JP6989369B2 - フェノール樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フェノール樹脂発泡体およびフェノール樹脂発泡体の製造方法に関する。
フェノール樹脂発泡体は、難燃性、耐熱性、耐薬品性、耐腐食性等に優れることから、断熱材として種々の分野で採用されている。例えば建築分野では、合成樹脂建材、特に壁板内装材として、フェノール樹脂発泡体が採用されている。
フェノール樹脂発泡体は、通常、フェノール樹脂、発泡剤、酸触媒(硬化剤)、界面活性剤等を含む発泡性フェノール樹脂組成物を発泡、硬化させることによって製造される。このようにして製造されたフェノール樹脂発泡体は独立気泡を有し、独立気泡中には発泡剤から発生したガスが含まれる。
フェノール樹脂発泡体に用いられる発泡剤としては、ブタンやペンタン等の炭化水素、ジフルオロプロペン等のハロゲン化炭化水素等が知られている。
ハロゲン化炭化水素等は、オゾン破壊係数がほぼゼロであり、地球温暖化係数が低く、かつ難燃性であるため、フェノール樹脂発泡体として好適である。特許文献1には、ハロゲン化炭化水素を含む発泡剤を所定の量含有するフェノール樹脂発泡体が提案されている。
特開2015−157937号公報
しかしながら、特許文献1のような、ハロゲン化炭化水素を含む発泡剤を含有するフェノール樹脂発泡体は、脆くなりやすい。このため、フェノール樹脂発泡体を切断する時に切り粉が生じやすい。加えて、断熱材施工時の擦れや衝突により、角欠けや割れ、凹みが発生しやすい。このような不具合が発生すると、フェノール樹脂発泡体を施工した箇所の断熱性能の低下や気密度が低下するといったことが懸念される。
そこで、本発明は、ハロゲン化炭化水素を含む発泡剤を使用した場合でも、切り粉を生じにくいフェノール樹脂発泡体、及びその製造方法を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を有する。
[1]ハロゲン化炭化水素を含む発泡剤を含有し、密度が15kg/m以上50kg/m以下であり、平均気泡径が50μm以上200μm以下であり、独立気泡率が85%以上であり、テーバ摩耗試験における摩耗質量が0.6g以下であることを特徴とするフェノール樹脂発泡体。
[2]前記ハロゲン化炭化水素がイソプロピルクロライドであることを特徴とする、[1]に記載のフェノール樹脂発泡体。
[3]前記ハロゲン化炭化水素が1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン及び1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンから選択される1種以上であることを特徴とする、[1]に記載のフェノール樹脂発泡体。
[4]表層の平均気泡径が5μm以上100μm以下であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法であって、フェノール樹脂、発泡剤及び酸触媒を含む発泡性フェノール樹脂組成物を加熱して、発泡し、硬化させる発泡硬化工程と、前記発泡硬化工程の後、前記発泡性フェノール樹脂組成物を乾燥し、さらに硬化させる養生工程とを有し、前記発泡硬化工程と、前記養生工程との間に、前記発泡性フェノール樹脂組成物を冷却する冷却工程をさらに有することを特徴とするフェノール樹脂発泡体の製造方法。
[6][1]〜[4]のいずれかに記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法であって、フェノール樹脂、発泡剤及び酸触媒を含む発泡性フェノール樹脂組成物を加熱して、発泡し、硬化させる発泡硬化工程と、前記発泡硬化工程の後、前記発泡性フェノール樹脂組成物を乾燥し、さらに硬化させる養生工程と、を有し、前記発泡硬化工程における雰囲気温度と、前記養生工程における雰囲気温度との温度差が5℃以上であることを特徴とするフェノール樹脂発泡体の製造方法。
本発明によれば、ハロゲン化炭化水素を含む発泡剤を使用した場合でも、切り粉を生じにくいフェノール樹脂発泡体、及びその製造方法を提供できる。
[フェノール樹脂発泡体]
本発明のフェノール樹脂発泡体は、フェノール樹脂、発泡剤及び酸触媒を含む発泡性フェノール樹脂組成物を発泡し、硬化させてなるものである。
発泡性フェノール樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、フェノール樹脂、発泡剤及び酸触媒以外の他の成分をさらに含んでもよい。
<フェノール樹脂>
フェノール樹脂としては、レゾール型のものが好ましい。
レゾール型フェノール樹脂は、フェノール化合物とアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下で反応させて得られるフェノール樹脂である。
フェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、パラアルキルフェノール、パラフェニルフェノール、レゾルシノール及びこれらの変性物等が挙げられる。
アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド等が挙げられる。
アルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、脂肪族アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン等)等が挙げられる。ただしフェノール化合物、アルデヒド、アルカリ触媒はそれぞれ上記のものに限定されるものではない。フェノール樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
フェノール化合物とアルデヒドとの割合は特に限定されない。好ましくは、フェノール化合物:アルデヒドのモル比で、1:1〜1:3であり、より好ましくは1:1.3〜1:2.5である。
<発泡剤>
本発明のフェノール樹脂発泡体は、ハロゲン化炭化水素を含む発泡剤を含有する。
ハロゲン化炭化水素は、ハロゲン化飽和炭化水素とハロゲン化不飽和炭化水素とに大別できる。
ハロゲン化飽和炭化水素としては、発泡剤として公知のものを用いることができ、典型的には、沸点12〜80℃のものが挙げられる。
ハロゲン化飽和炭化水素の熱伝導率は、0.013W/m・K以下が好ましく、0.011W/m・K以下がより好ましい。
ハロゲン化飽和炭化水素の炭素数は、2〜6が好ましく、2〜5がより好ましい。ハロゲン化飽和炭化水素としては、例えば、塩素化飽和炭化水素、フッ素化飽和炭化水素等が挙げられる。ハロゲン化飽和炭化水素は、水素の全てがハロゲンで置換されたものでもよいし、水素の一部がハロゲンで置換されたものでもよい。
塩素化飽和炭化水素としては、炭素数が2〜5であるものが好ましく、例えばジクロロエタン、プロピルクロライド、イソプロピルクロライド、ブチルクロライド、イソブチルクロライド、ペンチルクロライド、イソペンチルクロライド等が挙げられる。
