JP2017181732A - プラズマ光源 - Google Patents

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竜也 袖子田
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Abstract

【課題】中心電極と外部電極との間にプラズマ媒質を安定的に供給する。【解決手段】プラズマ光源1は、中心電極11と外部電極12と絶縁体13とを有し、極端紫外光を放射するプラズマを発生させると共にプラズマを閉じ込める一対の同軸状電極10と、中心電極11と外部電極12とに接続されて、中心電極11と外部電極12との間に電位差を生じさせる電圧印加装置20と、プラズマを発生させるためのプラズマ媒質43を有するプラズマ媒質供給部41と、プラズマ媒質43から生成されると共に中心電極11と外部電極12との間に供給される媒質蒸気Vを形成する媒質蒸気形成部30と、を備える。同軸状電極10は、中心電極11と外部電極12と媒質蒸気Vとを含む電流経路Kを形成する。プラズマ媒質供給部41は、電流経路Kに対して電気的に絶縁されている。【選択図】図1

Description

本発明は、極端紫外光を発生させるプラズマ光源に関する。
当該分野の技術として、特許文献1に記載されたプラズマ光源が知られている。このプラズマ光源は、中心電極と外部電極との間にプラズマ媒質の蒸気が供給された状態において、中心電極と外部電極との間に電位差を発生させることにより放電を発生させる。この蒸気の原料となるプラズマ媒質は、中心電極の側面に配置されている。
特開2013−254693号公報
ところで、プラズマ媒質の蒸気は、固体又は液体のプラズマ媒質にレーザ光を照射してアブレーションを発生させることにより生成される。プラズマ媒質の状態が熱的又は物理的に不安定になるとアブレーションが安定的に発生し難くなる。アブレーションの発生が不安定になるとプラズマ媒質の蒸気が安定的に生成され難くなる。このため、中心電極と外部電極との間にプラズマ媒質の蒸気を安定的に供給することが難しくなり、ひいてはプラズマ光の発生が不安定化するおそれがある。
そこで、当該技術の分野においては、中心電極と外部電極との間にプラズマ媒質を安定的に供給することが望まれている。
本発明の一態様に係るプラズマ電極は、軸線上において互いに対面するように配置され、中心電極と中心電極から離間するように配置された外部電極と中心電極と外部電極とを絶縁する絶縁体とを有し、極端紫外光を放射するプラズマを発生させると共にプラズマを閉じ込める一対の同軸状電極と、中心電極と外部電極とに接続されて、中心電極と外部電極との間に電位差を生じさせる電圧印加部と、プラズマを発生させるためのプラズマ媒質を有するプラズマ媒質供給部と、プラズマ媒質から生成されると共に中心電極と外部電極との間に供給される媒質蒸気を形成する媒質蒸気形成部と、を備え、同軸状電極は、中心電極と外部電極と媒質蒸気とを含む電流経路を形成し、プラズマ媒質供給部は、電流経路に対して電気的に絶縁されている。
このプラズマ光源は、動作時においてプラズマ媒質供給部と媒質蒸気形成部が中心電極と外部電極との間に媒質蒸気を供給する。この媒質蒸気は、中心電極と外部電極との間に放電を誘発する。中心電極と外部電極との間に放電が生じると、中心電極と媒質蒸気と外部電極とを介する電流経路が形成される。ここで、プラズマ媒質供給部は、当該電流経路から電気的に絶縁されているので、電流経路を流れる電流は、プラズマ媒質供給部を経由することがない。導体に電流が流れるとジュール熱が生じるが、プラズマ媒質供給部には電流が流れないので、ジュール熱が発生することもない。従って、プラズマ媒質の温度上昇が抑制されてプラズマ媒質の状態が安定化するので、プラズマ媒質のアブレーションを安定的に生じさせることが可能となる。従って、中心電極と外部電極との間にプラズマ媒質を安定的に供給することができる。
