JP2019158108A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト滑りの発生及ベルトの耐久性悪化を抑制可能な自動変速機の制御装置を提供すること。【解決手段】本発明に係る自動変速機の制御装置は、第1クラッチのオン指令が出力され、且つ、第1クラッチが開放状態にある際に、走行レンジがNレンジにある又はN接点がオフしてから所定時間が経過していないと判定した場合、ベルト式無段変速部のベルト挟圧力を増加させると共にベルト式無段変速部をアップシフトする制御手段を備える。これにより、ベルト滑りの発生及ベルトの耐久性悪化を抑制可能な自動変速機の制御装置を提供することができる。【選択図】図3
Description
本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
特許文献1には、駆動源とベルト式無段変速機との間にクラッチを備えるベルト式無段変速機の制御装置において、NレンジからDレンジやRレンジに切り替わる際のクラッチ係合トルクはベルト式無段変速機のベルトへの入力トルクになるため、クラッチの係合過渡時に適切なベルト挟圧力制御を行うことが記載されている。
ベルト式無段変速機の出力軸と駆動軸との間に設けられたCVT走行用クラッチC2の係合圧を制御するリニアソレノイドバルブSL2を備える発進ギヤ付きベルト式CVT(WCVT)の制御装置では、リニアソレノイドバルブSL2がオン故障した場合、NレンジからDレンジに切り替わる際、CVT走行用クラッチC2の急係合に伴うベルト式無段変速機のベルトへの入力トルクによって、ベルト滑りが発生することが考えられる。この際、WCVTでは、出力軸が停止中であってもベルトが回転しているため、ベルトへの負荷が従来よりも高く、特許文献1に記載されているようなクラッチ係合過渡時のみのベルト挟圧力制御では、切り替え指示に対する応答が間に合わない可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ベルト滑りの発生及ベルトの耐久性悪化を抑制可能な自動変速機の制御装置を提供することにある。
本発明に係る自動変速機の制御装置は、歯車装置を介してエンジンの動力を車輪へ伝達する第1動力伝達経路と、ベルト式無段変速部を介してエンジンの動力を車輪へ伝達する第2動力伝達経路と、エンジンの動力を車輪へ伝達する動力伝達経路を前記第1動力伝達経路と前記第2動力伝達経路との間で選択的に切り替えるクラッチ機構と、を備え、前記クラッチ機構は、前記第1動力伝達経路における動力伝達を断続する第1クラッチと、前記第2動力伝達経路における動力伝達を断続する第2クラッチと、前記第2クラッチの係合圧を制御するソレノイドバルブと、を含む自動変速機の制御装置であって、前記第1クラッチのオン指令が出力され、且つ、前記第1クラッチが開放状態にある際に、走行レンジがNレンジにある又はN接点がオフしてから所定時間が経過していないと判定した場合、前記ベルト式無段変速部のベルト挟圧力を増加させると共に前記ベルト式無段変速部をアップシフトする制御手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る自動変速機の制御装置によれば、ソレノイドバルブのオン故障時、Nレンジ又はNレンジから他レンジへの遷移中若しくは遷移したばかりであることを判定した場合、ベルト挟圧力を事前に増加させるので、Nレンジから他レンジへ遷移する際の第2クラッチの急係合に伴うベルトへの入力トルクによってベルト滑りが発生することを抑制できる。また、ベルト式無段変速部をアップシフトすることによって変速比を1に近づけるので、ベルト式無段変速部に応力が発生することを抑制し、ベルト挟圧力を増加させることによってベルトの耐久性が悪化することを抑制できる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である自動変速機の制御装置について説明する。
〔車両の構成〕
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態である自動変速機の制御装置が適用される車両の構成について説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態である自動変速機の制御装置が適用される車両の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である自動変速機の制御装置が適用される車両の構成を示すスケルトン図である。図1に示すように、本発明の一実施形態である自動変速機の制御装置が適用される車両1は、自動変速機10、制御装置(ECU)11、及び油圧制御装置12を備えている。
