JP4844643B2 - 管状体、転写ユニット、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、
樹脂と導電性粒子とを含んで構成される層であって、最外面に前記導電性粒子を含有しない第1領域と当該第1領域よりも最内面側に他の領域よりも導電性が高い第2領域とを持つ層を有し、
前記最外面から厚み方向15μmまでに前記第1領域及び第2領域を有し、当該第2領域の導電性が前記最外面から厚み方向15μmを超えた第3領域の導電性よりも5倍以上高く、
前記第1の領域の厚みが、0.5μm以上3μm以下である管状体。
請求項1に記載の管状体からなる転写ベルトと、該転写ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備え、画像形成装置本体に対して脱着される転写ユニット。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面の潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像が転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を備え、
前記中間転写体が、請求項1に記載の管状体である画像形成装置。
請求項1に係る発明によれば、特定の導電性関係の領域を持つ層を有さない場合に比べ、体積抵抗の低減を抑制しつつ、表面抵抗が低くなる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、管状体の電気抵抗の変化に起因する画像欠陥が抑制される。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、管状体の電気抵抗の変化に起因する画像欠陥が抑制される。
図1は、実施形態に係る転写ベルトを示す概略斜視図である。図2は、図1のA−A断面図である。
なお、ベルト断面の切片(試料)は、包埋後ミクロトームにより断面の切片(試料)を作製し、試料深さ方向と平行に銀ペースト電極を貼り合わせカンチレバーの対向電極とした。このベルト断面の切片(試料)を10μm四方で観察し電流値(導電性)と高さ情報を得る。
但し、本条件は、一例であって、同条件に限定するものでない。ベルト断面切片(試料)により、測定範囲、印加電圧、バネ定数など任意に変更してもよい。
そして、上記手法で得られた電流値の最大値により導電性の比較を行なう。
樹脂材料は、そのヤング率が、ベルト厚みによっても異なるが、望ましくは、3500MPa以上、より望ましくは4000MPa以上であればよく、ベルトとしての機械特性が満足される。樹脂としては、上記ヤング率を満たせば、制限はないが、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、補強材を添加してなるポリエステル樹脂などが挙げられる。
導電性粒子としては、導電性又は半導電性の粉末が使用でき、ベルトとして特定の電気抵抗を安定して得ることができれば、導電性に制限はないが、例えば、ケッチエンブラック、アセチレンブラック、pH5以下の酸化処理カーボンブラック等のカーボンブラック、アルミニウムやニッケル等の金属、酸化錫等の酸化金属化合物、チタン酸カリウム等が例示される。そしてこれらを単独、あるいは併用して使用してもよいが価格面で有利なカーボンブラックが望ましい。ここで、「導電性」とは、体積抵抗率が107 Ωcm未満であることを意味する。また、「半導電性」とは、体積抵抗率が107以上1013 Ωcm以下であることを意味する。他も同様である。
本実施形態に係る転写ベルトが中間転写ベルトの場合、その外周面の表面抵抗率は、常用対数値で9(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下であることが望ましく、10(LogΩ/□)以上12(LogΩ/□)以下であることがより望ましい。電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値が13(LogΩ/□)を超えると、二次転写時に記録媒体と中間転写ベルトとが静電吸着し、記録媒体の剥離ができなくなる場合がある。一方、電圧印加の30msec後の表面抵抗率の常用対数値が9(LogΩ/□)未満であると、中間転写ベルトに一次転写されたトナー像の保持力が不足し画質の粒状性や像乱れが発生する場合がある。尚、前記体積抵抗率の常用対数値は、後述する導電剤の種類、及び導電剤の添加量により制御される。
式:ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
式ρv=19.6×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
図5は、本実施形態に係る転写ユニットを示す概略斜視図である。本実施形態に係る転写ユニット130は、図5に示すように、前記実施形態に係る転写ベルト101を備えており、転写ベルト101は対向して配置された駆動ロール131及び従動ロール132により張力がかかった状態で掛け渡されている(以下、単に「張架」という場合がある。)。また、図示されていないが、感光体(像保持体)表面のトナー像を転写ベルト101上に1次転写させるためのロールと、転写ベルト101上に転写されたトナー像をさらに記録媒体に2次転写させるためのロールが配置される。なお、転写ベルト101を張架するロールの数は限定されず、使用態様に応じて配置すればよい。このような構成の転写ユニット130は画像形成装置に組み込まれて使用され、画像形成の際、駆動ロール131,従動ロール132の回転に伴って転写ベルト101も張架した状態で回転する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体表面を帯電する帯電手段と、像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を前記記録媒体に定着する定着手段と、を有し、転写手段が、上記本実施形態に係る転写ベルトを備えるものである。
なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に特定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
