JP2018123356A - 金属回収方法 - Google Patents

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政和 古西
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Abstract

【課題】振動装置など複雑な機械を必要とせず、プリント基板から電子部品の分離が容易にでき、また、電子部品と、プリント基板に電子部品を取り付けていたはんだと、前記電子部品が分離されたプリント基板とをそれぞれ分別し、高純度の金属を効率良く回収する、金属回収方法を提供する。【解決手段】電子部品が取り付けられたプリント基板より金属を回収する方法であって、前記プリント基板を搬送手段にて搬送しながら加熱中若しくは加熱後に、前記搬送手段から落下させて前記プリント基板に対して衝撃を加え、前記プリント基板から前記電子部品を分離する分離工程と、前記電子部品と、前記プリント基板に電子部品を取り付けていたはんだと、前記電子部品が分離されたプリント基板とを、それぞれ分別する分別工程と、前記分別した、電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板を、それぞれ塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、得られた処理済液より金属を回収する金属回収工程とを含む、金属回収方法。【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品が取り付けられたプリント基板より金属を回収する、金属回収方法に関する。
一般に自動車、家電製品、通信機器又はコンピュータ等には、内部に集積回路等の電子部品を搭載したプリント基板が使用されており、そのプリント基板と集積回路等の電子部品との接続には、鉛はんだや、スズ、ビスマス、インジウム、銀、亜鉛、銅、アンチモンなどを含有する鉛フリーはんだが用いられている。集積回路には、金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属が含むので、資源として利用価値がある。
そこで、従来自動車用、家電製品用等に使用される半導体プリント基板類はそのまま粉砕されシュレッダーダストとして処理される、基板類を取り外して粉砕される、さらには基板類からはんだを溶かし、ICチップ等の部材を取り外し粉砕される等の方法で貴重金属類を回収している。
このように、環境保全の観点から、使用済み電気製品のプリント基板からはんだや電気・電子部品(以下、単に、「電子部品」という)を分離し、有用物を回収して再利用する技術が提案され実施されており、この技術は、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されている。
特許文献1においては、プリント基板上に取り付けられた電子部品を接続・固定したはんだを回収するための装置で、プリント基板を垂直に吊下げて保持し搬送する搬送装置、プリント基板を加熱する加熱装置、プリント基板に連続的に振動を加える振動装置、を備える構造が開示されている。
特許文献2においては、プリント基板を網板上に垂直または適宜傾けて載置搬送しつつ加熱することではんだが解け、その結果、はんだが落ちると共に電子部品が抜け落ちることで回収する処理方法が開示されている。
特開平10−17948号公報 特開2013−230437号公報
特許文献1に開示された装置において、加熱並びに振動によって、はんだの除去・回収はできるものの、リード線等を介して基板本体に差し込まれた電子部品は、はんだが溶融しても基板本体から分離するのは困難である。また、特許文献1に開示された装置では、プリント基板に対して確実に振動を加えるために、バネ部材を用いて基板本体を挟み込むように固定する構造が採用されている。したがって、仮に、この装置を利用して、電子部品をより確実に分離しようとした場合には、加熱下でより長時間の振動を加える必要が生じてくるが、この場合、振動を加えるための装置が必要であることに加え、プリント基板を保持するバネ部材やその他構成部材が高温下に長時間晒されることになり、バネ機能やその他の構成部材の機能が低下する問題がある。また、振動を加える場合、分離処理に時間がかかり作業性が悪い。
特許文献2に開示されている処理方法においては、プリント基板を、電子部品が実装された面を垂直乃至下向きに傾斜させる方法が示されているが、電子部品の落下・分離にはある程度の時間を必要とし、より作業性を高めることが望まれている。
プリント基板の加熱処理は、特許文献1及び2共に搬送されるプリント基板の両側に加熱手段が配置された方法が採用されている。この加熱装置としては、赤外線加熱、熱風加熱、燃焼ガス加熱、高周波加熱、過熱水蒸気加熱等がある。この中で過熱水蒸気加熱は比較的効率が良いとされているが、加熱処理を従来に比してより短時間にし、加熱に要する大量の熱エネルギーの低減が図れ、コスト低減に寄与できるより効果的な加熱処理可能な方法及び装置が望まれている。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、振動装置など複雑な機械を必要とせず、プリント基板から電子部品の分離が容易にでき、また、電子部品と、プリント基板に電子部品を取り付けていたはんだと、前記電子部品が分離されたプリント基板とをそれぞれ分別し、高純度の金属を効率良く回収する、金属回収方法を提供することにある。
上記課題は下記手段により達成することができる。すなわち、本発明は下記の通りである。
〔1〕
電子部品が取り付けられたプリント基板より金属を回収する方法であって、
前記プリント基板を搬送手段にて搬送しながら加熱中若しくは加熱後に、前記搬送手段から落下させて前記プリント基板に対して衝撃を加え、前記プリント基板から前記電子部品を分離する分離工程と、
前記電子部品と、前記プリント基板に電子部品を取り付けていたはんだと、前記電子部品が分離されたプリント基板とを、それぞれ分別する分別工程と、
