JP3905768B2 - ゴムとの接着性に優れたブラスめっき材料およびその複合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ、ホース、工業用ベルト等の補強用として用いられるスチール素線(スチールコード、ビードワイヤ等)、ゴムライニングやゴムロールの被接合材等として用いられるブラスめっき材料、およびその複合体に関するものであり、殊にゴムとの接着性を優れたものとしたブラスめっき材料、およびこうしたブラスめっき材料の表面にゴムを接合した複合体に関するものである。尚、本発明で対象とするブラスめっき材料は、ブラスめっきが施こされる基材として、鋼線、鋼板、機械構造用鋼等の各種金属材料が挙げられるが、以下ではその代表例として鋼線を用いる場合を主に説明する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような各種用途においては、基材としての金属材料とゴムとの接着性を良好にするという観点から、基材表面に湿式ブラスめっきを施してブラスめっき材料とし、これとゴムとを加硫処理によって接合する技術が広く適用されている。こうした技術として、自動車用タイヤにおけるブラスめっき鋼線とゴムの接合が代表的な例である。
【0003】
上記ブラスめっき鋼線は、伸線加工する前の線材表面にブラスめっき層を形成し、それを伸線することによって得られる。また、鋼線上のブラスめっき層は、線材にまず湿式の電気めっきで銅めっき層を形成した後、重ねて湿式の電気亜鉛めっき層を形成し、その後加熱して両金属を合金化することによってブラスめっき層とされるのが一般的である。
【0004】
上記自動車用タイヤは、過酷な条件下で使用されることになるので、製品仕上がり時のゴムと鋼線の接着性(初期接着性)が良好であるのは勿論のこと、その後の使用時においても優れたゴム接着性が発揮・維持される必要がある。即ち、タイヤの使用中は、タイヤの温度が上昇すると共に、外傷等から水分や融雪塩等に起因した腐食因子である塩素イオンが内部に侵入する等、ブラスめっきとゴムの接着を阻害する最悪の環境に晒されることになる。
【0005】
近年では、リサイクルを図るとの観点から、トラックやバス等に用いられる大型のタイヤでは、第一次寿命の後、タイヤトレッド部の張り替えによって第二次、更には第三次まで使用されることが多くなり、タイヤの長寿命化、使用時におけるゴム接着性(経時接着性)の長期安定化が、ますます望まれる状況になっている。
【0006】
タイヤ使用時におけるゴム接着性を改善する技術として、これまでにも様々提案されており、例えば特開平1−113233号には、ブラスめっき中にコバルトを含有させると共に、その含有量をめっき表面側から内部になるにつれて増加するような濃度勾配を付けることによってゴムとブラスめっき材料との接着性を向上させる技術が提案されている。また、特開平11−93086号には、ブラスめっき表面の銅含有量を内部よりも低くすると共に、ブラスめっき表面に有機酸コバルトを配合したゴムコーティング層を設けることによって接着性を向上させる技術が開示されている。更に、特許第3096159号には、ブラスめっき表面にリン(P)を含有させると共に、ブラスめっきと被めっき基材の界面の粗さをコントロールすることによってゴムとの接着性を改善する技術が提案されている。
【0007】
これらの技術に開発によって、使用時におけるブラスめっき材料とゴムとの接着性は格段に改善された。しかしながら、コバルトやリンを含有させることは、ゴムとブラスめっきとの加硫接着を一方では遅延させ、或は製品仕上がり時のゴム接着性を阻害する傾向にある。また、めっき組成に勾配を付与するのは、通常のめっき工程においてはその制御が困難である。