JP2018114698A - 断熱複合パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた防水性と優れた強度とを有する断熱複合パネル。【解決手段】第一の発泡樹脂層12と、前記第一の発泡樹脂層12よりも吸水量の低い第二の発泡樹脂層22と、前記第一の発泡樹脂層12と前記第二の発泡樹脂層22との間に設けられた中間層24とを備え、前記中間層24は、織布又は不織布であり、かつ前記第二の発泡樹脂層22に一体化されていることよりなる。前記第一の発泡樹脂層12は、フェノール樹脂の発泡体であることが好ましく、前記第二の発泡樹脂層22は、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂の発泡体であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、断熱複合パネルに関する。
家屋等の断熱材として、断熱パネルが汎用される。断熱パネルとしては、樹脂の発泡体と、この発泡体の片面又は両面に設けられた面材とを備えるパネルが知られている。発泡体としては、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂の発泡体、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の発泡体が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂の発泡体は、吸水性及び透湿性が低いものの、剛性が不十分である。ポリスチレン樹脂の発泡体は、剛性に優れるものの、透湿性が高い。フェノール樹脂の発泡体は、ポリスチレン樹脂やポリオレフィン樹脂に比べ、断熱性及び耐熱性に優れるものの、吸水性が高く、透湿性がある。このため、吸水性や透湿性の高い発泡体を断熱パネルに用いる場合、面材には、防水性のあるシートが用いられる。
例えば、フェノール樹脂発泡板の片面又は両面に、ホットメルト層を介して合成樹脂製の不織布又は織布を熱溶着した断熱パネルが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1の発明によれば、ホットメルトの膜により防水性の向上を図っている。加えて、特許文献1の発明によれば、不織布又は織布を備えることで、いわゆる打ち込み工法におけるコンクリートへの接着性の向上を図っている。
また、例えば、
特許第4358000号公報
しかしながら、確実な防水性を有するホットメルト層を形成するのは煩雑である。例えば、ホットメルトを塗布する際に、ホットメルトの温度が高すぎると、ホットメルトの粘度が低下しすぎて、塗布量にむらが生じたり、不織布や織布が収縮したりして、ホットメルト層にピンホールが生じやすい。また、ホットメルトを塗布する際に、ホットメルトの温度が低すぎると、ホットメルトの粘度が高まり、ホットメルトを均一に塗布しにくい。加えて、ホットメルトの温度が低すぎると不織布や織布との接着強度が不十分になる。即ち、ホットメルト層にピンホール等の空隙を生じることなく、防水性を担保するのは困難である。
加えて、不織布及び織布を表層とすると、打ち込み工法におけるコンクリート打設時に、骨材等が表層に衝突した際に、フェノール樹脂発泡板が凹んだり、割れたりするおそれがある。また、骨材が表面に衝突した際に、ホットメルト層に欠落が生じると、防水性が低下する。
そこで、本発明は、優れた防水性と優れた強度とを有する断熱複合パネルを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]第一の発泡樹脂層と、前記第一の発泡樹脂層よりも吸水量の低い第二の発泡樹脂層と、前記第一の発泡樹脂層と前記第二の発泡樹脂層との間に設けられた中間層とを備え、前記中間層は、織布又は不織布であり、かつ前記第二の発泡樹脂層に一体化されている、断熱複合パネル。
[2]前記第一の発泡樹脂層は、フェノール樹脂の発泡体である、[1]に記載の断熱複合パネル。
[3]前記第二の発泡樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂の発泡体である、[1]又は[2]に記載の断熱複合パネル。
[4]前記第二の発泡樹脂層の独立気泡率は、50〜95%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の断熱複合パネル。
[5]前記第二の発泡樹脂層における気泡のアスペクト比は、1.1〜4.0である、[1]〜[4]のいずれかに記載の断熱複合パネル。
本発明の断熱複合パネルによれば、防水性と強度の向上を図れる。
本発明の一実施形態に係る断熱複合パネルの断面図である。 (a)第二の発泡樹脂層の斜視図である。(b)図2(a)における領域Aの拡大図である。
本発明の断熱複合パネルは、第一の発泡樹脂層と、第二の発泡樹脂層と、第一の発泡樹脂層と第二の発泡樹脂層との間に設けられた中間層とを備える。
以下、図面を参照して、断熱複合パネルについて説明する。
図1の断熱複合パネル1は、第一の発泡樹脂板10と第二の発泡樹脂板20とを備える。
第一の発泡樹脂板10は、第一の発泡樹脂層12と、第一の発泡樹脂層12の一方の面に設けられた第一の面材14と、第一の発泡樹脂層12の他方の面に設けられた第二の面材16とを備える。