フッ素化飽和炭化水素としては、例えば、ジフルオロメタン(HFC32)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC125)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC152a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオプロパン(HFC245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオブタン(HFC365mfc)、および1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC4310mee)等のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。
上記の中でも、オゾン層破壊係数が低く、環境適合性に優れる点で、イソプロピルクロライドが好ましい。
ハロゲン化不飽和炭化水素は、分子内に炭素−炭素二重結合とハロゲン原子を有する。
ハロゲン化不飽和炭化水素としては、フッ素化不飽和炭化水素、塩素化不飽和炭化水素、塩素化フッ素化不飽和炭化水素、臭素化フッ素化不飽和炭化水素、ヨウ素化フッ素化不飽和炭化水素等が挙げられる。
ハロゲン化不飽和炭化水素としては、発泡剤として公知のものを用いることができ、典型的には、沸点−28〜80℃のものが挙げられる。
ハロゲン化不飽和炭化水素の熱伝導率は、0.013W/m・K以下が好ましく、0.011W/m・K以下がより好ましい。
ハロゲン化不飽和炭化水素の炭素数は、2〜6が好ましく、2〜5がより好ましい。
ハロゲン化不飽和炭化水素としては、例えば、分子内に炭素−炭素二重結合とハロゲン原子を有しているフッ素化不飽和炭化水素、塩素化フッ素化不飽和炭化水素、臭素化フッ素化不飽和炭化水素等が挙げられ、中でも、ハロゲン化不飽和炭化水素としては、フッ素化不飽和炭化水素、塩素化フッ素化不飽和炭化水素等、フッ素原子を有するものが好ましい。ハロゲン化不飽和炭化水素は、水素の全てがハロゲンで置換されたものでもよいし、水素の一部がハロゲンで置換されたものでもよい。
これらのハロゲン化不飽和炭化水素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
フッ素化不飽和炭化水素としては、分子内にフッ素と炭素−炭素二重結合とを有するヒドロフルオロオレフィン(以下、「HFO」ともいう。)が挙げられる。HFOとしては、例えば、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)(E及びZ異性体)、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz)(E及びZ異性体)(SynQuest Laboratories社製、製品番号:1300−3−Z6)等の特表2009−513812号公報等に開示されるものが挙げられる。
上記の中でも、沸点が高く、取扱いや発泡工程の制御の容易さから、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(HFO−1336mzz)が好ましい。
これらのフッ素化不飽和炭化水素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
塩素化フッ素化不飽和炭化水素としては、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエテン(E及びZ異性体)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)(E及びZ異性体)(HoneyWell社製、商品名:SOLSTICE
LBA)、1−クロロ−2,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yd)(E及びZ異性体)、1−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zb)(E及びZ異性体)、2−クロロ−1,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xe)(E及びZ異性体)、2−クロロ−2,2,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xc)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)(SynQuest Laboratories社製、製品番号:1300−7−09)、3−クロロ−1,2,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233ye)(E及びZ異性体)、3−クロロ−1,1,2−トリフルオロプロペン(HCFO−1233yc)、3,3−ジクロロ−3−フルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1223xd)(E及びZ異性体)、2−クロロ−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン(E及びZ異性体)、及び2−クロロ−1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブテン(E及びZ異体)等が挙げられる。
上記の中でも、沸点が高く、取扱いや発泡工程の制御の容易さから、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)が好ましい。
これらの塩素化フッ素化不飽和炭化水素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
上記のハロゲン化炭化水素以外の発泡剤として、例えば炭素数が3〜7の環状または鎖状の炭化水素、不飽和炭化水素を発泡剤として用いることができる。具体的には、ノルマルブタン、イソブタン、シクロブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、シクロヘキサン等の化合物が発泡剤に含まれ得る。その中でも、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン及びネオペンタン等のペンタン類、並びにノルマルブタン、イソブタン及びシクロブタン等のブタン類から選ばれる化合物が好ましい。
さらに、本発明のフェノール樹脂発泡体は他の発泡剤を含有してもよく、例えば、プジメチルエーテル等のエーテル類;炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;アゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン等の化学発泡剤;多孔質固体材料等が挙げられる。これらの発泡剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
なお、これらの発泡剤の質量は、発泡剤の総質量に対して100質量%を超えない。
発泡性フェノール樹脂組成物中の発泡剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、1質量部以上25質量部以下が好ましく、3質量部以上15質量部以下がより好ましく、5質量部以上12質量部以下がさらに好ましい。上記下限値以上であると、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡の程度が十分となり、フェノール樹脂発泡体の断熱性を高められやすい。上記上限値以下であると、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡の程度を抑制でき、フェノール樹脂発泡体の切り粉の発生を抑制しやすい。