自動変速機10は、図示しないトルクコンバータ、入力軸2を有する前後進切換え装置3、無段変速機構4、減速ギヤ機構5、駆動軸60を有する出力ギヤ部6、カウンタシャフト部7、ディファレンシャル装置8、及びこれらを収容するミッションケース9を備えている。また、自動変速機10には、前後進切換え装置3の入力軸2と出力ギヤ部6の駆動軸60とを減速ギヤ機構5を介して連結する第1の動力伝達経路a1と、入力軸2と駆動軸60とを無段変速機構4を介して連結する第2の動力伝達経路a2とが形成されている。また、自動変速機10は、第1軸AX1〜第5軸AX5までの互いに平行な軸を備えている。
第1軸AX1は、図示しないエンジン(駆動源)のクランク軸と同軸である。第1軸AX1上には、クランク軸に連結される自動変速機10の入力軸、トルクコンバータ、前後進切換え装置3及び無段変速機構4の入力軸2、前後進切換え装置3のプラネタリギヤDP、第1のクラッチC1、第1のブレーキB1、及び無段変速機構4のプライマリプーリ41が配置されている。すなわち、入力軸2は車両1のエンジンに駆動連結されている。
第2軸AX2上には、減速ギヤ機構5が配置されている。第3軸AX3上には、無段変速機構4のセカンダリプーリ42、第2のクラッチC2、及び出力ギヤ部6が配置されている。第4軸AX4上には、カウンタシャフト部7が配置されている。第5軸AX5上には、ディファレンシャル装置8、左右のドライブシャフト81L,81Rが配置されている。クランク軸に連結される自動変速機10の入力軸は、図示しないトルクコンバータを介して前後進切換え装置3及び無段変速機構4の入力軸2に連結されている。
前後進切換え装置3は、プラネタリギヤDP、第1のブレーキB1、及び第1のクラッチC1を備え、車両1の走行方向によって回転方向を切り換えて伝達する。入力軸2は、プラネタリギヤDPの内周側を通って無段変速機構4のプライマリプーリ41に接続されていると共に、プラネタリギヤDPのキャリヤCRに接続されている。プラネタリギヤDPは、サンギヤS、リングギヤR、サンギヤSに噛合するピニオンP1及びリングギヤRに噛合するピニオンP2を回転自在に支持するキャリヤCRを有している所謂ダブルピニオンプラネタリギヤで構成されている。このうちのリングギヤRは、第1のブレーキB1によってミッションケース9に対して回転を係止自在となるように構成されている。また、サンギヤSは中空軸30に直接的に連結され、キャリヤCRは第1のクラッチC1を介して中空軸30に接続され、中空軸30は正逆回転出力ギヤ31に連結されている。なお、中空軸30は、第1のクラッチC1のクラッチドラム32にも連結されており、これら正逆回転出力ギヤ31、中空軸30、及びクラッチドラム32が一体となって回転部材を構成している。すなわち、前後進切換え装置3は、第1のクラッチC1及び第1のブレーキB1を有し、第1のクラッチC1を係合状態にすると共に第1のブレーキB1を解放状態にして車両1を前進走行させる前進モードと、第1のクラッチC1を解放状態にすると共に第1のブレーキB1を係合状態にして車両1を後進走行させる後進モードと、に切換可能である。
第1のクラッチC1は、係合時に車両1の前進方向の回転を伝達させる経路を形成し、第1のブレーキB1は、係合時に車両1の後進方向の回転を伝達させる経路を形成する。正逆回転出力ギヤ31は、減速ギヤ機構5の入力ギヤ51に噛合している。すなわち、第1のクラッチC1は、第1の動力伝達経路a1に介在されている。
減速ギヤ機構5は、第2軸AX2上に配置される第1の回転軸50、第1の回転軸50に設けられる入力ギヤ51、第1の回転軸50に設けられ第1の動力伝達経路a1に介在されるシンクロ機構S1、及び第1の回転軸50に対して相対回転可能な中空軸からなる第2の回転軸53及び出力ギヤ56を備えている。入力ギヤ51は、第1の回転軸50の一方側に一体的に固定され連結されている。第2の回転軸53は、第1の回転軸50の他方側の外周側に、例えばニードルベアリング(不図示)により相対回転自在に支持されている。すなわち、第2の回転軸53は、第1の回転軸50と軸方向に重なる二重軸として配置されている。第2の回転軸53には、出力ギヤ56が一体的に固定されて連結されている。出力ギヤ56は、出力ギヤ部6の入力ギヤ61に噛合されている。
