JP2001301539A - 車両用成形天井及びその製造方法 - Google Patents

車両用成形天井及びその製造方法

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JP2001301539A
JP2001301539A JP2000118338A JP2000118338A JP2001301539A JP 2001301539 A JP2001301539 A JP 2001301539A JP 2000118338 A JP2000118338 A JP 2000118338A JP 2000118338 A JP2000118338 A JP 2000118338A JP 2001301539 A JP2001301539 A JP 2001301539A
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JP2000118338A
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Toshinobu Nishiguchi
敏信 西口
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Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸音性能に優れた車両用成形天井を提供す
る。 【解決手段】 基材11に、ポリプロピレン不織布ある
いはガラスマットからなる吸音性能向上材21を介し
て、表布31が積層され、該基材11と吸音性能向上材
21と表布31とがバインダーBで接着一体化されてい
る車両用成形天井10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両用成形天井及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の天井においては、車体
外板の内側に車両用成形天井が取り付けられて、断熱性
や装飾性等の付与がなされている。前記車両用成形天井
としては、図4に示したような、ポリウレタン発泡体層
52、ガラス繊維層53、裏地層54等を含んだ基材5
1に、ポリエステル繊維等のファブリックやプラスチッ
クシートあるいは不織布等からなる表布55がホットメ
ルトフィルム56を介して積層され、その積層品を加熱
金型等で加熱プレスすることによって、前記ホットメル
トフィルム56を溶融及び硬化させ、それによって、各
部材が一体化された成形天井50が一般的である。
【0003】しかしながら、前記ホットメルトフィルム
56の溶着により基材51と表布55を接着した従来の
成形天井50は、車室内で大きな面積を占めるにも拘わ
らず、車室内で発生した騒音に対する吸音効果があまり
良くないといった問題が指摘されている。
【0004】上記問題の原因を本発明者が鋭意検討した
ところ、車室内で発生した音の一部が前記基材51と表
布55の間のホットメルトフィルム56により反射され
てしまい、その反射した音が基材51内に吸収されてい
ないことが原因であると判明した。そこで、本発明者
は、前記ホットメルトフィルム56を廃止し、その代わ
りに液状イソシアネート等のバインダーを基材両面に付
着させ、そのバインダーによって基材と表布を接着一体
化した成形天井を発案したが、その成形天井にあって
は、当該成形天井全体の通気度が上がり過ぎてしまい、
それに起因して汚れ(通気汚れとも称される。)が生じ
たり、表布と基材の接着性が十分でなかったり、前記バ
インダーが表布にまで染み出す等の外観及び製造上の不
具合が生じる等、新たな問題が発生しており、当該成形
天井の製品化までには至っていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な状況に鑑み提案されたもので、吸音性能に優れるとと
もに、通気性の上昇を抑えることにより汚れ難くなり、
しかも、各部材間の接着性が十分で、さらには、外観性
及び製造時の作業性が良好な、車両用成形天井及びその