第二の発泡樹脂板20は、第二の発泡樹脂層22と、第二の発泡樹脂層22の一方の面に設けられた中間層24と、第二の発泡樹脂層22の他方の面に設けられた表層26とを備える。
本実施形態において、中間層24は第一の面材14に貼着されている。即ち、中間層24は、第一の発泡樹脂層12と第二の発泡樹脂層22との間に設けられている。
第一の発泡樹脂層12は、樹脂の発泡体である。断熱複合パネル1は、第一の発泡樹脂層12を備えることで、優れた断熱性を発揮する。
第一の発泡樹脂層12は、樹脂と発泡剤とを含む第一の発泡性樹脂組成物を発泡、硬化させてなる発泡体である。第一の発泡樹脂層12には、複数の気泡が形成されており、複数の気泡の少なくとも一部は、相互に連通していない独立気泡である。
第一の発泡性樹脂組成物に含まれる樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から選ばれる少なくとも1種である。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル樹脂、等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂及びポリイソシアヌレート樹脂等が挙げられ、中でも、フェノール樹脂、イソシアヌレート樹脂が好ましい。これらの熱硬化性樹脂であれば、断熱複合パネル1の難燃性をより高められる。
これらの樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
フェノール樹脂としては、レゾール型のものが好ましい。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で反応させて得られるフェノール樹脂である。
フェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシノール及びこれらの変性物等が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等が挙げられる。アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、脂肪族アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン等)等が挙げられる。ただしフェノール化合物、アルデヒド、アルカリ触媒はそれぞれ上記のものに限定されるものではない。フェノール樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合されて用いられてもよい。
フェノール化合物とアルデヒドとの使用割合は特に限定されない。好ましくは、フェノール化合物:アルデヒドのモル比で、1:1〜1:3であり、より好ましくは1:1.3〜1:2.5である。
発泡剤は、特に限定されず、例えば、炭化水素;ハロゲン化飽和炭化水素、ハロゲン化不飽和炭化水素等のハロゲン化炭化水素;窒素、アルゴン、炭酸ガス、空気等の低沸点ガス;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン等の化学発泡剤;多孔質固体材料等が挙げられる。中でも、第一の発泡樹脂層12の難燃性をより高める観点から、発泡剤としては、ハロゲン化炭化水素が好ましく、ハロゲン化不飽和炭化水素がより好ましい。
炭化水素としては、発泡剤として公知のものを用いることができ、沸点が−20℃以上100℃以下のものが好適に用いられる。
炭化水素としては、炭素数が4以上6以下の環状分子構造又は炭素数4以上6以下の鎖状分子構造を有するものが好ましく、例えば、イソブタン、ノルマルブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。
これらの炭化水素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。これらの炭化水素は、低温域(例えば、−80℃程度の冷凍庫用断熱材)から高温域(例えば200℃程度の加熱体用断熱材)までの広い温度範囲で優れた断熱性能を確保でき、比較的安価であり経済的にも有利である。
ハロゲン化炭化水素としては、発泡剤として公知のものを用いることができる。ハロゲン化炭化水素としては、例えば、塩素化飽和炭化水素、フッ素化飽和炭化水素等のハロゲン化飽和炭化水素;塩素化不飽和炭化水素、塩素化フッ素化不飽和炭化水素、フッ素化不飽和炭化水素、臭素化フッ素化不飽和炭化水素、ヨウ素化フッ素化不飽和炭化水素等のハロゲン化不飽和炭化水素が挙げられる。ハロゲン化炭化水素は、水素の全てがハロゲンで置換されたものでもよいし、水素の一部がハロゲンで置換されたものでもよい。
これらのハロゲン化炭化水素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
塩素化飽和炭化水素としては、炭素数が2以上5以下であるものが好ましく、例えばジクロロエタン、プロピルクロライド、イソプロピルクロライド、ブチルクロライド、イソブチルクロライド、ペンチルクロライド、イソペンチルクロライド等が挙げられる。中でも、オゾン層破壊係数が低く、環境適合性に優れる点で、イソプロピルクロライドが好ましい。
