部を説明する図である。図3において、車両10は、例えば動力伝達装置16の制御装置を含む電子制御装置78を備えている。よって、図3は、電子制御装置78の入出力系統を示す図であり、又、電子制御装置78による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。電子制御装置78は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置78は、エンジン12の出力制御、無段変速機24の変速制御、動力伝達装置16の走行パターンの切替制御等を実行する。電子制御装置78は、必要に応じてエンジン制御用、油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置78には、車両10が備えるシフト操作装置98からのシフト操作信号Rshiftや、各種センサ(例えば各種回転速度センサ100、102、104、106、108、アクセル開度センサ110、ストロークセンサ112など)による検出信号に基づく各種実際値、例えばエンジン回転速度Ne、入力軸回転速度Ninであるプライマリプーリ回転速度Npri、回転軸68の回転速度であるセカンダリプーリ回転速度Nsec、車速Vに対応する出力軸回転速度Nout、小径ギヤ44の回転速度であるサンギヤ回転速度Nsun、アクセル開度θacc、噛合クラッチD1を解放完了状態とするスリーブ58の解放側位置と噛合クラッチD1を係合完了状態とするスリーブ58の係合側位置との間におけるスリーブ58の位置情報に対応するシフトフォーク64(又はフォークシャフト60など)の移動位置であるシンクロ位置Psyncなどが、それぞれ供給される。又、電子制御装置78からは、エンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、無段変速機24の変速に関する油圧制御の為の油圧制御指令信号Scvt、動力伝達装置16の走行パターンの切替えに関連する第1クラッチC1、第1ブレーキB1、第2クラッチC2、及び噛合クラッチD1を制御する為の油圧制御指令信号Sswt等が、それぞれ出力される。例えば、油圧制御指令信号Sswtとして、第1クラッチC1、第1ブレーキB1、第2クラッチC2、噛合クラッチD1の各々の油圧アクチュエータへ供給される各油圧を調圧する各ソレノイド弁を駆動する為の指令信号(油圧指令)が油圧制御回路80へ出力される。
動力伝達装置16に備えられた油圧制御回路80は、図3では、無段変速機24と第1クラッチC1と第2クラッチC2と噛合クラッチD1とに関わる油圧を制御する要部を示している。油圧制御回路80には、電子制御装置78から出力される油圧制御指令信号(駆動電流)によって駆動される5種類のリニヤソレノイドバルブが備えられている。すなわち、第1ライン圧PL1を元圧としてプライマリプーリ66の油圧アクチュエータ66cへ供給するプライマリ圧PSLPを制御するプライマリ用リニヤソレノイドバルブSLPと、第1ライン圧PL1を元圧としてセカンダリプーリ70の油圧アクチュエータ70cへ供給するセカンダリ圧PSLSを制御するセカンダリ用リニヤソレノイドバルブSLSと、第1ライン圧PL1を元圧として第1クラッチC1へ供給する第1クラッチ圧PSL1を制御するC1用リニヤソレノイドバルブSL1と、第1ライン圧PL1を元圧として第2クラッチC2へ供給する第2クラッチ圧PSL2を制御するC2用リニヤソレノイドバルブSL2と、モジュレータ圧Pm或いは第1ライン圧PL1を元圧としてシンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ62へ供給するシンクロ制御圧PSLG或いはブレーキB1へ供給するB1圧PB1をそれぞれ択一的に制御するB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGが、備えられている。B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGは、本発明の噛合クラッチ用リニヤソレノイドバルブとして機能している。
上記5種類のリニヤソレノイドバルブSLP、SLS、SL1、SL2、およびSLGと、6種類のプライマリプーリ66の油圧アクチュエータ66c、セカンダリプーリ70の油圧アクチュエータ70c、第1クラッチC1、第2クラッチC2、シンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ62、およびブレーキB1との間には、それらを結ぶ油圧回路とそれら油圧回路内に介在させられた3つのスプール弁型のフェイルセーフ弁90、クラッチアプライ制御弁92、B1/S1アプライ制御弁94とを有するバルブボデー82が設けられている。
油圧源として機能するオイルポンプ42から吐出された油圧はリリーフ型の第1調圧弁83により第1ライン圧PL1に調圧されるとともに、第1調圧弁83からリリーフされた油圧は第2調圧弁84により第2ライン圧PL2により調圧され、それら第1ライン圧PL1および第2ライン圧PL2はバルブボデー82に供給される。また、第1ライン圧PL1はモジュレータ弁85により第1ライン圧PL1よりも低い一定圧のモジュレータ圧Pmに調圧されてシフト操作装置98の操作に応答してシフトアクチュエータ86により位置決めされるマニアルバルブ87およびバルブボデー82に供給される。シフトアクチュエータ86によりD位置へ切り換えられるとマニアルバルブ87からDレンジ圧PDが出力され、シフトアクチュエータ86によりR位置へ切り換えられるとマニアルバルブ87から後進レンジ圧PRが出力され、それらDレンジ圧PDおよび後進レンジ圧PRはバルブボデー82に供給される。