製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1の発
明は、基材に、ポリプロピレン不織布あるいはガラスマ
ットからなる吸音性能向上材を介して、表布が積層さ
れ、該基材と吸音性能向上材と表布とがバインダーで接
着一体化されていることを特徴とする車両用成形天井に
係る。
【0007】請求項2の発明は、請求項1において、表
布の基材側にアクリル樹脂系発泡体層が形成されている
ことを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は、請求項1または2にお
いて、バインダーが液状イソシアネートであることを特
徴とする。
【0009】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れかにおいて、基材が、裏地層と、裏地用ホットメルト
層と、裏側ガラス繊維層と、バインダーが少なくとも表
側面に付着した基材用発泡体層と、表側ガラス繊維層と
をその順で積層したものからなることを特徴とする。
【0010】請求項5の発明は、表布素材の裏側面にア
クリル樹脂原料を塗布し、そのアクリル樹脂原料を硬化
させることによって、裏側にアクリル樹脂系発泡体層が
形成された表布を得るとともに、基材用発泡体の少なく
とも表側面にバインダーを付着させ、次いで、該発泡体
の表側面及び裏地用ホットメルトの表側面にガラス繊維
を付着させた後、裏地、ガラス繊維が付着した裏地用ホ
ットメルト、バインダー及びガラス繊維が付着した基材
用発泡体、ポリプロピレン不織布あるいはガラスマット
からなる吸音性能向上材、表布をその順に積層し、それ
らを圧縮及び加熱することによって、前記各部材を接着
一体化することを特徴とする車両用成形天井の製造方法
に係る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下添付の図面に従ってこの発明
を詳細に説明する。図1はこの発明の一実施例における
圧縮前の積層物及び製造後(圧縮後)の成形天井を示す
部分断面図、図2は同車両用成形天井の製造方法の一例
について示す概略図、図3は吸音性能測定の様子を示す
概略図である。
【0012】図1に示す車両用成形天井10は、車室内
の断熱および装飾等のために、自動車の車体外板の内側
に取り付けられるもので、基材11と吸音性能向上材2
1と表布31とを含む積層材からなる。なお、図1の
(A)は、車両用成形天井10の圧縮(接着一体化)前
の積層物を示し、同図の(B)は製造後(圧縮後)の車
両用成形天井10を示している。
【0013】基材11は、成形天井10の形状保持及び
車体外板への取り付け等のためのもので、剛性及び断熱
性並びに作業性に優れた種々の材質からなる。この実施
例では、基材11は、下(裏)から、裏地層12と、裏
地用ホットメルト層13と、裏側ガラス繊維層14と、
基材用発泡体層15と、表側ガラス繊維層16とがその
順に積層された多層構造からなる。前記裏地層12は、
成形天井10の裏面を保護するためのもので、不織布や
プラスチックシート等からなる。
【0014】前記裏地用ホットメルト層13は、裏地層
12を発泡体層15(厳密に言えば裏側ガラス繊維層1
4)に接着するとともに、当該基材11の通気を妨げて
該通気に起因する汚れを防ぐためのもので、加熱時に溶
融して接着性を発揮する材質からなる。この裏地用ホッ
トメルト層13の例として、EVA(エチレン酢酸ビニ
ル共重合体)、EAA(エチレンとアクリル酸の共重合
体)、EMA(エチレンとアクリル酸メチルの共重合
体)、EMMA(エチレンとメタクリル酸メチルの共重
合体)、EMAA(エチレンとメタクリル酸との共重合
体)とポリオレフィンの共重合体、またはポリマーアロ
イ等からなる融点70〜100℃の熱可塑性樹脂と、ポ
リプロピレン、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレ
フタレート)等からなる融点110〜200℃の熱可塑
性樹脂とのポリマーアロイが挙げられる。
【0015】前記基材用発泡体層15の両側に配された
ガラス繊維層14,16は、当該基材11の剛性を高め
