JP2008095395A - 木質複合床材及びその製造方法 - Google Patents

木質複合床材及びその製造方法 Download PDF

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秀二 嶋
Yoshitsugu Kuriyama
美世 栗山
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Abstract

【課題】コンクリート床面に対して良好な不陸追従性を付与し、また高温・多湿下での耐久性に優れる木質複合床材を提供する。
【解決手段】木質複合床材10は、木質基材11と、発泡ポリオレフィン樹脂シート12と、木質基材11と発泡ポリオレフィン樹脂シート12との間に介装され木質基材11及び発泡ポリオレフィン樹脂シート12を接着する接着層13とを備える。また発泡ポリオレフィン樹脂シート12は、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して20〜180重量部の無機充填剤を含有する。更に接着層13は、少なくともヒドラジン化合物を含有するプライマー層13aと、少なくともアセトアセチル化変性高分子化合物及びイソシアネート化合物を含有する接着剤層13bとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、木質複合床材及びその製造方法に関する。更に詳しくは、各種住宅や倉庫等の床材として、特にマンション等の集合住宅におけるコンクリート床面への敷設に適した高温・多湿下での耐久性に優れた木質複合床材並びに安価かつ生産性に優れた該木質複合床材の製造方法に関するものである。
一般に、マンションなどのコンクリート構造物では、木質床材は、床面のコンクリート上に直接敷き詰められる。しかし、コンクリート床面は、表面にうねりや凹凸が生じていることが多く、不陸調整、即ち平坦な表面を持つ木質床材を上記うねりや凹凸を有する床面に確実に沿わせることが困難となり、ときには施工不可能な場合さえもあった。
このような不陸調整問題を解決するために、木質床材の裏面に多数の亀裂構造を形成させる工夫や表面層のみを合板で構成し、内部及び裏面層は合成樹脂材料などの代替材料、例えば発泡スチロールや発泡硬質ウレタンなどを用いることによって柔軟性を付与して、コンクリート床面に対する不陸追従性を高めた構造の木質床材が提案されている。
しかし、発泡スチロール上に合板を積層・接着により一体化しようとした場合、溶剤系の接着剤を用いると発泡スチロールが溶けてしまう問題点があった。
また、発泡硬質ウレタンは耐水性に乏しいため、コンクリートから徐々に発生してくる水分により劣化が起こり耐久性が低下するという問題点があった。
これらの問題点を解消するために、木質基材と発泡ポリオレフィン系樹脂との積層材化を試みたフロア材、防音床材、防音床構造体等が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。特許文献1に示されたフロア材では、板状発泡体が、相対的に高度に架橋されているポリオレフィン系樹脂材料と、低架橋若しくは無架橋のポリオレフィン系樹脂材料との混合相からなり、板状発泡体にこの板状発泡体よりも硬い硬質板状体が積層される。この硬質板状体は、酢酸ビニルエマルジョンやアクリル系粘着剤、クロロプレン系接着剤を用いて板状発泡体に接着される。
また特許文献2に示された防音床材では、木質基材の裏面に貼ってなる緩衝材が、上から不織布、発泡ウレタン樹脂シート及び発泡ポリエチレン樹脂シートの順で積層接着されて構成される。この緩衝材を木材やコンクリートに貼る接着としては、変性酢酸ビニル系接着剤、ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等が用いられる。
更に特許文献3に示された防音床構造体では、床下地材が、平均粒径3〜60μmの無機フィラー10〜60重量部と、低密度ポリエチレン樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂のいずれか一方又は双方90〜40重量部とを含有する樹脂組成物から形成された発泡体からなり、表面に凹部又は凸部のいずれか一方又は双方を有する上記床下地材に、硬質板が積層される。この積層体を構成する各層間は、ビニル系接着剤、ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤等を用いて固定される。
特開平09−096089号公報(請求項1、段落[0075]) 特開平10−273967号公報(請求項1、段落[0014]) 特開2000−054612号公報(請求項1、段落[0011])
上記従来の特許文献1〜3に示されたフロア材等では、酢酸ビニルエマルジョン系粘着剤や変性酢酸ビニル系接着剤等の水性ビニル重合体系接着剤が一般に用いられることが多い。しかし、これらの接着剤は初期接着力に劣るため、プレス圧締に長時間を必要とし生産効率が極めて悪く、また接着層の耐水強度が十分でないという不具合があった。従って、特に住宅やマンションなどのキッチン並びに浴室等の高温・多湿条件下の水廻り箇所のコンクリート床面上に床材を敷設する場合には、一段と厳しい耐水性及び耐熱性が要求されるため、上述した従来の特許文献1〜3に示されたフロア材等では何れも満足には適応できないという問題点があった。
本発明の目的は、コンクリート床面に対する良好な不陸追従性の付与を図ることができることに加え、高温・多湿下での耐久性に優れた、木質複合床材及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、木質基材と特定のポリオレフィン系熱可塑性樹脂発泡シートとこれらの基材を接着する特定の接着層とからなる所定の木質複合床材を用いることによって、意外にも上記の課題を効果的に解決できるとの知見を見出し、これに基づいて本発明を完成するに至ったものである。
