JP2016023800A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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土田 建一
Kenichi Tsuchida
建一 土田
林 利明
Toshiaki Hayashi
利明 林
雅史 高巣
Masafumi Takasu
雅史 高巣
祐太 芹口
Yuta Seriguchi
祐太 芹口
昌士 滝沢
Masashi Takizawa
昌士 滝沢
貴文 稲垣
Takafumi Inagaki
貴文 稲垣
吉伸 曽我
Yoshinobu Soga
吉伸 曽我
修司 森山
Shuji Moriyama
修司 森山
嘉博 水野
Yoshihiro Mizuno
嘉博 水野
啓允 二谷
Hiromitsu Nitani
啓允 二谷
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Abstract

【課題】ソレノイドバルブの本数を削減でき、かつ確実にレンジ切換えが達成できる自動変速機の油圧制御装置を提供する。【解決手段】マニュアルバルブ21から供給される後進レンジ圧PRを第1のブレーキB1の係合圧として油圧サーボ93へ供給可能な後進用供給油路96と、後進用供給油路96に接続され第1のブレーキB1の係合時に後進レンジ圧PRを自動調圧するアキュムレータ28と、シンクロ機構S1が係合状態であることを検出するシンクロ検出部と、後進用供給油路96に介在し、後進用供給油路96を連通状態と遮断状態とに切換可能な切換えバルブと27と、を備え、切換えバルブ27は、Rレンジ以外からRレンジに変更された場合に、シンクロ検出部がシンクロ機構S1の係合状態を検出するまで遮断状態を維持し、シンクロ検出部がシンクロ機構S1の係合状態を検出してから連通状態に切り換える。【選択図】図3

Description

本発明は、無段変速機構と前後進切換え装置とを備える自動変速機の油圧制御装置に係り、詳しくは、前後進切換え装置を介して設けられる第1の動力伝達経路と、無段変速機構を介して第1の動力伝達経路と並行して設けられる第2の動力伝達経路とを有する自動変速機に関する。
従来、例えば、車両に用いて好適な自動変速機として、1対のプーリとこれらプーリに巻回される金属製ベルト(又はチェーン)を備え、プーリの有効径を変更することにより無段に変速するベルト式無段変速機構を用いた自動変速機が普及している。また、ベルト式無段変速機構以外にも、トロイダル式無段変速機構やコーンリング式無段変速機構等を用いた自動変速機が知られている。
更に、これらの自動変速機において、入力軸と出力軸とを前後進切換え装置を介して連結する第1の動力伝達経路と、入力軸と出力軸とを無段変速機構を介して連結する第2の動力伝達経路との並行する2本の動力伝達経路を有する自動変速機が開発されている(特許文献1参照)。この自動変速機では、前後進切換え装置は前進時にのみ係合する第1のクラッチと後進時にのみ係合するブレーキとを有しており、第1の動力伝達経路にはシンクロメッシュ機構(以下、シンクロ機構という)が介在され、第2の動力伝達経路には第2のクラッチが介在されている。
この自動変速機では、車両が前進方向に発進する際、あるいは所定速度未満で前進走行する際は、第1のクラッチ及びシンクロ機構を係合状態にするとともに、第2のクラッチを解放状態にして無段変速を行わず前進低速段で走行する前進有段モードとなり、駆動源からの駆動トルクを第1の動力伝達経路により入力軸から出力軸に伝達するようになっている。また、車両が所定速度以上で前進走行する際は、第2のクラッチを係合状態にするとともに、第1のクラッチ及びドグクラッチを解放状態にして無段モードとなり、駆動源からの駆動トルクを第2の動力伝達経路により入力軸から出力軸に伝達するようになっている。そして、車両が後進方向に発進する際は、ブレーキ及びシンクロ機構を係合状態にして無段変速を行わずに後進低速度段で走行する後進有段モードとなり、駆動源からの駆動トルクを第1の動力伝達経路により入力軸から出力軸に伝達するようになっている。
国際公開公報WO2013/176208号
しかしながら、特許文献1に記載の自動変速機では、第1のクラッチ、第2のクラッチ、シンクロ機構、ブレーキという4つの係合要素を備えており、各係合要素は油圧制御装置により作動されるようになっている。ここで、通常の油圧制御装置では、1つの係合要素に対して1つのリニアソレノイドバルブ等のソレノイドバルブが対応して設けられるため、上述した4つの係合要素を制御するためには4つのソレノイドバルブが設けられることになる。一般に、ソレノイドバルブは高価であることから、各係合要素にそれぞれソレノイドバルブを設けると、油圧制御装置がコストアップしてしまうという問題があった。また、ソレノイドバルブよりも安価なアキュムレータを油圧の調整が不要なブレーキに対応するソレノイドバルブの代わりに用いることも考えられるが、アキュムレータによるブレーキの自動調圧係合を行う構成にすると、後進レンジに切換えられてブレーキが係合状態となるまでにシンクロ機構が係合状態となっていない場合、シンクロ機構にトルクが伝達されてしまい、シンクロ機構を係合状態にすることが困難となり、場合によっては運転者が後進レンジを選択しているにもかかわらず自動変速機がニュートラル状態のままになってしまうという問題が生じる虞がある。
そこで、ソレノイドバルブの本数を削減でき、かつ確実にレンジ切換えが達成できる自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
本開示に係る自動変速機(10)の油圧制御装置(12)は(例えば図1及び図3参照)、車両(1)の駆動源に駆動連結される入力軸(2)と、
車輪に駆動連結される駆動軸(60)と、
前進レンジで係合可能な第1の前進用係合要素(C1)と後進レンジで係合可能な後進用係合要素(B1)とを有し、前記前進レンジと前記後進レンジとで出力回転方向を切り換える前後進切換え装置(3)と、
変速比を連続的に変更可能な無段変速機構(4)と、
前記入力軸(2)と前記駆動軸(60)とを前記前後進切換え装置(3)を介して連結する第1の動力伝達経路(a1)と、
前記入力軸(2)と前記駆動軸(60)とを前記無段変速機構(4)を介して連結する第2の動力伝達経路(a2)と、
前記第1の動力伝達経路(a1)に介在されるシンクロ機構(S1)と、
前記第2の動力伝達経路(a2)に介在される第2の前進用係合要素(C2)と、を備え、
前記シンクロ機構(S1)と前記第1の前進用係合要素(C1)とを係合状態にして前記入力軸(2)と前記駆動軸(60)とを前記第1の動力伝達経路(a1)により接続して回転伝達する前進有段モードと、
前記第1の前進用係合要素(C1)と前記シンクロ機構(S1)の少なくとも一方を解放状態にし、前記第2の前進用係合要素(C2)を係合状態にして前記入力軸(2)と前記駆動軸(60)とを前記第2の動力伝達経路(a2)により接続して回転伝達する無段モードと、
前記シンクロ機構(S1)と前記後進用係合要素(B1)とを係合状態にして前記入力軸(2)と前記駆動軸(60)とを前記第1の動力伝達経路(a1)により接続して回転伝達する後進有段モードと、に切換可能な自動変速機(10)の油圧制御装置(12)において、
前記シンクロ機構(S1)に係合圧を供給可能な第1のソレノイドバルブ(SLG)と、
走行レンジが前記前進レンジである時に前進レンジ圧(PD)を供給し、前記走行レンジが前記後進レンジである時に後進レンジ圧(PR)を供給するレンジ圧供給部(21)と、
前記レンジ圧供給部(21)から供給される前記後進レンジ圧(PR)を前記後進用係合要素(B1)の係合圧として前記後進用係合要素(B1)の油圧サーボ(93)へ供給可能な後進用供給油路(96)と、
