JP2009111313A - 放電励起ガスレーザ装置における予備電離機構の冷却機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】予備電離機構を効率的に冷却することができ、高繰り返し化が可能な放電励起ガスレーザ装置の冷却機構を提供すること。
【解決手段】予備電離機構7の内部電極と予備電離コンデンサ12は予備電離用導電部材11で接続される。予備電離用導電部材11と冷却部材である水冷ジャケット6とを窒化アルミなどの熱伝導率の高いセラミックス製部材14を介して接触させる。これにより、予備電離機構7の内部電極7aおよび予備電離用コンデンサ12→予備電離用導電部材11→セラミックス製部材14→水冷ジャケット6の経路で熱を逃がし、効率的に予備電離機構7と予備電離コンデンサ12を冷却することができる。また、上記予備電離用導電部材11にセラミック製の冷却パイプを設け、パイプ内に冷却液を流して冷却するようにしてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は放電励起ガスレーザ装置における予備電離機構の冷却機構に関し、特に、予備電離機構を効果的に冷却することができる予備電離機構の冷却機構冷却機構に関するものである。
テクノロジーノードが進むにつれて、45nmから32nmノードでは、ArFエキシマレーザを光源とする露光装置において液浸技術による高NA(1.3〜1.5)化と2重露光、ダブルパターニング等の二回露光が主力となると考えられる。
ArFレーザ露光装置用光源の要求を以下に示す。
1.高ドーズ安定性の確保と高スループット化に伴い高繰返し周波数(10kHz以上)かつ高平均出力(100W以上)が要求される。
2.高NA化にともない更なる超狭帯域化(スペクトル純度95%で0.3pm以下のスペクトル幅)が要求される。
これは、加工寸法の微細化からの要求である。現状では、ArFレーザのスペクトル線幅は、95%純度で0.5〜0.35pmである。将来的には、この狭帯域化はさらに進み、0.2pm以下が要求されていくと考えられる。
3.露光装置のマスク上でスペックルの影響を低くするために出力レーザ光の空間コヒーレンスは低いことが要求される。
特に、二回露光では、ウエハを二回露光する必要があるため、生産性を高めるためには、光源出力を高める必要がある。
このような要求を満たすために、光源としてのArFエキシマレーザでは、二台のチャンバを搭載したダブルチャンバシステムが採用されている。これは、単一のレーザチャンバを使用したレーザでは、狭いスペクトル幅など良好な光性能を保ったまま高出力化することが、システムの安定稼動や、各モジュールの寿命などの制限から、実用上、非常に困難なためである。
ダブルチャンバシステムでは、発振段と呼ばれる最初のチャンバが搭載されている部分で、小出力で、高度な光性能をもったレーザをつくり、それを増幅段と呼ばれる次のチャンバが搭載されている部分で増幅することにより、上述の実用化における困難さを克服し、上記のような産業応用上の要求にこたえている。
ところで、エキシマレーザは、間欠的に光を出す、いわゆるパルスレーザである。よってレーザ出力は、一パルスあたりのエネルギと繰り返し周波数の積で表される。従って、露光機における光源の高出力化には、二通りの方法が考えられる。
一つは、光源のエネルギを高める方法である。もうひとつは、繰り返し周波数を高める方法である。これらの方法は、それぞれに長所、短所がある。どちらの方法を採用するかは、実用上の困難さなどで決定される。
現在、大きな問題点として挙げられるのは、光学素子の耐久性である。深紫外光を用いた露光機では、深紫外光のフォトンエネルギが高いため、光学素子が光によって損傷する可能性が高い。そのような損傷を起こさないように、光学素子は高い耐久性能が求められ、さまざまな工夫がなされる。
素子自体の耐久性能が求められるのは当然であるが、素子への負荷を低減するための工夫もなされる。光学素子への入射光の時間、位置のピーク強度を下げることで、光学素子への損傷が低減することがわかっている。
よって、上述の、パルスエネルギを増加させて光源出力を増大する方法は、光学素子への負荷を増大させるため、光学素子の寿命の観点からは好ましくない。従って、光学素子、ひいては、露光システム全体の寿命を長く、安定したシステムを構築する観点からは、繰り返し周波数を増大させて、レーザの高出力化を図るほうが好ましいと考えられる。
図9に一般的な放電励起レーザのレーザチャンバの断面図を示す。
レーザチャンバ100の中には、電極間にレーザガスを流すためのクロスフローファン121と、放電したレーザガスを冷却するための熱交換器122、放電励起させるためのアノードとカソード電極131,132、放電を均一に効率よく発生させるための予備電離機構125、クロスフローファン121によって流れるレーザガスを電極間に効率よく流すための風ガイド123からなっている。
電源130には、チャンバ100との間を絶縁材101により絶縁された高電圧供給部材135が接続され、この高電圧供給部材135を介して、ピーキングコンデンサ134に電荷が充電される。