請求項1に係る発明は、図1に示すように、木質基材11と、発泡ポリオレフィン樹脂シート12と、木質基材11と発泡ポリオレフィン樹脂シート12との間に介装され木質基材11及び発泡ポリオレフィン樹脂シート12を接着する接着層13とを備えた木質複合床材10であって、発泡ポリオレフィン樹脂シート12が、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して20〜180重量部の無機充填剤を含有し、接着層13が、少なくともヒドラジン化合物を含有するプライマー層13aと、少なくともアセトアセチル化変性高分子化合物及びイソシアネート化合物を含有する接着剤層13bとを有することを特徴とする木質複合床材である。
この請求項1に記載された木質複合床材では、十分な柔軟性を有し、うねりや凹凸のあるコンクリート床面に対して良好な不陸追従性の基本性能を有する。また接着層13が上記特定組成のプライマー層13a及び接着剤層13bからなるため、従来より用いられている接着層に比べて、極めて短時間に初期接着強度が発現することができる。
請求項4に係る発明は、図1及び図2に示すように、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して20〜180重量部の無機充填剤を含有する発泡ポリオレフィン樹脂シート12を作製する工程と、木質基材11表面に、少なくともヒドラジン化合物を含有する水溶液又はエマルジョンからなるプライマー22を塗工・乾燥してプライマー層13aを形成する工程と、木質基材11のうちプライマー層13aを形成した面に、少なくともアセトアセチル化変性高分子化合物の水溶液又はエマルジョンとイソシアネート化合物とを含有する接着剤24を塗工して接着剤層13bを形成する工程と、発泡ポリオレフィン樹脂シート12と木質基材11とを、接着剤層13bが発泡ポリオレフィン樹脂シート12に接するように積層して室温のロールにより連続的に圧着処理する工程とを含む木質複合床材の製造方法である。
この請求項4に記載された木質複合床材の製造方法では、従来一般的に取られていた長時間の加圧(プレス)圧締処理プロセスに比べて、木質複合床材10の生産性を飛躍的に向上させることができる。
請求項5に係る発明は、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して20〜180重量部の無機充填剤を含有する発泡ポリオレフィン樹脂シートを作製する工程と、発泡ポリオレフィン樹脂シートの表面に少なくともアセトアセチル化変性高分子化合物の水溶液又はエマルジョンとイソシアネート化合物とを含有する接着剤を塗工して接着剤層を形成する工程と、木質基材表面に、少なくともヒドラジン化合物を含有するプライマーを塗工・乾燥してプライマー層を形成する工程と、発泡ポリオレフィン樹脂シートと木質基材とを、プライマー層が接着剤層に接するように積層して室温のロールにより連続的に圧着処理する工程とを含む木質複合床材の製造方法である。
この請求項5に記載された木質複合床材では、従来一般的に取られていた長時間の加圧(プレス)圧締処理プロセスに比べて、木質複合床材の生産性を飛躍的に向上させることができる。
本発明によれば、木質基材に接着層により接着される発泡ポリオレフィン樹脂シートが、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して20〜180重量部の無機充填剤を含有し、上記接着層が、少なくともヒドラジン化合物を含有するプライマー層と、少なくともアセトアセチル化変性高分子化合物及びイソシアネート化合物を含有する接着剤層とを有するので、十分な柔軟性を有し、うねりや凹凸のあるコンクリート床面に対して良好な不陸追従性の基本性能を有する。また接着層が上記特定組成のプライマー層及び接着剤層を有するため、従来より用いられている接着剤に比べて、極めて短時間に初期接着強度が発現することができる。この結果、木質複合床材の生産性が飛躍的に向上するとともに、耐水性に優れた木質複合床材をコスト的に有利に製造することができる。
またポリオレフィン樹脂組成物に対して所定量の無機充填剤を含有する発泡ポリオレフィン樹脂シートを作製し、木質基材表面に、ヒドラジン化合物を含有する水溶液等からなるプライマーを塗工・乾燥してプライマー層を形成し、木質基材のプライマー層を形成した面に、アセトアセチル化変性高分子化合物の水溶液等とイソシアネート化合物とを含有する接着剤を塗工して接着剤層を形成し、発泡ポリオレフィン樹脂シート及び木質基材をプライマー層及び接着剤層を介して積層し室温のロールにより連続的に圧着処理すれば、従来一般的に取られていた長時間の加圧(プレス)圧締処理プロセスに比べて、木質複合床材の生産性を飛躍的に向上させることができる。
更にポリオレフィン樹脂組成物に対して所定量の無機充填剤を含有する発泡ポリオレフィン樹脂シートを作製し、発泡ポリオレフィン樹脂シートの表面にアセトアセチル化変性高分子化合物の水溶液等を含有する接着剤を塗工して接着剤層を形成し、木質基材表面にヒドラジン化合物を含有するプライマーを塗工・乾燥してプライマー層を形成し、発泡ポリオレフィン樹脂シート及び木質基材をプライマー層及び接着剤層を介して積層し室温のロールにより連続的に圧着処理しても、上記と同様に木質複合床材の生産性を飛躍的に向上させることができる。
