JP2016023801A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置 Download PDF

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土田 建一
Kenichi Tsuchida
建一 土田
林 利明
Toshiaki Hayashi
利明 林
雅史 高巣
Masafumi Takasu
雅史 高巣
祐太 芹口
Yuta Seriguchi
祐太 芹口
昌士 滝沢
Masashi Takizawa
昌士 滝沢
貴文 稲垣
Takafumi Inagaki
貴文 稲垣
吉伸 曽我
Yoshinobu Soga
吉伸 曽我
修司 森山
Shuji Moriyama
修司 森山
嘉博 水野
Yoshihiro Mizuno
嘉博 水野
啓允 二谷
Hiromitsu Nitani
啓允 二谷
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Abstract

【課題】係合圧を供給するソレノイドバルブを利用することなく、係合要素のドレーン速度を遅延可能な自動変速機の油圧制御装置を提供する。【解決手段】前進レンジ圧PD又は後進レンジ圧PRを調圧して、第2のクラッチC2の油圧サーボ92に対して係合圧PSL2を供給可能なリニアソレノイドバルブSL2と、係合圧PSL2を油圧サーボ92に供給可能にする左半位置と、油圧サーボ92の油圧をドレーンポート27jからドレーン可能にする右半位置と、に切換可能な第1の切換え部271と、ドレーンポート27jに接続され、右半位置における油圧サーボ92からのドレーン速度を遅延させるオリフィス96と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば車両に搭載される複数の係合要素を備えた自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは、係合要素のドレーン速度を遅延可能な自動変速機の油圧制御装置に関する。
従来、例えば、車両に用いて好適な自動変速機として、1対のプーリとこれらプーリに巻掛けられる金属製ベルト(又はチェーン)を備え、プーリの有効径を変更することにより無段に変速するベルト式無段変速機構を用いた自動変速機が普及している。また、ベルト式無段変速機構以外にも、トロイダル式無段変速機構やコーンリング式無段変速機構等を用いた自動変速機が知られている。
更に、これらの自動変速機において、入力軸と出力軸とを前後進切換え装置を介して連結する第1の動力伝達経路と、入力軸と出力軸とを無段変速機構を介して連結する第2の動力伝達経路との並行する2本の動力伝達経路を有する自動変速機が開発されている(特許文献1参照)。この自動変速機では、前後進切換え装置は前進時にのみ係合する第1のクラッチと後進時にのみ係合する第1のブレーキとを有しており、第1の動力伝達経路にはシンクロメッシュ機構(以下、シンクロ機構という)が介在され、第2の動力伝達経路には第2のクラッチが介在されている。これら第1のクラッチ、第2のクラッチ、シンクロ機構、第1のブレーキは、いずれもリニアソレノイドバルブ等のソレノイドバルブからの係合圧により係合されるようになっている。
また、例えば、第1のクラッチを係合して非無段モードで前進走行している際に、更に加速をして無段モードで前進走行するためには、第1のクラッチから第2のクラッチに掴み換えをする。この場合、変速を円滑に行うために、後から係合する第2のクラッチの係合に合わせて、先に係合されている第1のクラッチを十分な時間を掛けてドレーンして解放するために、リニアソレノイドバルブでドレーン速度を遅延することがある。リニアソレノイドバルブの元圧は、通常はライン圧やモジュレータ圧等、常時供給される油圧であるので、必要に応じてドレーン速度の遅延を実行可能になっている。
国際公開公報WO2013/176208号
しかしながら、特許文献1に記載した自動変速機において、リニアソレノイドバルブの元圧として走行レンジに応じた走行レンジ圧を使用することが考えられる。リニアソレノイドバルブの元圧が走行レンジ圧であると、例えば、シフトポジションがN(ニュートラル)ポジションやP(パーキング)ポジションである場合に、走行レンジ圧が供給されないことから、リニアソレノイドバルブからドレーンする際にドレーン油圧が素早く抜けてしまい、リニアソレノイドバルブによるドレーン速度の遅延ができなくなってしまう。ドレーン速度の遅延ができないと、例えば、第1のクラッチと第2のクラッチとの掴み換えの際に変速が円滑に行われずに、ショックを発生してしまう虞がある。
そこで、係合圧を供給するソレノイドバルブを利用することなく、係合要素のドレーン速度を遅延可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
本開示に係る自動変速機(10)の油圧制御装置(12)は(例えば図1及び図3参照)、車両(1)の駆動源に駆動連結される入力軸(2)と、
車輪に駆動連結される駆動軸(60)と、
前記入力軸(2)と前記駆動軸(60)との変速比を変更可能な変速機構(4)と、
前記入力軸(2)から前記駆動軸(60)までの動力伝達経路(a1,a2)に配置され、係脱により前記動力伝達経路(a1,a2)を接離可能な複数の係合要素(C2,B1,C1,S1)と、を備える自動変速機(10)の油圧制御装置(12)において、
前記車両(1)の走行レンジに応じた走行レンジ圧(PD,PR)を供給するレンジ圧供給部(21)と、
前記走行レンジ圧(PD,PR)を調圧して、前記複数の係合要素(C2,B1,C1,S1)のうちの第1の係合要素(C2)の油圧サーボ(92)に対して係合圧(PSL2)を供給可能なソレノイドバルブ(SL2)と、
前記ソレノイドバルブ(SL2)と前記第1の係合要素(C2)の油圧サーボ(92)とを接続する油路(e1,f1,f2)に介在され、前記ソレノイドバルブ(SL2)からの係合圧(PSL2)を前記第1の係合要素(C2)の油圧サーボ(92)に供給可能にする第1の状態と、前記第1の係合要素(C2)の油圧サーボ(92)の油圧をドレーンポート(27j)からドレーン可能にする第2の状態と、に切換可能な第1の切換え部(271)と、
前記第1の切換え部(271)の前記ドレーンポート(27j)に接続され、前記第2の状態における前記第1の係合要素(C2)の油圧サーボ(92)からのドレーン速度を遅延させる遅延部(96)と、を備えることを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
本自動変速機の油圧制御装置によると、第1の係合要素の油圧サーボの油圧をドレーンポートからドレーンする際に第1の係合要素の油圧サーボからのドレーン速度を遅延させる遅延部を備えているので、第1の係合要素の油圧サーボに係合圧を供給するソレノイドバルブを利用することなく、ドレーン速度を遅延することができるようになる。
実施の形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。 実施の形態に係る自動変速機の説明図であり、(a)は第1のブレーキの断面図、(b)は第2のクラッチの断面図、(c)は係合表。 実施の形態に係る油圧制御装置を示すブロック図。
以下、実施の形態に係る自動変速機10の油圧制御装置12を、図1乃至図3に沿って説明する。尚、本明細書中で駆動連結とは、互いの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、それら回転要素が一体的に回転するように連結された状態、あるいはそれら回転要素がクラッチ等を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いる。
本実施の形態の自動変速機10を備える車両1の概略構成について図1に沿って説明する。車両1は、自動変速機10と、制御装置(ECU)11と、油圧制御装置12とを備えている。
