JP5582111B2 - 鋼−ゴム複合材料 - Google Patents

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Description

本発明は、めっき鋼材とゴム組成物とが接着された鋼−ゴム複合材料に関する。
自動車用タイヤの補強材として用いられているスチールコードは、最終伸線時の潤滑性の向上およびタイヤ成形後の密着性の向上を目的として銅−亜鉛めっき(ブラスめっき)が施されている(例えば、特許文献1を参照)。
ただし、スチールコードにブラスめっきを施すためには、スチールコードをめっき処理するためのめっき浴が2つ必要であるだけでなく、銅めっき浴および亜鉛めっき浴を通過した後に合金化のための熱処理が必要であるため、生産性が低く、コストが高くなるという問題があった。また、銅(Cu)をめっき金属として使用するために、さらにコストが高くなっていた。さらに、スチールコードは、タイヤのスチールベルトに使用される場合には、ゴムとブラスめっきを介して加硫接着することでタイヤの補強効果を発現させているが、ゴム中の硫黄(S)とブラスめっき中のCuとが反応して形成されるCu−Sからなる接着層の接着強度は、高温環境や湿潤環境で低下する、という問題があった。
このような問題を解決するために、ブラスめっき以外のめっきを施したスチールコードとゴムとの接着性を向上させるための技術が各種提案されている。
例えば、特許文献2では、ロジンまたはロジン誘導体と有機コバルト塩とを含有するゴム組成物と、亜鉛メッキスチールコードとを接着する技術が提案されている。
また、特許文献3及び特許文献4では、ニッケルめっきスチールコードとゴムとを、イオウ含有シランカップリング剤を用いて接着させる技術が提案されている。
なお、特許文献5には、金属含有シランカップリング剤溶液で表面処理したブラスメッキが施された被着物と、硫黄を含有するゴム組成物とを接着させる技術が提案されているが、特許文献5の技術では、ブラスメッキを施しているため、上述した問題は依然として存在する。
特開2002−205506号公報 特開平11−21389号公報 特開2000−351852号公報 特開2001−106801号公報 国際公開第2006/059579号
上記特許文献2に記載された技術では、スチールコードにブラスめっきではなく、亜鉛めっきのみを施せばよいため、めっき浴が1つでよく、Cuも使用しないため、生産性を上げ、かつ、コストを低減させることはできる。しかし、亜鉛めっきスチールコードは、ゴムとの接着性が低いため、例えば、自動車用タイヤへ適用することは困難であり、特許文献2のように、ゴム組成物にロジンまたはロジン誘導体と有機コバルト塩を含有させたとしても、自動車用タイヤのスチールベルトに適用するためには、ゴムとの接着性が十分に満足のいくものではなかった。
また、上記特許文献3及び特許文献4のように、スチールコードにNiめっきを施したものは、伸線時の潤滑性に劣るため、伸線時に焼き付きが発生するおそれがあり、例えば、自動車用タイヤなどに適用する際には、実用上好ましくない、という問題があった。
このように、これまでの技術では、安価にスチールコードとゴムとの接着性を大幅に向上させた鋼材とゴムとを接着した鋼−ゴム複合材料は得られていないのが実情であった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた亜鉛系めっき鋼線とゴムとの接着性を有する鋼−ゴム複合材料を安価に提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、亜鉛系めっき鋼線とゴム組成物とを接着する際に、亜鉛系めっき鋼線をシランカップリング剤で処理することにより、亜鉛系めっき鋼線とゴム組成物との接着界面に、Si濃度の高いSi濃化層が形成され、このSi濃化層が亜鉛系めっき鋼線とゴム組成物との接着性を大幅に向上できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の観点によれば、亜鉛系めっき鋼線とゴム組成物とが接着された鋼−ゴム複合材料であって、前記亜鉛系めっき鋼線のめっき層と前記ゴム組成物との接着界面に、Si濃度が5質量%以上のSi濃化層を有し、前記Si濃化層の厚みが、0.1μm以上である、鋼−ゴム複合材料が提供される。前記Si濃化層は、シランカップリング剤濃度が50質量%以上の処理溶液を使用して形成されたものであることが好ましい。