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、木質複合床材10は、木質基材11と、発泡ポリオレフィン樹脂シート12と、木質基材11と発泡ポリオレフィン樹脂シート12との間に介装され木質基材11及び発泡ポリオレフィン樹脂シート12を接着する接着層13とを備える。木質基材11としては、硬質板が用いられる。硬質板としては、無垢木板、合板、中密度繊維板(MDF:Medium Density Fiberboard)、パーティクルボード、木材−プラスチック複合体等の木質複合床材の上部構成体に用いられるものが挙げられ、特に無垢木板や合板を用いるのが好ましい。これらの硬質板の厚みは任意とすることができるが、5〜20mmとするのが好ましく、7〜15mmとするのが更に好ましい。
発泡ポリオレフィン樹脂シート12を形成する樹脂組成物は、特定のポリオレフィン系樹脂及び特定の無機充填剤を主たる成分とする混合物である。上記ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン及びブロック状ポリプロピレンからなる群より選ばれたの1種又は2種以上の単体又は混合物が挙げられる。これらのうち、メルトインデックス(Melt Index、以下、MIという)が0.5〜5g/10分(JISK7210、条件Dに準拠)である低密度ポリエチレンが、床材の下地に対する不陸追従性の点から特に好ましい。
本発明では、発泡ポリオレフィン樹脂シート12を形成するために特定の無機充填剤の併用が重要である。無機充填剤の平均粒径は、0.5〜30μm、好ましくは1〜20μmであり、更に好ましくは2〜10μmである。ここで、無機充填剤の平均粒径を0.5〜30μmの範囲に限定したのは、0.5μm未満では、規定量の無機充填剤を配合することが困難であるために発泡ポリオレフィン樹脂シート12の圧縮硬さ並びに新JISK6253に準拠したデュロメータ測定による硬度(以下、単に硬度という)が不足し、30μmを越えると発泡ポリオレフィン樹脂シート12の接着強度が低下するからである。なお、無機充填剤の平均粒径は、例えばレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製のLA−920)によって容易に求めることができる。本発明において使用できる無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムやゼオライト等の1種又は2種以上の単体又は混合物が挙げられる。これらのうち、特に上記の発泡ポリオレフィン樹脂シート12の特性、接着性並びに製造コストの点から重質炭酸カルシウム及びタルクを使用することが好ましい。本発明では、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して、上記の無機充填剤を20〜180重量部、好ましくは30〜160重量部、更に好ましくは60〜120重量部の範囲で用いる。この範囲で用いることによって、本発明の目的である、表面にうねりや凹凸のある床面に対する木質複合床材10の良好な不陸追従性と優れた接着強度とが同時に満足される。なお、上記ポリオレフィン系樹脂及び無機充填剤からなる樹脂組成物には、他のポリマー成分を含有させることができる。一例としては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを含有させることができ、その含有量は、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して0.5〜10.0重量部の範囲であることが好ましい。ここで、ポリオレフィン系可塑性エラストマーの含有量をポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して0.5〜10.0重量部の範囲に限定したのは、0.5重量部未満では発泡ポリオレフィン樹脂シートの柔軟性が不足し加圧発泡時に端部が割れ易くなり、10.0重量部を越えると発泡倍率が低下してしまうからである。
本発明で用いるポリオレフィン樹脂組成物は、公知の通常の方法(常法)により発泡体を形成することができる。具体的には、上記の樹脂組成物に、架橋剤、発泡剤、更に酸化防止剤、着色剤、発泡助剤、架橋助剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤等の各種添加剤を必要に応じて添加したものを発泡させて得られる。ここで、架橋剤としては、1,3−ビス(ターシャリーブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキシサイド等の有機過酸化物や、硫黄や、硫黄化合物などが挙げられる。また発泡剤としては、アゾジカルボアミド、アゾビスイソブチルロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4'−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルフォン−3,3'−ジスルフォヒドラジド、ベンジルスルフォン酸ジフェニルヒドラジド等が挙げられる。上記架橋剤は、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して、0.5〜1.5重量部、好ましくは0.7〜1.2重量部含まれることができ、発泡剤は、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して、3〜10重量部、好ましくは4〜8重量部含まれることができる。ここで、架橋剤の含有量をポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して0.5〜1.5重量部の範囲に限定したのは、0.5重量部未満では架橋が進まず発泡時に発泡ポリオレフィン樹脂シートが割れてしまい、1.5重量部を越えると発泡ポリオレフィン樹脂シートが硬くなってしまい所望の発泡倍率まで発泡できないからである。また発泡剤の含有量をポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して3〜10重量部の範囲に限定したのは、3重量部未満では十分な発泡倍率が得られず、10重量部を越えると発泡が不均一となってしまい均一な発泡ポリオレフィン樹脂シートが得られないという不具合があるからである。
