JP6904732B2 - 発泡樹脂積層体 - Google Patents
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Description
こうした問題に対し、断熱材の少なくとも一方の面に特定のアルミニウム箔が接合され、このアルミニウム箔に多数のピンホールが形成された複合断熱材、が提案されている(例えば、特許文献1)。
そこで、本発明は、十分な難燃性を有し、かつ透湿性に優れる発泡樹脂積層体を目的とする。
[1]熱硬化性樹脂の発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層の一方の面に設けられた面材と、前記面材上に設けられた金属層とを備え、前記金属層には、2以上の貫通孔が形成され、下記(1)式で求められる開口率が0.001%以上0.5%以下である、発泡樹脂積層体。
開口率(%)=(測定領域の貫通孔の面積の合計)÷(測定領域の金属層の面積)×100 ・・・(1)
[2]1つの前記貫通孔の開口面積は、0.00008mm2以上3.2mm2以下である、[1]に記載の発泡樹脂積層体。
[3]前記貫通孔は、平面視円形及びスリット状から選択される1種以上である、[1]又は[2]に記載の発泡樹脂積層体。
[4]前記発泡樹脂層は発泡剤を含み、前記発泡剤はフッ素化不飽和炭化水素を含有する、[1]〜[3]のいずれか記載の発泡樹脂積層体。
第一の実施形態に係る発泡樹脂積層体を図1に示す。
図1の発泡樹脂積層体1は、発泡樹脂層10と、発泡樹脂層10の一方の面に設けられた第一の面材20と、第一の面材20上に設けられた金属層40とを備える。本実施形態の発泡樹脂積層体1は、発泡樹脂層10の他方の面に設けられた第二の面材30を備える。
発泡樹脂積層体1における金属層40には、2以上の貫通孔42が形成されている。本実施形態において貫通孔42は、金属層40の表面に開口している。
なお、本稿において、発泡樹脂層10と第一の面材20と第二の面材30とからなる板体を発泡樹脂板という。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で反応させて得られるフェノール樹脂である。
フェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシノール及びこれらの変性物等が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等が挙げられる。アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、脂肪族アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン等)等が挙げられる。ただしフェノール化合物、アルデヒド、アルカリ触媒はそれぞれ上記のものに限定されるものではない。フェノール樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合されて用いられてもよい。
フェノール化合物とアルデヒドとの使用割合は特に限定されない。好ましくは、フェノール化合物/アルデヒドで表されるモル比で、1/3以上1以下が好ましく、より好ましくは1/2.5以上1/1.3以下である。
炭化水素としては、炭素数が4以上6以下の環状分子構造又は炭素数4以上6以下の鎖状分子構造を有するものが好ましく、例えば、イソブタン、ノルマルブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。
これらの炭化水素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。これらの炭化水素は、低温域(例えば、−80℃程度の冷凍庫用断熱材)から高温域(例えば200℃程度の加熱体用断熱材)までの広い温度範囲で優れた断熱性能を確保でき、比較的安価であり経済的にも有利である。
これらのハロゲン化炭化水素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
酸触媒としては、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸、硫酸、リン酸等の無機酸等が挙げられる。これらの酸触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤としては、特に限定されず、整泡剤等として公知のものを使用できる。例えば、ひまし油アルキレンオキシド付加物、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、気泡径の小さい気泡を形成しやすい点で、ひまし油アルキレンオキシド付加物及びシリコーン系界面活性剤のいずれか一方または両方を含むことが好ましく、熱伝導率をより低く、難燃性をより高くできる点で、シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましい。
