JP2018119189A - めっき鋼線、スチールコード及びゴム−スチールコード複合体 - Google Patents

めっき鋼線、スチールコード及びゴム−スチールコード複合体 Download PDF

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Abstract

【課題】生産性及び伸線加工性を低下させることなく、Co塩を配合しないゴムとの接着性に優れ、かつ、時間経過に伴う接着強度の劣化を抑制すること。【解決手段】本発明に係るめっき鋼線は、鋼線の表面上に位置し、Fe、Co、Cr、Nb、V及びMoからなる群より構成される元素群より選択される少なくとも何れかの元素と、Znと、Cuと、の合金めっきを含む3元系合金めっき層を備え、前記3元系合金めっき層中では、前記元素群より選択される少なくとも何れかの元素と前記Znとからなる第1合金相の部分と、前記Cu及び前記Znを主成分とする第2合金相の部分と、が少なくとも存在している。【選択図】図1

Description

本発明は、めっき鋼線、スチールコード及びゴム−スチールコード複合体に関する。
ゴム補強材(例えば、タイヤの補強材として使用されているスチールコードなど)の表面には、ブラスめっきが形成されていることが多い。かかるスチールコードを、未硫化ゴムに埋め込んだ後、加硫することによって、スチールコードとゴムとを接着させる。なお、加硫は、ゴム製品を製造する際の最終工程であり、150℃〜200℃の温度で20分〜40分間、加圧及び加熱を行う工程である。かかる加硫によって、ゴムが架橋されるとともに、スチールコードのブラスめっきとゴムとの界面に接着層が生成される。かかる接着層は、主に、ブラスめっきのCu及びZnと、ゴムに含まれるS(硫黄)と、の反応によって形成された硫化物を含む。
このように、スチールコードとゴムとは、加硫時に生成する硫化物によって接着される。そのため、ゴム中には、硫化物の生成を促進する触媒として、Coを含む有機コバルト塩が配合されることがある。Coは、スチールコードとゴムとの初期の接着強度を確保するためには有用である。しかしながら、タイヤなどを高温・高湿環境で使用すると、ブラスめっきのCu及びZnと、ゴムに含まれるSと、の反応が進行する。その結果、接着層が厚くなるとともに硫化物の組成が変化し、スチールコードとゴムとの接着強度が低下する。
更に、有機コバルト塩は、ゴム分子の二重結合を切断し、ゴムを劣化させるという問題がある。加えて、CuとSとの加硫反応の触媒として作用するCoは希少金属であり、ゴムにCoを含有させると、コストが非常に高くなる。そのため、タイヤなどのゴムから有機コバルト塩を削減することが望まれている。
このような問題に対して、CoやNiを含むブラスめっきを設けたスチールコードが提案されている(例えば、以下の特許文献1〜特許文献3を参照。)。
また、ブラスめっきにCoやNiを含有させることなく、接着性及び伸線加工性を両立させる方法として、めっきの組成やめっき厚を最適化する技術が提案されている(例えば、以下の特許文献4及び特許文献5を参照。)。
更には、鋼線とゴムとを密着させつつ、Cu層がゴム中の硫黄と反応することによる粒子の粗大化を抑制する方法として、極細鋼線の表面から順に、極細鋼線の凹凸を被覆して表面を平滑にする被覆Cuめっき(第1層)、伸線加工性を確保しつつ、第1層からのCuの拡散を防止する拡散防止層(第2層)、接着強度の経年劣化を抑制する、平均厚みが10〜50nmの接着Cuめっき(第3層)を有するといっためっき鋼線が提案されている(例えば、以下の特許文献6を参照。)。
特開平1−98632号公報 特開2003−94108号公報 特開2002−13085号公報 特開2009−248102号公報 特開平5−278147号公報 特許第5333331号
しかしながら、上記特許文献1〜特許文献3に開示されている技術のように、ブラスめっき中にNiやCoを含む場合、めっき層が硬くなり伸線加工性が悪化するという問題が生じる。また、ブラスめっきの表層のみにCoやNiを含有させる方法は、製造工程が複雑であり、コストの上昇が懸念される。
また、上記特許文献4に開示されている技術のように、厚みを調整したCuとZnの多層めっきを行った後で拡散熱処理を施す方法では、ブラスめっきの組成の制御が難しい。また、かかる技術では、めっきの工程が増えるために、コストも高くなる。一方、上記特許文献5に開示されている技術のように、ブラスめっき線を伸線加工後にショトブラストを行い、めっき厚を薄くする方法では、めっき厚の均一性を確保することが難しくなる。
また、上記特許文献6における拡散防止層は、クラックなどの欠陥が存在しない。このような構成では、第1層がゴムと反応してしまうとCuが枯渇し、拡散防止層からのCuの供給は、拡散防止元素にもよるものの、高温環境で使用しない限りほぼ起こり得ない。従って、第1層のCuが枯渇してしまうと、その後ゴムとの密着性が低下してしまう。
一方、鋼線の表面のめっきを薄くした場合には、めっきを施す前の鋼線の表面は凹凸を有しているために、めっき後の鋼線の表面には、局所的に鉄が露出した部分(Fe露出部)が存在する。かかるFe露出部が大きくなると、ゴムとの接着が不十分になり、時間の経過により酸素と水分が浸透して、鉄錆が発生する。鉄錆が生じると、体積膨張に起因して、接着強度が著しく低下する。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、生産性及び伸線加工性を低下させることなく、Co塩を配合しないゴムとの接着性に優れ、かつ、時間経過に伴う接着強度の劣化を抑制可能なめっき鋼線、スチールコード及びゴム−スチールコード複合体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、Cuの拡散を抑制する部分とCuを拡散させる部分とを共に有する合金めっき層を設けることで、上記の課題を解決可能であるとの知見を得ることができた。
かかる知見に基づき完成された本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]鋼線の表面上に位置し、Fe、Co、Cr、Nb、V及びMoからなる群より構成される元素群より選択される少なくとも何れかの元素と、Znと、Cuと、の合金めっきを含む3元系合金めっき層を備え、前記3元系合金めっき層中では、前記元素群より選択される少なくとも何れかの元素と前記Znとからなる第1合金相の部分と、前記Cu及び前記Znを主成分とする第2合金相の部分と、が少なくとも存在しており、前記3元系合金めっき層の表面において、前記Cuの面積率は、前記3元系合金めっき層の表面積に対して、15%〜70%の範囲内であり、前記3元系合金めっき層中において、前記元素群より選択される少なくとも何れかの元素の全元素に対する質量比は、10%〜40%の範囲内である、めっき鋼線。
