JP2018124312A - プラズマ光源 - Google Patents

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Abstract

【課題】対向型プラズマフォーカス方式のプラズマ光源において、各同軸状電極の間で等方的に収束しやすいプラズマを形成すること。【解決手段】プラズマ光源は、単一の軸線上に延びる中心電極12および複数の外部電極14を有し、対称面1を挟んで互いに対向配置される一対の同軸状電極10、10と、各同軸状電極10における中心電極12と外部電極14の間に、前記軸線に沿った磁場を発生する磁場発生器40とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、極端紫外光を生成するプラズマ光源に関する。
半導体デバイスの更なる微細化を図るには、フォトリソグラフィにおける露光用光源の短波長化が必須であり、近年ではそのための光として極端紫外光が注目されている。極端紫外光は高温・高密度のプラズマから得られ、このようなプラズマの発生源(換言すれはプラズマを利用した光源、以下プラズマ光源)は多種多様である。産業上の観点から、プラズマ光源は小型化が図れるものが望ましく、その候補として、放電生成プラズマ(DPP:Discharge Produced Plasma)方式のプラズマ光源や、レーザー生成プラズマ(LPP:Laser Produced Plasma)方式のプラズマ光源が知られている。なお、これらのプラズマ光源から放出される極端紫外光は何れもパルス光である。
フォトリソグラフィでは露光時間の制御が極めて重要である。そのためには、極端紫外光の十分な発光量(強度)及び輝度を確保するだけでなく、これらを安定に得る必要がある。また、極端紫外光の放出時間は数μs程度以下と短いため、プラズマの発生(即ち、極端紫外光の放出)を高速に繰り返す必要がある。
上記に関連するプラズマ光源が特許文献1に開示されている。同文献のプラズマ光源はDPP方式の一種であるプラズマフォーカス方式を採用したプラズマ光源であって、対称面に対して互いに対向配置され、極端紫外光を放射するプラズマを発生且つ閉じ込める一対の同軸状電極と、各同軸状電極に対して放電電圧を印加する電圧印加装置とを備えている。各同軸状電極は、棒状の中心電極と、中心電極と一定の間隔を隔て、且つ中心電極の周方向に配置された複数の外部電極とを有している。
特許文献1のプラズマ光源では、中心電極と外部電極との間に高電圧が印加した状態で、さらにパルス状の電圧を印加する、或いは、同軸状電極の何れかの箇所においてレーザーアブレーションを行うことによって両電極間に初期放電を誘発する。初期放電は中心電極を中心とする環状に形成され、プラズマの生成および成長を促しつつ、電磁力によって中心電極の先端に向けて移動する。さらに、各同軸状電極のプラズマは電気エネルギーを受けつつ、各同軸状電極の間で融合し、閉じ込められ、収束することで、高温・高密度となる。その結果、極端紫外光を含む光が放出される。
特開2013−089634号公報
特許文献1のプラズマ光源において、各同軸状電極で発生した初期放電は環状のプラズマに成長しつつ移動し、その後、各同軸状電極の間で互いに融合して、高温・高密度となる。この一連の過程において、各同軸状電極の間に閉じ込められたプラズマの温度及び密度は、短期間で各同軸状電極の間に到達したプラズマの量に依存する。さらに、このプラズマの量は、初期放電に供給されたプラズマの媒質ガスの量に依存している。
中心電極と各外部電極との間の空間には、初期放電の発生直前から媒質ガスが供給されている。媒質ガスの供給量は、中心電極と各外部電極との間の各空間に対して互いに同等であることが理想的である。各空間への媒質ガスの供給量が同等であれば、中心電極と各外部電極との間に生成される初期プラズマも同等のものとなり、それらが一様に中心方向に進行し、対向する中心電極間の中間位置において等方的に収束することが可能となる。