ピーキングコンデンサ134が充電されると、カソード電極(高電圧側)132とアノード電極(接地電位側)131の間に高電圧が生じる。その際、あるタイミングで予備電離機構125が動作し、放電空間を予備電離する。この予備電離機構125としては、コロナ放電を用いた機構が一般的である。予備電離発生後、カソード電極132とアノード電極131の電極間電圧が絶縁破壊電圧を超えると、放電が開始さる。この放電により発生したある波長の光を、共振器で選別、増幅することでエキシマレーザが発振する。
ここで、レーザを動作させる場合には、ピーキングコンデンサ、電流経路の金属等で電気的損失が発生し、熱に変わる。特にピーキングコンデンサにおける損失は、正接損失、いわゆるtanδが損失をあらわす代表的な値となるが、tanδは、繰り返し周波数に比例して大きくなる。
よって、高繰り返し時には、損失による熱量が増大する。ピーキングコンデンサの温度上昇は、ピーキングコンデンサの電気容量の変動をもたらし、レーザの設計上の最適動作点からのずれを生じさせる。そのために、高繰り返しレーザでは、ピーキングコンデンサ付近の冷却が必要となる。冷却にはいくつかの方法がある(特許文献1,2,3,4,5,6等参照)。
図9に示したものでは、例えば、特許文献5にあるように、ピーキングコンデンサ134の接続部分に冷却部材である水等の冷媒を使用した水冷ジャケット136を取り付けて冷却を行っている。
ところで、図9に示すように、放電励起ガスレーザ装置には、主放電を安定して生成させるために予備電離機構が装備される。
予備電離機構の機能は、主放電が生成される部分のガスをあらかじめ予備的に電離しておくものである。何らかの方法で、主放電領域のガスを電離すると、電子とイオンが発生する。荷電粒子が存在することによって、放電領域の電気抵抗が低下し、主放電が生成しやすくなる。さらにエキシマレーザでは数十センチメートル以上の長い放電を生成する必要がある。レーザを安定して効率よく発生させるためには、この長い放電を均一に生成する必要がある。放電の均一性は、電極の長手方向の均一性、印加される電圧の分布、電気回路のインダクタンスの分布に強く依存する。たとえば予備電離がない状態で、主放電を生成すると、細かなアーク放電が離散的に、長手方向に不均一に生成してしまう。これに対し、予備電離を主放電発生の適切な時期に起こすことにより、このような不均一性がなくなり、レーザが安定に、効率よく発振する。
以下、予備電離構造について述べる。予備電離には、いくつかの方式がある。
代表的な予備電離機構は、放電を用いるものである。主放電とは別に放電を起こし、放電により発生した短波長の光を放電領域に照射する。その際、短波長の光がガスを電離し、予備電離をおこす。放電を用いた予備電離はさらに二つに大別される。第一の方法として、図10に示すピンギャップ放電を用いたものがある。
この予備電離方法は、強力な短波長を発生することができる予備電離方式である。主放電電極131,132による主放電の方向に並列に相対するピン141を並べ、電圧を印加し放電を生成する。
この放電により生成される短波長の光を放電領域に照射し、予備電離を起こす。このピンギャップ方式は強力な短波長により、強力な予備電離を可能とする反面、ピンギャップ電極141の消耗が激しい、均一な予備電離のためには、均一に隙間なく配置する、などの欠点がある。
第二の方法として、コロナ放電を用いた予備電離機構がある。
この予備電離方式は、図11に示すように主放電電極131,132の近傍に予備電離機構125を設けて、コロナ放電を発生させるものである。
この方法は、均一な予備電離が得られる半面、ピンギャップ方式に比較すると、短波長の光が弱いため、予備電離強度が大きく取れないという欠点がある。
その他の予備電離方法としては、図12に示すように、電極131,132間にエックス線を照射し、エックス線源を用いてガスを電離するエックス線予備電離、電子ビームを照射しガスを電離する電子ビーム予備電離などビーム式予備電離方式がある。
ところで、本発明で目的とする高繰り返し、高出力エキシマレーザでは、予備電離の性能として、高繰り返しレーザ発振時に、安定に予備電離を起こすことが求められる。上記の予備電離の方法でもっとも繰り返し特性が良いのは、コロナ放電を用いた予備電離方法である。現在の高繰り返しレーザでは、ほとんどのレーザでコロナ放電式の予備電離機構が採用されている。
コロナ予備電離の原理について、図13の図により、簡単に説明する。
コロナ放電が起きるのは、同図(a)に示すように不均一電界が生じたときである。この不平等電界を生成するために、コロナ放電用電極142,143は、同図(b)(c)に示すように陽極142、陰極143の電極の面積が異なるように作られている。また、一般に、電極同士が導通するとコロナ放電が目的どおりに生成しないため、誘電体、すなわち絶縁体144が電極142,143の間に配置される。ガスレーザに用いられるコロナ予備電離構造としては、この絶縁性を高めておくことと、長手方向に均一なコロナ放電を得るために、チューブ状の絶縁が用いられる。
図14にガスレーザ装置に用いられる一般的なコロナ予備電離構造を示す。同図に示すようにチューブ状の絶縁体144内に内電極142(内部電極ともいう)を設け、絶縁体144を介してその外側に外電極143(外部電極ともいう)を設けて、内電極142と外電極143間に電圧を印加する。