充填剤としては、無機フィラーが好ましい。無機フィラーを用いることで、発泡樹脂積層体の熱伝導率を低減し、かつ難燃性のさらなる向上を図れる。
発泡樹脂層10の密度は、JIS A 9511:2009に準じて測定される値である。
平均気泡径は、例えば、以下の測定方法により測定される。
まず、発泡樹脂層10の厚さ方向のほぼ中央から試験片を切出す。試験片の厚さ方向の切断面を50倍拡大で撮影する。撮影された画像に、長さ9cmの直線を4本引く。この際、ボイド(2mm2以上の空隙)を避けるように直線を引く。各直線が横切った気泡の数(JIS K6400−1:2004に準じて測定したセル数)を直線毎に計数し、直線1本当たりの平均値を求める。気泡の数の平均値で1800μmを除し、求められた値を平均気泡径とする。
発泡樹脂層10の平均気泡径は、発泡剤の種類又は組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等の組み合わせにより調節される。例えば、2種以上のハロゲン化炭化水素を発泡剤として併用することで平均気泡径を小さくすることができる。
独立気泡率は、JIS K 7138:2006に準拠して測定される。
発泡樹脂層10の独立気泡率は、発泡剤の種類又は組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等の組み合わせにより調節される。
LOIは、JIS K 7201−2:2007に準じて測定される値である。
発泡樹脂層10のLOIは、発泡剤の種類又は組成、界面活性剤の種類、難燃剤の種類又は組成とその量等の組み合わせにより調節される。例えば、発泡剤中の可燃性の発泡剤の含有量が少ない(ハロゲン化炭化水素の含有量が多い)ほど、LOIが高い。また、界面活性剤がシリコーン系界面活性剤、特に末端が−OHであるポリエーテル鎖を有するものであれば、他の界面活性剤を用いる場合に比べて、LOIが高い傾向がある。さらに、リン系難燃剤等を添加することでLOIを高くすることができる。
発泡樹脂層10の熱伝導率は、平均気泡径、発泡剤の種類又は組成、界面活性剤の種類等の組み合わせにより調節される。例えば、平均気泡径が小さいほど、発泡樹脂層10の熱伝導率が低い傾向となる。界面活性剤がシリコーン系界面活性剤、特に末端が−OHであるポリエーテル鎖を有するものである場合、他の界面活性剤を用いる場合に比べて、熱伝導率が低い傾向がある。
熱伝導率は、23℃における値であり、JIS A 1412−2に準拠して測定される値である。
アルカリ性揮発物の雰囲気下で発泡樹脂板を養生する場合、アルカリ性揮発物としては、アルカリ性の揮発物であれば特に限定はなく、アルカノールアミン、アンモニア等が挙げられる。コスト、安全性の理由から、アルカリ性揮発物としては、アンモニアが好ましい。
アルカリ性揮発物の雰囲気の濃度としては、アルカリ性揮発物の種類に応じて適宜決定される。アルカリ性揮発物の雰囲気濃度は、初期濃度として3質量%以上であることが好ましい。3質量%以下であると養生の効果が不十分になるおそれがある。
このような雰囲気下において、発泡樹脂層10のpHが3以上7未満となるように養生することが好ましく、pH4以上6未満となるように養生することがより好ましく、pH5以上6未満となるように養生することが最も好ましい。pHが7以上であると、発泡樹脂層10や面材にアンモニア臭が付き、好ましくない。
養生方法の一例として、以下の方法が挙げられる。容積7.5m3の養生庫の中で、30mmのスペーサーを間に挟み、幅910mm、長さ1820mm、厚み20mmの大きさの発泡樹脂板30枚を積み上げる。25質量%アンモニア水2Lを容器に入れ、これを養生庫に入れ、養生庫を密封する。これにより、養生庫内のアンモニア濃度を好ましい濃度にできる(例えば、初期濃度として8.8質量%)。
ガラス繊維混抄紙を用いる場合には、目付は30g/m2以上300g/m2以下であることが好ましく、50g/m2以上250g/m2以下であることがより好ましく、60g/m2以上200g/m2以下であることがさらに好ましく、70g/m2以上150g/m2以下であることが特に好ましい。前記上限値以下とすることで、軽量化でき、紙の吸放湿による反りを抑えることができる。前記下限値以上とすることで強度や取扱い性に優れる。
ガラス繊維不織布を用いる場合には、目付は15g/m2以上300g/m2以下であることが好ましく、20g/m2以上200g/m2以下であることがより好ましく、30g/m2以上150g/m2以下であることがさらに好ましい。前記上限値以下とすることで、軽量化できる。前記下限値以上とすることで強度や取扱い性に優れる。