自動変速機10は、不図示のトルクコンバータと、入力軸2を有する前後進切換え装置3と、無段変速機構(変速機構)4と、減速ギヤ機構5と、駆動軸60を有する出力ギヤ部6と、カウンタシャフト部7と、ディファレンシャル装置8と、これらを収容するミッションケース9とを備えている。また、自動変速機10には、前後進切換え装置3の入力軸2と出力ギヤ部6の駆動軸60とを前後進切換え装置3を介して連結する第1の動力伝達経路(動力伝達経路)a1と、入力軸2と駆動軸60とを無段変速機構4を介して連結する第2の動力伝達経路(動力伝達経路)a2とが形成されている。また、自動変速機10は、第1軸AX1〜第5軸AX5までの互いに平行な軸を備えている。更に、自動変速機10は、入力軸2から駆動軸60までの各動力伝達経路a1,a2に配置され、係脱により各動力伝達経路a1,a2を接離可能な複数の係合要素である第1のクラッチ(前進用係合要素)C1、第2のクラッチ(第1の係合要素)C2、第1のブレーキ(第2の係合要素、後進用係合要素)B1、シンクロ機構(シンクロメッシュ機構)S1を備えている。
第1軸AX1は、不図示の内燃エンジン(駆動源)のクランク軸と同軸になっている。この第1軸AX1上には、クランク軸に連結される自動変速機10の入力軸、トルクコンバータ、前後進切換え装置3及び無段変速機構4の入力軸2、前後進切換え装置3のプラネタリギヤDP、第1のクラッチC1、第1のブレーキB1、無段変速機構4のプライマリプーリ41が配置されている。
第2軸AX2上には、減速ギヤ機構5が配置されている。第3軸AX3上には、無段変速機構4のセカンダリプーリ42、第2のクラッチC2、出力ギヤ部6が配置されている。第4軸AX4上には、カウンタシャフト部7が配置されている。第5軸AX5上には、ディファレンシャル装置8、左右のドライブシャフト81L,81Rが配置されている。
クランク軸に連結される自動変速機10の入力軸は、トルクコンバータを介して前後進切換え装置3及び無段変速機構4の入力軸2に連結されている。前後進切換え装置3は、プラネタリギヤDPと、第1のブレーキB1と、第1のクラッチC1とを備え、車両1の走行方向により回転方向を切り換えて伝達するようになっている。入力軸2は、プラネタリギヤDPの内周側を通って無段変速機構4のプライマリプーリ41に接続されていると共に、プラネタリギヤDPのキャリヤCRに接続されている。プラネタリギヤDPは、サンギヤS、リングギヤR、サンギヤSに噛合するピニオンP1及びリングギヤRに噛合するピニオンP2を回転自在に支持するキャリヤCRを有している所謂ダブルピニオンプラネタリギヤで構成されている。このうちのリングギヤRは、第1のブレーキB1によりミッションケース9に対して回転を係止自在となるように構成されている。また、サンギヤSは中空軸30に直接的に連結され、キャリヤCRは第1のクラッチC1を介して中空軸30に接続され、中空軸30は正逆回転出力ギヤ31に連結されている。尚、中空軸30は、第1のクラッチC1のクラッチドラム32にも連結されており、これら正逆回転出力ギヤ31と、中空軸30と、クラッチドラム32とが一体となって回転部材を構成している。
第1のブレーキB1は、図2(a)に示すように、複数の外摩擦板100と、複数の内摩擦板101と、エンドプレート102と、クッションプレート103と、油圧サーボ94(図3参照)と、を備えている。外摩擦板100は、ミッションケース(外周側部材)9の内周面に形成されたスプライン9aにスプライン係合されている。内摩擦板101は、リングギヤRの外周部に固定された内周側部材104の外周面に形成されたスプライン104aにスプライン係合されている。外摩擦板100と内摩擦板101とは、軸方向に互い違いに配置され、互いに接触自在に設けられている。エンドプレート102は、外摩擦板100及び内摩擦板101の軸方向一方側に配置され、ここではミッションケース9のスプライン9aに固定され、外摩擦板100及び内摩擦板101の軸方向一方側への移動を規制している。クッションプレート103は、外摩擦板100及び内摩擦板101の軸方向一方側に配置され、弾性変形により軸方向への外力を吸収するようになっている。油圧サーボ94は、軸方向に移動可能なピストン94aを備え、ピストン94aは、エンドプレート102との間に、外摩擦板100及び内摩擦板101とクッションプレート103とを挟み込んで押圧することにより、第1のブレーキB1を係合するようになっている。
図1に示すように、第1のクラッチC1は、係合時に車両1の前進方向の回転を伝達させる経路を形成するようになっており、第1のブレーキB1は、係合時に車両1の後進方向の回転を伝達させる経路を形成するようになっている。正逆回転出力ギヤ31は、減速ギヤ機構5の入力ギヤ51に噛合している。
減速ギヤ機構5は、第2軸AX2上に配置される第1の回転軸50と、第1の回転軸50に設けられる入力ギヤ51と、第1の回転軸50に設けられ第1の動力伝達経路a1に介在されるシンクロ機構S1と、第1の回転軸50に対して相対回転可能な中空軸からなる第2の回転軸53及び出力ギヤ56とを備えている。入力ギヤ51は、第1の回転軸50の一方側に一体的に固定され連結されている。第2の回転軸53は、第1の回転軸50の他方側の外周側に、例えばニードルベアリング(不図示)により相対回転自在に支持されている。即ち、第2の回転軸53は、第1の回転軸50と軸方向に重なる二重軸として配置されている。第2の回転軸53には、出力ギヤ56が一体的に固定されて連結されている。出力ギヤ56は、出力ギヤ部6の入力ギヤ61に噛合されている。
シンクロ機構S1は、ドライブギヤ52と、ドリブンギヤ55と、不図示のシンクロナイザと、スリーブ57と、不図示のシフトフォークとを備えており、第1の回転軸50と第2の回転軸53とを係脱可能になっている。
ドライブギヤ52は、入力ギヤ51よりも小径で、第1の回転軸50の一方側に一体的に固定されて連結されている。ドリブンギヤ55は、ドライブギヤ52と同径、かつ出力ギヤ56よりも小径で、第2の回転軸53に一体的に固定されて連結されている。シンクロナイザは、ドリブンギヤ55のドライブギヤ52側に配設されている。
スリーブ57は、内周面に歯面が形成され、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55との外周側に軸方向に移動可能に配設されている。スリーブ57は、後述する油圧サーボ93(図3参照)により駆動されるシフトフォークにより軸方向に移動駆動されることで、ドライブギヤ52だけに噛合する位置と、ドライブギヤ52及びドリブンギヤ55に跨って両方に噛合する位置とにスライド駆動される。これにより、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55とは、解放状態(切離し状態)又は係合状態(駆動連結状態)に切換自在にされる。
無段変速機構4は、変速比を連続的に変更可能であり、本実施の形態ではベルト式無段自動変速機構を適用している。但し、これには限られず、無段変速機構4として、例えばトロイダル式無段変速機構やコーンリング式無段変速機構等を適用してもよい。無段変速機構4は、入力軸2に接続されたプライマリプーリ41と、セカンダリプーリ42と、該プライマリプーリ41及び該セカンダリプーリ42に巻き掛けられた無端状のベルト43とを備えて構成されている。プライマリプーリ41は、それぞれが対向する円錐状に形成された壁面を有し、入力軸2に対して軸方向移動不能に固定された固定シーブ41aと、入力軸2に対して軸方向移動可能に支持された可動シーブ41bとを有しており、これら固定シーブ41aと可動シーブ41bとによって形成された断面V字状となる溝部によりベルト43を挟持している。
同様に、セカンダリプーリ42は、それぞれが対向する円錐状に形成された壁面を有し、中心軸44に対して軸方向移動不能に固定された固定シーブ42aと、中心軸44に対して軸方向移動可能に支持された可動シーブ42bとを有しており、これら固定シーブ42aと可動シーブ42bとによって形成された断面V字状となる溝部によりベルト43を挟持している。これらプライマリプーリ41の固定シーブ41aとセカンダリプーリ42の固定シーブ42aとは、ベルト43に対して軸方向反対側となるように配置されている。