シンクロ機構S1は、ドライブギヤ52、ドリブンギヤ55、不図示のシンクロナイザ、スリーブ57、シフトフォーク58、付勢ばね(付勢部)59、及びシンクロ検出部17を備えており、第1の回転軸50と第2の回転軸53とを係脱可能である。ドライブギヤ52は、入力ギヤ51よりも小径で、第1の回転軸50の一方側に一体的に固定されて連結されている。ドリブンギヤ55は、ドライブギヤ52と同径、且つ、出力ギヤ56よりも小径で、第2の回転軸53に一体的に固定されて連結されている。シンクロナイザは、ドリブンギヤ55のドライブギヤ52側に配設されている。
スリーブ57は、内周面に歯面が形成され、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55との外周側に軸方向に移動可能に配設されている。スリーブ57は、図示しない油圧サーボにより駆動されるシフトフォーク58によって軸方向に移動駆動されることにより、ドライブギヤ52だけに噛合する位置と、ドライブギヤ52及びドリブンギヤ55に跨って両方に噛合する位置とにスライド駆動される。これにより、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55とは、解放状態(切離し状態)又は係合状態(駆動連結状態)に切換自在にされる。
付勢ばね59は、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55とが解放状態になる方向にシフトフォーク58に付勢力を与える。このため、図示しない油圧サーボに係合圧PSLG又はモジュレータ圧PLPM2が供給された時は、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55とを係合状態にするように、図示しない油圧サーボが付勢ばね59の付勢力に抗してシフトフォーク58を移動させる。また、図示しない油圧サーボがドレーンされた時は、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55とを解放状態にするように、付勢ばね59がシフトフォーク58を移動させる。すなわち、係合圧PSLG又はモジュレータ圧PLPM2の供給時には、シンクロ機構S1は係合状態(作動状態)に維持され、係合圧PSLG又はモジュレータ圧PLPM2の非供給時には、付勢ばね59がシンクロ機構S1を解放状態に切り換える。
無段変速機構4は、変速比を連続的に変更可能であり、本実施形態ではベルト式無段自動変速機構を適用している。無段変速機構4は、入力軸2に接続されたプライマリプーリ41、セカンダリプーリ42、及びプライマリプーリ41及びセカンダリプーリ42に巻き掛けられた無端状のベルト43を備えている。プライマリプーリ41は、それぞれが対向する円錐状に形成された壁面を有し、入力軸2に対して軸方向移動不能に固定された固定シーブ41aと、入力軸2に対して軸方向移動可能に支持された可動シーブ41bと、を有し、これら固定シーブ41aと可動シーブ41bとによって形成された断面V字状となる溝部によりベルト43を挟持している。
同様に、セカンダリプーリ42は、それぞれが対向する円錐状に形成された壁面を有し、中心軸44に対して軸方向移動不能に固定された固定シーブ42aと、中心軸44に対して軸方向移動可能に支持された可動シーブ42bと、を有し、これら固定シーブ42aと可動シーブ42bとによって形成された断面V字状となる溝部によりベルト43を挟持している。これらプライマリプーリ41の固定シーブ41aとセカンダリプーリ42の固定シーブ42aとは、ベルト43に対して軸方向反対側となるように配置されている。
また、プライマリプーリ41の可動シーブ41bの背面側には、油圧サーボ45が配置されており、セカンダリプーリ42の可動シーブ42bの背面側には、油圧サーボ46が配置されている。油圧サーボ45には、油圧制御装置12の不図示のプライマリ圧コントロールバルブからプライマリ圧が作動油圧として供給され、油圧サーボ46には、油圧制御装置12の不図示のセカンダリ圧コントロールバルブからセカンダリ圧が作動油圧として供給される。そして、これら油圧サーボ45,46は、各作動油圧が供給されることにより負荷トルクに対応するベルト挟圧力を発生させると共に、変速比を変更又は固定するための挟圧力を発生させるように構成されている。
セカンダリプーリ42の可動シーブ42bの出力軸47は、第2のクラッチC2を介して、出力ギヤ部6の駆動軸60に接続されている。すなわち、第2のクラッチC2は、第2の動力伝達経路a2に介在されている。出力ギヤ部6は、駆動軸60、駆動軸60の一端側に固定されて連結された入力ギヤ61、及び駆動軸60の他端側に固定されて連結されたカウンタギヤ62を有し、カウンタギヤ62は、カウンタシャフト部7のドライブギヤ71に噛合されている。
