JP4749070B2 - 断熱パネルおよび複合断熱材 - Google Patents

断熱パネルおよび複合断熱材 Download PDF

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本発明は断熱パネルおよび複合断熱材に関する。
従来、上部面材−ウレタンフォーム−下部面材からなる断熱パネルは、住宅の壁・床・天井等の断熱パネルとして多用されている。通常は、ウレタンフォーム部分への湿気の侵入を防ぐため、上下部面材にポリエチレンコートクラフト紙やアルミ面材等の防湿面材が使用されている。
最近の省エネルギー意識の向上により、断熱パネルの使用用途が格段に増加しており、住宅外壁だけでなく、浴室・ユニットバス・台所等の壁や天井、さらには冷蔵庫、冷凍庫、保冷車の天井・壁等にも使用されつつある。このような、浴室等の壁、冷蔵庫等の壁には金属鋼板が使用されることが多く、断面構造としては、表面側鋼板−発泡ウレタン断熱材−裏面側鋼板というサンドイッチ構造が用いられることが多い。
例えば、浴室壁におけるこのようなサンドイッチ状構造の製造方法としては、浴室内面側化粧鋼板と浴室裏面側鋼板とを組み合わせて密閉空間を形成し、側面に開口された穴からウレタン注入口を差込、その密閉空間内に発泡硬化前のウレタン原液を注入、発泡硬化させ、その時に浴室内面側鋼板と浴室裏面側鋼板が発泡ウレタン樹脂に自己接着されてパネルが形成する方法が用いられている。
しかし、このようなウレタン注入法による製造方法では、ウレタン発泡圧による浴室内面側化粧面の波打を防ぐため、発泡ウレタン樹脂を注入・硬化させる時には、アルミ板や鉄板といった平滑面保持用高剛性板でパネルの表裏を挟み、硬化が完了するまで保持する必要があった。したがって、製造設備が大がかりで生産性が低下する等、製造上の問題点が生じていた。
そこで最近、裏面側鋼板−ウレタンフォーム−紙面材からなる断熱パネルをあらかじめ製造し、当該パネルの紙面材側と表面側鋼板とを接着し、サンドイッチ構造の壁構造を得る方法が開示されている(特許文献1)。
この方法によれば、注入法ではないため発泡圧の問題が発生しないが、パネル全体の反りの問題が新たに生じた。すなわち、裏面側鋼板−ウレタンフォーム−紙面材からなる断熱パネルを紙面材側で水系接着剤により表面側鋼板と接着させると、紙面材の吸水によって断熱パネルに反りが生じ、表面側鋼板と十分に接着させることができなかった。
特開2001−115597号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、吸水による反りが低減され、水系接着剤によって金属鋼板等の板材に貼着可能な断熱パネルおよび該断熱パネルを用いた複合断熱材を提供することを目的とする。
本発明は、上部面材と下部面材との間にウレタンフォーム層を有してなり、上部面材または下部面材の少なくとも一方が、最表面側からウレタンフォーム層側への順序で、表面吸水層/防水層/裏面層の積層構造を有することを特徴とする断熱パネル、および該断熱パネルが少なくとも一方の面に有する表面吸水層に水系接着剤を含浸させることにより、断熱パネルが板材に接着されてなることを特徴とする複合断熱材に関する。
本発明の断熱パネルは、表面吸水層/防水層/裏面層の積層構造を有する面材を備えているので、表面吸水層に水系接着剤を適用するなどして面材表面から吸水させても、防水層の存在により裏面層の吸水を抑制できる。よって裏面層の剛性が維持され、吸水による断熱パネル全体の反りが低減される。
本発明の断熱パネルは、上記のように吸水による反りが低減され、しかも面材最表面の表面吸水層は水系接着剤を有効に含浸するので、水系接着剤によって金属鋼板等の板材に十分に貼着可能である。
本発明の断熱パネルは、図1に示すように、上部面材1と下部面材2との間にウレタンフォーム層3を有してなり、上部面材1または下部面材2の少なくとも一方、好ましくは両方が特定の積層構造を有するものである。