本発明の発泡ポリオレフィン樹脂シート12は、例えば以下の方法により容易に製造することができる。先ず上記のポリオレフィン樹脂組成物に各種添加剤を添加し、加圧ニーダー、インターナルミキサー、バンバリーミキサー等の装置、或いはロールや押出機などで混練する。これを、例えば、加圧プレス装置等を用いる加圧加熱発泡方式により、140〜200℃、好ましくは160〜190℃の温度であって、10〜20MPa、好ましくは14〜18MPaの圧力で架橋発泡を行う。このようにして本発明に用いる発泡ポリオレフィン樹脂シート12が得られる。この場合、架橋は化学架橋法を用いても行ってもよいが、電子線架橋法を用いて行ってもよい。本発明では、床材の下地に対する不陸追従性の点から、圧縮硬さが0.05〜0.15MPa、好ましくは0.07〜0.13MPaであり、見掛け密度が0.03〜0.15g/cm3、好ましくは0.06〜0.13g/cm3であり、硬度が30〜70度、好ましくは35〜55度である発泡ポリオレフィン樹脂シートを用いるのが好ましい。本発明では、発泡ポリオレフィン樹脂シートを任意の厚みで使用することができるが、1〜5mmの板状とするのが好ましく、2〜3mmがより好ましい。
本発明の発泡ポリオレフィン樹脂シート12は、微細な独立気泡構造を有する発泡体であるため、ポリスチレン、ポリウレタン等の他の汎用樹脂発泡体に比べて、優れた耐吸湿性及び耐水性を示す。また発泡ポリオレフィン樹脂シート12が上記特異な気泡構造に加えて、特定の無機充填剤を特定量含有するために、発泡ポリオレフィン樹脂シート12の各種基材への濡れ性及び接着性が優れる。更に本発明の発泡ポリオレフィン樹脂シート12には、プロファイル加工、シボ加工、スリット加工等により空隙部(凹部又は凸部のいずれか一方又は双方)を幅広の表面のいずれか一方又は双方に施すこともできる。
本発明の木質複合床材10の接着層13は、少なくともヒドラジン化合物を含有してなるプライマー層13aと、少なくともアセトアセチル化変性高分子化合物とイソシアネート化合物とを含有してなる接着剤層13bとから構成される。本発明のプライマー層13aに用いられるヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラート、ヒドラジンの塩酸、硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、チオシアン酸、炭酸等の無機塩類や、ギ酸、シュウ酸等の有機塩類や、ヒドラジンのメチル、エチル、プロピル、ブチル、アリル等の一置換体や、1,1−ジメチル、1,1−ジエチル、4−n−ブチル−メチル等の非対称二置換体や、1,2−ジメチル、1,2−ジエチル、1,2−ジイソプルピル等の対称二置換体などが挙げられる。特に好適なヒドラジン化合物は、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタール酸ジヒドラジド、テレフタール酸ジヒドラジド、グリコリック酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ジヒドラジド等である。上記ヒドラジン化合物は、1種を単独で使用したり或いは2種以上を併用することができる。これらのヒドラジン化合物は水性溶液で使用される。水性溶液の濃度は通常0.1〜20重量%であることが適切である。また本発明においては、ヒドラジン化合物とともに、例えばpH調整剤、界面活性剤等の他の化合物を併用することができる。上記のヒドラジン化合物水溶液のpHは3.0〜8.0であり、好ましくは4.0〜6.0である。
本発明では、高分子化合物に存在するアセトアセチル基が重要な役割を果たし、このアセトアセチル基が上記のヒドラジン化合物と架橋反応して接着力を高めるという機能を有する。本発明で用いられるアセトアセチル化変性高分子化合物の水溶液としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、スターチ等の水溶性高分子化合物をアセトアセチル化した水溶液、即ちアセトアセチル化ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ヒドロキシアルキルセルロース、アセトアセチル化スターチ等の水溶液が挙げられる。また本発明で用いられるアセトアセチル化変性高分子化合物の水性エマルジョンとしては、アセトアセチル基を含有する単量体とα,β−エチレン性単量体とを乳化重合したアセトアセチル化共重合体エマルジョンや、上記のアセトアセチル化変性高分子化合物を乳化剤とした高分子エマルジョン等が挙げられる。
本発明で用いられるアセトアセチル化変性高分子化合物としては、特にアセトアセチル化ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。アセトアセチル化ポリビニルアルコールは、例えば、ポリビニルアルコールとジケテンを反応させて得られる。また市販品を利用することもできる。アセトアセチル化ポリビニルアルコールのアセトアセチル化変性度は、3〜20モル%のものが好ましく、特に4〜10モル%のものが好ましい。ここで、アセトアセチル化ポリビニルアルコールのアセトアセチル化変性度を3〜20モル%の範囲に限定したのは、3モル%未満ではヒドラジン化合物との反応速度が遅くなり十分な初期接着強度が得られず、20モル%を越えると溶解性の点で問題があり接着剤組成物の調製が難しいからである。またアセトアセチル化ポリビニルアルコールの重合度は、調製された接着剤の作業性、接着強度等の点からみて、約200〜約3000、好ましくは約500〜約2500、更に好ましくは約1000〜約2000である。