カウンタシャフト部7は、カウンタシャフト70、カウンタシャフト70に固定されて連結されたドライブギヤ71、及びカウンタシャフト70に固定されて連結されたドリブンギヤ72を有し、ドリブンギヤ72は、ディファレンシャル装置8のデフリングギヤ80に噛合されている。
ディファレンシャル装置8は、デフリングギヤ80の回転をそれぞれ左右ドライブシャフト81L,81Rにそれらの差回転を吸収しつつ伝達するように構成されており、左右ドライブシャフト81L,81Rは、それぞれ不図示の左右車輪に連結されている。なお、デフリングギヤ80がドリブンギヤ72に噛合し、ドライブギヤ71がカウンタギヤ62に噛合していることから、出力ギヤ部6の駆動軸60、カウンタシャフト部7のカウンタシャフト70、及びディファレンシャル装置8は、左右ドライブシャフト81L,81Rを介して車輪と駆動連結されており、常に車輪に連動していることになる。
ECU11は、例えば、CPU、処理プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、及び通信ポートを備え、油圧制御装置12への制御信号等、各種の信号を出力ポートから出力する。なお、車両1には運転者が走行レンジを選択操作可能なシフトレバー13と、シフトレバー13のシフトポジションを検出するシフトポジション検出部14とが設けられている。
このような構成を有する車両1では、自動変速機10が、第1のクラッチC1、第2のクラッチC2、シンクロ機構S1、及び第1のブレーキB1が図2の係合表に示す組み合わせで係脱されることにより、前進の非無段モード、前進の無段モード、後進の非無段モードが切換可能に達成される。前進の非無段モードでは、第1のクラッチC1を係合状態にすると共に第2のクラッチC2を解放状態にして、入力軸2と駆動軸60とを第1の動力伝達経路a1により接続して回転伝達する。前進の無段モードでは、第1のクラッチC1を解放状態にすると共に第2のクラッチC2を係合状態にして、入力軸2と駆動軸60とを第2の動力伝達経路a2により接続して回転伝達する。なお、本実施形態では、非無段モードは、駆動力を第1の動力伝達経路a1により回転伝達する前進1速段又は後進1速段を意味しているが、これには限られず、多段変速であってもよい。また、本実施形態では、無段モードは、駆動力を第2の動力伝達経路a2により回転伝達する前進無段変速を意味している。
〔ベルト挟圧力制御処理〕
ところで、このような構成を有する車両では、第2のクラッチC2の係合圧を制御するリニアソレノイドバルブSL2がオン故障した場合、NレンジからDレンジに切り替わる際、第2のクラッチC2の急係合に伴う無段変速機構4のベルト43への入力トルクによって、ベルト43の滑りが発生することが考えられる。そこで、本実施形態では、ECU11が、以下に示すベルト挟圧力制御処理を実行することによって、ベルト43の滑りの発生及ベルト43の耐久性悪化を抑制する。以下、図3を参照して、本発明の一実施形態であるベルト挟圧力制御処理を実行する際のECU11の動作について説明する。
ところで、このような構成を有する車両では、第2のクラッチC2の係合圧を制御するリニアソレノイドバルブSL2がオン故障した場合、NレンジからDレンジに切り替わる際、第2のクラッチC2の急係合に伴う無段変速機構4のベルト43への入力トルクによって、ベルト43の滑りが発生することが考えられる。そこで、本実施形態では、ECU11が、以下に示すベルト挟圧力制御処理を実行することによって、ベルト43の滑りの発生及ベルト43の耐久性悪化を抑制する。以下、図3を参照して、本発明の一実施形態であるベルト挟圧力制御処理を実行する際のECU11の動作について説明する。
図3は、本発明の一実施形態であるベルト挟圧力制御処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、車両1のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられたタイミングで開始となり、ベルト挟圧力制御処理はステップS1の処理に進む。ベルト挟圧力制御処理は、前回のベルト挟圧力制御処理が終了してから所定時間経過する度毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、ECU11が、第1のクラッチC1のオン指令が出力され、且つ、第1のクラッチC1が開放状態にあるか否かを判別する。判別の結果、第1のクラッチC1のオン指令が出力され、且つ、第1のクラッチC1が開放状態にある場合(ステップS1:Yes)、ECU11は、第2のクラッチC2がオン故障していると判断し、ベルト挟圧力制御処理をステップS2の処理に進める。一方、第1のクラッチC1のオン指令が出力されていない、又は、第1のクラッチC1が開放状態にない場合には(ステップS1:No)、ECU11は、第2のクラッチC2はオン故障していないと判断し、一連のベルト挟圧力制御処理を終了する。
