JP5602657B2 - ゴム物品補強用ワイヤの製造方法およびゴム物品補強用ワイヤ - Google Patents

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Description

本発明はゴム物品補強用ワイヤの製造方法(以下、単に「製造方法」とも称す)およびゴム物品補強用ワイヤに関し、詳しくは、製造工程中における熱処理での脱炭を抑制するとともに、製造されたワイヤの耐食性を向上させることのできるゴム物品補強用ワイヤの製造方法およびゴム物品補強用ワイヤに関する。
ゴム物品補強用ワイヤは、ゴム物品としてのタイヤやホースを補強するために用いられる。例えばタイヤでは、ゴム物品補強用ワイヤは、撚り線にされ又はそのまま引き揃えられたコードとしてタイヤの構成部材であるベルトやカーカスに埋設されて用いられ、また、ビードワイヤとして用いられる。
ゴム物品補強用ワイヤは、一般に、ワイヤ材に伸線とこれに引き続く熱処理とを一回又は複数回行い、この熱処理のうちの最終熱処理によって均一で微細なパーライト組織を得た後、ブラスめっきを形成する工程を含む製造方法によって製造される。具体的に例えばスチールコード用のワイヤを製造するときには、一般に直径5.5mm程度のワイヤ材を直径1.2〜3.0mm程度にまで一回又は熱処理を挟む二回の乾式伸線を行った後、パーライト組織を得るための熱処理を施し、その後、ブラスめっき処理をしてから湿式の最終伸線を行ってスチールコード用のワイヤが得られる。得られたスチールコード用のワイヤは、その後に撚線工程を経てスチールコードとされる。
パーライト組織を得るための最終熱処理工程は、伸線後のワイヤ材を加熱炉内で1000℃程度まで加熱することで金属組織をオーステナイト化するとともに均質な組成にした後、500〜650℃の範囲に急冷して保持する工程であり、このような工程を行うことで均一で微細なパーライト組織が得られる。
上記最終熱処理工程では、上述のようにワイヤ材が1000℃程度の高温に加熱される。この高温加熱時にワイヤ材の表層部が脱炭することは、極力避けなければならない。ワイヤ材の表層部が脱炭すると、製造されるワイヤの疲労性が悪化することで耐久性は低下し、また、最終熱処理工程の後に行う最終伸線の際に、めっき剥離による色調低下や伸線性の悪化が生じるからである。
脱炭を抑制するために、熱処理の際、加熱炉内の雰囲気の制御などによってワイヤ材表面に均質なスケールを形成させ、このスケールでワイヤ材の表面からの脱炭を防いでいる。しかし、そのスケールの厚さが薄すぎると脱炭し易く、逆に厚過ぎてもスケール割れが発生してそのクラックから脱炭し易くなることから、厚み制御が難しい。このスケールを所定の厚さ範囲に制御する方法(特許文献1)や、熱処理時の鋼の活性化エネルギーや拡散係数等に基づいて算出したスケール厚さに制御する方法(特許文献2)があるが、加熱炉内の雰囲気やワイヤ材の表面状態でスケール厚さが変動してしまう。また、熱処理前にワイヤ材に銅めっきを行って脱炭を抑制する方法(特許文献3)もあるが、銅の融点は1083℃程度であって、加熱炉内の加熱温度に近いため、ワイヤ材の表面に形成される銅めっき層が熱処理中に融解や酸化され易い。また、銅は、ワイヤ材の主成分である鉄よりも貴な金属であるため、ワイヤ材のスケール形成を阻害して脱炭促進させてしまうおそれもある。
また、ゴム物品補強用ワイヤは、例えば、ブラスめっきを施したタイヤ用スチールコードの場合、ゴム中では、硫黄や水による腐食環境下にある。ゴム物品補強用ワイヤは、表面にブラスめっき層を有していて、このブラスめっき層によりある程度の耐食性は得られている。しかし、下地の鋼が腐食する場合も多い。したがって、ゴム物品補強用ワイヤは耐食性に優れることも要求されている。この耐久性に関して、ワイヤ材にジルコニウム、チタン、バナジウム、ニオブなどを添加することで、耐食性を向上させた線材があるが(特許文献4)、十分な耐食性を得るのが難しく、また、脱炭抑制効果に乏しい。また、耐食性に優れたスチールコードを得る技術として、伸線加工後に銅−スズ合金(ブロンズ)めっきを行うことが提案されているが(特許文献5、6)、脱炭抑制効果は期待できない。
特開平7−173543号公報 特開平8−232022号公報 国際公開2009/005534号 特公平6−74483号公報 特開平7−11594号公報 特開昭62−288634号公報
上述したことから分かるように、従来の方法は、製造工程中におけるワイヤ材の脱炭抑制と製造されたワイヤの優れた耐食性とを充分に両立できる方法ではなかった。