上部面材1または下部面材2の少なくとも一方の面材が有する特定の積層構造は、図2に示すように、最表面側からウレタンフォーム層3側への順序で、表面吸水層5/防水層6/裏面層7の積層構造である。そのような積層構造を有する面材Aは、表面吸水層5に水系接着剤を適用するなどして面材表面から吸水させても、防水層6の存在により裏面層7の吸水を抑制できるので、吸水による断熱パネル全体の反りを低減できる。裏面層の吸水抑制により断熱パネルの反りが低減されるメカニズムの詳細は明らかではないが、以下のメカニズムに基づくものと考えられる。すなわち、防水層6がない場合など面材全体が一旦、濡れると、面材全体として含水時には膨張するが、乾燥時には収縮するなどして、結果としてパネル全体に反りが発生すると考えられる。そこで、中間層として防水層を有する面材を用いると、当該防水層の存在により裏面層は乾燥状態を保ち、剛性を維持するので、裏面層は他の層の膨張・収縮に追随することなく、むしろそれらの変化を抑制するように作用する。そのため、面材全体としての膨張・収縮は抑制され、結果として断熱パネル全体の反りは抑制されるものと考えられる。
表面吸水層5は、当該層に水系接着剤を含浸させることよって断熱パネルを板材に貼着できる程度の吸水性を有する材料からなっていればよく、例えば、いわゆるクラフト紙、ライナー紙、ダンポール紙、更紙、中芯紙等の吸水性紙質面材が挙げられる。製造コストの観点から好ましくは更紙、クラフト紙である。
表面吸水層5が有する吸水性は、例えば、上記紙質面材等の試料を高温高湿環境下に静置したときの吸水値が5%以上、特に7%以上であればよい。上記紙質面材の吸水値は、例えば、クラフト紙で約8%、ライナー紙で約10%、更紙で約9%、中芯紙で約10%である。表面層として、吸水性を有しない面材(例えば、炭酸カルシウム紙面材(吸水値;約3%)を用いると、当該層に水系接着剤が有効に含浸されないので、断熱パネルを板材に貼着できない。
本明細書中、吸水値は以下の方法により測定された値を用いている。すなわち、試料の初期重量(x(g))を秤量し、これを50℃および95%の高温高湿環境下に12時間静置したときの重量増加分(y(g))を測定する。当該重量増加分の初期重量に対する割合[(y/x)×100(%)]を吸水値とする。なお、初期重量(x)は試料を70℃の乾熱オーブン中に12時間静置したときの重量である。
表面吸水層5の厚みおよび目付は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではなく、例えば、厚みで20〜400μm、特に50〜250μm、目付で20〜300g/m、特に50〜200g/mが好ましい。
防水層6は、表面吸水層5に吸水が起こっても、当該水が裏面層7に移行するのを防止できる層であればよく、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂層、ポリプロピレン(PP)樹脂層、ナイロン樹脂層、PET樹脂層、PVA樹脂層、PVC樹脂層等のプラスチック層が挙げられる。防水層を構成するプラスチック層の融点は特に制限されず、通常は70〜300℃、特に100〜200℃が好ましい。製造コストの観点から好ましくはPE樹脂層である。
防水層6の厚みは防水が達成される限り特に制限されるものではく、例えば、5〜100μm、特に10〜50μmが好ましい。
裏面層7は、特に制限されるものではないが、表面吸水層5に吸水が起こっても、断熱パネルの反りを抑制できる程度の剛性を有する材料が好ましい。裏面層として、例えば、表面吸水層5として例示したクラフト紙、ライナー紙、ダンポール紙、更紙、中芯紙等の吸水性紙質面材、および炭酸カルシウム紙面材、アルミ面材等の耐水性面材等を単独で使用することが好ましい。またはそれらの面材を積層させて使用してもよい。上記面材を積層させて使用する場合は任意の接着剤を用いて積層すればよい。製造コストの観点から好ましくはクラフト紙、ライナー紙、炭酸カルシウム紙の単独使用である。
裏面層7の厚みおよび目付は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではなく、例えば、厚みで20〜400μm、特に50〜250μm、目付で20〜300g/m、特に50〜200g/mが好ましい。
そのような面材Aを構成する各層の材料の好ましい組み合わせを以下に例示する。なお、組み合わせは表面吸水層/防水層/裏面層の順に記載するものとする。また、必要であれば各層間には接着層を付与してもよい。
(A1)更紙/PE樹脂層/クラフト紙
(A2)クラフト紙/PE樹脂層/クラフト紙
(A3)クラフト紙/PE樹脂層/ライナー紙
(A4)クラフト紙/PE樹脂層/炭酸カルシウム紙
