JP5590305B2 - プラズマ光源とプラズマ光発生方法 - Google Patents

プラズマ光源とプラズマ光発生方法 Download PDF

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本発明は、EUV放射のためのプラズマ光源とプラズマ光発生方法に関する。
次世代半導体の微細加工のために極端紫外光源を用いるリソグラフィが期待されている。リソグラフィとは回路パターンの描かれたマスクを通して光やビームをシリコン基盤上に縮小投影し、レジスト材料を感光させることで電子回路を形成する技術である。光リソグラフィで形成される回路の最小加工寸法は基本的には光源の波長に依存している。従って、次世代の半導体開発には光源の短波長化が必須であり、この光源開発に向けた研究が進められている。
次世代リソグラフィ光源として最も有力視されているのが、極端紫外光源(EUV:Extreme Ultra Violet)であり、およそ1〜100nmの波長領域の光を意味する。この領域の光はあらゆる物質に対し吸収率が高く、レンズ等の透過型光学系を利用することができないので、反射型光学系を用いることになる。また極端紫外光領域の光学系は非常に開発が困難で、限られた波長にしか反射特性を示さない。
現在、13.5nmに感度を有するMo/Si多層膜反射鏡が開発されており、この波長の光と反射鏡を組み合わせたリソグラフィ技術が開発されれば30nm以下の加工寸法を実現できると予測されている。さらなる微細加工技術の実現のために、波長13.5nmのリソグラフィ光源の開発が急務であり、高エネルギー密度プラズマからの輻射光が注目されている。
光源プラズマ生成はレーザー照射方式(LPP:Laser Produced Plasma)とパルスパワー技術によって駆動されるガス放電方式(DPP:Discharge Produced Plasma)に大別できる。ガス放電方式(DPP)は、投入した電力が直接プラズマエネルギーに変換されるので、LPPに比べて変換効率で優位であるうえに、装置が小型で低コストという利点がある。
プラズマから有効波長領域(in−band)の放射光への変換効率(Plasma Conversion E.ciency:P.C.E)は次式(1)のように表される。
P.C.E=(Pinband×τ)/E・・・(1)
ここで、Pinbandは有効波長領域のEUV放射光出力、τは放射持続時間、Eはプラズマに投入されたエネルギーである。
有効波長領域に放射スペクトルを持つ元素としては、Xe,Sn,Li等が代表的であり、実験の容易さ、取り扱いやすさから開発初期はXeを中心に研究が進められてきた。しかし、近年では高出力、高効率を理由にSnが注目を浴び研究が進められている。また、有効波長領域にちょうどLyman−α共鳴線を有する水素様Liイオン(Li2+)に対する期待も高まってきている。
高温高密度プラズマからの放射スペクトルは、基本的にはターゲット物質の温度と密度によって決まり、プラズマの原子過程を計算した結果によると、EUV放射領域のプラズマにするにはXe,Snの場合で電子温度、電子密度がそれぞれ数10eV、1018cm−3程度,Liの場合で20eV、1018cm−3程度が最適とされている。
なお、上述したプラズマ光源は、非特許文献1,2および特許文献1,2に開示されている。
佐藤弘人、他、「リソグラフィ用放電プラズマEUV光源」、OQD−08−28 Jeroen Jonkers,"High power extreme ultra−violet(EUV) light sources for future lithography",Plasma Sources Science and Technology, 15(2006) S8−S16
特表2000−509190号公報、「X線放射線または極紫外線放射線を発生するための方法および装置」 特開2004−226244号公報、「極端紫外光源および半導体露光装置」
EUVリソグラフィ光源には、高い平均出力、微小な光源サイズ、飛散粒子(デブリ)が少ないこと等が要求される。現状では、EUV発光量が要求出力に対して極めて低く、高出力化が大きな課題の一つであるが、一方で高出力化のために入力エネルギーを大きくすると熱負荷によるダメージがプラズマ生成装置や光学系の寿命の低下を招いてしまう。従って、高EUV出力と低い熱負荷の双方を満たすためには、高いエネルギー変換効率が必要不可欠である。