ステップS2の処理では、ECU11が、走行レンジがNレンジにあるか否かを判別する。判別の結果、走行レンジがNレンジにある場合(ステップS2:Yes)、ECU11は、ベルト挟圧力制御処理をステップS4の処理に進める。一方、走行レンジがNレンジにない場合には(ステップS2:No)、ECU11は、ベルト挟圧力制御処理をステップS3の処理に進める。
ステップS3の処理では、ECU11が、N接点がオフになってから所定時間が経過したか否かを判別する。判別の結果、N接点がオフになってから所定時間が経過した場合(ステップS3:Yes)、ECU11は、ベルト挟圧力制御処理をステップS5の処理に進める。一方、N接点がオフになってから所定時間が経過していない場合には(ステップS3:No)、ECU11は、ベルト挟圧力制御処理をステップS4の処理に進める。
ステップS4の処理では、ECU11が、油圧制御装置12を制御することによって無段変速機構4のベルト43の挟圧力を増加させる。なお、係合完了後(N接点がオフになってから所定時間が経過した後)は、ベルト挟圧力の増加を解除してベルト挟圧力を最適化する。これにより、ステップS4の処理は完了し、ベルト挟圧力制御処理はステップS5の処理に進む。
ステップS5の処理では、ECU11が、油圧制御装置12を制御することによって無段変速機構4をアップシフトする。これにより、ステップS5の処理は完了し、一連のベルト挟圧力制御処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態であるベルト挟圧力制御処理では、ECU11が、第2のクラッチC2の係合圧を制御するリニアソレノイドバルブSL2のオン故障時、走行レンジがNレンジにある又はNレンジから他レンジへの遷移中若しくは遷移したばかりであると判定した場合、ベルト挟圧力を事前に増加させるので、Nレンジから他レンジへ遷移する際の第2のクラッチC2の急係合に伴うベルト43への入力トルクによってベルト滑りが発生することを抑制できる。また、ECU11は、無段変速機構4をアップシフトすることによって変速比を1に近づけるので、無段変速機構4に応力が発生することを抑制し、ベルト挟圧力を増加させることによってベルト43の耐久性が悪化することを抑制できる。
〔第1変形例〕
図4は、本発明の一実施形態であるベルト挟圧力制御処理の第1変形例の流れを示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、車両1のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられたタイミングで開始となり、ベルト挟圧力制御処理はステップS11の処理に進む。ベルト挟圧力制御処理は、前回のベルト挟圧力制御処理が終了してから所定時間経過する度毎に繰り返し実行される。
図4は、本発明の一実施形態であるベルト挟圧力制御処理の第1変形例の流れを示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、車両1のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられたタイミングで開始となり、ベルト挟圧力制御処理はステップS11の処理に進む。ベルト挟圧力制御処理は、前回のベルト挟圧力制御処理が終了してから所定時間経過する度毎に繰り返し実行される。
ステップS11の処理では、ECU11が、第1のクラッチC1のオン指令が出力され、且つ、第1のクラッチC1が開放状態にあるか否かを判別する。判別の結果、第1のクラッチC1のオン指令が出力され、且つ、第1のクラッチC1が開放状態にある場合(ステップS11:Yes)、ECU11は、第2のクラッチC2がオン故障していると判断し、ベルト挟圧力制御処理をステップS12の処理に進める。一方、第1のクラッチC1のオン指令が出力されていない、又は、第1のクラッチC1が開放状態にない場合には(ステップS11:No)、ECU11は、第2のクラッチC2はオン故障していないと判断し、一連のベルト挟圧力制御処理を終了する。
ステップS12の処理では、ECU11が、走行レンジがNレンジにあるか否かを判別する。判別の結果、走行レンジがNレンジにある場合(ステップS12:Yes)、ECU11は、ベルト挟圧力制御処理をステップS14の処理に進める。一方、走行レンジがNレンジにない場合には(ステップS12:No)、ECU11は、ベルト挟圧力制御処理をステップS13の処理に進める。