また、プライマリプーリ41の可動シーブ41bの背面側には、油圧サーボ45が配置されており、セカンダリプーリ42の可動シーブ42bの背面側には、油圧サーボ46が配置されている。油圧サーボ45には、油圧制御装置12の不図示のプライマリ圧コントロールバルブからプライマリ圧が作動油圧として供給され、油圧サーボ46には、油圧制御装置12の不図示のセカンダリ圧コントロールバルブからセカンダリ圧が作動油圧として供給されるようになっている。そして、これら油圧サーボ45,46は、各作動油圧が供給されることにより負荷トルクに対応するベルト挟圧力を発生させると共に、変速比を変更又は固定するための挟圧力を発生させるように構成されている。
セカンダリプーリ42の可動シーブ42bの出力軸47は、第2のクラッチC2を介して、出力ギヤ部6の駆動軸60に接続されている。即ち、第2のクラッチC2は、第2の動力伝達経路a2に介在されている。
第2のクラッチC2は、図2(b)に示すように、複数の外摩擦板105と、複数の内摩擦板106と、エンドプレート107と、油圧サーボ92(図3参照)と、を備えている。外摩擦板105は、出力軸47と一体回転する外周側部材108の内周面に形成されたスプライン108aにスプライン係合されている。内摩擦板106は、駆動軸60と一体回転する内周側部材109の外周面に形成されたスプライン109aにスプライン係合されている。外摩擦板105と内摩擦板106とは、軸方向に互い違いに配置され、互いに接触自在に設けられている。エンドプレート107は、外摩擦板105及び内摩擦板106の軸方向一方側に配置され、ここでは外周側部材108のスプライン108aに固定され、外摩擦板105及び内摩擦板106の軸方向一方側への移動を規制している。油圧サーボ92は、軸方向に移動可能なピストン92aを備え、ピストン92aは、エンドプレート107との間に、外摩擦板105及び内摩擦板106を挟み込んで押圧することにより、第2のクラッチC2を係合するようになっている。
図1に示すように、出力ギヤ部6は、駆動軸60と、該駆動軸60の一端側に固定されて連結された入力ギヤ61と、該駆動軸60の他端側に固定されて連結されたカウンタギヤ62と、を有して構成されており、カウンタギヤ62は、カウンタシャフト部7のドライブギヤ71に噛合されている。
カウンタシャフト部7は、カウンタシャフト70と、該カウンタシャフト70に固定されて連結されたドライブギヤ71と、カウンタシャフト70に固定されて連結されたドリブンギヤ72と、を有して構成されており、ドリブンギヤ72は、ディファレンシャル装置8のデフリングギヤ80に噛合されている。
ディファレンシャル装置8は、デフリングギヤ80の回転をそれぞれ左右ドライブシャフト81L,81Rにそれらの差回転を吸収しつつ伝達するように構成されており、左右ドライブシャフト81L,81Rは、それぞれ不図示の左右車輪に連結されている。尚、デフリングギヤ80がドリブンギヤ72に噛合し、ドライブギヤ71がカウンタギヤ62に噛合していることから、出力ギヤ部6の駆動軸60、カウンタシャフト部7のカウンタシャフト70、ディファレンシャル装置8は、左右ドライブシャフト81L,81Rを介して車輪と駆動連結されており、常に車輪に連動していることになる。
ECU11は、例えば、CPUと、処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートとを備えており、油圧制御装置12への制御信号等、各種の信号を出力ポートから出力するようになっている。尚、車両1には運転者が走行レンジを選択操作可能なシフトレバー13と、シフトレバー13のシフトポジションを検出するシフトポジション検出部14とが設けられており、シフトポジション検出部14はECU11に入力ポートを介して接続されている。
以上のように構成された自動変速機10は、図1のスケルトン図に示す第1のクラッチC1、第2のクラッチC2、シンクロ機構S1及び第1のブレーキB1が、図2(c)の係合表に示す組み合わせで係脱されることにより、前進の非無段モード(第1のモード)、前進の無段モード(第2のモード)、後進の非無段モードが達成される。尚、本実施形態では、第1のモードである非無段モードは、駆動力を第1の動力伝達経路a1により回転伝達する前進1速段又は後進1速段を意味しているが、これには限られず、多段変速であってもよい。また、本実施形態では、第2のモードである無段モードは、駆動力を第2の動力伝達経路a2により回転伝達する前進無段変速を意味している。
油圧制御装置12は、不図示のオイルポンプで発生された油圧をプライマリレギュレータバルブ及びセカンダリレギュレータバルブにより、スロットル開度に基づきライン圧PL及びセカンダリ圧に調圧するようになっている。図3に示すように、油圧制御装置12は、ライン圧モジュレータバルブ20と、マニュアルバルブ(レンジ圧供給部)21と、リニアソレノイドバルブSL1と、リニアソレノイドバルブSL1に接続されるアキュムレータ22及びチェックバルブ23と、リニアソレノイドバルブ(ソレノイドバルブ)SL2と、クラッチアプライコントロールバルブ26と、切換えバルブ27と、切換えバルブ27に接続されるチェックバルブ28,29と、リニアソレノイドバルブSLG等を備えている。
油圧制御装置12は、油圧により作動され第1のクラッチC1を係脱可能な油圧サーボ91と、油圧により作動され第2のクラッチC2を係脱可能な油圧サーボ92と、油圧により作動されシンクロ機構S1を係脱可能な油圧サーボ93と、油圧により作動され第1のブレーキB1を係脱可能な油圧サーボ94とに接続されている。
これにより、油圧制御装置12は、ECU11の指令により、係合圧を給排することで無段変速機構4の変速や、第1のクラッチC1、第2のクラッチC2、第1のブレーキB1、シンクロ機構S1の係脱等の制御を行うようになっている。即ち、本実施の形態の油圧制御装置12によれば、リニアソレノイドバルブSL1、リニアソレノイドバルブSL2、リニアソレノイドバルブSLGの3つのリニアソレノイドバルブを利用することにより、第1のクラッチC1、第2のクラッチC2、第1のブレーキB1、シンクロ機構S1の4つの係合要素の係脱を実現するようになっている。
ライン圧モジュレータバルブ20は、ライン圧PLを調圧して、ライン圧PLより低圧の一定圧であるモジュレータ圧PLPM2を生成するようになっている。
マニュアルバルブ21は、シフトレバー13(図1参照)の操作により機械的あるいは電気的に移動されるスプール21pと、モジュレータ圧PLPM2が入力される入力ポート21aと、スプール21pがD(ドライブ)レンジ位置の場合にモジュレータ圧PLPM2を前進レンジ圧PDとして出力する出力ポート21bと、スプール21pがR(リバース)レンジ位置の場合にモジュレータ圧PLPM2を後進レンジ圧(信号圧)PRとして出力する出力ポート21cと、を備えている。即ち、前進レンジ圧PDは、走行レンジが前進レンジである場合にマニュアルバルブ21から供給され、後進レンジ圧PRは、走行レンジが後進レンジである場合にマニュアルバルブ21から供給されるようになっている。
リニアソレノイドバルブSL1は、油路b1を介して前進レンジ圧PDが入力される入力ポートSL1aと、後述するクラッチアプライコントロールバルブ26の第1の作動油室26a及び第1の入力ポート26cに連通される出力ポートSL1bとを備え、入力される前進レンジ圧PDを自在に調圧制御し、油圧サーボ91に供給するための係合圧PSL1を生成して出力ポートSL1bから供給するようになっている。
アキュムレータ22は、可動部材22pと、該可動部材22pを押圧する圧縮コイルばねから成るスプリング22sと、可動部材22pをスプリング22sに抗して押し込んで蓄圧するための蓄圧油室22aと、を備えている。蓄圧油室22aは、前進レンジ圧PDを蓄圧可能になっている。アキュムレータ22は、マニュアルバルブ21の切換時に前進レンジ圧PDが無くなる際に、一定時間の間、リニアソレノイドバルブSL1に前進レンジ圧PDに相当する油圧を供給し続けるようになっており、ガレージ抜け制御をリニアソレノイドバルブSL1にて行うようになっている。
チェックバルブ23は、油路b1に配設され、前進レンジ圧PDが供給される入力ポート23aと、アキュムレータ22の蓄圧油室22a及びリニアソレノイドバルブSL1の入力ポートSL1aに連通する出力ポート23bと、入力ポート23a及び出力ポート23bの連通及び遮断を切換可能な封止部材23pと、不図示のスプリングと、を備えている。スプリングは、入力ポート23a及び出力ポート23bを遮断するように封止部材23pに付勢すると共に、前進レンジ圧PDより低い油圧で入力ポート23aから出力ポート23bに向けて連通させるように設定されている。このため、入力ポート23aに前進レンジ圧PDが入力されることにより、封止部材23pはスプリングに抗して切り換わり、入力ポート23a及び出力ポート23bを連通し、入力ポート23aから出力ポート23bの一方向にのみ油圧を流通可能にしている。