塩素化フッ素化不飽和炭化水素としては、分子内に塩素原子とフッ素原子と二重結合を含むものが挙げられ、例えば、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエテン(E及びZ異性体)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)(E及びZ異性体)(例えば、HoneyWell社製、商品名:SOLSTICE LBA)、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yd)(E及びZ異性体)、1−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zb)(E及びZ異性体)、2−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xe)(E及びZ異性体)、2−クロロ−2,2,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xc)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)(例えば、SynQuest Laboratories社製、製品番号:1300−7−09)、3−クロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233ye)(E及びZ異性体)、3−クロロ−1,1,2−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yc)、3,3−ジクロロ−3−フルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1223xd)(E及びZ異性体)、2−クロロ−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(E及びZ異性体)、及び2−クロロ−1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(E及びZ異体)等が挙げられる。
フッ素化飽和炭化水素としては、例えば、ジフルオロメタン(HFC32)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC125)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC152a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオプロパン(HFC245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)及び1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC4310mee)等のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。
フッ素化不飽和炭化水素としては、分子内にフッ素原子と二重結合を含むものが挙げられ、例えば、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)(E及びZ異性体)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz)(E及びZ異性体)(SynQuest Laboratories社製、製品番号:1300−3−Z6)等の特表2009−513812号公報等に開示されるものが挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、オゾン破壊係数(ODP)及び地球温暖化係数(GWP)が小さく、環境に与える影響が小さい点で、ハロゲン化不飽和炭化水素が好ましく、塩素化フッ素化不飽和炭化水素またはフッ素化不飽和炭化水素がより好ましい。
第一の発泡性樹脂組成物中の発泡剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、1〜20質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましく、5〜11質量部がさらに好ましい。
第一の発泡性樹脂組成物は、酸触媒を含有してもよい。酸触媒は、フェノール樹脂を硬化させるために使用される。
酸触媒としては、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸、硫酸、リン酸等の無機酸等が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第一の発泡性樹脂組成物中の酸触媒の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、5〜30質量部が好ましく、8〜25質量部がより好ましく、10〜20質量部がさらに好ましい。
第一の発泡性樹脂組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、気泡径(セル径)の微細化に寄与する。
界面活性剤としては、特に限定されず、整泡剤等として公知のものを使用できる。例えば、ひまし油アルキレンオキシド付加物、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、気泡径の小さい気泡を形成しやすい点で、ひまし油アルキレンオキシド付加物及びシリコーン系界面活性剤のいずれか一方または両方を含むことが好ましく、熱伝導率をより低く、難燃性をより高くできる点で、シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましい。
