JP2018120186A - 半導電性部材、中間転写体、画像形成装置及び転写ユニット - Google Patents
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Abstract
Description
イミド系樹脂と、ポリアニリンと、尿素化合物と、を含有するイミド系樹脂層、
を有する半導電性部材。
前記イミド系樹脂層における尿素化合物の含有量が0.1質量%以上3質量%以下である、請求項1に記載の半導電性部材。
前記尿素化合物が、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の半導電性部材。
一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、nは2以上5以下の整数を表す。
一般式(2)において、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表す。
前記尿素化合物が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導電性部材。
前記イミド系樹脂が、ポリイミド、ポリアミドイミド及びポリエーテルイミドから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導電性部材。
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の半導電性部材で構成された、中間転写体。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
請求項6に記載の中間転写体、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段、及び前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段を有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
請求項6に記載の中間転写体と、
像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、
を備える転写ユニット。
請求項6に記載の発明によれば、イミド系樹脂層が尿素化合物を含有せずN−メチル−2−ピロリドンを含有する場合に比べて、体積抵抗率の電界依存性が抑制された中間転写体が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、中間転写体のイミド系樹脂層が尿素化合物を含有せずN−メチル−2−ピロリドンを含有する場合に比べて、体積抵抗率の電界依存性が抑制された中間転写体を備える画像形成装置が提供される。
請求項8に記載の発明によれば、中間転写体のイミド系樹脂層が尿素化合物を含有せずN−メチル−2−ピロリドンを含有する場合に比べて、体積抵抗率の電界依存性が抑制された中間転写体を備える転写ユニットが提供される。
本実施形態に係る半導電性部材は、イミド系樹脂と、ポリアニリンと、尿素化合物と、を含有するイミド系樹脂層を有する。
これに対して、イミド系樹脂層に導電性を付与するための導電剤としてポリアニリンを用いると、イミド系樹脂層に相溶した状態のポリアニリンのポリマーを伝って電子伝導される故、体積抵抗率の電界依存性は小さくなる。
しかし、ポリアニリンを用いても、体積抵抗率の電界依存性がある程度は発生する。この理由としては、イミド系樹脂層内にポリアニリン凝集体が形成されており、ポリアニリン凝集体間のホッピング伝導が起り、体積抵抗率の電界依存性が生じると推測される。
従来、イミド系樹脂層を形成する塗布液の溶媒としては、イミド系樹脂の溶解性に優れるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が一般的に用いられている。イミド系樹脂層を形成する塗布液には、ポリアニリンをドープ状態にするためにポリアニリンのドーパントも含まれているところ、ポリアニリンはドープ状態になるにつれて親水性の傾向を示すので、NMPに対する溶解性が低下し一部が凝集し、イミド系樹脂層内にポリアニリン凝集体が形成されることになると推測される。
イミド系樹脂とは、イミド結合を有する構成単位を含む樹脂である。
本実施形態に係る半導電性部材は、イミド系樹脂層に導電剤としてポリアニリンを含有する。
尿素化合物とは、分子内に尿素結合「N−C(=O)−N」を有する化学物質である。イミド系樹脂層に含有される尿素化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
イミド系樹脂層には、イミド系樹脂以外の樹脂が含まれていてもよい。ただし、イミド系樹脂が、イミド系樹脂層に含まれる樹脂全体の80質量%以上を占めることが好ましく、90質量%以上を占めることがより好ましく、樹脂は実質的にイミド系樹脂のみであることが更に好ましい。イミド系樹脂以外の樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルホン、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート等が挙げられる。
本実施形態に係る半導電性部材は、イミド系樹脂層を形成するための塗布液を用いて製造する。具体的には、例えば、下記の製造方法で製造する。
塗布液を芯体に塗布して芯体上に塗膜を形成する工程と、
塗膜を乾燥させる工程と、
乾燥させた塗膜を加熱してイミド系樹脂層とする工程と、
を有する半導電性部材の製造方法。
塗布液準備工程は、イミド系樹脂又はその前駆体と、ポリアニリンと、ポリアニリンのドーパントとが、尿素化合物を含む溶媒に溶解した塗布液を準備する工程である。イミド系樹脂、ポリアニリン、ポリアニリンのドーパント及び尿素化合物は、前述のとおりである。イミド系樹脂層に含まれる樹脂がイミド樹脂である場合は、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を用いる。
ポリアニリンが尿素化合物に溶解したポリアニリン溶液と、
ポリアニリンのドーパントが尿素化合物に溶解したドーパント溶液と、をそれぞれ準備し、樹脂溶液とポリアニリン溶液とを混合し、さらにドーパント溶液を混合し、塗布液を調製する。
塗布工程は、塗布液を芯体に塗布して芯体上に塗膜を形成する工程である。
乾燥工程は、芯体上に形成された塗膜を乾燥させる工程である。乾燥工程は、塗布液の組成に応じて雰囲気温度及び時間を設定して行われる。
加熱工程は、乾燥させた塗膜を加熱してイミド系樹脂層とする工程である。
ポリアミドイミド又はポリエーテルイミドの場合、例えば、該樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度(好ましくはTgよりも10℃以上50℃以下高い温度)で加熱することがよい。加熱時間としては、例えば、30分以上150分以下が挙げられる。温度は、段階的に上昇させてもよいし、一定速度で上昇させてもよい。
ポリイミド前駆体の場合、例えば、200℃以上450℃以下、望ましくは250℃以上400℃以下に加熱することにより、ポリイミド前駆体をイミド化させる。加熱時間としては、例えば、30分以上180分以下が挙げられる。温度は、段階的に上昇させてもよいし、一定速度で上昇させてもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、中間転写体を有し、像保持体の表面に形成されたトナー像を、中間転写体を介して記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、中間転写体として、本実施形態に係る半導電性部材が適用される。