また、マニュアルバルブ21の出力ポート21bとチェックバルブ23の入力ポート23aとを連通する油路と、チェックバルブ23の出力ポート23bとリニアソレノイドバルブSL1の入力ポートSL1aとを連通する油路と、を連通する油路には、オリフィス95が配置されている。これにより、前進レンジ圧PDが無くなってアキュムレータ22がリニアソレノイドバルブSL1に前進レンジ圧PDに相当する油圧を供給する場合に、オリフィス95が設けられていない場合に比べて、供給可能な時間を延長することができる。
リニアソレノイドバルブSL2は、後述する切換えバルブ27の第1の出力ポート27fから油路d1を介して前進レンジ圧PD又は後進レンジ圧PRが入力される入力ポートSL2aと、切換えバルブ27の第3の入力ポート27eに油路e1を介して連通される出力ポートSL2bとを備え、入力される前進レンジ圧PD又は後進レンジ圧PRを自在に調圧制御し、第2のクラッチC2の油圧サーボ92又は第1のブレーキB1の油圧サーボ94に供給するための係合圧PSL2を生成して出力ポートSL2bから供給するようになっている。即ち、リニアソレノイドバルブSL2は、走行レンジ圧である前進レンジ圧PD又は後進レンジ圧PRを調圧して、複数の係合要素のうちの第2のクラッチC2の油圧サーボ92又は第1のブレーキB1の油圧サーボ94に対して係合圧PSL2を供給可能になっている。
リニアソレノイドバルブSLGは、モジュレータ圧PLPM2が入力される入力ポートSLGaと、油圧サーボ93に連通される出力ポートSLGbとを備え、入力されるモジュレータ圧PLPM2を自在に調圧制御し、油圧サーボ93に供給するための係合圧PSLGを生成して出力ポートSLGbから供給するようになっている。
クラッチアプライコントロールバルブ26は、図中左半分で示す位置(通常状態)(以下、「左半位置」という)と図中右半分で示す位置(タイアップ防止状態)(以下、「右半位置」という)とを切換自在なスプール26pと、該スプール26pを左半位置に付勢する圧縮コイルばねから成るスプリング26sと、を備えている。クラッチアプライコントロールバルブ26は、スプール26pを右半位置に押圧作用する方向に係合圧PSL1を入力する第1の作動油室26aと、スプール26pを左半位置に押圧作用する方向にモジュレータ圧PLPM2を入力する第2の作動油室26bと、を備えている。また、クラッチアプライコントロールバルブ26は、係合圧PSL1を入力する第1の入力ポート26cと、切換えバルブ27の第2の出力ポート27gに油路f1を介して連通され係合圧PSL2を入力する第2の入力ポート26d及び第3の入力ポート26eと、を備えている。更に、クラッチアプライコントロールバルブ26は、油圧サーボ91に連通する第1の出力ポート26fと、ドレーンポート26gと、油圧サーボ92に油路f2を介して連通する第2の出力ポート26hと、ドレーンポート26iと、を備えている。
第1の作動油室26aと第2の作動油室26bとでは、スプール26pの受圧面積を同じに設定している。また、第2の入力ポート26dでは、スプール26pの軸方向両側で受圧面積を異ならせており、スプール26pを右半位置に押圧作用する側の受圧面積が大きくなるように設定している。更に、スプリング26sの付勢力は、第2の入力ポート26dに係合圧PSL2が供給された際にスプール26pの受圧面積差によってスプール26pを右半位置に押圧作用する押圧力よりも小さくなるように設定している。これにより、リニアソレノイドバルブSL1,SL2が同時に作動して、係合圧PSL1,PSL2が同時に出力された場合は、スプール26pの両端面で係合圧PSL1とモジュレータ圧PLPM2とが打ち消し合うと共に、第2の入力ポート26dに供給された係合圧PSL2がスプール26pの受圧面積差によってスプール26pを右半位置に押圧作用する押圧力がスプリング26sに打ち勝って、スプール26pが右半位置に切り換わる。
そして、クラッチアプライコントロールバルブ26は、スプール26pが左半位置の通常状態にある時は、第1の入力ポート26cと第1の出力ポート26fとが連通され、第3の入力ポート26eと第2の出力ポート26hとが連通されるようになっている。また、クラッチアプライコントロールバルブ26は、スプール26pが右半位置のタイアップ防止状態にある時は、第1の入力ポート26cと第1の出力ポート26fとが遮断され、第1の出力ポート26fとドレーンポート26gとが連通され、第3の入力ポート26eと第2の出力ポート26hとが遮断され、第2の出力ポート26hとドレーンポート26iとが連通されるようになっている。
従って、リニアソレノイドバルブSL1が作動してリニアソレノイドバルブSL2が作動しない場合は、クラッチアプライコントロールバルブ26は通常状態のままで、係合圧PSL1が油圧サーボ91に供給される。また、リニアソレノイドバルブSL2が作動して係合圧PSL2が切換えバルブ27の第2の出力ポート27gから出力され、リニアソレノイドバルブSL1が作動しない場合は、クラッチアプライコントロールバルブ26は通常状態のままで、係合圧PSL2が油路f1,f2を介して油圧サーボ92に供給される。更に、リニアソレノイドバルブSL2が作動して係合圧PSL2が切換えバルブ27の第2の出力ポート27gから出力され、リニアソレノイドバルブSL1も作動した場合は、クラッチアプライコントロールバルブ26はタイアップ防止状態に切り換わり、油圧サーボ91,92はいずれもドレーンされるが、それには限られず、油圧サーボ91,92のいずれか一方はドレーンされ、他方は係合するようにしてもよい。これにより、油圧サーボ91及び油圧サーボ92に同時に係合圧が供給されることを防止できるので、第1のクラッチC1及び第2のクラッチC2の同時係合によるタイアップの発生を防止することができる。
本実施の形態の特徴部である切換えバルブ27は、図中左半分で示す位置(非後進状態、第1の状態、第3の状態)と図中右半分で示す位置(後進状態、第2の状態、第4の状態)とを切換自在なスプール27pと、該スプール27pを左半位置に付勢する圧縮コイルばねから成るスプリング27sと、を備えている。切換えバルブ27は、スプール27pを右半位置に押圧作用する方向に後進レンジ圧PRを入力する第1の作動油室27aと、スプール27pを左半位置に押圧作用する方向に前進レンジ圧PDを入力する第2の作動油室27bとを備えている。また、切換えバルブ27は、チェックバルブ23を通過した前進レンジ圧PDを油路b2を介して入力する第1の入力ポート27cと、後進レンジ圧PRを油路c1を介して入力する第2の入力ポート27dと、係合圧PSL2を油路e1を介して入力する第3の入力ポート27eと、を備えている。更に、切換えバルブ27は、リニアソレノイドバルブSL2の入力ポートSL2aに油路d1を介して連通する第1の出力ポート27fと、後述するクラッチアプライコントロールバルブ26の第2の入力ポート26d及び第3の入力ポート26eに油路f1を介して連通する第2の出力ポート27gと、油圧サーボ94に油路g1を介して連通する第3の出力ポート27hと、チェックバルブ28の入力ポート28aに連通するドレーンポート27iと、チェックバルブ29の入力ポート29aに連通するドレーンポート27jと、を備えている。
切換えバルブ27は、スプール27pが左半位置の非後進状態にある時は、第1の入力ポート27cは第1の出力ポート27fと連通され、第2の入力ポート27dは遮断され、第3の入力ポート27eは第2の出力ポート27gと連通され、第3の出力ポート27hはドレーンポート27iに連通されるようになっている。また、切換えバルブ27は、スプール27pが右半位置の後進状態にある時は、第1の入力ポート27cは遮断され、第2の入力ポート27dは第1の出力ポート27fと連通され、第3の入力ポート27eは第3の出力ポート27hと連通され、第2の出力ポート27gはドレーンポート27jに連通されるようになっている。