<酸触媒>
酸触媒は、フェノール樹脂の重合を開始させるために使用される。
酸触媒としては、ベンゼンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸等の有機酸、硫酸、リン酸等の無機酸等が挙げられる。これらの酸触媒は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
発泡性フェノール樹脂組成物中の酸触媒の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、5質量部以上30質量部以下が好ましく、8質量部以上25質量部以下がより好ましく、10質量部以上20質量部以下がさらに好ましい。上記上限値より多い量だと、フェノール樹脂の吸水量が悪化する。上記下限値未満であると、フェノール樹脂の重合反応が遅く、製造時間が長くなる。
<任意成分>
発泡性フェノール樹脂組成物は、フェノール樹脂、発泡剤及び酸触媒以外の成分(任意成分)を含有してもよい。任意成分としては、界面活性剤、発泡核剤、尿素、充填剤(充填材)、可塑剤、架橋剤、有機溶媒、アミノ基含有有機化合物、着色剤等が挙げられる。
(界面活性剤)
界面活性剤は、気泡径(セル径)の微細化に寄与する。
界面活性剤としては、特に限定されず、整泡剤等として公知のものを使用できる。例えば、ひまし油アルキレンオキシド付加物、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
界面活性剤は、気泡径の小さい気泡を形成しやすい点で、ひまし油アルキレンオキシド付加物及びシリコーン系界面活性剤のいずれか一方又は両方を含むことが好ましく、熱伝導率をより低く、難燃性をより高くできる点で、シリコーン系界面活性剤を含むことがより好ましい。
ひまし油アルキレンオキシド付加物におけるアルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド(以下、「EO」と略記する。)、プロピレンオキシド(以下、「PO」と略記する。)がより好ましく、EOがさらに好ましい。ひまし油に付加するアルキレンオキシドは1種でもよく2種以上でもよい。
ひまし油アルキレンオキシド付加物としては、ひまし油EO付加物、ひまし油PO付加物が好ましい。
ひまし油アルキレンオキシド付加物におけるアルキレンオキシドの付加モル数は、ひまし油1モルに対し、20モル超60モル未満が好ましく、21〜40モルがより好ましい。かかるひまし油アルキレンオキシド付加物においては、ひまし油の長鎖炭化水素基を主体とする疎水性基と、所定付加モルのアルキレンオキシド(EO等)によって形成されたポリオキシアルキレン基(ポリオキシエチレン基等)を主体とする親水性基とが、分子内でバランス良く配置されて、良好な界面活性能が発揮される。このため、フェノール樹脂発泡体の気泡径が小さくなる。また、フェノール樹脂発泡体の気泡壁に柔軟性が付与されて、亀裂の発生が防止される。
シリコーン系界面活性剤としては、例えばジメチルポリシロキサンとポリエーテルとの共重合体、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のオルガノポリシロキサン系化合物が挙げられる。中でも、より均一でより微細な気泡を得られる点で、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとの共重合体が好ましい。
ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとの共重合体の構造は、特に限定されず、例えば、シロキサン鎖の両方の末端にポリエーテル鎖が結合したABA型、複数のシロキサン鎖と複数のポリエーテル鎖が交互に結合した(AB)n型、分岐状のシロキサン鎖の末端のそれぞれにポリエーテル鎖が結合した枝分かれ型、シロキサン鎖に側基(末端以外の部分に結合する基)としてポリエーテル鎖が結合したペンダント型等が挙げられる。
ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとの共重合体としては、例えば、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体が挙げられる。
ポリオキシアルキレンにおけるオキシアルキレン基の炭素数は、2又は3が好ましい。
ポリオキシアルキレンを構成するオキシアルキレン基は、1種でもよく2種以上でもよい。
ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体の具体例としては、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシエチレン共重合体、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシプロピレン共重合体、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等が挙げられる。
ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとの共重合体としては、末端が−OR(式中、Rは、水素原子又はアルキル基である。)であるポリエーテル鎖を有するものが好ましく、熱伝導率をより低くできる点で、Rが水素原子であるものが特に好ましい。
発泡性フェノール樹脂組成物中の界面活性剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、1質量部以上10質量部以下が好ましく、2質量部以上5質量部以下がより好ましい。界面活性剤の含有量が上記下限値以上であれば、気泡径が均一かつ微細になりやすい。上記上限値以下であれば、フェノール樹脂発泡体の吸水性が低くなり、また、製造コストも抑えられる。
発泡性フェノール樹脂組成物中、発泡剤:界面活性剤で表される質量比は、例えば、1:1〜6:1が好ましい。発泡剤と界面活性剤との質量比が上記範囲内であれば、発泡剤をフェノール樹脂中に均一に分散して、微細な気泡を形成できる。発泡剤の比率が上記下限値以上であると、発泡性フェノール樹脂組成物を十分に発泡しやすい。発泡剤の比率が上記上限値以下であると、発泡性フェノール樹脂組成物中の発泡剤を十分に分散しやすい。
(発泡核剤)
発泡核剤としては、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気等の低沸点物質が挙げられる。発泡核剤を用いることで、フェノール樹脂発泡体中の気泡をより均一かつ微細にできる。
発泡性フェノール樹脂組成物中の発泡核剤の含有量は、発泡剤に対して、0.05mol%以上5mol%以下が好ましい。
(尿素)
尿素は、発泡性フェノール樹脂組成物を発泡成形して発泡体を製造する際、ホルムアルデヒドを捕捉するホルムアルデヒドキャッチャー剤として用いられる。
(充填剤)