ガラス繊維混抄紙を用いる場合には、フラジール通気度は0.5cm3/cm2・sec以上20cm3/cm2・sec以下が好ましい。
ガラス繊維不織布を用いる場合には、フラジール通気度は0.5cm3/cm2・sec以上20cm3/cm2・sec以下が好ましい。
フラジール通気度は、JIS L 1096に準じてフラジール形試験機を用いて面材を通過する空気量を測定した値である。
また、第一の面材20は、発泡成形された発泡樹脂層10に接着剤で貼着されてもよい。
金属層40の厚さt4は、例えば、5μm以上500μm以下が好ましく、12μm以上200μm以下がより好ましく、20μm以上100μm以下がより好ましい。厚さt4が上記下限値以上であれば、金属層40の強度がより高まり、断熱性のさらなる向上、難燃性のさらなる向上を図れる。厚さt4が上記上限値以下であれば、発泡樹脂積層体1の質量が過度に大きくならない。
貫通孔42の配置パターンは特に限定されない。例えば、図2に示すように、任意の貫通孔42とこれに最も近接する他の貫通孔42とが、X方向に見てもY方向に見ても互いにずれて形成されていてもよい。また、例えば、図3に示すように、任意の貫通孔42と、これに近接する貫通孔42とがX方向にみてもY方向にみても重なって形成されていてもよい。
図2〜3に示す配置パターンにおいて、任意の貫通孔42の中心と、これに最も近接する他の貫通孔42の中心との距離(ピッチ)dは全て等しい(即ち、2以上の貫通孔42が規則的に配されている)。なお、ここで距離dが「等しい」とは、±10%以内をいう。
また、あるいは、2以上の貫通孔42が不規則に形成されていてもよい。
全ての貫通孔42の開口面積は、同じでもよいし、相互に異なってもよい。
上記した貫通孔42の平面視形状の中でも、金属層40の膨張による破れを防いで難燃性を維持する観点から、貫通孔42の平面視形状は、角の無い円形又は鋭角な角の無い多角形が好ましく、円形がより好ましい。円形の場合、直径は0.01mm以上2mm以下が好ましく、0.5mm以上1.5mm以下がより好ましい。
全ての貫通孔42の平面視形状は、同じでもよいし、相互に異なってもよい。
なお、ここでいう開口面積は金属層1m2における貫通孔42の合計の面積である。
金属層40における単位面積当たりの開口面積は、貫通孔42の1つ当たりの開口面積、貫通孔42同士の距離、貫通孔42の個数又はこれらの組み合わせにより調節される。
開孔率は、下記(1)式により求められる値である。なお、「金属層の面積」には、貫通孔42の開口面積が含まれる。
開口率(%)=(測定領域の貫通孔の面積の合計)÷(測定領域の金属層の面積)×100 ・・・(1)
例えば、10cm×10cmの正方形の任意の領域を測定領域とする。この測定領域を顕微鏡(×10〜100倍)で観察し、貫通孔42の開口面積を測定する。測定領域内の全ての貫通孔42の開口面積(cm2)の合計を測定領域の面積(100cm2)で除することで、開口率が求められる。
第二の面材30の厚さt3は、第一の面材20の厚さt2と同様である。厚さt3は、厚さt2と同じでもよいし、異なってもよい。
先ず、発泡樹脂板を得る(発泡樹脂板製造工程)。発泡樹脂板の製造方法は、上述した発泡性樹脂組成物を発泡し、硬化して、板状の発泡体を得る方法である。
発泡樹脂板の製造方法としては、例えば、吐出装置と、吐出装置の下流に位置する発泡成形装置と、発泡成形装置の下流に位置する切断装置とを備える製造システムを用いた製造方法が挙げられる。
吐出装置は、フェノール樹脂等の原料を混合する混合部と、混合された原料(発泡性樹脂組成物)を吐出するための複数のノズルとを備える。複数のノズルは、発泡性樹脂組成物の流れ方向と直交する方向に並んでいる。
発泡成形装置は、フレーム部及び加熱手段を備える。フレーム部は、発泡樹脂板の断面形状に対応した空間が形成されるように、上下左右に配置されたコンベア(下部コンベア、上部コンベア、左側コンベア、右側コンベア)を備える。下部コンベア及び上部コンベアによって、上下方向の発泡が規制され、左側コンベア及び右側コンベアによって、左右方向の発泡が規制されるようになっている。加熱手段によって、フレーム部を通過する発泡性樹脂組成物を加熱し、発泡、硬化できるようになっている。かかる発泡成形装置としては、例えば、特開2000−218635号公報に記載のものが挙げられる。
次いで、発泡樹脂板を切断装置で任意の長さに切断する。
その後、発泡樹脂板を前述の養生方法で養生してもよい。
接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、変性シリコーン系樹脂接着剤、エポキシ系樹脂接着剤、アクリル系樹脂接着剤、酢酸ビニル系樹脂接着剤、クロロプレン系樹脂接着剤等が挙げられる。