るためのもので、ガラス繊維のチョップ(長いガラス繊
維をカットしたもの)を堆積して層状としたもの、ある
いはガラス繊維マット等からなる。このガラス繊維層1
4,16の重量は、成形天井10に求められる剛性等に
よって適宜決定される。
【0016】前記基材用発泡体層15は、基材11の本
体部となり、当該成形天井に断熱性及び吸音性を付与す
るものであって、連続気泡を有する公知のポリウレタン
発泡体等を使用できる。また、この発泡体層15の少な
くとも表側面、実施例では両面に、各部材を接着一体化
するためのバインダーBが付着している。前記発泡体層
15の独泡率は、熱成形性及び前記バインダーの浸透率
が向上して接着性に優れるため、10%以下とするのが
好ましい。
【0017】また、前記バインダーBとしては、安価
で、しかも良好な接着性が得られる液状イソシアネート
が挙げられる。この液状イソシアネートは、熱及び触媒
の存在下で水との反応により反応硬化し、その硬化によ
って接着剤として機能するもので、該液状イソシアネー
トとしては液状のものを特に制限無く用いることができ
る。例えば、芳香族系のTDI(トルエンジイソシアネ
ート)、ポリメリックMDI(4,4’ジフェニルメタ
ンジイソシアネート)、NDI(1,5−ナフタレンジ
イソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネー
ト)、PPDI(パラフェニレンジイソシアネート)、
XDI(キシリレンジイソシアネート)、TMXDI
(テトラメチルキシレンジイソシアネート)及びそれら
の変成体等が挙げられる。好ましくは、ポリメリックM
DIや、ウレタン変成,アロファネート変性,ビューレ
ット変性,カルボイミド/ウレトニミン変性等種々の変
性がなされた変性TDI、変性MDI等のTDI,MD
Iの変成体や、それらの混合物の使用が適している。
【0018】これらのうち、3〜300cpの液状イソ
シアネートは、浸透性や塗布性等に優れるため、より好
ましいものである。また、これらのうち特にポリメリッ
クMDIは蒸気圧が低くガラス繊維との親和性が良好
で、反応性・接着性、作業性の面で適している。これら
液状イソシアネートの種類は、接着性・積層品の剛性・
反応性・作業性等に応じて適宜選択して用いられる。こ
こで、この実施例では、上述の如く、発泡体層15の表
面及び裏面にバインダーが付着されているが、これに限
らず、バインダー(液状イソシアネート)が発泡体層1
5の内部にも含浸するようにしてもよい。
【0019】なお、基材11としては、上記構造のもの
に限定されることなく、前記基材を構成する各層12〜
16のうち、適宜層を省略あるいは変更したり、あるい
は新しい層を追加することも可能である。
【0020】吸音性能向上材21は、成形天井10の吸
音性能を高める、具体的には車室内で発生した音の前記
基材11(特には発泡体層15)への伝播性を高めると
ともに、さらには成形天井10となる積層材10Aの圧
縮時に前記発泡体層15上側のバインダーBが染み込む
ことにより基材11と表布31の接着媒体を担うもので
ある。この吸音性能向上材21には、ある程度通気性を
有するポリプロピレン不織布あるいはガラスマットが用
いられる。なお、前記ポリプロピレン不織布としては、
公知のニードルパンチによりポリプロピレン繊維を固め
たものが挙げられる。
【0021】表布31は、成形天井10の表面を装飾あ
るいは保護するためのもので、この実施例では、表布素
材32と該素材32の基材側(裏側)に形成されたアク
リル樹脂系発泡体層33からなる。前記表布素材32と
しては、ポリエステル不織布等の不織布,織布(ニット
表布),ポリエステル繊維等のファブリック,TPO
(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー)やPVC
(ポリ塩化ビニル)等のプラスチックシート等が挙げら
れる。
【0022】前記アクリル樹脂系発泡体層33は、アク
リルラテックスに発泡助剤や架橋剤等の添加物を配合し
たアクリル樹脂原料を、ミキサーで攪拌しながら空気又
は不活性ガスを吸収または圧入し、前記表布素材32の
基材側面に発泡(吐出発泡)させて形成したもので、そ