更にアセトアセチル化ポリビニルアルコールのケン化度は、接着剤の作業性等からみて80〜100モル%、好ましくは85〜98モル%である。なお、ケン化度が異なる複数のアセトアセチル化ポリビニルアルコール、又は重合度が異なる複数のアセトアセチル化ポリビニルアルコールを混合して使用することもできる。これらのアセトアセチル化ポリビニルアルコールは水溶液又はエマルジョンの形で使用する。またこれらのアセトアセチル化ポリビニルアルコール水溶液又はエマルジョン中に含まれるアセトアセチル化ポリビニルアルコールの量(樹脂量)は、接着剤100重量部中に、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。また接着剤の可とう性付与を目的として、樹脂エマルジョンを併用する場合には、この樹脂エマルジョンと上記アセトアセチル化ポリビニルアルコールの合計量(樹脂量)は、接着剤100重量部中に、40重量部以下、好ましくは20〜40重量部とする。
本発明では、上記アセトアセチル化変性高分子化合物とともに、イソシアネート化合物を用いることによって更に優れた接着強度が発揮される。このようなイソシアネート化合物としては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートなどのポリイソシアネート系化合物を用いることができる。脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,3−ペンタメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。また脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
また芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4'−ジイソシアネート、2,2'−ジフェニルプロパン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシネート、4,4'−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシジフェニル−4,4'−ジイソシアネート等が挙げられる。更に芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアネートメチル)ベンゼン等が挙げられる。
なお、本発明では、イソシアネート系化合物としては、上記例示の化合物の二量体、三量体、反応生成物又は重合物等を用いることもできる。例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートによる二量体又は三量体、ジフェニルメタンジイソシアネートの二量体又は三量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなどが挙げられる。また、これら化合物を単独で用いてもよいが、複数選択して使用してもよい。これらのイソシアネート化合物の添加量は、接着剤100重量部に対して2〜40重量部であり、好ましくは10〜30重量部である。ここで、イソシアネート化合物の添加量を接着剤100重量部に対して2〜40重量部の範囲に限定したのは、2重量部未満では耐水性が得られ難く、40重量部を越えると接着剤組成物の可使時間が短くなるなどの制約が生じて作業性が低下するからである。更に木質複合床材10は、木質基材11にプライマー層13aが接触し、発泡ポリオレフィン樹脂シート12に接着剤層13bが接触するように、即ち下から木質基材11、プライマー層13a、接着剤層13b及び発泡ポリオレフィン樹脂シート12の順に積層されることが好ましい。これは、プライマーの粘度が水のように低い場合、このプライマーを発泡ポリオレフィン樹脂シート12上に塗布すると、濡れ性が悪く容易にはじかれてしまうからである。
次に木質基材と発泡ポリオレフィン樹脂シートとを積層接着して木質複合床材を製造する方法を図1及び図2に基づいて説明する。
先ずポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して20〜180重量部、好ましくは30〜160重量部、更に好ましくは60〜120重量部の無機充填剤を含有する発泡ポリオレフィン樹脂シート12を作製してロール状に巻いておく。次いで板状の木質基材11をコンベヤ21に載せてこの木質基材11の上面に、ヒドラジン化合物を含有する水溶液又はエマルジョンからなるプライマー22を塗工する。具体的には、プライマー22は、木質基材11を挟持して転動する一対の第1大径ローラ31,31のうち上側の第1大径ローラ31と、この上側の第1大径ローラ31に接して転動する第1小径ローラ41との間に貯留される。このプライマー22は上側の第1大径ローラ31の外周面に引取られた後に、木質基材11の上面に塗工される。このプライマー22が塗工された木質基材11は、コンベヤ21により80〜150℃の温度に保たれたドライヤー23内に搬送されて乾燥され、木質基材11の上面にプライマー層13aが形成される。次に上記木質基材11のプライマー層13aを形成した面に、アセトアセチル化変性高分子化合物の水溶液又はエマルジョンとイソシアネート化合物とを含有する接着剤24を塗工して接着剤層を形成する。具体的には、接着剤24は、木質基材11を挟持して転動する一対の第2大径ローラ32,32のうち上側の第2大径ローラ32と、この上側の第2大径ローラ32に接して転動する第2小径ローラ42との間に貯留される。この接着剤24は上側の第2大径ローラ32の外周面に引取られた後に、木質基材11上面に形成されたプライマー層13a上に塗工されて接着剤層13bが形成される。更に接着工程として、ロール状の発泡ポリオレフィン樹脂シート12を繰出して一対のプレスローラ26,26により木質基材11の上面にプライマー層13a及び接着剤層13bを介して積層し、室温(10〜30℃)のロールにより連続的に圧着処理する。