いくつかの態様において、一方の同軸状電極の中心電極は、他方の同軸状電極に向かって延びる棒状の導電体であって、軸線上に配置され、一方の同軸状電極の外部電極は、他方の同軸状電極に向かって延びる棒状の導電体であって、軸線のまわりに等間隔に複数配置され、プラズマ媒質供給部は、軸線の方向から見た場合に、すべての外部電極を含むと共に中心電極を囲む閉じた領域の外側に配置されてもよい。この構成によれば、プラズマ媒質供給部が電流経路に対して電気的に絶縁された状態を好適に実現し得る。従って、プラズマ媒質の温度上昇が抑制されてプラズマ媒質の状態が安定化するので、プラズマ媒質のアブレーションをより安定的に発生させることができる。
いくつかの態様において、プラズマ媒質供給部は、外部電極から離間していてもよい。
外部電極は電流経路を構成するので、外部電極には電流が流れる。外部電極に電流が流れるとジュール熱が発生する。しかし、プラズマ媒質供給部が外部電極から離間しているので、外部電極において生じたジュール熱は熱伝導によりプラズマ媒質供給部に到達することがない。従って、プラズマ媒質の温度上昇がより抑制されるので、プラズマ媒質の状態が安定化する。よって、中心電極と外部電極との間にプラズマ媒質をさらに安定的に供給することができる。
いくつかの態様において、プラズマ媒質供給部は、所定の電位に接続されていてもよい。この構成によれば、プラズマ媒質供給部が同軸状電極に印加される電圧に影響されて、プラズマ媒質の電位が不安定化することを抑制することが可能となる。従って、プラズマ媒質のアブレーションをより安定的に発生させることができる。
プラズマ媒質供給部と同軸状電極との間に配置された供給制御部をさらに備え、供給制御部は、媒質蒸気を遮蔽する遮蔽部と、媒質蒸気を通過させる貫通孔と、を有してもよい。
この構成によれば、媒質蒸気が拡散する方向を制御することが可能になる。
本発明によれば、中心電極と外部電極との間にプラズマ媒質を安定的に供給することができる。
図1は、実施形態に係るプラズマ光源の構成を示す図である。 図2は、図1の仮想面に沿った同軸状電極の端面を示す図である。 図3は、プラズマ光源の動作時に形成される電流経路を示す図である。 図4は、プラズマ光源の動作を説明するための図である。 図5は、変形例に係るプラズマ光源の構成を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されたプラズマ光源1は、いわゆる対向型プラズマフォーカス方式を採用する。プラズマフォーカス方式は核融合分野で考案されたものであり、中心電極11と、当該中心電極11を取り巻く複数の外部電極12とを有する同軸状電極10を備える。対向型プラズマフォーカス方式のプラズマ光源1が動作するとき、まず、中心電極11と外部電極12との間に高電圧を印加する。そして、何らかのトリガを入力することにより、中心電極11と外部電極12との間にリング状の初期プラズマを生成させる。初期プラズマは、電磁力によって中心電極11の先端方向に移動する。そして、初期プラズマは、中心電極11の先端部で収束して高温・高密度状態に達する。
対向型プラズマフォーカス方式を採用するプラズマ光源1は、プラズマ源としての同軸状電極10を互いに向かい合うように配置する。そして、それぞれの中心電極11の先端部に達したプラズマ同士を衝突させることにより、高温及び高密度状態のプラズマが形成される。この高温及び高密度状態のプラズマから極端紫外光が発生する。
初期プラズマを発生させる方式の一つに、レーザ光によってプラズマ媒質を蒸発(アブレーション)させる方式がある。固体又は液体のプラズマ媒質にレーザ光を照射することでプラズマ媒質を蒸発させて媒質蒸気を発生させる。その媒質蒸気を介して、中心電極11と外部電極12との間に放電を生じさせる。また、プラズマ媒質としては固体、液体、気体のいずれであってもよく、発生させたい光の波長によって選択される。対向型プラズマフォーカス方式では、プラズマ媒質として、液体又は固体のリチウムを用いることがある。