そこで本発明の目的は、製造工程中における熱処理での脱炭を抑制するとともに、製造されたワイヤの耐食性を向上させることのできるゴム物品補強用ワイヤの製造方法およびゴム物品補強用ワイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、下記構成とすることにより上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のゴム物品補強用ワイヤの製造方法は、炭素を0.5〜1.2質量%を含む伸線後のワイヤ材に熱処理した後、該ワイヤ材にブラスめっき処理をする工程を含むゴム物品補強用ワイヤの製造方法において、
前記ブラスめっき処理前に行う最終熱処理に先立って、前記ワイヤ材にスズ、亜鉛およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも一種でめっき処理を施す工程を備えることを特徴とするものである。
本発明においては、前記スズ、亜鉛およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも一種でめっき処理を施した後、得られためっき層上に銅めっきを施してもよい。
本発明によれば、製造工程中における熱処理での脱炭を抑制するとともに、製造されたワイヤの耐食性を向上させることのできるム補強用ワイヤの製造方法およびそれにより得られたゴム補強用ワイヤを提供することができる。
以下、本発明のゴム物品補強用ワイヤの製造方法について詳細に説明する。
まず、ワイヤ材として炭素0.5〜1.2質量%程度を含み、直径5.5mm程度のワイヤ材を用意する。このワイヤ材に一次乾式伸線を行い、次いで一次熱処理を行う。この一次熱処理後のワイヤ材に二次乾式伸線を行って直径1.2〜3.0mm程度のワイヤ材にする。この二次乾式伸線後のワイヤ材に二次熱処理を行う。この二次熱処理は、ワイヤ材をオーステナイト化温度領域まで加熱した後、急冷する熱処理であり、これにより均一で微細なパーライト組織が得られる。このような均一で微細なパーライト組織を得るための熱処理は最終熱処理と呼ばれ、上記のように一次熱処理及び二次熱処理を行う場合は当該二次熱処理が最終熱処理に該当し、省力化のために一次熱処理と二次伸線とを省略することにより乾式伸線と熱処理とをそれぞれ一回ずつ行う場合には、当該熱処理が最終熱処理に該当する。
二次熱処理後のワイヤ材を酸洗いして表面のスケールを除去した後、表面にブラスめっき層を形成する。このブラスめっき層の形成は、例えばワイヤ材を銅めっき浴に通して銅めっき層を形成した後、このワイヤ材を亜鉛めっき浴に通して銅めっき層上に亜鉛めっき層を形成してから、加熱することにより銅と亜鉛とを熱拡散させて合金化することにより行う。ブラスめっき層が形成されたワイヤ材に湿式伸線を行って所定のワイヤ径のスチールワイヤが得られる。その後は必要に応じてワイヤの矯正処理が行われる。
本発明の好適な一実施の形態は、ブラスめっき層をワイヤ材に形成する前に行う最終熱処理に先立って、スズ、亜鉛およびビスマス(以下、単に「スズ等」とも称する)からなる群より選ばれる少なくとも一種でめっき処理を施す。スズ、亜鉛およびビスマスの融点は、それぞれ232℃、420℃、271℃と低融点であり、かつ、溶解した状態では表面張力が低く、濡れ性が非常に優れている。このため、最終熱処理時にワイヤ材表面にスズ等の被膜が形成され、脱炭を抑制することができる。また、スズ等は、硫黄とも反応し、ゴムの接着性改善成分としても機能する。なお、本発明において、ワイヤ材中の炭素含有量を0.5〜1.2質量%としたのは、0.5質量%以上とすることにより、ゴム物品補強用ワイヤとしての強度を十分に得ることができるからであり、一方、1.2質量%を超えると、初析セメンタイトの生成が避けられず、やはり伸線性を著しく劣化させることになるからである。
本発明においては、スズ等のめっき処理後、最終熱処理前にさらに銅めっきを施すことも好ましい。これによれば、スズ等のめっき層の上に重ねて銅めっきが積層され、後続の最終熱処理によりスズ等と銅とが熱拡散により銅−スズ等の合金となる。スズ等は、他の金属と合金化すると融点を下げ、表面張力を下げる性質を有する。例えば、銅のように1000℃付近に融点(1083℃)を有する金属に対して、スズを添加することにより、融点を約1050℃にまで低下させることができる。そのため、得られたブロンズ被膜は濡れ性に優れ、脱炭を抑制することができる。
また、スズ等のめっき層の上にさらに銅をめっきすることにより、最終熱処理後のワイヤ材のめっき層表面には、銅又は銅リッチな部分が形成されている。この部分は、最終熱処理後にブラスめっき層を形成するための銅成分として活用することができる。したがって、最終熱処理後に銅めっき層を形成することなく、又は厚さを従来よりも薄くした銅めっき層を形成した後、亜鉛めっき層を形成し、次いで加熱して熱拡散させるのみで銅−亜鉛−スズ等の合金めっきとなり、ネーバルブラスのような耐食性のあるめっきとすることができる。このような最終熱処理後に銅めっき層を形成することなく、又は厚さを従来よりも薄くした銅めっき層を形成することにより、ゴム物品補強用ワイヤの生産性を向上させることができる。