ウレタンフォーム層3は、ポリオールとポリイソシアネートとを触媒、発泡剤、整泡剤、その他の助剤の存在下に反応させて得られるものである。連続気泡タイプであっても独立気泡タイプであっても良く、一般的にウレタンフォームの範疇に含まれる、イソシアネートフォームも、本発明のウレタンフォームに含まれる。例えば、倉敷紡績社製「クランパネル」「クランボード」等の断熱パネルに用いられているようなウレタンフォームを用いればよい。
ウレタンフォーム層の密度は特に制限されず、通常は10〜100kg/m、特に20〜80kg/mが好適である。また、ウレタンフォーム層の厚みは、特に制限されるものではないが、3〜100mm程度であり、通常5〜50mmである。浴室壁等の用途であれば、設計上断熱パネルをあまりに厚くすることは好ましくないため、通常5〜20mmのウレタンフォーム層を有する薄物パネルとなる。薄物断熱パネルの場合、ウレタン層での反り防止効果があまり期待できないため、本発明の面材の反り防止効果がより大きく発現される。
本発明において上記積層構造を有する面材Aは、さらに裏面層7のウレタンフォーム層3側にウレタン侵入防止層8を有することが好ましい。すなわち本発明の断面パネルは、図3に示すように、最表面側からウレタンフォーム層3側への順序で、表面吸水層5/防水層6/裏面層7/ウレタン侵入防止層8の積層構造を有する面材Bを、上部面材1または下部面材2の少なくとも一方の面材として有することが好ましい。特に、断熱パネルを後述のようなサンドイッチパネル連続製造方法で製造する場合において、面材がウレタンフォーム層3との接触面においウレタン侵入防止層8を有すると、ウレタンフォーム原料の裏面層への侵入が防止されるため、外観形状に優れ、密度が均一な断熱パネルを製造できる。すなわち、ウレタン侵入防止層8を有しないと、ウレタンフォーム原料が裏面層に含浸されて反応が起こるため、生成するウレタンフォーム層の表面に凹凸が形成され、当該凹凸が断熱パネルの外観形状にも現れ、しかも密度が不均一になる。しかしながら、面材Bのようにウレタン侵入防止層8を有すると、そのような問題は回避される。図3において、図2と同様の層には図2と同じ番号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
ウレタン侵入防止層8は、ウレタンフォーム原料が含浸されない層であればよく、例えば、防水層6と同様のプラスチック層が使用可能である。そのようなプラスチック層の具体的として、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂層、ポリプロピレン(PP)樹脂層、ナイロン樹脂層、PET樹脂層、PVA樹脂層、PVC樹脂層等が挙げられる。製造コストの観点から好ましくはPE樹脂層である。
ウレタン侵入防止層を構成するプラスチック層の融点は特に制限されず、防水層を構成するプラスチック層と同様の融点範囲であってよいが、特に、断熱パネルを後述のようなサンドイッチパネル連続製造方法で製造する場合は、ウレタンフォーム原料の反応温度以上の融点を有することが好ましい。そのような融点として100〜200℃を有するウレタン侵入防止層が好ましい。
ウレタン侵入防止層8の厚みは特に制限されるものではく、例えば、10〜300μm、特に15〜50μmが好ましい。
そのような面材Bを構成する各層の材料の好ましい組み合わせを以下に例示する。なお、組み合わせは表面吸水層/防水層/裏面層/ウレタン侵入防止層の順に記載するものとする。また、必要であれば各層間には接着層を付与してもよい。
(B1)更紙/PE樹脂層/クラフト紙/PE樹脂層
(B2)クラフト紙/PE樹脂層/クラフト紙/PE樹脂層
(B3)クラフト紙/PE樹脂層/ライナー紙/PE樹脂層
(B4)クラフト紙/PE樹脂層/炭酸カルシウム紙/PE樹脂層
(B5)クラフト紙/PE樹脂層/中芯紙/PE樹脂層
(B6)ライナー紙/PE樹脂層/中芯紙/PE樹脂層
(B7)ライナー紙/PE樹脂層/ライナー紙/PE樹脂層
(B8)ライナー紙/PE樹脂層/クラフト紙/PE樹脂層
(B9)中芯紙/PE樹脂層/クラフト紙/PE樹脂層
(B10)中芯紙/PE樹脂層/ライナー紙/PE樹脂層
(B11)中芯紙/PE樹脂層/中芯紙/PE樹脂層
面材Aまたは面材Bの全体厚みおよび総目付は特に制限されるものではない。全体厚みは通常、50〜500μm程度であり、好ましくは、150〜350μmである。総目付は通常、100〜500g/m程度であり、好ましくは100〜250g/mである。厚みが薄い場合または総目付が小さい場合は、ウレタンフォーム層の凹凸が断熱パネル表面に現れ、表面外観が低下する。また、厚みが厚い場合または総目付が大きい場合は、若干重量が重くなり、性能的には問題が生じないが、取扱いにくくなり、またコスト的に問題となる。