前記分別した、電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板を、それぞれ塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、得られた処理済液より金属を回収する金属回収工程とを含む、
金属回収方法。
〔2〕
前記分別した電子部品を、更に、金属ワイヤとリードフレームを備えた集積回路パッケージと、集積回路パッケージ以外の電子部品とに分別する工程と、
前記集積回路パッケージを、加熱処理して樹脂成分を炭化し、前記リードフレームと、前記金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣とに分別する工程と、
分別した金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣を、王水処理し、貴金属が王水に溶解した王水溶解液を得る工程とを含む、
〔1〕に記載の金属回収方法。
〔3〕
更に、分別したリードフレームを、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、得られた処理済液より金属を回収する工程を含む、
〔2〕に記載の金属回収方法。
〔4〕
前記電子部品が分離されたプリント基板を、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、得られた処理済液より金属を回収する金属回収工程は、
電子部品が分離されたプリント基板に傷付与処理を行い、
傷を付与した電子部品が分離されたプリント基板を、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、
処理済電子部品が分離されたプリント基板と処理済液とを分離し、
前記処理済液をろ過により貴金属を含むろ物と、金属が溶解した溶解液とに分取し、
前記金属が溶解した溶解液より金属を回収する金属回収工程である、
〔1〕に記載の金属回収方法。
〔5〕
更に、前記貴金属を含むろ物を、王水処理し、貴金属が王水に溶解した王水溶解液を得る工程を含む、〔4〕に記載の金属回収方法。
〔6〕
前記搬送手段による搬送は、前記プリント基板の角部を下に向けて吊下げる〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の金属回収方法。
本発明の金属回収方法によれば、分離工程において、加熱したプリント基板を落下させた落下衝撃によって、プリント基板から電子部品を瞬間的かつ容易に分離することができる。この結果、振動装置などの機械を必要とせずに、プリント基板から電子部品を分離でき、電子部品と、プリント基板に電子部品を取り付けていたはんだと、電子部品が分離されたプリント基板とを容易に分別することができる。また、分別の正確性を飛躍的に向上することにより、高純度の金属を効率良く回収することができる。
本発明の一実施形態の電子部品分離装置の概略構成を示す要部垂直断面図である。 図1に示す電子部品分離装置において、搬送部の走行方向から見た加熱部の要部概略図である。 図1に示す電子部品分離装置における吊下げ解除部の拡大斜視図である。 図1に示す電子部品分離装置における分離部の拡大断面図である。
以下、本発明の金属回収方法について説明する。
〔分離工程〕
分離工程は、電子部品が取り付けられたプリント基板を搬送手段にて搬送しながら加熱中若しくは加熱後に、搬送手段から落下させて前記プリント基板に対して衝撃を加え、プリント基板から前記電子部品を分離する工程である。加熱したプリント基板を落下させた落下衝撃によって、プリント基板から電子部品を瞬間的かつ容易に分離することができる。この結果、振動装置などの機械を必要とせずに、プリント基板から電子部品を分離できる。
また、破砕されずにそのままの形状であるため、分別工程により電子部品と、プリント基板に電子部品を取り付けていたはんだと、電子部品が分離されたプリント基板とをそれぞれ容易に分別することができ、高純度の金属を効率良く回収することができる。
本発明の金属回収方法における分離工程について電子部品分離装置の一例を挙げて説明する。なお、図1は、電子部品分離装置の概略構成を示す要部垂直断面図であり、図2は、図1に示す電子部品分離装置において、搬送部の走行方向から見た加熱部の要部概略図、図3は、図1に示す電子部品分離装置における吊下げ解除部の拡大斜視図、図4は、図1に示す電子部品分離装置における分離部の拡大断面図である。
電子部品分離装置1は、図1に示すように、電子部品EPが取り付けられたプリント基板10を搬送する搬送部2と、この搬送部2にて搬送中にプリント基板10を加熱する加熱部3と、プリント基板10を加熱直後に搬送部2から投下面6に落下させ、プリント基板10から電子部品EPを分離させる分離部4と、を備える構造である。
すなわち、電子部品分離装置1は、換言すると、電子部品EPが取り付けられたプリント基板10を搬送しながら加熱する加熱工程と、この加熱工程中若しくは加熱後に、プリント基板10に落下衝撃を加え、プリント基板10から電子部品EPを分離する分離工程と、を含む電子部品分離方法を実施する装置である。
ここで、電子部品EPとしては、例えば、ICチップ、コンデンサ、抵抗、無線タグ、コイル、トランジスタ、ダイオード、トランス、LED、振動子、スピーカー、モータ、液晶、カメラ、コネクタ、接点等が挙げられる。
また、プリント基板10の基板本体Pを構成する樹脂としては、例えば、ナイロン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、液晶ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合樹脂、MBS樹脂、及びこれらのポリマーアロイ物又はポリマーブレンド物のいずれか1又は2以上である。なお、プリント基板10、及び電子部品EPにはガラス繊維層を含む場合もある。
図2に示すように、搬送部2は、駆動モータ等の駆動系(不図示)にて回転駆動される無端状の搬送本体部2aを備え、この搬送本体部2aにプリント基板10を吊下げ保持できる吊下げ保持部2bが設けられている。この吊下げ保持部2bは、搬送本体部2aから下方に延出される垂直部分2bvと該垂直部分2bvの下端から略水平方向に延出した水平部分2bhとから構成される略L字状の部材である。そして、吊下げ保持部2bは、搬送本体部2aの全長にわたって適宜間隔で多数個設けられている。また、吊下げ保持部2bの水平部分2bhは、搬送本体部2aの走行方向に対して左右方向に延び、且つ水平部分2bhの先端は、搬送本体部2aの走行ループの外側を向いて設けられている。
