JP5552872B2 - プラズマ光源とプラズマ光発生方法 - Google Patents
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P.C.E=(Pinband×τ)/E・・・(1)
ここで、Pinbandは有効波長領域のEUV放射光出力、τは放射持続時間、Eはプラズマに投入されたエネルギーである。
各同軸状電極内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持する放電環境保持装置と、
各同軸状電極に極性を反転させた放電電圧を印加する電圧印加装置と、を備え、
13.5nm近傍に発光ラインを持つプラズマ媒体と、13.5nm近傍に発光ラインを有しかつ前記プラズマ媒体より輻射冷却時間が短い添加物とを同軸状電極間に供給し、
1対の同軸状電極間に管状放電を形成してプラズマを軸方向に封じ込め、 該プラズマ内において励起されたプラズマ媒体のイオンと励起していない添加物のイオンとの間で共鳴エネルギー移転を生じさせ、プラズマ媒体と添加物の両方から13.5nm近傍のEUV光を発光させる、ことを特徴とするプラズマ光源が提供される。
前記中心電極とガイド電極間の面状放電により、前記絶縁化合物の表面を気化してプラズマ媒体及び前記添加物を同軸状電極間に供給する。
さらに、前記添加物を前記同軸状電極間に供給する添加物供給装置を備え、
前記中心電極とガイド電極間の面状放電により、前記絶縁化合物の表面を気化してプラズマ媒体を同軸状電極間に供給し、同時に前記添加物を前記同軸状電極間に供給する。
前記添加物を前記同軸状電極間に供給する添加物供給装置とを備える。
(B) 前記1対の同軸状電極内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持し、
(C) 13.5nm近傍に発光ラインを持つプラズマ媒体と、13.5nm近傍に発光ラインを有しかつ前記プラズマ媒体より輻射冷却時間が短い添加物とを前記同軸状電極間に供給しながら、各同軸状電極の中心電極とガイド電極間に極性を反転させた放電電圧を印加して、1対の同軸状電極にそれぞれ面状放電を発生させ、該面状放電により各同軸状電極の対向する中間位置に単一のプラズマを形成し、
(D) 次いで前記面状放電を1対の同軸状電極間の管状放電に繋ぎ換えて前記プラズマを軸方向に封じ込め、
(E) プラズマ内において励起されたプラズマ媒体のイオンと励起していない添加物のイオンとの間で共鳴エネルギー移転を生じさせ、プラズマ媒体と添加物の両方から13.5nm近傍のEUV光を発光させる、ことを特徴とするプラズマ光発生方法が提供される。
このプラズマ内において、励起されたプラズマ媒体のイオンが、励起していない添加物のイオンと衝突すると、プラズマ媒体のイオンと添加物のイオンとの間で共鳴エネルギー移転(共鳴励起)が生じるので、励起していない添加物イオンが励起され、プラズマ媒体は励起されていない状態となる。
また、下位準位に戻った添加物イオンは、励起されたプラズマ媒体のイオンと衝突し、共鳴励起、EUV光の発光を繰り返す。
この図において、本発明のプラズマ光源10は、1対の同軸状電極11、放電環境保持装置20、及び電圧印加装置30を備える。
各同軸状電極11は、棒状の中心電極12、管状のガイド電極14及びリング状の絶縁体16からなる。
この例において、中心電極12の対称面1に対向する端面に凹穴12aが設けられ、後述する面状放電電流2と管状放電4を安定化させるようになっている。なお、この構成は必須ではなく、中心電極12の対称面1に対向する端面は、円弧状でも平面でもよい。
なお、絶縁体16の形状はこの例に限定されず、中心電極12とガイド電極14の間を電気的に絶縁する限りで、その他の形状であってもよい。
放電環境保持装置20は、例えば、真空チャンバー、温度調節器、真空装置、及びプラズマ媒体供給装置により構成することができる。なおこの構成は必須ではなく、その他の構成であってもよい。
電圧印加装置30は、この例では、正電圧源32、負電圧源34及びトリガスイッチ36からなる。
正電圧源32は、一方(この例では左側)の同軸状電極11の中心電極12にそのガイド電極14より高い正の放電電圧を印加する。
負電圧源34は、他方(この例では右側)の同軸状電極11の中心電極12にそのガイド電極14より低い負の放電電圧を印加する。
トリガスイッチ36は、正電圧源32と負電圧源34を同時に作動させて、それぞれの同軸状電極12に同時に正負の放電電圧を印加する。
この構成により、本発明のプラズマ光源は、1対の同軸状電極11間に管状放電(後述する)を形成してプラズマを軸方向に封じ込めるようになっている。