前記後進用供給油路(96)に接続され前記後進用係合要素(B1)の係合時に前記レンジ圧供給部(21)から供給される前記後進レンジ圧(PR)を自動調圧するアキュムレータ(28)と、
前記シンクロ機構(S1)が係合状態であることを検出するシンクロ検出部(15)と、
前記後進用供給油路(96)に介在し、前記後進用供給油路(96)を連通する連通状態と、前記後進用供給油路を遮断する遮断状態とを切換可能な切換えバルブ(27)と、を備え、
前記切換えバルブ(27)は、前記後進レンジ以外から前記後進レンジに変更された場合に、前記シンクロ検出部(15)が前記シンクロ機構(S1)の係合状態を検出するまで前記遮断状態を維持し、前記シンクロ検出部(15)が前記シンクロ機構(S1)の係合状態を検出してから前記連通状態に切り換える、ことを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
本自動変速機の油圧制御装置によると、後進レンジ以外から後進レンジに変更された場合に、シンクロ検出部がシンクロ機構の係合状態を検出するまで遮断状態を維持し、シンクロ検出部がシンクロ機構の係合状態を検出してから連通状態に切り換える切換えバルブと、後進用係合要素の油圧サーボに後進レンジ圧を供給する場合に、後進レンジ圧を自動調圧するアキュムレータと、を備えている。これにより、切換えバルブにより、シンクロ機構が係合状態になる以前に後進用係合要素が係合状態となることを防ぐことができるので、例えば先に後進用係合要素が係合状態となってシンクロ機構を係合状態にすることが困難となり、走行レンジが後進レンジに切り換えられてもニュートラル状態になってしまうという現象が発生することを防ぐことができるため、ソレノイドバルブの本数を削減してコストダウンを可能とするものでありながら、確実な後進レンジへの切換えを達成することができる。
本実施形態に係る自動変速機を示すスケルトン図。 本実施形態に係る自動変速機の係合表。 本実施形態に係る油圧制御装置を示すブロック図。
以下、本実施形態に係る自動変速機10の油圧制御装置12を、図1乃至図3に沿って説明する。なお、本明細書中で駆動連結とは、互いの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、それら回転要素が一体的に回転するように連結された状態、あるいはそれら回転要素がクラッチ等を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む概念として用いる。
本実施形態の自動変速機10を備える車両1の概略構成について図1に沿って説明する。車両1は、自動変速機10と、制御装置(ECU)11と、油圧制御装置12とを備えている。
自動変速機10は、不図示のトルクコンバータと、入力軸2を有する前後進切換え装置3と、無段変速機構4と、減速ギヤ機構5と、駆動軸60を有する出力ギヤ部6と、カウンタシャフト部7と、ディファレンシャル装置8と、これらを収容するミッションケース9とを備えている。また、自動変速機10には、前後進切換え装置3の入力軸2と出力ギヤ部6の駆動軸60とを前後進切換え装置3を介して連結する第1の動力伝達経路a1と、入力軸2と駆動軸60とを無段変速機構4を介して連結する第2の動力伝達経路a2とが形成されている。また、自動変速機10は、第1軸AX1〜第5軸AX5までの互いに平行な軸を備えている。
第1軸AX1は、不図示の内燃エンジン(駆動源)のクランク軸と同軸になっている。この第1軸AX1上には、クランク軸に連結される自動変速機10の入力軸、トルクコンバータ、前後進切換え装置3及び無段変速機構4の入力軸2、前後進切換え装置3のプラネタリギヤDP、第1のクラッチ(第1の前進用係合要素)C1、第1のブレーキ(後進用係合要素)B1、無段変速機構4のプライマリプーリ41が配置されている。
第2軸AX2上には、減速ギヤ機構5が配置されている。第3軸AX3上には、無段変速機構4のセカンダリプーリ42、第2のクラッチ(第2の前進用係合要素)C2、出力ギヤ部6が配置されている。第4軸AX4上には、カウンタシャフト部7が配置されている。第5軸AX5上には、ディファレンシャル装置8、左右のドライブシャフト81L,81Rが配置されている。
クランク軸に連結される自動変速機10の入力軸は、トルクコンバータを介して前後進切換え装置3及び無段変速機構4の入力軸2に連結されている。前後進切換え装置3は、プラネタリギヤDPと、前進レンジであるD(ドライブ)レンジで係合可能な第1のクラッチC1と、後進レンジであるR(リバース)レンジで係合可能な第1のブレーキB1とを備え、後述するシフトポジション検出部14が検出するDレンジとRレンジとで出力回転方向を切り換えて伝達するようになっている。入力軸2は、プラネタリギヤDPの内周側を通って無段変速機構4のプライマリプーリ41に接続されているとともに、プラネタリギヤDPのキャリヤCRに接続されている。プラネタリギヤDPは、サンギヤS、リングギヤR、サンギヤSに噛合するピニオンP1及びリングギヤRに噛合するピニオンP2を回転自在に支持するキャリヤCRを有している所謂ダブルピニオンプラネタリギヤで構成されている。このうちのリングギヤRは、第1のブレーキB1によりミッションケース9に対して回転を係止自在となるように構成されている。また、サンギヤSは中空軸30に直接的に連結され、キャリヤCRは第1のクラッチC1を介して中空軸30に接続され、中空軸30は正逆回転出力ギヤ31に連結されている。なお、中空軸30は、第1のクラッチC1のクラッチドラム32にも連結されており、これら正逆回転出力ギヤ31と、中空軸30と、クラッチドラム32とが一体となって回転部材を構成している。
第1のクラッチC1は、係合時に車両1の前進方向の回転を伝達させる経路を形成するようになっており、第1のブレーキB1は、係合時に車両1の後進方向の回転を伝達させる経路を形成するようになっている。正逆回転出力ギヤ31は、減速ギヤ機構5の入力ギヤ51に噛合している。
減速ギヤ機構5は、第2軸AX2上に配置される第1の回転軸50と、第1の回転軸50に設けられる入力ギヤ51と、第1の回転軸50に設けられ第1の動力伝達経路a1に介在されるシンクロ機構(シンクロメッシュ機構)S1と、第1の回転軸50に対して相対回転可能な中空軸からなる第2の回転軸53及び出力ギヤ56とを備えている。入力ギヤ51は、第1の回転軸50の一方側に一体的に固定され連結されている。第2の回転軸53は、第1の回転軸50の他方側の外周側に、例えばニードルベアリング(不図示)により相対回転自在に支持されている。すなわち、第2の回転軸53は、第1の回転軸50と軸方向に重なる二重軸として配置されている。第2の回転軸53には、出力ギヤ56が一体的に固定されて連結されている。出力ギヤ56は、出力ギヤ部6の入力ギヤ61に噛合されている。
シンクロ機構S1は、ドライブギヤ52と、ドリブンギヤ55と、不図示のシンクロナイザと、スリーブ57と、シフトフォーク58と、付勢ばね59と、シンクロ検出部15とを備えており、第1の回転軸50と第2の回転軸53とを係脱可能になっている。
ドライブギヤ52は、入力ギヤ51よりも小径で、第1の回転軸50の一方側に一体的に固定されて連結されている。ドリブンギヤ55は、ドライブギヤ52と同径、かつ出力ギヤ56よりも小径で、第2の回転軸53に一体的に固定されて連結されている。シンクロナイザは、ドリブンギヤ55のドライブギヤ52側に配設されている。