図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー像として現像され可視化される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエローのトナー像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
[実施例1]
−塗布液の調製−
樹脂溶液として、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)にポリアミドイミド(商品名:HPC−9000F−8H、日立化成製)が溶解した溶液(濃度17質量%)を準備した。
ポリアニリン溶液として、DMIにポリアニリン未ドープ酸化体(日本カーリット製)が溶解した溶液(濃度2質量%)を準備した。
ドーパント溶液として、DMIにドデシルベンゼンスルホン酸(東京化成工業)が溶解した溶液(濃度50質量%) を準備した。
直径929.5mm、厚さ20mm、長さ1000mm、ブラスト処理により表面粗さをRa0.4μmとしたアルミ円筒形金型を準備した。アルミ円筒形金型の外周面に、シリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学工業製)を塗布し、380℃で1時間焼き付け処理を施し、芯体を得た。
芯体の長手方向を水平方向にした状態で、芯体を100rpmで回転させながら、芯体の一端から他端に向かってディスペンサーとスクレイパーを速度150mm/minで移動させながら、厚さ0.8mmで塗布液を塗布した。次いで、芯体を5rpmで回転させながら、雰囲気温度120℃下に30分間置いた。次いで、常温に冷却後、250℃に昇温して該温度下に2時間置いた。次いで、常温に冷却し、芯体から無端ベルトを分離した。無端ベルトを、富士ゼロックス社製の画像形成装置Color 1000 Pressの中間転写ベルトとして用いる寸法に裁断した。出来あがりの無端ベルトの厚さ(イミド系樹脂層の平均層厚)は75μmであった。
樹脂溶液の樹脂を、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリアミック酸に変更した以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
樹脂溶液の樹脂を、ポリエーテルイミド(Ultem1500、Sabic社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
樹脂溶液、ポリアニリン溶液及びドーパント溶液に使用する溶剤をテトラメチル尿素に変更した以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
樹脂溶液、ポリアニリン溶液及びドーパント溶液に使用する溶剤をN,N−ジメチルプロピレン尿素に変更した以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
樹脂溶液、ポリアニリン溶液及びドーパント溶液に使用する溶剤をテトラエチル尿素に変更した以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
樹脂溶液、ポリアニリン溶液及びドーパント溶液に使用する溶剤をN−メチル−2−ピロリドンに変更した以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
導電剤をカーボンブラック(商品番号:FW1、デグサ社)に変更し、樹脂溶液とカーボンブラックとを、ポリアミドイミド100質量部に対しカーボンブラックが21質量部になるように混合した以外は、実施例1と同様にして無端ベルトを作製した。
[体積抵抗率]
各ベルトの体積抵抗率を、抵抗測定機としてアドバンテスト社製の微小電流計(商品番号:R8340A)を使用し、プローブとして三菱化学社製のURプローブを使用して測定した。測定電圧は100V又は1000Vとし、ベルトの周方向に6箇所(60°刻み)及び軸方向に等間隔に3箇所の合計18箇所において、体積抵抗率(logΩ・cm)を測定し、その平均値を算出した。測定電圧100Vにおける体積抵抗率の平均値から、測定電圧1000Vにおける体積抵抗率の平均値を減算した値を、体積抵抗率電界依存性の指標とした。結果を表1に示す。
各ベルトを、富士ゼロックス社製の画像形成装置Color 1000 Pressに中間転写ベルトとして搭載し、温度23℃且つ相対湿度55%の環境下、A4サイズの紙にマゼンダ色の画像(画像濃度50%)を1枚出力し、微小な白点の有無を目視で観察し、下記の通りに分類した。結果を表1に示す。
G1:微小白点は発生していない。
G2:微小白点が発生しており、中央部5cm×5cmの領域に1個乃至3個ある。
G3:微小白点が発生しており、中央部5cm×5cmの領域に4個以上ある。
各ベルトを、富士ゼロックス社製の画像形成装置Color 1000 Pressに中間転写ベルトとして搭載し、温度22℃且つ相対湿度55%の環境下、A4サイズの紙に、図3に示す文字Gと黒領域とを有する黒色のパターンを出力し、黒領域における文字Gの現れ具合を目視で観察し、下記の通りに分類した。結果を表1に示す。
G1:図3(A)のように、文字Gが認められない。
G2:図3(B)のように、文字Gがうっすらと認められる。
G3:図3(C)のように、文字Gがはっきりと認められる。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写ベルトクリーニング装置
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (8)
- イミド系樹脂と、ポリアニリンと、尿素化合物と、を含有するイミド系樹脂層、
を有する半導電性部材。 - 前記イミド系樹脂層における尿素化合物の含有量が0.1質量%以上3質量%以下である、請求項1に記載の半導電性部材。
- 前記尿素化合物が、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の半導電性部材。
一般式(1)において、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、nは2以上5以下の整数を表す。
一般式(2)において、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表し、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上3以下の飽和炭化水素基を表す。 - 前記尿素化合物が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導電性部材。
- 前記イミド系樹脂が、ポリイミド、ポリアミドイミド及びポリエーテルイミドから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導電性部材。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の半導電性部材で構成された、中間転写体。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー像として現像する現像手段と、
請求項6に記載の中間転写体、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段、及び前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段を有し、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。 - 請求項6に記載の中間転写体と、
像保持体の表面に形成されたトナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、
を備える転写ユニット。
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