吊下げ保持部2bの水平部分2bhは、プリント基板10の基板本体Pに形成されたプリント基板実装用孔10hを貫通して該プリント基板10を吊下げるように保持する。そして、プリント基板10の搬送は、基板本体Pの角部Pcを下に向けて(図1参照)吊下げられる。
なお、ここで云う基板実装用孔10hとは、多くの場合、プリント基板10を電気製品に実装するときに、ねじ止め用として予め開けられた孔である。そして、プリント基板10において、基板本体Pが殆ど矩形か或いは矩形の組合せ形状であり、基板実装用孔10hは、基板本体Pの殆どの角部Pcに形成されている。したがって、基板実装用孔10hの一つに吊下げ保持部2bを貫通して吊下げ保持すると、吊下げ保持部2bが貫通された側と反対側の角部Pcが下方を向いた状態で保持される。
本例においては、前掲のように吊下げ保持部2bの水平部分2bhが搬送本体部2aの走行方向に対して左右方向に延びていることで、吊下げられているプリント基板10は、その表裏面を搬送方向に平行にして搬送される。したがって、プリント基板10が搬送されるときの搬送の左右のスペースは、プリント基板10の厚みよりも若干広ければよく、大きいスペースを必要としない。すなわち、プリント基板10の表裏面に対して後述する加熱部3の熱風ヒータ3aa等との距離dが小さく設定でき、また、加熱部3の隔壁1wに形成された基板通過口1sも小さくできる。
加熱部3は、上部に搬送部2を備え、プリント基板10が所定の速度で移動している間に該プリント基板10を所定の温度まで加熱する予備加熱部3aと、この予備加熱部3aの下流側に配置される本加熱部3bとを備える。予備加熱部3aには、例えば、熱風を出すことができる熱風ヒータ3aaが設けられており、プリント基板10の表裏面に対して所定温度に加熱された熱風を供給する。熱風ヒータ3aaの熱源としては、例えば、赤外線、高周波、燃焼ガス等が挙げられる。また、本加熱部3bには、過熱水蒸気発生部3bbが設けられており、この過熱水蒸気発生部3bbで過熱水蒸気を供給する。
ここで、この加熱部3の空間は、可能な限り小さく構成されることが好ましく、例えば、底部7は、プリント基板10に近づくように電子部品分離装置1のケーシング1aの底よりも高く設定されていることが望ましい。なお、底部7には、加熱によって溶融したはんだS等の溶融落下物を回収する手段が適宜設けられているが、図示を省略する。
分離部4は、図1に示すように、加熱部3に隣接してその下流側に配置されている。すなわち、分離部4は、プリント基板10が所定温度まで加熱された状態で分離処理が行えるように配置されている。この分離部4には、搬送部2からプリント基板10を離脱させて落下させる吊下げ解除部5が設けられている。また、吊下げ解除部5の下方には、プリント基板10が所定速度に達するだけの距離を置いた投下面6が設けられている。
投下面6は、本例ではケーシング1aの底面を利用して構成されており、金属製で所定の硬さを有しており、略水平面として構成されている。
吊下げ解除部5は、図3に示すように、搬送本体部2aに沿うように配置された楔形状のブロック構造物である。詳細には、吊下げ解除部5は、吊下げ保持部2bの水平部分2bhが通過する位置の直ぐ下側に配置されており、搬送されてくるプリント基板10の裏面側と接触して該プリント基板10を搬送方向とは直交する水平方向(矢印R方向)に移動させる。すなわち、吊下げ解除部5は、搬送本体部2aの搬送移動方向に沿い且つプリント基板10と接触して該プリント基板10を搬送移動に伴って吊下げ保持部2bから離脱する方向に押し出すように傾斜した基板押圧テーパ面5tを備えている。したがって、プリント基板10は、搬送移動されるだけで吊下げ解除部5の基板押圧テーパ面5tによって押されて水平部分2bhから抜けて自動的に落下する。
また、分離部4は、隔壁1wによって加熱部3と実質的に隔離されていることで、その領域の温度は、加熱部3と比べて低く設定されている。
プリント基板10の落下による電子部品EPの分離作用について図4を参照して説明する。
先ず、吊下げ解除部5によって吊下げが解除されたプリント基板10は、図4に示すように、角部Pcを下にして且つ基板本体Pがほぼ垂直に立った状態で落下(矢印D方向)して行く。そして、基板本体Pがほぼ垂直に立った状態で投下面6に衝突する。この衝突は、プリント基板10の全重量が角部Pcの一点に集中することに加えて、基板本体Pがほぼ垂直状態で衝突することが極めて重要な作用を及ぼす。
この理由は、基板本体Pがほぼ垂直に立った状態で投下面6に衝突したとき、衝撃は基板本体Pの面に沿った方向に加わる。この基板本体Pの面に沿った方向は、基板本体Pの実質的剛性が最も高い向きであり、この方向に衝撃が加えられることによって、基板本体Pは最も撓みの少ない状態で衝撃を受ける。この結果、基板本体Pが殆ど撓まないで投下面6にぶつかるので、その衝撃は強く(落下加速に対するマイナス加速度が大きく)、基板本体Pは、瞬間的に落下が停止されると共に反動で上方に強く跳ね返る。この時、電子部品EPは、落下方向の慣性によって下方に移動し、最初の衝撃で殆どの電子部品EPが基板本体Pから抜け落ちたり剥離したりして分離する。
以上述べたように、本例においては、加熱部3で加熱されたプリント基板10が、分離部4において投下面6に対して落下されるので、落下衝撃によって、プリント基板10から電子部品EPを瞬間的かつ容易に分離することができる。この結果、プリント基板10からの電子部品EPを分離するとき、振動装置や反転装置(プリント基板を反転させる装置)などの機械を必要とせずに、電子部品EPの分離の確実にでき且つ分離処理速度の飛躍的に向上することができる。
また、搬送部2がプリント基板10を吊下げるようにする吊下げ保持部2bを備えていることで、簡易な構造でプリント基板10の落下が容易にできる。また、吊下げ保持部2bによれば、搬送経路において加熱手段をプリント基板10に接近させて配置することができるので、加熱効率を向上させることができ、加熱処理速度並びにランニングコストの低減を図ることができる。