以下、図1を参照して、実施形態に係るプラズマ光源1について説明する。プラズマ光源1は、たとえば、半導体素子を製造するための露光装置に適用される。プラズマ光源1は、たとえば波長13.5nmの極端紫外光(EUV光)を発生可能に構成されている。プラズマ光源1は、EUV光を発生させることにより、微細なパターンを形成するフォトリソグラフィを可能にする。
プラズマ光源1は、プラズマを発生させる一対の同軸状電極10と、同軸状電極10に電位差を生じさせる電圧印加装置20(電圧印加部)と、媒質蒸気を形成する一対の媒質蒸気形成部30と、プラズマ媒質を保持するプラズマ媒質供給部41と、を備える。
一対の同軸状電極10は、チャンバ2内に収容されており、軸線A上において互いに対面するように配置されている。一対の同軸状電極10は、仮想の中央面Pに関して面対称に配置されている。一対の同軸状電極10の間には、一定の間隔(空間)が設けられている。チャンバ2には一又は複数の排気管3が設けられており、排気管3には真空ポンプ(図示せず)が接続される。チャンバ2内は所定の真空度に維持される。チャンバ2は、接地されている。同軸状電極10は、1本の中心電極11と、複数の外部電極12と、1つの絶縁体13とを備える。
中心電極11は、軸線A上に沿って延びる棒状の導電体である。換言すると、図1において左側の同軸状電極10の中心電極11は、右側の同軸状電極10に向かって延びる。中心電極11は、高温プラズマに対して損傷され難い金属からなる。中心電極11は、たとえばタングステン(W)やモリブデン(Mo)等の高融点金属からなる。中心電極11の軸線Aは、上記した中央面Pに直交する。中央面Pに対面する中心電極11の端面11aは、たとえば半球状をなしている。中心電極11の側面は、たとえば円錐状をなしている。
図1において左側の同軸状電極10の外部電極12は、右側の同軸状電極10に向かって延びる棒状の導電体である。外部電極12は、軸線Aに対して傾いた方向に延びていていもよい。例えば、円錐状をなす中心電極11の側面から外部電極12までの距離が常に一定になるように、外部電極12は側面に対して平行である方向に延びていてもよい。外部電極12は、高温プラズマに対して損傷され難い金属からなる。外部電極12は、たとえばタングステン(W)やモリブデン(Mo)等の高融点金属からなる。中央面Pに対面する外部電極12の端面は、曲面であってもよく、平面であってもよい。
また、図2に示されるように、外部電極12は、中心電極11の周囲に配置されている。外部電極12は、中心電極11に対して所定の間隔を有している。複数の外部電極12は、軸線Aの周方向において等間隔に(すなわち回転対称に)配置されている。同軸状電極10は、6本の外部電極12を有する。6本の外部電極12は、軸線Aを基準として60°毎に配置されている。なお、外部電極12の本数は6本に限定されず、中心電極11および外部電極12の大きさや形状、これらの間隔などに応じて適宜設定され得る。中心電極11のまわりに複数の外部電極12が配置されることにより、初期放電(たとえば沿面放電)が、中心電極11と外部電極12との間に発生する。この初期放電は、面状放電6に至る。
再び図1に示されるように、絶縁体13は、たとえば円板状をなすセラミックス板である。絶縁体13は、中心電極11と外部電極12の基部を支持し、これらの間隔を規定する。絶縁体13は、中心電極11と外部電極12とを電気的に絶縁する。
電圧印加装置20は、同軸状電極10に同極性又は逆極性の放電電圧を印加することにより、電位差を生じさせる。電圧印加装置20は、2台の高圧電源(HV Charging Device)21,22を備える。第1高圧電源21の出力側は、一方の(たとえば図示左側の)同軸状電極10の中心電極11に接続されている。第1高圧電源21は、その中心電極11に対応する外部電極12よりも高い正の放電電圧を印加する。なお、第1高圧電源21は、その中心電極11に対応する外部電極12よりも低い負の放電電圧を印加してもよい。第2高圧電源22の出力側は、他方の(たとえば図示右側の)同軸状電極10の中心電極11に接続されている。第2高圧電源22は、その中心電極11に対応する外部電極12よりも高い正の放電電圧を印加する。なお、第2高圧電源22は、その中心電極11に対応する外部電極12よりも低い負の放電電圧を印加してもよい。いずれの外部電極12も接地されていてもよい。以下の説明では、第1高圧電源21を単に電源21という。同様に、第2高圧電源22を単に電源22という。