[2]前記3元系合金めっき層における前記第1合金相の部分には、クラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在する、[1]に記載のめっき鋼線。
[3]前記3元系合金めっき層の厚みは、20nm〜400nmである、[1]又は[2]に記載のめっき鋼線。
[4]前記3元系合金めっき層には、前記元素群より選択される少なくとも何れかの元素と、前記Znと、前記Cuと、からなる第3合金相の部分が更に存在する、[1]〜[3]の何れか1つに記載のめっき鋼線。
[5]前記3元系合金めっき層における前記第3合金相の部分には、クラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在する、[4]に記載のめっき鋼線。
[6]前記3元系合金めっき層と前記鋼線との間に、ブラスめっき層を更に備える、[1]〜[5]の何れか1つに記載のめっき鋼線。
[7]前記3元系合金めっき層における前記第1合金相の部分には、クラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在し、前記クラック及び前記ピンホールの少なくとも何れかは、前記3元系合金めっき層と前記ブラスめっき層との界面まで達している、[6]に記載のめっき鋼線。
[8]前記3元系合金めっき層には、前記元素群より選択される少なくとも何れかの元素と、前記Znと、前記Cuと、からなる第3合金相の部分が更に存在し、かつ、当該第3合金相の部分には、クラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在し、前記クラック及び前記ピンホールの少なくとも何れかは、前記3元系合金めっき層と前記ブラスめっき層との界面まで達している、[6]又は[7]に記載のめっき鋼線。
[9]前記ブラスめっき層と、前記3元系合金めっき層と、の合計厚みは、100nm〜500nmである、[6]〜[8]の何れか1つに記載のめっき鋼線。
[10]前記鋼線は、引張強度が3200MPa以上の鋼線である、[1]〜[9]の何れか1つに記載のめっき鋼線。
[11][1]〜[10]の何れか1つに記載のめっき鋼線からなるスチールコード。
[12][1]〜[10]の何れか1つに記載のめっき鋼線が複数束ねられた撚り線からなる、スチールコード。
[13]ゴム中に、[11]又は[12]に記載のスチールコードが埋設された、ゴム−スチールコード複合体。
以上説明したように本発明によれば、生産性及び伸線加工性を低下させず、Co塩を配合しないゴムとの接着性に優れ、かつ、時間経過に伴う接着強度の劣化が抑制されためっき鋼線、スチールコード及びゴム−スチールコード複合体を実現することができる。
本発明の実施形態に係るめっき鋼線を鋼線の径方向に切断した場合の断面構造を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係るめっき鋼線を鋼線の長軸方向に切断した場合の部分断面構造を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係るめっき鋼線を鋼線の径方向に切断した場合の断面構造を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係るめっき鋼線を鋼線の長軸方向に切断した場合の部分断面構造を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係るめっき鋼線を鋼線の長軸方向に切断した場合の部分断面構造を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係るめっき鋼線を鋼線の長軸方向に切断した場合の部分断面構造を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係るめっき鋼線の製造プロセスの一例を模式的に示した説明図である。 同実施形態に係るめっき鋼線の製造プロセスの他の一例を模式的に示した説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
以下で詳述する本発明の実施形態は、スチールコードなど、タイヤを始めとする各種ゴム製品の補強材に使用される、表面にめっき処理が施された鋼線に関し、ゴムとの接着性に優れためっき鋼線に関するものである。
(本発明者らによる検討内容について)
本発明の実施形態に係るめっき鋼線及びゴム−スチールコード複合体について詳細に説明するに先立ち、本発明者らが実施した検討の内容について、まず説明する。
タイヤ中には、表面にブラスめっきが施されためっき鋼線からなるスチールコードが埋設されている。タイヤが使用されると、タイヤの発熱による温度の影響で、時間の経過とともに、ブラスめっきに含まれるCuがゴム側へ拡散して、接着層が厚くなる。また、接着層中のCuがゴム側へと拡散し、Cu硫化物のCu硫化物の組成がCuSに近づくために、接着強度が低下する。接着強度は、Cu硫化物の組成に依存し、CuSに近いほど接着強度が高く、CuSに近い組成では、接着強度は低下すると考えられている。
本発明者らは、スチールコードのブラスめっきの厚みが、ゴムとの接着強度の経年劣化に及ぼす影響について検討を行った。まず、ブラスめっきが薄い場合は、スチールコードとゴムとの接着強度が高く、ゴムとの界面に生成する接着層は、厚みが薄く、また、組成がCuSに近いCu硫化物であることがわかった。一方、ブラスめっきが厚い場合は、接着強度が低く、接着層は厚く、組成はCuSに近いことがわかった。
ブラスめっきの厚みによって、スチールコードとゴムとの界面に生成する接着層の厚み及び組成が変化するメカニズムについては、必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。加硫時には、ブラスめっきとゴムとの界面で、ブラスめっき中のCuとゴム中のSが反応し、CuSが形成される。ブラスめっきが薄い場合は、めっきからのCuの供給が少ないためCuの拡散が抑制され、接着層が成長せず、組成も変化し難い。一方、ブラスめっきが厚い場合は、めっきからのCuの供給が多いためCuの拡散が促進され、接着層が成長し、また、接着層からゴムへのCuの拡散によって、組成がCuSに近くなる。