例えば、発泡樹脂積層体1をコンクリート製の壁の断熱材として用いる場合、第二の面材30をコンクリート製の壁に臨ませて位置させ、発泡樹脂積層体1をコンクリート製の壁にビスで固定する。
また、例えば、いわゆる打ち込み工法により発泡樹脂積層体1を設けてもよい。打ち込み工法は、まず、壁の形状に型枠を形成する。この型枠内に発泡樹脂積層体1を仮止めする。この際、第二の面材30を型枠の内方に臨ませる。次いで、型枠内にコンクリートを流し込み、コンクリートを硬化させる。これにより、第二の面材30がコンクリートによって強固に接着され、断熱材を備えるコンクリート壁が形成される。
金属層40が屋内に臨む場合には、屋内の熱が金属層40により反射され、屋内の熱が屋外にのがれにくくなる。加えて、屋内で火災が生じても、発泡樹脂層10への延焼が金属層40によって防がれる。金属層40が屋外に臨む場合には、屋外の熱が金属層40により反射され、屋外の熱が屋内に伝わりにくくなる。加えて、屋外で火災が生じても、発泡樹脂層10への延焼が金属層40によって防がれる。即ち、金属層40が設けられているため、発泡樹脂積層体1は、断熱性により優れ、難燃性に優れる。
ところで、コンクリートに含まれている水や、屋内外の湿気が第二の面材30を透過し、発泡樹脂層10に浸入することがある。水が発泡樹脂層10に浸入すると、浸入した水によって発泡樹脂層10の断熱性が低下(熱伝導性が上昇)するおそれがある。しかし、金属層40には貫通孔42が形成されているため、発泡樹脂層10に浸入した水は貫通孔42を通じて発泡樹脂層10の外部に蒸散する。このため、発泡樹脂層10内に水が留まりにくくなり、発泡樹脂積層体1の断熱性が損なわれにくい。
また、発泡樹脂層10内に水が留まりにくいため、発泡樹脂積層体1の内外におけるカビの発生を防止できる。
さらに、貫通孔42の開口率が特定の範囲であるため、発泡樹脂積層体1は、十分な難燃性を有し、かつ透湿性に優れる。
本発明の第二の実施形態に係る発泡樹脂積層体について、図4を参照して説明する。第一の実施形態と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略し、主に第一の実施形態と異なる点を説明する。
図4の発泡樹脂積層体100は、金属層40上に化粧層50と塗装層60とをこの順で備える。
発泡樹脂積層体100には、塗装層60と化粧層50と金属層40とを貫通する貫通孔62が2以上形成されている。本実施形態において、貫通孔62は、塗装層60の表面に開口している。
本発明の第三の実施形態に係る発泡樹脂積層体について、図5を参照して説明する。第一〜第二の実施形態と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略し、主に第一〜第二の実施形態と異なる点を説明する。
図5の発泡樹脂積層体200は、第二の面材30上に非透湿面材70が設けられている。非透湿面材70を備えることで、コンクリート壁から発泡樹脂層10への水分の浸入をより良好に防止でき、発泡樹脂積層体200の断熱性能の低下を防止できる。
発泡樹脂積層体200の厚さT3は、第一の実施形態における発泡樹脂積層体1の厚さT1と同様である。
本発明の発泡樹脂積層体は、上述の実施形態に限定されない。
上述の実施形態では、貫通孔が発泡樹脂積層体の表面に開口しているが、本発明はこれに限定されない。
貫通孔の形態について、図6を参照して説明する。本発明において、貫通孔は、発泡樹脂層10内に浸入した水を蒸散できればよく、貫通孔は、透湿性を有しない金属層40を貫通していればよい。
例えば、貫通孔42aのように、塗装層60及び化粧層50を貫通せず、金属層40のみを貫通していてもよい。
また、例えば、貫通孔52の様に、化粧層50と金属層40のみを貫通していてもよい。
あるいは、貫通孔62aの様に、塗装層60、化粧層50、金属層40及び第一の面材20を貫通していてもよい。
貫通孔の貫通の程度は、金属層40以外の各層の透湿性を勘案して決定される。
・IPC:イソプロピルクロリド。
・IP:イソペンタン。
・HFO:トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン。
・CP:シクロペンタン。
液状レゾール型フェノール樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名:PF−339)100質量部に、ひまし油エチレンオキシド(EO)付加物(EO付加モル数30)4質量部、ホルムアルデヒドキャッチャー剤(尿素)4質量部を加えて混合し、20℃で8時間放置した。
このようにして得られた混合物108質量部に対し、表1に示す発泡剤10.5質量部を加え、酸触媒(パラトルエンスルホン酸とキシレンスルホン酸との混合物)16質量部を加え、攪拌、混合して発泡性樹脂組成物を調製した。