しかも、ブラスめっきと被めっき基材の界面の粗さをコントロールしただけでは、期待するほどの効果が得られないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、加硫接着時および製品仕上がり時のゴム接着性を良好に維持したまま、時間の経過に伴う接着面の脆性を効果的に防止して良好な経時接着性を発揮することのできるブラスめっき材料、およびブラスめっき材料にゴムを接合して複合化した複合体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することのできた本発明のブラスめっき材料とは、基材表面にブラスめっきが施されたブラスめっき材料であって、前記ブラスめっき表面には、銅および亜鉛を含む厚さ50nm以下の酸化皮膜が海島状に形成され、そのうち、厚さが10nm以上である酸化皮膜部分は、ブラスめっき面に対する直角断面を観察する1μm×1μmの複数の視野の個々における、めっき表面上での前記酸化皮膜部分の長さA(nm)がいずれも500nm以下であり、且つこの長さA(nm)の前記複数の視野の合計が、前記複数の観察視野の合計長さ(以下、単に「観察視野全長」と呼ぶことがある)に対する割合R1(%)で5〜60%を占め、更にA(nm)≦10×R1(%)の関係を満足するものである点に要旨を有するものである。
【0010】
このブラスめっき材料においては、前記直角断面視野毎で観察される長さ1μmの表面曲線において、最も高い標高点と最も低い標高点の差が50nm以内である領域が存在する視野の数が、前記複数の観察視野の合計に対して70%以上を占めるものであることが好ましい。
【0011】
一方、上記目的を達成することのできた本発明の複合体とは、ブラスめっき材料の表面にゴムを加硫接合した複合体であって、この複合体における前記ブラスめっき表面とゴムとの界面近傍には、銅、亜鉛および硫黄を含有する反応層がゴム中に形成されると共に、銅および亜鉛を含む厚さ50nm以下の酸化皮膜がブラスめっき側に海島状に形成され、そのうち、厚さが10nm以上である酸化皮膜部分は、ブラスめっき面に対する直角断面を観察する1μm×1μmの複数の視野の個々における、前記反応層と隣接する界面上での前記酸化皮膜部分の長さB(nm)がいずれも1000nm以下であり、且つこの長さB(nm)の前記複数の視野の合計が、前記複数の観察視野の合計長さに対する割合R2(%)で50〜90%を占めるものである点に要旨を有するものである。
【0012】
また、この複合体においては、前記直角断面視野毎で観察される酸化皮膜が前記反応層と隣接する界面上での長さ1μmの界面曲線において、最も高い標高点と最も低い標高点の差が50nm以内である領域が存在する視野の数が、前記複数の観察視野の合計に対して70%以上を占めるものであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
ブラスめっき材料において、ゴムとの接着性が向上する基本的な原理は、次の様に考えられる。即ち、ブラスめっき表面には酸化皮膜が存在しており、この存在によって、脱亜鉛腐食が防止されると共に、ブラスめっき内部から表面への銅や亜鉛の拡散が防止され、これらによって接着性、特に経時接着性が良好になると考えられる。しかしながら、ブラスめっき表面の酸化皮膜が厚くなり過ぎると、加硫接着が阻害されることから、酸化皮膜はできるだけ薄く形成される傾向がある。また、酸化皮膜の組成が接着性に及ぼす影響については検討されているが、酸化皮膜の分布状況を制御して接着性を向上させる試みは、何ら検討されたことがないのが実状である。
【0014】
本発明者らは、上記のような酸化皮膜に着目し、この酸化皮膜の分布状態がゴムの初期接着性や経時接着性に及ぼす影響について検討を重ねた。その結果、酸化皮膜の分布状態を適切に制御すること、特にその膜厚に濃淡を付けてブラスめっき表面に海島状に分布させることによって、ブラスめっき材料のゴムとの初期接着性を良好に維持できると共に、製品使用時における経時接着性をも格段に向上し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