ステップS13の処理では、ECU11が、N接点がオフになってから所定時間が経過したか否かを判別する。判別の結果、N接点がオフになってから所定時間が経過した場合(ステップS13:Yes)、ECU11は、一連のベルト挟圧力制御処理を終了する。一方、N接点がオフになってから所定時間が経過していない場合には(ステップS13:No)、ECU11は、ベルト挟圧力制御処理をステップS14の処理に進める。
ステップS14の処理では、ECU11が、油圧制御装置12を制御することによって無段変速機構4のベルト43の挟圧力を増加させる。これにより、ステップS14の処理は完了し、ベルト挟圧力制御処理はステップS15の処理に進む。
ステップS15の処理では、ECU11が、油圧制御装置12を制御することによって無段変速機構4をアップシフトする。これにより、ステップS15の処理は完了し、一連のベルト挟圧力制御処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態であるベルト挟圧力制御処理の第1変形例では、ECU11が、無段変速機構4の出力軸が停止中、且つ、走行レンジがNレンジにある時にベルト挟圧力を増加させ、N接点がオフになってから所定時間内のみ無段変速機構4をアップシフトさせる。このような構成によれば、係合完了後に無段変速機構4のアップシフトが解除されるので、大きな駆動力を使えるようにすることができる。
〔第2変形例〕
図5は、本発明の一実施形態であるベルト挟圧力制御処理の第2変形例の流れを示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、車両1のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられたタイミングで開始となり、ベルト挟圧力制御処理はステップS21の処理に進む。ベルト挟圧力制御処理は、前回のベルト挟圧力制御処理が終了してから所定時間経過する度毎に繰り返し実行される。
図5は、本発明の一実施形態であるベルト挟圧力制御処理の第2変形例の流れを示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、車両1のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられたタイミングで開始となり、ベルト挟圧力制御処理はステップS21の処理に進む。ベルト挟圧力制御処理は、前回のベルト挟圧力制御処理が終了してから所定時間経過する度毎に繰り返し実行される。
ステップS21の処理では、ECU11が、第1のクラッチC1のオン指令が出力され、且つ、第1のクラッチC1が開放状態にあるか否かを判別する。判別の結果、第1のクラッチC1のオン指令が出力され、且つ、第1のクラッチC1が開放状態にある場合(ステップS21:Yes)、ECU11は、第2のクラッチC2がオン故障していると判断し、ベルト挟圧力制御処理をステップS22の処理に進める。一方、第1のクラッチC1のオン指令が出力されていない、又は、第1のクラッチC1が開放状態にない場合には(ステップS21:No)、ECU11は、第2のクラッチC2はオン故障していないと判断し、一連のベルト挟圧力制御処理を終了する。
ステップS22の処理では、ECU11が、第2のクラッチC2が係合状態にあるか否かを判別する。判別の結果、第2のクラッチC2が係合状態にある場合(ステップS22:Yes)、ECU11は、一連のベルト挟圧力制御処理を終了する。一方、第2のクラッチC2が係合状態にない場合には(ステップS22:No)、ECU11は、ベルト挟圧力制御処理をステップS23の処理に進める。
ステップS23の処理では、ECU11が、第2のクラッチC2の係合圧を制御する油路をリニアソレノイドバルブSL2が係合圧を制御する油路とは異なるバイパス経路に切り替え、バイパス経路を介して第2のクラッチC2の係合圧を制御する。これにより、ステップS23の処理は完了し、ベルト挟圧力制御処理はステップS24の処理に進む。
ステップS24の処理では、ECU11が、走行レンジがNレンジにあるか否かを判別する。判別の結果、走行レンジがNレンジにある場合(ステップS24:Yes)、ECU11は、一連のベルト挟圧力制御処理を終了する。一方、走行レンジがNレンジにない場合には(ステップS24:No)、ECU11は、ベルト挟圧力制御処理をステップS25の処理に進める。