の発泡時に生じる発泡体の接着力によって前記表布素材
32との一体化がなされる。また、このアクリル樹脂系
発泡体層33は連続気泡構造のもので、吸音性及び遮光
性に優れている。
【0023】前記アクリル樹脂原料に用いられる原料の
例を示す。前記アクリルラテックスとしては、ボンコー
ト350、ディックフォームF601(以上大日本イン
キ化学工業製)、F439A(イーテック社製)、アロ
ンNW7020(東亜合成化学製)等を挙げることがで
きる。また、発泡助剤としては、FR−25、ペレック
スTA(以上花王製)、サンノールLMT−1430、
リパールNTD(以上ライオン製)、ノニポール100
(三洋化成製)等を挙げることができる。整泡剤として
は、SNフォーム(サンノプコ社製)、SP−S10
(花王製)、エレミノールJS−2(三洋化成製)、ペ
インタット29(東レダウコーニング製)等を挙げるこ
とができる。架橋剤としては、DSA、リアクト(以上
三洋化成製)、キャタリスト376(大日本インキ化学
工業製)、スミテックスレジンM−6(住友化学製)、
エポクロスWS500(日本触媒製)等を挙げることが
できる。分散剤としては、ポイズ521(花王製)、ユ
ニポールPE−61(三洋化成製)、リポランPB−8
00(ライオン製)等が挙げられる。その他、充填剤と
して、水酸化アルミニウム、ハイジライトH42M、ハ
イジライトC−308(以上住友化学製)、BF083
−504(日本軽金属製)等を挙げることができる。
【0024】このように表布31の基材側に、連続気泡
構造からなるアクリル樹脂系発泡体層33が形成される
ことによって、該アクリル樹脂系発泡体層33でも車室
内で発生した音が吸収され、成形天井全体としての吸音
性能が向上するとともに、表布31と吸音性能向上材2
1及び基材11からなる積層材10Aの圧縮時(接着
時)において、前記吸音性能向上材21から表布31側
に染み出したバインダーが表布31(表布素材32)の
表面に染み出さないように、当該アクリル樹脂系発泡体
層33によりバインダーBを目止めする効果もある。
【0025】また、このように表布31の基材側にアク
リル樹脂系発泡体層33を形成することによって、表布
素材32の目付重量を軽くしても、裏側が透けて見える
感じ、所謂スケ感が目立たなくなるので、表布31の軽
量化及び低コスト化を図ることができる。なお、具体的
には、表布素材のみで表布が構成される従来構造では、
スケ感を目立たないようにするために最低限必要な表布
素材の目付重量が170g/mであったのに対し、こ
の発明の一例の場合には、該最低限必要な表布素材の目
付重量は140g/mとなった。
【0026】さらに、当該アクリル樹脂系発泡体層33
は、光透過度が低いため、特開平11−48392等で
指摘されている光漏れ現象の問題の解消が期待できる。
詳しくは、サンルーフ等の開口周縁や端縁部分から成形
天井10と車体外板との間に生じる間隙を介して外光が
成形天井裏側に入射しても、当該光はアクリル樹脂系発
泡体層33により遮蔽され、成形天井10の車室内側表
面(表布31の表面)まで光が透過するのを阻止するこ
とができ、光漏れにより成形天井10の外観が損なわれ
るのを防ぐことができる。
【0027】上記基材11と吸音性能向上材21及び表
布31は、前記基材11の発泡体層15の表側面に付着
したバインダーBによって接着一体化される。この接着
一体化は、図1の(A)に示すように各部材11,2
1,31が積層された積層材10Aを圧縮することによ
って、同図の(B)の如く前記バインダーBの一部が吸
音性能向上材21と表布31の間にまで滲み出し、その
バインダーBの接着作用によってなされる。また、前記
基材11の発泡体層15と裏側ガラス繊維層14及び裏
地用ホットメルト層13との接着は、発泡体層15の裏
側面に付着したバインダーBの接着作用によってなされ
る。さらに、前記裏地用ホットメルト層13と裏地層1
2の接着は、裏地用ホットメルト層13の溶着によりな
される。このように各部材及び各層が接着されているの
で、各部材間あるいは各層間の接着強度は十分なものと
なる。