また、吊下げ保持部2bの水平部分2bhが、プリント基板10を貫通するようにして引っかけるように保持するので、プリント基板10の搬送部2からの離脱が容易にできる。
また、吊下げ保持部2bの水平部分2bhが、搬送本体部2aの走行ループの外側に向いて設けられているので、プリント基板10を吊下げ保持部2bに取付けるときに、その取付けが容易で作業性を良くすることができる。
更に、吊下げ解除部5は、基板押圧テーパ面5tを備えるので、プリント基板10の搬送移動に伴って吊下げ保持部2bの水平部分2bhから該プリント基板10を離脱する方向に押し出すことができ、搬送部2の移動によってプリント基板10を複雑な機構を必要とせずに容易に落下させることができる。
また、加熱部3において、本加熱部3bの前に予備加熱部3aを配置することにより、二段階の加熱にすることで加熱効率を良くすることができ、また、予備加熱後に過熱水蒸気による加熱を行うことにより、熱伝達率が高い潜熱加熱による高速かつ均一な加熱ができ、従来に比べてより高速かつ均一な加熱ができる。したがって、加熱処理を高速化して生産性向上を図ることができると共に、ランニングコストの低減を図ることができる。
また、加熱工程中若しくは加熱後に、プリント基板10を落下させて該プリント基板10に落下衝撃を加え、プリント基板10から電子部品EPを分離する分離工程を有するので、落下によって、過熱されてはんだ等の接続手段が溶融した直後にプリント基板10に容易かつ瞬間的に衝撃を加えることができ、プリント基板10から電子部品EPの分離を極めて容易かつ迅速に行うことができる。しかもこの分離工程が連続的行えるので、生産性を格段に向上させることができる。
また、プリント基板10を、該プリント基板10の角部Pcを下方に向けて吊下げて保持するので、落下時にプリント基板10の角部Pcを投下面6に当てることができ、落下の衝撃を角部Pcで受けプリント基板10全体に効果的に伝えることができる。また、プリント基板10の吊下げ保持部2bによれば、該プリント基板10に対して加熱手段の接近が容易になり、加熱効率を高めることができる。
また、プリント基板10の吊下げ保持は、プリント基板10が電気製品に実装された際にねじ止め用に形成された基板実装用孔10hを利用するので、プリント基板10の加工を行う必要が無く該プリント基板10の角部Pcを下に向けて吊下げることができる。
〔分別工程〕
分別工程は、電子部品と、プリント基板に電子部品を取り付けていたはんだと、電子部品が分離されたプリント基板とをそれぞれ分別する工程である。上記の分離工程により、電子部品と、プリント基板に電子部品を取り付けていたはんだと、電子部品が分離されたプリント基板とが分離されており、破砕等を行っていないためそれぞれを判別し易く、容易に分別することができる。また、分別の正確性を飛躍的に向上することにより、高純度の金属を効率良く回収できる。
分別は例えば、目視による手作業や、画像処理による自動選別等により行うことができる。
分別した電子部品は、更に、金属ワイヤとリードフレームを備えた集積回路パッケージと、集積回路パッケージ以外の電子部品とに分別することが好ましい。集積回路パッケージは、加熱処理して樹脂成分を炭化し、リードフレームと、金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣とに分別することが好ましく、分別したリードフレームは金属回収工程に供することが好ましい。
加熱処理した集積回路パッケージは、樹脂成分が充分に炭化するため、リードフレームと、金属ワイヤ及び加熱処理により炭化した樹脂(炭化物)を含む残渣とを容易に分別することができる。リードフレームと、金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣との分別は、篩い、水力、風力、又は磁力により分別することが好ましい。リードフレームが樹脂材料であった場合は、リードフレームも炭化するため金属材料のリードフレームを分別すればよい。
集積回路パッケージ以外の電子部品もまた、それぞれ分別して、金属回収工程に供することが好ましい。これにより、各種金属などの有価物の分離及び高純度での回収を容易且つ確実に行え、資源の有効利用が可能となる。
集積回路パッケージ以外の電子部品としては、コンデンサ、抵抗、無線タグ、コイル、トランジスタ、ダイオード、トランス、LED、振動子、スピーカー、モータ、液晶、カメラ、コネクタ、接点等が挙げられる。
集積回路パッケージ等の電子部品は粗破砕してもよいが、粗破砕せずに加熱処理することで、工程が簡略化されるだけでなく、展延性に富む金の形状を変化させることなく分離出来るため金を高純度に回収することができる。
加熱処理における加熱の温度は、集積回路パッケージ等の電子部品に含まれる樹脂材料が分解する温度である必要がある。具体的には500℃〜900℃が好ましく、550℃〜800℃であることが更に好ましく、610℃〜730℃であることが特に好ましい。
加熱処理における加熱に供する時間は加熱の温度によって異なるが、10分〜5時間が好ましく、10分〜3時間であることが更に好ましい。加熱時間を上記の範囲にすることで、金属ワイヤをモールドしている樹脂成分を完全に分解させ、モールド樹脂より金属ワイヤーを分離することができ、金等の貴金属を効率良く高純度に回収することができる。
加熱方法は、加熱流体を電子部品に吹き付けるのでもよく、加熱流体の雰囲気炉内に滞留させるものでもよく、加熱効率、処理装置の建設コストを勘案して処理できるものである。
加熱流体は高温空気による加熱でもよいが、水蒸気加熱、特に過熱水蒸気は熱容量が大きく、熱効率が良いので過熱水蒸気による加熱が最も好ましい。該加熱により電子部品に含まれる樹脂を効率よく脆性化、分解して炭化するものである。
加熱流体の雰囲気が炉内に滞留する方が熱容量は大きく短時間で処理できる。加熱流体を吹き付ける方法は熱容量が小さく、処理時間が長くなるが装置が簡素化できるメリットはある。加熱温度、加熱方法、及び加熱時間については全体の処理コストを勘案して処理できる。