ステップS25の処理では、ECU11が、第1のクラッチC1又は第1のブレーキB1を滑らかに係合させるガレージ油圧制御を実行する。これにより、ステップS25の処理は完了し、一連のベルト挟圧力制御処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態であるベルト挟圧力制御処理の第2変形例では、リニアソレノイドバルブSL2がオン故障した場合、ECU11が、バイパス経路を介して第2のクラッチC2の動作を制御するので、無段変速機構4の出力軸が停止中であり、且つ、走行レンジがNレンジにある場合においても回転しつづける無段変速機構4のベルト負荷を低減させることができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 車両
4 無段変速機構
5 減速ギヤ機構
10 自動変速機
11 制御装置
12 油圧制御装置
43 ベルト
C1 第1のクラッチ
C2 第2のクラッチ
4 無段変速機構
5 減速ギヤ機構
10 自動変速機
11 制御装置
12 油圧制御装置
43 ベルト
C1 第1のクラッチ
C2 第2のクラッチ
Claims (1)
- 歯車装置を介してエンジンの動力を車輪へ伝達する第1動力伝達経路と、ベルト式無段変速部を介してエンジンの動力を車輪へ伝達する第2動力伝達経路と、エンジンの動力を車輪へ伝達する動力伝達経路を前記第1動力伝達経路と前記第2動力伝達経路との間で選択的に切り替えるクラッチ機構と、を備え、前記クラッチ機構は、前記第1動力伝達経路における動力伝達を断続する第1クラッチと、前記第2動力伝達経路における動力伝達を断続する第2クラッチと、前記第2クラッチの係合圧を制御するソレノイドバルブと、を含む自動変速機の制御装置であって、
前記第1クラッチのオン指令が出力され、且つ、前記第1クラッチが開放状態にある際に、走行レンジがNレンジにある又はN接点がオフしてから所定時間が経過していないと判定した場合、前記ベルト式無段変速部のベルト挟圧力を増加させると共に前記ベルト式無段変速部をアップシフトする制御手段を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018049400A JP2019158108A (ja) | 2018-03-16 | 2018-03-16 | 自動変速機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018049400A JP2019158108A (ja) | 2018-03-16 | 2018-03-16 | 自動変速機の制御装置 |
Publications (1)
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JP2019158108A true JP2019158108A (ja) | 2019-09-19 |
Family
ID=67996067
Family Applications (1)
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JP2018049400A Pending JP2019158108A (ja) | 2018-03-16 | 2018-03-16 | 自動変速機の制御装置 |
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JP (1) | JP2019158108A (ja) |
Citations (1)
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---|---|---|---|---|
JP2001330121A (ja) * | 2000-05-23 | 2001-11-30 | Toyota Motor Corp | 車両用無段変速機の制御装置 |
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2018
- 2018-03-16 JP JP2018049400A patent/JP2019158108A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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JP2001330121A (ja) * | 2000-05-23 | 2001-11-30 | Toyota Motor Corp | 車両用無段変速機の制御装置 |
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