ブラスめっきとゴムとの界面の接着層の厚みについては、ある一定の厚み以上になると接着強度が飽和すると考えられる。従って、ブラスめっきを薄くすることで接着強度の経年劣化が抑制される理由は、接着層の組成がCuSに近い状態で維持されるためであると考えられる。なお、Zn硫化物も接着強度を発現するものの、その接着強度はCu硫化物の50〜70%程度である。更に、ブラスめっきでは、Cu濃度が低下してZn濃度が高くなるため、耐食性が低下し、酸化膨張によってめっきと接着層との接着強度も低下する。
これらの結果に基づいて、本発明者らは、スチールコードなどの極細めっき鋼線とゴムとの接着強度の経年劣化を抑制する方法を検討した。まず、極細めっき鋼線とゴムとの接着強度を高めるためには、接着層の組成をCuSにすることが重要である。そのため、ゴムと接触するめっきの組成は、Cu濃度が高いほど好ましいと考えられる。
また、ブラスめっき中のCuが何の制約もなくゴム中に拡散してしまう場合には、先だって言及したように、ブラスめっきの接着強度が低下してしまう。そのために、ブラスめっき中のCuのゴム中への拡散を、ある程度抑制することが重要となる。そこで、本発明者らは、Cuのゴム中への拡散をある程度抑制する一方で、接着強度を保持できる程度にCuをゴム中へと拡散させることが可能な方法について鋭意検討を行い、以下で詳述する本発明を完成させた。
(めっき鋼線について)
上記検討結果に基づき完成された、本発明の実施形態に係るめっき鋼線について、以下で、図1〜図5Bを参照しながら詳細に説明する。
図1及び図3は、本実施形態に係るめっき鋼線を鋼線の径方向に切断した場合の断面構造を模式的に示した説明図であり、図2、図4、図5A及び図5Bは、本実施形態に係るめっき鋼線を鋼線の長軸方向に切断した場合の部分断面構造を模式的に示した説明図である。
<めっき鋼線の概略>
本発明の実施形態に係るめっき鋼線1は、図1及び図2に模式的に示したように、鋼線(例えば、極細鋼線など)11の表面上に、所定の合金からなる合金めっき層を設けためっき鋼線(例えば、極細めっき鋼線)である。なお、図1以下に示す図面では、図面作成の便宜上、鋼線11の表面に存在しうる凹凸を図示していない。
合金めっき層は、加硫時及び使用時に、Cuの過度の拡散を防止する拡散防止層として機能する層である。かかる層は、鋼線11の上層に位置し、Fe、Co、Cr、Nb、V及びMoからなる群(以下、この群を構成する元素をまとめて、「X」と表記することもある。)より選択される少なくとも何れかの元素と、Znと、Cuと、の合金めっきを含む3元系合金めっきを含有している。以下では、拡散防止層として機能するこのめっき層を、3元系合金めっき層13と称することとする。
ここで、3元系合金めっき層13に含まれる元素群Xは、Cuと金属間化合物を生成しにくい元素で構成されている。一方で、ブラスめっきが一般的に存在することからもわかるように、CuはZnとは金属間化合物を生成しやすい。従って、3元系合金めっき層13は、図1及び図2に示したような単層のめっき層であるが、主に元素群Xに含まれる元素の単金属もしくは合金とZnとからなる第1合金相と、主にZn及びCuを主成分とする合金からなる第2合金相と、が少なくとも存在する。また、かかる3元系合金めっき層13には、主に元素群Xに含まれる元素の単金属もしくは合金、Zn及びCuを主成分とする合金からなる第3合金相が更に存在していてもよい。
3元系合金めっき層13中に、上記の第1合金相及び第2合金相という少なくとも2種類の合金相が存在することで、Zn及びCuを主成分とする第2合金相は、Cuをゴムへと拡散させる拡散経路として機能する一方で、元素群Xに含まれる元素の単金属もしくは合金とZnとからなる第1合金相は、Cuのゴムへの拡散を抑制する拡散防止壁として機能するようになる。そのため、本実施形態に係るめっき鋼線1では、Cuのゴム中への拡散をある程度抑制する一方で、接着強度を保持できる程度にCuをゴム中へと拡散させることが可能となる。
また、本実施形態に係るめっき鋼線1において、3元系合金めっき層13中の第2合金相の粒界や第3合金相の粒界は、ゴムとの加硫反応が進行しうる反応箇所となって、ゴムとの接着点となり、ゴムとの間で優れた密着性を示すようになる。
また、本実施形態に係るめっき鋼線1では、3元系合金めっき層13中に、Feよりも卑な金属であるZnが含有されているため、Znによる犠牲防食能が発揮される。従って、本実施形態に係るめっき鋼線1は、優れた耐食性を示すようになる。
なお、本実施形態に係る3元系合金めっき層13中には、上記のような各種合金相以外に、各種の不純物が含有されている場合がある。ここで、3元系合金めっき層13中に含まれうる不純物としては、例えば、B、C、O、F、Al、Si、P、S、Cl、Ti、Co、Ni、Zr、Sn、Ag、W、Pb等を挙げることができる。3元系合金めっき層13中に存在する上記元素の含有量が、全めっき質量に対して0.1質量%以下である場合、又は、3元系合金めっき層13中に存在する上記元素の合計含有量が1.0質量%以下である場合であれば、性能に影響を及ぼさない。
かかる3元系合金めっき層13の厚みは、例えば、20nm〜400nm程度とすることが好ましく、3元系合金めっき層13の平均厚みは、例えば、20nm〜150nm程度とすることが好ましい。
更に、本実施形態に係るめっき鋼線1では、図3及び図4に模式的に示したように、鋼線11と3元系合金めっき層13との間に、Zn及びCuを主成分とするブラスめっき層15が存在していてもよい。ブラスめっき層15が存在する場合、ブラスめっき層15中のZnも犠牲防食能を発揮するため、ブラスめっき層15を有するめっき鋼線1は、より優れた耐食性を示すようになる。
更に、ブラスめっき層15が存在している場合、3元系合金めっき層13中の第2合金相や第3合金相の粒界に加えて、これら粒界とブラスめっき層15との界面についても、ゴムとの加硫反応が進行しうる反応箇所となる。従って、更にブラスめっき層15を有するめっき鋼線1は、ゴムとの接着点がより多く存在することとなり、ゴムとの間でより優れた密着性を示すようになる。
かかるブラスめっき層15が存在する場合に、ブラスめっき層15の厚みは特に規定するものではないが、鋼線11の表面に存在する凹凸を被覆するための厚みを有していることが好ましく、平均厚みが30〜250nm程度であることが好ましい。
また、本実施形態に係るめっき鋼線1において、ブラスめっき層15が存在する場合、3元系合金めっき層13とブラスめっき層15との合計の厚み(各層の平均厚みの合計)は、200nm〜400nm程度であることが好ましい。