第一の発泡性樹脂組成物中の界面活性剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、1〜10質量部が好ましく、2〜5質量部がより好ましい。界面活性剤の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、気泡径が均一に小さくなりやすく、上限値以下であれば、フェノール樹脂発泡体の吸水量が少なく、また、製造コストも抑えられる。
第一の発泡性樹脂組成物は、従来公知の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、尿素、可塑剤、充填剤(充填材)、難燃剤(例えばリン系難燃剤等)、架橋剤、有機溶媒、アミノ基含有有機化合物、着色剤等が挙げられる。
充填剤としては、無機フィラーが好ましい。無機フィラーを用いることで、断熱複合パネル1の熱伝導率を低減し、かつ難燃性のさらなる向上を図れる。
第一の発泡性樹脂組成物中の充填剤の含有量は、抽出pHが5以上となる量が好ましい。例えば、充填剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、0.1〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましく、3〜15質量部がさらに好ましく、5〜10質量部が特に好ましい。充填剤の含有量が上記下限値未満では、フェノール樹脂発泡体の抽出pHが低くなる。抽出pHが低くなると、酸性度が増す為、フェノール樹脂発泡体と接触する資材が、腐食を生じるおそれがある。充填剤の含有量が上記上限値超では、酸触媒による硬化反応が著しく阻害され、生産性が悪化するおそれがある。
抽出pHは、以下の方法で測定される。フェノール樹脂発泡体を乳鉢で250μm(60メッシュ)以下に粉砕してサンプルとする。サンプル0.5gを200mLの共栓付き三角フラスコに量り取る。共栓付き三角フラスコに純水100mLを加え、密栓する。マグネチックスターラーを用いて、共栓付き三角フラスコ内を23℃±5℃で7日間撹拌して、試料液とする。得られた試料液のpHをpHメータで測定し、その値を抽出pHとする。
第一の発泡樹脂層12の厚さt1は、断熱複合パネル1に求める断熱性を勘案して決定され、例えば、5〜200mmが好ましく、10〜50mmがより好ましい。上記下限値以上であれば、断熱性をより高められる。厚さt1が上記上限値以下であれば、断熱複合パネル1の厚さTが厚くなりすぎず、取り扱いが容易である。
第一の発泡樹脂層12の密度は、10kg/m以上が好ましく、20〜100kg/mがより好ましい。密度が上記下限値以上であれば強度をより高められ、上記上限値以下であれば、断熱複合パネル1の断熱性をより高められる。
第一の発泡樹脂層12の密度は、JIS A 9511:2009に準じて測定される値である。
第一の発泡樹脂層12における平均気泡径は、5〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましい。平均気泡径が上記範囲内であれば、断熱複合パネル1の断熱性をより高められる。
平均気泡径は、例えば、以下の測定方法により測定される。
まず、第一の発泡樹脂層12の厚さ方向のほぼ中央から試験片を切出す。試験片の厚さ方向の切断面を50倍拡大で撮影する。撮影された画像に、長さ9cmの直線を4本引く。この際、ボイド(2mm以上の空隙)を避けるように直線を引く。各直線が横切った気泡の数(JIS K6400−1:2004に準じて測定したセル数)を直線毎に計数し、直線1本当たりの平均値を求める。気泡の数の平均値で1800μmを除し、求められた値を平均気泡径とする。
第一の発泡樹脂層12の平均気泡径は、発泡剤の種類又は組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等の組み合わせにより調節される。例えば、2種以上のハロゲン化炭化水素を発泡剤として併用することで平均気泡径を小さくすることができる。
第一の発泡樹脂層12における独立気泡率は、例えば、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、100%でもよい。独立気泡率が上記下限値以上であれば、断熱複合パネル1の断熱性をより高められる。
独立気泡率は、JIS K 7138:2006に準拠して測定される。
第一の発泡樹脂層12の独立気泡率は、発泡剤の種類又は組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等の組み合わせにより調節される。
第一の発泡樹脂層12の耐熱温度(熱変形温度)は、160℃以上が好ましい。耐熱温度が上記下限値以上であれば、第一の発泡樹脂層12の難燃性のさらなる向上を図れる。第一の発泡樹脂層12の耐熱性の上限は、特に限定されないが、一般に200℃以下である。
本稿における吸水量は、例えば、JIS A 9521の「吸水試験方法 測定方法A」又は「吸水試験方法 測定方法B」により測定される値である。
第一の発泡樹脂層12が熱可塑性樹脂の発泡体である場合、第一の発泡樹脂層12の吸水量αは、1.0g/100cm以下が好ましく、0.01g/100cm以下がより好ましい。