以下、本発明の構成および作用効果について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明のブラスめっき材料の表層断面を模式的に示した説明図であり、図中1はブラスめっきが施された基材、2はブラスめっき層、3a〜3fは酸化皮膜を夫々示す。尚、図1(a)〜(d)は、後述する方法で、めっき面に対して直角な断面を観察したときの任意の4視野相当分を示したものであるが、実際の測定に当たっては、任意の10視野を観察した。
【0016】
ブラスめっき層2の表面に形成される酸化皮膜3a〜3fは、銅および亜鉛を含有し、且つ亜鉛/銅の組成比が1.0以上である部位である。また、この酸化被膜3a〜3fは厚さがいずれも50nm以下に形成されるが、そのうち、本発明で測定対象となる酸化皮膜部分は、そのうち厚さが10nm以上の部分である。尚、酸化被膜中の元素および組成比は、例えばEDX分析によって測定できる。
【0017】
この酸化皮膜部分は、前記直角断面を観察する複数の視野の個々における、めっき表面上での長さA(nm)が500nm以下とする必要があるが、この長さA(以下、「連続長さA」と呼ぶ)とは、酸化皮膜3a〜3f‥3x(10視野相当分)のうち、厚みが10nm未満の酸化物皮膜部分を除いた領域での酸化物皮膜部分の夫々の長さa1、a2,a3,a4,a5‥axを意味し、本発明のブラスめっき材料ではこの連続長さAはいずれも500nm以下となっている。
【0018】
本発明においては、上記酸化皮膜部分の連続長さAの前記複数の視野の合計が、観察視野全長に対する割合R1(%)で5〜60%を占める必要があるが、この割合R1とは、各視野の一辺の長さL1,L2,L3,L4‥L10の総和(L1+L2+L3+L4‥+L10)に対する連続長さa1、a2,a3,a4,a5‥axの総和(a1+a2+a3+a4+a5+‥+ax)の割合{[(a1+a2+a3+a4+a5+‥+ax)/(L1+L2+L3+L4‥+L10)]×100(%)}を意味する。
【0019】
本発明のブラスめっき材料においては、前記直角断面視野毎で観察される長さ1μmの表面曲線において、最も高い標高点と最も低い標高点の差(標高差)が50nm以内である領域が存在する視野の数が、前記観察視野合計に対して70%以上を占めること(以下、「占有率」と呼ぶことがある)が好ましい要件である。この占有率は、例えば各視野の一辺の長さL1,L2,L3,L4‥L10を1μmとしたとき、標高差が50nmを超える段差を有するL2を除いた残りの和(L1+L3+L4+‥+L10)における総和(L1+L2+L3+L4‥+L10)に対する割合{[(L1+L3+L4+‥+L10)/(L1+L2+L3+L4‥+L10)]×100(%)}として表せる。
【0020】
上記の様な表面性状のブラスめっき材料において、表面に形成されている酸化皮膜3a〜3fはその膜厚がいずれも50nm以下である必要がある。この酸化皮膜の膜厚が50nmを超える部分が存在すると、加硫接着において、ゴム/ブラスめっき間の反応層(後記図2参照)の形成が阻害されて経時接着性が阻害されるからである。また、酸化皮膜の連続長さAは、前述の如く500nm以下とする必要がある。この連続長さAが500nmを超えると、加硫接着において、局所的な反応層不良部(反応層非形成の部分)が生成して、初期接着性の低下が懸念されるからである。
【0021】
本発明では酸化皮膜の厚みが10nm以上の部分を対象とするものであるが、これより薄くなると、後述する経時接着性において、その向上効果が十分には認められないからである。従って、前述の如く前記酸化皮膜の連続長さa1,a2,a3,a4,a5は、厚みが10nm未満の部分(例えば、酸化皮膜3b)を除いた領域での長さである。
【0022】
ブラスめっき表面における酸化皮膜の上記割合R1は、5〜60%とする必要があり、この割合R1と前記最大長さAとは、A(nm)≦10×R1(%)の関係を満足する必要がある。上記割合R1が5%未満、或は上記関係式を満足しない場合には、経時接着性において、その向上効果が十分に認められず、割合R1が60%を超えると、加硫接着における反応層形成が阻害されることになる。