なお、電源21,22のコモン側(リターン側)には、ロゴスキーコイル等を用いて誘導結合された線路が設けられてもよい。これらの線路により、中心電極11を経由した電流(すなわち、すべての放電電流)をオシロスコープ(Oscilloscope)で観察することができる。
プラズマ光源1は、さらに、電圧印加装置20からの放電電圧を放電エネルギとして外部電極12毎に蓄積するエネルギ蓄積回路26を備えている。エネルギ蓄積回路26は、中心電極11と外部電極12との間を個別に接続する複数のコンデンサCを含む。コンデンサCは、電源21,22の出力側及びコモン側に接続されている。放電エネルギを蓄積するコンデンサCが外部電極12毎に設けられることにより、すべての外部電極12において放電が発生し得る。すなわち、放電の発生タイミングに多少のずれが生じた場合でも、最初に発生した放電によって多くの放電エネルギが消費されることが防止される。エネルギ蓄積回路26を備えることにより、同軸状電極10において、中心電極11の全周に亘って発生する理想的な面状放電6が得られる。
プラズマ光源1は、さらに、電圧印加装置20に放電電流が帰還することを阻止する放電電流阻止回路28を備えている。放電電流阻止回路28は、外部電極12と電圧印加装置20(具体的には電源21,22のコモン側)との間を接続するインダクタLを含む。インダクタLは、放電電流に対して十分に高いインピーダンスを有するため、中心電極11及び外部電極12を経由した放電電流は、その発生源であるエネルギ蓄積回路26に戻され得る。これにより、コンデンサCに蓄積された放電エネルギが当該コンデンサCに直結した外部電極12以外の外部電極12に供給されることを防止できる。その結果、中心電極11の周方向における放電の発生分布に偏りが生じることを防止できる。
上述した電圧印加装置20の動作について説明する。まず、電源21,22によってコンデンサCに電荷を予め蓄積(充電)する。そして、中心電極11と外部電極12との間にプラズマ媒質43の蒸気が供給されることにより、コンデンサCの正極側から負極側へ電流が流れる。この電流は、コンデンサCに蓄積された電荷量に相当する電流が電気回路の時定数に従ってパルス的に流れる。つまり、電荷は、中心電極11、面状放電6、及び外部電極12の順に流れ、最終的にコンデンサCの負極側に戻る。この電流が流れている間に、面状放電6は中心電極11の先端部まで移動して先端部において単一のプラズマとして収束することにより発光する。
媒質蒸気形成部30は、レーザ装置31と、ビームスプリッタ(ハーフミラー)34と、ミラー35とを有する。レーザ装置31から出射されたレーザ光32は、ビームスプリッタ34及びミラー35を介してプラズマ媒質供給部41に照射される。このレーザ光の照射によって、プラズマ媒質43のアブレーションが発生し、プラズマ媒質の蒸気(媒質蒸気)が発生する。また、レーザ装置31は、プラズマの初期放電(即ち、面状放電6:図4の(b)部参照)を発生させる。レーザ装置31はたとえばYAGレーザであり、アブレーションを行うために基本波又は基本波の二倍波を短パルスのレーザ光として出力する。
レーザ装置31は、レーザ光32を出射する。レーザ光32は、ビームスプリッタ34やミラー35等の光学素子により、少なくとも2本のレーザ光32a,32bに分岐され、プラズマ媒質供給部41に照射される。レーザ光32a,32bが照射されたプラズマ媒質43の表面では、アブレーションによってプラズマ媒質43の一部が媒質蒸気となって放出される。ここで媒質蒸気は、中性ガス又はイオンを含む。
また、レーザ光32a,32bの照射時には、同軸状電極10の中心電極11と外部電極12に電圧印加装置20による放電電圧が既に印加されている。従って、上述のアブレーションが発生すると、中心電極11と外部電極12との間において放電が誘発される。さらに、この放電によって面状放電6が形成される。