本発明の他の好適な実施の形態は、ブラスめっき層をワイヤ材に形成する前に行う最終熱処理に先立って、スズ、亜鉛およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも一種と他の金属との合金でめっき処理を施す。上述のとおり、スズ等は他の金属と合金化することで融点を下げ、表面張力を下げることができるため、これによっても、脱炭を抑制することができる。ここで、合金として用いることができる金属としては、金、銀、銅等の貴金属や、ニッケル、クロム、コバルト等が挙げられる。実用性を考えると、特に銅が好適である。また、銅を用いることによって、スズ等のめっき層の上にさらに銅めっきを施した場合と同様な効果を得ることができる。
本発明においては、スズ等により形成されるめっき層の厚さは、0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上がより好ましい。スズ等のめっき層上に、銅めっき層を形成する場合のスズ等のめっき層の厚さ及び銅めっき層の厚さの合計が0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上がより好ましい。さらに好ましくは、最終製品のめっき厚を考慮して、スズ等の単独めっきの場合では、スズ等のめっきの厚さは0.5〜3μm、スズ等のめっき層と銅めっき層の積層めっきの場合では、スズ等のめっき層の厚さは単独の場合と同じ0.5〜3μm、銅めっき層の厚さは、0.5〜3μmの範囲とする。このめっき層の厚さが0.2μmよりも薄いと、めっきのムラが生じ易く、また、最終熱処理時の炭素の拡散により脱炭しやすくなる。また、3μm以上厚くても、効果が変わらず、コストや生産性が悪化する。なお、ブラスめっき層をワイヤ材に形成する前に行う最終熱処理に先立って、スズ等と他の金属の合金をめっきする場合においても、めっき層の厚さは、0.2μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは、最終製品のめっき厚を考慮して0.5〜3.0μmである。
本発明においては、ワイヤ材に対する、スズ等のめっき手法については特に制限なく、公知の手法を用いることができ、無電解(還元剤による化学めっき)または電解いずれでもよい。また、スズ等のめっき浴についても、公知のめっき浴を用いることができる。
次に、本発明のゴム補強用ワイヤについて説明する。
本発明のゴム物品補強用ワイヤは、本発明の製造方法によって得られ、炭素を0.5〜1.2質量%を含むワイヤ基体上にめっき層を備え、このめっき層のワイヤ基体に接する側にスズ、亜鉛およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種又はこれらと他の金属との合金部を有し、表面側にブラス部を備えるものである。製造工程において最終熱処理前に形成されるスズ等のめっき層、スズ等のめっき層及び銅めっき層による積層、またはスズ等の合金化めっき層にブラスめっき層を積層する。ブラスめっきを積層した後に加熱を行い、熱拡散により合金化していることから、一体化前の各層に対応する明快な境界はなくめっき層の全体に各成分の原子が分散している。もっとも、この一体化しためっき層は、そのめっき層の厚さ方向に組成(すなわち、成分濃度)が変化していて、具体的には、下地のワイヤ材に接する側はスズ等又はスズ等−銅合金の成分がリッチなスズ等部又はスズ等−銅合金部を備えていて、表面側は、ブラスすなわち銅−亜鉛合金の成分がリッチなブラス部を備えている。ワイヤ材に接する側にスズ等部やスズ等−銅合金部を備えていていることから、スズ等による優れた耐食性を有し、また、表面側に、ブラス部を備えていることから、優れた接着性を有している。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1−1〜1−12、比較例1および従来例1>
炭素0.8質量%を含有し、直径5.5mmの含む直径5.5mmのワイヤ材に一次伸線を行って線径3.0mmとした。次に、一次熱処理として1000℃に加熱、冷却後、二次伸線を行って線径1.8mmとした。得られたワイヤ材に対して、表1に示す層厚となるようにスズめっきおよび銅めっきを順次施した。スズめっきおよび銅メッキの際に使用した浴の組成およびめっき条件を下記に示す。
<硫酸錫めっき浴>
硫酸錫 50g/L
硫酸 100g/L
陰極電流密度 1A/dm
めっき槽温度 30℃
<ピロリン酸銅めっき浴>
ピロリン酸銅 85g/L