チェックバルブ28は、ドレーンポート27iに油路h1を介して連通される入力ポート28aと、ドレーンポート28bと、入力ポート28a及びドレーンポート28bの連通及び遮断を切換可能な封止部材28pと、不図示のスプリングと、を備えている。スプリングは、入力ポート28a及びドレーンポート28bを遮断するように封止部材28pに付勢すると共に、油圧サーボ94のドレーン油圧より低い油圧で入力ポート28aからドレーンポート28bに向けて連通させるように設定されている。このため、入力ポート28aに油圧サーボ94のドレーン油圧が入力されることにより、封止部材28pはスプリングに抗して切り換わり、入力ポート28a及びドレーンポート28bを連通し、入力ポート28aからドレーンポート28bの一方向にのみ油圧を流通可能にしている。
チェックバルブ29は、ドレーンポート27jに油路j1を介して連通される入力ポート29aと、ドレーンポート29bと、入力ポート29a及びドレーンポート29bの連通及び遮断を切換可能な封止部材29pと、不図示のスプリングと、を備えている。スプリングは、入力ポート29a及びドレーンポート29bを遮断するように封止部材29pに付勢すると共に、油圧サーボ92のドレーン油圧より低い油圧で入力ポート29aからドレーンポート29bに向けて連通させるように設定されている。このため、入力ポート29aに油圧サーボ92のドレーン油圧が入力されることにより、封止部材29pはスプリングに抗して切り換わり、入力ポート29a及びドレーンポート29bを連通し、入力ポート29aからドレーンポート29bの一方向にのみ油圧を流通可能にしている。
ドレーンポート27jと入力ポート29aとを連通する油路j1には、オリフィス(遅延部)96が介在されている。このため、油圧サーボ92をドレーンする際のドレーン速度を遅延することができる。また、ドレーンポート27iと入力ポート28aとを連通する油路h1には、オリフィス97が介在されている。このため、油圧サーボ94をドレーンする際のドレーン速度を遅延することができる。
従って、シフトポジションが前進レンジであり、マニュアルバルブ21から前進レンジ圧PDが供給されて後進レンジ圧PRが供給されない場合は、切換えバルブ27は非後進状態のままとなり、前進レンジ圧PDが油路b1、チェックバルブ23、油路b2、切換えバルブ27、油路d1を経てリニアソレノイドバルブSL2に供給され、係合圧PSL2が油路e1、切換えバルブ27、油路f1、クラッチアプライコントロールバルブ26、油路f2を経て油圧サーボ92に供給される。同時に、油圧サーボ94は、油路g1、切換えバルブ27、油路h1、オリフィス97、チェックバルブ28を介して、オリフィス97で遅延されながらドレーンされる。
また、シフトポジションが後進レンジであり、マニュアルバルブ21から後進レンジ圧PRが供給されて前進レンジ圧PDが供給されない場合は、切換えバルブ27は後進状態に切り換わり、後進レンジ圧PRが油路c1、切換えバルブ27、油路d1を経てリニアソレノイドバルブSL2に供給され、係合圧PSL2が油路e1、切換えバルブ27、油路g1を経て油圧サーボ94に供給される。同時に、油圧サーボ92は、油路f2、クラッチアプライコントロールバルブ26、油路f1、切換えバルブ27、油路j1、オリフィス96、チェックバルブ29を介して、オリフィス96で遅延されながらドレーンされる。
尚、本実施の形態では、切換えバルブ27は、第1の切換え部271と、第2の切換え部272とを備えている。
第1の切換え部271は、リニアソレノイドバルブSL2と第2のクラッチC2の油圧サーボ92とを接続する油路e1,f1,f2に介在され、第3の入力ポート27eと、第2の出力ポート27gと、第3の出力ポート27hと、ドレーンポート27iと、ドレーンポート27jと、これらを連通及び遮断するスプール27pとを備えている。これにより、第1の切換え部271は、リニアソレノイドバルブSL2からの係合圧PSL2を油路e1,f1,f2を介して第2のクラッチC2の油圧サーボ92に供給可能にすると共に、第1のブレーキB1の油圧サーボ94の油圧を油路g1を介してドレーン可能にする後進状態(第1の状態)と、第2のクラッチC2の油圧サーボ92の油圧を油路f2,f1を介してドレーン可能にすると共に、リニアソレノイドバルブSL2からの係合圧PSL2を油路e1,g1を介して第1のブレーキB1の油圧サーボ94に供給可能にする非後進状態(第2の状態)と、に切換可能になっている。
第2の切換え部272は、マニュアルバルブ21とリニアソレノイドバルブSL2とを接続する油路b1,b2,c1,d1に介在され、第1の入力ポート27cと、第2の入力ポート27dと、第1の出力ポート27fと、これらを連通及び遮断するスプール27pとを備えている。これにより、第2の切換え部272は、前進レンジ圧PDを油路b1,b2,d1を介してリニアソレノイドバルブSL2に供給する後進状態(第3の状態)と、後進レンジ圧PRを油路c1,d1を介してリニアソレノイドバルブSL2に供給する非後進状態(第4の状態)と、に切換可能になっている。
次に、自動変速機10の油圧制御装置12の動作について説明する。
内燃エンジンの始動により、ライン圧PLが生成され、ライン圧モジュレータバルブ20によりモジュレータ圧PLPM2が生成される。モジュレータ圧PLPM2は、リニアソレノイドバルブSLG及びマニュアルバルブ21に供給される。ECU11は、リニアソレノイドバルブSLGから係合圧PSLGを出力させ、シンクロ機構S1を係合させる。
そして、シフトポジションがPレンジからDレンジに切り換えられることにより、マニュアルバルブ21から前進レンジ圧PDが出力される。前進レンジ圧PDは、切換えバルブ27の第2の作動油室27bに供給されスプール27pを非後進状態に押圧してロックすると共に、後進レンジ圧PRが第1の作動油室27aに供給されないので、切換えバルブ27は非後進状態になっている。前進レンジ圧PDは、油路b1及びチェックバルブ23を介してリニアソレノイドバルブSL1及びアキュムレータ22に供給される。また、前進レンジ圧PDは、油路b2を介して切換えバルブ27の第1の入力ポート27cに供給され、第1の出力ポート27fから出力され、油路d1を介してリニアソレノイドバルブSL2に供給される。この時点で、シンクロ機構S1は係合していると共に、2つのリニアソレノイドバルブSL1,SL2の両方に元圧として前進レンジ圧PDが供給されている。
前進レンジでの低速時には、ECU11は非無段モードを選択するため、シンクロ機構S1を係合したままで第1のクラッチC1を係合するように制御する(図2(c)参照)。このため、ECU11は、リニアソレノイドバルブSL1から係合圧PSL1を出力させることで、クラッチアプライコントロールバルブ26の第1の入力ポート26c及び第1の出力ポート26fを介して係合圧PSL1を第1のクラッチC1の油圧サーボ91に供給して第1のクラッチC1を係合させる。これにより、車両1は、非無段モードで前進走行するようになる。
車両1が前進レンジで加速すると、ECU11は非無段モードから無段モードに切り換えるため、シンクロ機構S1を係合したままで第1のクラッチC1から第2のクラッチC2に掴み換えるように制御する(図2(c)参照)。このため、ECU11は、リニアソレノイドバルブSL1からの係合圧PSL1の出力を停止し、リニアソレノイドバルブSL2から係合圧PSL2を出力させることで、油路e1を介して切換えバルブ27の第3の入力ポート27eに供給し、第2の出力ポート27gから油路f1を介してクラッチアプライコントロールバルブ26の第3の入力ポート26eに供給し、第2の出力ポート26hから油路f2を介して第2のクラッチC2の油圧サーボ92に供給して、第2のクラッチC2を係合させる。この時、第1のクラッチC1の油圧サーボ91の油圧は、リニアソレノイドバルブSL1に逆流し、リニアソレノイドバルブSL1のドレーンポートから排出される。その場合、ECU11は、リニアソレノイドバルブSL1を調整し、ドレーン速度を適宜遅延させるようにして、第1のクラッチC1から第2のクラッチC2に掴み換えを円滑に行うようにし、変速ショックの発生を抑えるようにする。