この木質複合床材の製造方法によれば、従来一般的に取られていた長時間の加圧(プレス)圧締処理プロセスに比べて、木質複合床材10の生産性を飛躍的に向上させることができる。
なお、次の方法で木質複合床材を製造してもよい。先ずポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して20〜180重量部、好ましくは30〜160重量部、更に好ましくは60〜120重量部の無機充填剤を含有する発泡ポリオレフィン樹脂シートを作製する。次いで発泡ポリオレフィン樹脂シートの表面にアセトアセチル化変性高分子化合物の水溶液又はエマルジョンを含有する接着剤を塗工して接着剤層を形成する。次に木質基材表面にヒドラジン化合物を含有するプライマーを塗工・乾燥してプライマー層を形成する。更に接着工程として、発泡ポリオレフィン樹脂シート及び木質基材を、プライマー層及び接着剤層を介して積層し、室温のロールにより連続的に圧着処理する。この木質複合床材の製造方法によっても、上記と同様に、従来一般的に取られていた長時間の加圧圧締処理プロセスに比べて、木質複合床材の生産性を飛躍的に向上させることができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず低密度ポリエチレン(日本ユニカー(株)製のNUC−8505、MI=0.8g/10分)90重量部と、EVA(エチレン酢酸ビニル樹脂、日本ユニカー(株)製のNUC−8452D、MI=1.0g/10分、VA(酢酸ビニル)含有量3.0%)10重量部と混合してポリオレフィン樹脂組成物を調製し、このポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して、重質炭酸カルシウム(三共精粉(株)製のエスカロン#200、平均粒子径4μm)103重量部と、発泡剤6.8重量部と、架橋剤1.0重量部と、酸化亜鉛1.0重量部と、ステアリン酸亜鉛0.2重量部とを混合した。次いでこの混合物を機内温度が120℃に設定されたインターナルミキサーに入れて4分間混練した後、2本ロールで厚み2mmのシートを作製した。次にこのシートを温度180℃かつ圧力10MPaの加熱プレスで15分間加圧・加熱して発泡させた後に、シートを取出して温度20℃のプレスで30分間冷却することにより、発泡ポリオレフィン樹脂体を作製した。更にこの発泡ポリオレフィン樹脂体をスライサーで厚さ2mmに切って発泡ポリオレフィン樹脂シートを得た。この発泡ポリオレフィン樹脂シートの圧縮硬さは0.1MPaであり、見掛け密度は0.10g/cm3であり、硬度(新JISK6253に準拠したデュロメータ測定による硬度)は45度であった。
一方、木質基材として、長さ90cm×幅10cm、厚さ12mmの無垢木板(ナラ挽き材)を用意した。次いでカルボジヒドラジド(CDH)を塩酸水溶液によりpH5.0に中和して、固形分濃度を3重量%に調整したプライマー水溶液を、上記木質基材の表面に50g/m2の割合で塗工した後に、60℃で5分間乾燥した。次に固形分濃度15重量%のアセトアセチル化ポリビニルアルコール水溶液(ニチゴーモビニール(株)製Z−200)30重量部と、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住化ケムテックス(株)製のSF−450HQ、濃度55重量%)40重量部と、炭酸カルシウム((株)同和カルファイン製のKS−1200、平均粒子径3μm)30重量部とを混合して、固形分濃度57重量%の主剤を調製した。この主剤に、主剤100重量部に対しイソシアネート架橋剤として10重量部のポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業(株)製のMR−200)を添加して接着剤を得た。更にこの接着剤を上記木質基材のプライマー処理を施した面(プライマー層表面)に150g/m2の割合で塗工した後、直ちに木質基材の接着剤塗工面(接着剤層表面)に上記発泡ポリオレフィン樹脂シートを積層し、室温(25℃)にてロール圧着装置のロール部に挿入し、引取り速度6m/分で圧着処理を行って、木質複合床材を作製した。この木質複合床材を実施例1とした。なお、上記ロール圧着装置の一対のゴム製ロールの硬度は75度であり、直径は10cmであった。
<実施例2>
実施例1と同一の木質基材に、実施例1と同一のプライマー水溶液を塗工・乾燥処理し、実施例1と同一の接着剤を、実施例1と同一の発泡ポリオレフィン樹脂シートの表面に150g/m2の割合で塗工した後、直ちにこの発泡ポリオレフィン樹脂シートの接着剤塗工面(接着剤層表面)と上記木質基材のプライマー処理面(プライマー層表面)とが接触するように、発泡ポリオレフィン樹脂シートと木質基材とを積層し、更に実施例1と同様にロール圧着装置により圧着処理を行って、木質複合床材を作製した。この木質複合床材を実施例2とした。
<実施例3>
アジピン酸ジヒドラジド(ADH)を濃度2重量%のホウ酸水溶液によりpH6.0に中和して、固形分濃度を6重量%に調整したプライマー水溶液を、実施例1と同一の木質基材の表面に50g/m2の割合で塗工した後に、60℃で5分間乾燥した。次に1液型変性酢ビ系接着剤(ニチゴーモビニール(株)製のAD100H)75重量部と、炭酸カルシウム((株)同和カルファイン製のKS−1200、平均粒子径3μm)25重量部とを混合して、固形分濃度63重量%の主剤を調製した。上記1液型変性酢ビ系接着剤は、アセトアセチル化変性ポリビニルアルコールを保護コロイドとして乳化重合して得た固形分濃度50重量%の酢酸ビニル系重合体エマルジョンである。この主剤100重量部に対しイソシアネート架橋剤として10重量部のポリメリックMDI(日本ポリウレタン工業(株)製のMR−200)を添加して接着剤を得た。上記以外は、実施例1と同様に積層及び圧着処理を行って、木質複合床材を作製した。この木質複合床材を実施例3とした。