プラズマ形成初期には加熱や電離に多くのエネルギーを消費するうえに、EUVを放射するような高温高密度状態のプラズマは一般的に急速に膨張してしまうため、放射持続時間τが極端に短い。従って、変換効率を改善するためには、プラズマをEUV放射のために適した高温高密度状態で長時間(μsecオーダーで)維持することが重要になる。
SnやLi等の常温固体の媒体はスペクトル変換効率が高い反面、プラズマ生成に溶融、蒸発等の相変化を伴うため、中性粒子等のデブリ(放電に伴う派生物)による装置内汚染の影響が大きくなる。そのため、ターゲット供給、回収システム強化も同様に要求される。
現在の一般的なEUVプラズマ光源の放射時間は100nsec程度であり出力が極端に足りない。産業応用のため高変換効率と高平均出力を両立させる為には1ショットで数μsec(少なくとも1μsec以上)のEUV放射時間を達成する必要がある。つまり、高い変換効率を持つプラズマ光源を開発するためには、それぞれのターゲットに適した温度密度状態のプラズマを1μsec以上拘束し、安定したEUV放射を達成する必要がある。
さらに、従来のキャピラリー放電では、プラズマがキャピラリー内に閉じ込められてしまうため、有効な放射立体角が小さいという欠点もあった。
また、ガス放電方式(DPP)において、電極間に放電を安定して発生させるには、放電電圧印加のタイミングに同期して、放電開始位置にレーザー光を照射することにより、放電ジッターを低減することができる。また、特に、レーザー光の多点照射により対称放電を発生させることができる。その反面、装置構造が複雑となり、装置コストが大幅に上昇する問題点がある。
更に、レーザー光の多点照射の場合、多数のレーザー光学系を設置するため、発生するEUV光を集光できる有効立体角が小さくなり、EUV光の利用効率が低下する問題点がある。
一方、EUV光の出力を高めるために、放電を複数の箇所で同時に発生させ、かつ放電ジッターを低減する手段として、放電開始点となる複数の金属ピンを対称に配置することが考えられる。しかし、この手段では、放電による金属ピンの損傷が激しく、長時間安定して動作できない。さらに、この手段では、蒸発した金属ピン物質が光源プラズマ中に不純物として混入するため、13.5nm近傍の有効なEUV光への変換効率が低下する問題点がある。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、EUV放射のためのプラズマ光を長時間(μsecオーダーで)安定して発生させることができ、発生したプラズマ光の有効な放射立体角が大きくでき、プラズマ媒体を連続して供給することができ、EUV光の出力を高めかつ放電ジッターを低減することができ、光源プラズマ中に混入する不純物を防止して有効なEUV光への変換効率を高めることができるプラズマ光源とプラズマ光発生方法を提供することにある。
本発明によれば、単一の軸線上に延びる棒状の中心電極と、該中心電極を一定の間隔を隔てて囲む管状のガイド電極と、前記中心電極とガイド電極の軸方向外端部に位置しその間を絶縁するリング状の絶縁部材とからなり、前記中心電極の軸方向内端部が間隔を隔てて対向配置された1対の同軸状電極と、
前記1対の同軸状電極内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持する放電環境保持装置と、
前記各同軸状電極に極性を反転させた放電電圧を印加する電圧印加装置と、を備え、
前記絶縁部材は、前記中心電極の外面又はガイド電極の内面に密着し、液体金属のプラズマ媒体を軸方向内端面まで滲み出させる複数の溝を有している、ことを特徴とするプラズマ光源が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記絶縁部材は、前記中心電極及びガイド電極と電気的に絶縁されその軸方向内端面までプラズマ媒体を供給するプラズマ媒体供給部と、
前記プラズマ媒体供給部と前記中心電極及びガイド電極の間を絶縁する内側絶縁管及び外側絶縁管を備え、
前記複数の溝は、前記内側絶縁管の内面又は外側絶縁管の外面に前記単一の軸線に対して対称に配置されている。
また前記プラズマ媒体はリチウム又はスズである、ことが好ましい。