放電の発生箇所は、レーザ光32の照射領域及びその近傍に制限される可能性がある。従って、レーザ光32は軸線Aの周方向に沿って間隔を置いて、複数且つ同時に照射することが好ましく、その数は少なくとも2箇所である。これは、誘発された放電の領域が、中心電極11の軸を基点に180度以上の開き角があった実験結果に基づいている。この結果を考慮すると、照射箇所の数が少ないほど中心電極11に対して回転対称な位置にレーザ光32a,32bを照射することが望ましい。なお、複数のレーザ光32の同時照射は、ビームスプリッタ及びミラー等の光学素子を用いて光路長を合わせた複数の光路を形成することで容易に達成できる。
再び図2に示されるように、プラズマ媒質供給部41は、プラズマ光の発生に用いられるプラズマ媒質を保持するものであり、固体又は液体であるプラズマ媒質43と、当該プラズマ媒質43を保持する保持部42と、を有する。プラズマ媒質43は、必要とされる紫外線の波長に応じて選択され得る。たとえば、13.5nmの紫外光が必要な場合は、プラズマ媒質43は、リチウム(Li)、キセノン(Xe)、スズ(Sn)等が用いられる。また、6.7nmの紫外光が必要な場合は、プラズマ媒質は、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)等の少なくとも1つが用いられる。
プラズマ光源1は、1個の同軸状電極10に対して2個のプラズマ媒質供給部41を有する。なお、プラズマ媒質供給部41の個数は2個に限定されず、同軸状電極10の大きさや形状などに応じて適宜設定され得る。一対のプラズマ媒質供給部41は、同軸状電極10の周囲に配置されている。具体的には、一対のプラズマ媒質供給部41は、軸線Aのまわりに180度の間隔をもって配置されている。換言すると、一対のプラズマ媒質供給部41は、軸線Aに対して点対称に配置されている。また、一対のプラズマ媒質供給部41は、軸線Aからの距離が互いに等しい位置に配置されている。さらに、一対のプラズマ媒質供給部41は、軸線Aを中心とする仮想的な円周線上に等間隔に配置されている。また、プラズマ媒質供給部41は、軸線Aの方向においては、中心電極11の先端から絶縁体13の間に配置されている。
プラズマ媒質供給部41が配置された位置について詳細に説明する。プラズマ媒質供給部41は、中心電極11及び外部電極12と物理的に接触していない。まず、軸線Aに直交する仮想平面P2を規定する(図1参照)。図2は、この仮想平面P2における同軸状電極10の端面を示す。6本の外部電極12は、それぞれ軸線Bを有する。そして、互いに隣り合う外部電極12の軸線Bを通る仮想線を規定する。そうすると、同軸状電極10では、6本の仮想線が規定され、これら6本の仮想線に囲まれた六角形状の領域BSが規定されている。中心電極11は、この領域BSの中心に配置される。一方、プラズマ媒質供給部41は、この領域BSの外側に配置されている。要するに、プラズマ媒質供給部41は、すべての外部電極12を含むと共に中心電極11を囲む閉じた領域BSの外側に配置される。また、プラズマ媒質供給部41と中心電極11とは、仮想線B2を挟んで配置されるとも言える。
ここで、動作中のプラズマ光源1における電気的な状態を説明する。図3は、中心電極11の極性を正にする場合の、同軸状電極10と電圧印加装置20とにより形成される電流経路Kを示している。図3に示されるように、電流経路Kは、コンデンサCの正極側から電気回路を通じて中心電極11に至る。ここで、中心電極11と外部電極12とは物理的に離間しているが、動作時においては、中心電極11と外部電極12との間にプラズマ媒質が存在するので、面状放電6が発生する。従って、電流は、プラズマ媒質を介して中心電極11から外部電極12へ至る。そして、外部電極12から電気回路を通じてコンデンサCの負極側に至る。