【0028】次に、前記成形天井10を、請求項5に規
定した発明の製造方法により製造する例について図2を
用いて説明する。なお、以下の例では、生産効率を高め
るため、各部材を連続的に供給して積層材とし、その積
層材を一体化した後所定寸法に切断する例について示し
ているが、これに限らず、予め所定寸法に切断した各部
材を順次積層するようにしてもよい。
【0029】まず、この例においては、図示しない工程
で表布素材32の裏側面にアクリル樹脂系発泡体原料を
塗布し、そのアクリル樹脂系発泡体原料を硬化させるこ
とによって、裏側にアクリル樹脂系発泡体層33が形成
された表布31を予め得る。前記アクリル樹脂系発泡体
原料の塗布方法としては、注入機の吐出口から吐出する
方法等を挙げることができる。
【0030】また、基材用発泡体15を、該発泡体15
の少なくとも表側面、この例では両面にバインダーBを
付着させる。図示の例では、バインダーBであるポリメ
リックMDI(液状イソシアネート)を容器Cに充填
し、そのポリメリックMDI(バインダーB)に基材用
発泡体15を漬けることによって、該ポリメリックMD
Iを基材用発泡体15両面へ付着している。好ましく
は、前記ポリメリックMDIの反応硬化を促進させるた
め、該ポリメリックMDIの発泡体15への付着後、ジ
メチルエタノールアミン等の触媒溶液を基材用発泡体1
5に散布するのがよい。ここで、前記ポリメリックMD
Iは1液からなるため、2液型のポリウレタン接着剤と
比べ、各液の粘度を調節する必要がなく、しかも、該ポ
リメリックMDIは、2液型のポリウレタン接着剤より
も安価である。なお、図中の符号R1,R2は前記バイ
ンダーB(ポリメリックMDI)が付着した発泡体15
を絞るための絞りロールである。
【0031】続いて、前記バインダーBが付着した発泡
体15の表側面及び裏地用ホットメルト13の表側面
に、所定寸法にカットされたガラス繊維のチョップ14
A,16Aを散布(付着)して、所定重量に堆積させて
ガラス繊維層14,16を形成する。なお、ガラス繊維
のチョップに代えてガラス繊維のマットを発泡体15の
表側面及び裏地用ホットメルト13の表側面に積層して
もよい。
【0032】その後、図示のように、裏地12、前記表
側面にガラス繊維層14が形成された裏地用ホットメル
ト13、前記両面にバインダーBが付着され、かつ表側
面にガラス繊維層16が形成された基材用発泡体15、
ポリプロピレン不織布あるいはガラスマットからなる吸
音性能向上材21、前記表布31をその順に積層し、そ
の積層材10Aを、所定温度に加熱した圧着ロールR
3,R4を用いて圧縮及び加熱する。
【0033】この圧着ロールR3,R4による圧縮及び
加熱によって、前記基材用発泡体15の表面側に付着し
たバインダーBの一部が表側ガラス繊維層16,吸音性
能向上材21に染み込み、さらにそのバインダーBの一
部が、吸音性能向上材21と表布31の間に滲み出し、
前記ロールR3,R4の熱によって吸音性能向上材21
と表布31の間、吸音性能向上材21内、吸音性能向上
材21と表側ガラス繊維層16の間、表側ガラス繊維層
16内、並びに表側ガラス繊維層16と基材用発泡体1
5の間でバインダーBが硬化反応を開始し、その硬化に
よって、基材用発泡体15と表側ガラス繊維層16,吸
音性能向上材21及び表布31とが接着一体化される。
また、該圧縮及び加熱によって、基材用発泡体15の裏
側面に付着したバインダーBの一部が裏側ガラス繊維層
14に染み込み、さらに前記バインダーBの一部が、裏
側ガラス繊維層14と裏地用ホットメルト層13の間に
滲み出し、そのバインダーBの硬化によって、基材用発
泡体15と裏側ガラス繊維層14及び裏地用ホットメル
ト13とが接着一体化される。なお、前記ロールR3,
R4の加熱温度は、各部材の材質等を考慮して定められ
る。
【0034】次いで、前記圧縮された積層材をカッター
等の切断具により所定寸法に裁断した後、その積層材を
下型と上型よりなる加熱金型によって加熱プレスするこ
とによって、所望形状に賦形する。このとき、前記金型
の型面の熱により前記裏地用ホットメルト層13が溶融
し、その溶融したホットメルト層13の硬化によって、