なお、上記のような3元系合金めっき層13やブラスめっき層15は、元素群X、Cu、Zn、Feの各元素の含有量の範囲から特定することが可能である。具体的には、本実施形態において3元系合金めっき層13とは、めっき鋼線1の合金めっき層の表層から深さ方向に沿って各元素の含有量(単位:質量%)を積算した際に、積算したX、Zn、Cuの平均値がそれぞれ10質量%以上となる範囲とすることができる。また、ブラスめっき層15とは、3元系合金めっき層13として定めた範囲の最も鋼線11に近い位置から各元素の含有量を測定し、積算した測定元素の平均値として、Cuが50質量%以上の値となり、かつ、Feが50質量%以下の値となる範囲とすることができる。なお、かかるブラスめっき層15において、Cu及びFe以外の金属が、それぞれ10質量%未満存在したとしても、性能に支障はない。
また、3元系合金めっき層13中の第2合金相は、比較的やわらかな合金相であり、本実施形態に係るめっき鋼線1を製造する際に実施される伸線加工において、鋼線11に追従して変形することが可能である。一方で、3元系合金めっき層13中の第1合金相は、硬い合金相であるために、本実施形態に係るめっき鋼線1を製造する際に実施される伸線加工において、鋼線11に追従して変形することができない。その結果、本実施形態に係るめっき鋼線1では、図5A及び図5Bに模式的に示したように、3元系合金めっき層13中の第1合金相の部分には、クラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在しうる。また、ZnとCuとの組成比によっては、第3合金相の部分にも、クラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在しうる。
かかるクラック等の深さは、図5A及び図5Bに模式的に示したように、3元系合金めっき層13の内部で留まっている場合もあれば、3元系合金めっき層13と鋼線11との界面、又は、3元系合金めっき層13とブラスめっき層15との界面まで達している場合もある。
3元系合金めっき層13中に、上記のようなクラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在する場合、かかるクラックやピンホールの側面も、ゴムとの加硫反応が進行しうる反応箇所となる。従って、3元系合金めっき層13中にクラック等が存在する場合には、本実施形態に係るめっき鋼線1は、ゴムとの接着点がより一層多く存在することとなり、アンカー効果によってゴムとの間でより一層優れた密着性を示すようになる。
上記のような3元系合金めっき層13及びブラスめっき層15の形成方法について、めっき鋼線1が3元系合金めっき層13とブラスめっき層15の双方を有する場合を例に挙げて簡単に説明する。この場合、3元系合金めっき層13及びブラスめっき層15の形成方法としては、以下の2つの方法がある。第1の方法は、鋼線11の表面上に、Cuめっき、Znめっき、及び、元素群Xに含まれる元素によるめっき(以下、かかるめっきを、「Xめっき」とも称することとする。)を順に実施した後、熱処理を実施することで、これらめっき層を合金化し、ブラスめっき層15と、3元系合金めっき層13と、を形成する方法である。一方、第2の方法は、鋼線11の表面上に、Cuめっきと、Znと元素群Xとの合金めっき(以下、かかるめっきを、「Zn−Xめっき」とも称することとする。)と、を順に実施した後、熱処理を実施することで、これらめっき層を合金化し、ブラスめっき層15と、3元系合金めっき層13と、を形成する方法である。上記のような各めっきの実施方法については、特に限定されるものではなく、電気めっき、溶融めっき、蒸着めっきなど、公知のめっき方法を利用することが可能である。
本実施形態では、上記のような3元系合金めっき層13及びブラスめっき層15を、熱処理による相互拡散により形成するため、形成された3元系合金めっき層13では、元素群XとCuとが、3元系合金めっき層13中で偏在するようになる。
なお、先ほど言及したように、本実施形態に係る3元系合金めっき層13に含有される元素群Xの金属は、Cuとの金属間化合物をつくりにくい。そのため、伸線によって熱が生じたときにCuとの金属間化合物が形成されることによる剥離が、発生しにくくなる。Cuを含む金属間化合物の生成に起因するめっき剥離により、地鉄の露出やCu量の低減が起き、密着性が低下する。従って、本実施形態に係るめっき鋼線1では、かかるめっき剥離の発生が抑制されているために、めっき層の密着性が向上する。
<めっき鋼線の詳細>
以下、本実施形態に係るめっき鋼線1について、更に詳細に説明する。
本実施形態に係るめっき鋼線1の線径は、しなやかさを得るために、0.4mm以下とすることが好ましい。これは、線径が0.4mmより太くなり、しなやかさが低下すると、タイヤのゴム補強材に使用した場合に、自動車の乗り心地が低下するためである。従って、めっき鋼線1の線径は、0.4mmを上限とする。一方、線径を細くしすぎると、製造工程が長くなり、また、最終製品の生産性も低下するために、製造に時間とコストがかかる。このため、めっき鋼線1の線径の下限を、0.1mm以上とすることが好ましい。めっき鋼線1の線径は、より好ましくは、0.17mm〜0.34mmである。
また、本実施形態に係るめっき鋼線1の強度(換言すれば、素材となる鋼線11の強度)は、補強効果を得るために、3200MPa以上の引張強度を有すること好ましい。鋼線の成分は、特に限定されるものでないが、強度を確保するため、C含有量が0.7質量%〜1.0質量%であることが好ましい。また、鋼線11の金属組織は、強度を確保するため、伸線加工されたパーライトであることが好ましい。なお、鋼線の引張強度は、フィラメントの場合はJIS Z2241(1998年)に準拠した引張試験によって、測定することができる。
鋼線11(例えば、極細鋼線)の表面上には、図1〜図5Bに模式的に示したように、3元系合金めっき層13が設けられ、更に、鋼線11と3元系合金めっき層13との間にブラスめっき層15が設けられる場合もある。
拡散防止層として機能する3元系合金めっき層13は、Cuの拡散を適度に抑制するものである。特に、接着強度の経年劣化を抑制するためには、Cuの拡散を防止することが重要である。そのため、拡散防止層である3元系合金めっき層13は、伸線加工による発熱やその後製品として使用する環境において、Cuと反応し難く、合金層の形成が抑制される元素を含有することが重要である。そのため、本実施形態に係る3元系合金めっき層13は、Cuと金属間化合物を形成しないような元素群X(Fe,Co,Cr,Nb,V,Mo)の金属単体、又は、元素群Xの少なくとも二種以上の元素を主体とする合金を含有する。