図4は、バルブボデー82内の油圧回路の要部構成を説明する図である。図4において、フェイルセーフ弁90は、非フェイル時には第2クラッチC2に第2クラッチ圧PSL2を供給し、フェイル時には第2クラッチC2にDレンジ圧PDを供給する第1切換部90aと、非フェイル時にはフェイル時PSLP制御およびフェイル時L/U制御のポートPfをドレンEXに接続し、フェイル時にはフェイル時PSLP制御およびフェイル時L/U制御のポートにシンクロ制御圧PSLGを供給する第2切換部90bと、非フェイル時にはクラッチアプライ制御弁92の切換信号圧を出力するポートにモジュレータ圧Pmを供給し、フェイル時にはクラッチアプライ制御弁92の切換信号圧を出力するポートをドレンEXに接続する第3切換部90cとを備え、プライマリ圧PSLPによる付勢力と第2クラッチ圧PSL2、モジュレータ圧Pm、およびスプリング90dによる付勢力との相対関係の変化に基づいてすなわちC2用リニヤソレノイドバルブSL2が非フェイル状態あるか否かに応じて、実線で示す非フェイル状態と破線で示すフェイル状態とに切り換えられる。
クラッチアプライ制御弁92は、第1クラッチC1と第2クラッチC2との同時係合、すなわち、タイアップを回避するため、および、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの正常状態、すなわち非タイアップ回避時にはリニアソレノイド弁SLGのドレンポートSLGdをドレン圧とするがタイアップ回避時には後進レンジ圧PRとするための切換弁である。クラッチアプライ制御弁92は、非タイアップ回避時には第1クラッチC1に第1クラッチ圧PSL1を供給し、タイアップ回避時には第1クラッチC1にドレン圧を供給する(排圧する)第1切換部92aと、タイアップ回避時および非タイアップ回避時のいずれもシンクロ制御圧PSLGを接続油路L1を介してB1/S1アプライ制御弁94へ出力する第2切換部92bと、非タイアップ回避時にはB1/S1アプライ制御弁94への接続油路L2をドレンEXに接続し、タイアップ回避時にはその接続油路L2を後進レンジ圧PRに接続する第3切換部92cとを備え、フェイルセーフ弁90の第1切換部90aからCACV信号圧として出力された第2クラッチ圧PSL2またはDレンジ圧PDによる付勢力と、フェイルセーフ弁90の第3切換部90cからCACV信号圧として出力されたモジュレータ圧Pmおよびスプリング92dによる付勢力との相対関係の変化に基づいてすなわち第1クラッチC1および第2クラッチC2のタイアップ状態あるか否かに応じて、実線で示す非タイアップ防止状態と破線で示すタイアップ防止状態とに切り換えられる。
B1/S1アプライ制御弁94は、単一のB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGを用いて、前進時にはシンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ62を制御させ、後進時にはブレーキB1を制御させるようにするための切換弁である。B1/S1アプライ制御弁94は、非後進時にはB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの入力ポートSLGinにモジュレータ圧Pmを元圧として供給し、後進時にはB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの入力ポートSLGinに後進レンジ圧PRを元圧として供給する第1切換部94aと、非後進時にはシンクロ制御圧PSLGをシンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ62に供給し、後進時にはモジュレータ圧Pmをシンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ62に供給する第2切換部94bと、非後進時にはドレンEXに接続してブレーキB1を解放するが、後進時にはブレーキB1にシンクロ制御圧PSLGをブレーキ係合圧PB1として供給する第3切換部94cとを備え、後進レンジ圧PRによる付勢力とセカンダリ圧PSLSおよびスプリング94dによる付勢力との相対関係の変化に基づいてすなわち非後進操作状態か後進操作状態あるか否かに応じて、実線で示す非後進状態と破線で示す後進状態とに切り換えられる。
上記B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGは、入力ポートSLGinとシンクロ制御圧PSLGを出力する出力ポートSLGoutと、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの非作動時或いは故障時に出力ポートSLGoutと連通するドレンポートSLGdとを備え、電子制御装置78からの指令に応じて連続的に変化する出力圧たとえばシンクロ制御圧PSLGを出力する。そして、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの故障時においてもシンクロ制御圧PSLGをB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGから出力させて後進での退避走行を可能とするように、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGのドレンポートSLGdとクラッチアプライ制御弁92の第3切換部92cの出力ポート92eとの間には、後進レンジ圧PRを導く接続油路L3が設けられている。
ところで、従来では、シフト操作装置98がR位置へ操作された状態でB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGのソレノイドの断線などの故障が発生すると、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGからシンクロ制御圧PSLGが出力されない。このため、B1/S1アプライ制御弁94が後進状態に切り換えられても、シンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ62にシンクロ制御圧PSLGが供給されず、噛合クラッチD1の噛み合いが行われない。これにより、噛合クラッチD1を含む第1動力伝達経路PT1が成立しないので、後進での退避走行ができなかった。