ここで、亜鉛系めっき鋼線の引張強度が、1000MPa以上であることが好ましく、2800MPa以上であることがさらに好ましい。
また、亜鉛系めっき鋼線の線径が、0.05mm以上0.4mm以下であることが好ましい。
また、前記亜鉛系めっき鋼線が、亜鉛めっきスチールコードであることが好ましい。
前記亜鉛系めっき鋼線のめっき層が、Znに加えて、Al、Mg及びSiからなる群から選択される1種または2種以上のめっき金属を含有してもよい。
また、前記亜鉛系めっき鋼線のめっき層の厚みが、0.1μm以上であることが好ましい。
本発明によれば、亜鉛系めっき鋼線とゴム組成物とを接着する際に、亜鉛系めっき鋼線をシランカップリング剤で処理することにより、亜鉛系めっき鋼線とゴム組成物との接着性を大幅に改善するSi濃化層が形成されるため、優れた亜鉛系めっき鋼線とゴムとの接着性を有する鋼−ゴム複合材料を安価に提供することが可能となる。
本発明の好適な実施形態に係る鋼−ゴム複合材料の断面構造を示す模式図である。 シランカップリング剤による亜鉛系めっき鋼線とゴム組成物との接着メカニズムを示す説明図である。 所定条件で製造した鋼−ゴム複合材料のサンプルの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 図3(a)のサンプルの(1)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 図3(a)のサンプルの(2)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 図3(a)のサンプルの(3)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 図3(a)のサンプルの(4)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 図3(a)のサンプルの(5)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 図3(a)のサンプルの(6)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 図3(b)のサンプルの(1)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 図3(b)のサンプルの(2)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 図3(b)のサンプルの(3)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 図3(b)のサンプルの(4)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 図3(b)のサンプルの(5)の位置におけるSEM−EDX分析の分析結果である。 本発明の好適な実施形態に係る鋼−ゴム複合材料の製造方法の流れを示すフローチャートである。 処理溶液中のシランカップリング剤濃度(質量%)と引き抜き力(N)との関係を示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[鋼−ゴム複合材料の構成]
まず、図1を参照しながら、本発明の好適な実施形態に係る鋼−ゴム複合材料の構成について説明する。図1は、本発明の好適な実施形態に係る鋼−ゴム複合材料の断面構造を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料100は、鋼線111と鋼線111表面に亜鉛を主成分とするめっき層113が形成された亜鉛系めっき鋼線110と、ゴム組成物120とが接着されたものであり、亜鉛系めっき鋼線110のめっき層113とゴム組成物120との接着界面に、Si濃化層130を有している。このSi濃化層130は、Si濃度が5質量%以上の組成であり、かつ、厚みが0.1μmの層である。この鋼−ゴム複合材料100の用途は特に限定されず、例えば、自動車用タイヤやその他のタイヤのタイヤベルトに用いられる他、ベルトコンベア用のベルトやホースなど、各種用途に用いられる。
(亜鉛系めっき鋼線110)