該加熱流体の加熱はガス等燃料の燃焼での加熱、電熱ヒーター等による加熱、誘導加熱装置による加熱等が利用できる。樹脂が酸化しないように真空加熱炉を使用することも可能である。炉は横型でも、縦型でも可能である。
加熱処理により炭化した樹脂(炭化物)は脆く壊れやすいので、殆どの炭化物は分離されるが、炭化物の一部は金属片から分離されずに表面に付着したまま残ることがある。金属片と炭化物の分離を促進するため、振動又は機械的外力を与えてもよい。振動と機械的外力を組み合わせて与えることもできる。機械的外力としては、ブラシ、ショットブラスト等による処理が挙げられる。
機械的な外力を与えることにより、炭化物は、リードフレームや金属ワイヤから剥離することができる。
リードフレームと、金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣との分別は、篩い、水力、風力、又は磁力による分別であることが好ましい。銅等を多く含有するリードフレームを金属ワイヤと分別してから溶解処理を行うことにより、高純度の金属を安全性高く得ることができる。
更に、振動篩いによる分別処理として、タイラー(Tyler)標準篩9メッシュ〜150メッシュの範囲のいずれかの篩い目を有する振動篩い機を用いることができる。これにより、リードフレームと、金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣とを分別することができ、さらに金属ワイヤを効率よく分別し回収することができる。
なお、前記した9メッシュ、150メッシュのタイラー標準篩とは、それぞれ篩目の開き量が2mm、106μmとなるような篩いである。
さらに、水力分別や風力分別等による比重選別、又は磁力分別によって、金属ワイヤを分別することができる。
〔金属回収工程〕
金属回収工程は、分別した、電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板を、それぞれ塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、得られた処理済液より金属を回収する工程である。
本発明の金属回収方法は、上記分別した電子部品を、更に、金属ワイヤとリードフレームを備えた集積回路パッケージと、集積回路パッケージ以外の電子部品とに分別する工程と、上記集積回路パッケージを、加熱処理して樹脂成分を炭化し、上記リードフレームと、上記金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣とに分別する工程とを含み、分別した金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣を、王水処理し、貴金属が王水に溶解した王水溶解液を得る工程とを含むことが好ましい。
更に、分別したリードフレームを、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、得られた処理済液より金属を回収する工程を含むことが好ましい。
(酸洗処理)
電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板は、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬する前に、酸で洗浄する酸洗処理を行うことが好ましい。
酸洗処理により、電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板の表面に残存する、わずかな種類の異なる金属を効果的に除去することができる。
例えば、電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板を、塩酸に浸漬する。該塩酸の濃度は、10〜35質量%(更に好ましくは、15〜35質量%)であることが好ましい。すなわち、塩化水素を10〜35質量%(更に好ましくは、15〜35質量%)含有する水溶液を使用するのがよい。
ここで、塩酸の代わりに硫酸や硝酸を使用することもできるが、塩酸の方が後処理が容易である。この場合の塩酸による酸洗時間は、常温で5〜30分程度が好ましいが、濃度によって異なる。
酸洗浄した電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板は水洗を行うことが好ましい。
また、公知の方法(特開平6−127946号公報)により、酸洗に用いた塩酸液から、溶解させた金属を分離回収することができる。
電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板は更に、溶解処理に供することにより、金属を高い純度で分離回収することができる。
(溶解処理)
酸洗浄し、水洗した電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板は、塩化第二鉄を含む処理溶液を用いて該電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板に含有される金属(金属成分)を溶解させることができる。分別工程で分別されたはんだも同様に塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属成分を溶解させることができる。塩化第二鉄を含む処理溶液は、塩化第二鉄水溶液、又は塩酸が添加された塩化第二鉄水溶液であることが好ましい。
ここで、使用する塩化第二鉄水溶液中の塩化第二鉄(FeCl3)の濃度は、概ね10質量%以上(望ましくは30質量%以上)でよいが、経済性を考慮すれば、60質量%以下(好ましくは55質量%以下)である。
また、塩化第二鉄水溶液中に、更に塩酸(HCl)を添加することも可能であるが、この場合、塩化水素35質量%水溶液の塩酸と塩化第二鉄50質量%水溶液を20:80〜50:50の体積比率で混合するのがよい。
上記した塩化第二鉄水溶液と、塩酸が添加された塩化第二鉄水溶液には、新たに製造した新液と、新液を使用した後の廃液(例えば、塩化銅や塩化ニッケルが溶存している液、更には塩化第一鉄が存在している液)、又は新液と処理済み液の混合液のいずれも使用できる。
これにより、金属成分中の各種金属は塩化物を形成し、塩化第二鉄水溶液に溶解する。