また本発明によれば、(A) 単一の軸線上に延びる棒状の中心電極と、該中心電極を一定の間隔を隔てて囲む管状のガイド電極と、前記中心電極とガイド電極の軸方向外端部に位置しその間を絶縁するリング状の絶縁部材とからなり、前記中心電極の軸方向内端部が間隔を隔てて対向配置された1対の同軸状電極とを準備し、
かつ前記絶縁部材は、前記中心電極の外面又はガイド電極の内面に密着し、液体金属のプラズマ媒体を軸方向内端面まで滲み出させる複数の溝を有しており、
(B) 前記1対の同軸状電極内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持し、
(C) 各同軸状電極の中心電極とガイド電極間に極性を反転させた放電電圧を印加して、1対の同軸状電極にそれぞれ、前記溝を介して供給された液体金属のプラズマ媒体を放電開始ピンとする中心電極とガイド電極間の面状放電を発生させ、該面状放電により、各同軸状電極の対向する中間位置に単一のプラズマを形成し、
(D) 次いで前記面状放電を1対の同軸状電極間の管状放電に繋ぎ換えて前記プラズマを軸方向に封じ込め、
(E) プラズマの発光エネルギーに相当するエネルギーを各同軸状電極から供給して同軸状電極間にプラズマ光を発生させる、ことを特徴とするプラズマ光発生方法が提供される。
上記本発明の装置及び方法によれば、中心電極とガイド電極の間の絶縁部材が、中心電極の外面又はガイド電極の内面に密着した複数の溝を有するので、この複数の溝を介して毛細管現象により液体金属のプラズマ媒体を軸方向内端面まで滲み出させることができる。
軸方向内端面まで滲み出した液体金属は中心電極又はガイド電極と同電位であるので、中心電極とガイド電極間に放電電圧を印加したとき、複数の液体金属(プラズマ媒体)が放電開始ピンとして機能する。
また、複数の溝は、前記単一の軸線に対して対称に配置されているので、中心電極外周部(又はガイド電極内周部)に対称な配置で滲み出した液体金属(リチウム又はスズ)は、対称な配置の複数の放電開始ピンとして作用し、対称な面状放電を安定に行うことができる。
さらに、液体金属は複数の溝を介して連続的に供給されるため、放電開始ピンとして作用しても消耗せず、高繰返し、長時間運転が可能である。
また、液体金属は放電により蒸発するが、蒸発金属自体がプラズマ媒体(リチウム又はスズ)であるため、プラズマ媒体に不純物が混入するおそれは無い。
さらに、同軸状電極間にプラズマ光を発生させ、その発光点のまわりに特別な機器を必要としないので、レーザー光の多点照射の場合と比較して、発生するEUV光を集光できる有効立体角を大きくでき、EUV光の利用効率を高めることができる。
従って、発生したプラズマ光の有効な放射立体角を大きくでき、EUV光の出力を高めかつ放電ジッターを低減することができ、光源プラズマ中に混入する不純物を防止して有効なEUV光への変換効率を高めることができる。
また、中心電極及びガイド電極と電気的に絶縁されたプラズマ媒体供給部を備えて、その軸方向内端面までプラズマ媒体を供給するので、EUV放射のためのプラズマ光を長時間(μsecオーダーで)安定して発生させることができ、プラズマ媒体を連続して供給することができる。
本発明によるプラズマ光源の全体構成図である。 図1における同軸状電極の構成図である。 本発明によるプラズマ光源の作動説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明によるプラズマ光源の全体構成図である。
この図において、本発明のプラズマ光源は、1対の同軸状電極10、放電環境保持装置20、及び電圧印加装置30を備える。
1対の同軸状電極10は、対称面1を中心として対向配置されている。
各同軸状電極10は、棒状の中心電極12、管状のガイド電極14及びリング状の絶縁部材16からなる。
棒状の中心電極12は、単一の軸線Z−Z上に延びる導電性の電極である。
この例において、中心電極12の対称面1に対向する端面は、平面であるが、凹穴を設けてもよく、或いは、円弧状でもよい。
管状のガイド電極14は、中心電極12を一定の間隔を隔てて囲み、その間にプラズマ媒体を保有するようになっている。なお、ガイド電極14の対称面1に対向する端面は、円弧状でも平面でもよい。
リング状の絶縁部材16は、中心電極12とガイド電極14の軸方向外端部に位置し全体として中空円筒形状の電気的絶縁体であり、中心電極12とガイド電極14の間を電気的に絶縁する。