第一の発泡樹脂層12が熱硬化性樹脂の発泡体である場合、第一の発泡樹脂層12の吸水量αは、5.0g/100cm以下が好ましく、3.5g/100cm以下がより好ましい。
吸水量αが上記上限値以下であれば、断熱性が低下しにくい。
吸水量αは、第一の発泡性樹脂組成物における樹脂の種類や組成、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等の組み合わせにより調節される。
第一の発泡樹脂層12の酸素指数(Limited Oxygen Index;以下「LOI」ともいう。)は、26容量%以上が好ましく、28容量%以上がより好ましく、30容量%以上がさらに好ましく、32容量%以上が特に好ましく、34容量%以上が最も好ましい。LOIが上記下限値以上であれば、第一の発泡樹脂層12の難燃性のさらなる向上を図れる。
LOIは、JIS K 7201−2:2007に準じて測定される値である。
第一の発泡樹脂層12のLOIは、発泡剤の種類又は組成、界面活性剤の種類、難燃剤の種類又は組成とその量等の組み合わせにより調節される。例えば、発泡剤中の可燃性の発泡剤の含有量が少ない(ハロゲン化炭化水素の含有量が多い)ほど、LOIが高い。また、界面活性剤がシリコーン系界面活性剤、特に末端が−OHであるポリエーテル鎖を有するものであれば、他の界面活性剤を用いる場合に比べて、LOIが高い傾向がある。さらに、リン系難燃剤等を添加することでLOIを高くすることができる。
第一の発泡樹脂層12の熱伝導率は、0.022W/m・K以下が好ましく、0.020W/m・K以下がより好ましく、0.019W/m・K以下がさらに好ましく、0.018W/m・Kが特に好ましい。熱伝導率が上記上限値以下であれば、断熱複合パネル1の断熱性のさらなる向上を図れる。
第一の発泡樹脂層12の熱伝導率は、平均気泡径、発泡剤の種類又は組成、界面活性剤の種類等の組み合わせにより調節される。例えば、平均気泡径が小さいほど、第一の発泡樹脂層12の熱伝導率が低い傾向となる。界面活性剤がシリコーン系界面活性剤、特に末端が−OHであるポリエーテル鎖を有するものである場合、他の界面活性剤を用いる場合に比べて、熱伝導率が低い傾向がある。
例えば、フェノール樹脂発泡体の密度を27kg/mとした場合、このフェノール樹脂発泡体の20℃における熱伝導率は0.02W/m・Kである。
熱伝導率は、JIS A 1412−2:1999に準拠して測定される値である。
第一の面材14は、第一の発泡樹脂層12の一方の面を覆っている。第一の発泡樹脂層12の一方の面の面積(100%)に対して、第一の面材14の覆う面積の割合は、90%以上が好ましく、95%以上がより好ましく、98%以上がさらに好ましく、100%が特に好ましい。
第一の面材14としては、ガラス繊維混抄紙、水酸化アルミニウム紙、ケイ酸カルシウム紙、ケイ酸マグネシウム紙等の無機材料を含有する紙やクラフト紙等の紙類;織布;ガラス繊維不織布、合成繊維不織布(例えばポリエステル繊維不織布、ポリプロピレン繊維不織布、ナイロン繊維不織布)、アルミニウム箔貼不織布等の不織布;合板;珪酸カルシウム板;石膏ボード;木質系セメント板;アルミニウム箔、銅箔、ステンレス鋼箔等の金属箔;等が挙げられる。第一の面材14としては、上述の中でも、紙類、合成繊維不織布、ガラス繊維不織布が好ましく、ガラス繊維混抄紙、ポリエステル繊維不織布、ガラス繊維不織布がより好ましい。
第一の面材14の厚さt2は、特に限定されないが、例えば、0.05〜1.0mmが好ましい。
第一の面材14を設ける方法としては、後述する連続走行するコンベアベルト上に第一の面材14を配置し、該面材上に第一の発泡性樹脂組成物を吐出し、その上に他の面材を積層した後、加熱炉を通過させて発泡成形する方法が挙げられる。これにより、シート状のフェノール樹脂発泡体の両面に面材が積層した面材付きフェノール樹脂発泡体が得られる。
また、第一の面材14は、発泡成形された第一の発泡樹脂層12に接着剤で貼着されてもよい。
第二の面材16の材料は、第一の面材14の材料と同様である。第二の面材16の材料と、第一の面材14の材料とは、同じでもよいし異なってもよい。
第二の面材16の厚さt3は、第一の面材14の厚さt2と同様である。第二の面材16の厚さt3は、第一の面材14の厚さt2とは、同じでもよいし異なってもよい。
第二の発泡樹脂層22は、樹脂の発泡体である。断熱複合パネル1は、第二の発泡樹脂層22を備えることで、優れた防水性と強度を発揮する。
第二の発泡樹脂板20における第二の発泡樹脂層22は、樹脂と発泡剤とを含む第二の発泡性樹脂組成物を発泡し、硬化させてなる発泡体である。第二の発泡樹脂層22には、複数の気泡が形成されており、複数の気泡の少なくとも一部は、相互に連通していない独立気泡である。
第二の発泡樹脂層22は、第一の発泡樹脂層12よりも吸水量が少ない。
第二の発泡性樹脂組成物中の樹脂としては、いわゆる硬質樹脂が好ましい。本稿の「硬質樹脂」とは、JIS K 7221で測定される曲げ弾性率が10MPa以上の樹脂をいう。
第二の発泡性樹脂組成物中の樹脂は、曲げ弾性率20〜3000MPaが好ましく、30〜250MPaがより好ましい。曲げ弾性率が上記下限値以上であれば、断熱複合パネル1の強度のさらなる向上を図れる。
このような硬質樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル及びポリアクリル酸から選ばれる1種以上を含有する樹脂が挙げられる。中でも、ポリオレフィンを主成分として含有する樹脂(ポリオレフィン系樹脂)がより好ましい。
ポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクチックもしくはシンジオタクチックホモポリプロピレン、ブロックプロピレン共重合体、ランダムプロピレン共重合体、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらは1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ポリオレフィン系樹脂100質量%に対し、ポリオレフィン以外の他の樹脂を30質量%以下の範囲で含んでもよい。前記の他の樹脂としては、例えば、ポリスチレン等の相溶性を有する熱可塑性樹脂、エラストマー等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、余り大き過ぎても、又、反対に小さ過ぎても発泡安定性を低下させるものであるので、好ましくは、JIS K 7210に準拠して測定された値で、0.1〜20g/10分である。
ポリオレフィン系樹脂は、必要に応じて架橋されたものであってもよい。架橋の方法は、特に限定されず、例えば、電子線等の電離性放射線を照射する電子線架橋法、有機過酸化物等を用いた化学架橋法、又は、シラン変性樹脂を用いたシラン架橋法等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂の架橋の度合いは、余り高過ぎると、発泡倍率が低下すると共に、熱成形性が低下し、余り低過ぎると、熱安定性が低下し、かつ、発泡時のセル(気泡壁)が破泡し、均一な気泡が得られなくなることがあるので、架橋の指標となるゲル分率は、好ましくは10〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%である。
なお、本発明において、ゲル分率とは、以下の方法で測定される。まず、第二の発泡樹脂層22を120℃のキシレン中に浸漬し、24時間後の残渣質量を求める。求めた残渣質量に基づき、下記式によりゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=[キシレン浸漬24時間後の残渣質量]÷[キシレン浸漬前の第二の発泡樹脂層の質量]×100
第二の発泡性樹脂組成物に含まれる発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。第二の発泡性樹脂組成物における発泡剤の含有量は、樹脂100質量部に対して好ましくは2〜20質量部である。
第二の発泡性樹脂組成物は、変性用モノマーを含んでもよい。変性用モノマーは、ラジカル反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物である。上記官能基としてはオキシム基、マレイミド基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等が例示される。変性用モノマーは、好ましくは、ジオキシム化合物、ビスマレイミド化合物、ジビニルベンゼン、アリル系多官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマーである。また、変性用モノマーはキノン化合物のような、分子内に2個以上のケトン基を有する環状化合物であってもよい。
変性用モノマーを用いることで、得られる第二の発泡性樹脂組成物を常圧で容易に発泡できる。
第二の発泡性樹脂組成物中の変性用モノマーの含有量は、樹脂100質量部に対して、0.1〜0.6質量部が好ましい。
第二の発泡樹脂層22の吸水量βは、2.0g/100cm以下が好ましく、1.0g/100cm以下がより好ましい。吸水量βが上記上限値以下であれば、断熱複合パネル1の防水性のさらなる向上を図れる。上記上限値以下であれば、第二の発泡樹脂層22上に浸入した水が第一の発泡樹脂層12へ浸入するのを防止できる。
吸水量βは、第二の発泡性樹脂組成物における樹脂の種類や組成、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等の組み合わせにより調節される。
本稿における気泡の「アスペクト比」は、発泡体の気泡における定方向最大径の比の個数(算術)平均値であり、層厚さ方向の直径Dと、面方向における最大直径Dxyとの比D/Dxyとして表される。
第二の発泡樹脂層22における気泡のアスペクト比は、1.1〜4.0が好ましく、1.2〜2.5がより好ましい。
アスペクト比が上記下限値以上であれば、気泡が第二の発泡樹脂層22の厚さ方向に長くなり、第二の発泡樹脂層22の圧縮弾性率、圧縮強度をより高められる。アスペクト比が上記上限値以下であれば、第二の発泡樹脂層22が脆くなりにくく、耐衝撃強度をより高められる。また、第二の発泡樹脂層22における気泡のDxyの平均値は200〜400μmが好ましい。
アスペクト比の測定方法は、図2(a)に示すように、第二の発泡樹脂層22のシート厚さ方向(z方向と呼ぶ)に平行な任意な断面23aの任意の領域Aの10倍の拡大写真をとる。この写真中で無作為に選ばれる少なくとも50個の気泡22aにおける2つの定方向最大径(D,Dxy)を測り、個数平均値を算出する(図2(b)参照)。
:硬質発泡体中の気泡22aのz方向に平行な最大径。