プラズマ媒質供給部41は、電圧印加装置20と同軸状電極10とにより形成される電流経路Kに組み込まれていない。また、プラズマの発生時に同軸状電極10を流れる電流は、プラズマ媒質供給部41には流れない。すなわち、プラズマ媒質供給部41は、この電流経路Kに対して、電気的に絶縁されている。
プラズマ媒質供給部41は、電流経路Kから電気的に切り離されていればよい。電流経路Kから電気的に切り離されたプラズマ媒質供給部41は、電気的に接地されていてもよい。この電気的構成によれば、プラズマ媒質43の帯電が防止される。また、この電気的構成によれば、中心電極11や外部電極12の高電圧に影響されずプラズマ媒質43の電位を一定にすることが可能となる。
また、電流経路Kから電気的に切り離されたプラズマ媒質供給部41は、所定の電位に接続されてもよい。具体的には、プラズマ媒質43を保持する保持部42を金属などの導電性素材により形成し、保持部42に電位を与える。例えば、比較的低い電位に接続された構成によれば、プラズマ媒質43の電位を積極的に安定化させることができる。また、プラズマ媒質43のイオン化が促進される。このイオン化したプラズマ媒質43は中性ガスよりも放電のトリガーとなりやすい。一例として、プラズマ媒質43をリチウムとして、当該プラズマ媒質43に正の電位を印加すると、レーザアブレーションにより一部のリチウムはリチウムイオン(正イオン)として浮遊する。放電空間に到達した正イオンは、中性ガスよりも放電トリガーとなり易い。
なお、また、プラズマ媒質供給部41は、電流経路Kから電気的に切り離されていれば、電気的に浮いた状態であってもよい。
続いて、図4を参照してプラズマ光源1の動作について説明する。図4の(a)部はレーザ光32a,32bの照射時の状態、図4の(b)部は面状放電6の発生時の状態、図4の(c)部は面状放電6の移動中の状態、図4の(d)部はプラズマ7の発生時の状態、図4の(e)部はプラズマ7の初期の閉じ込め時の状態、図4の(f)部は高温・高密度化されたプラズマ7の状態を示している。
まず、チャンバ2内は、プラズマ7の発生に適した温度及び圧力に保持される。放電前の同軸状電極10には、電圧印加装置20により放電電圧が印加される。図4の(a)部に示されるように、放電電圧が印加された状態で、プラズマ媒質供給部41のプラズマ媒質43にレーザ光32a,32bが照射される。その直後、中心電極11及び外部電極12の間で放電が発生する。複数の外部電極12のそれぞれに対して、中心電極11との間で放電が生じる。図4の(b)部に示されるように、中心電極11の全周に亘って分布する面状放電6が得られる。
図4の(c)部に示されるように、面状放電6は、自己磁場によって電極から排出される方向(中央面Pに向かう方向)に移動する。このときの面状放電6の形状は、軸線Aから見て略環状である。
ここで、プラズマ光源1はエネルギ蓄積回路26を備えているため、エネルギ蓄積回路26と複数の外部電極12との協働により、面状放電6の発生確率が高められている。間隔をあけて非連続的に配置される複数の外部電極12は、連続した管状(筒状)の外部電極が採用される場合に比して、面状放電6の形成を容易にするという観点で有利である。
その後、図4の(d)部に示されるように、面状放電6は同軸状電極10の先端に達する。面状放電6が中心電極11の先端に達したことで、その放電電流の出発点は中心電極11の側面11bから端面11aに移行する。この電流の移行によって、一対の面状放電6に伴って移動してきたリチウム(Li)を含むプラズマは収束し、高密度かつ高温になる。
この現象は中央面Pを挟んだ同軸状電極10で進行するため、初期プラズマは、一方の同軸状電極10から他方の同軸状電極10に向かって押し出される。その結果、初期プラズマは、軸線Aに沿う両方向からの圧力を受けて同軸状電極10が対面する中間位置(すなわち中央面Pの位置)に移動し、プラズマ媒質を成分とする単一のプラズマ7が形成される。
図4の(e)部に示されるように、プラズマ7が形成された後も、面状放電6を通じて電流が流れ続け、プラズマ7を全体的に包囲し、プラズマ7を中心電極11の中間付近に保持する。
