JP2019052659A - 車両用動力伝達装置の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第2後進ギヤモードから無段変速モードに切り替えたときに、変速ショックが生じるのを抑制できる車両用動力伝達装置の制御装置を提供すること。【解決手段】ギヤモードと無段変速モードとを有する車両用動力伝達装置の制御装置であって、ギヤモードは、第2バルブが開弁され、第2ソレノイドと第1係合要素とが連通することによって形成される第1後進ギヤモードと、第1ソレノイドから出力された油圧によって、第1バルブが開弁され、第1係合要素と第1油圧供給手段とを連通することによって形成される第2後進ギヤモードとを有し、第1後進ギヤモード中に記第2ソレノイドが異常となった場合に第2後進ギヤモードを形成し、第2後進ギヤモードにおいて、無段変速機の変速比が所定値未満の場合には、無段変速モードへの切り替えを禁止する。【選択図】図3
Description
本発明は、車両用動力伝達装置の制御装置に関する。
特許文献1には、入力軸と出力軸との間の動力伝達経路に、変速比を連続的に変化させるベルト式の無段変速機と、無段変速機の最大変速比よりも大きな変速比を有するギヤ機構とが、並列に設けられた車両用動力伝達装置が開示されている。この車両用動力伝達装置においては、無段変速機を介して入力軸から出力軸にトルクを伝達する無段変速モードであるベルトモードと、ギヤ機構を介して入力軸から出力軸に伝達する前進ギヤモード及び後進ギヤモードとを、複数の係合要素の係合及び解放によって、選択的に切り替え可能となっている。
また、無段変速機は、周知の如くプライマリプーリとセカンダリプーリとを備えている。この無段変速機の油圧制御装置には、プライマリプーリの可動シーブを移動させるためのプライマリ側油圧アクチュエータに供給する油圧を出力するプライマリソレノイドバルブと、セカンダリプーリの可動シーブを移動させるためのセカンダリ側油圧アクチュエータに供給する油圧を出力するセカンダリソレノイドバルブとが備えられている。
特許文献1に開示された車両用動力伝達装置においては、プライマリソレノイドバルブとプライマリ側油圧アクチュエータとに接続されるバルブを設け、さらに後進ギヤモード時に係合する係合要素に前記バルブを接続している。この構成により、後進ギヤモード時に係合する係合要素を係合するための制御バルブが故障した場合に、プライマリソレノイドバルブから出力される油圧を昇圧し、前記バルブを解放することによって、通常の後進ギヤモード(第1後進ギヤモード)とは異なる第2後進ギヤモードを形成して、走行不能となるのを回避している。
しかしながら、プライマリソレノイドバルブから出力される油圧が昇圧されることにより、プライマリ側油圧アクチェータによってプライマリプーリの可動シーブが変速比を小さくする方向に移動し、無段変速機の変速比が小さくなる。そのため、この状態で第2後進ギヤモードからベルトモードに切り替えられると、切り替え前後での変速比の差が大きいために変速ショックが生じるおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、第2後進ギヤモードから無段変速モードに切り替えたときに、変速ショックが生じるのを抑制できる車両用動力伝達装置の制御装置を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車両用動力伝達装置の制御装置は、入力軸と出力軸との間の動力伝達経路に、変速比を連続的に変化させる無段変速機と、前記無段変速機の最大変速比よりも大きな変速比を有するギヤ機構とが、並列に設けられ、前記入力軸から入力されたトルクを前記無段変速機を介して前記出力軸に伝達する無段変速モードと、前記入力軸から入力されたトルクを前記ギヤ機構を介して前記出力軸に伝達するギヤモードとを、複数の係合要素の係合及び解放の組み合わせによって、選択的に切り替え可能な車両用動力伝達装置の制御装置であって、第1ソレノイドと、前記第1ソレノイドに接続するプライマリシーブと、第1バルブと、前記第1バルブに接続する第1係合要素及び第1油圧供給手段と、第2バルブと