JP6331005B2 - 壁装材用表面保護フィルム及びそれを用いた壁装材 - Google Patents
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Description
関連して、EVOH樹脂フィルムを薄膜化して、エンボス追従性、柔軟性を向上させる試みもあるが、製造時の加熱工程等で容易に変形してしまうことから接着層等を積層することが困難であり、生産性に劣るという問題もあり、エンボス追随性、柔軟性、及び 防汚性を改善した表面保護フィルム、及び それを用いた壁装材の出現が強く求められている。
(a):エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が、
エチレン−ビニルアルコール共重合体が含有されてなる透明な溶液を熱処理して得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(あ)と
エチレン−ビニルアルコール共重合体が含有されてなる不透明な溶液を熱処理して得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(い)と
により形成されてなる
(b):全光線透過率が80%以上
(c):ヘイズが60%以上
ここで、上記「結晶性」とは、樹脂を一旦加熱溶融させた後、徐冷したものが結晶性であるという、樹脂本来が持つ性質をいう。
例えば、EVOH樹脂(あ)となるEVOHが含有された透明な溶液については水/アルコール比で20/80〜80/20の溶媒を60℃〜75℃となるよう調整し、EVOHを加えてEVOHを完全溶解させた上で透明なEVOH溶液(これを「溶液a」と称する。)を調整し30℃〜75℃の溶液温度にて保持する。そしてEVOH樹脂(い)となるEVOHが含有された不透明な溶液については、水/アルコール比で20/80〜80/20の範囲である溶媒を60℃〜75℃に調整したのち、EVOHを完全溶解させてEVOH溶液とし、その後高速撹拌させながら溶液温度を20℃以下となるようEVOH溶液を冷却して不透明であり、好ましくはゲル状であって白濁したEVOH溶液(これを「溶液b」と称する。)を調整し、5℃〜40℃の溶液温度で保持することが前記不透明な溶液の品位を保持する上で好ましい。保持する際の「溶液b」のより好ましい溶液温度は5℃〜25℃である。
そして透明である「溶液a」と不透明である「溶液b」とを混合後の混合溶液の温度が25℃以上好ましくは30℃以上、40℃以下となるように混合させることにより、混合溶液中においてEVOH樹脂が透明である部位と不透明である部位を併せ持つ溶液形態となる。混合の際には「溶液a」と「溶液b」とが均一に混合するようにホモジナイザー等で強撹拌することが好ましい。
このとき「溶液a」と「溶液b」との混合比は質量比率で10/90〜90/10の範囲内であることが好ましい。30/70〜80/20であることが更に好ましい。「溶液a」の質量比率が10未満の場合には、得られる壁装材用表面保護フィルムの光透過性が劣ったり、EVOH樹脂層の強度特性が劣ったりする問題が有り、好ましくない。一方、「溶液a」の質量比率が90を超える場合には、得られる壁装材用表面保護フィルムのヘイズが低く、光拡散性に劣るシートとなり好ましくない。
なお、熱処理後のEVOH樹脂(あ)とEVOH樹脂(い)についてはいずれも透明であることが全光線透過率を上げる点から好ましい。
微粒子としては、アルミニウム、チタン、鉄、セリウム、イットリウム、マンガン、珪素、錫、亜鉛、銅、ビスマス、コバルト、及び これらの複合物の金属酸化物、及び 該金属酸化物の表面を有機物でコートし、親水性または疎水性を付与した微粒子、更には前記「溶液a」を噴霧乾燥することにより得られるEVOH樹脂からなる微粒子等、無色透明な微粒子であれば、特に限定されるものではない。
EVOH樹脂層に微粒子を含有させる場合の含有量としては、EVOH樹脂100質量部に対して該微粒子が0.1〜12質量部含有されていることが好ましい。微粒子の割合が0.1質量部未満の場合、EVOH樹脂層表面の滑り特性の改善が見られない恐れがある。また、微粒子の割合が12質量部を超えた場合、透明性が低下することがあり好ましくない。
微粒子の平均粒子径は2μm以下であることが好ましく、0.05〜2μmであることがより好ましく、0.1〜1μmであることが更に好ましい。2μmを超えると、壁装材用表面保護フィルムの透明性、採光性が悪化する問題があり好ましくない。
また、ポリオレフィン樹脂層2または接着剤層b4を有さないポリオレフィン樹脂層からなる積層フィルムとカバーフィルム積層物とを積層させた場合には、カバーフィルムを剥離させる前にポリオレフィン樹脂層の外表面に接着剤層b4を形成させてもよい。
カバーフィルム6は、コート液のハジキを防止するため、或いは壁装材用表面保護フィルムからカバーフィルムの剥離を容易にする為、本発明を阻害しない範囲内で、コロナ処理や、シリコン系またはフッ素系離型剤による処理などを行ってもよい。
また、本発明の壁装材用表面保護フィルムは、フィルムのMD方向の引張弾性率が400MPa〜1500MPaであることが壁装材に加工する際の加工性を確保する上で好ましく、より好ましくは650〜1200MPaである。
熱可塑性樹脂層の形状は、一般的な壁紙に使用される形態であれば特に限定されるものではないが、経済性や壁装材用表面保護フィルムとの接着性、耐剥離特性などを考慮すると、フィルム、シート、不織布のいずれかであることが好ましい。
また熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂については、一般的な壁紙の熱可塑性樹脂層に使用されている樹脂であれば特に限定されるものではないが、壁紙の加工容易性や軽量性等の点から、PVC樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂の少なくとも1種であることが好ましい。