スリーブ57は、内周面に歯面が形成され、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55との外周側に軸方向に移動可能に配設されている。スリーブ57は、後述する油圧サーボ94(図3参照)により駆動されるシフトフォーク58により軸方向に移動駆動されることで、ドライブギヤ52だけに噛合する位置と、ドライブギヤ52及びドリブンギヤ55に跨って両方に噛合する位置とにスライド駆動される。これにより、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55とは、解放状態(切離し状態)又は係合状態(駆動連結状態)に切換自在にされる。
付勢ばね59は、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55とが解放状態になる方向にシフトフォーク58に付勢力を与える。このため、油圧サーボ94に係合圧PSLGが供給された時は、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55とを係合状態にするように、油圧サーボ94が付勢ばね59の付勢力に抗してシフトフォーク58を移動させる。また、油圧サーボ94がドレーンされた時は、ドライブギヤ52とドリブンギヤ55とを解放状態にするように、付勢ばね59がシフトフォーク58を移動させる。すなわち、係合圧PSLGの供給時には、シンクロ機構S1は係合状態(作動状態)に維持され、係合圧PSLGの非供給時には、付勢ばね59がシンクロ機構S1を解放状態に切り換える。
シンクロ検出部15は、シンクロ機構S1が係合状態であるか否かを検出し、その結果をECU11に送信するようになっている。シンクロ検出部15としては、例えば、油圧サーボ94の可動部材やシフトフォーク58及びスリーブ57等の可動部材の移動を検出するセンサやスイッチ等を適用することができる。
無段変速機構4は、変速比を連続的に変更可能であり、本実施形態ではベルト式無段自動変速機構を適用している。ただし、これには限られず、無段変速機構4として、例えばトロイダル式無段変速機構やコーンリング式無段変速機構等を適用してもよい。無段変速機構4は、入力軸2に接続されたプライマリプーリ41と、セカンダリプーリ42と、該プライマリプーリ41及び該セカンダリプーリ42に巻回された無端状のベルト43とを備えて構成されている。プライマリプーリ41は、それぞれが対向する円錐状に形成された壁面を有し、入力軸2に対して軸方向移動不能に固定された固定シーブ41aと、入力軸2に対して軸方向移動可能に支持された可動シーブ41bとを有しており、これら固定シーブ41aと可動シーブ41bとによって形成された断面V字状となる溝部によりベルト43を挟持している。
同様に、セカンダリプーリ42は、それぞれが対向する円錐状に形成された壁面を有し、中心軸44に対して軸方向移動不能に固定された固定シーブ42aと、中心軸44に対して軸方向移動可能に支持された可動シーブ42bとを有しており、これら固定シーブ42aと可動シーブ42bとによって形成された断面V字状となる溝部によりベルト43を挟持している。これらプライマリプーリ41の固定シーブ41aとセカンダリプーリ42の固定シーブ42aとは、ベルト43に対して軸方向反対側となるように配置されている。
また、プライマリプーリ41の可動シーブ41bの背面側には、油圧サーボ45(プライマリ側油圧サーボ)が配置されており、セカンダリプーリ42の可動シーブ42bの背面側には、油圧サーボ46(セカンダリ側油圧サーボ)が配置されている。油圧サーボ45には、油圧制御装置12の不図示のプライマリ圧コントロールバルブに調圧されたプライマリ圧が作動油圧として供給され、油圧サーボ46には、油圧制御装置12の不図示のセカンダリ圧コントロールバルブに調圧されたセカンダリ圧が作動油圧として供給されるようになっている。そして、これら油圧サーボ45,46は、各作動油圧が供給されることによりプライマリプーリ41、セカンダリプーリ42を押圧制御し負荷トルクに対応するベルト挟圧力を発生させるとともに、変速比を変更又は固定するための挟圧力を発生させるように構成されている。
セカンダリプーリ42の可動シーブ42bの出力軸47は、第2のクラッチC2を介して、出力ギヤ部6の駆動軸60に接続されている。すなわち、第2のクラッチC2は、第2の動力伝達経路a2に介在されている。出力ギヤ部6は、駆動軸60と、該駆動軸60の一端側に固定されて連結された入力ギヤ61と、該駆動軸60の他端側に固定されて連結されたカウンタギヤ62と、を有して構成されており、カウンタギヤ62は、カウンタシャフト部7のドリブンギヤ71に噛合されている。
カウンタシャフト部7は、カウンタシャフト70と、該カウンタシャフト70に固定されて連結されたドリブンギヤ71と、カウンタシャフト70に固定されて連結されたドライブギヤ72と、を有して構成されており、ドライブギヤ72は、ディファレンシャル装置8のデフリングギヤ80に噛合されている。
ディファレンシャル装置8は、デフリングギヤ80の回転をそれぞれ左右ドライブシャフト81L,81Rにそれらの差回転を吸収しつつ伝達するように構成されており、左右ドライブシャフト81L,81Rは、それぞれ不図示の左右車輪に連結されている。なお、デフリングギヤ80がドライブギヤ72に噛合し、ドリブンギヤ71がカウンタギヤ62に噛合していることから、出力ギヤ部6の駆動軸60、カウンタシャフト部7のカウンタシャフト70、ディファレンシャル装置8は、左右ドライブシャフト81L,81Rを介して車輪と駆動連結されており、常に車輪に連動していることになる。
ECU11は、例えば、CPUと、処理プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、入出力ポートと、通信ポートとを備えており、油圧制御装置12への制御信号等、各種の信号を出力ポートから出力するようになっている。なお、車両1には運転者が走行レンジを選択操作可能なシフトレバー13と、シフトレバー13のシフトポジションを検出するシフトポジション検出部14とが設けられている。ECU11には、シフトポジション検出部14と、シンクロ検出部15とが入力ポートを介して接続されている。
ECU11は、シフトポジション検出部14により走行レンジがRレンジであることを検出した場合に、シンクロ検出部15がシンクロ機構S1の係合状態を検出するまで、後述するセカンダリ制御圧(信号圧)PSLSを制御して切換えバルブ27を遮断状態に維持し、シンクロ検出部15がシンクロ機構S1の係合状態を検出してから、セカンダリ制御圧PSLSを制御して切換えバルブ27を連通状態に切り換えるようになっている。
以上のように構成された自動変速機10は、図1のスケルトン図に示す第1のクラッチC1、第2のクラッチC2、シンクロ機構S1及び第1のブレーキB1が、図2の係合表に示す組み合わせで係脱されることにより、前進有段モード、前進の無段モード、後進有段モードが達成される。図2に示すように、前進有段モードにおいては、第1のクラッチC1とシンクロ機構S1が係合状態となり、入力軸2と駆動軸60とを第1の動力伝達経路a1により接続して回転伝達する。また、後進有段モードにおいては、第1のブレーキB1とシンクロ機構S1が係合状態となり、入力軸2と駆動軸60とを第1の動力伝達経路a1により接続して回転伝達する。前進有段モードから無段モードに移行する場合には、第1のクラッチC1が解放されるとともに、第2のクラッチC2が係合され、無段モードとなる。そして、無段モードにおいては、第2のクラッチC2が係合された後にシンクロ機構S1が解放され、第2のクラッチC2が係合状態となり、入力軸2と駆動軸60とを第2の動力伝達経路a2により接続して回転伝達する。