上述した1対の同軸状電極10は、各中心電極12が同一の軸線Z−Z上に位置し、かつ中心電極12の軸方向内端部が間隔を隔てて対向配置され、互いに一定の間隔を隔てて対称に位置する。
放電環境保持装置20は、同軸状電極10内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に同軸状電極10を保持する。
放電環境保持装置20は、例えば、真空チャンバー、温度調節器、真空装置、及びプラズマ媒体供給装置により構成することができる。なおこの構成は必須ではなく、その他の構成であってもよい。
電圧印加装置30は、各同軸状電極10に極性を反転させた放電電圧を印加する。
電圧印加装置30は、この例では、正電圧源32、負電圧源34及びトリガスイッチ36からなる。
正電圧源32は、一方(この例では左側)の同軸状電極10の中心電極12にそのガイド電極14より高い正の放電電圧を印加する。
負電圧源34は、他方(この例では右側)の同軸状電極10の中心電極12にそのガイド電極14より低い負の放電電圧を印加する。
トリガスイッチ36は、正電圧源32と負電圧源34を同時に作動させて、それぞれの同軸状電極12に同時に正負の放電電圧を印加する。
この構成により、本発明のプラズマ光源は、1対の同軸状電極10間に管状放電(後述する)を形成してプラズマを軸方向に封じ込めるようになっている。
図2は、図1における同軸状電極の構成図である。この図において、(A)は、上述した1対の同軸状電極10の一方(左側)のみを示す側面図であり、(B)はそのB−B断面図である。
この図において、絶縁部材16は、中心電極12の外面(又はガイド電極14の内面でもよい)に密着し、単一の軸線Z−Zに対して対称に配置された複数(この例で8本)の溝16aを有する。この溝16aは、液体金属のプラズマ媒体6が毛細管現象を生じる程度に微細であり、液体金属のプラズマ媒体6を軸方向内端面まで毛細管現象により滲み出させるようになっている。
図2において、絶縁部材16は、プラズマ媒体供給部16bと内側絶縁管16c及び外側絶縁管16dを備える。
プラズマ媒体供給部16bは、この例では多孔質セラミックである。また、プラズマ媒体供給部16bの軸方向内端面には主媒体供給装置18を備える。
主媒体供給装置18は、プラズマ媒体供給部16bの軸方向内端面に密着して設けられ、プラズマ媒体供給部16bを通してその軸方向内端面までプラズマ媒体6を供給する。
主媒体供給装置18は、この例ではプラズマ媒体6を内部に保有する主リザーバー18a(例えばルツボ)と、ブラズマ媒体を加熱して液化する主加熱装置18bとからなる。主加熱装置18bは、図示しない電源に連結され、加熱速度を制御できるようになっている。
プラズマ媒体供給部16bの軸方向内端面におけるプラズマ媒体6は、液体又は気体である。
内側絶縁管16c及び外側絶縁管16dは、プラズマ媒体供給部16bと中心電極12及びガイド電極14の間を絶縁する。内側絶縁管16c及び外側絶縁管16dは、例えば緻密なセラミックである。
複数の溝16aは、内側絶縁管16cの内面(又は外側絶縁管16dの外面でもよい)に単一の軸線Z−Zに対して対称に配置されている。また、溝16aの軸方向内端面には補助媒体供給装置19を備える。
補助媒体供給装置19は、溝16aの軸方向内端面に密着して設けられ、溝16aを通してその軸方向内端面までプラズマ媒体6を供給する。
補助媒体供給装置19は、この例ではプラズマ媒体6を内部に保有する補助リザーバー19a(例えばルツボ)と、ブラズマ媒体を加熱して液化する補助加熱装置19bとからなる。補助加熱装置19bは、図示しない電源に連結され、加熱速度を制御できるようになっている。
溝16aの軸方向内端面におけるプラズマ媒体6は、液体である。
なお、主媒体供給装置18と補助媒体供給装置19は、互いに電気的に絶縁されており、かつ各々独立してプラズマ媒体6を供給できる限りで、異なる構成であってもよい。
また、主媒体供給装置18と補助媒体供給装置19によるプラズマ媒体6は、好ましくは同一のリチウム又はスズである。
図3は、本発明によるプラズマ光源の作動説明図である。この図において、(A)は面状放電の発生時、(B)は面状放電の移動中、(C)はプラズマの形成時、(D)はプラズマ封じ込み磁場の形成時を示している。
以下、この図を参照して、本発明のプラズマ光発生方法を説明する。なおこの図では、放電環境保持装置20と電圧印加装置30は省略する。