【0023】
本発明のブラスめっき材料においては、表面曲線での標高差が50nm以内である領域の占有率が70%以上とすることが好ましい。これは、50nmを超えるような段差は、経時接着における接着剥離のクラックが発生する起点となり易いので、このような段差はできるだけ存在しない表面曲線とすることが経時接着性を向上させる上で好ましいからである。
【0024】
本発明において、ブラスめっき表面に、上記のような形態の酸化皮膜を形成する方法について特に限定するものでなく、例えばスパッタリング、イオンプレーティング等の気相めっき法、或は陽極酸化等の化学的方法、大気中での加熱処理等を採用することができる。また、酸化皮膜の分布を制御する手段としては、(a)酸化皮膜を形成する線径を変化させる、(b)伸線の減面率を変化させる、(c)伸線時の潤滑性を変化させる、(e)めっき表面を機械的に研削する、等様々な手段が挙げられる。
【0025】
上記のような酸化皮膜が形成されたブラスめっき材料は、その表面にゴムが加硫接着されるが、この際、ゴム側から拡散する硫黄とブラスめっき側から拡散する銅(一部、亜鉛も含む)との反応によって、ブラスめっき表面若しくは酸化皮膜表面に、銅および硫黄を主体とし、一部亜鉛を含むゴム/ブラスめっき反応層が形成される。このとき、ゴム中に含まれると考えられる酸素によって、反応層とブラスめっきの界面には、新たに酸化皮膜が形成されることになる。
【0026】
そして、ブラスめっき中の銅や亜鉛は、酸化皮膜が薄い領域ほどゴム側への拡散が進行し易く、新たに形成される酸化皮膜は、初期の酸化皮膜が無いか少ない領域で形成され易くなる。また、初期に酸化皮膜が形成されている領域においては、その膜厚が厚くなるよりも、横に広がる傾向を示す。
【0027】
一方、ブラスめっき表面に予め形成される酸化皮膜と新たに形成される酸化皮膜の間には、境界が残ると考えられるが、前者は所定の膜厚、最大長さ、分布に制御されているので、加硫接着後も前者の酸化皮膜が楔として作用し、酸化皮膜の濃淡、海島状の分布が維持されると考えられる。その結果、経時接着性も向上するものと考えられる。
【0028】
予め形成された酸化皮膜の濃淡や海島状の分布が経時接着性を向上させる理由については、その全てを解明し得た訳ではないが、接着剥離が発生するときのクラックは、酸化皮膜とブラスめっきとの界面近傍の酸化皮膜中を伝播すると考えられ、酸化皮膜が不均一に存在することによって、クラックの伝播がその途中で停止されるものと考えられる。
【0029】
図2は、上記のような形態を有するブラスめっき材料の表面にゴムを接合した複合体の界面断面を模式的に示した説明図である。尚、この図2に示した構成は前記図1に示したブラスめっき材料にゴムを接合した場合を想定したものであり、前記図1に対応する部分には同一の参照符号が付してある。但し、酸化皮膜3a〜3fは、図1に示した状態よりもその形状が成長して若干大きくなった状態となっており、一部では酸化皮膜の結合(図2では、図1に示した酸化皮膜3aと3b、3cと3dが結合して夫々一つの酸化皮膜となっている)も認められる。
【0030】
本発明の複合体においては、ゴム/ブラスめっき界面近傍には、銅、亜鉛および硫黄を含有する反応層4aがゴム4中に形成されると共に、銅および亜鉛を含有する厚さ50nm以下の酸化皮膜3a〜3fがブラスめっき2側に形成されたものである。酸化皮膜3a〜3fは、前述の如く銅および亜鉛を含有し、且つ亜鉛/銅の組成比が1.0以上である部位を示したものである。また、上記ブラスめっき材料と同様に、この酸化皮膜3a〜3fはその膜厚がいずれも50nm以下とする必要がある。この酸化皮膜の膜厚が50nmを超える部分が存在すると、膜厚が過大となってクラックが発生し易くなり、経時接着性が低下するからである。