また、本発明のプラズマ光源10は、1対の同軸状電極11間に管状放電4を形成してプラズマ3を軸方向に封じ込め、プラズマ3内において励起されたプラズマ媒体6のイオンと励起していない添加物7のイオンとの間で共鳴エネルギー移転を生じさせ、プラズマ媒体6と添加物7の両方から13.5nm近傍のEUV光を発光させるようになっている。
この図において、絶縁体16は、13.5nm近傍に発光ラインを持つプラズマ媒体6を主成分とする常温で固体の絶縁化合物と、13.5nm近傍に発光ラインを持つ添加物7とからなる。13.5nm近傍とは、13.5nm±1%の波長領域に発光ラインを持つことを意味する。
この構成により、中心電極12とガイド電極14の間の面状放電により、絶縁体16の表面を気化してプラズマ媒体6と添加物7を同軸状電極間に供給するようになっている。
また、添加物は、C、Na、F、AL又はMgの粉体であり、絶縁化合物に対し、重量比率で10%以下(例えば1〜10%)を均一に混入するのがよい。
この構成により、絶縁化合物と添加物の混合粉体を圧縮し加熱することで、所望形状の絶縁体16を容易に成形することができる。
これに対し、水素の場合、ほぼ完全電離しプロトン単体となってしまうため、発光物質としてはほとんど作用せず、EUV変換効率への影響は少ない。従って、水素化リチウム、塩化リチウム、酸化リチウム、又は窒化リチウムのうち、特に、絶縁化合物は、水素化リチウム(LiH)であることが好ましい。
この図において、絶縁体16は、上記プラズマ媒体6を主成分とする常温で固体の絶縁化合物からなる。
また、この例では、さらに、上記添加物7を同軸状電極21間に供給する添加物供給装置40を備える。添加物7は、Ne、F、又はXeであり、気化したプラズマ媒体6に対し体積比率で10%未満を気体状態で供給するのがよい。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
この図において、絶縁体16は、液を通さない緻密セラミック部16aと、緻密セラミック部16aの内部に設けられ液を通す多孔質セラミック部16bとからなり、多孔質セラミック部16bに液体状態のプラズマ媒体6を溜めるようになっている。
さらに、この図で42はプラズマ媒体供給装置であり、プラズマ媒体6と添加物7を液体状態で多孔質セラミック部16bに供給する。また17はプラズマ媒体加熱装置(すなわちヒータ)であり、多孔質セラミック部16bのプラズマ媒体6を加熱して液化維持あるいは気化し、プラズマ媒体6と添加物7を同軸状電極間に供給するようになっている。
また、添加物は、C、Na、F、AL又はMgの粉体であり、絶縁化合物に対し、重量比率で10%以下(例えば1〜10%)を均一に混入するのがよい。
この構成により、絶縁化合物と添加物の混合液を加熱して気化することで、プラズマ媒体6と添加物7を気体状態で同軸状電極間に供給することができる。
この図において、絶縁体16は、上述した緻密セラミック部16aと多孔質セラミック部16bとからなり、多孔質セラミック部16bに液体状態のプラズマ媒体6を溜めるようになっている。
その他の構成は、第3実施形態と同様である。
このプラズマ内において、図6に示すように、励起されたプラズマ媒体6のイオンが、励起していない添加物7のイオンと衝突すると、プラズマ媒体6のイオンと添加物7のイオンとの間で共鳴エネルギー移転(共鳴励起)が生じるので、励起していない添加物イオンが励起され、プラズマ媒体は励起されていない状態となる。
また、下位準位に戻った添加物7のイオンは、励起されたプラズマ媒体6のイオンと再度、衝突し、共鳴励起、EUV光の発光を繰り返す。
以下、この図を参照して、本発明のプラズマ光発生方法を説明する。
なお、両方のガイド電極14を接地させて0Vに保持し、一方の中心電極12を正電圧(+)に印加し、他方の中心電極12を負電圧(−)に印加してもよい。
この管状放電4が形成されると、図に符号5で示すプラズマ封込み磁場(磁気ビン)が形成され、プラズマ3を半径方向及び軸方向に封じ込むことができる。
この状態において、プラズマ内において励起されたプラズマ媒体6のイオンと励起していない添加物7のイオンとの間で共鳴エネルギー移転を生じさせ、プラズマ媒体6と添加物7の両方から13.5nm近傍のEUV光を発光させる。
従って、プラズマ3の発光エネルギーに相当するエネルギーを電圧印加装置30から供給し続ければ、高いエネルギー変換効率で、プラズマ光8(EUV)を長時間安定して発生させることができる。
4 管状放電、5 プラズマ封込み磁場、6 プラズマ媒体、
7 添加物、8 プラズマ光(EUV光)、