面状放電6が発生している間は、プラズマ7の高密度化および高温化が進行し、リチウム(Li)を含むイオンの電離が進行する。その結果、図4の(f)部に示されるように、プラズマ7からは極端紫外光を含むプラズマ光9が放射される。この状態において、面状放電6を通じて電流が流れ続けることにより、長時間に亘って、プラズマ光9が発生し得る。
このプラズマ光源1は、動作時において中心電極11と外部電極12との間に媒質蒸気Vが供給される。この媒質蒸気Vは、中心電極11と外部電極12との間に放電を誘発する。中心電極11と外部電極12との間に面状放電6が生じると、中心電極11と媒質蒸気Vと外部電極12とを介する電流経路Kが形成される。ここで、プラズマ媒質供給部41は、当該電流経路Kから電気的に絶縁されているので、電流経路Kを流れる電流は、プラズマ媒質供給部41を経由することがない。導体に電流が流れるとジュール熱が生じるが、プラズマ媒質供給部41には電流が流れないので、ジュール熱が発生することもない。従って、プラズマ媒質43の温度上昇が抑制されてプラズマ媒質43の状態が安定化するので、プラズマ媒質43のアブレーションを安定的に生じさせることが可能となる。従って、中心電極11と外部電極12との間にプラズマ媒質43の蒸気を安定的に供給することができる。
プラズマ媒質供給部41が中心電極11及び外部電極12上に配置されていないので、プラズマを発生させるための充放電と切り離すことが可能になる。従って、高電圧及び高電流が印加される中心電極11と外部電極12との間に、連続的かつ安定的にプラズマ媒質を供給することができる。
中心電極11及び外部電極12はプラズマからの入熱によって温度が高くなる場合がある。しかし、本実施形態のプラズマ光源1では、プラズマ媒質供給部41が中心電極11及び外部電極12上に配置されていないので、中心電極11及び外部電極12の温度の影響を抑制し、プラズマ媒質43を一定の状態に保つことが容易に行える。このため、プラズマ媒質43が過剰に加熱されて意図しない蒸発が発生することを抑制できる。基本的にEUV光は真空中で扱う必要がある。プラズマ光源1によれば、意図しない蒸発が抑制されるので、チャンバ2の内部を所定の圧力に容易に保つことが可能になるので、放電空間の圧力環境を維持することができる。
要するに、プラズマ光源1では、プラズマ媒質43が電流経路Kから電気的に切り離されるため,高電圧・高電流の環境から解放される。従ってプラズマ媒質43が放電等によって流動したり飛散したりするような状況が回避される。そして、プラズマ光源1によれば、連続的でより安定的な供給が容易となる。またプラズマ光源1では、プラズマ媒質43が高温になる中心電極11及び外部電極12からも物理的に切り離される。従って、プラズマ媒質43の温度上昇も抑制されるので、プラズマ媒質43を中心電極11及び外部電極12とは別に温度制御することも可能となる。このため、プラズマ媒質43の蒸気圧を一定に保つことが容易となる。
以上のように、プラズマ光源1では、プラズマ媒質43が電気的な影響から解放され、プラズマ媒質43の供給方法や温度制御が容易になり、放電空間への媒質供給が制御しやすくなり、プラズマ媒質43を電気的に安定にでき、プラズマ媒質43のイオン化を促進できる。ひいては、プラズマ光源1としての出力の安定性や発光強度を向上させることができる。また、中心電極11及び外部電極12は、プラズマ媒質43の温度の制約に縛られることなく、冷却機能のスペックを緩和できる。
また、プラズマ光源1では、プラズマ媒質43の蒸気を発生させる位置と、プラズマ7を生じさせる位置とが異なっている。この構成によれば、プラズマ7から発生されるEUV光がプラズマ媒質43の蒸気に妨げられることがない。従って、EUV光を効率よく出射させることができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