【0031】
本発明の複合体では、酸化皮膜の厚みが10nm以上の部分(酸化皮膜部分)を対象とするものである。これより薄い酸化皮膜部分が多くなると、脱亜鉛腐食、めっき中からゴム側への銅、亜鉛の拡散防止効果が不十分になると共に、酸化皮膜の濃淡も不十分となって、接着剥離におけるクラック伝播の防止効果が十分には認められず、経時接着性が低下するからである。従って、前記酸化皮膜部分の長さB(b1,b2,b3,b4:以下、「連続長さB」と呼ぶ)は、厚みが10nm未満の酸化皮膜部分を除いた酸化皮膜部分の長さである。
【0032】
本発明の複合体においては、上記酸化皮膜3a〜3fは、ブラスめっき面に対する直角断面観察視野における前記反応層4aと隣接する界面上での連続長さBが1000nm以下とする必要がある。この連続長さBとは、上記酸化皮膜3a+3b,3c+3d,3e,3f‥3x(10視野相当分)の夫々の長さb1、b2,b3,b4‥byを意味し、この連続長さBが1000nmを超えると、前述した接着剥離におけるクラック伝播の防止が不十分になる。
【0033】
本発明の複合体においては、酸化皮膜3a〜3f‥3xの連続長さBの合計がめっき表面の観察視野全長に対する割合R2(%)で50〜90%を占める必要があるが、この割合R2が50%未満では、脱亜鉛腐食防止や銅、亜鉛拡散抑制、等の経時接着性が十分に認められず、90%を超えると、接着剥離におけるクラック伝播の防止が不十分になる。
【0034】
尚、上記割合R2は、各視野の一辺の長さL1,L2,L3,L4‥L10の総和(L1+L2+L3+L4‥+L10)に対する長さb1、b2,b3,b4‥byの総和(b1+b2+b3+b4+‥+by)の割合[[(b1+b2+b3+b4+‥+by)/(L1+L2+L3+L4‥+L10)]×100(%)]を意味する。
【0035】
本発明の複合体においては、上記ブラスめっき材料の場合と同様に、直角断面観察視野毎で観察される酸化皮膜が前記反応層と隣接する界面上での1μmの界面曲線において、最も高い標高点と最も低い標高点の差(標高差)が50nm以内である領域が存在する視野の占有率が70%以上とすることが好ましい。これは、前述した様に、50nmを超えるような段差は、経時接着において、接着剥離のクラックが発生する起点となり易く、このような段差ができるだけ存在しない界面曲線とするのが好ましいからである。尚、占有率とは、例えば各視野の一辺の長さL1,L2,L3,L4‥L10を1μmとしたとき、標高差が50nmを超える段差を有するL2の領域を除いた残りの和(L1+L3+L4+‥+L10)における総和(L1+L2+L3+L4‥+L10)に対する割合[(L1+L3+L4+‥+L10)/(L1+L2+L3+L4‥+L10)×100(%)]を意味する。
【0036】
本発明のブラスめっき材料および複合体において形成されるブラスめっきの組成は、銅:50〜90質量%、亜鉛:50〜10質量%程度の一般的なものを用いればよいが、接着性とめっき後の伸線性とのバランスを図るという観点からすれば、銅:60〜70質量%、亜鉛:40〜30%程度のものが好ましい。
【0037】
また、本発明で適用できる被接合材(基材)の代表例として、ゴム補強用のスチールコードやビードワイヤ等の線状のものが代表的なものとして挙げられるが、その他、ゴムライニング用の素材(例えば、鋼板等)やゴムロール用の素材(例えば、機械構造用鋼)に適用することができ、いずれに本発明を適用しても上記効果が有効に発揮されるものである。
【0038】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲含まれるものである。
【0039】
【実施例】