10 プラズマ光源、11 同軸状電極、
12 中心電極、12a 凹穴、
14 ガイド電極、16 絶縁体(絶縁化合物)、
16a 緻密セラミック部、16b 多孔質セラミック部、
17 プラズマ媒体加熱装置(ヒータ)、
20 放電環境保持装置、30 電圧印加装置、
32 正電圧源、34 負電圧源、36 トリガスイッチ、
40 添加物供給装置、42 プラズマ媒体供給装置
Claims (8)
- 単一の軸線上に延びる棒状の中心電極と、該中心電極を一定の間隔を隔てて囲む管状のガイド電極と、中心電極とガイド電極の間に位置しその間を絶縁するリング状の絶縁体とからなり、対向配置された1対の同軸状電極と、
各同軸状電極内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持する放電環境保持装置と、
各同軸状電極に極性を反転させた放電電圧を印加する電圧印加装置と、を備え、
13.5nm近傍に発光ラインを持つプラズマ媒体と、13.5nm近傍に発光ラインを有しかつ前記プラズマ媒体より輻射冷却時間が短い添加物とを同軸状電極間に供給し、
1対の同軸状電極間に管状放電を形成してプラズマを軸方向に封じ込め、 該プラズマ内において励起されたプラズマ媒体のイオンと励起していない添加物のイオンとの間で共鳴エネルギー移転を生じさせ、プラズマ媒体と添加物の両方から13.5nm近傍のEUV光を発光させる、ことを特徴とするプラズマ光源。 - 前記絶縁体は、前記プラズマ媒体を主成分とする常温で固体の絶縁化合物と前記添加物とからなり、
前記中心電極とガイド電極間の面状放電により、前記絶縁化合物の表面を気化してプラズマ媒体及び前記添加物を同軸状電極間に供給する、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ光源。 - 前記絶縁体は、前記プラズマ媒体を主成分とする常温で固体の絶縁化合物からなり、
さらに、前記添加物を前記同軸状電極間に供給する添加物供給装置を備え、
前記中心電極とガイド電極間の面状放電により、前記絶縁化合物の表面を気化してプラズマ媒体を同軸状電極間に供給し、同時に前記添加物を前記同軸状電極間に供給する、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ光源。 - 前記プラズマ媒体はリチウムであり、前記絶縁化合物は、水素化リチウム、塩化リチウム、酸化リチウム、又は窒化リチウムの粉体である、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のプラズマ光源。
- 前記プラズマ媒体と前記添加物の混合液を加熱して液化維持あるいは気化して前記同軸状電極間に供給するプラズマ媒体加熱装置を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ光源。
- 前記プラズマ媒体を気化して前記同軸状電極間に供給するプラズマ媒体加熱装置と、
前記添加物を前記同軸状電極間に供給する添加物供給装置とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ光源。 - 前記添加物は、C、Na、F、Al、Mg、Ne、F、又はXeである、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ光源。
- (A) 単一の軸線上に延びる棒状の中心電極と、該中心電極を一定の間隔を隔てて囲む管状のガイド電極と、中心電極とガイド電極の間に位置しその間を絶縁するリング状の絶縁体とからなり、対向配置された1対の同軸状電極を準備し、
(B) 前記1対の同軸状電極内をプラズマ発生に適した温度及び圧力に保持し、
(C) 13.5nm近傍に発光ラインを持つプラズマ媒体と、13.5nm近傍に発光ラインを有しかつ前記プラズマ媒体より輻射冷却時間が短い添加物とを前記同軸状電極間に供給しながら、各同軸状電極の中心電極とガイド電極間に極性を反転させた放電電圧を印加して、1対の同軸状電極にそれぞれ面状放電を発生させ、該面状放電により各同軸状電極の対向する中間位置に単一のプラズマを形成し、
(D) 次いで前記面状放電を1対の同軸状電極間の管状放電に繋ぎ換えて前記プラズマを軸方向に封じ込め、
(E) プラズマ内において励起されたプラズマ媒体のイオンと励起していない添加物のイオンとの間で共鳴エネルギー移転を生じさせ、プラズマ媒体と添加物の両方から13.5nm近傍のEUV光を発光させる、ことを特徴とするプラズマ光発生方法。
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