これに対して、本実施例によれば、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの断線などの故障が図示しない断線判定回路により検出されると、電子制御装置78はB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの故障を判定して、たとえば第2クラッチ圧PSL2を高めてクラッチアプライ制御弁92がタイアップ回避状態に切り換える。上記のように、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGのドレンポートSLGdとクラッチアプライ制御弁92の第3切換部92cの出力ポート92eとの間には、接続油路L3が設けられており、クラッチアプライ制御弁92の第3切換部92cの出力ポート92eからB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの第3切換部94cへ出力される後進レンジ圧PRが、接続油路L3を通してB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGのドレンポートSLGdに走行レンジ圧として供給される。これにより、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの出力ポートSLGoutからは、後進レンジ圧PRがシンクロ制御圧PSLGとしてシンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ62へ出力されるので、B1/S1アプライ制御弁94が後進状態において、シンクロメッシュ機構S1の噛み合いが可能となり、噛合クラッチD1を含む第1動力伝達経路PT1が成立して、後進の退避走行が可能となる。このように、上記電子制御装置78はB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの断線などの故障を判定する故障判定手段として機能し、上記クラッチアプライ制御弁92は、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの故障時にそのドレンポートSLGdへ走行レンジ圧を供給する故障時切換弁として機能している。
上述のように、本実施例によれば、エンジン(駆動力源)12からの動力が伝達される入力軸(入力回転部材)22と駆動輪14へ動力を出力する出力軸(出力回転部材)30との間に、噛合クラッチD1を介して動力伝達を行う第1動力伝達経路PT1と無段変速機24を介して動力伝達を行う第2動力伝達経路PT2とが並列に設けられた車両用動力伝達装置16において、噛合クラッチD1を駆動する噛合クラッチ用油圧アクチュエータ(シンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ)62を制御するB1/S1リニヤソレノイドバルブ(噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブ)SLGと、車両のシフト操作装置98が走行位置に操作されたことに基づいて走行レンジ圧を発生させるマニアル弁(走行レンジ圧発生装置)87と、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGが故障した場合には、走行レンジ圧をB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGのドレンポートSLGdに供給する供給油路L3とが、設けられている。これにより、B1/S1リニヤソレノイドバルブ(噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブ)SLGが故障した場合には、供給油路L3によりB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGのドレンEXに供給された走行レンジ圧(後進レンジ圧PR)は、故障状態のB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGを通してシンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ(噛合クラッチ用油圧アクチュエータ)62へ供給されることから、噛合クラッチD1を介した第1動力伝達経路PT1を成立させることができるので、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGが故障した場合でも後進での退避走行性能を確保できる。
また、本実施例によれば、噛合クラッチD1は、シンクロメッシュ機構S1を有し、噛合クラッチ用油圧アクチュエータ(シンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ)62によりシンクロメッシュ機構S1を介して噛み合い作動させる。これにより、噛合クラッチD1の噛み合いが円滑に行われる。