充填剤としては、熱伝導率及び酸性度が低く、かつ防火性が高められたフェノール樹脂発泡体を得られる点で、無機フィラーが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン等の金属の水酸化物や酸化物、亜鉛等の金属粉末;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛等の金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸水素塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、マイカ、タルク、ベントナイト、ゼオライト、シリカゲル等が挙げられる。これらの無機フィラーは、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
発泡性フェノール樹脂組成物中の充填剤の含有量は、pHが3以上7未満となる量が好ましく、4以上6未満となる量がより好ましく、5以上6未満となる量がさらに好ましい。例えば、充填剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部当り、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、1質量部以上20質量部以下がより好ましく、3質量部以上15質量部以下がさらに好ましく、5質量部以上10質量部以下が特に好ましい。充填剤の含有量が上記下限値以上であると、フェノール樹脂発泡体のpHが低くなることを抑制しやすい。pHが低くなることを抑制すると、酸性度を抑制できるため、フェノール樹脂発泡体と接触する資材の腐食を抑制しやすい。充填剤の含有量が上記上限値以下、若しくはpHが7未満となる量では、酸触媒による硬化反応が進行しやすく、生産性を向上しやすい。
[発泡性フェノール樹脂組成物の製造方法]
発泡性フェノール樹脂組成物は、フェノール樹脂、発泡剤、酸触媒及び必要に応じて任意成分を混合することにより調製される。
各成分の混合順序は特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂に必要に応じて任意成分を加え混合し、得られた混合物に、発泡剤、酸触媒を添加し、この組成物をミキサーに供給して攪拌して、発泡性フェノール樹脂組成物を調製する。
[フェノール樹脂発泡体の製造方法]
発泡性フェノール樹脂組成物を発泡し、硬化させることにより、本発明のフェノール樹脂発泡体を製造できる。
フェノール樹脂発泡体は、公知の製造方法により製造される。例えば、フェノール樹脂発泡体は、発泡性フェノール樹脂組成物を加熱して、発泡し、硬化させる発泡硬化工程と、前記発泡硬化工程の後、前記発泡性フェノール樹脂組成物を乾燥し、さらに硬化させる養生工程とを有するフェノール樹脂発泡体の製造方法で製造することができる。さらに、前記発泡硬化工程と、前記養生工程との間に、前記発泡性フェノール樹脂組成物を冷却する冷却工程を有していてもよい。
なお、本実施形態において、発泡硬化工程は、発泡性フェノール樹脂組成物の過度の発泡を抑制するために、加熱時間を短めに設定している。発泡硬化工程後の発泡性フェノール樹脂組成物は、十分に硬化していない可能性がある。そこで、養生工程を設けて、発泡性フェノール樹脂組成物を硬化させている。
フェノール樹脂の反応性や酸触媒の添加量などによって異なるが、発泡性フェノール樹脂組成物は、一般に、80℃で60分〜120分加熱することで硬化する。
<発泡硬化工程>
発泡硬化工程は、発泡性フェノール樹脂組成物を加熱して、発泡し、硬化させる工程である。発泡硬化工程は、例えば、発泡炉で行われる。
発泡硬化工程における雰囲気温度は、30℃以上95℃以下が好ましく、40℃以上90℃以下がより好ましく、50℃以上85℃以下がさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡を適度に進行しやすくできる。上記上限値以下とすることで、発泡性フェノール樹脂組成物の過度の発泡を抑制できる。
このとき発泡性フェノール樹脂組成物の表面温度を30℃以上90以下℃にすることが好ましく、40℃以上85℃以下にすることがより好ましく、50℃以上80℃以下にすることがさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡を適度に進行しやすくできる。上記上限値以下とすることで、発泡性フェノール樹脂組成物の過度の発泡を抑制できる。
また、このとき発泡性フェノール樹脂組成物の中央部(厚さ方向中心付近)の温度を35℃以上90℃以下にすることが好ましく、45℃以上85℃以下にすることがより好ましく、55℃以上80℃以下にすることがさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡を適度に進行しやすくできる。上記上限値以下とすることで、中央層(中央部が硬化してできる発泡体の層)のセルの平均気泡径の粗大化を抑制できる。
なお、中央部の温度と表面温度との温度差は、0℃以上10℃以下が好ましく、0℃以上8℃以下がより好ましく、0℃以上6℃以下がさらに好ましく、最も好ましくは0℃である。温度差が上記範囲内であれば、セルの平均気泡径を均一にしやすい。セルの平均気泡径が均一であると、フェノール樹脂発泡体の切り粉の発生を抑制しやすい。
中央部の温度と表面温度との温度差を低下させる方法としては、分配管から吐出した樹脂を幅方向(発泡性フェノール樹脂組成物の吐出方向と直交する方向:TD方向)に押し広げるドクターブレードを用いるか、従来より多数分岐した分配管を用いて多数の吐出口から吐出させる方法がある(吐出工程)。
ドクターブレードを用いる場合としては、例えば、TD方向の長さが1000mmであるコンベアにおいて、TD方向に複数の吐出口を有し、各吐出口の後に断面がV字状のドクターブレードを複数配置する。即ち、ドクターブレードが吐出口と同じ数配置されている。このドクターブレードによって、各ドクターブレードの先端(V字の中央部分)が各吐出口から吐出された発泡性フェノール樹脂組成物に挿入され、発泡性フェノール樹脂組成物がドクターブレードの端部(V字の左右端)に押し広げられる。
V字状のドクターブレードによって吐出された発泡性フェノール樹脂組成物の中心付近の温度を低下させることができる。なお、ドクターブレードの形状としてはV字に限るものではなく、U字状であっても良い。
ドクターブレードの材質としては、鉄やステンレス等の金属製の板をV字状に加工したものを用いることができるが、酸性の発泡性フェノール樹脂組成物により錆びないよう材料や、表面に耐酸性のコーティングを施しておくことが好ましい。
複数のドクターブレードの間は離間して配置されていることが好ましく、これにより発泡性フェノール樹脂組成物がドクターブレード部分に滞留しにくくなる。従来から知られているドクターブレード間がTD方向に連続した板状である場合(例えば特開平8−216175号公報)、粘度の高い発泡性フェノール樹脂組成物ではドクターブレードによって滞留する発泡性フェノール樹脂組成物の量が増え、発泡性フェノール樹脂組成物が吐出口から発泡成形装置内へ導入されるまでの時間が不均一となって発泡不良となりやすい。
上記の様なドクターブレードを用いることによって、温度の上がりやすい中央部の温度上昇を抑えることで中央層のセルの粗大化が抑制される。