当該ホットメルト層13と裏地12が接着一体化する。
【0035】その後、前記賦形された積層材をトリミン
グ型等でプレスして、積層材周縁の不要部分を切除する
ことによって、所望の成形天井10を得る。このように
成形天井10を製造すれば、極めて効率良く成形天井1
0が得られる。
【0036】上で述べた本発明の一実施例に係る成形天
井10の吸音効果を確かめるため、吸音性能測定を次の
ように行った。この測定は、JIS−A−1405に準
拠して、図3に示したように成形天井10から所定サイ
ズのサンプル片Sを作製し、該サンプル片Sを長さ10
00mm(100〜1600Hz測定用)または300
mm(800〜6000Hz測定用)からなる円筒部材
Xの一方の端に配置するととともに他方の端に種々の周
波数の音を発信する音源Yを配置し、さらにサンプル片
Sから0mmあるいは10mmの距離の位置に集音マイ
クZを設置し、その集音マイクZにより音量を測定する
ことによって、各周波数・各マイク位置毎の垂直吸音率
([初期(設定)音量値−測定音量値]/初期音量値×
100)を測定した。また、先の従来技術の欄で図4を
用いて説明した基材と表布の間にホットメルトフィルム
が配される比較例1の成形天井と、上記実施例における
アクリル樹脂系発泡体層の代わりにポリウレタン発泡体
層を表布の基材側に形成し、その他は上記実施例と同じ
構造を有する比較例2の成形天井についても、同じよう
に吸音性能測定を行った。測定結果を以下の表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】表1からも明らかなように、実施例の成形
天井10は、比較例1,2の成形天井に比べて吸音率が
全体的に大きい値を示しており、吸音効果が高いことが
分かる。特に、4000Hzや6000Hz等の高周波
数域の音について、吸音効果の向上が著しいことが確認
できる。なお、前記実施例におけるポリプロピレン不織
布に代えてガラスマットを用いた他の実施例について
も、同様にして吸音性能を測定したところ、優れた吸音
効果を確認できた。
【0039】また、前記アクリル樹脂系発泡体層を用い
た実施例の成形天井10に対して光漏れを調べるため、
前記実施例の成形天井10をサンルーフ付き車両の天井
に装着し、目視で車両内天井を調べたところ、成形天井
10からの光漏れを見いだすことができなかった。
【0040】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
車両用成形天井にあっては、基材と表布の間のホットメ
ルトフィルムを廃止し、基材と表布の間にポリプロピレ
ン不織布あるいはガラスマットからなる吸音性能向上材
を配設して、該基材と吸音性能向上材と表布とがバイン
ダーで接着一体化されているため、車室内で発生した音
が基材内までよく伝わり、吸音性能が飛躍的に向上す
る。
【0041】特に、請求項2の発明のように、表布の基
材側にアクリル樹脂系発泡体層を形成するようにすれ
ば、該アクリル樹脂系発泡体層でも車室内で発生した音
が吸収され、成形天井全体としての吸音性能がさらに向
上するとともに、バインダーが表布表面に染み出さない
ように、当該アクリル樹脂系発泡体層によりバインダー
を目止めすることができ、良好な外観が得られる。ま
た、このアクリル樹脂系発泡体層により、成形天井全体
としての通気性の上昇を抑えることができるので、当該
成形天井の通気汚れを防止できる利点もある。さらに、
表布素材の目付重量を軽くしても、所謂スケ感が目立た
なくなり、表布の軽量化が実現できる。加えて、当該ア
クリル樹脂系発泡体層は、成形天井と車体外板との間に
生じる間隙を介して成形天井裏側に入射した外光を遮蔽
する作用もあり、光漏れにより成形天井の外観が損なわ
れるのを防止できる。
【0042】また、請求項3の発明の如く、バインダー
が液状イソシアネートとされれば、該バインダーの粘度
が低くなり、製造時の作業性が良くなるとともに、被接
着部材への浸透性も優れる。しかも、反応硬化物はウレ
ア結合であるため、剛性、ひいては接着強度が高くな
る。
【0043】さらに、請求項4の発明のように、基材