<実施例4>
木質基材を厚さ12mmの市販のラワン合板に代え、かつロール圧着処理時の引取り速度を3m/分に変更したこと以外は、実施例1と同様にして木質複合床材を作製した。この木質複合床材を実施例4とした。
<実施例5>
実施例1の重質炭酸カルシウムの配合量を30重量部に代えたこと以外は、実施例1と同様にして木質複合床材を作製した。この木質複合床材を実施例5とした。なお、発泡ポリオレフィン樹脂シートの圧縮硬さは0.05MPaであり、見掛け密度は0.03g/cm3であり、硬度は30度であった。
<実施例6>
実施例1の重質炭酸カルシウムの配合量を160重量部に代えたこと以外は、実施例1と同様にして木質複合床材を作製した。この木質複合床材を実施例6とした。なお、発泡ポリオレフィン樹脂シートの圧縮硬さは0.15MPaであり、見掛け密度は0.15g/cm3であり、硬度は60度であった。
<比較例1>
実施例1のプライマー水溶液の塗工処理を行わずに、接着工程として室温(25℃)にて0.1MPaの圧力で30分間のプレス圧締処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして木質複合床材を作製した。この木質複合床材を比較例1とした。
<比較例2>
実施例1のプライマー水溶液の塗工処理を行わず、かつ接着剤として水性高分子−イソシアネート系接着剤を用い、接着工程として室温(25℃)にて0.1MPaの圧力で30分間のプレス圧締処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして木質複合床材を作製した。この木質複合床材を比較例2とした。なお、上記水性高分子−イソシアネート系接着剤は光洋産業(株)製のKR−2400であり、主成分がSBラテックス(スチレンブタジエン共重合体)からなる主剤100重量部に、架橋剤10重量部を添加することにより得られ、その固形分濃度は49重量%であった。
<比較例3>
接着工程として実施例1のロール圧着装置を用いて圧着処理を行ったこと以外は、比較例1と同様にして木質複合床材を作製した。この木質複合床材を比較例3とした。
<比較例4>
接着工程として実施例1のロール圧着装置を用いて圧着処理を行ったこと以外は、比較例2と同様にして木質複合床材を作製した。この木質複合床材を比較例4とした。
<比較例5>
実施例1の重質炭酸カルシウムの配合量を18重量部に代えて厚さ2mmの発泡ポリオレフィン樹脂シートを作製したこと以外は、比較例1と同様にして木質複合床材を作製した。このこの木質複合床材を比較例5とした。なお、この発泡ポリオレフィン樹脂シートの圧縮硬さは0.02MPaであり、見掛け密度は0.01g/cm3であり、硬度は20度であった。
<比較例6>
実施例1の重質炭酸カルシウムの配合量を200重量部に代えて厚さ2mmの発泡ポリオレフィン樹脂シートを作製したこと以外は、比較例1と同様にして木質複合床材を作製した。この木質複合床材を比較例6とした。なお、この発泡ポリオレフィン樹脂シートの圧縮硬さは0.2MPaであり、見掛け密度は0.3g/cm3であり、硬度は80度であった。
<比較試験及び評価>
上記実施例1〜6及び比較例1〜6の木質複合床材を、室温にて72時間養生した後、これらの床材について、不陸追従性及び接着性能をそれぞれ測定した。なお、接着性能は、1類浸せきはく離試験及び2類浸せきはく離試験を行うことにより測定した。また、1類浸せきはく離試験及び2類浸せきはく離試験は、「合板の日本農林規格(JAS)」(農林水産省告示第233号)に準拠して行った。
(a) 不陸追従性試験
1mmの高さのうねりが存在するコンクリート床面に、各木質複合床材を敷き詰めた際の床材の浮きやうねりの有無を目視により判断することにより不陸追従性を評価した。具体的には、床材に浮きやうねりが見られなかった場合を『良好』とし、床材に浮きやうねりが見られた場合には『不良』とした。
(b) 1類浸せきはく離試験
先ず実施例1〜6及び比較例1〜6の木質複合床材から1辺75mmの正方形状の試験片を4片ずつ作製した。次に上記試験片を沸騰水中に4時間浸せきした後、60±3℃の温度で20時間乾燥した。更にこの試験片を再び沸騰水中に4時間浸せきした後、60±3℃の温度で3時間乾燥した。そして試験片の同一接着層におけるはく離しない部分の長さがそれぞれの側面において50mm以上であるものを『合格』とし、同一接着層におけるはく離しない部分の長さがそれぞれの側面において50mm未満であるものを『不合格』とした。
(c) 2類浸せきはく離試験
先ず上記1類浸せきはく離試験と同様の試験片を用意した。次にこの試験片を70±3℃の温水中に2時間浸せきした後、60±3℃で3時間乾燥した。そしてこの試験片の同一接着層におけるはく離しない部分の長さがそれぞれの側面において50mm以上であるものを『合格』とし、同一接着層におけるはく離しない部分の長さがそれぞれの側面において50mm未満であるものを『不合格』とした。
上記不陸追従性試験、1類浸せきはく離試験及び2類浸せきはく離試験の結果を表1に示す。
Figure 2008095395