本実施形態に係る亜鉛系めっき鋼線110は、ゴム組成物120と接着されてゴム組成物120の強度を補強する補強材としての役割を有している。そのため、亜鉛系めっき鋼線110の形態は、ゴム組成物120の補強材として使用できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、1本の線材からなるモノフィラメント、複数本のフィラメントを撚り合わせたコード、または、フィラメントを潰した形状のもの等、各種形態のものを用いることができる。
ただし、本実施形態に係る亜鉛系めっき鋼線110としては、引張強度が1000MPa以上である鋼材を使用することが好ましい。引張強度が1000MPaであれば、亜鉛系めっき鋼線110を、例えば、上述したタイヤベルト、ベルトコンベア用のベルト、ホース等のゴムを補強する補強材として、好ましく用いることができる。なお、亜鉛系めっき鋼線110の引張強度は、(スチール)コードの場合はJIS G3510(1992年)、フィラメントの場合はJIS Z2241(1998年)に準拠した引張試験により測定することができる。
上記範囲の引張強度を有する亜鉛系めっき鋼線110としては、概ね炭素の含有量が0.8質量%以上の高炭素鋼線が挙げられ、このような高炭素鋼線の用途としては、例えば、橋梁用鋼線、PC鋼線、スチールコード、ソーワイヤ等が挙げられる。これらのうち、橋梁用鋼線やPC鋼線は、引張強度が1600MPa〜2000MPa程度であり、線径がφ5mm〜7mm程度である。また、スチールコードやソーワイヤは、引張強度が2800MPa〜4000MPa程度であり、線径(直径)がφ0.05mm〜0.4mm程度である。
上記の亜鉛系めっき鋼線110の例のうち、本実施形態に係る亜鉛系めっき鋼線110としては、特に、亜鉛系めっきが施されたスチールコードを用いることが好ましい。
(めっき層113)
本実施形態に係るめっき層113は、鋼線111の表面に形成された亜鉛(Zn)を主成分とするめっき層である。ここで、本実施形態における「Znを主成分とするめっき層」とは、Zn以外の成分を50質量%未満含有するめっき層のことを意味するが、めっき層113が、Znのみを成分として含んでいてもよい。めっき層113におけるZn以外の成分としては、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ケイ素(Si)等が挙げられ、めっき層113は、Znに加えて、Al、Mg、Si等の成分の1種または2種以上を含有していてもよい。すなわち、めっき層113は、Znと、Al,Mg,Si等との合金めっき層であってもよい。ただし、Znめっきは、伸線時の潤滑性が良く、また、耐食性に優れるとともに、安価でもあるという観点からは、めっき層113は、Znめっきのみからなる層であることが好ましい。
また、めっき層113の厚みは、伸線条件によっても変化する(伸線の度合いが進めば、めっき層113の厚みも薄くなる)ため、本実施形態では特に規定するものではないが、耐食性を担保する観点から、0.1μm以上であることが好ましい。上限は、特に設けないが、めっき層の厚みが20μmを超えても、その効果は飽和するので、コストの観点から、めっき層の厚みは、20μm以下が好ましい。
なお、鋼線111中の鉄(Fe)が拡散して、めっき層113中のZnと合金化し、FeとZnの合金層を形成していてもよいが、この場合、鉄と亜鉛との間の密着性の方が、めっき層113とゴム組成物120との密着性よりも遥かに強いため、めっき層113とゴム組成物120との接着性にはあまり影響はないものと推察される。
(ゴム組成物120)
本実施形態に係るゴム組成物120の種類は、特に限定されず、例えば、一般に公知の天然ゴムや合成ゴムを単独で、または、2種以上を混合して使用することができる。合成ゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等のジエン系ゴムや、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、クロロスロホン化ポリエチレン、アクリルゴム等のオレフィン系ゴムや、ウレタンゴムや、フッ素ゴムや、多硫化ゴムなどを用いることができる。
(Si濃化層130)
鋼線111に亜鉛系めっきを施してめっき層113を形成することで亜鉛系めっき鋼線110とし、この亜鉛系めっき鋼線110をシランカップリング剤を含む処理液に浸漬した後に、浸漬後の亜鉛系めっき鋼線110にゴム組成物120を被覆することにより、本実施形態に係るSi濃化層130が、めっき層113とゴム組成物120との間に形成される。なお、鋼線111でなく、ゴム組成物120をシランカップリング剤を用いて処理することも可能ではあるが、ゴム組成物120は、亜鉛系めっき鋼線110と一体化させる前には粘性体であるので、シランカップリング剤が多量に必要となり、コスト的に不利となる。そのため、上述したように、鋼線111をシランカップリング剤を用いて処理することが好ましい。