また、本実施例によれば、車両は、後進時に係合作動させられて第1動力伝達経路PT1の回転を反転させるブレーキB1を備えており、B1/S1リニヤソレノイドバルブ(噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブ)SLGは、車両後進時においてブレーキB1の係合油圧を制御するものであり、供給油路L3は、B1/S1リニヤソレノイドバルブ(噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブ)SLGが故障した場合に、シフト操作装置98が後進位置へ操作されたときに発生させられる後進レンジ圧PRを、前記B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGのドレンポートSLGdに供給するものである。これにより、後進時の退避走行性能を確保することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGのドレンポートSLGdとクラッチアプライ制御弁92の第3切換部92cの出力ポート92eとの間に接続油路L3が設けられていることで、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの故障時にはそのドレンポートSLGdへ走行レンジ圧として後進レンジ圧PRが接続油路L3を介して供給されており、それにより、第1動力伝達経路PT1に設けられた噛合クラッチD1を制御するB1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの故障時における後進走行の退避走行が確保されていた。しかし、B1/S1リニヤソレノイドバルブSLGの故障時にはそのドレンポートSLGdへ供給される走行レンジ圧は、後進レンジ圧PRに替えて前進レンジ圧PDが用いられてもよい。この場合、たとえばクラッチアプライ制御弁92の第3切換部92cでは、後進レンジ圧PRが入力されていたポートに前進レンジ圧PDが供給される。これにより、前進走行時における退避走行が確保される。
また、前述の実施例1では、第2クラッチC2は無段変速機24よりも入力軸22側に設けられても良い。又、前述の実施例2では、第2クラッチC2は無段変速機24よりも入力軸22側に設けられ、第3クラッチC3は無段変速機24よりも出力軸30側に設けられても良い。
また、前述の実施例では、ギヤ伝動機構28は、無段変速機24の最大変速比γmaxよりもロー側の変速比となる1つの変速段が形成されるギヤ伝動機構であったが、これに限らない。例えば、ギヤ伝動機構28は、変速比が異なる複数の変速段が形成されるギヤ伝動機構であっても良い。つまり、ギヤ伝動機構28は2段以上に変速される有段変速機であっても良い。又、ギヤ伝動機構28は、無段変速機24の最小変速比γminよりもハイ側の変速比、及び最大変速比γmaxよりもロー側の変速比を形成するギヤ伝動機構であっても良い。
また、前述の実施例では、動力伝達装置102は、ギヤ伝動機構28を介した第1動力伝達経路PT1と、無段変速機24を介した第2動力伝達経路PT2とを備えていたが、これに限らない。例えば、無段変速機24は、変速比が異なる複数の変速段が形成されるギヤ伝動機構であっても良い。又、動力伝達装置102は、第1動力伝達経路PT1及び第2動力伝達経路PT2とは別に、他の動力伝達経路PTを備えていても良い。要は、少なくとも、入力軸22と出力軸30との間の動力伝達経路に並列に設けられた2つの変速部と、第1動力伝達経路PT1を断接する第1係合装置と、第2動力伝達経路PT2を断接する第2係合装置とを備える動力伝達装置であれば、本発明は適用され得る。
また、前述の実施例では、駆動力源としてエンジン12を例示したが、これに限らない。例えば、前記駆動力源は、電動機等の他の原動機を単独で或いはエンジン12と組み合わせて採用することもできる。又、エンジン12の動力は、トルクコンバータ20を介して入力軸22へ伝達されたが、これに限らない。例えば、トルクコンバータ20に替えて、トルク増幅作用のない流体継手(フルードカップリング)などの他の流体式伝動装置が用いられても良い。或いは、この流体式伝動装置は必ずしも設けられなくても良い。又、噛合クラッチD1は、シンクロメッシュ機構S1を備えていたが、このシンクロメッシュ機構S1は必ずしも備えられなくても良い。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:エンジン(駆動力源)
14:駆動輪
16:動力伝達装置
22:入力軸(入力回転部材)
24:無段変速機
28:ギヤ伝動機構
30:出力軸(出力回転部材)
62:シンクロメッシュ機構S1の油圧アクチュエータ(噛合クラッチ用油圧アクチュエータ)
78:電子制御装置(制御装置)
80:油圧制御回路
87:マニアル弁(走行レンジ圧発生装置)
92:クラッチアプライ制御弁
92c:クラッチアプライ制御弁の第3切換部
98:シフト操作装置
PT1:第1動力伝達経路
PT2:第2動力伝達経路
C1:第1クラッチ
C2:第2クラッチ
D1:噛合クラッチ
SLG:B1/S1リニヤソレノイドバルブ(噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブ)
SLGd:ドレンポート
L3:供給油路

Claims (1)

  1. 駆動力源の動力が伝達される入力回転部材と駆動輪へ前記動力を出力する出力回転部材との間に、噛合クラッチを介して動力伝達を行う第1動力伝達経路と無段変速機を介して動力伝達を行う第2動力伝達経路とが並列に設けられた車両用動力伝達装置において、前記噛合クラッチを駆動する噛合クラッチ用油圧アクチュエータを制御する噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブの元圧を車両の走行レンジに応じて切り替える車両用動力伝達装置の油圧制御回路であって、
    車両のシフト操作装置が走行位置に操作されたことに基づいて走行レンジ圧を発生させる走行レンジ圧発生装置と、
    前記噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブが故障した場合には、前記走行レンジ圧を前記噛合クラッチ用リニヤソレイドバルブのドレンポートに供給する供給油路と
    を、備えることを特徴とする車両用動力伝達装置の油圧制御回路。
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