を、裏地層と裏地用ホットメルト層と裏側ガラス繊維層
とバインダーが少なくとも表側面に付着した発泡体層と
表側ガラス繊維層とをその順で積層したもので構成すれ
ば、基材の剛性,断熱性,吸音性を一層高めることがで
きる。
【0044】また、請求項5の方法発明のように成形天
井を製造すれば、上記効果を奏する成形天井を作業効率
良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例における圧縮前の積層物及
び製造後の成形天井を示す部分断面図である。
【図2】同車両用成形天井の製造方法の一例について示
す概略図である。
【図3】吸音性能測定の様子を示す概略図である。
【図4】従来における車両用成形天井の一例を示す部分
断面図である。
【符号の説明】
10 成形天井 11 基材 12 裏地層 13 裏地用ホットメルト層 14 裏側ガラス繊維層 15 基材用発泡体層 16 表側ガラス繊維層 21 吸音性能向上材 31 表布 32 表布素材 33 アクリル樹脂系発泡体層 B バインダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:12 B29K 105:12 B29L 31:58 B29L 31:58 Fターム(参考) 3D023 BA02 BB03 BB21 BD01 BE02 BE05 BE31 4F100 AG00B AG00E AK07B AK25A AK41 AK51 AK51G AK68G AK71G AR00A AR00D AT00C BA03 BA05 BA07 BA10A BA10C CB00 CB03 DG01E DG06B DG15B DJ01A DJ01D EC18 GB31 GB33 HB00A JD01 JH01 JH01B JJ03 JK01 JK06 JL00 JN02 4F211 AA11 AA21 AC03 AD04 AD05 AD16 AD17 AE07 AE10 AG03 AH26 TA03 TC04 TD11 TJ11 TN09 TN47 TN60 TN63 TQ03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に、ポリプロピレン不織布あるいは
    ガラスマットからなる吸音性能向上材を介して、表布が
    積層され、該基材と吸音性能向上材と表布とがバインダ
    ーで接着一体化されていることを特徴とする車両用成形
    天井。
  2. 【請求項2】 表布の基材側にアクリル樹脂系発泡体層
    が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車
    両用成形天井。
  3. 【請求項3】 バインダーが液状イソシアネートである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用成形
    天井。
  4. 【請求項4】 基材が、裏地層と、裏地用ホットメルト
    層と、裏側ガラス繊維層と、バインダーが少なくとも表
    側面に付着した基材用発泡体層と、表側ガラス繊維層と
    をその順で積層したものからなることを特徴とする請求
    項1ないし3の何れかに記載の車両用成形天井。
  5. 【請求項5】 表布素材の裏側面にアクリル樹脂原料を
    塗布し、そのアクリル樹脂原料を硬化させることによっ
    て、裏側にアクリル樹脂系発泡体層が形成された表布を
    得るとともに、 基材用発泡体の少なくとも表側面にバインダーを付着さ
    せ、次いで、該発泡体の表側面及び裏地用ホットメルト
    の表側面にガラス繊維を付着させた後、 裏地、ガラス繊維が付着した裏地用ホットメルト、バイ
    ンダー及びガラス繊維が付着した基材用発泡体、ポリプ
    ロピレン不織布あるいはガラスマットからなる吸音性能
    向上材、表布をその順に積層し、それらを圧縮及び加熱
    することによって、前記各部材を接着一体化することを
    特徴とする車両用成形天井の製造方法。
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