、前記第2バルブを介して前記第1係合要素に接続する第2ソレノイドと、を備え、前記ギヤモードは、前記第2バルブが開弁され、前記第2ソレノイドと前記第1係合要素とが連通することによって形成される第1後進ギヤモードと、前記第1ソレノイドから出力された油圧によって、前記第1バルブが開弁され、前記第1係合要素と前記第1油圧供給手段とを連通することによって形成される第2後進ギヤモードと、を有し、前記第1後進ギヤモード中に前記第2ソレノイドが異常となった場合には、前記第2後進ギヤモードが形成され、前記第2後進ギヤモードにおいて、前記無段変速機の変速比が所定値未満の場合には、前記無段変速モードへの切り替えを禁止することを特徴とするものである。
また、上記の発明において、前記第1ソレノイド及び前記第1バルブに接続する第3バルブと、前記第3バルブに接続する第2油圧供給手段と、を備え、前記第2後進ギヤモードでは、前記第1ソレノイドから出力された油圧によって、前記第3バルブが開弁されることにより、前記第2油圧供給手段と前記第1バルブとを連通し、前記第2油圧供給手段から出力された油圧によって、前記第1バルブが開弁されるようにしてもよい。
本発明に係る車両用動力伝達装置の制御装置においては、第2後進ギヤモード中における無段変速機の変速比が小さい状態において、無段変速機の変速比が所定値未満の場合に、無段変速モードへの切り替えを禁止する。これにより、第2後進ギヤモードから無段変速モードに切り替えたときに、切り替え前後での変速比の差が大きくて、変速ショックが生じるのを抑制することができるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る車両用動力伝達装置の制御装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る動力伝達装置1を備えた車両の概略構成を示したスケルトン図である。動力伝達装置1は、駆動力源であるエンジン2からの動力を駆動輪7L,7Rに向けて伝達するものである。この動力伝達装置1は、トルクコンバータ3、前後進切換装置4、無段変速機5、ギヤ機構6、出力軸8、デファレンシャル装置9等を備えている。
動力伝達装置1には、ギヤの噛み合いにより動力伝達を行う第1動力伝達経路と、無段変速機5により動力伝達を行う第2動力伝達経路とが並列に設けられている。具体的に、第1動力伝達経路では、エンジン2から出力されたトルクがトルクコンバータ3を経由してタービン軸31に入力され、このトルクがタービン軸31から前後進切換装置4及びギヤ機構6を経由して出力軸8に伝達される。一方、第2動力伝達経路では、タービン軸31に入力されたトルクが無段変速機5を経由して出力軸8に伝達される。そして、車両の走行状態に応じて、動力伝達経路を第1動力伝達経路と第2動力伝達経路との間で切り替えるようになっている。
トルクコンバータ3は、エンジン2のクランク軸に連結されたポンプ翼車32、及び、タービン軸31を介して前後進切換装置4に連結されたタービン翼車33を備えている。また、ポンプ翼車32及びタービン翼車33の間にはロックアップクラッチ34が設けられている。そして、このロックアップクラッチ34が完全係合することによって、ポンプ翼車32とタービン翼車33とが一体回転する。
前後進切換装置4は、前進用クラッチC1、後進用ブレーキB1、ダブルピニオン型の遊星歯車装置41を備えている。遊星歯車装置41のキャリヤ42がタービン軸31及び無段変速機5の入力軸51に一体的に連結され、リングギヤ43が後進用ブレーキB1を介してハウジング11に選択的に連結され、サンギヤ44が小径ギヤ61に連結されている。また、サンギヤ44とキャリヤ42とは、前進用クラッチC1を介して選択的に連結される。前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合要素である。