本発明の断熱パネルが、上部面材1および下部面材2の両方の面材として上記した積層構造を有する面材Aまたは/および面材Bを有する場合、それらの面材は上記範囲内でそれぞれ独立して選択されてよい。
本発明の断熱パネルが、上部面材1または下部面材2の一方の面材として上記した積層構造を有する面材Aまたは面材Bを有する場合、他方の面材は任意の面材であってよく、例えば、前記したクラフト紙、ライナー紙、ダンポール紙、更紙および中芯紙等の吸水性紙質面材、炭酸カルシウム紙面材およびアルミ面材等の耐水性面材、ならびにポリエチレン樹脂層、ポリプロピレン樹脂層、ナイロン樹脂層、PET樹脂層、PVA樹脂層、PVC樹脂層等のプラスチック層からなる面材等が挙げられる。
本発明の断熱パネルは、従来より公知の断熱パネルの製造方法によって製造でき、特に製造方法自体は限定されない。通常は、いわゆるサンドイッチパネルの連続製造方法が用いられる。
サンドイッチパネルの連続製造方法を採用する場合について図4を用いて簡単に説明する。
下部面材2を下部面材搬送用ベルトコンベア12によって送りながら、当該下部面材2の上にウレタンフォーム層形成用原料組成物3aをミキシングヘッド10より注入する。そして、上部面材1を原料組成物3aの上に供給しつつ、上部面材搬送用ベルトコンベア11によって送る。ベルトコンベア11および12の内部には通常、加熱装置(図示せず)が備わっており、原料組成物3aの温度を調節することによってウレタンフォームの生成反応を制御できるようになっている。原料組成物3aが注入されるミキシングヘッド10は固定されていてもよいし、または断熱パネル幅方向において往復移動させてもよい。断熱パネル幅方向は図4の紙面における表裏方向である。
上部面材1および下部面材2として上記したような面材Aまたは面材Bを用いる場合は、それらの裏面層またはウレタン侵入防止層が原料組成物3aと接触するような向きで上部面材1および下部面材2を供給する。また上部面材1および下部面材2のウレタンフォーム層との接着性向上の観点から、裏面層またはウレタン侵入防止層には、コロナ処理等の加工処理を予め行っておくことが好ましい。
そのようなサンドイッチパネルの連続製造方法によって製造された断熱パネルにおいて上部面材1および下部面材2とウレタンフォーム層3とは自己接着した状態になっている。
図2に示すような面材Aを製造するに際しては、所定の表面吸水層5と裏面層7との接着時に、防水層6を形成可能なプラスチック樹脂を加熱溶融し、接着剤的に用いることにより表面吸水層5と裏面層7との間に防水層6を形成すればよい。このとき、面材の上面および下面を例えばローラー加圧し、ローラー間の隙間厚みを調整することによって、防水層6の厚みを制御可能である。
図3に示すような面材Bを製造するに際しては、ウレタン侵入防止層8を有した裏面層7を用いること以外、上記面材Aの製造方法と同様の方法によって製造することが可能である。なお、本発明においては面材Aおよび面材Bの製造方法は何ら限定されるものではない。
また、面材Aを一旦製造し、当該面材Aの裏面層7に、ウレタン侵入防止層8を形成可能なプラスチックの有機溶剤溶液を塗布し乾燥して、ウレタン侵入防止層を形成し、結果として図3に示すような面材Bを製造することもできる。このとき、塗布溶液の濃度を調整することによって、ウレタン侵入防止層の厚みを制御可能である。
本発明の断熱パネルが上部面材1または下部面材2の少なくとも一方の面材として面材Bを有するとき、当該断熱パネルは、サンドイッチパネルの連続製造方法によらずとも、単なる接着方法によって製造可能である。すなわち、予め製造したウレタンフォーム層の一方の面に、面材Aを裏面層7の面で接着するに際して、ウレタン侵入防止層8を形成可能なプラスチックの有機溶剤溶液を接着剤として用いて乾燥させる。これによって、ウレタンフォーム層3と面材Aの裏面層7との間にウレタン侵入防止層8が接着層として形成され、結果として片面に面材Bを有する断熱パネルが製造される。さらにウレタンフォーム層の他方の面に対して、上記操作を繰り返すと、両面に面材Bを有する断熱パネルが製造でき、また前記した任意の面材を任意の接着剤によって接着させると、一方の面に面材Bを有し、かつ他方の面に任意の面材を有する断熱パネルが製造できる。