絶縁体144の材質としては、比較的安価で、放電、フッ素に強い酸化アルミが一般的に用いられる。この絶縁体のチューブの中に円筒形金属の導体を配置し、外側に異なる極性の金属の導体を配置することで、コロナ放電を発生させ、短波長の光を主放電生成部位に照射する。これによって予備電離を生成、レーザを安定に動作させる。
コロナ放電に必要な電位配置は、内側の電極( 内電極) と外側の電極( 外電極) に電位差が生じればよいだけである。電圧を掛ける上で電気絶縁を確保しなければならないという構造的な制限が生じるため、内電極と外電極のどちらかを接地側に設定することが多い。
次に、予備電離機構に接続される電気回路について述べる。この電気回路は、予備電離発生時間と主放電の発生時間を適切にするように設計される。予備電離の発光タイミングと主放電の発光タイミングは、レーザ性能に大きな影響を与えるパラメータである。
予備電離後に適切な時間に主放電を発生させないと、放電の均一性が保持できず、レーザ性能が劣化する。たとえば、予備電離直後に主放電をつけようとすると、予備電離によって生成された電子が局在している状態となり、放電が均一に生成できない。また、予備電離が発生した後、長い時間がたってしまうと、生成された電子が消失してしまい、これも主放電の均一性を損なう。
特にハロゲン分子を使用するエキシマレーザでは、ハロゲン元素が電気的に負性(電子を吸着して負イオンになろうとする性質)であるため、せっかく生成した電子を吸着してしまう。原子や分子は電子よりも非常に重く、大きいため、ガス中を拡散しにくい。その結果、ガス中に電荷が局在するし、放電空間での電気抵抗の不均一性を生じ、放電均一性を損なう。
前述のエックス線予備電離や、電子ビーム予備電離では、主放電とのタイミングの最適化が図りやすいという利点がある。これに対してピンギャップ予備電離、コロナ予備電離では、タイミングが取りにくいが、主放電回路に適切に予備電離用の電気回路を構築、組み込むことで、自動的に最適な予備電離を発生させることができる。これを自動予備電離と呼ぶ。以下、この回路について説明する。
自動予備電離では、図15に示すように、主放電回路用のピーキングコンデンサ(Cp)に並列に予備電離機構125が接続される。
予備電離機構は、主放電に比べて先に放電しやすい構造になっている。従って、電源からピーキングコンデンサCpが充電されると、予備電離機構が先に放電を開始し、予備電離を開始する。ある一定のタイミングで、主放電電極間が予備電離されることで、主放電電極間の電気抵抗が低下し、放電を開始すると、ピーキングコンデンサCpに蓄えられたエネルギが電極間に流れ込み、主放電が開始、レーザ発振が開始される。
この一連の動作では予備電離機構の放電のしやすさを調整することで、適切なタイミングで予備電離と主放電を動作させることが可能である。
予備電離の放電のしやすさを調整するには、以下のようにする。
すなわち、ピンギャップ予備電離では、ピンギャップの間隔、半径、表面形状( 尖りなど) 、材質を最適化する。また、コロナ予備電離では、内電極や外電極の内径、材質、形状(とがり形状など、すなわち不平等電界の電界分布) を最適化することで、予備電離と主放電のタイミングを最適化する。
以上、予備電離全体の技術的な事柄を述べてきたが、次に、コロナ予備電離の詳細について述べる。
コロナ予備電離が、他の予備電離方法と比較して優れている点は、高繰り返し特性が良いこと、予備電離構造自体が簡便であること、耐久性能が高いことである。以下、この特性について述べる。
コロナ放電が高繰り返し特性に優れるのは、コロナ放電という、低電流のグロー放電を予備電離機能として用いる点にある。金属板の切断や溶接に使われるような大気圧直流アークプラズマやガスレーザの主放電に用いられるような高電流グローグロー放電では、高い電流を用いるが故、電極の消耗などが急速に進みやすく、放電中、放電後に電極から発生する金属イオン、活性種などが放電空間へと放出される。また、電極自体も高温となり、特にパルス放電に対しては、一度放電が起きると、ある一定時間が経過しないと、電極の状態(温度、表面の融解等)が元に戻らない。
これに対してコロナ放電は、変位電流により発生する放電であり、簡単にいうと前述の放電と比べて電流も少ない穏やかな放電である。従って、コロナ電極などでは電極の消耗も少なく、比較的短時間に電極の状態がリセットされる。従って、高繰り返しパルス放電などに適している。
また、予備電離構造としても、ピンギャップ方式などでは、均一性を高めるために複数のピンギャップを配置する必要があるため、予備電離コンデンサを用いる場合にはコンデンサの数が増え、電気回路的にも煩雑になる、これに対して、コロナ予備電離では、コンデンサの数も少なく、放電長手方向に簡便な構造で配置できる。さらには、エックス線や電子ビームなどの付随的な発生装置も不要である。
さらには、コロナ予備電離方式は耐久性能に優れている。ピンギャップ方式は、前述のように、大電流を使用するため、ピン自体の耐久性能が劣る。これに対して、低電流グロー放電であるコロナ予備電離方式は、電極の消耗も少なく、最適設計においては、主放電電極が寿命に達した後も、使用可能である場合もある。
このように、コロナ予備電離は高繰り返しの長寿命ガスレーザに対して最適な予備電離方式であるといえる。