ギヤ機構6は、小径ギヤ61と、この小径ギヤ61に噛み合い且つ第1カウンタ軸62に相対回転不能に設けられた大径ギヤ63とを備えている。第1カウンタ軸62と同じ回転軸心まわりには、アイドラギヤ64が第1カウンタ軸62に対して相対回転可能に設けられている。また、第1カウンタ軸62とアイドラギヤ64との間には、これらを選択的に断接するシンクロ機構S1が設けられている。このシンクロ機構S1は、第1カウンタ軸62に形成されている第1ギヤ65と、アイドラギヤ64に形成されている第2ギヤ66と、これら第1ギヤ65及び第2ギヤ66と噛合可能なスプライン歯が形成されたハブスリーブ67とを備えている。ハブスリーブ67がこれら第1ギヤ65及び第2ギヤ66と嵌合することで、第1カウンタ軸62とアイドラギヤ64とが接続される。
アイドラギヤ64は、そのアイドラギヤ64よりも大径の入力ギヤ68と噛み合わされている。この入力ギヤ68は、無段変速機5のセカンダリプーリ53の回転軸心と共通の回転軸心上に配置されている前記出力軸8に対して相対回転不能に設けられている。出力軸8は、前記回転軸心まわりに回転可能に配置されており、入力ギヤ68及び出力ギヤ81が相対回転不能に設けられている。前進用クラッチC1及びシンクロ機構S1が共に係合され、且つ、後述するベルト走行用クラッチC2が解放されることで、エンジン2のトルクが、タービン軸31、前後進切換装置4及びギヤ機構6を経由して出力軸8に伝達される第1動力伝達経路が形成される。
無段変速機5は、タービン軸31に連結された入力軸51と出力軸8との間の動力伝達経路上に設けられ、入力軸51に設けられた入力側部材であるプライマリプーリ52と、出力側部材であるセカンダリプーリ53と、プライマリプーリ52とセカンダリプーリ53との間に巻き掛けられた伝動ベルト54とを備えており、プライマリプーリ52及びセカンダリプーリ53と伝動ベルト54との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。
プライマリプーリ52は、入力軸51に固定された固定シーブ52aと、入力軸51に対して軸まわりの相対回転が不能且つ軸方向の移動が可能に設けられた可動シーブ52bと、それらの間のV溝幅を変更するために可動シーブ52bを移動させる推力を発生させるプライマリ側油圧アクチュエータ52cとを備えている。また、セカンダリプーリ53は、固定シーブ53aと、この固定シーブ53aに対して軸まわりの相対回転が不能且つ軸方向の移動が可能に設けられた可動シーブ53bと、それらの間のV溝幅を変更するために可動シーブ53bを移動させる推力を発生させるセカンダリ側油圧アクチュエータ53cとを備えて構成されている。そして、プライマリプーリ52及びセカンダリプーリ53のV溝幅が変化して伝動ベルト54の掛かり径(有効径)が変更されることにより変速比γ(=入力軸回転速度/出力軸回転速度)が連続的に変更可能となっている。
また、無段変速機5と出力軸8との間には、これらの間を選択的に断接するベルト走行用クラッチC2が設けられている。このベルト走行用クラッチC2は、油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合要素である。このベルト走行用クラッチC2が係合され、且つ前進用クラッチC1が解放されることで、エンジン2のトルクが、入力軸51及び無段変速機5を経由して出力軸8に伝達される第2動力伝達経路が形成される。
出力ギヤ81は、第2カウンタ軸91に固定されている大径ギヤ92と噛み合わされている。第2カウンタ軸91には、デファレンシャル装置9のデフリングギヤ93と噛み合う小径ギヤ94が設けられている。
第1動力伝達経路によってトルクが伝達されるギヤ走行時においては、前進用クラッチC1及びシンクロ機構S1が係合される一方、ベルト走行用クラッチC2及び後進用ブレーキB1が解放される。また、第2動力伝達経路によってトルクが伝達されるベルト走行時においては、ベルト走行用クラッチC2が係合される一方、前進用クラッチC1、後進用ブレーキB1及びシンクロ機構S1が解放される。なお、ギヤ機構6の変速比は、無段変速機5の最大変速比γmaxよりも大きい変速比に設定されている。
また、車両には、運転者が前進レンジ(Dレンジ)や後進レンジ(Rレンジ)などの走行レンジを選択操作可能なシフトレバー10が設けられている。ECU100は、演算処理を行うCPUや、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAMなどを備えており、例えば、走行レンジに応じて油圧制御装置20などの制御を実施する。
