JP2017145449A - 鋼線及び該鋼線を埋設するゴム−金属複合体 - Google Patents
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Abstract
Description
さらに、使用中の様々な外的・内的要因によってゴム製品に傷が付き、水が浸入しやすくなることで腐食が促進されることがある。その結果、腐食に伴って鋼線からゴムが剥離したり、腐食疲労によって鋼線本来の疲労寿命よりも早期に破断したりするため、ゴム製品の寿命が鋼線本来の疲労寿命よりも短くなるという問題があった。
しかし、これらの技術は脱炭抑制には寄与したものの、特に伸線加工の工程や使用中の様々な外的・内的要因によって皮膜に傷がつくと、従来のゴム製品同様に腐食が発生した。
また、線材の腐食を抑制する技術としては、例えば線材の最外層ストランドよりも内側に位置する少なくとも1つのスチールフィラメントに、鉄よりもイオン化傾向が大きい金属を施す技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)が、イオン化傾向が大きい金属は腐食しやすく、線材そのものの腐食は抑制されるものの、イオン化傾向が大きい金属の腐食に伴うゴムとの密着性の劣化が大きく、ゴム製品の耐久性を向上させることは出来なかった。
他にも、ゴム製品補強用の鋼線そのものの耐食性を向上させる技術として、鋼線にZr、Ti、V、Nbなどを添加する技術が提案されている(例えば特許文献4)が、その効果メカニズムは不明であり、また鋼線そのものに添加するためコストが高くなるばかりか、耐食性も不十分であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、鋼の腐食および腐食の進行を抑制することによってゴムとの密着性劣化、ならびに腐食疲労を抑制できる鋼線と該鋼線を埋設するゴム−金属複合体を提供することを目的とする。
また同時に、孔食状の腐食箇所を起点として腐食疲労が進行し、早期の破断に繋がることが判明した。これらの知見に基づき、ブラスめっき欠陥部などの鋼露出部での腐食の進行を抑制することが効果的と考え、鋭意検討した結果、密着性を目的としたブラスめっきなどの皮膜の下層皮膜として、鋼線の表面にFeを80質量%以上含みCr、Mo、Ni、Sn、W、Vを所定量含む層を設けることで鋼の腐食の進行が抑制できるとの知見を得て本発明を完成した。その要旨は以下のとおりである。
[2]鋼線の表面に下層皮膜と上層皮膜の2層の皮膜が積層されており、前記下層皮膜が、Feを80質量%以上含み、更にCr、Mo、Ni、Sn、W、Vから選ばれる元素のうち少なくとも一種以上を合計で0.1質量%以上20.0質量%以下含んでいること特徴とする鋼線。
[3]前記Cr、Mo、Ni、Sn、W、Vから選ばれる元素のうち少なくとも一種を含む皮膜又は下層皮膜の厚みが0.01μm以上1.0μm以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の鋼線。
[4]前記上層皮膜がCuを含有し、更にSn、Znから選ばれる元素のうち少なくとも一種以上を含有していることを特徴とする[2]又は[3]の何れかに記載の鋼線。
[5]前記上層皮膜がブラスめっきであることを特徴とする[4]に記載の鋼線。
[6]前記鋼線の引張り強度が1000MPa以上であることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の鋼線。
[7]前記[2]乃至[5]のいずれかに記載の鋼線がゴム中に埋設されてなるゴム−金属複合体。
本発明に係る鋼線は、基本的には鋼線の表面に下層皮膜と上層皮膜の2層の皮膜が積層されている。前記下層皮膜はFeが80質量%以上であって、Cr、Mo、Ni、Sn、W、Vから選ばれる元素のうち少なくとも一種以上を合計で0.1質量%以上20.0質量%以下含む。
前記下層皮膜は、Cr、Mo、Ni、Sn、W、Vから選ばれる元素の合計を0.1質量%以上とすることで、生成する腐食生成物を緻密で密着性のよいものとすることができる。
なお、上記下層皮膜を構成する上記選択元素含有量の合計を0.5質量%より大きくすることで上記効果をさらに高いレベルで奏することができ、1.0質量%以上とすることで上記効果を極めて高いレベルで奏することができる。
なお、下層皮膜中の各元素の含有率は、当該皮膜を含むように鋼材をCP(Cross section Polisher)またはFIB(Focused Ion Beam)で加工して断面試料を作製し、これをTEM−EDX、空間分解能の高いEPMAや、SEM−EDXで分析することによって測定できる。
特に、必要があれば、上述した上層皮膜を2種以上組み合わせて多層被覆膜として適用することも可能である。
以上に示すめっき鋼線においては、最終伸線後の下層皮膜の厚みを0.01μm以上とすることで、ゴムとの密着性劣化の抑制ならびに腐食疲労の抑制を効果的に達成できる。一方、上記の厚みを1.0μm超としても当該効果の向上が見込めないため、1.0μm以下とすることで、被膜を構成するめっき材料の節約を図ることが出来る。なお、下層皮膜厚みのさらに好ましい範囲は、0.05μm以上0.5μm以下であり、これによりさらに安定して効果を享受できる。
ブラスめっき以外のめっき膜や、化成処理膜を上層皮膜として採用する場合には、該皮膜の伸展性や耐擦過性を考慮して、伸線加工後に被覆形成することもできる。
以上、本発明の好適な実施形態に係る鋼線の構成について詳細に説明したが、続いて、この鋼線の製造方法について説明する。
なお、鋼線メーカーは、上層皮膜まで施工して出荷する場合の他、下層皮膜被覆前の素鋼線で出荷する場合や、下層皮膜を形成した製品にオイルコートを施した中間素材の形態で出荷する場合もある。
その後、湿式潤滑剤を用いた湿式伸線により、線径が0.1〜0.4mmになるように伸線加工を行い、めっき鋼線を製造した。比較のために、下層を形成せずに、鋼線に直接Cuめっき及びZnめっきと拡散熱処理によって、平均厚さが230nmであり、Cu濃度が63質量%であるブラスめっきを設けためっき鋼線を製造した。下層のめっき組成ならびにめっき厚さはめっき鋼線から試料を採取して、CPにて作製した断面試料についてFE−SEM−EDXにて観察ならびに測定して求めた。
Claims (7)
- 鋼線の表面に、Feを80質量%以上含み、更にCr、Mo、Ni、Sn、W、Vから選ばれる元素のうち少なくとも一種以上を合計で0.1質量%以上20.0質量%以下含む皮膜が形成されていることを特徴とする鋼線。
- 鋼線の表面に、下層皮膜と上層皮膜の2層の皮膜が積層されており、前記下層皮膜が、Feを80質量%以上含み、更にCr、Mo、Ni、Sn、W、Vから選ばれる元素のうち少なくとも一種以上を合計で0.1質量%以上20.0質量%以下含んでいること特徴とする鋼線。
- 前記Cr、Mo、Ni、Sn、W、Vから選ばれる元素のうち少なくとも一種を含む皮膜又は下層皮膜の厚みが0.01μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の鋼線。
- 前記上層皮膜がCuを含有し、更にSn、Znから選ばれる元素のうち少なくとも一種以上を含有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の鋼線。
- 前記上層皮膜層がブラスめっきであることを特徴とする請求項4に記載の鋼線。
- 前記鋼線の引張り強度が1000MPa以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の鋼線。
- 前記請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の鋼線がゴム中に埋設されてなるゴム−金属複合体。
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CN110804888A (zh) * | 2019-09-30 | 2020-02-18 | 江苏冠晟超导科技有限公司 | 一种加强复合镀镍钢丝及其生产工艺 |
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