xy:硬質発泡体中の気泡22aのシート幅又は長さ方向、即ち、z方向に垂直な面23b方向(xy方向と呼ぶ)に平行な最大径。
内在する気泡22aのアスペクト比が上記の範囲となることによって、本発明における第二の発泡樹脂層22はその厚さ方向に圧縮力を受けると、厚さ方向に長い紡錘形の気泡22aの長軸方向に力がかかることになるので厚さ方向に高い圧縮強度を示す。
第二の発泡樹脂層22の独立気泡率は、例えば、50〜95%が好ましく、60〜95%がより好ましい。第二の発泡樹脂層22の独立気泡率が上記下限値以上であれば、防水性をより高められ、強度をより高められる。上記上限値以下であれば、第二の発泡樹脂層22を形成しやすい。
第二の発泡樹脂層22の独立気泡率は、発泡剤の種類又は組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等の組み合わせにより調節される。
第二の発泡樹脂層22の発泡倍率は、3〜20倍が好ましい。発泡倍率が上記下限値以上であれば、気泡22aのアスペクト比を十分な長軸と短軸の比が得られにくい。上記上限値超では、個々の気泡22aにおける気泡壁が薄くなって、十分な圧縮強度を発現し得ないことがある。
第二の発泡樹脂層22の圧縮弾性率は、5MPa以上が好ましい。圧縮弾性率が5Mpa未満の場合は、剛性が低下する場合がある。圧縮弾性率の上限は特に認められないが、50MPaを超えると、第二の発泡樹脂層22が脆くなって、施工時等に欠けや割れが起こりやすくなるおそれがある。
第二の発泡樹脂層22の厚さt11は、第一の発泡樹脂層12の厚さt1と同様である。厚さt11と厚さt1とは同じでもよいし異なってもよい。
中間層24は、織布又は不織布で構成される。加えて、中間層24は、第二の発泡樹脂層22と一体とされている。中間層24は、後述する第二の発泡樹脂板20の製造方法により、中間層24における繊維同士の間隙に第二の発泡樹脂層22を構成する樹脂が食い込んで、第二の発泡樹脂層22と一体化する。このため、第二の発泡樹脂層22を構成する樹脂によるアンカー効果により、中間層24は、第二の発泡樹脂層22と強固に接着する。
加えて、中間層24は第一の発泡樹脂板10と容易に接着される。
中間層24の材質は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、セルロース等の天然繊維、レーヨン等の天然加工物、ガラス繊維、カーボン繊維等が挙げられる。これらは1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
中間層24は、ガラスや金属等の無機物、パルプ等が混抄されていてもよい。中でも、入手しやすさ、経済性、繊維層の均一性、第一の発泡樹脂板10との接着性、成形性、加工の自由度から、ポリエステル不織布が好ましい。
中間層24の坪量は、10〜150g/mが好ましい。中間層24の坪量が上記下限値以上であれば、中間層24の厚みのムラが小さくなり、第二の発泡樹脂板20への接着性がより高まる。上記上限値以下であれば、中間層24自体が層間剥離しにくい。
中間層24の厚さt12は、特に限定されないが、例えば、0.05〜1.0mmが好ましい。
表層26は、中間層24と同様である。表層26は、中間層24と同じでもよいし、異なってもよい。
表層26の厚さt13は、中間層24の厚さt12と同様である。厚さt13と厚さt12とは、同じでもよいし異なってもよい。
本実施形態の断熱複合パネル1の製造方法は、第一の発泡樹脂板10と第二の発泡樹脂板20とを貼り合わせる工程(貼着工程)を有する。
第一の発泡樹脂板10は、上述した第一の発泡性樹脂組成物を発泡し、硬化して得られる板状の発泡体である。
第一の発泡樹脂板10の製造方法としては、例えば、吐出装置と、吐出装置の下流に位置する発泡成形装置と、発泡成形装置の下流に位置する切断装置とを備える製造システムを用いた製造方法が挙げられる。
吐出装置は、フェノール樹脂等の原料を混合する混合部と、混合された原料(発泡性樹脂組成物)を吐出するための複数のノズルとを備える。複数のノズルは、第一の発泡性樹脂組成物の流れ方向と直交する方向に並んでいる。
発泡成形装置は、フレーム部及び加熱手段を備える。フレーム部は、第一の発泡樹脂板10の断面形状に対応した空間が形成されるように、上下左右に配置されたコンベア(下部コンベア、上部コンベア、左側コンベア、右側コンベア)を備える。下部コンベア及び上部コンベアによって、上下方向の発泡が規制され、左側コンベア及び右側コンベアによって、左右方向の発泡が規制されるようになっている。加熱手段によって、フレーム部を通過する第一の発泡性樹脂組成物を加熱し、発泡、硬化できるようになっている。
なお、発泡成形装置70は、左側コンベア及び右側コンベアを備えていなくてもよい
発泡成形装置70としては、特開2000−218635号公報に記載のスラットコンベアを有する装置でもよい。
この製造システムにおいて、まず、吐出装置と発泡成形装置との間に第一の面材14を連続的に供給する。吐出装置にて原料を混合して第一の発泡性樹脂組成物を調製し、この第一の発泡性樹脂組成物を複数のノズルから第一の面材14上に吐出する。吐出された第一の発泡性樹脂組成物の上に第二の面材16を載せ、これらを発泡成形装置のフレーム部に導入し、任意の温度で加熱する。この加熱温度は、例えば30℃以上95℃以下とされる。これにより、第一の面材14と第二の面材16との間で第一の発泡性樹脂組成物が発泡し、硬化して、第一の発泡樹脂層12と第一の面材14と第二の面材16とを備える第一の発泡樹脂板10を得る。