本発明のプラズマ光発生方法では、上述した1対の同軸状電極10を対向配置し、放電環境保持装置20により同軸状電極10内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持し、電圧印加装置30により各同軸状電極10に極性を反転させた放電電圧を印加する。
図3(A)に示すように、この電圧印加により、1対の同軸状電極10に絶縁部材16の表面でそれぞれ溝16aを介して供給された液体金属のプラズマ媒体6を放電開始ピンとする中心電極12とガイド電極14間の面状の放電電流(以下、面状放電2と呼ぶ)が発生する。面状放電2は、2次元的に広がる面状の放電電流である。
なお、「放電開始ピン」とは、放電を開始する際の放電電極として機能する導電体を意味する。
なおこの際、左側の同軸状電極10の中心電極12は正電圧(+)、ガイド電極14は負電圧(−)に印加され、右側の同軸状電極10の中心電極12は負電圧(−)、そのガイド電極14は正電圧(+)に印加されている。
なお、両方のガイド電極14を接地させて0Vに保持し、一方の中心電極12を正電圧(+)に印加し、他方の中心電極12を負電圧(−)に印加してもよい。
また本発明において、複数の微細な溝16aは、単一の軸線Z−Zに対して対称に配置されているので、中心電極外周部(又はガイド電極内周部)に対称な配置で滲み出した液体金属(リチウム又はスズ)は、対称な配置の複数の放電開始ピンとして作用し、対称な面状放電を安定に行うことができる。
図3(B)に示すように、面状放電2は、自己磁場によって電極から排出される方向(図で中心に向かう方向)に移動する。
図3(C)に示すように、面状放電2が1対の同軸状電極10の先端に達すると、1対の面状放電2の間に挟まれたプラズマ媒体6が高密度、高温となり、各同軸状電極10の対向する中間位置(中心電極12の対称面1)に単一のプラズマ3が形成される。
さらに、この状態において、対向する1対の中心電極12は、正電圧(+)と負電圧(−)であり、同様に対向する1対のガイド電極14も、正電圧(+)と負電圧(−)であるので、図3(D)に示すように、面状放電2は対向する1対の中心電極12同士、及び対向する1対のガイド電極14の間で放電する管状放電4に繋ぎ換えられる。ここで、管状放電4とは、軸線Z−Zを囲む中空円筒状の放電電流を意味する。
この管状放電4が形成されると、図に符号5で示すプラズマ封じ込み磁場(磁気ビン)が形成され、プラズマ3を半径方向及び軸方向に封じ込むことができる。
すなわち、磁気ビン5はプラズマ3の圧力により中央部は大きくその両側が小さくなり、プラズマ3に向かう軸方向の磁気圧勾配が形成され、この磁気圧勾配によりプラズマ3は中間位置に拘束される。さらにプラズマ電流の自己磁場によって中心方向にプラズマ3は圧縮(Zピンチ)され、半径方向にも自己磁場による拘束が働く。
この状態において、プラズマ3の発光エネルギーに相当するエネルギーを電圧印加装置30から供給し続ければ、高いエネルギー変換効率で、プラズマ光8(EUV)を長時間安定して発生させることができる。
上述した本発明の装置及び方法によれば、中心電極12とガイド電極14の間の絶縁部材16が、中心電極12の外面(又はガイド電極14の内面)に密着した複数の溝16aを有するので、この複数の溝16aを介して毛細管現象により液体金属のプラズマ媒体6を軸方向内端面まで滲み出させることができる。
軸方向内端面まで滲み出した液体金属は中心電極12(又はガイド電極)と同電位であるので、中心電極12とガイド電極14間に放電電圧を印加したとき、複数の液体金属(プラズマ媒体6)が放電開始ピンとして機能する。
また、複数の溝16aは、単一の軸線Z−Zに対して対称に配置されているので、中心電極外周部(又はガイド電極内周部)に対称な配置で滲み出した液体金属(リチウム又はスズ)は、対称な配置の複数の放電開始ピンとして作用し、対称な面状放電を安定に行うことができる。
さらに、液体金属は複数の溝16aを介して連続的に供給されるため、放電開始ピンとして作用しても消耗せず、高繰返し、長時間運転が可能である。
また、液体金属は放電により蒸発するが、蒸発金属自体がプラズマ媒体6(リチウム又はスズ)であるため、プラズマ媒体6に不純物が混入するおそれは無い。