図2は、油圧制御装置20の要部の一例を示した図である。なお、図2は、後述するような後進レンジのフェールセーフ実施時における油圧制御装置20の状態を示している。また、本実施形態においては、各バルブにおける実際のスプールは1本であるが、スプール位置の切り換え位置あるいはコントロール位置を説明するため、図2中に示す右半分の状態を「右半位置」、左半分の状態「左半位置」という。
油圧制御装置20は、不図示のオイルポンプで発生された油圧を不図示のプライマリレギュレータバルブ及びセカンダリレギュレータバルブにより、スロットル開度に基づきライン圧PLに調圧する。図2に示すように、油圧制御装置20は、不図示のライン圧モジュレータバルブと、マニュアルバルブ21と、を有している。また、油圧制御装置20は、不図示のプライマソレノイドバルブと、プライマリ圧コントロールバルブ22と、不図示のセカンダリソレノイドバルブと、不図示のセカンダリ圧コントロールバルブとを有している。さらに、油圧制御装置20は、ソレノイドバルブSL1と、ソレノイドバルブSL2と、ソレノイドバルブSLGと、アキュムレータ23と、シーケンスバルブ24と、クラッチアプライコントロールバルブ25と、S1−B1アプライコントロールバルブ26とを有している。
なお、本実施形態においては、プライマリソレノイドバルブが、本発明の第1ソレノイドに相当する。また、ソレノイドバルブSLGが、本発明の第2ソレノイドに相当する。また、クラッチアプライコントロールバルブ25が、本発明の第1バルブ及び第2バルブに相当し両者を兼用している。なお、第1バルブと第2バルブとは、クラッチアプライコントロールバルブ25を兼用せず、別々のバルブであってもよい。また、後進用ブレーキB1が、本発明の第1係合要素に相当する。また、プライマリレギュレータバルブが、本発明の第1油圧供給手段及び第2油圧供給手段に相当し両者を兼用している。なお、第1油圧供給手段と第2油圧供給手段とは、プライマリレギュレータバルブを兼用せず、別々の油圧供給手段であってもよい。また、シーケンスバルブ24が、本発明の第3バルブに相当する。
油圧制御装置20は、油圧により作動され前進用クラッチC1を係脱可能な第1油圧サーボ201と、油圧により作動されベルト走行用クラッチC2を係脱可能な第2油圧サーボ202と、油圧により作動されシンクロ機構S1を係脱可能な第3油圧サーボ203と、油圧により作動され後進用ブレーキB1を係脱可能な第4油圧サーボ204とに接続されている。
ライン圧モジュレータバルブは、ライン圧PLを調圧して、ライン圧PLより低圧の一定圧であるモジュレータ圧(元圧)PLPMを生成する。
マニュアルバルブ21は、運転者によるシフトレバー10の操作により機械的あるいは電気的に移動されるスプール21pを備えている。また、マニュアルバルブ21は、モジュレータ圧PLPMが入力される入力ポートを備えている。さらに、マニュアルバルブ21は、スプール21pが前進レンジ位置の場合にモジュレータ圧PLPMを前進レンジ圧PDとして出力する出力ポートや、スプール21pが後進レンジ位置の場合にモジュレータ圧PLPMを後進レンジ圧PRとして出力する出力ポートなどを備えている。
プライマリソレノイドバルブは、モジュレータ圧PLPMが入力される入力ポートや、プライマリ圧コントロールバルブ22及びシーケンスバルブ24に連通される出力ポートなどを備えている。
プライマリ圧コントロールバルブ22は、左半位置(全開状態)と右半位置(全閉状態)とを切換自在なスプール22pを備えている。また、プライマリ圧コントロールバルブ22は、ライン圧PLを入力する入力ポートや、調圧後のプライマリシーブ圧Pinをプライマリ側油圧アクチュエータ52cに供給する出力ポートなどを備えている。そして、プライマリソレノイドバルブからプライマリ圧コントロールバルブ22にプライマリ制御圧PSLPを供給することによって、プライマリ圧コントロールバルブ22からプライマリ側油圧アクチュエータ52cに供給されるプライマリシーブ圧Pinが調圧される。