尚、1次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×106Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って特定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録媒体Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録媒体Pに転写される構造であってもよい。
以上により記録媒体上に画像が形成される。
まず、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)を含むポリアミド酸N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(ユニチカ社製UイミドKX/固形分濃度20質量%)中にカーボンブラック(SPECIAL Black 4、エボニックデグサジャパン社製)を固形分質量比で8質量%投入し、ジェトミル分散機(ジーナス社製:GeanusPY)で分散処理(200N/mm2、5パス)を行った。得られたカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を、ステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物及びカーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な塗布液を作製した。
塗膜が形成された円筒状金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、120℃で60分間加熱して、塗膜を乾燥させた以外は、実施例1と同様にしてポリイミド無端ベルトを得た。なお、当該乾燥後の乾燥塗膜の残留溶媒量は18%であった。
塗膜が形成された円筒状金型を250rpmで回転させながら、金型の外側より60℃の熱風を30分間あてた後、120℃で20分間加熱して、塗膜を乾燥させた以外は、実施例1と同様にしてポリイミド無端ベルトを得た。なお、当該乾燥後の乾燥塗膜の残留溶媒量は35%であった。
乾燥塗膜に対して、NMP溶液を塗布しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリイミド無端ベルトを得た。
得られたポリイミド無端ベルトについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
上記に従って、ベルト断面切片を作製し、透過型電子顕微鏡で直接粒子の有無を観察して、粒子非含有領域、粒子偏在領域、及び粒子含有領域の存在を確認した。
また、上記に従って、ベルト断面切片を作製し、デジタル・インスツルメンツ社製D3000及びNanoscopeIIIを用いて、ベルト断面切片(試料)を10μm四方で観察して、流れる電流値と高さ(深さ)を調べ、ベルト最外面から15μmまでの領域に流れる最大電流値と、ベルト最外面から15μmを超えたところから内周面までの領域に流れる最大電流値と、を求めた。
なお、図8に、実施例2及び比較例1で作製したポリイミド無端ベルトについて、デジタル・インスツルメンツ社製D3000及びNanoscopeIIIを用いて調べた電流像と高さ像(深さ像)を示す。
上記に従って、ベルト最外面の体積抵抗率、及びベルトの体積抵抗率を測定した。
得られた無端ベルトを、中間転写ベルトとして富士ゼロックス社製DocuCentreColor2220改造機(プロセス速度500mm/sec、一次転写電流45μA、二次転写電圧3.5kV)に装着し、10℃、RH15%の環境下で、プリント試験を行なった。試験は、富士ゼロックス社製C2紙A4紙を使用し、10000枚のプリントテストを行った。プリント試験前後のベルト最外面の体積抵抗率、及びベルトの体積抵抗率を測定して比較を行なった。
なお、表面抵抗率、体積抵抗率の測定は、上記に従って行った。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 1次次転写ロール
6Y、6M、6C、6K クリーニング装置
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 2次転写ロール
30 中間転写体クリーニング装置
101 転写ベルト
111A 粒子非含有樹脂領域
111B 粒子偏在樹脂領域
111C 粒子含有樹脂領域
112 導電性粒子
120 円筒状金型
122 塗膜
124 溶出用溶媒
130 転写ユニット
131 駆動ロール
132 従動ロール
201Y、201M、201C、201BK 感光体ドラム
202Y、202M、202C、202BK 帯電ロール
203Y、203M、203C、203BK 露光器
204Y、204M、204C、204BK 現像装置
205Y、205M、205C、205BK 感光体ドラム清掃部材
206 記録媒体搬送転写ベルト
207Y、207M、207C、207BK 転写ロール
208 記録媒体搬送ロール
209 定着装置
210 ベルト支持ロール
212 ベルト支持ロール
214 ベルト用清掃部材
216 記録媒体
Y、M、C、BK 画像形成ユニット
Claims (3)
- 樹脂と導電性粒子とを含んで構成される層であって、最外面に前記導電性粒子を含有しない第1領域と当該第1領域よりも最内面側に他の領域よりも導電性が高い第2領域とを持つ層を有し、
前記最外面から厚み方向15μmまでに前記第1領域及び第2領域を有し、当該第2領域の導電性が前記最外面から厚み方向15μmを超えた第3領域の導電性よりも5倍以上高く、
前記第1の領域の厚みが、0.5μm以上3μm以下である管状体。 - 請求項1に記載の管状体からなる転写ベルトと、該転写ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備え、画像形成装置本体に対して脱着される転写ユニット。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面の潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像が転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を定着する定着手段と、
を備え、
前記中間転写体が、請求項1に記載の管状体である画像形成装置。
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