本発明の断熱パネルは上部面材1または下部面材2の少なくとも一方の面材として面材Aまたは/および面材Bを有するので、断熱パネルの少なくとも一方の面の最表面には表面吸水層を有している。そのため当該表面吸水層に水系接着剤を含浸させることにより、断熱パネルを、金属鋼板、FRP板、合板、ガラス板、アクリル板等の板材に有効に貼着できる。断熱パネルがそのような板材に貼着されたものは、複合断熱材として、断熱パネルと同様の用途に有用である。
水系接着剤は水系媒体中に樹脂粒子が分散されてなるエマルジョンタイプのものであればいかなるものであってよく、例えば、アクリル樹脂系エマルジョン、合成ゴム系エマルジョン、クロロプレンゴム系エマルジョン、アクリル酸エステル共重合体系エマルジョン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン等が使用可能である。
本発明は水系接着剤以外の接着剤の使用を制限するものではなく、例えば、溶剤系接着剤、溶剤・非溶剤混合系接着剤等の接着剤の使用を妨げるものではない。しかしながら、断熱パネルを、特に住居内で使用する場合においては、環境安全性の観点から、水系接着剤を使用することが好ましい。
実施例1
更紙(目付50g/m;厚み75μm)/PE樹脂層(厚み25μm)/クラフト紙(目付75g/m;厚み110μm)/PE樹脂層(厚み25μm)からなる積層構造の面材(4層品:総目付175g/m、総厚み235μm)を用いた。
図4に示すサンドイッチパネルの連続製造方法を用いて表1に示す成形条件で断熱パネルを製造した。上部面材1および下部面材2として上記面材を、PE樹脂層がウレタンフォーム層と接触するような向きで用いた。得られた断熱パネルは幅764mmおよび厚み10mmであり、長さは2180mmにカットした。断熱パネルにおけるウレタンフォーム層の密度は62kg/mであった。
実施例2
クラフト紙(目付75g/m;厚み110μm)/PE樹脂層(厚み25μm)/クラフト紙(目付75g/m;厚み110μm)/PE樹脂層(厚み25μm)からなる積層構造の面材(4層品:総目付200g/m、総厚み270μm)を上部面材1および下部面材2として用いたこと以外、実施例1と同様の方法により断熱パネルを製造した。
実施例3
クラフト紙(目付75g/m;厚み110μm)/PE樹脂層(厚み25μm)/ライナー紙(目付180g/m;厚み210μm)/PE樹脂層(厚み25μm)からなる積層構造の面材(4層品:総目付305g/m、総厚み370μm)を上部面材1および下部面材2として用いたこと以外、実施例1と同様の方法により断熱パネルを製造した。
実施例4
クラフト紙(目付75g/m;厚み110μm)/PE樹脂層(厚み25μm)/炭酸カルシウム紙(目付140g/m;厚み185μm)/PE樹脂層(厚み20μm)からなる積層構造の面材(4層品:総目付280g/m、総厚み340μm)を上部面材1および下部面材2として用いたこと以外、実施例1と同様の方法により断熱パネルを製造した。
比較例1
ライナー紙(目付180g/m;厚み210μm)/PE樹脂層(厚み25μm)からなる積層構造の面材(2層品:総目付215g/m、総厚み245μm)を上部面材1および下部面材2として用いたこと以外、実施例1と同様の方法により断熱パネルを製造した。
比較例2
炭酸カルシウム紙(目付140g/m;厚み185μm)/PE樹脂層(厚み25μm)からなる積層構造の面材(2層品:総目付160g/m、総厚み185μm)を上部面材1および下部面材2として用いたこと以外、実施例1と同様の方法により断熱パネルを製造した。
実施例5
更紙(目付50g/m;厚み75μm)/PE樹脂層(厚み25μm)/クラフト紙(目付75g/m;厚み110μm)からなる積層構造の面材(3層品:総目付150g/m、総厚み210μm)を上部面材1および下部面材2として、クラフト紙がウレタンフォーム層と接触するような向きで用いたこと以外、実施例1と同様の方法により断熱パネルを製造した。
実施例6
更紙(目付50g/m;厚み75μm)/PE樹脂層(厚み25μm)/クラフト紙(目付75g/m;厚み110μm)/PE樹脂層(厚み25μm)からなる積層構造の面材(4層品:総目付175g/m、総厚み235μm)を用いた。