さらに、同軸状電極間にプラズマ光を発生させ、その発光点のまわりに特別な機器を必要としないので、レーザー光の多点照射の場合と比較して、発生するEUV光を集光できる有効立体角を大きくでき、EUV光の利用効率を高めることができる。
従って、発生したプラズマ光の有効な放射立体角を大きくでき、EUV光の出力を高めかつ放電ジッターを低減することができ、光源プラズマ中に混入する不純物を防止して有効なEUV光への変換効率を高めることができる。
また、中心電極及びガイド電極と電気的に絶縁されたプラズマ媒体供給部を備えて、その軸方向内端面までプラズマ媒体を供給するので、EUV放射のためのプラズマ光を長時間(μsecオーダーで)安定して発生させることができ、プラズマ媒体を連続して供給することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 対称面、2 面状放電、3 プラズマ、
4 管状放電、5 プラズマ封じ込み磁場、
6 プラズマ媒体、8 プラズマ光(EUV光)、
10 同軸状電極、12 中心電極、
14 ガイド電極、16 絶縁部材、
16a 溝、16b プラズマ媒体供給部、
16c 内側絶縁管、16d 外側絶縁管、
18 主媒体供給装置、
18a 主リザーバー、18b 主加熱装置、
19 補助媒体供給装置、
19a 補助リザーバー、19b 補助加熱装置、
20 放電環境保持装置、30 電圧印加装置、
32 正電圧源、34 負電圧源、36 トリガスイッチ


Claims (4)

  1. 単一の軸線上に延びる棒状の中心電極と、該中心電極を一定の間隔を隔てて囲む管状のガイド電極と、前記中心電極とガイド電極の軸方向外端部に位置しその間を絶縁するリング状の絶縁部材とからなり、前記中心電極の軸方向内端部が間隔を隔てて対向配置された1対の同軸状電極と、
    前記1対の同軸状電極内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持する放電環境保持装置と、
    前記各同軸状電極に極性を反転させた放電電圧を印加する電圧印加装置と、を備え、
    前記絶縁部材は、前記中心電極の外面又はガイド電極の内面に密着し、液体金属のプラズマ媒体を軸方向内端面まで滲み出させる複数の溝を有している、ことを特徴とするプラズマ光源。
  2. 前記絶縁部材は、前記中心電極及びガイド電極と電気的に絶縁されその軸方向内端面までプラズマ媒体を供給するプラズマ媒体供給部と、
    前記プラズマ媒体供給部と前記中心電極及びガイド電極の間を絶縁する内側絶縁管及び外側絶縁管を備え、
    前記複数の溝は、前記内側絶縁管の内面又は外側絶縁管の外面に前記単一の軸線に対して対称に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ光源。
  3. 前記プラズマ媒体はリチウム又はスズである、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ光源。
  4. (A) 単一の軸線上に延びる棒状の中心電極と、該中心電極を一定の間隔を隔てて囲む管状のガイド電極と、前記中心電極とガイド電極の軸方向外端部に位置しその間を絶縁するリング状の絶縁部材とからなり、前記中心電極の軸方向内端部が間隔を隔てて対向配置された1対の同軸状電極とを準備し、
    かつ前記絶縁部材は、前記中心電極の外面又はガイド電極の内面に密着し、液体金属のプラズマ媒体を軸方向内端面まで滲み出させる複数の溝を有しており、
    (B) 前記1対の同軸状電極内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持し、
    (C) 各同軸状電極の中心電極とガイド電極間に極性を反転させた放電電圧を印加して、1対の同軸状電極にそれぞれ、前記溝を介して供給された液体金属のプラズマ媒体を放電開始ピンとする中心電極とガイド電極間の面状放電を発生させ、該面状放電により、各同軸状電極の対向する中間位置に単一のプラズマを形成し、
    (D) 次いで前記面状放電を1対の同軸状電極間の管状放電に繋ぎ換えて前記プラズマを軸方向に封じ込め、
    (E) プラズマの発光エネルギーに相当するエネルギーを各同軸状電極から供給して同軸状電極間にプラズマ光を発生させる、ことを特徴とするプラズマ光発生方法。
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