<シランカップリング剤による接着メカニズム>
ここで、図2を参照しながら、シランカップリング剤による亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120との接着メカニズムについて説明する。図2は、シランカップリング剤による亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120との接着メカニズムを示す説明図である。
図2に示すように、シランカップリング剤は、一般式:R−Si(OR’)で表される。上記一般式で、Rは、アミノプロピル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、N−フェニルアミノプロピル基、メルカト基、ビニル基、その他の官能基である。また、R’は、メチル基またはエチル基である。このような構造を有するシランカップリング剤は、まず、水と接すると、以下の反応式に示すように、加水分解してシラノール基を生成する。
R−Si(OR’)+3HO → R−Si(OH)+3R’OH
シラノール基は、図2の中段の式に示すように、無機物、本実施形態では、ZnまたはFeのような金属Mの表面のOH基と縮重合反応(酸塩基反応)して、無機物と化学結合する。また、シラノール基は、図2の下段に示すように、シランカップリング剤同士で縮重合反応(自己縮合反応)して高分子化する。一方、官能基Rは、ゴム組成物120と化学結合または架橋して強固に結合する。
以上のように、本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料100は、加水分解してシラノール基を生成したシランカップリング剤を介して、めっき層113または鋼線111と、ゴム組成物120とが強固に結合されているため、接着力が大幅に向上する。
<鋼−ゴム複合材料の界面の解析>
次に、図3、図4A〜図4F、図5A〜図5Eを参照しながら、本発明者らが行った鋼−ゴム複合材料の界面の解析の結果の一例について説明する。図3は、シランカップリング剤をエタノール溶液で10質量%に希釈した溶液に鋼線を10秒浸漬した後に、亜鉛めっきを行い、ゴム組成物を被覆させて製造した本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料のサンプルの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示している。なお、サンプルは(a)、(b)の2種類を用意した。また、図4A〜図4Fは、それぞれ、図3(a)のサンプルの(1)〜(6)の位置において、SEM−EDX分析を行った結果を示している。また、図5A〜図5Eは、それぞれ、図3(b)のサンプルの(1)〜(5)の位置において、SEM−EDX分析を行った結果を示している。
図3(a)に示すように、本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料のサンプルの断面は、概ね、4層に分かれていることがわかった。また、図4A及び図4Bに示すように、図3(a)のサンプルの(1)及び(2)の位置では、ほぼ、シランカップリング剤に由来するSiのピークのみが立っていることから、Si濃度の高い層が存在すると考えられる。なお、図4A〜図4Fには、Auのピークが立っているが、これは、EDX分析の際に用いたホルダーの素材に使用されているAuのピークである。
また、図4Cに示すように、(3)の位置では、Siのピークが少し弱くなっているとともに、FeやZnのピークも立ってきている。このことから、(3)の位置では、Siを含有する層が存在するとともに、素地である亜鉛めっき鋼線(のめっき層)の表面が近くなってきていると考えられる。
また、図4D及び図4Eに示すように、(4)及び(5)の位置では、Znのピークが強く立っているとともに、Feのピークも立っていることがわかる。なお、Siのピークは、さらに弱くなっている。このことから、(4)及び(5)の位置では、亜鉛めっき層が存在するものと考えられる。
さらに、図4Fに示すように、(6)の位置では、Feのピークのみが立っていることから、この位置は、Feの素地そのもの(めっき層が形成されている鋼線)であるものと考えられる。