ガスレーザに使われるコロナ予備電離の構造としては、大きく分けて二通りのものがある。コロナ予備電離は、他の予備電離方式と比較して、予備電離能力が低いため、電極近傍に配置される。一般的にガスレーザの電極は、片側に高電圧、片側は接地に設計されることが多く、どちらの電極の近傍にコロナ予備電離を配置するかで構造が分かれる。
ひとつは、図16に示すように、内電極142に高電圧を印加して、外電極143は、接地側の主放電電極131と同電位の接地電位としておくものである。この場合は、コロナ予備電離機構125は接地側電極131の近傍に配置される。
もう一方は、図17に示すように、内電極142を接地とし、外電極143を、高電圧電極である主放電電極132と同電位の高電圧側電位とするものである。
この場合は、高電圧電極132側にコロナ予備電離機構125が設置されることとなる。前者は、内電極142をチャンバ筺体(一般的に接地)に接続するため、外部から電流導入端子、いわゆるフィードスルーを必要とせず、構造が煩雑にならないという利点がある。
さらには、コロナ電極に必要な電位差は、主放電ほどの電圧は不要であるため、分圧してコロナ電極に印加される電圧を低下させることも行われる。このときには、電源の高電圧側と、予備電離の間に、予備電離用コンデンサ(Cp’)を配置することがよく行われる。
図18に自動予備電離に用いられる分圧型電気回路例を示す。同図に示すように、ピーキングコンデンサCpに並列に予備電離用コンデンサCp’と予備電離機構の直列回路を接続する。
これにより、予備電離構造部分の絶縁構造がそれほど強固なものとする必要がなくなり、構造が簡単になるというメリットがある。また、コロナ電極の消耗も低減できるというメリットがある。
また、チューブ式コロナ予備電離機構は、予備電離方式として、比較的簡便な構造をとっている。この構造物の材質としては、金属部分には、銅、真ちゅう、アルミニウムが用いられる。これは電気伝導性がよく、電極材料として適しているからである。絶縁材料であることが求められる絶縁性チューブの材質としては、酸化アルミ( アルミナ) が多く用いられる。
同じ酸化アルミでも、その結晶構造で電気特性が違うため、用途とコストに応じて使い分けられる。コロナ予備電離に大きな電圧を印加して使用する際には、単結晶アルミナ、すなわちサファイアが用いられる。また、それほど大きな耐電圧を必要としない場合には多結晶アルミナが用いられ、コストを重視する際には、焼結体のアルミナが用いられる。 ここで、コロナ予備電離の予備電離能力は、コロナ放電の強度に比例する。コロナ放電強度は、コロナ予備電離構造の静電容量と印加電圧の速度(d V/dt )に比例する。従って、静電容量増加の観点から、絶縁体の厚みは薄いほうがよく、その点からも、単位厚みあたりの耐電圧の高いサファイアや多結晶アルミナが適している。
特開平5−82863号公報 実開平6−66052号公報 特開平7−221372号公報 特表平8−505006号公報 特開2003−249703号公報 米国特許出願公開第2007/91972号明細書 国際公開第2007/38412号パンフレット
従来技術で述べたように、コロナ予備電離方式は良好な高繰り返し特性を持つために、高繰り返しレーザに組み込まれてきた。しかしながら、ガスレーザ、特に半導体露光装置などに用いられる高繰り返しエキシマレーザでは、次のような問題点が明らかになってきた。
前述のように、コロナ予備電離は、予備電離機構に必要な電流が少なくて済むため、比較的短時間で放電状態のリセットが可能である。しかしながら、4kHzを超えるような高繰り返しレーザにおいては、リセットに使用できる時間自体が短くなってきている。
また、高繰り返しレーザでは、主放電電極周りのリセットを早めるために、高速なガス流を必要とする。このようなレーザに用いられるチャンバでは、チャンバに装備されるモータを小型化し、かつ必要電力を低減するために、チャンバ内部、特に電極近傍のガス流れを最適化する必要がある。
よって、予備電離機構であるコロナ機構も、ガス流れを阻害しないように配置されるため、コロナ予備電離に含まれる部材は、ガス流がなるべく触れないように配置されるようになる。その結果、コロナ予備電離はガス流によって冷却されない方向に設計されることになる。さらに、当然のことながら、高繰り返し化が進むと、予備電離機構に投入される単位時間当たりの電力は増える。この結果、予備電離機構に投入される熱量が増加し、一方で冷却能力は低下することとなる。
さらには、予備電離機構は前述のように、一部分を電気絶縁する必要がある。一般的に電気絶縁をするということは、熱的にも遮断されることを示している。たとえば、予備電離機構に使用されるサファイアやアルミナの熱伝達率は、40〜30W/ Kmであり、銅の熱伝導率の400W/ km、アルミニウムの熱伝導率230W/ kmに比べて、おおよそ1/ 10である。
このような状態では、予備電離機構に電力が投入されて、熱損失が大きくなった場合に、予備電離機構の機能低下を起こす。予備電離機構が冷却されない場合、最悪の時は、予備電離機構の破損に至ることがある。例えば特許文献6に記載のものでは、金属と絶縁部材の線膨張係数の違いを吸収する構造を構築し、このような問題を解決している。