また、車両1が前進レンジで減速すると、ECU11は無段モードから非無段モードに切り換えるため、シンクロ機構S1を係合して第2のクラッチC2から第1のクラッチC1に掴み換えるように制御する(図2(c)参照)。このため、ECU11は、リニアソレノイドバルブSL2からの係合圧PSL2の出力を停止し、リニアソレノイドバルブSL1から係合圧PSL1を出力させることで、第1のクラッチC1の油圧サーボ91に供給して、第1のクラッチC1を係合させる。この時、第2のクラッチC2の油圧サーボ92の油圧は、リニアソレノイドバルブSL2に逆流し、リニアソレノイドバルブSL2のドレーンポートから排出される。その場合、ECU11は、リニアソレノイドバルブSL2を調整し、ドレーン速度を適宜遅延させるようにして、第2のクラッチC2から第1のクラッチC1に掴み換えを円滑に行うようにし、変速ショックの発生を抑えるようにする。
このように、ECU11が2つのリニアソレノイドバルブSL1,SL2のいずれか一方から係合圧PSL1,PSL2を出力させるよう制御することで、第1のクラッチC1と第2のクラッチC2とを選択的に係合させ、車両1の前進における非無段モードと無段モードとを円滑に切り換えることができる。尚、何らかの理由でリニアソレノイドバルブSL1,SL2の両方から係合圧PSL1,PSL2が出力されてしまった場合は、クラッチアプライコントロールバルブ26がタイアップ防止状態に切り換わり、両方の係合圧PSL1,PSL2の出力が遮断され、第1のクラッチC1及び第2のクラッチC2のタイアップは防止される。
尚、前進レンジにおいては、第1のブレーキB1の油圧サーボ94は、油路g1から切換えバルブ27の第3の出力ポート27h及びドレーンポート27iを介して、油路h1からオリフィス97を介してチェックバルブ28により遅延されながらドレーンされる。しかも、第1のブレーキB1にはクッションプレート103が設けられているので(図2(a)参照)、例えば、走行レンジが後進レンジから前進レンジにガレージ制御によって切り換えられて、第1のブレーキB1から第1のクラッチC1に掴み換える際は、第1のブレーキB1の油圧サーボ94から油圧が素早く抜けたとしても、外摩擦板100及び内摩擦板101の接触圧はクッションプレート103の弾性力により徐々に下がるようになる。即ち、第1のブレーキB1のドレーン速度はオリフィス97とクッションプレート103とにより遅延されるようになるので、第1のクラッチC1との掴み換えが円滑になり、ガレージショックの発生を抑制することができる。
次に、無段モードの前進走行時にシフトポジションが前進レンジから後進レンジに切り換えられてガレージ制御が実行された場合は、マニュアルバルブ21から前進レンジ圧PDに代わって後進レンジ圧PRが出力される。後進レンジ圧PRは、切換えバルブ27の第1の作動油室27aに供給されスプール27pを後進状態に押圧すると共に、前進レンジ圧PDが第2の作動油室27bに供給されないので、切換えバルブ27は後進状態に切り換わる。後進レンジ圧PRは、油路c1を介して切換えバルブ27の第2の入力ポート27dに供給され、第1の出力ポート27fから油路d1を介してリニアソレノイドバルブSL2に供給される。
前進レンジ圧PDは出力されていないので、リニアソレノイドバルブSL1への元圧は供給されていない。即ち、シンクロ機構S1は係合していると共に、リニアソレノイドバルブSL2のみに元圧として後進レンジ圧PRが供給されている。このため、ECU11は、リニアソレノイドバルブSL2から係合圧PSL2を出力させることで、油路e1を介して切換えバルブ27の第3の入力ポート27eに供給し、第3の出力ポート27hから油路g1を介して第1のブレーキB1の油圧サーボ94に供給して、第1のブレーキB1を係合させることができる。このように、ECU11がリニアソレノイドバルブSL2から係合圧PSL2を出力させるよう制御することで、第1のブレーキB1を係合させ、車両1の後進における非無段モードを実行することができる(図2(c)参照)。
また、この時、第2のクラッチC2の油圧サーボ92は、リニアソレノイドバルブSL2との連通が切り離されるためリニアソレノイドバルブSL2を利用したドレーン速度の遅延はできなくなる。これに対し、第2のクラッチC2の油圧サーボ92は、油路f2からクラッチアプライコントロールバルブ26の第2の出力ポート26h及び第3の入力ポート26eを経て、油路f1から切換えバルブ27の第2の出力ポート27g及びドレーンポート27jを介して、油路j1からオリフィス96を介してチェックバルブ29によりドレーンされる。このように、第2のクラッチC2の油圧サーボ92をドレーンする際には、オリフィス96によりドレーン速度が遅延されるようになるので、例えば、車両1の走行が無段モードの前進からガレージ制御により後進に切り換わる際に、第2のクラッチC2の油圧サーボ92から急速に油圧が抜けることによるガレージショックの発生を抑制することができる。
尚、無段モードの前進レンジからNレンジ又はPレンジへの切り換えでは、第2のクラッチC2の油圧サーボ92の油圧はリニアソレノイドバルブSL2から必要に応じてドレーン速度を遅延されながらドレーンされるようになる。
以上説明したように、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12によると、第2のクラッチC2の油圧サーボ92の油圧をドレーンポート27jからドレーンする際に第2のクラッチC2の油圧サーボ92からのドレーン速度を遅延させるオリフィス96を備えているので、第2のクラッチC2の油圧サーボ92に係合圧PSL2を供給するソレノイドバルブSL2を利用することなく、ドレーン速度を遅延することができるようになる。これにより、第2のクラッチC2の油圧サーボ92に係合圧PSL2を供給する時以外では、油圧サーボ92とリニアソレノイドバルブSL2とを連通させる必要がなくなるので、リニアソレノイドバルブSL2を他の用途に利用できるようになる。
また、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12では、リニアソレノイドバルブSL2は、複数の係合要素のうちの第2のクラッチC2の油圧サーボ92又は第1のブレーキB1の油圧サーボ94に対して係合圧PSL2を供給可能であり、第1の切換え部271は、非後進状態において、リニアソレノイドバルブSL2からの係合圧PSL2を第2のクラッチC2の油圧サーボ92に供給可能にすると共に第1のブレーキB1の油圧サーボ94の油圧をドレーン可能にし、後進状態において、第2のクラッチC2の油圧サーボ92の油圧をドレーン可能にすると共にリニアソレノイドバルブSL2からの係合圧PSL2を第1のブレーキB1の油圧サーボ94に供給可能にするようにしている。
このため、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12によれば、第2のクラッチC2及び第1のブレーキB1は同時に係合する係合要素ではなく(図2(c)参照)、1つのリニアソレノイドバルブSL2により、第2のクラッチC2及び第1のブレーキB1の2つの係合要素を制御することができるようになる。このため、部品点数の削減により、バルブボックス等、油圧制御装置12の小型軽量化を図ることができる。
また、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12では、マニュアルバルブ21とリニアソレノイドバルブSL2とを接続する油路b1,b2,c1,d1に介在され、走行レンジが前進レンジである場合にマニュアルバルブ21から供給される前進レンジ圧PDをリニアソレノイドバルブSL2に供給する非後進状態と、走行レンジが後進レンジである場合にマニュアルバルブ21から供給される後進レンジ圧PRをリニアソレノイドバルブSL2に供給する後進状態と、に切換可能な第2の切換え部272と、を備えるようにしている。
このため、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12によれば、リニアソレノイドバルブSL2の元圧として、前進レンジ圧PD又は後進レンジ圧PRを切り換えて使用することができる。これにより、例えば、シフトポジションがNレンジやPレンジの際にはリニアソレノイドバルブSL2に元圧が供給されなくなるので、NレンジやPレンジの際に第2のクラッチC2及び第1のブレーキB1に係合圧PSL2が供給されることによる意図しない係合の発生を防止できる。