また、図3(b)のサンプルについても、図5A〜図5Eに示すように、図3(a)のサンプルとほぼ同様の結果が得られた。
以上の解析結果から、本発明者らは、本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料100は、図1に示すように、鋼線111とめっき層113とからなる亜鉛系めっき鋼線110と、ゴム組成物120との間に、Si濃度の高いSi濃化層130が存在するものと特定した。以下、このSi濃化層130の詳細な構成について説明する。
<Si濃化層130の定義>
上記のような検討に基づき、本実施形態に係るSi濃化層130を、めっき層113とゴム組成物120との間に位置し、且つ、Si濃度が高い層と定義する。具体的には、Si濃化層130は、Si濃度が5質量%以上の層である。Si濃化層130のSi濃度が5質量%未満であると、亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120との接着強度が不十分となり、鋼−ゴム複合材料100の成形や加工等の際に、亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120とが剥離してしまうおそれがある。このSi濃化層130のSi濃度の上限は特に規定しないが、亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120との接着強度の向上効果が飽和し、コスト的に不利になることから、Si濃化層130のSi濃度は、80質量%以下であることが好ましい。
ここで、本実施形態におけるSi濃化層130のSi濃度としては、X線マイクロアナライザ(EPMA)を用いて、測定時の加速電圧を15kVとしたときの値を用いることとする。なお、EPMAとしては、例えば、日本電子(株)製のJXA−8900RL等を用いることができ、濃度定量のための標準試料としては、日本電子(株)製のピュアメタルスタンダード、パーツNo.600154785(Si:99.99%)を用いることができる。
Si濃化層130の濃度は、シランカップリング剤の濃度で調整することができる。すなわち、Si濃化層130の濃度を高く(低く)したければ、鋼線111等を処理する処理液中のシランカップリング剤濃度を高く(低く)すればよい。また、Si濃化層130の厚みについては、シランカップリング剤の塗布時においてはめっき層113の表面にのみに存在したSiが、加硫処理時に加熱されてゴム組成物120中に拡散することで、Si濃化層130に厚みが生じると本発明者らは推察している。従って、Si濃化層130の厚みは、シランカップリング剤の濃度や加硫処理時の加熱条件等を調整することにより制御することができる。
また、本実施形態に係るSi濃化層130の厚みは、0.1μm以上である。Si濃化層130の厚みが0.1μm未満であると、亜鉛系めっき鋼線110のめっき層113とゴム組成物120との接着強度が不十分となり、鋼−ゴム複合材料100の成形や加工等の際に、亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120とが剥離してしまうおそれがある。Si濃化層130の厚みの上限は特に規定しないが、亜鉛系めっき鋼線110のめっき層113とゴム組成物120との接着強度の向上効果が飽和し、コスト的に不利になることから、Si濃化層130の厚みは、50μm以下であることが好ましい。Si濃化層の厚みは、走査型電子顕微鏡で10,000倍で5視野撮影し、平均値を求める。Si濃化層の厚みは、シランカップリング処理の濃度と処理時間で調整できる。なお、シランカップリング剤溶液の塗布量が同一の場合、Si濃化層130を厚くすると、めっき層113とゴム組成物120との界面近傍のSi濃度が薄くなり接着強度が低下するため、この接着強度の低下を補うように、高濃度のシランカップリング剤溶液を使用することが必要となる。
[鋼−ゴム複合材料の製造方法]
以上、本発明の好適な実施形態に係る鋼−ゴム複合材料100の構成について詳細に説明したが、続いて、図6を参照しながら、この鋼−ゴム複合材料100の製造方法について説明する。図6は、本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料100の製造方法の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、圧延または伸線した鋼線を酸洗し、表面のスケール除去及び脱脂を行う(S101)。このとき、酸洗に用いる酸溶液としては、例えば、塩酸や硫酸等を用いることができる。