具体的には、銅は塩化銅(CuCl2)、ニッケルは塩化ニッケル(NiCl2)、クロムは塩化クロム(CrCl3)、錫は塩化錫(SnCl2)、鉛は塩化鉛(PbCl2)、ルテニウムは塩化ルテニウム(RuCl3)、アルミニウムは塩化アルミニウム(AlCl3)、インジウムは塩化インジウム(InCl3)となる。
一方、塩化第二鉄水溶液に溶解させた金属成分は、この塩化第二鉄水溶液(廃液)から析出させて回収する。この方法としては、従来公知の方法を使用でき、例えば、金属成分が、銅とニッケルを含んでいる場合には、特開平6−127946号公報に記載の方法を使用できる。また、錫や銀、インジウム等も、同様の方法を使用できる。なお、クロムとアルミニウムは、水酸化物として回収される。
この具体的な方法は、特許第4018832号公報に記載されているため、以下簡単に説明する。
上記した金属成分を含有する塩化第二鉄水溶液中に鉄粉を添加し、塩化第二鉄水溶液中に溶存する塩化銅(塩化物)を置換させ、銅を析出させて分離回収する。なお、塩化第二鉄水溶液中に塩化第二鉄が残存している場合は、鉄粉を添加して先に塩化第一鉄に還元しておく方が、銅の回収効率が向上し、望ましい。
次に、銅が除去された脱銅水溶液中に鉄粉を添加し、かつ鉄イオン濃度を制御してニッケルを析出させ分離回収する。これにより、塩化第二鉄水溶液中から銅とニッケルを回収できる。
以上の方法により、電子部品が取り付けられたプリント基板より金等の貴金属以外の金属成分も回収することで、これらを再利用できるので、資源の有効利用が図れる。
プリント基板が貴金属めっきされたプリント基板である場合、電子部品が分離されたプリント基板を塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、得られた処理済液より金属を回収する金属回収工程は、電子部品が分離されたプリント基板に傷付与処理を行い、傷を付与した電子部品が分離されたプリント基板を、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、処理済電子部品が分離されたプリント基板と処理済液とを分離し、前記処理済液をろ過により貴金属を含むろ物と、金属が溶解した溶解液とに分取し、金属が溶解した溶解液より金属を回収する金属回収工程であることが好ましい。
本発明における貴金属めっきされたプリント基板は、基材の表面に、下地金属層と、貴金属を含有する貴金属層がめっきされたものである。基材は金属であっても、樹脂であってもよい。樹脂基材の内部に更に金属を包含するものであってもよい。基材を形成する金属としては、例えば、ステンレス、銅合金、チタン、アルミニウム又はタングステン等が挙げられ、下地金属層を形成する金属としては、例えば、ニッケルが挙げられる。また、貴金属層を形成する貴金属としては、金、パラジウム、ロジウム、白金、銀等が挙げられる。
〔傷付与処理〕
傷付与処理は貴金属めっきされたプリント基板に傷を付与し、貴金属層に被覆された下地金属層を露出させるために行う処理である。下地金属層を露出させることにより、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬させた際、下地金属が処理溶液に溶解するのを促進し、貴金属層の剥離を効率よく行うことができる。
傷付与処理は、摩擦処理、破砕処理、又は熱処理であることが好ましい。
摩擦処理は、貴金属めっきされたプリント基板相互の物理的接触により行うことが好ましく、貯蔵容器内での接触、搬送装置(振動フィーダー等)上での接触、回転ドラム内での処理、網や籠に入れることによる接触で傷付与することがより好ましく、網や籠に入れることによる接触で傷付与処理することが更に好ましい。
破砕処理には、二軸剪断破砕機又は衝撃破砕機等を用いることができる。
熱処理は、加熱又は冷却により行うことができ、加熱後に冷却することが好ましい。
加熱の温度は400〜700℃が好ましく、400〜500℃がより好ましい。加熱時間は5秒〜2分が好ましく、5秒〜25秒がより好ましい。冷却の温度は10〜40℃が好ましく、10〜20℃がより好ましい。冷却時間は5秒〜1分が好ましく、5秒〜30秒がより好ましい。
貴金属めっきされたプリント基板は、傷付与処理を行うことにより、貴金属めっきの下地金属が塩化第二鉄を含む処理溶液に溶解しやすくなる。
下地金属が該処理溶液に溶解することにより貴金属めっきがプリント基板より剥離され、処理済液をろ過することにより貴金属を含むろ物と、金属が溶解した溶解液とに分取できる。
ろ過は、真空ろ過(到達圧力0.0〜6.6kPa)により行うことが好ましい。
下地金属の溶解は傷を付与した貴金属めっきされたプリント基板を、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬することにより行う。貴金属めっき品は、網や籠等に入れ、処理溶液に浸漬することが好ましい。処理済貴金属めっきされたプリント基板と処理済液との分離が容易に行えるためである。
貴金属を含むろ物は、金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣と同様に、後述のように王水処理し、貴金属が王水に溶解した王水溶解液を得ることが好ましく、得られた王水溶解液より貴金属を回収することがより好ましい。該貴金属としては、金、パラジウム、ロジウム、白金、銀が挙げられる。
処理済電子部品が分離されたプリント基板は、粗破砕し、加熱処理することが好ましい。
粗破砕には、二軸剪断破砕機又は衝撃破砕機等を用いることができる。
加熱処理は集積回路パッケージの加熱処理と同様の方法で行うことができ、加熱温度は500℃〜900℃が好ましく、550℃〜800℃であることが更に好ましく、610℃〜730℃であることが特に好ましい。
加熱処理における加熱に供する時間は加熱の温度によって異なるが、10分〜5時間が好ましく、10分〜3時間であることが更に好ましい。
(王水処理)