予備電離機構の温度上昇が増加した場合、もっとも懸念されるのは、予備電離機構の繰り返し特性である。前述のように、コロナ予備電離機構は、その特性から、繰り返し特性が良いことが大きな特徴であった。しかしながら、上記のような状況では、熱的に放電のリセットがかからず、予備電離の繰り返し特性、たとえば、レーザの発振効率や、レーザの出力安定性を損なう。
さらに、近年、最先端半導体露光用エキシマレーザとして用いられるアルゴンフッ素エキシマレーザ(ArFレーザ)では、ガスの温度を高く設定する傾向がある。これは、ArFレーザの発振効率を高めることや、レーザのエネルギ安定性を高める効果がある。ガス温度としては50度以上の温度を設定する必要がある。そのようなガス温度になると、チャンバ筺体も50度前後の温度になっており、たとえ内電極がケースに接続されていたとしても、大きな冷却効果が見込めない。
実際に、極端な高繰り返しArFレーザ、たとえば、繰り返し動作が8kHzを超えるようなArFエキシマレーザの試作においては、予備電離内部電極の温度が100度近くまで上昇し、高繰り返し時の出力安定性が悪化することがわかっている。
従って、高繰り返しレーザでは、予備電離構造の熱の問題に対処する何らかの方法が必要となる。
以上のように、高繰り返しレーザでは、予備電離機構への入力ワット数が高くなり、予備電離機構での温度上昇が、これまでとは違い顕著になる。さらに、予備電離機構は必ず高電圧側に接続されている。そのため、予備電離機構で発生した熱は、この電気接続部分を伝わって、高電圧側へと流れ込む。これによりピーキングコンデンサなどの温度を上昇させる。従来技術でも述べたように、ピーキングコンデンサの温度上昇は、ピーキングコンデンサの静電容量の低下をもたらし、設計上の最適な静電容量からのずれを引き起こし、結果としてレーザの性能を損なう。ひいては、レーザ出力の安定性などに悪影響を及ぼす。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、予備電離機構を効率的に冷却することができ、高繰り返し化が可能な放電励起ガスレーザ装置の冷却機構を提供することである。
本発明においては、以下のようにして予備電離機構を冷却する。
(1)ピーキングコンデンサの高圧側が高電圧供給部材を介して高電圧側の電極に接続され、ピーキングコンデンサの低圧側が接地側導電部材を介して接地され、接地側導電部材に冷却手段が設けられ、上記高電圧供給部材に、予備電離用コンデンサ及び予備電離用導電部材を介して、接地側電極近傍に配置された予備電離機構が接続された放電励起ガスレーザ装置において、上記予備電離用導電部材と上記冷却手段との間に、該予備電離用導電部材および上記冷却部材と熱接触している絶縁材を設ける。該絶縁部材として、酸化アルミを超える熱伝導率を持ち、酸化アルミと同等以上の絶縁性能を有するものを用いる。
(2)上記(1)において、予備電離用導電部材に、内部に冷媒が通る絶縁材から構成される冷却機構を設ける。該絶縁材として、酸化アルミを超える熱伝導率を持ち、酸化アルミと同等以上の絶縁性能有するものを用いる。
(3)上記(1)(2)において、内部に冷媒が通る絶縁材に金属パイプを貫通させ、該金属パイプ内に冷媒を流す。
(4)上記(1)(2)(3)において、予備電離機構として、絶縁体を挟んで内層と外層に導電体を配置し該導電体間に電圧を印加してコロナ放電を発生させるものを用い、上記予備電離用導電部材を、上記内層側に配置された導電体に接続する。
(5)上記(1)(2)(3)(4)において、上記絶縁材として、窒化アルミあるいは炭化珪素を用いる。
(6)ピーキングコンデンサの高圧側が高電圧供給部材を介して高電圧側の電極に接続され、ピーキングコンデンサの低圧側が接地側導電部材を介して接地され、接地側導電部材に冷却手段が設けられ、上記高電圧供給部材に、予備電離用コンデンサ及び予備電離用導電部材を介して、高圧側電極近傍に配置された予備電離機構が接続された放電励起ガスレーザ装置において、上記予備電離機構の接地側の電極を熱伝導体を介して上記冷却手段に接続する。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)ピーキングコンデンサの低圧側が接地側導電部材を介して接地され、接地側導電部材に冷却手段が設けられ、上記高電圧供給部材に、予備電離用コンデンサ及び予備電離用導電部材を介して、接地側電極近傍に配置された予備電離機構が接続された放電励起ガスレーザ装置において、予備電離用導電部材と接地側導電部材に設けられた冷却手段との間に、該予備電離用導電部材および上記冷却部材と熱接触している高絶縁、高熱伝導率の絶縁材を設け、この絶縁材及び予備電離用導電部材を介して、予備電離機構を冷却するようにしたので、予備電離機構を効果的に冷却することができる。
特に、コロナ放電を用いた予備電離機構においては、内側に配置された内電極は熱が逃げにくく温度が上がりやすいが、この内電極に接続された予備電離用導電部材を上記のようにして冷却することで、内電極を効果的に冷却することができる。
(2)予備電離用導電部材に、内部に冷媒が通る絶縁材から構成される冷却機構を設けることにより、一層効果的に予備電離機構を冷却することができる。
内部に冷媒が通る絶縁材に金属パイプを貫通させ、該金属パイプ内に冷媒を流すように構成すれば、セラミックスと金属パイプのロウ付けなどの難度の高い加工が必要なく、比較的容易にを製造することができ、また、冷媒が漏れるといった問題も生じない。