次に、ステップS101で酸洗した鋼線に亜鉛系めっきを施し、表面にめっき層113が形成された鋼線(以下、「亜鉛系めっき鋼線110」と称する。)を形成する(S103)。めっき方法としては、公知の方法を用いることができ、溶融めっきでも電気めっきでも構わない。例えば、鋼線に溶融亜鉛めっきを施す場合には、通常の鋼板等と同様に、鋼線材を溶融亜鉛めっき浴に浸漬させた後に、目付量を調整し、必要に応じて適宜合金化のための熱処理を行えばよい。めっき種については、上述したように、亜鉛のみか、または、亜鉛を主成分としてAl,Mg,Si等を含んでいてもよい。また、めっき層中にAl,Mg,Si等を含有させる場合には、例えば、溶融亜鉛めっき浴中に、少量のAl,Mg,Si等を添加すればよい。
次に、ステップS103で形成された亜鉛系めっき鋼線110を伸線及び酸洗した後に、この亜鉛系めっき鋼線110を、シランカップリング剤の原液、又は、この原液を溶媒で希釈した溶液(以下、これらを合わせて、「処理溶液」と称する。)に浸漬する(S105)。この際、シランカップリング剤を希釈する溶液としては、水や各種有機溶剤を用いることができるが、本実施形態では、溶媒としてエタノールを使用することが好ましい。
ここで、図7を参照しながら、処理溶液中のシランカップリング剤濃度が、亜鉛系めっき鋼線とゴム組成物との接着性に与える影響を調査した結果について説明する。0.2μmの厚さの亜鉛めっきをした線径(直径)0.3mmのめっき鋼線に対し、室温で10秒間シランカップリング処理を行った。図7は、処理溶液中のシランカップリング剤濃度(質量%)と、接着性の指標としての引き抜き力(N)との関係を示すグラフである。シランカップリング剤溶液としては、ビス(トリエトキシリルプロビル)テトラスフィドを用いた。具体的には、信越化学工業株式会社製の製品名「KBE−846」(化学名「オルガノシラン」)を原液とし、このまま用いた場合を100%濃度とした。エタノールで希釈した場合、その質量の割合に応じて計算した濃度を図7の横軸にとった。
この調査においては、接着性の指標として、亜鉛めっきを施したスチールコードを所定濃度のシランカップリング剤溶液に浸漬させた後に、乾燥し、スチールコード(亜鉛めっき鋼線)を4本撚って、ゴム中に、埋め込み長さ20mmで埋め込み、加硫処理(170℃、10分)を行った。ゴムは天然ゴムを主体とするもので、その配合比を表1に示す。このスチールコードを引き抜く際に要する力(引き抜き力)を測定した。なお、図7には、この亜鉛めっきスチールコードの引き抜き力の結果に加え、ブラスめっきスチールコード(シランカップリング剤による処理無し)の引き抜き力の結果も参考までに示した。ここで、ブラスめっきは、Cu:63.5質量%、亜鉛:37.5質量%、めっき厚:0.23μmである。
その結果、図7に示すように、概ね、処理溶液中のシランカップリング剤濃度が高くなるに従い、引き抜き力も大きくなり、シランカップリング剤濃度が100質量%である場合には、亜鉛めっきのみを施した場合であっても、ブラスめっきを施した場合とほぼ同等の引き抜き力、すなわち、接着力を示すことがわかった。また、シランカップリング剤濃度が50質量%以上である場合にも、ブラスめっきを施した場合に近い接着力を有することがわかった。
以上の結果から、本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料100の製造方法におけるシランカップリング剤濃度は、50質量%以上であることが好ましく、100質量%であることがさらに好ましいことがわかる。
また、本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料100の製造方法で使用可能なシランカップリング剤としては、一般に公知のシランカップリング剤を使用することができるが、例えば、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)−ジスルフィド、3−チオシアネートプロピル−トリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、オクタデシルジメチル〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、オクタデシルジメチル〔3−(メチルジエトキシシリル)プロピル〕アンモニウムクロライド、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等を単独で、または、2種以上組み合わせて使用することができる。