次いで、第一の発泡樹脂板10を切断装置で任意の長さに切断する。
第二の発泡樹脂板20は、上述した第二の発泡性樹脂組成物を発泡し、硬化して得られる板状の発泡体である。第二の発泡樹脂板20は、第一の発泡樹脂板10と同様の方法により製造される。この場合、中間層24が第一の面材14と同様に用いられ、表層26が第二の面材16と同様に用いられる。こうして、中間層24と表層26との間に、第二の発泡性樹脂組成物が発泡し、硬化した第二の発泡樹脂層22が形成される、この際、第二の発泡性樹脂組成物は、上下方向を中間層24と表層26とで挟まれた状態で発泡されることで、上述のアスペクト比D/Dxyは1.0以上となりやすい。
次いで、第一の発泡樹脂板10の第一の面材14と、第二の発泡樹脂板20の中間層24とを接着剤で貼り合わせて、断熱複合パネル1を得る。
接着剤としては、第一の面材14の材質、中間層24の材質等を勘案して適宜決定され、例えば、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ラテックス系接着剤、変性シリコーン系接着剤、クロロプレン系接着剤、エマルジョン系接着剤等が挙げられる。
断熱複合パネル1は、家屋の内外に用いられる断熱材として好適に用いられる。
例えば、断熱複合パネル1を壁や床の断熱材として用いる場合、第二の面材16を壁又は床に臨ませて位置させ、断熱複合パネル1を壁又は床にビスで固定する。
この場合、壁又は床から見て第二の発泡樹脂板20は第一の発泡樹脂板10よりも外方に位置する。このため、空気中の水分等が第二の発泡樹脂層22に浸入しにくくなる。加えて、第一の発泡樹脂層12に比べ、硬質樹脂である第二の発泡樹脂層22は強度が高い。このため、表層26に物理的衝撃が加わっても、断熱複合パネル1は変形しにくい。
また、例えば、いわゆる打ち込み工法により断熱複合パネル1を設けてもよい。打ち込み工法は、まず、壁の形状に型枠を形成する。この型枠内に断熱複合パネル1を仮止めする。この際、表層26を型枠の内方に臨ませる。次いで、型枠内にコンクリートを流し込み、コンクリートを硬化させる。これにより、表層26がコンクリートによって強固に接着され、断熱材を備えるコンクリート壁が形成される。
この際、表層26に骨材等が衝突しても、強度の高い第二の発泡樹脂層22は損傷を受けにくい。このため、断熱複合パネル1の防水性は、損なわれにくい。
上述の通り、本実施形態の断熱複合パネルは、第二の発泡樹脂層と一体化された中間層を備える。中間層は、第二の発泡樹脂層に強固に接着しているため、第二の発泡樹脂層から剥がれにくい。加えて、中間層は、接着剤によって他の層(例えば、第一の面材等)と接着されやすい。このため、第一の発泡樹脂板と第二の発泡樹脂板とが剥がれにくい。
加えて、本実施形態の断熱複合パネルは、第一の発泡樹脂層を備えることで、高い断熱性を得られる。
さらに、本実施形態の断熱複合パネルは、第二の発泡樹脂層を備えることで、優れた防水性と優れた強度とを発揮できる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。
上述の実施形態では、第一の面材と第二の面材とを備えるが、本発明はこれに限定されず、第一の面材ならびに第二の面材の双方もしくはいずれか一方を備えなくてもよい。
また、断熱複合パネルは、第二の面材の上にさらに他の層を備えてもよい。他の層としては、化粧層、防水フィルム層等が挙げられる。
断熱複合パネルが第二の面材の上に防水フィルムを備える場合には、打ち込み工法において、断熱複合パネルは、防水フィルムをコンクリートに接して設けられてもよい。
上述の実施形態では、表層を備えるが、本発明はこれに限定されず、表層を備えなくてもよい。
また、断熱複合パネルは、表層の上にさらに他の層を備えてもよい。他の層としては、化粧層、防水フィルム層等が挙げられる。
本発明の断熱複合パネルは、家屋の壁、床、屋根の断熱材として好適である。
1 断熱複合パネル;12 第一の発泡樹脂層;22 第二の発泡樹脂層;22a 気泡;24 中間層

Claims (5)

  1. 第一の発泡樹脂層と、前記第一の発泡樹脂層よりも吸水量の低い第二の発泡樹脂層と、前記第一の発泡樹脂層と前記第二の発泡樹脂層との間に設けられた中間層とを備え、
    前記中間層は、織布又は不織布であり、かつ前記第二の発泡樹脂層に一体化されている、断熱複合パネル。
  2. 前記第一の発泡樹脂層は、フェノール樹脂の発泡体である、請求項1に記載の断熱複合パネル。
  3. 前記第二の発泡樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む樹脂の発泡体である、請求項1又は2に記載の断熱複合パネル。
  4. 前記第二の発泡樹脂層の独立気泡率は、50〜95%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の断熱複合パネル。
  5. 前記第二の発泡樹脂層における気泡のアスペクト比は、1.1〜4.0である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の断熱複合パネル。
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