かかる3元系合金めっき層13は、先だって簡単に言及したように、複数のめっき(すなわち、Cuめっき/Znめっき/Xめっき、又は、Cuめっき/Zn−X合金めっき)を順に実施した後に、熱処理により各元素を相互拡散させることで、形成される。この際、複数のめっきが完全に相互拡散した場合には、本実施形態に係るめっき鋼線1は、図1及び図2に模式的に示したように、鋼線11上に3元系合金めっき層13のみを有するようになり、Cuめっき及びZnめっきの一部が完全に相互拡散せずに残存した場合には、図3及び図4に模式的に示したように、鋼線11上にブラスめっき層15及び3元系合金めっき層13を有するようになる。
また、このような生成機構により3元系合金めっき層13が生成されることで、3元系合金めっき層13中には、主に元素群Xに含まれる元素の単金属もしくは合金とZnとからなる第1合金相と、主にZn及びCuを主成分とする合金からなる第2合金相と、が存在するようになり、元素群Xに含まれる元素の単金属もしくは合金とZnとCuとからなる第3合金相が存在する場合もある。なお、第1合金相、第2合金相、及び、第3合金相の有無は、TEM−EDX、SEM−EDX、空間分解能の高い電子線マイクロアナライザ(Electron Probe Micro Analyzer:EPMA)等で分析することによって確認することが可能である。
これにより、本実施形態に係る3元系合金めっき層13では、かかる第2合金相(場合によっては、第2合金相及び第3合金相)が、Cuの拡散経路として機能し、かかる合金相を介してCuが緩やかに拡散する。一方で、元素群Xは、融点以下の固相でのCuとの合金化がほとんど生じずに、Cuの拡散が生じづらい。そのため、元素群Xを含む第1合金相は、Cuの拡散を抑制する拡散防止壁として機能し、Cuの拡散反応が抑制される。その結果、本実施形態に係るめっき鋼線1では、CuSの粗大粒生成が抑制される。また、3元系合金めっき層13中に、上記のような第1合金相及び第2合金相(場合によっては、更に第3合金相)が存在することで、第2合金相の結晶粒界や、第3合金相の結晶粒界がゴムとの接着点となり、また、硬化後にクラック等が生じた場合には更にアンカー効果が得られ、物理的な密着性に寄与する。
また、上記のような形成方法により、積層された複数のめっきから3元系合金めっき層13が形成されるため、形成された3元系合金めっき層13では、元素群XとCuとが偏在することとなる。その結果、3元系合金めっき層13の表面では、元素群Xの分布及びCuの分布に、ばらつきが生じるようになる。3元系合金めっき層13の表面におけるCuの面積率が、本実施形態に係るめっき鋼線1におけるゴムとの間の初期の密着性に寄与することとなる。また、3元系合金めっき層13の全体における元素群XとCuとの質量比及び3元系合金めっき層13の厚みが、ゴムとの間の長期的な密着性に寄与することとなる。更に、3元系合金めっき層13におけるZn量が、疲労強度に寄与することとなる。
ここで、ゴムとの初期の密着性を高めるために、3元系合金めっき層13の表面におけるCuは、3元系合金めっき層の表面積に対して、面積率15%〜70%の範囲内で露出している。かかるCuの面積率は、更に好ましくは、40%〜70%の範囲内である。
また、ゴムとの長期の密着性を高めるために、3元系合金めっき層13全体におけるX元素の含有量は、10質量%〜40質量%である。
また、鋼線の疲労強度を高めるために、3元系合金めっき層13におけるZn量(Znの含有量)は、15質量%〜70質量%であることが好ましい。3元系合金めっき層13におけるZn量が15質量%未満である場合には、Znが鋼材の腐食抑制に寄与せずに、疲労強度が改善しない可能性がある。また、3元系合金めっき層13におけるZn量が70質量%を超える場合には、CuやX元素の比率が低くなり、ゴムと鋼線との初期の密着性、及び、長期の密着性が低下する、Znの腐食生成物が多くなりすぎてゴムとの密着性を低下させる、などの問題が生じる可能性がある。3元系合金めっき層13におけるZn量は、更に好ましくは、30質量%〜60質量%である。
ここで、3元系合金めっき層13では、第2合金相や第3合金相を介して、Cuと、その後流し込まれるゴムと、が良好に接触することが好ましい。そのため、3元系合金めっき層13の平均厚みは、150nm以下とすることが好ましい。一方で、必要以上のCuの拡散を防止するために、3元系合金めっき層13の平均厚みは、20nm以上とすることが好ましい。3元系合金めっき層13の平均厚みは、更に好ましくは、50nm以上150nm以下である。
また、鋼線11と3元系合金めっき層13との間に存在しうるブラスめっき層15は、鋼線11の地鉄とめっきとの密着性を高め、鋼線11の表面の凹凸を平滑化し、特に、凸部での局部的な鉄の露出を抑制して、粗大なFe露出部の生成をより一層防止するものである。
そのため、かかるブラスめっき層15を設ける場合、ブラスめっき層15の平均厚みは、30nm以上とすることが好ましい。一方、ブラスめっき層15は、厚くなりすぎるとめっき密着性が低下することから、平均厚みを250nm以下とすることが好ましい。ブラスめっき層15の厚み(平均厚み)は、より好ましくは、50nm以上150nm以下である。
更に、本実施形態に係るめっき鋼線1において、3元系合金めっき層13とブラスめっき層15の合計厚み(各層の平均厚みの合計)は、100nm〜500nmであることが好ましい。合計厚みを上記の範囲内とすることで、伸線や加工後のめっき剥離がより生じにくく、長期のゴム密着性がより優れたものとなる。3元系合金めっき層13とブラスめっき層15の合計厚みは、より好ましくは、150nm〜400nmであり、更に好ましくは、180nm〜300nmである。
3元系合金めっき層13やブラスめっき層15を形成するための各種めっき方法であるが、特に限定されるものではなく、溶融めっき、電気めっき、蒸着めっきなど、公知のめっき方法を利用することが可能である。鋼線へのCuめっきは、一般的に電気めっきで行うことが多いため、Znめっき、及び、元素群XによるXめっきの形成についても、電気めっきで行うことが好ましい。
なお、先だって図5A及び図5Bを参照しながら言及したように、本実施形態に係るめっき鋼線1では、伸線処理により、3元系合金めっき層13にクラックやピンホールなどの欠陥部が発生しうる。また、場合によっては、かかる欠陥部が3元系合金めっき層13のみならずブラスめっき層15にまで到達したり、ブラスめっき層15及び3元系合金めっき層13の一部が剥離したりして、鋼線11のFeが露出してしまっている部分が存在しうる。