上記のシランカップリング剤を含有する処理溶液に鋼線を1秒〜30秒程度浸漬後、鋼線を処理溶液中から取り出し、乾燥させる(S107)。このステップS107における乾燥工程の間に、上述したシランカップリング剤と鋼線表面との縮重合反応や、シランカップリング剤同士の縮重合反応が進行し、Si濃化層130が形成されることとなる。
鋼線の乾燥方法としては、特に限定されず、例えば、大気中で放置して乾燥させることもできるが、乾燥を促進するため、50℃〜100℃の温度で温風乾燥させることが好ましい。温風以外にも、例えば、赤外線等を用いて乾燥させてもよい。ただし、ゴム組成物120等は有機材料であるため、有機材料の変質を防ぐため、乾燥温度は200℃以下とすることが好ましい。
以上のようにして、シランカップリング剤で処理された亜鉛系めっき鋼線110に、ゴム組成物120を被覆させ、亜鉛系めっき鋼線110とゴム組成物120とが接着された鋼−ゴム複合材料100を製造する(S109)。このときに用いるゴム組成物120の種類については、上述したとおりである。
最後に、ゴム組成物120の強度を向上させるために、ステップS109で製造した鋼−ゴム複合材料100に、170℃〜220℃で、数分〜数時間の加硫処理を行う(S111)。加硫処理に用いる加硫剤としては、公知のものを使用でき、例えば、硫黄およびその同属元素(Se,Te)、含硫黄有機化合物、有機過酸化物、金属酸化物(MgO,PbO,ZnOなど)、有機多価アミン、変性フェノール樹脂、イソシアナート類など多様なものを使用できる。また、加硫処理の際、加硫時間の短縮、加硫温度の低下、加硫剤量の減少、ゴム製品の品質向上を目的として、加硫剤に加えて、加硫促進剤を添加してもよい。
以上のように、本実施形態に係る鋼−ゴム複合材料100の製造方法によれば、鋼線に施すめっき種は、基本的に亜鉛のみでよいため、鋼−ゴム複合材料100の生産性を向上させることが可能となる。
続いて、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
質量%で、C:0.73%、Si:0.21%、Mn:0.42%、P:0.022%、S:0.016%の鋼を溶解し、圧延した。種々の伸線率で伸線とパテンティングを繰り返し、各種の線径、各種の引張強度の鋼線(スチールコード)を製造した。その後、亜鉛系のめっきを施した。亜鉛めっき系鋼線の線径を表2に示す。また、表2には、亜鉛系めっきの組成(質量%)および亜鉛系めっき層の厚みを示した。その後、亜鉛系めっき鋼線の引張強度をJIS G3510(1992年)に従って、測定した。その値を表2に示す。次に、めっき鋼線の耐食性をJIS Z 2371(2000年)に基づいて中性塩水噴霧試験により1000時間の試験を行った。この試験後に赤錆発生の有無を目視により調べた。結果を表2に示す。
次に、これらの亜鉛系めっき鋼線を、シランカップリング剤を含む20℃の処理溶液に浸漬させた。シランカップリング剤の濃度と処理時間を表2に示す。ここで、シランカップリング剤として、ビス(トリエトキシリルプロビル)テトラスフィドを用い、溶媒は、エタノールを用いて希釈した。ビス(トリエトキシリルプロビル)テトラスフィドとしては、信越化学工業株式会社製の製品名「KBE−846」(化学名「オルガノシラン」)を原液として用い、このまま用いた場合をシランカップリング剤の100%濃度とした。エタノールで希釈した場合、その質量の割合に応じて計算した濃度をシランカップリング剤濃度(%)とした。シランカップリング処理後は、めっき鋼線を乾燥し、4本撚ってゴム中に、長さ20mm埋め込んだ。ゴムは天然ゴムを主体とするもので、その配合比は上記表1に示したものと同様である。ゴムに埋め込んだ後、加硫処理(170℃、10分)を行った。加硫処理後のSi濃化層のSi濃度(質量%)およびSi濃化層の厚み(μm)を表2に示す。Si濃化層のSi濃度(質量%)は、日本電子(株)製のJXA−8900RLを用いて、加速電圧15kVで測定した。濃度定量のための標準試料としては、日本電子(株)製のピュアメタルスタンダード、パーツNo.600154785(Si:99.99%)を用いた。Si濃化層の厚みは、走査型電子顕微鏡で10,000倍で5視野撮影し、平均値を求めた。これら亜鉛めっき鋼線を引き抜く力(引き抜き力)を測定した。この引き抜き力が大きいほど、接着性が優れることを意味する。引き抜き力を表2に示す。