(3)上記絶縁材として窒化アルミあるいは炭化珪素を用いることにより、機械的な強度を保ちながら必要な熱伝導率を確保することができ、効果的な冷却が可能となる。
(4)ピーキングコンデンサの低圧側が接地側導電部材を介して接地され、接地側導電部材に冷却手段が設けられ、上記高電圧供給部材に、予備電離用コンデンサ及び予備電離用導電部材を介して、高圧側電極近傍に配置された予備電離機構が接続された放電励起ガスレーザ装置において、上記予備電離機構の接地側の電極を熱伝導体を介して上記冷却手段に接続することにより、比較的簡単な構成で、予備電離機構を効果的に冷却することができる。
図1は本発明の第1の実施例を示す図であり、同図は放電励起ガスレーザ装置を電極の長手方向に垂直な平面で切ったときの一部断面図を示し、同図は電極付近の断面図を示している。
レーザチャンバ1の中には、放電励起させるためのアノードとカソード電極2a,2b、放電を均一に効率よく発生させるためのコロナ放電を用いた予備電離機構7が設けられ、接地電位のアノード電極2aの近傍には、図示しないクロスフローファンによって流れるレーザガスを電極間に効率よく流すための風ガイド9が配置される。
負の高電圧が印加される上記カソード電極2bは、セラミックスなどからなる絶縁材5を介して、接地電位のレーザチャンバ1に取り付けられている。
レーザチャンバ1上には、高電圧供給部材3とピーキングコンデンサ4と予備電離用コンデンサ12と通電部材8が取り付けられ、高電圧供給部材3は上記カソード電極2bとピーキングコンデンサ4の一方の端子と電気的に接続されている。また、ピーキングコンデンサ4の他方の端子は通電部材8を介して接地電位のレーザチャンバ1に接続されている。
通電部材8には、金属製の水冷ジャケット6が設けられている。水冷ジャケット6には例えば冷却液を流すための流路が設けられ、この流路に冷却液を流す。
予備電離機構7は前述したように、絶縁チューブ内に設けた内部電極と絶縁チューブの外側に設けられた外部電極とから構成され、外部電極はアノード電極2aと同じ接地電位にされ、内部電極は、予備電離用導電部材11に接続されている。
ここで、予備電離に使用するコロナ放電のための電圧は、必ずしも主放電と同じ電圧は必要ない。そこで、予備電離機構7におけるコロナ放電用の内部電極と高電圧側の高電圧供給部材3の間には、予備電離用コンデンサ12が配置されている。
予備電離機構7の内部電極と予備電離コンデンサ12は予備電離用導電部材11で接続される。予備電離用導電部材11がチャンバ1を貫通する部分には、電流導入端子、いわゆるフィードスルー13が設けられる。フィードスルー13は高絶縁、高熱伝導率の絶縁材であるセラミックス製部材からなり、予備電離用導電部材11とチャンバ1間を絶縁する。
予備電離用導電部材11を水冷ジャケット6に熱接触させることで、予備電離機構7と予備電離コンデンサ12を冷却することができるが、予備電離用導電部材11には、主放電の1/2〜1/3程度の電圧が印加されるため、この部分でも、絶縁性を保ったまま、熱接触させる必要がある。
そこで、本実施例では、図1に示すように、冷却部材である水冷ジャケット6と、予備電離用導電部材11を、たとえば、窒化アルミなどの熱伝導率の高いセラミックス製部材14を介して接触させる。
これにより、予備電離機構7の内部電極7aおよび予備電離用コンデンサ12→予備電離用導電部材11→セラミックス製部材14→水冷ジャケット6の経路で熱を逃がし、効率的に予備電離機構7と予備電離コンデンサ12を冷却することができる。
なお、予備電離コンデンサ12が設けられていない場合には、図2に示すように、予備電離用導電部材11を高圧導電部材3に接続し、予備電離用導電部材11と水冷ジャケット6の間に、窒化アルミなどの熱伝導率の高いセラミックス製部材14を設け、これを介して予備電離用導電部材11と水冷ジャケット6介して接触させることで、予備電離機構7を冷却することができる。
上記セラミックスとしては、例えば、後述するように窒化アルミを用いることができる。窒化アルミは、セラミックスでありながら、高い熱伝導率を持つ材料である。
一般的な窒化アルミの電気絶縁性は、おおよそ30kV/mm程度である。これは電気絶縁性が良いため、エキシマレーザチャンバで多用される酸化アルミとほぼ同等である。 このように高い絶縁性能を持ちながら、窒化アルミの熱伝導率は常温付近で100〜230W/m・Kであり、金属並みの熱伝導率を持っている。
これに対し、酸化アルミの熱伝導率は30W/m・Kであり、単結晶化した酸化アルミ(いわゆるサファイア)でも、約50W/m・Kであり、排熱効果が小さい。
従って、本実施例によれば、これまでのように、冷媒と高電圧印加部分の電気絶縁を十分に確保できなかったか、もしくは酸化アルミを用いた場合のように、熱伝導率が悪いために冷媒と高電圧部分の熱伝達効率が悪いといった問題から冷却できなかった高電圧印加部材を、効果的に冷却することが可能となる。
さらに、このフィードスルー13の表面に、図1、図2に示すように襞13a、すなわち、凹凸を設けることで、さらに絶縁性能を高めることが可能である。