セカンダリソレノイドバルブは、モジュレータ圧PLPMが入力される入力ポートや、セカンダリ圧コントロールバルブに連通される出力ポートなどを備えている。
セカンダリ圧コントロールバルブは、全開状態と全閉状態とを切換自在なスプールを備えている。また、セカンダリ圧コントロールバルブは、ライン圧PLを入力する入力ポートや、調圧後のセカンダリシーブ圧をセカンダリ側油圧アクチュエータ53cに供給する出力ポートなどを備えている。そして、セカンダリソレノイドバルブからセカンダリ圧コントロールバルブに、セカンダリ制御圧PSLSを供給することによって、セカンダリ圧コントロールバルブからセカンダリ側油圧アクチュエータ53cに供給されるセカンダリシーブ圧が調圧される。
ソレノイドバルブSL1は、前進レンジ圧PDが入力される入力ポートや、クラッチアプライコントロールバルブ25に連通される出力ポートなどを備えている。ソレノイドバルブSL1は、入力ポートから入力される前進レンジ圧PDを自在に調圧制御し、第1油圧サーボ201に供給するための第1係合圧PSL1を生成して出力ポートから供給する。
ソレノイドバルブSL2は、前進レンジ圧PDが入力される入力ポートや、シーケンスバルブ24に連通される出力ポートなどを備えている。ソレノイドバルブSL2は、入力ポートから入力される前進レンジ圧PDを自在に調圧制御し、第2油圧サーボ202に供給するための第2係合圧PSL2を生成して出力ポートから供給する。
ソレノイドバルブSLGは、モジュレータ圧PLPMまたは後進レンジ圧PRが入力される入力ポートや、シーケンスバルブ24及びクラッチアプライコントロールバルブ25にそれぞれ連通される各出力ポートなどを備えている。ソレノイドバルブSLGは、入力ポートから入力されるモジュレータ圧PLPMまたは後進レンジ圧PRを自在に調圧制御し、第3油圧サーボ203または第4油圧サーボ204に供給するための第3係合圧PSLGを生成して出力ポートから供給する。
アキュムレータ23は、マニュアルバルブ21を前進レンジから他のレンジに切り換えて前進レンジ圧PDが無くなる際、一定時間の間、ソレノイドバルブSL1及びソレノイドバルブSL2に、前進レンジ圧PDに相当する油圧を供給し続けるようになっている。これにより、前進用クラッチC1及びベルト走行用クラッチC2に供給される油圧を徐々に減少させることができ、前進用クラッチC1及びベルト走行用クラッチC2を解放状態にする際に生じる衝撃を緩和するようになっている。
シーケンスバルブ24は、左半位置(通常状態)と右半位置(フェール状態)とを切換自在なスプール24pを備えている。また、シーケンスバルブ24は、モジュレータ圧PLPM、第2係合圧PSL2、第3係合圧PSLG及び前進レンジ圧PDを、それぞれ入力するための各入力ポートを備えている。さらに、シーケンスバルブ24は、クラッチアプライコントロールバルブ25、プライマリ圧コントロールバルブ22及び第2油圧サーボ202に、それぞれ連通する各出力ポートや、ドレーンポートなどを備えている。
クラッチアプライコントロールバルブ25は、左半位置(通常状態)と右半位置(フェール状態)とを切換自在なスプール25pを備えている。また、クラッチアプライコントロールバルブ25は、第1係合圧PSL1、第3係合圧PSLG及び後進レンジ圧PRを、それぞれ入力するための各入力ポートを備えている。さらに、クラッチアプライコントロールバルブ25は、第1油圧サーボ201及びS1−B1アプライコントロールバルブ26に、それぞれ連通する各出力ポートや、ドレーンポートなどを備えている。
S1−B1アプライコントロールバルブ26は、左半位置(B1制御状態)と右半位置(S1制御状態)とを切換自在なスプール26pを備えている。なお、B1制御状態とは、後進レンジ時に後進用ブレーキB1を制御する状態であり、S1制御状態は、前進レンジ時にシンクロ機構S1を制御する状態である。また、S1−B1アプライコントロールバルブ26は、第3係合圧PSLG、モジュレータ圧PLPM及び後進レンジ圧PRを、それぞれ入力するための各入力ポートを備えている。さらに、S1−B1アプライコントロールバルブ26は、第4油圧サーボ204、第3油圧サーボ203及びソレノイドバルブSLGに、それぞれ連通される各出力ポートなどを備えている。