従来法との比較は、以下のように行った。質量%で、C:0.73%、Si:0.21%、Mn:0.42%、P:0.022%、S:0.016%の鋼を溶解し、圧延した。種々の伸線率で伸線とパテンティングを繰り返し、表2に示す線径の鋼線を製造した。その後、ブラスめっきを行った。ブラスめっきは、Cu:63.5質量%、亜鉛:37.5質量%、めっき厚:0.23μmである。ブラスめっき鋼線の引張強度をJIS G3510(1992年)に従って、測定した。その値を表1に示す。めっき鋼線の耐食性をJIS Z 2371(2000年)に基づいて中性塩水噴霧試験により1000時間の試験を行った。この試験後に赤錆発生の有無を目視により調べた。結果を表2に示す。ブラスめっき鋼線にはシランカップリング処理は行わなかった。ブラスめっき鋼線をゴム中に、長さ20mm埋め込んだ。ゴムは天然ゴムを主体とするもので、その配合比を表1に示す。これらブラスめっき鋼線を引き抜く力を測定した。引き抜き力を表2に示す。
表2に示すように、本発明例である試番1〜22は、いずれも比較例である試番cおよびd(ブラスめっき材)に比べて、引き抜き力が90%以上あることがわかった。比較例の試番aは、Si濃化層のSi濃度が本発明の範囲より低いため、引き抜き力が悪化した例である。比較例の試番bは、Si濃化層の厚みが本発明の範囲より小さいため、引き抜き力が悪化した例である。以上のように、本発明を適用した鋼−ゴム複合材料は、亜鉛系めっきのみが施された亜鉛系めっき鋼線を用いても、従来のブラスめっきを用いたものと同等程度の接着力を有することがわかった。本発明例である試番17および18は、めっき鋼線の引張強度は低いが、引き抜き力は、本発明の試番6と同等である。本発明例の試番19は、めっき鋼線の引張強度が非常に高い例である。引き抜き力は、本発明例の試番6と同等である。試番20は、めっき鋼線の線径が細いが、本発明試番6と同等の引き抜き力を有している。試番21は、めっき鋼線の線径が太いが、引き抜き力は本発明例の試番6と同等である。試番22は、めっき層の厚みが薄いが、引き抜き力は本発明例の試番6と同等である。しかし、耐食性試験後にめっき鋼線の表面に赤錆が発生した。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 鋼−ゴム複合材料
110 亜鉛系めっき鋼線
111 鋼線
113 めっき層
120 ゴム組成物
130 Si濃化層

Claims (8)

  1. 亜鉛系めっき鋼線とゴム組成物とが接着された鋼−ゴム複合材料であって、
    前記亜鉛系めっき鋼線のめっき層と前記ゴム組成物との接着界面に、Si濃度が5質量%以上のSi濃化層を有し、
    前記Si濃化層の厚みが、0.1μm以上である、鋼−ゴム複合材料。
  2. 前記亜鉛系めっき鋼線の引張強度が、1000MPa以上である、請求項1に記載の鋼−ゴム複合材料。
  3. 前記亜鉛系めっき鋼線の引張強度が、2800MPa以上である、請求項2に記載の鋼−ゴム複合材料。
  4. 前記亜鉛系めっき鋼線の線径が、0.05mm以上0.4mm以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の鋼−ゴム複合材料。
  5. 前記亜鉛系めっき鋼線が、亜鉛めっきスチールコードである、請求項4に記載の鋼−ゴム複合材料。
  6. 前記亜鉛系めっき鋼線のめっき層が、亜鉛に加えて、アルミニウム、マグネシウム及びケイ素からなる群から選択される1種または2種以上の成分を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼−ゴム複合材料。
  7. 前記亜鉛系めっき鋼線のめっき層の厚みが、0.1μm以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼−ゴム複合材料。
  8. 前記Si濃化層は、シランカップリング剤濃度が50質量%以上の処理溶液を使用して形成されたものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の鋼−ゴム複合材料。
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