図3、図4は、予備電離用コンデンサ12の取り付け構造例と、予備電離用導電部材との接続例を示す図であり、図3(a)はピーキングコンデンサ4と予備電離用コンデンサ12を上方から見た図、図3(b)はアノード電極2aと予備電離機構7を上方から見た図、図3(c)は電極2a,2bの長手方向から電極2a,2bおよびその周辺に設けられた部材を見た図、図4は予備電離用コンデンサ12の取り付け部近傍の概略構成を示す斜視図である。なお、通電部材8などは一部省略されている。
図3、図4に示すように、予備電離用コンデンサ12の一方の端子が高電圧供給部材3に接続され、予備電離用コンデンサ12の他方の端子が、予備電離用導電部材11に接続されている。予備電離用導電部材11は下方に伸び、フィードスルー13を介してチャンバ1内に導入され、アノード電極2aの近傍に配置された予備電離機構7の内部電極7aに接続される。なお、図1に示すように予備電離用導電部材11はセラミックス製部材14を介して水冷ジャケット6と熱接触し、前述したように予備電離機構7の内部電極7a等を冷却する。
図5は、本発明の第2の実施例を示す図であり、予備電離用導電部材11にセラミックス製の冷却パイプ15を取り付け、冷却パイプ内に冷却液を流すことにより、予備電離用導電部材11を冷却する
上記セラミックスとしては、例えば、後述するように窒化アルミを用いることができる。窒化アルミは、セラミックスでありながら、高い熱伝導率を持つ材料である。
上記のようにセラミックス製のパイプを用いることにより、これまでのように、冷媒と高電圧印加部分の電気絶縁を十分に確保できなかったか、もしくは酸化アルミを用いた場合のように、熱伝導率が悪いために冷媒と高電圧部分の熱伝達効率が悪いといった問題から冷却できなかった高電圧部分を、効果的に冷却することが可能となる。
なお、前記第1の実施例において、更に図5に示すように予備電離用導電部材11にセラミックス製の冷却パイプ15を取り付けてもよい。これにより、より一層冷却効果を高めることができる。
ここで、セラミックス製パイプ15の中に冷媒を直接流すためには、セラミックスと金属パイプのロウ付けなどの加工が伴い加工難度が高くなる。
このような問題を回避するため、図6に示すように、セラミックス製冷却パイプ15の中に、金属(たとえば銅など)のパイプ15aを通すような構造にしても良い。
このように構成すれば、セラミックスと金属パイプのロウ付けなどの加工が不要となり、製造が容易となる。
図7は、予備電離機構7の内部電極7aが接地されている場合の冷却構造を示す図である。
内部電極が接地されている場合はチャンバ1と、内部電極7aは電気的に接続されているが、熱的に絶縁できるように、図6に示すように薄い金属板7dで接続する。そして、内部電極7aを水冷ジャケット6などの冷却部材に接触させて冷却する。なお、内電極7a内に冷却パイプを通して冷却するようにしてもよい。
上記セラミックス製部材14、冷却パイプ用セラミックス製部材15として、これまでに述べたように、以下の二点が重要な性能である。
1.高い熱伝導率を持つこと
2.高い電気絶縁性を持つもの。
この性能を満たした上で、機械加工性、コスト等を勘案した入手性等により適した材料が選択される。
図8に各種材料の熱伝導率を示す。一般に、ヒートシンク等、冷却などの温調機器に使われる金属は銅である。よって、理想的には、銅と同様の熱伝導率を持ち、電気絶縁性を持つセラミックスが望ましい。しかしながら現状で、銅を超える熱伝導率を持つセラミックス材料として一般的なものは、炭素系のものしかない。
なお、図8には示していないが、炭素系の材料としては、工業用ダイヤモンドが、本特許の目的としてもっとも適した材料となる。商品として入手可能な工業用ダイヤモンドの諸特性として、熱伝導度は2000W/m・K、絶縁耐性の特性を表す比抵抗は1014Ω・mにもなる。しかしながら、ダイヤモンドはコスト、加工性、製作可能寸法で問題がある。
また、炭素繊維、グラファイトシートなどは、熱伝導率800W/m・Kのものが入手性がよい。しかしながら、グラファイト系は電気絶縁性が悪く、ものによっては導電性を示すので、本特許では使用できない。よって、炭素系セラミックスとしては、単結晶となるダイヤモンドが、使用部位によっては使用可能であるが、すべてに使えるというわけではない。
これに対して、図8に載せたセラミックス材料は、比較的加工性、入手性が良く、実用的である。これらを勘案して、熱伝導率がどの程度まであることが望ましいかということを考える。
金属で一般的に熱設計をするときに避ける材料として、ステンレス(SUS)がある。図8にSUSの一種であるSUS304の熱伝導率を示している。SUS304の熱伝導率は16W/m・Kである。従って、本特許で使用するセラミックスの熱伝導率は少なくともSUS材料よりも大きなことが求められる。
絶縁材として多く用いられるのは、従来においては、酸化アルミ、いわゆるアルミナであり、高電圧印加部分はアルミナを通してチャンバ筺体に熱的に接続されている。よって、現状のエキシマレーザにおけるチャンバの高電圧側は、十分でないにしても、高電圧側から排熱されているといえる。それは、レーザ動作中は、レーザガスの温調等により、筺体は室温から70℃程度までの温度になるが、少なくとも、高電圧印加部分よりは低い温度となっているからである。
従って、現状のエキシマレーザチャンバが用いられるエキシマレーザの性能をさらに良くする、もしくは、さらに高い熱量を加えても安定化しようとする場合には、少なくとも、アルミナ以上の熱伝導率を持つ材料が好ましいと考えられる。