また、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12では、第1の切換え部271と第2の切換え部272とを有する切換えバルブ27を備え、第1の切換え部271が非後進状態である時に第2の切換え部272が非後進状態になると共に、第1の切換え部271が後進状態である時に第2の切換え部272が後進状態になるように、第1の切換え部271及び第2の切換え部272は連動して切り換わるようにしている。
このため、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12によれば、第1の切換え部271と第2の切換え部272とを1本の切換えバルブ27により実現することができるので、部品点数を最小限に抑えることができる。また、走行レンジが前進レンジである場合は、前進レンジ圧PDをソレノイドバルブSL2に供給し、生成された係合圧PSL2を第2のクラッチC2に供給する一方、走行レンジが後進レンジである場合は、後進レンジ圧PRをソレノイドバルブSL2に供給し、生成された係合圧PSL2を第1のブレーキB1に供給するようになる。即ち、走行レンジの前後方向について、ソレノイドバルブSL2の元圧が前進レンジ圧PD及び後進レンジ圧PRのどちらであるかという前後方向と、係合圧PSL2が供給される係合要素が前進段形成用及び後進段形成用のどちらであるかという前後方向と、を一致させることができる。よって、油圧回路の複雑化を抑えることができる。
また、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12では、自動変速機10は、係合時に車両1の前進方向の回転を伝達させる経路を形成する第1のクラッチC1と、係合時に車両1の後進方向の回転を伝達させる経路を形成する第1のブレーキB1と、を有する前後進切換え装置3と、変速比を連続的に変更可能な無段変速機構4と、入力軸2と駆動軸60とを前後進切換え装置3を介して連結する第1の動力伝達経路a1に介在されるシンクロ機構S1と、入力軸2と駆動軸60とを無段変速機構4を介して連結する第2の動力伝達経路a2に介在される第2のクラッチC2と、を備え、第1のクラッチC1及びシンクロ機構S1を係合状態にして、入力軸2と駆動軸60とを第1の動力伝達経路a1により接続して回転伝達する非無段モードと、第2のクラッチC2を係合状態にして、入力軸2と駆動軸60とを第2の動力伝達経路a2により接続して回転伝達する無段モードと、に切換可能であるようにしている。
このため、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12によれば、第1のクラッチC1、第2のクラッチC2、第1のブレーキB1、シンクロ機構S1の4つの係合要素の係脱を、リニアソレノイドバルブSL1、リニアソレノイドバルブSL2、リニアソレノイドバルブSLGの3つのリニアソレノイドバルブを利用することにより実現するようにしている。このため、各係合要素に個別にソレノイドバルブを使用する場合に比べて、ソレノイドバルブの本数を削減することができ、バルブボディ等を含めた油圧制御装置12の小型軽量化を図ることができる。
また、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12では、遅延部は、オリフィス96であるようにしている。このため、簡易な構成でドレーン速度の遅延を実現することができるので、部品点数の増加や構成の複雑化等を抑えることができる。
また、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12では、第1のブレーキB1は、ミッションケース9にスプライン係合された外摩擦板100と、内周側部材104にスプライン係合され、外摩擦板100に対して接触自在な内摩擦板101と、外摩擦板100及び内摩擦板101の軸方向一方側に配置され、外摩擦板100及び内摩擦板101の軸方向一方側への移動を規制するエンドプレート102と、弾性変形により軸方向への外力を吸収するクッションプレート103と、エンドプレート102との間に、外摩擦板100及び内摩擦板101とクッションプレート103とを挟み込んで押圧することにより第1のブレーキB1を係合する油圧サーボ94と、を備えるようにしている。
このため、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12によれば、第1のブレーキB1にはクッションプレート103が設けられている。このため、例えば、走行レンジが後進レンジから前進レンジにガレージ制御によって切り換えられて、第1のブレーキB1から第1のクラッチC1に掴み換える際は、第1のブレーキB1の油圧サーボ94から油圧が素早く抜けたとしても、外摩擦板100及び内摩擦板101の接触圧はクッションプレート103の弾性力により徐々に下がるようになる。即ち、第1のブレーキB1のドレーン速度が遅延されるようになるので、第1のクラッチC1との掴み換えが円滑になり、ガレージショックの発生を抑制することができる。
また、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12では、第2のクラッチC2は、外周側部材108にスプライン係合された外摩擦板105と、内周側部材109にスプライン係合され、外摩擦板105に対して接触自在な内摩擦板106と、外摩擦板105及び内摩擦板106の軸方向一方側に配置され、外摩擦板105及び内摩擦板106の軸方向一方側への移動を規制するエンドプレート107と、エンドプレート107との間に外摩擦板105及び内摩擦板106を挟み込んで押圧することにより第2のクラッチC2を係合する油圧サーボ92と、を備えるようにしている。
このため、本実施の形態の自動変速機10の油圧制御装置12によれば、第2のクラッチC2にはクッションプレートが設けられていない。このため、車両1の前進走行時に非無段モードと無段モードとを切り換えるために第1のクラッチC1と第2のクラッチC2とを掴み換える際にクッションプレートによる遅延を考慮する必要がないので、掴み換えの制御の複雑化を抑制することができる。
ここで、同時係合のない例えば第2のクラッチC2と第1のブレーキB1とを1つのリニアソレノイドバルブSL2を切り換えて使用する場合、第2のクラッチC2と第1のブレーキB1とのいずれもがリニアソレノイドバルブSL2を利用してドレーン速度を遅延できなくなる可能性があり、その場合はドレーン速度を遅延させる何らかの構成が必要となる。このため、第2のクラッチC2と第1のブレーキB1とのそれぞれにクッションプレートを内蔵させてドレーン速度を遅延させることが考えられるが、例えば第2のクラッチC2のように他のクラッチである第1のクラッチC1と相互に掴み換えを行う可能性のあると、クッションプレートの内蔵により制御が煩雑になる虞がある。これに対し、本実施の形態では、第2のクラッチC2にクッションプレートを内蔵させることなく、油圧サーボ92のドレーン用の油路j1にオリフィス96を介在させることで、ドレーン速度の遅延を実現するようにしている。
尚、上述した本実施の形態においては、第2のクラッチC2に遅延部としてのオリフィス96を設けた場合について説明したが、これには限られない。例えば、他の係合要素であっても、遅延部としてのオリフィスを設けるようにしてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、遅延部としてオリフィス96を適用した場合について説明したが、これには限られない。例えば、油圧サーボへの対抗圧として適宜なばね圧を付勢可能なチェックバルブ等を適用してもよい。
また、上述した本実施の形態においては、1つのリニアソレノイドバルブSL2により第2のクラッチC2及び第1のブレーキB1の2つの係合要素を係脱可能にした場合について説明したが、これには限られない。例えば、リニアソレノイドバルブSL2が第2のクラッチC2の係脱の専用に設けられていてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、自動変速機10の変速機構として無段変速機構4を適用した場合について説明したが、これには限られない。例えば、多段式の変速機構に適用してもよい。