なお、本実施形態に係るめっき鋼線(例えば、極細めっき鋼線)1の3元系合金めっき層13、及び、ブラスめっき層15の平均厚みは、伸線加工前の3元系合金めっき層13、及び、ブラスめっき層15の平均厚みと、熱処理条件及び加工度と、によって制御することができる。また、伸線加工前の3元系合金めっき層13、及び、ブラスめっき層15の平均厚みは、電気めっき法の場合、電気めっきの電流密度及び通線速度などによって調整することができ、溶融めっき法の場合、浸漬時間及びワイピング条件などによって調整することができる。また、伸線加工前の3元系合金めっき層13、及び、ブラスめっき層15の平均厚みは、蒸着めっき法の場合、真空度及び蒸着源の加熱条件などによって調整することができる。
<各種測定方法>
ここで、本実施形態に係るめっき鋼線1における3元系合金めっき層13の平均厚み、及び、ブラスめっき層15の平均厚みは、めっき鋼線1の断面SEM像又はTEM像から測定することが可能である。より詳細には、めっき鋼線1の長軸方向1cm以上の範囲について、3か所以上の径方向の各断面を、SEM又はTEMを用いて観察する。各断面において5点以上で測定を実施し、得られた15個以上の測定値を平均することで、平均厚みを算出することができる。なお、測定倍率は、二万倍以上とする。
めっき鋼線1における各めっき層中の各元素の含有量は、以下のようにして測定することが可能である。すなわち、めっき鋼線1を、クロスセクションポリッシャ(Cross section Polisher:CP)、又は、集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)で加工して断面試料を作製する。その上で、得られた断面試料を、TEM−EDX、SEM−EDX、空間分解能の高い電子線マイクロアナライザ(Electron Probe Micro Analyzer:EPMA)等で分析すればよい。この際、得られた試料について、径方向に1断面以上測定するものとし、1つの断面あたり3か所以上の測定点を設け、得られた測定値を平均したものを、各元素の含有量とする。先だって言及したように、Cu,Zn,Xの含有量が、それぞれ10質量%以上検出された領域を、3元系合金めっき層13とすることができ、Cuが50質量%以上の値で検出され、かつ、Feが50質量%以下の値で検出されており、Cu及びFe以外の金属がそれぞれ10質量%未満存在しうる領域を、ブラスめっき層15とすることができる。
めっき層全体の組成は、めっき層全体を溶解した溶液を準備し、得られた溶液を、ICP(誘導結合プラズマ発光分光分析)又は原子吸光分析により分析することで特定可能である。
めっき鋼線1の表面におけるCuの面積率を測定するためには、AES(オージェ電子分光法)でのマッピング測定を用いればよい。得られたCuの測定結果を二値化し、測定面積における面積率を算出する。この際、倍率は5000倍以上とし、測定面積は20×20μmの範囲とする。その上で、鋼線の長軸方向に3か所以上測定したときの平均値を、Cuの面積率として扱う。
(めっき鋼線の製造方法について)
次に、図6A及び図6Bを参照しながら、本実施形態に係るめっき鋼線(例えば、極細めっき鋼線)1の製造方法について、電気めっき法を用いる場合を例に挙げて、説明する。図6Aは、本実施形態に係るめっき鋼線の製造プロセスの一例を模式的に示した説明図であり、図6Bは、本実施形態に係るめっき鋼線の製造プロセスの他の一例を模式的に示した説明図である。
本実施形態に係るめっき鋼線の製造方法では、図6A及び図6Bに模式的に示したように、まず、線径が3mm〜5.5mm程度である鋼線を熱間圧延によって製造し、デスケーリングを行った後に、かかる鋼線を線径1mm〜3mmまで伸線加工(乾式伸線加工)し、コイル状に巻き取る。次に、コイル状に巻き取られた線径1〜3mmの鋼線を繰り出しながら、かかる鋼線に対し、必要に応じてパテンティング熱処理を行った後、めっき処理と熱処理とを施す。かかる電気めっき及び熱処理は、後述のように、3元系合金めっき層13やブラスめっき層15を形成するための処理である。かかるめっき処理及び熱処理が施された鋼線を、再びコイル状に巻き取る。続いて、コイル状に巻き取られた鋼線を繰り出しながら、めっき鋼線の線径が0.1mm〜0.4mm程度になるように、伸線加工(湿式伸線加工)を行う。めっき鋼線の引張強さは、伸線加工の加工度によって調整する。
上記めっき処理は、主に電気めっきによって行う。線径1〜3mmの鋼線に熱処理を施して、伸線加工などの影響を除去した上で、図6A及び図6Bに詳細に示したように、酸洗、脱脂などの前処理を行う。その後、図6Aに示したプロセスでは、電気めっきにより、Cuめっき、Znめっき及び元素群X(Fe,Co,Cr,Nb,V,Moを一種又は二種以上組み合わせたもの)によるXめっきを順に実施する。一方で、図6Bに示したプロセスでは、電気めっきにより、Cuめっき、及び、Zn−X合金めっきを順に実施する。
その後、鋼線11上に形成された(Cuめっき/Znめっき/Xめっき)又は(Cuめっき/Zn−Xめっき)を合金化するための熱処理を実施する。かかる熱処理が実施されることで、鋼線11上に形成された(Cuめっき/Znめっき/Xめっき)又は(Cuめっき/Zn−Xめっき)は、3元系合金めっき層13やブラスめっき層15となり、3元系合金めっき層13中では、含有される元素の偏在化が生じる。
かかる熱処理では、赤外炉加熱、通電加熱、高周波加熱などの公知の加熱方法により、めっき鋼線を450℃〜600℃程度まで昇温し、0.5秒〜10秒の範囲内で温度を保持することが好ましい。保持温度及び保持時間は、より好ましくは、470℃〜550℃、0.5秒〜5秒である。保持温度が低いか、又は、保持時間が短すぎる場合には、Cuが十分表面まで拡散してこないため、ゴムとの十分な密着性能が発現しないことがある。また、保持温度が高いか、又は、保持時間が長すぎる場合には、鉄の軟化やZnなどが地鉄との合金層をつくるなどして、鋼線の強度、めっきの加工後密着性低下、腐食疲労強度低下の原因となることがある。
昇温速度は、特に規定するものではないが、例えば100℃/秒〜300℃/秒程度であることが、生産性や組成制御の観点から好ましい。また、加熱後の冷却条件についても特に規定するものではないが、めっき表面に酸化物が多く発生するとゴムとの密着性低下の原因になるため、好ましくは、窒素、水素−窒素、真空雰囲気などで100℃程度まで冷却する、又は、水冷や空冷によって高温状態にある時間を短縮する、等の処理を行うことが好ましい。
なお、伸線加工前の3元系合金めっき層13やブラスめっき層15の平均厚みは、電気めっきの電流密度及び通線速度によって調整することができる。