油圧制御装置12は、不図示のオイルポンプで発生された油圧をプライマリレギュレータバルブ及びセカンダリレギュレータバルブにより、スロットル開度に基づきライン圧PL及びセカンダリ圧に調圧するようになっている。図3に示すように、油圧制御装置12は、ライン圧モジュレータバルブ20と、マニュアルバルブ(レンジ圧供給部)21と、リニアソレノイドバルブSL1と、リニアソレノイドバルブSL1に接続されるアキュムレータ22及びチェックバルブ23と、リニアソレノイドバルブSL2と、リニアソレノイドバルブSL2に接続されるアキュムレータ24及びチェックバルブ25と、クラッチアプライコントロールバルブ26と、切換えバルブ27と、アキュムレータ28と、アキュムレータ28に接続されるチェックバルブ29と、リニアソレノイドバルブ(第1のソレノイドバルブ)SLGと、セカンダリリニアソレノイドバルブ(第2のソレノイドバルブ)SLS等を備えている。また、油圧制御装置12は、不図示のプライマリリニアソレノイドバルブを備えている。
油圧制御装置12は、油圧により作動され第1のクラッチC1を係脱可能な油圧サーボ91と、油圧により作動され第2のクラッチC2を係脱可能な油圧サーボ92と、油圧により作動されシンクロ機構S1を係脱可能な油圧サーボ94と、油圧により作動され第1のブレーキB1を係脱可能な油圧サーボ93とに接続されている。また、プライマリリニアソレノイドバルブは、プライマリ圧コントロールバルブにプライマリ制御圧(信号圧、プーリ制御圧)を供給することで、プライマリ圧コントロールバルブから無段変速機構4の油圧サーボ45(図1参照)に供給されるプライマリ圧を調圧するようになっている。更に、セカンダリリニアソレノイドバルブSLSは、セカンダリ圧コントロールバルブにセカンダリ制御圧(信号圧、プーリ制御圧)PSLSを供給することで、セカンダリ圧コントロールバルブから無段変速機構4の油圧サーボ46(図1参照)に供給されるセカンダリ圧を調圧するようになっている。
これにより、油圧制御装置12は、ECU11の指令により、係合圧を給排することで無段変速機構4の変速や、第1のクラッチC1、第2のクラッチC2、第1のブレーキB1、シンクロ機構S1の係脱等の制御を行うようになっている。すなわち、本実施形態の油圧制御装置12によれば、リニアソレノイドバルブSL1、リニアソレノイドバルブSL2及びリニアソレノイドバルブSLGの3つのリニアソレノイドバルブと、切換えバルブ27及びアキュムレータ28とを利用することにより、第1のクラッチC1、第2のクラッチC2、第1のブレーキB1、シンクロ機構S1の4つの係合要素の係脱を実現するようになっている。
ライン圧モジュレータバルブ20は、ライン圧PLを調圧して、ライン圧PLより低圧の一定圧であるモジュレータ圧PLPM2を生成するようになっている。
マニュアルバルブ21は、シフトレバー13(図1参照)の操作により機械的あるいは電気的に移動されるスプール21pと、モジュレータ圧PLPM2が入力される入力ポート21aと、スプール21pがDレンジ位置の場合にモジュレータ圧PLPM2を前進レンジ圧PDとして出力する出力ポート21bと、スプール21pがRレンジ位置の場合にモジュレータ圧PLPM2を後進レンジ圧PRとして出力する出力ポート21cと、を備えている。ここで、本実施形態において、マニュアルバルブ21の出力ポート21cから油圧サーボ93までの油路は、後進レンジ圧PRを第1のブレーキB1の係合圧として油圧サーボ93へ供給可能な後進用供給油路96を構成する。
リニアソレノイドバルブSL1は、前進レンジ圧PDが入力される入力ポートSL1aと、後述するクラッチアプライコントロールバルブ26の第1の作動油室26a及び第1の入力ポート26cと第1のクラッチC1とに連通される出力ポートSL1bとを備え、入力される前進レンジ圧PDを自在に調圧制御し、油圧サーボ91に供給するための係合圧PSL1を生成して出力ポートSL1bから供給するようになっている。
アキュムレータ22は、可動部材22pと、該可動部材22pを押圧する圧縮コイルばねからなるスプリング22sと、可動部材22pをスプリング22sに抗して押し込んで蓄圧するための蓄圧油室22aと、を備えている。蓄圧油室22aは、前進レンジ圧PDを蓄圧可能になっている。アキュムレータ22は、マニュアルバルブ21をDレンジから他のレンジに切り換え前進レンジ圧PDが無くなる際に、一定時間の間、リニアソレノイドバルブSL1に前進レンジ圧PDに相当する油圧を供給し続けるようになっており、第1のクラッチC1に供給される油圧を徐々に減少させることで第1のクラッチC1を解放状態にする際に生じる衝撃を緩和するようになっている。
チェックバルブ23は、前進レンジ圧PDが供給される入力ポート23aと、アキュムレータ22の蓄圧油室22a及びリニアソレノイドバルブSL1の入力ポートSL1aに連通する出力ポート23bと、入力ポート23a及び出力ポート23bの連通及び遮断を切換可能な封止部材23pと、不図示のスプリングと、を備えている。スプリングは、入力ポート23a及び出力ポート23bを遮断するように封止部材23pに付勢するとともに、前進レンジ圧PDより低い油圧で入力ポート23aから出力ポート23bに向けて連通させるように設定されている。このため、入力ポート23aに前進レンジ圧PDが入力されることにより、封止部材23pはスプリングに抗して切り換わり、入力ポート23a及び出力ポート23bを連通し、入力ポート23aから出力ポート23bの一方向にのみ油圧を流通可能にしている。
また、マニュアルバルブ21の出力ポート21bとチェックバルブ23の入力ポート23aとを連通する油路と、チェックバルブ23の出力ポート23bとリニアソレノイドバルブSL1の入力ポートSL1aとを連通する油路と、を連通する油路には、オリフィス95が配置されている。これにより、前進レンジ圧PDが無くなってアキュムレータ22がリニアソレノイドバルブSL1に前進レンジ圧PDに相当する油圧を供給する場合に、オリフィス95が設けられていない場合に比べて、供給可能な時間を延長することができる。
リニアソレノイドバルブSL2は、前進レンジ圧PDが入力される入力ポートSL2aと、クラッチアプライコントロールバルブ26の第2の入力ポート26d及び第3の入力ポート26eに連通される出力ポートSL2bとを備え、入力される前進レンジ圧PDを自在に調圧制御し、油圧サーボ92に供給するための係合圧PSL2を生成して出力ポートSL2bから供給するようになっている。なお、リニアソレノイドバルブSL2に対して、アキュムレータ24、チェックバルブ25、オリフィス95が接続されているが、これらは上述したリニアソレノイドバルブSL1に接続されたアキュムレータ22、チェックバルブ23、オリフィス95と同様の構成であるので、詳細な説明を省略する。
クラッチアプライコントロールバルブ26は、図中左半分で示す位置(第2のクラッチC2連通状態)(以下、「左半位置」という)と図中右半分で示す位置(第2のクラッチC2遮断状態)(以下、「右半位置」という)とを切換自在なスプール26pと、該スプール26pを左半位置に付勢する圧縮コイルばねからなるスプリング26sと、を備えている。クラッチアプライコントロールバルブ26は、スプール26pを右半位置に押圧作用する方向に係合圧PSL1を入力する第1の作動油室26aと、スプール26pを左半位置に押圧作用する方向にモジュレータ圧PLPM2を入力する第2の作動油室26bと、を備えている。また、クラッチアプライコントロールバルブ26は、係合圧PSL1を入力する第1の入力ポート26cと、油圧サーボ91に連通する第1の出力ポート26iと、係合圧PSL2を入力する第2の入力ポート26d及び第3の入力ポート26eと、を備えている。更に、クラッチアプライコントロールバルブ26は、ドレーンポート26f,26gと、油圧サーボ92に連通する第2の出力ポート26hと、を備えている。