また、上述した本実施の形態においては、第1の切換え部271と第2の切換え部272とを1つの切換えバルブ27に設けた場合について説明したが、これには限られない。例えば、第1の切換え部271と第2の切換え部272とを別個の切換えバルブにより構成してもよい。
また、上述した本実施の形態においては、第1のブレーキB1はクッションプレート103を有すると共に、第2のクラッチC2はクッションプレートを有さない場合について説明したが、これには限られない。いずれの係合要素においても、クッションプレートの有無は適宜設計することができる。
また、上述した本実施の形態においては、第2のクラッチC2に係合圧PSL2を供給するソレノイドバルブをリニアソレノイドバルブSL2とした場合について説明したが、これには限られない。第2のクラッチC2に係合圧を供給するソレノイドバルブを、例えば、他のリニアソレノイドバルブや、あるいはデューティ制御するソレノイドバルブとしてもよい。
1 車両
2 入力軸
3 前後進切換え装置
4 無段変速機構(変速機構)
9 ミッションケース(外周側部材)
10 自動変速機
12 油圧制御装置
21 マニュアルバルブ(レンジ圧供給部)
27 切換えバルブ
27j ドレーンポート
60 駆動軸
92 油圧サーボ
94 油圧サーボ
96 オリフィス(遅延部)
100 外摩擦板
101 内摩擦板
102 エンドプレート
103 クッションプレート
104 内周側部材
105 外摩擦板
106 内摩擦板
107 エンドプレート
108 外周側部材
109 内周側部材
271 第1の切換え部
272 第2の切換え部
a1 第1の動力伝達経路(動力伝達経路)
a2 第2の動力伝達経路(動力伝達経路)
B1 第1のブレーキ(第2の係合要素、後進用係合要素、係合要素)
C1 第1のクラッチ(前進用係合要素、係合要素)
C2 第2のクラッチ(第1の係合要素、係合要素)
PD 前進レンジ圧(走行レンジ圧)
PR 後進レンジ圧(走行レンジ圧)
PSL2 係合圧
S1 シンクロ機構(係合要素)
SL2 リニアソレノイドバルブ(ソレノイドバルブ)
e1,f1,f2 ソレノイドバルブと第1の係合要素の油圧サーボとを接続する油路
b1,b2,c1,d1 レンジ圧供給部とソレノイドバルブとを接続する油路

Claims (8)

  1. 車両の駆動源に駆動連結される入力軸と、
    車輪に駆動連結される駆動軸と、
    前記入力軸と前記駆動軸との変速比を変更可能な変速機構と、
    前記入力軸から前記駆動軸までの動力伝達経路に配置され、係脱により前記動力伝達経路を接離可能な複数の係合要素と、を備える自動変速機の油圧制御装置において、
    前記車両の走行レンジに応じた走行レンジ圧を供給するレンジ圧供給部と、
    前記走行レンジ圧を調圧して、前記複数の係合要素のうちの第1の係合要素の油圧サーボに対して係合圧を供給可能なソレノイドバルブと、
    前記ソレノイドバルブと前記第1の係合要素の油圧サーボとを接続する油路に介在され、前記ソレノイドバルブからの係合圧を前記第1の係合要素の油圧サーボに供給可能にする第1の状態と、前記第1の係合要素の油圧サーボの油圧をドレーンポートからドレーン可能にする第2の状態と、に切換可能な第1の切換え部と、
    前記第1の切換え部の前記ドレーンポートに接続され、前記第2の状態における前記第1の係合要素の油圧サーボからのドレーン速度を遅延させる遅延部と、を備える、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記ソレノイドバルブは、前記複数の係合要素のうちの第2の係合要素の油圧サーボに対して係合圧を供給可能であり、
    前記第1の切換え部は、前記第1の状態において、前記ソレノイドバルブからの係合圧を前記第1の係合要素の油圧サーボに供給可能にすると共に前記第2の係合要素の油圧サーボの油圧をドレーン可能にし、前記第2の状態において、前記第1の係合要素の油圧サーボの油圧をドレーン可能にすると共に前記ソレノイドバルブからの係合圧を前記第2の係合要素の油圧サーボに供給可能にする、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記レンジ圧供給部と前記ソレノイドバルブとを接続する油路に介在され、前記走行レンジが前進レンジである場合に前記レンジ圧供給部から供給される前進レンジ圧を前記ソレノイドバルブに供給する第3の状態と、前記走行レンジが後進レンジである場合に前記レンジ圧供給部から供給される後進レンジ圧を前記ソレノイドバルブに供給する第4の状態と、に切換可能な第2の切換え部と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記第1の切換え部と前記第2の切換え部とを有する切換えバルブを備え、
    前記第1の切換え部が前記第1の状態である時に前記第2の切換え部が前記第3の状態になると共に、前記第1の切換え部が前記第3の状態である時に前記第2の切換え部が前記第4の状態になるように、前記第1の切換え部及び前記第2の切換え部は連動して切り換わる、
    ことを特徴とする請求項3記載の自動変速機の油圧制御装置。
  5. 前記自動変速機は、
    係合時に前記車両の前進方向の回転を伝達させる経路を形成する前進用係合要素と、係合時に前記車両の後進方向の回転を伝達させる経路を形成する前記第2の係合要素としての後進用係合要素と、を有する前後進切換え装置と、
    変速比を連続的に変更可能な前記変速機構としての無段変速機構と、
    前記入力軸と前記駆動軸とを前記前後進切換え装置を介して連結する第1の動力伝達経路に介在されるシンクロ機構と、
    前記入力軸と前記駆動軸とを前記無段変速機構を介して連結する第2の動力伝達経路に介在される前記第1の係合要素と、を備え、
    前記前進用係合要素及び前記シンクロ機構を係合状態にして、前記入力軸と前記駆動軸とを前記第1の動力伝達経路により接続して回転伝達する第1のモードと、前記第1の係合要素を係合状態にして、前記入力軸と前記駆動軸とを前記第2の動力伝達経路により接続して回転伝達する第2のモードと、に切換可能である、
    ことを特徴とする請求項4記載の自動変速機の油圧制御装置。
  6. 前記遅延部は、オリフィスである、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  7. 前記第2の係合要素は、外周側部材にスプライン係合された外摩擦板と、内周側部材にスプライン係合され、前記外摩擦板に対して接触自在な内摩擦板と、前記外摩擦板及び前記内摩擦板の軸方向一方側に配置され、前記外摩擦板及び前記内摩擦板の軸方向一方側への移動を規制するエンドプレートと、弾性変形により軸方向への外力を吸収するクッションプレートと、前記エンドプレートとの間に、前記外摩擦板及び前記内摩擦板と前記クッションプレートとを挟み込んで押圧することにより前記第2の係合要素を係合する前記油圧サーボと、を備える、
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  8. 前記第1の係合要素は、外周側部材にスプライン係合された外摩擦板と、内周側部材にスプライン係合され、前記外摩擦板に対して接触自在な内摩擦板と、前記外摩擦板及び前記内摩擦板の軸方向一方側に配置され、前記外摩擦板及び前記内摩擦板の軸方向一方側への移動を規制するエンドプレートと、前記エンドプレートとの間に前記外摩擦板及び前記内摩擦板を挟み込んで押圧することにより前記第1の係合要素を係合する前記油圧サーボと、を備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の自動変速機の油圧制御装置。
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CN110873160A (zh) * 2018-08-31 2020-03-10 现代自动车株式会社 用于车辆的连续可变动力传动系
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