しかしながら現実的には、各空間への媒質ガスの供給量や密度、供給位置、供給時間(タイミング)などにずれが生じる場合がある。例えば媒質ガスの供給量が、中心電極と各外部電極との間の空間毎に異なる場合、中心電極と各外部電極との間に発生する初期プラズマの量が異なってくる。つまり、中心電極の周方向において、初期プラズマの量が非対称に分布することになる。この分布の非対称性によって、最終的にはプラズマが等方的に収束せず、結果的に発光量の低下につながるおそれがある。媒質ガスの供給位置や供給時間にずれが生じた場合にも、同様の現象が生じる可能性がある。
そこで本発明は、対称面に対して互いに対向配置され、極端紫外光を放射するプラズマを発生し、閉じ込める一対の同軸状電極を備えるプラズマ光源において、各同軸状電極の間で等方的に収束しやすいプラズマを形成することを目的とする。
本発明の一態様はプラズマ光源であって、単一の軸線上に延びる中心電極および前記中心電極の外周を囲むように設けられる外部電極を有し、対称面を挟んで互いに対向配置され、極端紫外光を放射するプラズマを発生且つ閉じ込める一対の同軸状電極と、前記プラズマの媒質を保持する媒質保持部と、各前記同軸状電極に対して放電電圧を印加する電圧印加装置と、前記媒質を含む初期プラズマを前記外部電極と前記中心電極の間に発生させる初期プラズマ発生装置と、各前記同軸状電極における前記中心電極と前記外部電極の間に、前記軸線に沿った磁場を発生する磁場発生器とを備えることを要旨とする。
本発明によれば、対称面に対して互いに対向配置され、極端紫外光を放射するプラズマを発生し、閉じ込める一対の同軸状電極を備えるプラズマ光源において、各同軸状電極の間で等方的に収束しやすいプラズマを形成することができる。
本発明の実施形態に係るプラズマ光源の概略構成図(断面図)である。 本発明の実施形態に係るプラズマ光源の電気系統を示す図である。 図1のIII−III断面を示す図である。 本発明の実施形態に係るプラズマ光源における磁場分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係るプラズマ光源について添付図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るプラズマ光源を示す概略構成図(断面図)である。図2は当該プラズマ光源の電気系統を示す図である。図3は、図1のIII−III断面を示す図である。図4は、本実施形態に係るプラズマ光源における磁場分布を示す図である。図1に示すように、本実施形態のプラズマ光源は、一対の同軸状電極10、10と、媒質保持部16と、電圧印加装置20と、レーザー装置30と、磁場発生器40とを備える。
一対の同軸状電極10、10は真空槽5内に設置されている。また、同軸状電極10、10は、対称面1に対して互いに対称な位置に設置されている。即ち、このプラズマ光源は、対向型プラズマフォーカス方式を採用している。一対の同軸状電極10、10は、対称面1を挟み一定の間隔を隔てて設置され、先端側(後述の面状放電2bが放出される側)が互いに対向している。同軸状電極10、10には電圧印加装置20によって放電に必要な高電圧が印加されている。同軸状電極10、10に電圧が印加された状態で、媒質保持部16にはレーザー装置30からのレーザー光32が照射される。レーザー光32は媒質保持部16内のプラズマ媒質6を蒸発させ、蒸発したプラズマ媒質(即ち媒質ガス)6は各同軸状電極10の中心電極12と外部電極14との間に供給される。即ち、レーザー光32のアブレーションによりプラズマ媒質6は各同軸状電極10の中心電極12と外部電極14との間に拡散する。
一方、プラズマ媒質6が中心電極12と外部電極14との間に拡散すると、中心電極12と外部電極14の間には初期放電(初期プラズマ)2aが発生する。初期放電2aはプラズマ媒質6を電離する。更に、同軸状電極10、10は、この初期放電2aを面状放電2bに成長させて、両者の間にプラズマ3を発生させ、これを閉じ込める。同軸状電極10、10の間に閉じ込められたプラズマ3は同軸状電極10、10からの電気エネルギーを受けて加熱され、極端紫外光を含むプラズマ光8を放射する。なお、面状放電とは2次元的に広がる面状の放電電流のことであり、電流シート又はプラズマシートとも呼ばれている。