ここで、めっき密着性をより一層確保するために、熱処理後にブラスめっき層15が存在するようにし、かつ、熱処理後かつ伸線加工前のブラスめっき層15の平均厚みを30nm以上にすることが好ましい。また、湿式伸線加工でのめっき剥離を防止するためには、熱処理後かつ伸線加工前のブラスめっき層15の平均厚みの上限を、3μmとすることが好ましい。
また、めっき鋼線とゴムとの接着強度の経年劣化を防止するため、熱処理後かつ伸線加工前の3元系合金めっき層13の平均厚みを、50nm以上とすることが好ましい。一方、元素群Xは硬質なものも多く、伸線加工後に3元系合金めっき層13を残留させるために、厚くしすぎないことが好ましい。そのため、熱処理後かつ伸線加工前の3元系合金めっき層13の平均厚みの好ましい上限は、1000nmである。
以上、本実施形態に係るめっき鋼線1の製造方法について、簡単に説明した。
(スチールコードについて)
以上説明したような、本実施形態に係るめっき鋼線1を、タイヤなどに適用する場合は、タイヤの走行性能にあわせて、本実施形態に係るめっき鋼線1を単独で用いたり、適宜複数本撚り合わせたりして、スチールコードとする。めっき鋼線1を複数本撚り合わせることにより単独のめっき鋼線1を用いる場合に比べて、強度を増すことができ、さらに撓みや変形に対する強靭さを備えることができる。
(ゴム−スチールコード複合体について)
上述したスチールコードを、ゴムとカーボンブラック、硫黄、酸化亜鉛、その他各種添加剤を配合した原材料を練ったシート状ゴムに挟み込んで、補強ベルト構造とする。その後、タイヤ構成部材を貼り合わせてグリーンタイヤとしたものを加硫機にセットし、プレス及び加熱し、ゴムの強度を発現するための架橋と同時にゴムとめっき鋼線との接着を行う。これにより、タイヤに代表されるようなゴム−スチールコード複合体を製造することが可能となる。
上述しためっき鋼線1、又は、上述したスチールコードが埋設されるゴム組成物の種類は特に限定されるものではなく、例えば、一般に公知の天然ゴムや合成ゴムを単独で、又は、2種以上を混合して使用することができる。合成ゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のジエン系ゴムや、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、クロロスロホン化ポリエチレン、アクリルゴム等のオレフィン系ゴムや、ウレタンゴムや、フッ素ゴムや、多硫化ゴムなどを用いることができる。
また、上記ゴム組成物には、ゴムの性能を向上・調整するためにゴム業界で通常使用される配合剤を通常の配合量で適宜配合することができる。具体的には、配合剤としては、例えば、カーボンブラックやシリカ等の充填剤、アロマオイル等の軟化剤、ジフェニルグアニジン等のグアニジン類、メルカプトベンゾチアゾール等のチアゾール類、N,N’−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム類などの加硫促進剤、酸化亜鉛等の加硫促進助剤、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2一ジヒドロキノリン)、フェニル−α−ナフチルアミン等のアミン類などの老化防止剤等を挙げることができる。なお、本実施形態においては、このようなゴム業界で通常使用される配合剤がゴム中に共存していた場合であっても、鋼線11の防食と3元系合金めっき層13の腐食の抑制とを両立させることができる。
更に、上述しためっき鋼線1、又は、上述したスチールコードにおいては、3元系合金めっき層13とゴムとの間に、耐食性や伸線加工性を更に向上させるための別の皮膜や、めっき鋼線1又はスチールコードとゴムとの密着性を向上させるための別の皮膜が存在してもよい。このような皮膜としては、所望の特性を有する皮膜であれば特に限定されないが、例えば、Cu皮膜、Sn皮膜、Cr皮膜及びこれらの合金や、リン酸塩皮膜やクロメート皮膜やシランカップリング剤や有機樹脂皮膜等を挙げることができる。また、これら皮膜に限らず他の公知の皮膜を適用することもできる。また、必要に応じて、上述した皮膜を2種以上組み合わせた多層膜を適用することも可能である。
上記有機樹脂皮膜の樹脂成分としては、例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、メラミンアルキッド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム系樹脂、合成ゴム系樹脂などが利用可能である。このとき、3元系合金めっき層13等への密着性を向上させるために、上記各種の樹脂に対してシラノール基などを導入してもよい。また、樹脂層の形成には、これらの樹脂を単独で使用してもよいし、これら樹脂の混合物を使用してもよく、これら樹脂の積層構造を形成してもよい。更に、これら樹脂の特性を改善するために、顔料等を含んでも良い。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下に示す実施例に記載の内容により、本発明の内容が制限されるものではない。
以下の表1に示す成分を有する鋼を熱間圧延し、線径が5.5mmの鋼線を製造した。得られた鋼線を酸洗してスケールを除去した後、石灰処理を行い、ステアリン酸Naを主体とした乾式潤滑剤を用いて線径1.0〜3.0mmまで伸線加工した。得られた鋼線を950℃に加熱して75秒間保持し、金属組織をオーステナイトにした後、570℃の鉛浴に20秒間浸漬するパテンティング処理を行った。
Figure 2018119189
パテンティング処理を行った鋼線に対し、連続して、硫酸による電解酸洗とアルカリ溶液による電解脱脂とを施し、ピロリン酸銅めっきを行った。その後、Znを電気めっきによりめっきし、その上層に元素群Xに含まれるFe、Co、Cr、Nb、V、Moを一種又は二種以上組み合わせた、何れかのめっきを行い、合金化処理をし、伸線加工後に巻き取った。あるいは、パテンティング処理を行った鋼線に対し、Zn−Xとなるようにめっきを行い、合金化処理をし、伸線加工後に巻き取った。いずれの場合においても、加工後の線径が約0.2mmとなるように、湿式潤滑剤を用いた湿式伸線により伸線加工を行った。
なお、Zn,Fe,Co,Crめっき、及び、Zn−X(Fe,Co,Cr)合金めっきは、電気めっきにより実施した。また、Nb,V,Moめっきは、蒸着により実施した。
熱処理、湿式潤滑剤を用いた湿式伸線によりに得られためっき鋼線から試料を採取し、3元系合金めっき層13、及び、ブラスめっき層15の平均厚みを、断面FE−SEM像から測定した。また、めっき中の各組成は、FE−SEM、EPMAにより測定した結果から、上記の方法により算出した。更に、オージェ電子分光法を用い、上記の方法により、Cuの面積率を測定した。得られた結果を、以下の表2に示した。