本発明の金属回収方法は、更に、上記金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣を、王水処理し、貴金属が王水に溶解した王水溶解液を得る工程を含むことが好ましい。上記金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣を、王水処理し、貴金属が王水に溶解した王水溶解液を得る工程は、上記金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣を、王水と混合して貴金属を溶解させ、ろ過により貴金属が王水に溶解した王水溶解液を得る工程であることが好ましい。金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣を王水で処理することにより、金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣のうち金属ワイヤが王水に溶解した王水溶解液と、炭化物の残渣との混合物である王水処理済液が得られる。この王水処理済液をろ過することにより、王水溶解液を得ることができる。ろ過は、真空ろ過により行うことが好ましい。
金属ワイヤには、金ワイヤと金以外の金属ワイヤが含まれ、リードフレームには銅が多く含まれる。リードフレームと、金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣とに分別して、金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣のみを王水処理することにより、王水と反応する金属中の銅の量を低減でき、突沸を防ぐことができる。また、金等の貴金属を高い濃度で含む王水溶解液とすることができる。該貴金属としては、金、パラジウム、ロジウム、白金、銀が挙げられる。
王水は、塩酸と硝酸の混合溶液であれば特に制限されるものではない。通常用いられる塩酸と硝酸の体積混合比が3:1の王水を使用してもよいし、塩酸と硝酸の体積混合比が1〜1.5:2.5〜3.0の逆王水を使用することもできる。
王水による処理は、金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣を王水に浸漬することにより行うことが好ましい。王水の温度は特に制限されるものではないが、例えば10℃〜80℃が好ましく、20℃〜40℃がより好ましい。浸漬時間は特に制限されるものではないが、例えば1〜100時間が好ましく、1〜50時間がより好ましく、1〜24時間が更に好ましい。
以上の方法により、プリント基板に含まれる貴金属成分を回収することで、これらを再利用できるので、資源の有効利用が図れる。
本発明の金属回収方法は、金等の貴金属と、その他の金属をそれぞれ分離回収することができる。貴金属やその他の金属を種類ごとに回収できることから、有価金属を高純度に回収し、資源として再利用することが可能となる。
以下、本発明にかかる金属回収方法の作用、効果の確認のために行った実施例について説明する。
〔実施例〕
(分離工程)
以下、図1に示す電子部品分離装置1を使用してプリント基板10から電子部品EPを分離する実験を、下記条件で行った。
条件:
(1)プリント基板は、電子部品が実装された重さ250g
(2)搬送部の搬送速度:毎分0.6mの速度
(3)予備加熱部は熱風加熱で、滞留時間は3.8分、加熱温度250度
(4)本加熱部は過熱水蒸気加熱で、滞留時間は1.8分、加熱温度280度
(5)吊下げ保持部の保持は、プリント基板の基板実装用の孔を貫通するようにして角部が下になるようにした。
(6)分離部における落下距離(プリント基板の下端から投下面までの距離)は0.9m
(7)プリント基板の落下試料数は、133枚
実験結果は、すべての試料において基板本体と電子部品とが分離できた。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、適宜変更できる。たとえば、前掲の実施形態においては、プリント基板10を加熱直後に搬送部2から投下面6に落下させるようにしたが、プリント基板10の投下は、加熱中に行うようにしてもよい。
また、前掲の実施形態においては、図示では、加熱部3と分離部4が直線状に配置されているが、搬送部2をループ状に設けると共に、このループ形状に沿って配置する構造でもよい。
前掲の実施形態においては、投下面6に自然落下させる方法を採用したが、本発明においては、例えば、吊下げ保持部2bから離脱したプリント基板10に対して上方からの送風し、この送風によってプリント基板10により大きい加速度を加えるような構成であってもよい。
また、搬送部2におけるプリント基板10吊下げは、前掲の実施形態においては、吊下げが一列で搬送するようにしたが、複数列の搬送形態でもよい。
また、前掲の実施形態におけるプリント基板10の投下方法は、吊下げ保持の状態からプリント基板10をほぼ垂直状態に保ったままで落下させて衝撃を加える方法を採用したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、ベルトコンベヤ上に載置したプリント基板を、該ベルトコンベヤの横にずらすようにして落下させる方法でもよい。すなわち、プリント基板10を、搬送しながら加熱し、加熱中若しくは加熱後に搬送部2から落下させる方法であれば本発明の範疇に属するものである。
(分別工程1)
分離工程で分離された、電子部品と、プリント基板に電子部品を取り付けていたはんだと、電子部品が分離されたプリント基板は、目視により判断しそれぞれ分別して電子部品が分離されたプリント基板を18kg、はんだを0.3kg、電子部品を15kg回収した。
電子部品は、更に、目視により判断し、集積回路パッケージ2kg、コネクタを8.5kg、コンデンサを1.9kg、その他電子部品を2.6kgに分別した。
(分別工程2)
分別工程1で分別した集積回路パッケージ2kgを610℃の過熱水蒸気雰囲気に投入し、120分加熱した。
加熱後、円筒篩(株式会社興和工業所製 KGOR−500−2DB)にて目開き106μの網で篩処理を行うことで、リードフレームと、金属ワイヤ及び加熱により炭化した樹脂の炭化物とを含む残渣を分離させ、リードフレーム0.88kg、金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣0.72kgに分別した。
(溶解処理1)