図4に示すサンドイッチパネルの連続製造方法を用いて表1に示す成形条件で断熱パネルを製造した。上部面材1および下部面材2として上記面材を、PE樹脂層がウレタンフォーム層と接触するような向きで用いた。得られた断熱パネルは幅764mmおよび厚み10mmであり、長さは2180mmにカットした。断熱パネルにおけるウレタンフォーム層の密度は42kg/mであった。
Figure 0004749070
(評価)
得られた断熱パネルを以下の項目について評価した。
・反り
断熱パネルの片面全面に水を噴霧した後、幅方向が高さとなるように断熱パネルを垂直に立てた状態で1日間自然放置して乾燥させた。噴霧量は約50ml/mであった。初期(噴霧前)および噴霧乾燥後において反りの状態を観察し、測定した。詳しくは、図5に示すように、断熱パネル50の長手方向と幅方向それぞれについて、中央ポイントPでの反りSpおよびSpを金属棒51を用いて測定した。反り変化量は噴霧乾燥後の反り値から初期の反り値を減じた値であり、25mm以下が実用上問題のない範囲であり、20mm以下が好ましい。なお、反り値は、噴霧面が収縮して形成される反りを正、その逆方向に形成される反りを負で示した。
・接着性
断熱パネルに水系接着剤(合成ゴム系エマルジョン、固形分50%、粘度7000cps(25°))を噴霧し、金属鋼板に貼着させ、24時間乾燥させたときの接着性を以下の基準に従って評価した。
○:面材表面が噴霧した水系接着剤を吸収し、面材と金属鋼板とが良好に接着されている
×:面材表面に噴霧した水系接着剤が流れ落ち、面材と金属鋼板とが良好に接着されていない
・外観
断熱パネルの外観を観察し、以下の基準に従って評価した。
○:表面が平滑であった;
×:ウレタンフォーム層の凹凸が表面に現れていた。
Figure 0004749070
本発明の断熱パネルは、住宅の外壁、床および天井、浴室・ユニットバス・台所の壁や天井、ならびに冷蔵庫・冷凍庫・保冷車の壁や天井等に使用される。また本発明の断熱パネルはそのまま水系接着剤等で既存の部材に貼着して使用されてもよいし、または金属鋼板等の板材に予め水系接着剤等で貼着して使用されてもよい。
本発明の一実施形態の断熱パネルを示す概略構成図である。 本発明の断熱パネルが有する面材の一例の概略構成図である。 本発明の断熱パネルが有する面材の一例の概略構成図である。 本発明の断熱パネルを製造する方法を説明するための模式図である。 断熱パネルの反り値を測定する方法を説明するための模式図である。
符号の説明
1:上部面材、2:下部面材、3:ウレタンフォーム層、5:表面吸水層、6:防水層、7:裏面層、8:ウレタン侵入防止層、50:断熱パネル、51:金属棒。

Claims (5)

  1. 上部面材と下部面材との間にウレタンフォーム層を有してなり、上部面材または下部面材の少なくとも一方が、最表面側からウレタンフォーム層側への順序で、表面吸水層/防水層/裏面層の積層構造を有する断熱パネルであって、表面吸水層が吸水値5%以上を有する吸水性紙質面材からなり、該表面吸水層に水系接着剤を含浸させることより貼着される断熱パネル
  2. 上部面材または下部面材の少なくとも一方が、最表面側からウレタンフォーム層側への順序で、表面吸水層/防水層/裏面層/ウレタン侵入防止層の積層構造を有することを特徴とする請求項1に記載の断熱パネル。
  3. 吸水性紙質面材がクラフト紙、ライナー紙、ダンポール紙、更紙および中芯紙からなる群から選択される請求項1または2に記載の断熱パネル
  4. 断熱パネルが、住宅の外壁、床および天井、浴室、ユニットバスおよび台所の壁および天井、ならびに冷蔵庫、冷凍庫および保冷車の壁および天井における板材に貼着され、該板材が金属鋼板、FRP板、合板、ガラス板およびアクリル板からなる群から選択される請求項1〜3のいずれかに記載の断熱パネル。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の断熱パネルが少なくとも一方の面に有する表面吸水層に水系接着剤を含浸させることにより、断熱パネルが板材に貼着されてなることを特徴とする複合断熱材。
JP2005211573A 2005-07-21 2005-07-21 断熱パネルおよび複合断熱材 Expired - Fee Related JP4749070B2 (ja)

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