各同軸状電極10は、中心電極12と、中心電極12の外周を囲むように設けられる複数の外部電極14とを備える。中心電極12と外部電極14はセラミック等の絶縁体(図示せず)によって支持されている。図1および図3に示すように、中心電極12は、各同軸状電極10に共通する単一の軸線Z−Zを中心軸(以下、この軸を中心軸Zと称する)として、この中心軸Z上に延びる棒状の導電体である。
中心電極12は、対称面1に面する先端部12aと、中心軸Zの周りに形成された側面12bとを有し、直径は例えば5mmである。中心電極12は高温に対して耐性を有する材料を用いて形成される。このような材料は、例えばW(タングステン)やMo(モリブデン)等の高融点金属である。
先端部12aは、対称面1に対向する半球状の曲面を有する。ただし、対称面1に対向する面の形状は曲面に限られず、単なる平面でもよい。また、中心軸Zに沿って窪んだ凹部(図示せず)を設けてもよい。
図1に示すように、外部電極14は、中心電極12の中心軸Zと平行に延びる棒状の導電体であり、直径は例えば3mmである。また、図3に示すように、外部電極14は、中心電極12の周方向に沿って角度θ毎に配置されている。換言すると、各外部電極14は中心電極12と平行に配置され、中心電極12の周囲を囲んでいる。図3に示す例では、6本の外部電極14が中心電極12の周りで60°毎に配置されている。外部電極14の材質は、中心電極12と同じく、高温に対して耐性をもつ導電物質である。また、対称面1に対向する外部電極14の端面は曲面、平面の何れでもよい。
外部電極14は中心電極12の周りで等角度間隔に設置されることが望ましい。例えば、加工や組み立ての観点あるいは面状放電2bの形成の容易性から、各外部電極14は中心電極12に対して回転対称な位置に設置されることが望ましい。しかしながら、本発明はこのような配列に限定されない。また、外部電極14の本数も図3に示す6本に限られることなく、中心電極12及び外部電極14の大きさや形状、両者の間隔などに応じて適宜設定される。
なお、中心電極12の直径は、対称面1に向かうに連れて小さくなっていてもよい。例えば、中心電極12は、先端部12aを頂角にもつ略円錐状に形成されてもよい。この場合、中心軸Zに直交する面において中心電極12に最も近接している外部電極14の部位は、中心軸Zとの距離が対称面1に向かうに連れて短くなるように形成されてもよい。例えば、外部電極14が棒状に形成されている場合、外部電極14は、対称面1に近づくに連れて中心軸Zに近づくように、中心軸Zに対して傾斜する。中心電極12と外部電極14との間隔は一定でもよく、この間隔が対称面1に近づくほど小さくてもよい。
媒質保持部16は、中心電極12と外部電極14との間に供給されるプラズマ媒質6を保持する。媒質保持部16は、プラズマ媒質6を保持する容器として或いはプラズマ媒質6自体で構成され、中心電極12から見て、隣接する2本の外部電極14の間に位置している。また、媒質保持部16は同軸状電極10の外側に設置される。この場合の「外側」とは、例えば、各外部電極14の中心によって囲まれる領域外の空間を意味する。
図3に示すように、媒質保持部16は同軸状電極10の周りに複数設けられ、中心電極12の周りに点対称な或いは回転対称な位置に位置することが望ましい。即ち、同軸状電極10へのプラズマ媒質6の供給箇所は、中心電極12に対して対称に分布していることが望ましい。ただし、媒質保持部16の設置箇所はこれらに限定されない。また、何れの場合も、プラズマ媒質6の放出角特性を考慮して、レーザー光32の照射点を含むプラズマ媒質6の表面は、外部電極14と中心電極12の間の空間あるいは中心電極12に向いている。