第1の作動油室26aと第2の作動油室26bとでは、スプール26pの受圧面積を同じに設定している。また、第2の入力ポート26dでは、スプール26pの軸方向両側で受圧面積を異ならせており、スプール26pを右半位置に押圧作用する側の受圧面積が大きくなるように設定している。更に、スプリング26sの付勢力は、第2の入力ポート26dに係合圧PSL2が供給された際にスプール26pの受圧面積差によってスプール26pを右半位置に押圧作用する押圧力よりも小さくなるように設定している。これにより、リニアソレノイドバルブSL1,SL2が、係合圧PSL1,PSL2を同時に出力した場合は、スプール26pの両端面で係合圧PSL1とモジュレータ圧PLPM2とが打ち消し合うとともに、第2の入力ポート26dに供給された係合圧PSL2がスプール26pの受圧面積差によってスプール26pを右半位置に押圧作用する押圧力がスプリング26sに打ち勝って、スプール26pが右半位置に切り換わる。そして、クラッチアプライコントロールバルブ26は、スプール26pが右半位置の第2のクラッチC2遮断状態にある時は、第1の入力ポート26cと第1の出力ポート26iとが連通され、第2の入力ポート26dが遮断されるようになっている。
また、クラッチアプライコントロールバルブ26は、リニアソレノイドバルブSL1が係合圧PSL1の供給を停止するとともに、リニアソレノイドバルブSL2が係合圧PSL2を供給する場合に、モジュレータ圧PLPM2とスプリング26sの付勢力とが係合圧PSL2に打ち勝ち、スプール26pが左半位置に切り換わる。そして、クラッチアプライコントロールバルブ26は、スプール26pが左半位置の第2のクラッチC2連通状態にある時は、第3の入力ポート26eと第2の出力ポート26hとが連通され、第1の出力ポート26iとドレーンポート26gとが連通されるようになっている。
したがって、リニアソレノイドバルブSL1が係合圧PSL1を供給し、かつリニアソレノイドバルブSL2が係合圧PSL2を供給しない場合は、クラッチアプライコントロールバルブ26は第2のクラッチC2遮断状態のままで、係合圧PSL1が油圧サーボ91に供給され、第1のクラッチC1が係合状態となる。また、リニアソレノイドバルブSL1が係合圧PSL1を供給せず、かつリニアソレノイドバルブSL2が係合圧PSL2を供給する場合は、クラッチアプライコントロールバルブ26は第2のクラッチC2連通状態に切り換わり、係合圧PSL2が油圧サーボ92に供給され、第2のクラッチC2が係合状態となる。更に、リニアソレノイドバルブSL1,SL2の両方が係合圧PSL1,PSL2を供給した場合は、クラッチアプライコントロールバルブ26は第2のクラッチC2遮断状態に切り換わり、油圧サーボ92はドレーンポート26fからドレーンされ、第2のクラッチC2が解放状態となるとともに、油圧サーボ91に係合圧PSL1が供給され、第1のクラッチC1が係合状態となる。これにより、油圧サーボ91及び油圧サーボ92に同時に係合圧が供給されることを防止できるので、第1のクラッチC1及び第2のクラッチC2が同時に係合することを防止することができる。なお、クラッチアプライコントロールバルブ26は、係合圧PSL1,PSL2が同時に供給された場合に第1のクラッチC1に係合圧PSL1を供給し係合状態にするとともに、油圧サーボ92に供給されていた油圧をドレーンポート26fからドレーンして第2のクラッチC2を解放状態にするように構成されているが、これに限らず、第1のクラッチC1を解放状態にするとともに第2のクラッチC2を係合状態にするように構成してもよく、第1のクラッチC1及び第2のクラッチC2の両方を解放状態にするように構成されていてもよい。
リニアソレノイドバルブSLGは、モジュレータ圧PLPM2が入力される入力ポートSLGaと、油圧サーボ94に連通される出力ポートSLGbとを備え、入力されるモジュレータ圧PLPM2を自在に調圧制御し、油圧サーボ94に供給するための係合圧PSLGを生成して出力ポートSLGbから供給するようになっている。
セカンダリリニアソレノイドバルブSLSは、モジュレータ圧PLPM2が入力される入力ポートSLSaと、切換えバルブ27の第2の作動油室27bに連通される出力ポートSLSbとを備え、入力されるモジュレータ圧PLPM2を自在に調圧制御し、セカンダリ制御圧PSLSを生成して出力ポートSLSbから切換えバルブ27に信号圧として供給するようになっている。なお、出力ポートSLSbは、不図示のセカンダリ圧コントロールバルブに連通されている。
切換えバルブ27は、図中左半分で示す左半位置(遮断状態位置)と図中右半分で示す右半位置(連通状態位置)とを切換自在なスプール27pと、該スプール27pを左半位置の方向に付勢する圧縮コイルばねからなるスプリング(付勢部材)27sと、を備えている。切換えバルブ27は、スプール27pを右半位置の方向に押圧作用する方向に後進レンジ圧PRを入力する第1の作動油室27aと、スプール27pを左半位置に押圧作用する方向にセカンダリ制御圧PSLSを入力する第2の作動油室27bとを備えている。また、切換えバルブ27は、後進レンジ圧PRを入力する入力ポート27cを備えている。更に、切換えバルブ27は、油圧サーボ93に連通する出力ポート27dと、ドレーンポート27eと、を備えている。
第1の作動油室27aと第2の作動油室27bとでは、スプール27pの受圧面積を同じに設定している。また、スプリング27sの付勢力は、第1の作動油室27aに後進レンジ圧PRが供給された際にスプール27pを右半位置に押圧作用する押圧力よりも小さくなるように設定している。これにより、後進レンジ圧PRが供給され、かつセカンダリ制御圧PSLSが供給されない場合は、後進レンジ圧PRがスプリング27sの付勢力に打ち勝ち、スプール27pが右半位置に位置する。また、後進レンジ圧PRが供給されるとともにセカンダリ制御圧PSLSが供給される場合は、スプール27pの両端面で後進レンジ圧PRとセカンダリ制御圧PSLSとが打ち消し合いスプリング27sの付勢力によって、スプール27pが左半位置に位置する。
そして、切換えバルブ27は、スプール27pが左半位置の遮断状態にある時は、入力ポート27cが遮断されるようになっている。また、切換えバルブ27は、スプール27pが右半位置の後進状態にある時は、入力ポート27cが出力ポート27dと連通されるようになっている。
したがって、マニュアルバルブ21のシフトポジションがRレンジ以外で後進レンジ圧PRが生成されないか、あるいはシフトポジションがRレンジで後進レンジ圧PRが生成され、かつセカンダリ制御圧PSLSが供給される場合は、切換えバルブ27のスプール27pが左半位置に位置し、後進用供給油路96が遮断される遮断状態のままとなり、油圧サーボ93は切換えバルブ27のドレーンポート27eを介してドレーンされる。また、シフトポジションがRレンジで後進レンジ圧PRが生成されるとともにセカンダリ制御圧PSLSが供給されない場合は、切換えバルブ27のスプール27pが右半位置に位置し、後進用供給油路96を連通する連通状態に切り換わり、後進レンジ圧PRが切換えバルブ27を通過して油圧サーボ93に供給される。
また、後進用供給油路96のうち、後述するアキュムレータ28の接続部98とチェックバルブ29の接続部99との間には、オリフィス97が配置されている。これにより、切換えバルブ27が遮断状態から連通状態に切り換わった後に、油圧サーボ93に急激に後進レンジ圧PRが供給されることを防ぐことができる。
なお、本実施形態において、切換えバルブ27は、セカンダリリニアソレノイドバルブSLSから供給されるセカンダリ制御圧PSLSによって遮断状態を維持するように構成されているが、これに限らず、プライマリリニアソレノイドバルブから供給されるプライマリ制御圧によって遮断状態を維持するように構成されていてもよい。