また、多数分岐した分配管を用いる場合としては、吐出する樹脂の量やコンベアの大きさにもよるため分岐数は一概に決まらないが、例えば、樹脂を幅1000mmに吐出する場合には26本以上の吐出口を有する分配ノズルを用いることが好ましい。また、両端の吐出ノズルは中央の吐出ノズルよりも冷却されやすく樹脂が滞留しやすいため、両端の吐出ノズルだけ口径を大きくしても良い。
上記のような多数分岐した分配管を用いることによって、吐出される樹脂が冷却されやすくなり、温度の上がりやすい中央部の温度上昇を抑えることで中央層のセルの粗大化が抑制される。
発泡硬化工程における発泡性フェノール樹脂組成物の加熱時間は、200秒以上400秒以下が好ましく、250秒以上350秒以下がより好ましく、280秒以上320秒以下がさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、発泡性フェノール樹脂組成物の発泡を適度に進行しやすくできる。上記上限値以下とすることで、発泡性フェノール樹脂組成物の過度の発泡を抑制できる。
発泡性フェノール樹脂組成物の表面及び中央部の温度は以下のように測定される。
発泡性フェノール樹脂組成物を吐出するときに、ボタン型温度ロガー(KNラボラトリーズ社製、スーパーサーモクロン)をそれぞれ、上部、中央部、下部に設置する。上部は、上側の面材の下面(発泡性フェノール樹脂組成物と接する面)に両面テープで貼り付け、下部は、下側の面材の上面(発泡性フェノール樹脂組成物と接する面)に両面テープで貼り付ける。中央部は、発泡性フェノール樹脂組成物の厚さの中央になるように架台を設置し、その架台にロガーを両面テープで貼り付け、架台の脚部を下側の面材の上面(発泡性フェノール樹脂組成物と接する面)に固定する。発泡硬化工程における、発泡性フェノール樹脂組成物の各部位の最高温度をボタン型温度ロガーで測定する。測定間隔は2秒とする。
<面材>
発泡成形してフェノール樹脂発泡体を製造する際、面材を設けてもよい。
面材としては、特に制限されず、ガラス繊維不織布、ガラス繊維混抄紙、合成繊維不織布、スパンボンド不織布、アルミニウム箔張不織布、金属板、金属箔、合板、珪酸カルシウム板、石膏ボードおよび木質系セメント板の中から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。工業的に流通量が多く入手しやすいため、面材としては、特に、ガラス繊維不織布、ガラス繊維混抄紙、合成繊維不織布が好ましい。なかでも合成繊維不織布は、製造上のエンボス加熱ロールにより繊維間の熱融着点パターンを変えることで不織布表層の風合いや毛羽立ちをコントロールすることも可能であり、取り回しがし易い点で好ましい。また、面材が合成繊維不織布であると、発泡性フェノール樹脂組成物中の水分や、フェノール樹脂の縮合の際に生じる水によって、面材が収縮等してシワが発生するのを抑制できる。
面材は、フェノール樹脂発泡体の片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。両面に設ける場合、各面材は、同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。
フェノール樹脂発泡体を製造する際に面材を設ける方法としては、例えば、連続走行するコンベアベルト上に面材を配置し、該面材上に発泡性フェノール樹脂組成物を吐出し、その上に他の面材を積層した後、発泡炉を通過させて発泡成形する方法が挙げられる。これにより、板状のフェノール樹脂発泡体の両面に面材が積層した面材付きフェノール樹脂発泡体が得られる。
面材は、発泡成形の後、接着剤を用いてフェノール樹脂発泡体に貼り合わせて設けられてもよい。
面材の目付は、特に限定されないが、合成繊維不織布を用いる場合には、目付は15g/m以上200g/m以下であることが好ましく、15g/m以上150g/m以下であることがより好ましく、15g/m以上100g/m以下であることがさらに好ましく、20g/m以上80g/m以下であることが特に好ましく、20g/m以上60g/m以下であることが最も好ましい。
ガラス繊維混抄紙を用いる場合には、目付は30g/m以上300g/m以下であることが好ましく、50g/m以上250g/m以下であることがより好ましく、60g/m以上200g/m以下であることがさらに好ましく、70g/m以上150g/m以下であることが特に好ましい。
ガラス繊維不織布を用いる場合には、目付は15g/m以上300g/m以下であることが好ましく、20g/m以上200g/m以下であることがより好ましく、30g/m以上150g/m以下であることがさらに好ましい。
目付が上記下限値以上であると、発泡性フェノール樹脂組成物が面材の表面にしみ出しにくい。目付が上記上限値以下であると、発泡体と面材との接着性を高められる。これにより、面材が発泡体から剥がれにくくなり表面をより美麗にできる。加えて、コンベア等の搬送機器に追従させやすくなり、フェノール樹脂発泡体の生産性を高めやすい。特に、発泡剤がハロゲン化炭化水素を含む場合、発泡剤を含有することで発泡性フェノール樹脂組成物の粘度が低くなる。前記組成物の粘度が低くなると、面材に対して前記組成物が滲み込みやすくなり、面材の表面に前記組成物が滲み出しやすくなるため、面材の目付は上記下限値以上とすることで前記組成物が滲み出すのを防ぐことができる。
面材の厚さは、特に限定されないが、0.06〜1.00mmが好ましく、0.10〜0.50mmがより好ましい。面材の厚さが上記下限値以上であると、面材の表面への滲み出しが抑制されやすくなる。面材の厚さが上記上限値以下であると、面材の取り扱い性により優れる。
面材が合成繊維不織布である場合には、合成繊維不織布の材質としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン等の合成樹脂が挙げられる。ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンが好ましい。これらの合成樹脂は、1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
また、合成繊維不織布の合成繊維の繊維径は、0.5〜4.0デニールが好ましく、1.5〜3.0デニールがより好ましい。デニールは、合成繊維の太さを表す単位で、1デニールは、長さ9000メートルの合成繊維の質量が1グラムである場合の合成繊維の太さに相当する。
合成繊維の繊維径が上記上限値以下であると、面材の表面への滲み出しを抑制しやすい。
合成繊維の繊維径が上記下限値以上であると、合成繊維の取り扱い性が高められ不織布を製造しやすい。
面材が合成繊維不織布である場合には、凹凸形状のいわゆるエンボス(熱圧着固定部分)が形成されることが好ましい。エンボスが形成された面材を用いることで、面材と発泡性樹脂組成物の接着性がより高められる。
エンボスのパターン(柄)としては、特に限定されないが、例えば、マイナス柄、ポイント柄、折り目柄等が挙げられる。エンボスによる凹凸形状が大きく、発泡層との接着性をより高められる点からマイナス柄が好ましい。
合成繊維不織布にエンボス加工を施すには、例えば、公知のスパンボンド法で、紡口直下の冷却条件により発現させた捲縮長繊維ウェブを熱エンボスロールで部分熱圧着させる製造方法や、潜在捲縮長繊維ウェブを熱処理により捲縮させて熱エンボスロールで部分熱圧着させる製造方法が挙げられる。