ピロリン酸カリウム 300g/L
pH 8.6
陰極電流密度 1A/dm
めっき槽温度 50℃
めっき後のワイヤ材を加熱炉にて1050℃で、2分間加熱してオーステナイト化してから、600℃まで冷却速度100℃/sで急冷し、その温度に10秒保持する最終熱処理を行った。この最終熱処理は、いわゆるパテンティング処理である。最終熱処理後に、めっき処理として銅めっきをワイヤ材表面に厚さ1.2μmに形成し、次いで亜鉛めっきを、銅めっきされたワイヤ材表面に厚さ0.8μmに形成した後、450℃で90秒間、加熱保持して熱拡散させた。この熱拡散後のワイヤ材のめっきは、熱拡散により合金化されて、下地のワイヤ側がスズリッチ、表面側がブラスリッチの銅−亜鉛−スズ合金の組成を有していた。熱拡散後のワイヤ材を湿式の最終伸線を行ってスチールワイヤを得た。
<参考例>
スズめっきおよび銅めっきを順次施すことに代えて、下記の浴組成を有するブロンズめっき浴を用いて、直接ブロンズ合金をめっきしたこと以外は、実施例1−1と同様の手順でスチールワイヤを得た。なお、表1中に示すめっき層厚は、ブロンズめっき層の厚みである。
<ブロンズ合金メッキ浴>
硫酸スズ 2g/L
硫酸銅 30g/L
硫酸 120g/L
チオ尿素 5g/L
電流密度 2A/dm
めっき槽温度 25℃
<実施例2−1〜2−12、比較例2および従来例2>
スズめっきに代えて、下記の浴組成を有する硫酸亜鉛めっき浴を用いて、表2に示す層厚となるように亜鉛めっきおよび銅めっきを順次施したこと以外は実施例1−1と同様の手順で、スチールワイヤを得た。
<硫酸亜鉛めっき浴>
硫酸亜鉛 300g/L
pH 4
陰極電流密度 3A/dm
めっき槽温度 30℃
<実施例3−1〜3−12、比較例3および従来例3>
スズめっきに代えて、下記の浴組成を有するビスマスめっき浴を用いて、表3に示す層厚となるようにビスマスめっきおよび銅めっきを順次施したこと以外は実施例1−1と同様の手順で、スチールワイヤを得た。
<ビスマスめっき浴>
メタンスルホン酸ビスマス 12g/L
メタンスルホン酸 200g/L
電流密度 2A/dm
めっき層温度 25℃
得られたスチールワイヤに撚り線工程を実施してスチールコードを作製し、このスチールコードに接着性能を評価した。この接着性能評価については、初期接着性と接着耐久性で評価し、この初期接着性は素線径0.30mmの上記めっき鋼線を1×3構造に撚りスチールコードを作製した後、これを等間隔に平行に並べ、両側からゴムでコーティングした後、160℃、7〜15分の加硫後、得られたゴム−スチールコード複合体につき、ゴムからスチールコードを剥離し、その時のゴム付着率を測定して、その結果を従来例を100とした指数で示した。数値が大きいほど接着性が良好であることを示す。また、接着耐久性は、初期接着性と同様にゴムでコーティングした後、160℃、20分で加硫後、得られたゴム−スチールコード複合体につき、湿度95%、温度75%の大気圧雰囲気中に7〜14日放置し、その後ゴムからスチールコードを剥離し、その時のゴム付着率を測定して、その結果を従来例を100とした指数で示した。数値が大きいほど接着性が良好であることを示す。
また、最終熱処理による脱炭量を評価するために、上述した製造工程中、最終熱処理後であって、最終伸線工程前のスチールワイヤの一部を取り出して、炭素分析機器である炭素・硫黄同時分析装置によってスチールワイヤ全体の炭素含有量を測定し、更に酸を用いた電解研磨によりスチールワイヤ体積の2%を溶解し、全体として体積の10%表面層を除去した後、炭素分析量を測定し、電解研磨前後での炭素量(質量%)の差を脱炭量とした。
Figure 0005602657

Figure 0005602657
Figure 0005602657
上記表1〜3より、本発明のゴム補強用ワイヤは脱炭を抑制できており、また、初期接着性および接着耐久性を有していることがわかる。

Claims (2)

  1. 炭素を0.5〜1.2質量%を含む伸線後のワイヤ材に熱処理した後、該ワイヤ材にブラスめっき処理をする工程を含むゴム物品補強用ワイヤの製造方法において、
    前記ブラスめっき処理前に行う最終熱処理に先立って、前記ワイヤ材にスズ、亜鉛およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも一種でめっき処理を施す工程を備えることを特徴とするゴム物品補強用ワイヤの製造方法。
  2. 前記スズ、亜鉛およびビスマスからなる群より選ばれる少なくとも一種でめっき処理を施した後、得られためっき層上に銅めっきを施す請求項1記載のゴム補強用ワイヤの製造方法。
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