プラズマ媒質6の組成は、必要な紫外光の波長に応じて選択される。プラズマ媒質6は、例えば、13.5nmの紫外光が必要な場合はLi(リチウム)やSn(スズ)を含み、6.7nmの紫外光が必要な場合はガドリニウム(Gd)やテルビウム(Tb)を含み、3〜4nmの紫外光が必要な場合はBi(ビスマス)を含む。
次に、本実施形態のプラズマ光源における電気系統について説明する。図2に示すように、プラズマ光源は各同軸状電極10に接続する電圧印加装置20を備える。電圧印加装置20は、各同軸状電極10に同極性又は逆極性の放電電圧を印加する。
電圧印加装置20は、高圧電源22を備える。高圧電源22の正極側は同軸状電極10の中心電極12に接続し、高圧電源22の負極側は外部電極14に接続している。高圧電源22は、中心電極12‐外部電極14間に放電電圧(例えば5kV)を印加する。なお、放電電圧の極性は中心電極12に対して正または負の何れでもよい。また、図2に示すように、高圧電源22の正極側は接地されていてもよい。
上述の通り、各中心電極12の周囲には複数の外部電極14が設けられている。理想的な放電を得るには、全ての外部電極14と中心電極12との間で、放電が発生する必要がある。しかも、これらの放電が、中心電極12の周りで空間的に等間隔に分布していることが望ましい。しかしながら、高圧電源22から供給される放電エネルギーは最初に発生した放電に対して優先的に費やされる傾向があり、この場合は複数の放電を異なる場所で略同時に発生させることが困難になる。
そこで、本実施形態の電圧印加装置20は、放電電圧の放電エネルギーを外部電極14毎に蓄積するエネルギー蓄積回路24を備えている。エネルギー蓄積回路24は、例えば図2に示すように中心電極12と各外部電極14との間を個別に接続する複数のコンデンサCで構成される。各コンデンサCは、放電のピーク時に2kA程度の放電電流を流すことが可能な静電容量を持ち、高圧電源22の各出力間に接続される。
このように、放電エネルギーを蓄積するコンデンサCを外部電極14毎に設けることで、全ての外部電極14において放電を発生させることができる。即ち、放電エネルギーが、最初に発生した放電に過剰に消費されることを防止でき、中心電極12の全周に亘る面状放電2bを発生させることができる。
さらに、電圧印加装置20は、放電電流が帰還することを阻止する放電電流阻止回路26を備えてもよい。放電電流阻止回路26は、例えば図2に示すように各外部電極14と電圧印加装置20との間を接続するインダクタLで構成される。インダクタLは、放電電流に対して十分に高いインピーダンスを有するため、中心電極12及び外部電極14を経由した放電電流を、その発生源であるエネルギー蓄積回路24に戻すことができる。つまり、各コンデンサCに蓄積された放電エネルギーが、当該コンデンサCに直結した外部電極14以外の外部電極14に供給されることを防止するため、中心電極12の周方向における放電の発生分布に偏りが生じることを防止できる。
上述の通り、本実施形態のプラズマ光源は、プラズマ媒質6を含むプラズマ3の初期放電(初期プラズマ)2aを外部電極14と中心電極12の間に発生させる初期プラズマ発生装置としてのレーザー装置30を備える。レーザー装置30は、媒質保持部16にレーザー光32を照射することで、プラズマ媒質6を放出させると共に、電圧印加装置20と協働してプラズマ3の初期放電(初期プラズマ)2aを発生させる。レーザー装置30は例えばYAGレーザーであり、アブレーションを行うために基本波やその二倍波を短パルスのレーザー光32として出力する。レーザー光32は、ハーフミラー等の光学素子によって分岐し、媒質保持部16に照射される。レーザー光32が照射された媒質保持部16では、レーザー光32のアブレーションによって、プラズマ媒質6が中性粒子又はイオンとなって放出される。
上述の通り、本実施形態のプラズマ光源は磁場発生器40を備える。図4に示すように、磁場発生器40は各同軸状電極10における中心電極12と外部電極14の間に、中心軸Zに沿った磁場Bを発生する。磁場発生器40は、例えば、一対の同軸状電極10、10を間に挟んだ一対のコイル(ソレノイド)である。各コイルは所定の電流源(図示せず)に接続している。なお、各コイルの内側には鉄芯などの磁性材料を設けてもよい。