次に、油圧制御装置20による供給圧切換動作について説明する。また、表2に供給圧切換表の一例を示す。なお、表1中の括弧書きの圧力は元圧を示している。
エンジンの駆動後、ライン圧PLが生成されると、ライン圧モジュレータバルブにおいてモジュレータ圧PLPMが生成される。モジュレータ圧PLPMによって、シーケンスバルブ24が通常状態に切り換えられる。また、モジュレータ圧PLPMがシーケンスバルブ24を介してクラッチアプライコントロールバルブ25に供給され、クラッチアプライコントロールバルブ25を通常状態に切り換える。これにより、フェールの発生していない通常走行時では、シーケンスバルブ24及びクラッチアプライコントロールバルブ25が通常状態である。
車両の低速前進時には前進ギヤモードになる。この場合、ECU100によって、前進用クラッチC1及びシンクロ機構S1のみが係合されるように制御される。まず、マニュアルバルブ21から前進レンジ圧PDが出力され、前進レンジ圧PDを元圧としてソレノイドバルブSL1から第1係合圧PSL1が出力される。出力された第1係合圧PSL1は、クラッチアプライコントロールバルブ25を介して第1油圧サーボ201に供給される。これにより、前進用クラッチC1が係合可能になる。
ここで、マニュアルバルブ21からは後進レンジ圧PRは出力されていないので、S1−B1アプライコントロールバルブ26はS1制御状態である。そして、モジュレータ圧PLPMがS1−B1アプライコントロールバルブ26を介してソレノイドバルブSLGに元圧として供給され、ソレノイドバルブSLGから第3係合圧PSLGが出力される。出力された第3係合圧PSLGは、クラッチアプライコントロールバルブ25及びS1−B1アプライコントロールバルブ26を介して第3油圧サーボ203に供給される。これにより、シンクロ機構S1が係合可能になる。
車両の中高速前進時には前進ベルトモードになる。この場合、ECU100によって、ベルト走行用クラッチC2及び車速によってシンクロ機構S1のみが係合されるように制御される。前進レンジ圧PDを元圧としてソレノイドバルブSL2から第2係合圧PSL2が出力される。出力された第2係合圧PSL2は、シーケンスバルブ24を介して第2油圧サーボ202に供給される。これにより、ベルト走行用クラッチC2が係合可能になる。
車両の後進時には後進ギヤモードになる。この場合、ECU100によって、後進用ブレーキB1及びシンクロ機構S1のみが係合されるように制御される。まず、マニュアルバルブ21から後進レンジ圧PRが出力されることで、S1−B1アプライコントロールバルブ26はB1制御状態に切り換わる。そして、後進レンジ圧PRがS1−B1アプライコントロールバルブ26を介してソレノイドバルブSLGに元圧として供給され、ソレノイドバルブSLGから第3係合圧PSLGが出力される。出力された第3係合圧PSLGは、クラッチアプライコントロールバルブ25及びS1−B1アプライコントロールバルブ26を介して第4油圧サーボ204に供給される。これにより、後進用ブレーキB1が係合可能になる。また、モジュレータ圧PLPMが、S1−B1アプライコントロールバルブ26を介して第3油圧サーボ203に供給される。これにより、シンクロ機構S1が係合可能になる。
次に、後進レンジ時にソレノイドバルブSLGがオフフェールを発生した場合でのフェールセーフについて説明する。後進レンジ時にソレノイドバルブSLGがオフフェールを発生した場合には、そのままであると、ソレノイドバルブSLGから第3係合圧PSLGが出力されなくなり、後進用ブレーキB1が解放されてニュートラル状態になってしまう。そこで、ECU100は、ソレノイドバルブSLGのオフフェールを検知した場合に、図2に示すように、プライマリソレノイドバルブから最大のプライマリ制御圧PSLPを出力し、シーケンスバルブ24をフェール状態に切り換える。これにより、モジュレータ圧PLPMが供給されていたクラッチアプライコントロールバルブ25はドレーンされ、後進レンジ圧PRがクラッチアプライコントロールバルブ25に供給されて、クラッチアプライコントロールバルブ25がフェール状態に切り換えられる。このため、後進レンジ圧PRが、クラッチアプライコントロールバルブ25及びS1−B1アプライコントロールバルブ26を介して、後進用ブレーキB1に供給される。また、モジュレータ圧PLPMは、S1−B1アプライコントロールバルブ26を介してシンクロ機構S1に供給される。これにより、通常の後進ギヤモード(第1後進ギヤモード)とは異なる第2後進ギヤモードを形成して、後進レンジ時の走行不能を回避することができる。