アキュムレータ28は、可動部材28pと、該可動部材28pを押圧する圧縮コイルばねからなるスプリング28sと、可動部材28pをスプリング28sと同方向に押し込んで蓄圧するための第1の蓄圧油室28aと、可動部材28pをスプリング28sに抗して押し込んで蓄圧するための第2の蓄圧油室28bと、ドレーンポート28cと、を備え、後進用供給油路96と接続部98で接続している。第1の蓄圧油室28aは、モジュレータ圧PLPM2を蓄圧可能になっている。第2の蓄圧油室28bは、後進レンジ圧PRを蓄圧可能になっている。
第1の蓄圧油室28aと第2の蓄圧油室28bとの可動部材28pの受圧面積は、第2の蓄圧油室28bの方が大きくなっている。後進レンジ圧PRが第2の蓄圧油室28bに供給される場合は、後進レンジ圧PRが可動部材28pを押圧する力がスプリング28sの付勢力とモジュレータ圧PLPM2が可動部材28pを押圧する力とよりも大きくなり、可動部材28pが第1の蓄圧油室28a方向に移動する。
可動部材28pが第1の蓄圧油室28a方向に移動することにより、切換えバルブ27から油圧サーボ93に供給される後進レンジ圧PRは、減圧されて油圧サーボ93に供給される。つまり、アキュムレータ28は、後進レンジ圧PRが第2の蓄圧油室28bに供給されることで、後進レンジ圧PRを自動調圧するようになっている。
チェックバルブ29は、第2の蓄圧油室28bに蓄圧される後進レンジ圧PRが供給される入力ポート29aと、切換えバルブ27の出力ポート27dに連通する出力ポート29bと、入力ポート29a及び出力ポート29bの連通及び遮断を切換可能な封止部材29pと、不図示のスプリングと、を備えている。スプリングは、入力ポート29a及び出力ポート29bを遮断するように封止部材29pに付勢する。ここで、スプリングの付勢力は、後進レンジ圧PRが第2の蓄圧油室28bに供給される場合には、入力ポート29a及び出力ポート29bを遮断した状態で維持するとともに、後進レンジ圧PRの供給が停止されスプリング28sの付勢力とモジュレータ圧PLPM2とによって可動部材28pが第2の蓄圧油室28b方向に移動される場合には、入力ポート29aから出力ポート29bに向けて連通させるように設定されている。
このため、後進レンジ圧PRの供給が停止されることにより、封止部材29pはスプリングに抗して切り換わり、入力ポート29a及び出力ポート29bを連通し、入力ポート29aから出力ポート29bの一方向にのみ油圧を流通可能にしている。そして、出力ポート29bから接続部99、切換えバルブ27の出力ポート27dを介して、ドレーンポート27eまでが連通される。つまり、後進レンジ圧PRの供給を停止し、油圧サーボ93を係合状態にしていた油圧がドレーンされる場合には、アキュムレータ28、チェックバルブ29を介する油路と、オリフィス97を通過する油路との両方の油路を通過し、切換えバルブ27のドレーンポート27eからドレーンされる。これにより、後進レンジ圧PRの供給が停止された場合に、第1のブレーキB1を係合状態から解放状態に切り換えるために必要な時間を短縮することができる。
次に、自動変速機10の油圧制御装置12の動作について説明する。まず、内燃エンジンの始動することで、ライン圧PL及びモジュレータ圧PLPM2が急上昇する。この時、シフトポジション検出部14によって検出されるシフトポジションはP(パーキング)レンジであり、前進レンジ圧PD及び後進レンジ圧PRのいずれも出力されていないものとし、切換えバルブ27は遮断状態にあるものとする。また、内燃エンジンの始動により、モジュレータ圧PLPM2がアキュムレータ28の第1の蓄圧油室28aへの貯留が開始される。
シフトポジションがDレンジに切り換わったことがシフトポジション検出部14によって検出された場合、ECU11は、リニアソレノイドバルブSLGを制御して係合圧PSLGがシンクロ機構S1を係合する係合圧にまで上がるように増加を開始し、シンクロ機構S1の油圧サーボ94に供給する。これにより、シンクロ機構S1は、徐々に係合状態に遷移していく。
油圧サーボ94に係合圧PSLGが供給されることで、シンクロ機構S1は、シフトフォーク58によってスリーブ57を軸方向に移動駆動し、スリーブ57の内周面に形成された歯面がドライブギヤ52とドリブンギヤ55に跨って両方に噛合する位置にスライド駆動を開始し、スリーブ57がドライブギヤ52とドリブンギヤ55に跨って両方に噛合する状態、すなわちドライブギヤ52とドリブンギヤ55とが係合状態になるまで、スライド駆動を継続して実行する。シンクロ検出部15は、スリーブ57がドライブギヤ52とドリブンギヤ55とに跨って両方に噛合した場合に、シンクロ機構S1が係合状態になったものと検出する。
なお、シンクロ機構S1は、例えばスリーブ57の歯面とドリブンギヤ55の歯面との位相関係により、スリーブ57がドリブンギヤ55に干渉して入り難い状態が発生することがある。このような場合を想定し、ECU11は、タイマーなどによりリニアソレノイドバルブSLGから係合圧PSLGを出力してから所定時間に亘ってシンクロ検出部15により係合状態が検出できない場合に、リニアソレノイドバルブSLGに指令して係合圧PSLGを下降してから再び係合圧PSLGの上昇を行う、といったシンクロ機構S1の係合制御のリトライをシンクロ機構S1の係合状態が検出されるまで繰り返し行う。
一方、マニュアルバルブ21は、スプール21pがDレンジ位置となりモジュレータ圧PLPM2を前進レンジ圧PDとして出力する。そして、ECU11は、シンクロ検出部15によりシンクロ機構S1の係合状態を検出すると、リニアソレノイドバルブSL1を制御して係合圧PSL1が第1のクラッチC1を係合する係合圧にまで上がるように増加を開始し、第1のクラッチC1の油圧サーボ91に供給する。これにより、第1のクラッチC1は、徐々に係合状態に遷移していく。シンクロ機構S1及び第1のクラッチC1が係合状態となることで、自動変速機10は、前進有段モードとなる。
前進有段モードから無段モードに移行する場合、ECU11は、リニアソレノイドバルブSL1を制御して係合圧PSL1がほぼ0になるまで下がるように低減を開始するとともに、リニアソレノイドバルブSL2を制御して係合圧PSL2が第2のクラッチC2を係合する係合圧にまで上がるように増加を開始する。係合圧PSL1が0になることで、クラッチアプライコントロールバルブ26は、スプール26pが移動し第2のクラッチC2遮断状態から第2のクラッチC2連通状態に切り換わり、第2のクラッチC2の油圧サーボ92に係合圧PSL2が供給されるようになる。第2のクラッチC2が係合状態となることで、自動変速機10は、無段変速機構4により変速比が変更される無段モードとなる。また、無段モードに移行した場合に、ECU11は、リニアソレノイドバルブSLGを制御して係合圧PSLGがほぼ0になるまで下がるように低減を開始し、係合圧PSLGがほぼ0となることでシンクロ機構S1が解放状態となる。
油圧サーボ94供給される係合圧PSLGがほぼ0に低減されることで、シンクロ機構S1は、シフトフォーク58によってスリーブ57を軸方向に移動駆動し、スリーブ57の内周面に形成された歯面がドライブギヤ52に噛合する位置にスライド駆動を開始し、スリーブ57がドライブギヤ52に噛合しドリブンギヤ55に噛合しない状態、すなわちドライブギヤ52とドリブンギヤ55とが解放状態になるまでスライド駆動する。シンクロ検出部15は、スリーブ57がドライブギヤ52に噛合しドリブンギヤ55に噛合しなくなった場合に、シンクロ機構S1が係合状態ではなくなった、つまり解放状態となったものと検出する。
シフトポジションがRレンジ以外からRレンジに切り換わったことがシフトポジション検出部14によって検出された場合、マニュアルバルブ21は、スプール21pがRレンジ位置となりモジュレータ圧PLPM2を後進レンジ圧PRとして出力する。そして、ECU11は、リニアソレノイドバルブSLGを制御して係合圧PSLGがシンクロ機構S1を係合する係合圧にまで上がるように増加を開始し、シンクロ機構S1の油圧サーボ94に供給する。これにより、シンクロ機構S1は、徐々に係合状態に遷移していく。