一対のコイルは、例えば、各コイルの間に均質な磁場を発生する所謂ヘルムホルツコイルである。ただし、上記の磁場分布は一例に過ぎず、中心軸Zに沿った磁場Bを各同軸状電極10に発生することが可能な限り、各コイルの構造は任意である。また、各コイルが発生する磁場の向きも任意である。従って、一対のコイルは中心軸Zに沿った同一方向の磁場を発生してもよく、中心軸Zに沿って互いに逆方向の磁場を発生してもよい。何れの場合においても、各同軸状電極10内の磁場Bは、初期放電2aや面状放電2b中のイオンを、中心電極12の周りで回転させる。
なお、磁場発生器40は、一対の同軸状電極10、10を間に挟んだ一対の永久磁石でもよい。
磁場Bの強度は、初期放電2aが発生した後、面状放電2bが中心電極12の先端部12aに到達するまでの間に、プラズマ中のプラズマ媒質6のイオンが中心電極12の周りを(中心電極12の周方向に)回転することができる値に設定される。このイオンの回転角度は、少なくとも隣り合う外部電極14の配置(位相角)によって規定される値(例えば、外部電極14が6本の場合には60°)であり、360°(即ち1回転)以上の値でもよい。つまり、磁場Bの強度は、中心電極12を中心としたプラズマ媒質6のイオンの回転角度が、少なくとも360°を外部電極14の本数で除した値となるように設定される。また、磁場Bの強度は中心電極12及び外部電極14の寸法やプラズマ媒質6のイオン種を考慮して設定される。例えば、本実施形態においてリチウムの1価イオンを中心電極12の周りで90°程回転させたい場合、磁場Bの強度は磁束密度換算で0.15Tである。これにより、プラズマ媒質6のイオンを、発生源であった外部電極14と中心電極12の間の空間から、少なくとも隣の発生源に移動させることができる。
本実施形態のプラズマ光源における極端紫外光の放出までの動作について説明する。
まず、真空槽5内に一対の同軸状電極10が設置された状態で、真空槽5内はプラズマ3の発生に適した温度及び圧力に保持される。次に、各同軸状電極10に、電圧印加装置20によって同極性又は逆極性の放電電圧が印加される。
各同軸状電極10に放電電圧が印加された状態で、レーザー光32が各媒質保持部16に照射される。各同軸状電極10内には、この照射によってプラズマ媒質6が中性ガス又はイオンとなって多量に放出される。
一方、レーザー光32の照射時には、既に電圧印加装置20による放電電圧が、各同軸状電極10の中心電極12と外部電極14の間に印加されている。従って、アブレーションの発生により、中心電極12と各外部電極14間の初期放電2aが誘発される。
初期放電2aは対称面1に向けて進行する。また、初期放電2aは、アブレーションによって放出されたプラズマ媒質6を取り込みながら、中心電極12の全周に亘って分布する面状放電2bに成長する。面状放電2bは、自己磁場によって同軸状電極10から排出される方向(即ち、対称面1に向かう方向)に移動する。このときの面状放電2bは、中心軸Zから見て略環状に分布する。
面状放電2bが同軸状電極10の先端に達すると、面状放電2bの放電電流の出発点は中心電極12の円周側面から先端部12aに移行する。換言すれば、放電電流は先端部12aから集中的に流れ出す。この電流集中によって先端部12a周辺の電流密度は急激に上昇し、一対の面状放電2bの間に挟まれていた先端部12a周辺のプラズマ媒質6は高密度、高温になる。
さらに、この現象は対称面1を挟んだ各同軸状電極10で進行するため、プラズマ媒質6は、一方の同軸状電極10から他方の同軸状電極10に向かって押し出される。その結果、プラズマ媒質6は、中心軸Zに沿う両方向からの電磁的圧力を受けて各同軸状電極10が対向する中間位置(即ち、中心電極12の対称面1)に移動し、プラズマ媒質6を成分とする単一のプラズマ3が形成される。