エンボス加工の際に形成された熱圧着固定部分において、熱圧着固定部分1箇所当たりの面積は0.05mm以上5.0mm以下が好ましく、0.07mm以上3.0mm以下がより好ましい。この範囲内の面材を用いることで、熱圧着固定部分により発泡性樹脂組成物の滲み出しを抑えつつ、発泡性樹脂組成物と面材との接着性を向上させることができる。上記面積が0.05mm未満である場合、繊維同士の結合が少なく、摩擦強度等の物理強度が低く発泡性樹脂組成物が滲み出しやすい傾向がある。5.0mmを超える場合、熱圧着固定部分の面積が多く、風合いが硬く、発泡樹脂層と面材の繊維との接着性が悪くなる。さらに、通気度が低くなり、養生時間が長くなったり、独立気泡率が低下したりするおそれがある。
熱圧着固定部分同士の最小間隔は0.05mm以上5mm以下が好ましく、0.08mm以上2mm以下がより好ましい。この範囲内の面材を用いることで、フェノール樹脂の滲み出しを抑えつつ、発泡樹脂層と面材との接着性を向上させることができる。上記最小間隔が0.05mm未満である場合、熱圧着固定部分が多く、風合いが硬く、発泡樹脂層と面材の繊維との接着性が悪い傾向がある。5mmを超える場合、繊維同士の結合が少なく、摩擦強度等の物理強度が低く、発泡性樹脂組成物が滲み出しやすい。また熱圧着固定部分は、不織布表面の全面に均等に分布させることが好ましい。
熱圧着固定部分密度は5個/cm以上150個/cm以下が好ましく、5個/cm以上100個/cm以下がより好ましく、5個/cm以上80個/cm以下がさらに好ましい。熱圧着固定部分密度は単位面積あたりの熱圧着固定部分の個数を意味しており、下記式(s)で表される。
熱圧着固定部分密度(個/cm)=[熱圧着固定部分の数(個)]/[面材の表面積(cm)]・・・(s)
熱圧着固定部分密度が上記下限値以上であると、発泡性樹脂組成物の滲み出しを良好に抑制できる。熱圧着固定部分密度が上記上限値以下であると、発泡樹脂層と面材との接着性をより向上させることができ、吸水量を低くすることができる。また、熱圧着固定部分密度が上記上限値以下であると、通気度を高くでき、養生時間を短縮できる。加えて、より長期にわたって低い熱伝導率を維持できる。
<養生工程>
養生工程は、発泡硬化工程の後、発泡性フェノール樹脂組成物を乾燥し、さらに硬化させる工程である。養生工程は、例えば、養生庫で行われる。
本実施形態において、発泡硬化工程における加熱を停止した後、再度加熱する時以降を養生工程という。あるいは、本実施形態において、発泡性フェノール樹脂組成物が、所望の発泡倍率、重合度に到達した後の工程を養生工程という。
本明細書では、養生工程が終了して、硬化した発泡性フェノール樹脂組成物を、フェノール樹脂発泡体という。
養生工程における雰囲気温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、55℃以上105℃以下がより好ましく、60℃以上100℃以下がさらに好ましい。養生工程における雰囲気温度を上記範囲内とすることで、所望の密度、平均気泡径のフェノール樹脂発泡体が得られやすい。
養生工程では、養生の時間は、2時間以上18時間以下が好ましく、2時間以上15時間以下がより好ましく、2時間以上12時間以下がさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、十分に硬化したフェノール樹脂発泡体が得られやすい。上記上限値以下とすることで、フェノール樹脂発泡体の生産性を高めることができる。
発泡硬化工程における雰囲気温度と、養生工程における雰囲気温度との温度差が5℃以上であると、フェノール樹脂発泡体の反りを抑制しやすく、所望の密度、平均気泡径のフェノール樹脂発泡体が得られやすいため、好ましい。
このとき、発泡硬化工程における雰囲気温度と、養生工程における雰囲気温度とは、前者が高くてもよいし、後者が高くてもよい。
<冷却工程>
冷却工程は、発泡性フェノール樹脂組成物を冷却して、発泡を抑制する工程である。
本実施形態において、発泡硬化工程における加熱を停止し、冷却を開始する時以降、再度加熱する時前までを冷却工程という。あるいは、本実施形態において、所望の発泡倍率、重合度に到達した後、再度加熱する時前までを冷却工程という。
本実施形態において、冷却工程は設けられていてもよく、設けられていなくてもよいが、所望の密度、平均気泡径のフェノール樹脂発泡体を得やすい観点から、冷却工程が設けられていることが好ましい。
冷却工程では、発泡した発泡性フェノール樹脂組成物を120〜300秒かけて、発泡性フェノール樹脂組成物の表面温度が30〜50℃になるまで冷却することが好ましい。
冷却することにより、中央層のセルの気泡径の粗大化を抑制できるため、気泡径を均一にしやすくなる。気泡径を均一にすることで、フェノール樹脂発泡体の切り粉の発生を抑制しやすくなる。
冷却工程は、発泡炉内に設けられてもよいし、養生庫内に設けられてもよい。また、発泡炉及び養生庫とは異なる場所に設けられてもよい。
冷却工程の後、発泡性フェノール樹脂組成物を養生工程に送り、乾燥し、さらに硬化させることでフェノール樹脂発泡体を得る。
本発明のフェノール樹脂発泡体の密度は、15kg/m以上50kg/m以下であり、20kg/m以上40kg/m以下が好ましく、25kg/m以上35kg/m以下がより好ましい。上記下限値以上であれば、フェノール樹脂発泡体の切り粉の発生を抑制しやすく、上記上限値以下であれば、フェノール樹脂発泡体の断熱性向上を図りやすい。
密度は、JIS A 9511:2009に従い測定することができる。
フェノール樹脂発泡体の密度は、発泡剤の種類および組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等により調整できる。
本発明のフェノール樹脂発泡体の厚さは、15mm以上200mm以下が好ましく、30mm以上150mm以下がより好ましく、45mm以上120mm以下がさらに好ましい。厚さが上記下限値以上であると、断熱性をより高められる。厚さが上記上限値以下であると、フェノール樹脂発泡板の厚さが厚くなりすぎず、取り扱いが容易である。
フェノール樹脂発泡体の厚さは、ノギスにより測定できる。
本発明のフェノール樹脂発泡体における平均気泡径は、50μm以上200μm以下であり、50μm以上150μm以下が好ましく、50μm以上100μm以下がより好ましい。平均気泡径が上記下限値以上であれば、フェノール樹脂発泡体の圧縮強度のさらなる向上を図りやすい。平均気泡径が上記上限値以下であれば、気泡内での対流や輻射が抑制され、フェノール樹脂発泡体の熱伝導率を低くして、フェノール樹脂発泡体の断熱性のさらなる向上を図りやすい。
平均気泡径は、以下の方法で測定できる。
<平均気泡径の測定方法>
フェノール樹脂発泡体の厚さ方向のほぼ中央から試験片を切出す。試験片の幅方向の切断面(厚み方向断面)を50倍拡大で撮影する。撮影された画像に、長さ9cmの直線を4本引く。この際、ボイド(2mm以上の空隙)を避けるように直線を引く。各直線が横切った気泡の数(JIS K 6400−1:2004に準じて測定したセル数)を直線毎に計数し、直線1本当りの平均値を求める。気泡の数の平均値で1800μmを除し、求められた値を平均気泡径とする。