この発泡性樹脂組成物を、第一の面材(材質:ポリエステル繊維不織布、目付:30g/m2)を敷いた300×300×30mmの型枠に吐出し、第二の面材(第一の面材と同じ)を載せ、70℃の乾燥機中で300秒間加熱して発泡、成形した。成形物を型枠から取り出し、85℃の乾燥機に入れ、5時間養生させて、表1に記載の発泡樹脂板を作製した。
この発泡樹脂板の第一の面材に、表1に記載の仕様の貫通孔が形成された金属箔(アルミニウム箔、厚さ30μm)を貼着して、発泡樹脂積層体を得た。得られた発泡樹脂積層体について、発泡樹脂層の含水率、コーンカロリーメーター試験、内部結露の評価を行い、その結果を表中に示す。なお、貫通孔の配置パターンは、図2と同様である。
表1の発泡剤の欄の記載は、発泡剤の種類と配合割合を表す。例えば、「IPC50/IP50」は、IPCとIPとが共に50質量%ずつであることを示す。
発泡剤及び金属層の仕様を表1の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、各例の発泡樹脂積層体を得た。各例の発泡樹脂積層体について、発泡樹脂層の含水率、コーンカロリーメーター試験、内部結露の評価を行い、その結果を表中に示す。
<含水率>
各例の発泡樹脂積層体を幅方向200mm、長さ方向200mmにカットして、サンプルとした。サンプルを温度23℃、相対湿度50%の雰囲気中で7日間放置した。養生後のサンプルの質量を初期質量m0とする。次に、サンプルを104℃のオーブンで48時間加熱した後の質量をm1とし、下式(i)で含水率(単位:質量%)を求めた。
含水率=(m0−m1)/m0×100 ・・・(i)
発泡樹脂積層体1は、ISO5660−1準拠のコーンカロリーメーター試験で、放射熱強度50kW/m2にて10分間加熱した時の金属層の膨らみの程度を測定し、以下の基準で評価した。
≪評価基準≫
可 :金属箔の膨らみが12mm未満。
不可:金属箔の膨らみが12mm以上。
発泡樹脂積層体1は、ISO5660−1準拠のコーンカロリーメーター試験で、コーンカロリーメーター試験Aの結果が「可」であるサンプルについて、放射熱強度50kW/m2にて10分間加熱した時の総発熱量を測定した。
≪内部結露評価のための断熱構造≫
室内−コンクリート壁−発泡樹脂板−金属層−室外の順になるように、実施例1〜5、比較例1〜3の発泡樹脂板を位置させて、断熱構造とした。この断熱構造において、コンクリート壁は室内に面し、金属箔は室外に面していた。
コンクリート壁は、マンションの1階駐車場の天井面であり、厚さ200mmであった。室内は、温度10℃、相対湿度70%であった。室外は、温度0.9℃、相対湿度70%であった(住宅の品質確保の促進等に関する法律、日本住宅性能表示基準・評価方法基準の技術説明書、断熱等性能等級「結露発生を防止する対策に関する基準」の内部結露計算条件(一次元・常法)による)。
上記断熱構造を施工した7日後に、前記断熱構造における発泡樹脂板と金属箔との界面について観察し、下記評価基準に基づき結露の有無を評価した。
≪評価基準≫
○:結露無し(界面の水蒸気圧が当該界面における飽和水蒸気圧を下回った状態)。
×:結露有り(界面の水蒸気圧が当該界面における飽和水蒸気圧を上回った状態)。
Claims (3)
- フェノール樹脂の発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層の一方の面に設けられた面材と、前記面材上に設けられた金属層とを備え、
前記発泡樹脂層の平均気泡径が50μm以上200μm以下であり、
前記発泡樹脂層の独立気泡率が80%以上であり、
前記発泡樹脂層の含水率が3.5〜6質量%であり、
前記金属層には、2以上の貫通孔が形成され、
任意の貫通孔と、これに最も近接する他の貫通孔との距離が1mm以上50mm以下であり、
1つの前記貫通孔の開口面積は、0.00008mm 2 以上3.2mm 2 以下であり、
下記(1)式で求められる開口率が0.001%以上0.5%以下であり、
ISO5660−1準拠のコーンカロリーメーター試験で、放射熱強度50kW/m 2 にて10分間加熱した時の総発熱量が、8MJ/m 2 以下である、発泡樹脂積層体。
開口率(%)=(測定領域の貫通孔の面積の合計)÷(測定領域の金属層の面積)×100 ・・・(1) - 前記貫通孔は、平面視円形及びスリット状から選択される1種以上である、請求項1に記載の発泡樹脂積層体。
- 前記発泡樹脂層は発泡剤を含み、前記発泡剤はフッ素化不飽和炭化水素を含有する、請求項1又は2に記載の発泡樹脂積層体。
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