表1から明らかなように、比較例1の木質複合床材では、2類浸せきはく離試験には合格したけれども、接着工程のプレス圧締処理の時間が30分(1,800秒)と極めて長く、またこの長時間のプレス圧締処理を行っても接着性能の評価条件の過酷な1類浸せきはく離試験が不合格であった。また比較例2の木質複合床材では、1類浸せきはく離試験及び2類浸せきはく離試験はともに合格であったけれども、依然として接着工程のプレス圧締処理の時間が30分と極めて長かった。また比較例3及び4の木質複合床材では、接着工程として0.3秒と短時間のロール圧着処理を行って、不陸追従性は良好であったけれども、ロール圧着処理直後に木質基材と発泡ポリオレフィン樹脂シートが容易にはく離してしまい、1類浸せきはく離試験及び2類浸せきはく離試験はともに不合格であった。また比較例5の木質複合床材では、比較例1の木質複合床材と同程度の不陸追従性を示したけれども、無垢木板と接着層との界面で剥離を生じ、1類浸せきはく離試験及び2類浸せきはく離試験はともに不合格であった。更に比較例6の木質複合床材では、比較例1の木質複合床材と同程度の接着性能を示したが、発泡ポリオレフィン樹脂シート層の圧縮硬さ及び硬度が大き過ぎたため、不陸追従性が不良であった。
これらに対し、実施例1〜6の木質複合床材では、接着工程が0.3秒〜0.6秒と極めて短時間のロール圧着処理であっても、全て良好な不陸追従性を示すことが分った。また実施例1〜6の木質複合床材では、1類浸せきはく離試験及び2類浸せきはく離試験に合格し、優れた耐水性を有することが分った。
一方、比較例5の木質複合床材では、発泡ポリオレフィン樹脂シート層の圧縮硬さ及び硬度が不足しているため、歩行圧力に対して不可逆的な変形が発生し、床材として不適であったのに対し、実施例1〜6比較例5の木質複合床材では、発泡ポリオレフィン樹脂シート層の圧縮硬さ及び硬度がそれぞれ最適な値であったため、歩行圧力に対して不可逆的な変形が発生せず、床材として最適であった。
本発明の木質複合床材は、マンション等の集合住宅の床材、特に従来適切な床材の出現が切望されていた、高温・多湿の水周り箇所での耐久性に優れる好適な床材として使用することができる。
本発明実施形態の木質基材と発泡ポリオレフィン樹脂シートとを積層する接着剤層がプライマー層と接着剤層とからなる木質複合床材の縦断面図である。 木質基材と発泡ポリオレフィン樹脂シートとを連続的に室温でロール圧着処理する過程の概略を模式的に示す図である。
符号の説明
10 木質複合床材
11 木質基材
12 発泡ポリオレフィン樹脂シート
13 接着層
13a プライマー層
13b 接着剤層
22 プライマー
24 接着剤

Claims (6)

  1. 木質基材(11)と、発泡ポリオレフィン樹脂シート(12)と、前記木質基材(11)と前記発泡ポリオレフィン樹脂シート(12)との間に介装され前記木質基材(11)及び前記発泡ポリオレフィン樹脂シート(12)を接着する接着層(13)とを備えた木質複合床材(10)であって、
    前記発泡ポリオレフィン樹脂シート(12)が、ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して20〜180重量部の無機充填剤を含有し、
    前記接着層(13)が、少なくともヒドラジン化合物を含有するプライマー層(13a)と、少なくともアセトアセチル化変性高分子化合物及びイソシアネート化合物を含有する接着剤層(13b)とを有する
    ことを特徴とする木質複合床材。
  2. 木質基材(11)が、無垢木板、合板、中密度繊維板、パーティクルボード及び木材−プラスチック複合体からなる群より選ばれた1種又は2種以上の基材である請求項1記載の木質複合床材。
  3. 発泡ポリオレフィン樹脂シート(12)の圧縮硬さが0.05〜0.15MPaであり、見掛け密度が0.03〜0.15g/cm3であり、新JISK6253に準拠したデュロメータ測定による硬度が30〜70度である請求項1又は2記載の木質複合床材。
  4. ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して20〜180重量部の無機充填剤を含有する発泡ポリオレフィン樹脂シート(12)を作製する工程と、
    木質基材(11)表面に、少なくともヒドラジン化合物を含有する水溶液又はエマルジョンからなるプライマー(22)を塗工・乾燥してプライマー層(13a)を形成する工程と、
    前記木質基材(11)のうち前記プライマー層(13a)を形成した面に、少なくともアセトアセチル化変性高分子化合物の水溶液又はエマルジョンとイソシアネート化合物とを含有する接着剤(24)を塗工して接着剤層(13b)を形成する工程と、
    前記発泡ポリオレフィン樹脂シート(12)と前記木質基材(11)とを、前記接着剤層(13b)が前記発泡ポリオレフィン樹脂シート(12)に接するように積層して室温のロールにより連続的に圧着処理する工程と
    を含む木質複合床材の製造方法。
  5. ポリオレフィン樹脂組成物100重量部に対して20〜180重量部の無機充填剤を含有する発泡ポリオレフィン樹脂シートを作製する工程と、
    前記発泡ポリオレフィン樹脂シートの表面に少なくともアセトアセチル化変性高分子化合物の水溶液又はエマルジョンとイソシアネート化合物とを含有する接着剤を塗工して接着剤層を形成する工程と、
    木質基材表面に、少なくともヒドラジン化合物を含有するプライマーを塗工・乾燥してプライマー層を形成する工程と、
    前記発泡ポリオレフィン樹脂シートと前記木質基材とを、前記プライマー層が前記接着剤層に接するように積層して室温のロールにより連続的に圧着処理する工程と
    を含む木質複合床材の製造方法。
  6. 木質基材が、無垢木板、合板、中密度繊維板、パーティクルボード及び木材−プラスチック複合体合板からなる群より選ばれた1種又は2種以上の基材である請求項4又は5記載の木質複合床材の製造方法。
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JP2018114698A (ja) * 2017-01-19 2018-07-26 積水化学工業株式会社 断熱複合パネル
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