線径が0.5〜1.7mmの線材表面に、ブラスめっき(Cu:63質量%、Zn:37%)を施し、伸線前、或は中間線径まで伸線後、スパッタリング法によってブラスめっき表面に、実質的にCuおよびZnからなりZn/Cu≧1である酸化皮膜を形成し、線径:0.3mmまで最終伸線して供試材とした。このとき、スパッタリングにより形成する前記酸化皮膜の厚さを15〜50nmと変化させ、酸化皮膜を施す線径を前述のように変え、ブラスめっきを施す線径を前述のように変え、および伸線における各段の減面率を5〜22%と変えることによって、(1)ブラスめっき表面の最大酸化皮膜厚さ、(2)厚さ10〜50nmの酸化皮膜のブラスめっき表面における連続長さA、(3)酸化皮膜の割合、(4)ブラスめっき表面曲線の最高地点と最低地点の差、等を制御した。また、スパッタリングは、アルゴン分圧:10-1Pa、鋼線1m当たりの成膜パワー5Wで行ない、酸化皮膜膜厚は、スパッタリング時間を変えることによって制御した。尚、従来例として、線径:0.5〜1.7mmの鋼線に、Cu:63質量%、Zn:37質量%のブラスめっきを施し、線径が0.3mmまで最終伸線した供試材についても作製した(後記表1、2のNo.16,17)。
【0040】
次に、上記した線径:0.3mmのブラスめっき鋼線を3本撚り合わせ、ASTM D2229に基づいて、図3に示すように(図中5はゴム材、6は3本撚鋼線)ゴム材に埋め込んで加硫接着した。このときの加硫は、160℃×20分で行った。引き続き、ゴムから3本撚り鋼線を引き抜いて、引き抜いた後の鋼線におけるゴムの付着状態にて初期接着性を評価した。このときの評価は、鋼線表面にゴムが100%残留付着しているものを10点(良好)とし、全く付着していないものを0点(不良)とし、10段階で評価した。このときのゴムの付着状態を模式的に図4に示す。即ち、図4(a)は上記評価基準で10点のもの、図4(b)は5点のもの、図4(c)は0点のものを夫々示している。
【0041】
最終伸線後のブラスめっき鋼線について、集束イオンビーム(FIB)加工法によって、鋼線の長さ方向に垂直な横断面薄膜試料を作成し、透過型電子顕微鏡(TEM)にて90000倍の倍率で、当該断面内におけるめっき表面を含む最表層を1×1(μm)の範囲で任意に10視野観察した。そして、ブラスめっき最表面において、実質的に銅、亜鉛からなり、亜鉛/銅の組成比が1.0以上であり、酸素を含有する層(酸化皮膜層)をEDXで同定し、当該酸化皮膜の厚み、長さを計測し、前記割合R1(%)を計算した。また、めっき表面曲線から、最も高い標高点と最も低い標高点を観察し、前記占有率を計算した。これらの測定結果を、下記表1に一括して示す。
【0042】
【表1】
【0043】
一方、加硫接合後のゴム/鋼線複合体について、FIB加工法にて、鋼線の長さ方向に垂直な横断面薄膜試料を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)にて90000倍の倍率で、当該断面内における複合体の反応層と酸化皮膜を含む界面近傍を、1×1(μm)の範囲で任意に10視野観察した。そして、複合体界面における銅、亜鉛よりなり、亜鉛/銅の比が1.0を超え、酸素を含有する層(酸化皮膜層)をEDXで同定し、当該酸化皮膜の厚み、長さを計測し、前記割合R2(%)を計算した。また、反応層/酸化皮膜界面曲線から、最も高い標高点と最も低い標高点を観察し、前記占有率を計算した。更に、加硫接着後のゴム/鋼線複合体を用い、75℃×RH95%の湿潤雰囲気下で72時間保管した後、上記と同様にして引き抜き試験を行い、ゴムの付着状態を上記した方法で評価した。その結果を、横断面観察結果と共に下記表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
これらの結果から、次の様に考察できる。本発明で規定する要件を満足するものでは(No.1〜10)、初期接着性および経時接着性のいずれをも良好な結果が得られていることが分かる。尚、No.11のものでは、本発明の好ましい要件である占有率が小さくなっているので、経時接着性の点で若干低下しているが、それでも従来のものに比べて良好になっていることが分かる。
【0046】