例えば、図5に示されるように、プラズマ光源1Aは、リミッタ50(供給制御部)をさらに備えていてもよい。リミッタ50は、媒質蒸気Vが拡散する方向や媒質蒸気Vの供給量を制御する。リミッタ50は、プラズマ媒質供給部41と同軸状電極10との間に配置される。リミッタ50は、板状の本体51(遮蔽部)と、本体51に設けられた光透過部52と、貫通孔53と、を有する。光透過部52は、貫通孔であってもよいし、ガラス等のレーザ光に対して透明な部材であってもよい。レーザ光32aは、光透過部52を介してプラズマ媒質43に照射される。レーザ光32aが照射されたプラズマ媒質43はアブレーションを生じて媒質蒸気Vが発生される。媒質蒸気Vは、プラズマ媒質43の周囲に放射状に拡散する。そして、一部の媒質蒸気Vは、リミッタ50の本体51に遮られ、同軸状電極10に到達しない。別の媒質蒸気Vは、貫通孔53を通過して同軸状電極10に到達する。すなわち、媒質蒸気Vの拡散に方向性をもたせることが可能になるので、放電空間の所望位置に媒質蒸気Vを供給できる。従って、軸線Aの方向へのプラズマの拡散を抑制することができ、放電開始位置を所望の範囲に限定することができる。外部電極12の軸線Aの方向における放電位置が揃うと、プラズマの収束が向上して高温且つ高密度のプラズマを形成することができる。
またプラズマ媒質43から媒質蒸気Vを生じさせる手段は、レーザアブレーションに代えて、その他の手段を用いてもよい。
1,1A プラズマ光源
2 チャンバ
3 排気管
6 面状放電
7 プラズマ
9 プラズマ光
10 同軸状電極
11 中心電極
11a 端面
11b 側面
12 外部電極
13 絶縁体
20 電圧印加装置
21 電源
22 電源
26 エネルギ蓄積回路
28 放電電流阻止回路
30 媒質蒸気形成部
31 レーザ装置
32 レーザ光
34 ビームスプリッタ
35 ミラー
41 プラズマ媒質供給部
42 保持部
43 プラズマ媒質
50 リミッタ
51 本体
52 光透過部
53 貫通孔
A 軸線
B 軸線
B2 仮想線
BS 領域
C コンデンサ
P 中央面
L インダクタ
P2 仮想平面
K 電流経路
V 媒質蒸気

Claims (5)

  1. 軸線上において互いに対面するように配置され、中心電極と前記中心電極から離間するように配置された外部電極と前記中心電極と前記外部電極とを絶縁する絶縁体とを有し、極端紫外光を放射するプラズマを発生させると共に前記プラズマを閉じ込める一対の同軸状電極と、
    前記中心電極と前記外部電極とに接続されて、前記中心電極と前記外部電極との間に電位差を生じさせる電圧印加部と、
    前記プラズマを発生させるためのプラズマ媒質を有するプラズマ媒質供給部と、
    前記プラズマ媒質から生成されると共に前記中心電極と前記外部電極との間に供給される媒質蒸気を形成する媒質蒸気形成部と、を備え、
    前記同軸状電極は、前記中心電極と前記外部電極と前記媒質蒸気とを含む電流経路を形成し、
    前記プラズマ媒質供給部は、前記電流経路に対して電気的に絶縁されている、プラズマ光源。
  2. 一方の前記同軸状電極の前記中心電極は、他方の前記同軸状電極に向かって延びる棒状の導電体であって、前記軸線上に配置され、
    一方の前記同軸状電極の前記外部電極は、他方の前記同軸状電極に向かって延びる棒状の導電体であって、前記軸線のまわりに等間隔に複数配置され、
    前記プラズマ媒質供給部は、前記軸線の方向から見た場合に、すべての前記外部電極を含むと共に前記中心電極を囲む閉じた領域の外側に配置される、請求項1に記載のプラズマ光源。
  3. 前記プラズマ媒質供給部は、前記外部電極から離間している、請求項1又は2に記載のプラズマ光源。
  4. 前記プラズマ媒質供給部は、所定の電位に接続されている請求項1〜3の何れか一項に記載のプラズマ光源。
  5. 前記プラズマ媒質供給部と前記同軸状電極との間に配置された供給制御部をさらに備え、
    前記供給制御部は、前記媒質蒸気を遮蔽する遮蔽部と、前記媒質蒸気を通過させる貫通孔と、を有する、請求項1〜4の何れか一項に記載のプラズマ光源。
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