以上により、図8から、セラミックス材料として望ましいものは、酸化ベリリウム、窒化アルミ、シリコン、炭化珪素(シリコン)、サファイア(単結晶アルミナ)、アルミナだといえる。このうち、酸化ベリリウムは毒性を持つため、実用性には劣る。
また、シリコンは割れやすいため取り扱いにやや注意を要する。また、炭化珪素は、純度によって、絶縁性能が劣る場合があるが、窒化アルミと同程度の熱伝導率を持つ。
よって、本特許で使用する、酸化アルミを超える熱伝導率を持ち、酸化アルミと同等以上の絶縁性能有する絶縁材が望ましく、このうちで、もっとも望ましいものとしては、窒化アルミと炭化珪素(シリコン)である。
例えば図8では、窒化アルミの熱伝導率は162W/m・Kと示しているが、この値は、さまざまなグレードのものを平均した値で、試作品レベルでは、230W/m・Kを超えるものもある。
本発明の第1の実施例を示す図である。 図1において予備電離コンデンサを設けない場合の構成例を示す図である。 予備電離用コンデンサの取り付け構造と、予備電離用導電部材との接続を示す図である。 予備電離用コンデンサ12の取り付け部近傍の斜視図である。 本発明の第2の実施例を示す図である。 セラミックス製冷却パイプ内に金属パイプを通した構造を示す図である。 予備電離機構の内部電極が接地されている場合の冷却構造を示す図である。 各種材料の熱伝導率を示す図である。 一般的な放電励起レーザのレーザチャンバの断面図である。 ピンギャップ放電を用いた予備電離機構の例を示す図である。 コロナ放電を用いた予備電離機構を示す図である。 ビーム式予備電離方式の例を示す図である。 コロナ予備電離方式の原理を説明する図である。 一般的なコロナ予備電離構造を示す図である。 主放電回路用のピーキングコンデンサに並列に予備電離機構を接続した構成を示す図である。 コロナ予備電離方式において、内電極に高電圧を印加し、外電極は接地しておく場合を示す図である。 コロナ予備電離方式において、内電極を接地とし外電極に高電圧を印加する場合を示す図である。 コロナ予備電離方式において、ピーキングコンデンサに並列に予備電離用コンデンサを設けた構成を示す図である。
符号の説明
1 レーザチャンバ
2a アノード電極
2b カソード電極
3 高電圧供給部材
4 ピーキングコンデンサ
5 絶縁材
6 水冷ジャケット
7 予備電離機構
8 通電部材
9 風ガイド
11 予備電離用導電部材
12 予備電離用コンデンサ
13 電流導入端子(フィードスルー)
14 セラミックス製部材
15 セラミックス製パイプ

Claims (6)

  1. ピーキングコンデンサの高圧側が高電圧供給部材を介して高電圧側の電極に接続され、ピーキングコンデンサの低圧側が接地側導電部材を介して接地され、接地側導電部材に冷却手段が設けられ、
    上記高電圧供給部材に、予備電離用コンデンサ及び予備電離用導電部材を介して、接地側電極近傍に配置された予備電離機構が接続された放電励起ガスレーザ装置の冷却機構であって、
    上記予備電離用導電部材と上記冷却手段との間に、該予備電離用導電部材および上記冷却部材と熱接触している絶縁材が設けられ、該絶縁部材は、酸化アルミを超える熱伝導率を持ち、酸化アルミと同等以上の絶縁性能を有する
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置の冷却機構。
  2. 上記予備電離用導電部材に、内部に冷媒が通る絶縁材から構成される冷却機構が設けられ、該絶縁材は、酸化アルミを超える熱伝導率を持ち、酸化アルミと同等以上の絶縁性能有する
    ことを特徴とする請求項1の放電励起ガスレーザ装置の冷却機構。
  3. 上記内部に冷媒が通る絶縁材には金属パイプが貫通し、該金属パイプ内を冷媒が通る
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電励起ガスレーザ装置の冷却機構。
  4. 上記予備電離機構は、絶縁体を挟んで内層と外層に導電体を配置し、該導電体間に電圧を印加してコロナ放電を発生させるものであり、
    上記予備電離用導電部材は、上記内層側に配置された導電体に接続されている
    ことを特徴とする請求項1,2または請求項3に記載の放電励起ガスレーザ装置の冷却機構。
  5. 上記絶縁材は、窒化アルミあるいは炭化珪素である
    ことを特徴とする請求項1,2,3または請求項4に記載の放電励起ガスレーザ装置の冷却機構。
  6. ピーキングコンデンサの高圧側が高電圧供給部材を介して高電圧側の電極に接続され、ピーキングコンデンサの低圧側が接地側導電部材を介して接地され、接地側導電部材に冷却手段が設けられ、
    上記高電圧供給部材に、予備電離用コンデンサ及び予備電離用導電部材を介して、高圧側電極近傍に配置された予備電離機構が接続された放電励起ガスレーザ装置の冷却機構であって、
    上記予備電離機構の接地側の電極が熱伝導体を介して上記冷却手段に接続されている
    ことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置の冷却機構。
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