壁紙は、機能性を付加する等の目的で、可塑剤、充填材、顔料、紫外線吸収剤、発泡剤などの添加剤を熱可塑性樹脂層または紙層の少なくとも一方に分散させた壁紙であってもよく、発泡処理、エンボス処理やフリース加工、印刷処理等の加工処理を行った壁紙であってもよい。
判定 基準
A(合格) :エンボスの切れ込みが深く、十分賦形され、かつ明瞭。
B(合格) :エンボスが深く、かつ明瞭。
C(不合格) :光の加減でエンボスが不明瞭になる。
D(不合格) :エンボスが浅く、かつ不明瞭。
判定 基準
A(合格) :全く汚れが残らない
B(合格) :気にならない程度の汚れが残る。
C(不合格):明らかな汚れが残る
D(不合格):拭き後が残る、或いは 表面層が脱離する。
透明無延伸ポリプロピレンフィルム(敦賀フィルム製 P1128、厚さ20μm、光沢度は12%)の接着剤塗布面側にコロナ処理を行いポリオレフィン樹脂層を形成した。続いてポリオレフィン樹脂層のコロナ処理面に、接着剤として、村山化学(株)製のウレタン系接着剤(サンプレックス435A)を20%IPA水溶液で20%濃度に希釈し、更に DIC社製ブロックイソシアネート系硬化剤5%を添加した溶液を、ワイアーバーを用いて5g/m2塗布し60℃で5分間乾燥を行い、乾燥後の厚みが1μmである接着剤層aを形成し、接着剤層aとポリオレフィン樹脂層とが積層された積層フィルムを得た。
得られた壁装材の特性を表1に示すが、エンボス追随性、接着力、防汚性いずれも良好であった。
実施例1で使用したナンカイテクナート株式会社製である塩化ビニル樹脂と紙材とからなる高発泡塩化ビニル壁紙基材を単独で壁装材として用いた場合の特性を表1に示すが、防汚性に問題があった。
実施例1において、EVOH溶液(C)を塗布しないこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の壁装材用表面保護フィルム、および壁装材を得た。得られた壁装材用表面保護フィルム6、および壁装材の特性を表1に示すが、防汚性が不十分であった。
実施例1において、壁装材用表面保護フィルム5を、エチレン含有量が44モル%、鹸化度が99%であるEVOH樹脂からなり、ポリオレフィン樹脂層は含有しない防汚フィルム(株式会社クラレ製 商品名: HF−ME、厚さ14μm)に変更した以外、実施例1と同様にして、比較例3の壁装材用表面保護フィルム、および壁装材を得た。壁装材用表面保護フィルム5、および前記表面保護フィルムからなる壁装材の特性を表1に示すがエンボス追随性、柔軟性が不十分であった。
2.ポリオレフィン樹脂層
3.接着剤層a
4.接着剤層b
5.壁装材用表面保護フィルム
6.カバーフィルム
7.熱可塑性樹脂層
8.紙層
9.壁紙
10.壁装材
Claims (5)
- ポリオレフィン樹脂層の外表面に、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が接着剤層を介してまたは介さずに積層されてなり、下記(a)〜(c)を満足することを特徴とする壁装材用表面保護フィルム。
(a):エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が、
エチレン−ビニルアルコール共重合体が含有されてなる透明な溶液を熱処理して得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(あ)と
エチレン−ビニルアルコール共重合体が含有されてなる不透明な溶液を熱処理して得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(い)と
により形成されてなり、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(い)のエチレン含有量が、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(あ)のエチレン含有量に対して、0.5モル%〜10モル%の範囲で大きい
(b):全光線透過率が80%以上
(c):ヘイズが60%以上 - エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層またはポリオレフィン樹脂層の少なくとも一方の外表面が粗面化面である請求項1に記載の壁装材用表面保護フィルム。
- 粗面化面は、JIS Z8741で規定する光沢度が3〜60%になるように粗面化処理されたカバーフィルムの粗面化面を転写して得られた面である請求項2に記載の壁装材用表面保護フィルム。
- 壁材の外表面に請求項1〜3のいずれか1項に記載の壁装材用表面保護フィルムが積層されてなる壁装材。
- エチレン−ビニルアルコール共重合体が含有されてなる透明な溶液であって溶液温度が30℃〜75℃である透明な溶液と、前記透明な溶液または別のエチレン−ビニルアルコール共重合体が含有されてなる透明な溶液を20℃以下に冷却して得られた不透明な溶液とを混合させて溶液温度が20℃〜40℃である混合溶液を得たのち、60℃〜90℃で乾燥を行い、さらに100℃〜150℃で熱処理を行って、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(あ)とエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(い)とからなるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の壁装材用表面保護フィルムの製造方法。
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