油圧サーボ94に係合圧PSLGが供給されることで、シンクロ機構S1は、シフトフォーク58によってスリーブ57を軸方向に移動駆動し、スリーブ57の内周面に形成された歯面がドライブギヤ52とドリブンギヤ55に跨って両方に噛合する位置にスライド駆動を開始し、スリーブ57がドライブギヤ52とドリブンギヤ55に跨って両方に噛合する状態、すなわちドライブギヤ52とドリブンギヤ55とが係合状態になるまで、スライド駆動を継続して実行する。シンクロ検出部15は、スリーブ57がドライブギヤ52とドリブンギヤ55とに跨って両方に噛合した場合に、シンクロ機構S1が係合状態になったものと検出する。なお、上述したように、シンクロ機構S1の係合状態が所定時間に亘って検出されない場合は、シンクロ機構S1の係合制御のリトライをシンクロ機構S1の係合状態が検出されるまで繰り返し行う。
シンクロ機構S1の係合状態をシンクロ検出部15が検出するまでの間、ECU11は、セカンダリリニアソレノイドバルブSLSを制御してセカンダリ制御圧PSLSが切換えバルブ27を遮断状態に維持する制御圧にまでに上がるように増加を開始し、切換えバルブ27に供給する。これにより、切換えバルブ27は、遮断状態を維持する。そして、シンクロ機構S1が係合状態となったことをシンクロ検出部15が検出した場合に、ECU11は、セカンダリリニアソレノイドバルブSLSを制御してセカンダリ制御圧PSLSがほぼ0になるまで下がるように低減を開始する。セカンダリ制御圧PSLSが低減することにより、切換えバルブ27は、後進レンジ圧PRによってスプール27pが右半位置の方向に押圧作用され、連通状態に切り換わる。
切換えバルブ27が連通状態に切り換わることにより、後進レンジ圧PRは、後進用供給油路96を通って油圧サーボ93とアキュムレータ28とに供給されるようになる。後進レンジ圧PRがアキュムレータ28の第2の蓄圧油室28bに供給されることで、アキュムレータ28は、可動部材28pが第1の蓄圧油室28a方向に移動され、後進レンジ圧PRを減圧する。アキュムレータ28によって減圧された後進レンジ圧PRが油圧サーボ93に供給されることで、油圧制御装置12は、油圧サーボ93に急激に後進レンジ圧PRが供給され、第1のブレーキB1の係合時に衝撃が発生することを防いでいる。
シフトポジションがRレンジからN(ニュートラル)レンジに切り換わったことがシフトポジション検出部14によって検出された場合、マニュアルバルブ21は、スプール21pがNレンジ位置となり後進レンジ圧PRの出力を停止する。後進レンジ圧PRの出力が停止されることにより、切換えバルブ27は、スプリング27sの付勢力によってスプール27pが左半位置の方向に移動し、連通状態から遮断状態に切り換わる。切換えバルブ27が遮断状態に切り換わることにより、油圧サーボ93に供給されていた油圧は、アキュムレータ28、チェックバルブ29を介する油路とオリフィス97を通過する油路との両方を通過し切換えバルブ27のドレーンポート27eからドレーンされ、第1のブレーキB1は解放状態に切り換わる。これにより、油圧制御装置12は、後進レンジ圧PRの供給が停止された場合に、第1のブレーキB1を係合状態から解放状態に切り換えるために必要な時間を短縮することができる。
(本実施形態のまとめ)
以上説明したように、本実施形態の自動変速機(10)の油圧制御装置(12)によると、後進レンジ以外から後進レンジに変更された場合に、シンクロ検出部(15)がシンクロ機構(S1)の係合状態を検出するまで遮断状態を維持し、シンクロ検出部(15)がシンクロ機構(S1)の係合状態を検出してから連通状態に切り換える切換えバルブ(27)と、後進用係合要素(B1)の油圧サーボ(93)に後進レンジ圧(PR)を供給する場合に、後進レンジ圧(PR)を自動調圧するアキュムレータ(28)と、を備えている。これにより、切換えバルブ(27)により、シンクロ機構(S1)が係合状態になる以前に後進用係合要素(B1)が係合状態となることを防ぐことができるので、例えば先に後進用係合要素(B1)が係合状態となってシンクロ機構(S1)を係合状態にすることが困難となり、走行レンジが後進レンジに切換えられてもニュートラル状態になってしまうという現象が発生することを防ぐことができるため、ソレノイドバルブの本数を削減してコストダウンを可能とするものでありながら、確実な後進レンジへの切換えを達成することができる。
また、切換えバルブ(27)は、レンジ圧供給部(21)と、アキュムレータ(28)が後進用供給油路(96)に接続する接続部(98)と、の間に介在している。ここで、切換えバルブ(27)を接続部(98)と後進用係合要素(B1)との間に介在させた場合、後進レンジ圧(PR)の出力が開始され、シンクロ検出部(15)がシンクロ機構(S1)の係合状態を検出するまでの間に後進レンジ圧(PR)がアキュムレータ(28)に供給されてしまい、シンクロ検出部(15)がシンクロ機構(S1)の係合状態を検出し、切換えバルブ(27)を連通状態に切り換え後進レンジ圧(PR)を後進用係合要素(B1)に供給開始する際に、アキュムレータ(28)の自動調圧機能が機能せず後進用係合要素(B1)に急激に後進レンジ圧(PR)が供給されてしまう可能性がある。しかしながら、切換えバルブ(27)を、レンジ圧供給部(21)と、アキュムレータ(28)が後進用供給油路(96)に接続する接続部(98)と、の間に介在させることにより、シンクロ検出部(15)がシンクロ機構(S1)の係合状態を検出した後に後進用係合要素(B1)及びアキュムレータ(28)に後進レンジ圧を供給することで、後進用係合要素(B1)に供給される後進レンジ圧(PR)をアキュムレータ(28)によって自動調圧することができる。
また、信号圧を供給可能な第2のソレノイドバルブを備え、切換えバルブ(27)は、後進用供給油路(96)を連通状態にする連通状態位置と後進用供給油路(96)を遮断状態にする遮断状態位置とを切換自在なスプール(27p)と、スプール(27p)を遮断状態位置の方向に付勢する付勢手段(27s)と、後進レンジ圧(PR)を入力した際にスプール(27p)を連通状態位置の方向に押圧する第1の作動油室(27a)と、信号圧を入力した際にスプール(27p)を遮断状態位置の方向に押圧する第2の作動油室(27b)と、を備えるため、第2のソレノイドバルブを制御することにより、シンクロ機構(S1)の係合状態がシンクロ検出部(15)に検出されない場合に、後進用係合要素(B1)の油圧サーボ(93)に後進レンジ圧(PR)が供給されることを防ぐことができる。なお、第2のソレノイドバルブは、プライマリリニアソレノイドバルブ又はセカンダリリニアソレノイドバルブ(SLS)であってもよく、後進時に使用されないソレノイドバルブであれば他のソレノイドバルブであってもよい。
また、無段変速機構(4)は、プライマリプーリ(41)と、セカンダリプーリ(42)と、それら両プーリに巻回されたベルト(43)と、プライマリプーリ(41)を押圧制御するプライマリ側油圧サーボ(45)と、セカンダリプーリを押圧制御するセカンダリ側油圧サーボ(46)と、を有し、第2のソレノイドバルブは、プライマリ側油圧サーボ(45)又はセカンダリ側油圧サーボ(46)のいずれか一方にプライマリプーリ(41)又はセカンダリプーリ(42)のいずれか一方を制御するためのプーリ制御圧を調圧し、信号圧は、プーリ制御圧であるため、無段モードにおいて使用されプーリ制御圧を調圧する第2のソレノイドバルブによって、切換えバルブ(27)に供給する信号圧を供給することができ、各油圧サーボのそれぞれにソレノイドバルブを設ける場合と比べて、ソレノイドバルブの本数を削減することができ、油圧制御装置12のコストダウンを実現することができる。
