JP5582111B2 - 鋼−ゴム複合材料 - Google Patents
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Description
まず、図1を参照しながら、本発明の好適な実施形態に係る鋼−ゴム複合材料の構成について説明する。図1は、本発明の好適な実施形態に係る鋼−ゴム複合材料の断面構造を示す模式図である。
本実施形態に係る亜鉛系めっき鋼線110は、ゴム組成物120と接着されてゴム組成物120の強度を補強する補強材としての役割を有している。そのため、亜鉛系めっき鋼線110の形態は、ゴム組成物120の補強材として使用できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、1本の線材からなるモノフィラメント、複数本のフィラメントを撚り合わせたコード、または、フィラメントを潰した形状のもの等、各種形態のものを用いることができる。
本実施形態に係るめっき層113は、鋼線111の表面に形成された亜鉛(Zn)を主成分とするめっき層である。ここで、本実施形態における「Znを主成分とするめっき層」とは、Zn以外の成分を50質量%未満含有するめっき層のことを意味するが、めっき層113が、Znのみを成分として含んでいてもよい。めっき層113におけるZn以外の成分としては、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ケイ素(Si)等が挙げられ、めっき層113は、Znに加えて、Al、Mg、Si等の成分の1種または2種以上を含有していてもよい。すなわち、めっき層113は、Znと、Al,Mg,Si等との合金めっき層であってもよい。ただし、Znめっきは、伸線時の潤滑性が良く、また、耐食性に優れるとともに、安価でもあるという観点からは、めっき層113は、Znめっきのみからなる層であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物120の種類は、特に限定されず、例えば、一般に公知の天然ゴムや合成ゴムを単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。合成ゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のジエン系ゴムや、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、クロロスロホン化ポリエチレン、アクリルゴム等のオレフィン系ゴムや、ウレタンゴムや、フッ素ゴムや、多硫化ゴムなどを用いることができる。
鋼線111に亜鉛系めっきを施してめっき層113を形成することで亜鉛系めっき鋼線110とし、この亜鉛系めっき鋼線110をシランカップリング剤を含む処理液に浸漬した後に、浸漬後の亜鉛系めっき鋼線110にゴム組成物120を被覆することにより、本実施形態に係るSi濃化層130が、めっき層113とゴム組成物120との間に形成される。なお、鋼線111でなく、ゴム組成物120をシランカップリング剤を用いて処理することも可能ではあるが、ゴム組成物120は、亜鉛系めっき鋼線110と一体化させる前には粘性体であるので、シランカップリング剤が多量に必要となり、コスト的に不利となる。そのため、上述したように、鋼線111をシランカップリング剤を用いて処理することが好ましい。
ここで、図2を参照しながら、シランカップリング剤による亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120との接着メカニズムについて説明する。図2は、シランカップリング剤による亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120との接着メカニズムを示す説明図である。
R−Si(OR’)3+3H2O → R−Si(OH)3+3R’OH
次に、図3、図4A〜図4F、図5A〜図5Eを参照しながら、本発明者らが行った鋼−ゴム複合材料の界面の解析の結果の一例について説明する。図3は、シランカップリング剤をエタノール溶液で10質量%に希釈した溶液に鋼線を10秒浸漬した後に、亜鉛めっきを行い、ゴム組成物を被覆させて製造した本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料のサンプルの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示している。なお、サンプルは(a)、(b)の2種類を用意した。また、図4A〜図4Fは、それぞれ、図3(a)のサンプルの(1)〜(6)の位置において、SEM−EDX分析を行った結果を示している。また、図5A〜図5Eは、それぞれ、図3(b)のサンプルの(1)〜(5)の位置において、SEM−EDX分析を行った結果を示している。
上記のような検討に基づき、本実施形態に係るSi濃化層130を、めっき層113とゴム組成物120との間に位置し、且つ、Si濃度が高い層と定義する。具体的には、Si濃化層130は、Si濃度が5質量%以上の層である。Si濃化層130のSi濃度が5質量%未満であると、亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120との接着強度が不十分となり、鋼−ゴム複合材料100の成形や加工等の際に、亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120とが剥離してしまうおそれがある。このSi濃化層130のSi濃度の上限は特に規定しないが、亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120との接着強度の向上効果が飽和し、コスト的に不利になることから、Si濃化層130のSi濃度は、80質量%以下であることが好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態に係る鋼−ゴム複合材料100の構成について詳細に説明したが、続いて、図6を参照しながら、この鋼−ゴム複合材料100の製造方法について説明する。図6は、本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料100の製造方法の流れを示すフローチャートである。
110 亜鉛系めっき鋼線
111 鋼線
113 めっき層
120 ゴム組成物
130 Si濃化層
Claims (8)
- 亜鉛系めっき鋼線とゴム組成物とが接着された鋼−ゴム複合材料であって、
前記亜鉛系めっき鋼線のめっき層と前記ゴム組成物との接着界面に、Si濃度が5質量%以上のSi濃化層を有し、
前記Si濃化層の厚みが、0.1μm以上である、鋼−ゴム複合材料。 - 前記亜鉛系めっき鋼線の引張強度が、1000MPa以上である、請求項1に記載の鋼−ゴム複合材料。
- 前記亜鉛系めっき鋼線の引張強度が、2800MPa以上である、請求項2に記載の鋼−ゴム複合材料。
- 前記亜鉛系めっき鋼線の線径が、0.05mm以上0.4mm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼−ゴム複合材料。
- 前記亜鉛系めっき鋼線が、亜鉛めっきスチールコードである、請求項4に記載の鋼−ゴム複合材料。
- 前記亜鉛系めっき鋼線のめっき層が、亜鉛に加えて、アルミニウム、マグネシウム及びケイ素からなる群から選択される1種または2種以上の成分を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼−ゴム複合材料。
- 前記亜鉛系めっき鋼線のめっき層の厚みが、0.1μm以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼−ゴム複合材料。
- 前記Si濃化層は、シランカップリング剤濃度が50質量%以上の処理溶液を使用して形成されたものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の鋼−ゴム複合材料。
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