これに対して、本発明で規定する要件を満足しないものでは(No.12〜18)では、いずれかの特性が劣化していることが分かる。即ち、No.12のものでは、酸化皮膜厚みが厚くなっており、No.13のものでは、10〜50nm厚さの酸化皮膜の連続する長さが長くなっており、No.15では、酸化皮膜の割合R1,R2が大きくなり過ぎており、No.17は最大連続長さAおよび割合R1が過大になっており、いずれも初期接着性および経時接着性の両特性が劣化している。また、No.14および16のものでは、酸化皮膜の割合R1が低くなっており、初期接着性は良好となるものの、経時接着性が劣化していることが分かる。更に、No.18のものでは、A(nm)≦10×R1(%)の関係を満足していないので、加硫接着後の最大連続長さBおよび割合R2が本発明で規定する範囲を外れており、経時接着性が劣化している。
【0047】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、加硫接着時および製品仕上がり時のゴム接着性を良好に維持したまま、時間の経過に伴う接着面の脆性を効果的に防止して良好な経時接着性を発揮することのできるブラスめっき材料、およびブラスめっき材料にゴムを接合して複合化した複合体が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラスめっき材料の表層断面を模式的に示した説明図である。
【図2】本発明の複合体の界面断面を模式的に示した説明図である。
【図3】接着性試験の状態を説明するための図である。
【図4】接着性試験の評価基準を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 基材
2 ブラスめっき
3a〜3f 酸化皮膜
4 ゴム
5 ゴム材
6 3本撚り鋼線
Claims (4)
- 基材表面にブラスめっきが施されたブラスめっき材料であって、前記ブラスめっき表面には、銅および亜鉛を含む厚さ50nm以下の酸化皮膜が海島状に形成され、そのうち、厚さが10nm以上である酸化皮膜部分は、ブラスめっき面に対する直角断面を観察する1μm×1μmの複数の視野の個々における、めっき表面上での前記酸化皮膜部分の長さA(nm)がいずれも500nm以下であり、且つこの長さA(nm)の前記複数の視野の合計が、前記複数の観察視野の合計長さに対する割合R1(%)で5〜60%を占め、更にA(nm)≦10×R1(%)の関係を満足するものであることを特徴とするゴムとの接着性に優れたブラスめっき材料。
- 前記直角断面視野毎で観察される長さ1μmの表面曲線において、最も高い標高点と最も低い標高点の差が50nm以内である領域が存在する視野の数が、前記複数の観察視野の合計に対して70%以上を占めるものである請求項1に記載のブラスめっき材料。
- ブラスめっき材料の表面にゴムを加硫接合した複合体であって、この複合体における前記ブラスめっき表面とゴムとの界面近傍には、銅、亜鉛および硫黄を含有する反応層がゴム中に形成されると共に、銅および亜鉛を含む厚さ50nm以下の酸化皮膜がブラスめっき側に海島状に形成され、そのうち、厚さが10nm以上である酸化皮膜部分は、ブラスめっき面に対する直角断面を観察する1μm×1μmの複数の視野の個々における、前記反応層と隣接する界面上での前記酸化皮膜部分の長さB(nm)がいずれも1000nm以下であり、且つこの長さB(nm)の前記複数の視野の合計が、前記複数の観察視野の合計長さに対する割合R2(%)で50〜90%を占めるものであることを特徴とする複合体。
- 前記直角断面視野毎で観察される酸化皮膜が前記反応層と隣接する界面上での長さ1μmの界面曲線において、最も高い標高点と最も低い標高点の差が50nm以内である領域が存在する視野の数が、前記複数の観察視野の合計に対して70%以上を占めるものである請求項3に記載の複合体。
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