本発明においては、フェノール樹脂発泡体の表層の平均気泡径が5μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上90μm以下であることがより好ましく、5μm以上80μm以下であることがさらに好ましく、5μm以上60μm以下であることが特に好ましい。平均気泡径が上記下限値以上であれば、フェノール樹脂発泡体の圧縮強度のさらなる向上を図りやすい。平均気泡径が上記上限値以下であれば、フェノール樹脂発泡体の切り粉の発生を抑制しやすい。
なお、本発明において、表層とは、フェノール樹脂発泡体の厚さに対して、面材を剥がした発泡体表面から厚さ方向に3mmの距離までの層をいうものとし、以下、上下層ともいう。
表層の平均気泡径は、上記の平均気泡径の測定方法を表層に対して行うことで測定される。
発泡硬化工程において、発泡性フェノール樹脂組成物は、断熱性に優れ、中心に近いほど高温になりやすく、発泡が促進されやすいため、中央層の平均気泡径が、表層の平均気泡径よりも大きい。このような平均気泡径の分布を均一にすることで、フェノール樹脂発泡体の切り粉の発生を抑制しやすくなる。
フェノール樹脂発泡体の平均気泡径は、発泡剤の種類および組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等により調整できる。
さらに、発泡体の中央層と表層の平均気泡径の比率(中央層の平均気泡径/(発泡体上下面の表層の平均気泡径の平均値))が8以下となることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4以下であることが最も好ましい。
上記上限値以下であると、中央層の気泡の粗大化が抑制できていることを意味し、中央層がより脆くなること(脆性の低下)を抑制できる。
さらに、下記式(t)で表される、フェノール樹脂発泡体の厚さに対する、発泡体の中央層の平均気泡径と表層の平均気泡径(発泡体上面および下面の表層の平均気泡径の平均値)との差の比が1.20以下であることが好ましく、1.10以下がより好ましく、1.00以下がさらに好ましい。
(中央層の平均気泡径−表層の平均気泡径)(μm)/フェノール樹脂発泡体の厚さ(mm)・・・式(t)
上記上限値以下であると、中央層の気泡の粗大化が抑制できていることを意味し、中央層の脆性の低下を抑制できる。
<独立気泡率>
本発明のフェノール樹脂発泡体中には、複数の気泡が形成されており、気泡壁には実質的に孔が存在せず、複数の気泡の少なくとも一部は、相互に連通していない独立気泡になっている。独立気泡中には、発泡剤として用いたハロゲン化炭化水素のガスが保持されている。独立気泡率は通常85%以上であり、90%以上であることがより好ましい。上限値は、特に限定されないが、実質的には99%以下とされる。上記数値範囲内であると、低い熱伝導率を長期に亘って保つことができる。
独立気泡率は、JIS K 7138:2006に準拠して測定される。
本発明のフェノール樹脂発泡体のテーバ摩耗試験における摩耗質量は0.6g以下であり、0.5g以下が好ましく、0.4g以下がより好ましい。
テーバ摩耗試験における摩耗質量が上記上限値以下であると、切り粉の発生を抑制しやすく、断熱材施工時の擦れや衝突による角欠けや割れ、凹みの発生を抑制しやすい。下限値は、特に制限はないが、0g以上であればよい。
テーバ摩耗試験は、以下の方法で行うことができる。
<テーバ摩耗試験>
フェノール樹脂発泡体の厚さ方向のほぼ中央から、幅、長さ方向直径約150mm、厚さ約10mmの円盤状の試験片を切出し、試験片を試験直前まで23℃、相対湿度50%の雰囲気下で16時間以上養生する。養生後、試験前の試験片の質量を測定し、テーバー式アブレーションテスター((株)安田精機製作所製:No.101 TABER TYPE ABRATION TESTER)を用いて、回転する試験片上に一対の摩耗輪を一定荷重で押し付けて、試験片を摩耗させる。試験片に付着した削れ粉を掃除機で取り除き、試験後の試験片の質量を測定する。試験前後の試験片の質量差を算出し、摩耗質量とする。
試験に使用するヤスリは、CS17で、ヤスリの重さは250g、試験片の回転数は50回転、回転速度は60rpmである。
フェノール樹脂発泡体のテーバ摩耗試験における摩耗質量は、発泡剤の種類および組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等により調整できる。
本発明のフェノール樹脂発泡体の圧縮強度は、10N/cm以上が好ましく、12N/cm以上がより好ましく、14N/cm以上がさらに好ましく、15N/cm以上が特に好ましい。上記下限値以上であると、断熱材施工時の凹みの発生を抑制しやすい。
圧縮強度は、JIS K 7220に準拠して測定される。
フェノール樹脂発泡体の圧縮強度は、発泡剤の種類および組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等により調整できる。
フェノール樹脂発泡体の熱伝導率は、0.0195W/m・K以下が好ましく、0.0185W/m・K以下がより好ましく、0.0180W/m・K以下がさらに好ましい。熱伝導率が0.0195W/m・K以下であれば、断熱性に優れる。
熱伝導率は、JIS A 1412−2に従い測定することができる。
フェノール樹脂発泡体の熱伝導率は、発泡剤の種類および組成、界面活性剤の種類、発泡条件(加熱温度、加熱時間等)等により調整できる。
上述の通り、本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、特定の発泡剤が用いられることで、断熱性により優れる。このため、本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、集合住宅、建住宅、倉庫等、高い断熱性を求められる建造物用の断熱材として特に有用である。
加えて、本実施形態のフェノール樹脂発泡体は、切り粉の発生を抑制でき、断熱材施工時の擦れや衝突による角欠けや割れ、凹みの発生を抑制できる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
液状レゾール型フェノール樹脂(旭有機材工業株式会社製、商品名:PF−339)100質量部と、界面活性剤(ひまし油EO付加物(付加モル数30))4質量部と、ホルムアルデヒドキャッチャー剤(尿素)4質量部とを混合した後、20℃で8時間放置した。
得られた混合物108質量部と、表1の組成の発泡剤16質量部と、酸触媒(パラトルエンスルホン酸とキシレンスルホン酸の混合物)16質量部とを混合して発泡性フェノール樹脂組成物を調製した。
この発泡性フェノール樹脂組成物を、等間隔に幅方向に18本配置されたノズルから、連続的に走行させている第一の面材(材質:ガラス繊維混抄紙、目付100g/m)上に吐出させた。このとき、ノズルの吐出口の直後にV字状のドクターブレード(幅45mm、V字の角度120°)を18つ設置し、TD方向に発泡性フェノール樹脂組成物を拡幅させた。このとき、各ドクターブレードの間を11mm離間して設置した。その上に第二の面材(材質:ガラス繊維混抄紙、目付100g/m)を重ねてスラット型ダブルコンベアで厚さ45mmとなるように抑え、これを70℃で300秒間加熱して発泡成形した(発泡硬化工程)。発泡硬化工程の後、65℃で10時間乾燥し(養生工程)、フェノール樹脂発泡体を作製した。得られたフェノール樹脂発泡体を幅910mm、長さ1820mmに切断して、厚さ45mmのフェノール樹脂発泡板(板状のフェノール樹脂発泡体)を作製した。