図3は、第2後進ギヤモードを形成し、その後、後進レンジから前進レンジへのシフト操作を行う場合における動力伝達装置の制御の一例を示したフローチャートである。なお、ソレノイドバルブSLGがオフフェールすると、前進レンジではシンクロ機構S1が係合できず、前進用クラッチC1とシンクロ機構S1とを係合させる前進ギヤモードにすることができない。そのため、リンプフォームとしては、ベルト走行用クラッチC2を係合して、前進ベルトモードにする。
まず、シーケンスバルブ24を通常状態で車両が走行しているときに(ステップST1)、後進レンジでの車両の走行が不能となるソレノイドバルブSLGの故障(オフフェール)が発生した場合(ステップST2)、ECU100は、動力伝達装置の変速段が後進レンジであるかを判断する(ステップST3)。ECU100は、後進レンジでないと判断したら(ステップST3でNO)、シーケンスバルブ24を通常状態のままにしておく。一方、ECU100は、後進レンジであると判断したら(ステップST3でYES)、プライマリソレノイドバルブから出力するプライマリ制御圧PSLPを昇圧して、シーケンスバルブ24をフェール状態に切り替える(ステップST4)。これにより、第2後進ギヤモードを形成して、後進レンジ時の走行不能を回避する。
その後、ECU100は、後進レンジから前進レンジへのシフト操作が行われたかを判断する(ステップST5)。ECU100は、後進レンジから前進レンジへのシフト操作が行われていないと判断したら(ステップST5でNO)、シーケンスバルブ24をフェール状態のままにしておく。一方、ECU100は、後進レンジから前進レンジへのシフト操作が行われたと判断したら(ステップST5でYES)、無段変速機5の変速比γが予め設定された所定値以上であるかを判断する(ステップST6)。ECU100は、無段変速機5の変速比γが予め設定された所定値以上でないと判断したら(ステップST6でNO)、第2後進ギヤモードから前進ベルトモードへの切り替えを禁止して、無段変速機5の変速比γを最大変速比γmaxに戻す制御を実施する(ステップST7)。そして、ECU100は、再度、ステップST6の処理を実行する。一方、ECU100は、無段変速機5の変速比γが予め設定された所定値以上であると判断したら(ステップST6でYES)、後進用ブレーキB1を解放して、ベルト走行用クラッチC2を係合するベルト走行用クラッチ係合制御を実施する(ステップST8)。これにより、後進レンジから前進レンジへのシフト操作を行って、動力伝達装置1を第2後進ギヤモードから前進ベルトモードに切り替えるときに、ギヤ機構6と無段変速機5との変速比の差を小さくすることができ、変速ショックが生じるのを抑制することができる。
なお、図3に示したフローチャートでは、無段変速機5の変速比γが所定値以上でないときに、動力伝達装置1の第2後進ギヤモードから前進ベルトモードへの切り替えを禁止したが、前進ベルトモードへの前段階である前進用クラッチC1の係合を禁止してもよい。
1 動力伝達装置
2 エンジン
3 トルクコンバータ
4 前後進切換装置
5 無段変速機
6 ギヤ機構
7L,7R 駆動輪
8 出力軸
9 デファレンシャル装置
10 シフトレバー
20 油圧制御装置
21 マニュアルバルブ
22 プライマリ圧コントロールバルブ
23 アキュムレータ
24 シーケンスバルブ
25 クラッチアプライコントロールバルブ
26 S1−B1アプライコントロールバルブ
201 第1油圧サーボ
202 第2油圧サーボ
203 第3油圧サーボ
204 第4油圧サーボ
100 ECU
SL1,SL2,SLG ソレノイドバルブ