分別工程2で分別したリードフレーム 0.88kgを籠に入れて、濃度が35質量%の塩酸に30分浸漬し酸洗処理を行った。
また、金属が溶解した塩酸より、特開平6−127946に記載の方法を用いて、錫、鉛を回収することができる。
なお、この酸洗処理は常温で行ったが加熱してもよい。
酸洗後のリードフレームを籠に入れて、温度が30℃の塩化第二鉄液中に12時間浸漬させ、含有される金属成分を塩化第二鉄液に溶解させた。なお、使用した塩化第二鉄液の塩化第二鉄の濃度は39質量%、塩化第二鉄液への浸漬時間は12時間とした。特開平6−127946に記載の方法を用いて、塩化第二鉄液より該溶解金属である銅を回収した。回収した銅の純度は90%以上であった。
(溶解処理2)
分別工程1で分別した電子部品が分離されたプリント基板18kgを網に入れ、傷を付与した。傷付与後の電子部品が分離されたプリント基板を網に入れたまま、温度が20℃の塩化第二鉄を44質量%含む処理液中に12時間浸漬させ、プリント基板に施されためっきの下地金属成分を処理液に溶解させた。
処理後の電子部品が分離されたプリント基板を網ごと引き揚げ、処理済液をろ過し、処理済液中に浮遊するめっき等の貴金属を含む未溶解成分0.54gと、金属が溶解した溶解液120Lとに濾別した。
処理後の電子部品が分離されたプリント基板は、二軸式破砕機(株式会社氏家製作所製 UG165−10−240)で粗破砕し、610℃の過熱水蒸気雰囲気に投入し、120分加熱した。
加熱後、金属片を回収し温度が30℃の塩化第二鉄液中に浸漬させ、含有される金属成分を塩化第二鉄液に溶解させた。なお、使用した塩化第二鉄液の塩化第二鉄の濃度は44%、塩化第二鉄液への浸漬時間は12hとした。特開平6−127946に記載の方法を用いて、塩化第二鉄液より該溶解金属である銅を回収した。回収した銅の純度は90%以上であった。
(王水処理1)
分別工程2で分別した金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣0.72kgを籠に入れて、温度が20℃の王水中に浸漬させ、含有される金属成分を王水に溶解させた。なお、使用した王水は塩酸と硝酸の体積混合比が3:1であり、王水への浸漬時間は24hとした。
王水溶解液と、未溶解の炭化物とをろ過により濾別し、金濃度0.1%の王水溶解液を得た。
(王水処理2)
溶解処理2で得られた未溶解成分0.54gを籠に入れて、温度が20℃の王水中に浸漬させ、含有される金属成分を王水に溶解させた。なお、使用した王水は塩酸と硝酸の体積混合比が3:1であり、王水への浸漬時間は120分とした。
王水溶解液と、未溶解の残渣とをろ過により濾別し、金濃度1.0%の王水溶解液を得た。
以上のことから、本発明の集積回路の処理方法を使用することで、処理コストや設備コストを過剰にかけることなく、集積回路から金を個別に高純度に回収して再利用でき、資源の有効利用が図れることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
1 電子部品分離装置
2 搬送部
2a 搬送本体部
2b 吊下げ保持部
3 加熱部
3a 予備加熱部
3aa 熱風ヒータ
3b 本加熱部
3bb 加熱水蒸気発生部
4 分離部
5 吊下げ解除部
6 投下面
10 プリント基板
10h 基板実装用孔
P 基板本体
EP 電子部品
S はんだ

Claims (6)

  1. 電子部品が取り付けられたプリント基板より金属を回収する方法であって、
    前記プリント基板を搬送手段にて搬送しながら加熱中若しくは加熱後に、前記搬送手段から落下させて前記プリント基板に対して衝撃を加え、前記プリント基板から前記電子部品を分離する分離工程と、
    前記電子部品と、前記プリント基板に電子部品を取り付けていたはんだと、前記電子部品が分離されたプリント基板とを、それぞれ分別する分別工程と、
    前記分別した、電子部品、及び電子部品が分離されたプリント基板を、それぞれ塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、得られた処理済液より金属を回収する金属回収工程とを含む、
    金属回収方法。
  2. 前記分別した電子部品を、更に、金属ワイヤとリードフレームを備えた集積回路パッケージと、集積回路パッケージ以外の電子部品とに分別する工程と、
    前記集積回路パッケージを、加熱処理して樹脂成分を炭化し、前記リードフレームと、前記金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣とに分別する工程と、
    分別した金属ワイヤ及び炭化物を含む残渣を、王水処理し、貴金属が王水に溶解した王水溶解液を得る工程とを含む、
    請求項1に記載の金属回収方法。
  3. 更に、分別したリードフレームを、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、得られた処理済液より金属を回収する工程を含む、
    請求項2に記載の金属回収方法。
  4. 前記電子部品が分離されたプリント基板を、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、得られた処理済液より金属を回収する金属回収工程は、
    電子部品が分離されたプリント基板に傷付与処理を行い、
    傷を付与した電子部品が分離されたプリント基板を、塩化第二鉄を含む処理溶液に浸漬して金属を溶解させ、
    処理済電子部品が分離されたプリント基板と処理済液とを分離し、
    前記処理済液をろ過により貴金属を含むろ物と、金属が溶解した溶解液とに分取し、
    前記金属が溶解した溶解液より金属を回収する金属回収工程である、
    請求項1に記載の金属回収方法。
  5. 更に、前記貴金属を含むろ物を、王水処理し、貴金属が王水に溶解した王水溶解液を得る工程を含む、請求項4に記載の金属回収方法。
  6. 前記搬送手段による搬送は、前記プリント基板の角部を下に向けて吊下げる請求項1〜5のいずれか1項記載の金属回収方法。
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