[実施例2]
発泡剤を表1に示す組成のものに変更し、養生工程の加熱温度を60℃、時間を12時間とした以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板を作製した。
[実施例3〜4]
発泡剤を表1に示す組成のものに変更し、発泡硬化工程においてスラット型ダブルコンベアで厚さ60mmとなるように抑えた以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板を作製した。
[実施例5〜6]
発泡剤を表1に示す組成のものに変更し、第一および第二の面材をポリステル不織布(目付20g/m、熱圧着固定部分密度:10個/cm)とし、養生工程の加熱温度を70℃、時間を8時間とした以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板を作製した。
[実施例7]
発泡剤を表1に示す組成のものに変更し、発泡硬化工程においてスラット型ダブルコンベアで厚さ90mmとなるように抑え、30℃で300秒間冷却する冷却工程を導入し、養生工程の加熱温度を80℃、時間を6時間とした以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板を作製した。
[実施例8]
発泡剤を表1に示す組成のものに変更し、30℃で200秒間冷却する冷却工程を導入し、養生工程の加熱温度を80℃、時間を6時間とした以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板を作製した。
[実施例9]
発泡硬化工程の加熱温度を65℃、時間を320秒、養生工程の加熱温度を80℃、時間を6時間とした以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板を作製した。
[実施例10]
発泡剤を表1に示す組成のものに変更し、発泡硬化工程の加熱温度を65℃、時間を350秒、養生工程の加熱温度を80℃、時間を6時間とした以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板を作製した。
[比較例1]
養生工程の加熱温度を80℃、時間を6時間とし、ドクターブレードを用いなかった以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板を作製した。
[比較例2〜7]
発泡剤を表2に示す組成のものに変更し、養生工程の加熱温度を80℃、時間を6時間とし、ドクターブレードを用いなかった以外は、実施例1と同様にしてフェノール樹脂発泡板を作製した。
各例のフェノール樹脂発泡体について、密度、厚さ、平均気泡径、独立気泡率、テーバ摩耗試験における摩耗質量、圧縮強度、熱伝導率を測定した。各試験は、23℃湿度50%の環境下で行った。結果を表1〜2に示す。表1〜2の発泡剤組成中、IPCは、イソプロピルクロライドをいう。HCFO−1233zdは、(E)−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをいう。HFO−1336mzzは、(Z)−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンをいう。IPは、イソペンタンをいう。数値は、発泡剤の総質量に対する質量%である。表1〜2の発泡性フェノール樹脂組成物温度のうち、温度差は、中央部の温度と、上部及び下部の温度の平均値との差である。
Figure 0006989369
Figure 0006989369
各例のフェノール樹脂発泡板をカッターナイフで切断したところ、本発明を適用した実施例1〜10は、切り粉が生じにくかった。
また、本発明を適用した実施例1〜10は、いずれも熱伝導率が0.0195W/m・K以下であるため、断熱性においても優れていることがわかった。
加えて、本発明を適用した実施例1〜10は、フェノール樹脂発泡体の厚さに対する、発泡体の中央層の平均気泡径と表層の平均気泡径との差の比が1.20以下であるため、中央層の脆性の低下を抑制できていることがわかった。
一方、発泡剤としてハロゲン化炭化水素を含有しない比較例2では、断熱性の改善は見られなかった。発泡剤としてハロゲン化炭化水素を含有するが、テーバ摩耗試験における摩耗質量が0.6g超の比較例1、3〜7では、切り粉の発生を抑制できていないことがわかった。
本発明によれば、ハロゲン化炭化水素を含む発泡剤を使用した場合でも、切り粉を生じにくいフェノール樹脂発泡体、及びその製造方法を提供できることがわかった。

Claims (5)

  1. ハロゲン化炭化水素を含む発泡剤を含有し、
    密度が15kg/m以上50kg/m以下であり、
    平均気泡径が50μm以上200μm以下であり、
    独立気泡率が85%以上であり、
    テーバ摩耗試験における摩耗質量が0.6g以下であるフェノール樹脂発泡体の製造方法であって、
    フェノール樹脂、発泡剤及び酸触媒を含む発泡性フェノール樹脂組成物を加熱して、発泡し、硬化させる発泡硬化工程と、
    前記発泡硬化工程の後、前記発泡性フェノール樹脂組成物を乾燥し、さらに硬化させる養生工程とを有し、
    前記発泡硬化工程と、前記養生工程との間に、前記発泡性フェノール樹脂組成物を冷却する冷却工程をさらに有することを特徴とするフェノール樹脂発泡体の製造方法。
  2. ハロゲン化炭化水素を含む発泡剤を含有し、
    密度が15kg/m 以上50kg/m 以下であり、
    平均気泡径が50μm以上200μm以下であり、
    独立気泡率が85%以上であり、
    テーバ摩耗試験における摩耗質量が0.6g以下であるフェノール樹脂発泡体の製造方法であって、
    フェノール樹脂、発泡剤及び酸触媒を含む発泡性フェノール樹脂組成物を加熱して、発泡し、硬化させる発泡硬化工程と、
    前記発泡硬化工程の後、前記発泡性フェノール樹脂組成物を乾燥し、さらに硬化させる養生工程とを有し、
    前記発泡硬化工程における雰囲気温度と、
    前記養生工程における雰囲気温度との温度差が5℃以上であることを特徴とするフェノール樹脂発泡体の製造方法。
  3. 前記ハロゲン化炭化水素がイソプロピルクロライドであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法。
  4. 前記ハロゲン化炭化水素が1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン及び1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテンから選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法
  5. 表層の平均気泡径が5μm以上100μm以下であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法
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