面状放電2bが発生している間は、各中心電極12の先端部12aに各面状放電2bの電流が集中する。従って、先端部12a周辺には、プラズマ3に対して電磁的圧力がかかり、プラズマ3の高密度化及び高温化が進行する。即ち、プラズマ媒質6の電離が進行する。その結果、プラズマ3からは極端紫外光を含むプラズマ光8が放射される。この状態において、電圧印加装置20は、プラズマ3に電気エネルギーを供給し続ける。このエネルギー供給により、プラズマ光8を長時間に亘って発生させることができる。
以上の一連の過程において、各同軸状電極10内には定常的に磁場Bが印加されている。従って、初期放電2aが発生した後、面状放電2bが中心電極12の先端部12aに到達するまでの間に、プラズマ中のイオンが中心電極12の周りを回転する。従って、面状放電2bにおける周方向の分布が均質化される。即ち、初期放電2aが中心電極12の周りで非対称に分布している場合でも、面状放電2bが移動する間にイオンが磁場Bによって回転するために、面状放電2bの分布の対称性が向上する。換言すれば、磁場Bは、イオンを撹拌する。その結果、中心電極12の先端部12aにおいて面状放電2bが等方的に収束され、発光量の低下が抑制される。
また、磁場Bは、媒質保持部16から飛散したプラズマ媒質6のイオン、及び、初期放電2aや面状放電2bのプラズマが外部電極14よりも外側に拡散してしまうことを抑制する。これにより、プラズマ媒質6の利用効率が向上する。つまり、プラズマ3の量の低減が抑制され、極端紫外光等の発光量(強度)の増大が図れると共に、プラズマ媒質6がデブリとして拡散する量を低減することができる。
なお、初期プラズマ発生装置は上述したレーザー装置30の代わりに、放電発生装置(図示せず)でもよい。放電発生装置は、ギャップスイッチ(図示せず)と、このギャップスイッチに接続するパルス電源(図示せず)とを備える。ギャップスイッチは、中心電極12或いは外部電極14と電圧印加装置30との間に挿入され、パルス電源からのトリガー電圧を受けることでオンになる。ギャップスイッチがオンになると、中心電極12と外部電極14の間に電圧印加装置30の高電圧が瞬間的に印加され、初期放電2aが発生する。なお、放電発生装置は周知のものでよく、例えば特開2013−89634号公報に示された回路が適用できる。この場合、初期放電2aの発生に伴ってプラズマ媒質6が放出されるように、媒質保持部16は初期放電2aの発生箇所或いはその近傍に設置される。例えば、媒質保持部16は中心電極12の側面12b或いは外部電極14の側面に設置される。
本発明は上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1…対称面、2a…初期放電、2b…面状放電、3…プラズマ、5…真空槽、6…プラズマ媒質、8…プラズマ光、10…同軸状電極、12…中心電極、12a…先端部、12b…側面、14…外部電極、16…媒質保持部、20…電圧印加装置、22…高圧電源、24…エネルギー蓄積回路、26…放電電流阻止回路、30…レーザー装置、32…レーザー光、40…磁場発生器、Z…中心軸(軸線)

Claims (2)

  1. 単一の軸線上に延びる中心電極および前記中心電極の外周を囲むように設けられる外部電極を有し、対称面を挟んで互いに対向配置され、極端紫外光を放射するプラズマを発生且つ閉じ込める一対の同軸状電極と、
    前記プラズマの媒質を保持する媒質保持部と、
    各前記同軸状電極に対して放電電圧を印加する電圧印加装置と、
    前記媒質を含む初期プラズマを前記外部電極と前記中心電極の間に発生させる初期プラズマ発生装置と、
    各前記同軸状電極における前記中心電極と前記外部電極の間に、前記軸線に沿った磁場を発生する磁場発生器と
    を備えるプラズマ光源。
  2. 前記磁場の強度は、前記中心電極を中心とした前記媒質のイオンの回転角度が、少なくとも360°を前記外部電極の本数で除した値となるように設定されている、請求項1に記載のプラズマ光源。
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