比較のために、下層を形成せずに、鋼線に直接Cuめっき、Znめっき及び拡散熱処理によって、平均厚さが230nmであり、かつ、Cu濃度が63質量%であるブラスめっきを設けためっき鋼線を製造した。下層のめっき組成及びめっき厚さは、めっき鋼線から試料を採取して、CPにて断面試料を作製し、FE−SEM−EDXにて観察及び測定することで特定した。
また、表2に示した各めっき鋼線4本を、5mmのピッチで撚り合わせてスチールコードとした。かかるスチールコードを金型にセットして、表3に示すゴム組成物に埋め込み、160℃で30分加熱するホットプレスにより加硫処理を行ってゴム−スチールコード複合体を製造し、接着性評価用試料とした。
これらの試料を用いて、初期の接着強度(初期接着強度)及び接着強度の経時による劣化(経年劣化)を評価した。初期接着強度は、引張試験装置でコードをゴムから引き抜いた時の引抜力を測定し、最大引抜力で評価した。また、接着強度の経年劣化は、試料を80℃の純水に0〜7日浸漬した後、初期接着強度と同様にして、コードをゴムから引き抜いた時の最大引抜力として評価した。なお、初期接着強度及び経年劣化は、比較のために製造したブラスめっき鋼線の初期接着強度を100とし、これに対する指数で評価した。具体的には、本試験において、経年劣化が、2日で指数50以上、又は、5日で指数30以上であったものを合格とした。
以下の表2に、ゴム組成物のCo塩の有無(ゴム種類)、めっき鋼線とゴムとの初期接着強度及び経年劣化の0〜7日浸漬による評価結果を、あわせて示した。
また、得られた線について、応力負荷方式の回転曲げ疲労試験により曲率部先端を0.1%NaCl水溶液中に20mm浸漬させ、回転数3000rpmで耐腐食疲労試験を行うことで、腐食疲労を評価した。腐食疲労の評価は、ブラスめっきしためっき鋼線の破断までの回転数を寿命とし、その寿命(基準材)を100としたときの指数で表した。具体的には、指数100以下をCと評価し、指数101〜129をBと評価し、指数130以上をAと評価し、評点B以上を合格とした。
Figure 2018119189
Figure 2018119189
上記表2から明らかなように、本発明に係るめっき鋼線は、生産性及び伸線加工性を低下させることなく、Co塩を配合しないゴムとの接着性に優れ、かつ、時間経過に伴う接着強度の劣化を抑制可能であることがわかった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明に係るめっき鋼線は、かかるめっき鋼線を用いてゴムとの複合体を製造した際に、ゴムと補強材とが強固に接着され、時間が経過してもその接着強度の低下が著しく小さいために、ゴム製品の強度を高く維持可能である。従って、本発明に係るめっき鋼線は、タイヤコード及びビードワイヤだけでなく、ゴムホースやベルトの補強材として使用することが可能であり、産業上の利用可能性が極めて高い。
1 めっき鋼線
11 鋼線
13 3元系合金めっき層
15 ブラスめっき層

Claims (13)

  1. 鋼線の表面上に位置し、Fe、Co、Cr、Nb、V及びMoからなる群より構成される元素群より選択される少なくとも何れかの元素と、Znと、Cuと、の合金めっきを含む3元系合金めっき層を備え、
    前記3元系合金めっき層中では、前記元素群より選択される少なくとも何れかの元素と前記Znとからなる第1合金相の部分と、前記Cu及び前記Znを主成分とする第2合金相の部分と、が少なくとも存在しており、
    前記3元系合金めっき層の表面において、前記Cuの面積率は、前記3元系合金めっき層の表面積に対して、15%〜70%の範囲内であり、
    前記3元系合金めっき層中において、前記元素群より選択される少なくとも何れかの元素の全元素に対する質量比は、10%〜40%の範囲内である、めっき鋼線。
  2. 前記3元系合金めっき層における前記第1合金相の部分には、クラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在する、請求項1に記載のめっき鋼線。
  3. 前記3元系合金めっき層の厚みは、20nm〜400nmである、請求項1又は2に記載のめっき鋼線。
  4. 前記3元系合金めっき層には、前記元素群より選択される少なくとも何れかの元素と、前記Znと、前記Cuと、からなる第3合金相の部分が更に存在する、請求項1〜3の何れか1項に記載のめっき鋼線。
  5. 前記3元系合金めっき層における前記第3合金相の部分には、クラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在する、請求項4に記載のめっき鋼線。
  6. 前記3元系合金めっき層と前記鋼線との間に、ブラスめっき層を更に備える、請求項1〜5の何れか1項に記載のめっき鋼線。
  7. 前記3元系合金めっき層における前記第1合金相の部分には、クラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在し、
    前記クラック及び前記ピンホールの少なくとも何れかは、前記3元系合金めっき層と前記ブラスめっき層との界面まで達している、請求項6に記載のめっき鋼線。
  8. 前記3元系合金めっき層には、前記元素群より選択される少なくとも何れかの元素と、前記Znと、前記Cuと、からなる第3合金相の部分が更に存在し、かつ、当該第3合金相の部分には、クラック及びピンホールの少なくとも何れかが存在し、
    前記クラック及び前記ピンホールの少なくとも何れかは、前記3元系合金めっき層と前記ブラスめっき層との界面まで達している、請求項6又は7に記載のめっき鋼線。
  9. 前記ブラスめっき層と、前記3元系合金めっき層と、の合計厚みは、100nm〜500nmである、請求項6〜8の何れか1項に記載のめっき鋼線。
  10. 前記鋼線は、引張強度が3200MPa以上の鋼線である、請求項1〜9の何れか1項に記載のめっき鋼線。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載のめっき鋼線からなるスチールコード。
  12. 請求項1〜10の何れか1項に記載のめっき鋼線が複数束ねられた撚り線からなる、スチールコード。
  13. ゴム中に、請求項11又は12に記載のスチールコードが埋設された、ゴム−スチールコード複合体。
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