また、第2のソレノイドバルブ(SLS)は、セカンダリ側油圧サーボ(46)にセカンダリプーリ(42)を制御するためのセカンダリ制御圧(PSLS)を調圧し、信号圧は、セカンダリ制御圧(SLS)である。ここで、後進有段モードにおいて信号圧としてプライマリ制御圧を供給する場合、プライマリプーリ(41)のベルト(43)の挟持力が変更され、無段変速機構(4)の変速比が変更されてしまう場合がある。本実施形態においては、後進有段モードにおいて切換えバルブ(27)に供給する信号圧としてセカンダリ制御圧(PSLS)を供給するため、信号圧としてのセカンダリ制御圧(PSLS)を調圧した場合に、セカンダリプーリ(42)のベルト(43)の挟持力が変更されるが、無段変速機構(4)の変速比が変更されることを防ぐことができる。
なお、本実施形態において、切換えバルブ27は、マニュアルバルブ21と、アキュムレータ28の後進用供給油路96との接続部98と、の間に介在しているが、これに限らず、例えば、接続部98と、第1のブレーキB1の油圧サーボ93と、の間に介在していても、シンクロ機構S1の係合完了まで第1のブレーキB1の係合圧を遮断できるという機能は達成できる。
また、本実施形態において、切換えバルブ27は、後進レンジ圧PRと、スプリング27sと、セカンダリ制御圧PSLSとによって遮断状態及び連通状態を切り換えているが、これに限らず、例えば、スプリング27sと、セカンダリ制御圧PSLSとによって遮断状態及び連通状態を切り換えるように構成してもよい。この場合、スプリング27sは、スプール27pを第2の作動油室27bの方向に付勢するように構成すればよい。
また、本実施形態において、駆動源として内燃エンジンを用いているが、これに限らず、例えば、駆動源として電動モータ及び内燃エンジンを用いてもよく、また、電動モータのみを用いてもよい。
1 車両
2 入力軸
3 前後進切換え装置
4 無段変速機構
10 自動変速機
12 油圧制御装置
14 シフトポジション検出部
15 シンクロ検出部
21 マニュアルバルブ(レンジ圧供給部)
27 切換えバルブ
27a 第1の作動油室
27b 第2の作動油室
27p スプール
27s スプリング(付勢手段)
28 アキュムレータ
41 プライマリプーリ
42 セカンダリプーリ
45 油圧サーボ(プライマリ側油圧サーボ)
46 油圧サーボ(セカンダリ側油圧サーボ)
60 駆動軸
93 油圧サーボ
96 後進用供給油路
98 接続部
a1 第1の動力伝達経路
a2 第2の動力伝達経路
B1 第1のブレーキ(後進用係合要素)
C1 第1のクラッチ(第1の前進用係合要素)
C2 第2のクラッチ(第2の前進用係合要素)
PD 前進レンジ圧
PR 後進レンジ圧
PSLG 係合圧
PSLS セカンダリ制御圧(信号圧、プーリ制御圧)
S1 シンクロ機構
SLG リニアソレノイドバルブ(第1のソレノイドバルブ)
SLS セカンダリリニアソレノイドバルブ(第2のソレノイドバルブ)

Claims (5)

  1. 車両の駆動源に駆動連結される入力軸と、
    車輪に駆動連結される駆動軸と、
    前進レンジで係合可能な第1の前進用係合要素と後進レンジで係合可能な後進用係合要素とを有し、前記前進レンジと前記後進レンジとで出力回転方向を切り換える前後進切換え装置と、
    変速比を連続的に変更可能な無段変速機構と、
    前記入力軸と前記駆動軸とを前記前後進切換え装置を介して連結する第1の動力伝達経路と、
    前記入力軸と前記駆動軸とを前記無段変速機構を介して連結する第2の動力伝達経路と、
    前記第1の動力伝達経路に介在されるシンクロ機構と、
    前記第2の動力伝達経路に介在される第2の前進用係合要素と、を備え、
    前記シンクロ機構と前記第1の前進用係合要素とを係合状態にして前記入力軸と前記駆動軸とを前記第1の動力伝達経路により接続して回転伝達する前進有段モードと、
    前記第1の前進用係合要素と前記シンクロ機構の少なくとも一方を解放状態にし、前記第2の前進用係合要素を係合状態にして前記入力軸と前記駆動軸とを前記第2の動力伝達経路により接続して回転伝達する無段モードと、
    前記シンクロ機構と前記後進用係合要素とを係合状態にして前記入力軸と前記駆動軸とを前記第1の動力伝達経路により接続して回転伝達する後進有段モードと、に切換可能な自動変速機の油圧制御装置において、
    前記シンクロ機構に係合圧を供給可能な第1のソレノイドバルブと、
    走行レンジが前記前進レンジである時に前進レンジ圧を供給し、前記走行レンジが前記後進レンジである時に後進レンジ圧を供給するレンジ圧供給部と、
    前記レンジ圧供給部から供給される前記後進レンジ圧を前記後進用係合要素の係合圧として前記後進用係合要素の油圧サーボへ供給可能な後進用供給油路と、
    前記後進用供給油路に接続され前記後進用係合要素の係合時に前記レンジ圧供給部から供給される前記後進レンジ圧を自動調圧するアキュムレータと、
    前記シンクロ機構が係合状態であることを検出するシンクロ検出部と、
    前記後進用供給油路に介在し、前記後進用供給油路を連通する連通状態と、前記後進用供給油路を遮断する遮断状態とを切換可能な切換えバルブと、を備え、
    前記切換えバルブは、前記後進レンジ以外から前記後進レンジに変更された場合に、前記シンクロ検出部が前記シンクロ機構の係合状態を検出するまで前記遮断状態を維持し、前記シンクロ検出部が前記シンクロ機構の係合状態を検出してから前記連通状態に切り換える、
    ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記切換えバルブは、前記レンジ圧供給部と、前記アキュムレータが前記後進用供給油路に接続する接続部と、の間に介在している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 信号圧を供給可能な第2のソレノイドバルブを備え、
    前記切換えバルブは、
    前記後進用供給油路を前記連通状態にする連通状態位置と前記後進用供給油路を前記遮断状態にする遮断状態位置とを切換自在なスプールと、
    前記スプールを前記遮断状態位置の方向に付勢する付勢手段と、
    前記後進レンジ圧を入力した際に前記スプールを前記連通状態位置の方向に押圧する第1の作動油室と、
    前記信号圧を入力した際に前記スプールを前記遮断状態位置の方向に押圧する第2の作動油室と、を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記無段変速機構は、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、それら両プーリに巻回されたベルトと、前記プライマリプーリを押圧制御するプライマリ側油圧サーボと、前記セカンダリプーリを押圧制御するセカンダリ側油圧サーボと、を有し、
    前記第2のソレノイドバルブは、前記プライマリ側油圧サーボ又は前記セカンダリ側油圧サーボのいずれか一方に前記プライマリプーリ又は前記セカンダリプーリのいずれか一方を制御するためのプーリ制御圧を調圧し、
    前記信号圧は、前記プーリ制御圧である、
    ことを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  5. 前記第2のソレノイドバルブは、前記セカンダリ側油圧サーボに前記セカンダリプーリを制御するためのセカンダリ制御圧を調圧し、
    前記信号圧は、前記セカンダリ制御圧である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の自動変速機の油圧制御装置。
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