2 エンジン
3 トルクコンバータ
4 前後進切換装置
5 無段変速機
6 ギヤ機構
7L,7R 駆動輪
8 出力軸
9 デファレンシャル装置
10 シフトレバー
20 油圧制御装置
21 マニュアルバルブ
22 プライマリ圧コントロールバルブ
23 アキュムレータ
24 シーケンスバルブ
25 クラッチアプライコントロールバルブ
26 S1−B1アプライコントロールバルブ
201 第1油圧サーボ
202 第2油圧サーボ
203 第3油圧サーボ
204 第4油圧サーボ
100 ECU
SL1,SL2,SLG ソレノイドバルブ
Claims (2)
- 入力軸と出力軸との間の動力伝達経路に、変速比を連続的に変化させる無段変速機と、前記無段変速機の最大変速比よりも大きな変速比を有するギヤ機構とが、並列に設けられ、
前記入力軸から入力されたトルクを前記無段変速機を介して前記出力軸に伝達する無段変速モードと、前記入力軸から入力されたトルクを前記ギヤ機構を介して前記出力軸に伝達するギヤモードとを、複数の係合要素の係合及び解放の組み合わせによって、選択的に切り替え可能な車両用動力伝達装置の制御装置であって、
第1ソレノイドと、
前記第1ソレノイドに接続するプライマリシーブと、
第1バルブと、
前記第1バルブに接続する第1係合要素及び第1油圧供給手段と、
第2バルブと、
前記第2バルブを介して前記第1係合要素に接続する第2ソレノイドと、を備え、
前記ギヤモードは、
前記第2バルブが開弁され、前記第2ソレノイドと前記第1係合要素とが連通することによって形成される第1後進ギヤモードと、
前記第1ソレノイドから出力された油圧によって、前記第1バルブが開弁され、前記第1係合要素と前記第1油圧供給手段とを連通することによって形成される第2後進ギヤモードと、を有し、
前記第1後進ギヤモード中に前記第2ソレノイドが異常となった場合には、前記第2後進ギヤモードが形成され、
前記第2後進ギヤモードにおいて、前記無段変速機の変速比が所定値未満の場合には、前記無段変速モードへの切り替えを禁止することを特徴とする車両用動力伝達装置の制御装置。 - 前記第1ソレノイド及び前記第1バルブに接続する第3バルブと、
前記第3バルブに接続する第2油圧供給手段と、
を備え、
前記第2後進ギヤモードでは、前記第1ソレノイドから出力された油圧によって、前記第3バルブが開弁されることにより、前記第2油圧供給手段と前記第1バルブとを連通し、前記第2油圧供給手段から出力された油圧によって、前記第1バルブが開弁されることを特徴とする請求項1に記載の車両用動力伝達装置の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017175661A JP2019052659A (ja) | 2017-09-13 | 2017-09-13 | 車両用動力伝達装置の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017175661A JP2019052659A (ja) | 2017-09-13 | 2017-09-13 | 車両用動力伝達装置の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019052659A true JP2019052659A (ja) | 2019-04-04 |
Family
ID=66014609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017175661A Pending JP2019052659A (ja) | 2017-09-13 | 2017-09-13 | 車両用動力伝達装置の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019052659A (ja) |
-
2017
- 2017-09-13 JP JP2017175661A patent/JP2019052659A/ja active Pending
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