JP4219283B2 - 吸音材及び吸音材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸音材及び吸音材の製造方法に関する。
従来、自動車のエンジンルームに用いられる吸音材には、ボンネットの裏面に貼着されるフードサイレンサーや、エンジンルームと車室内との境界に貼着されるダッシュサイレンサーがある。これらの吸音材は、通常、表面材と基材が積層された構成からなる。前記表面材には、ホットメルト樹脂や熱硬化型樹脂を塗布した不織布等が用いられ、それに対して前記基材には、グラスウールやフェルト等が用いられる。
また、従来の吸音材の成形は、表面材と基材を積層して熱プレスする熱プレス成形により行われる。前記熱プレス成形で製造された吸音材には、吸音性が要求されることから、前記表面材の表面が多孔質となるように接着剤の塗布が行われる必要があり、前記不織布の目詰まりを生じ難くする処理がなされる。前記接着剤としては、耐熱性の高いDFK(ジフェノール誘導体)樹脂接着剤や、熱硬化型のメラミン系接着剤が使用される。
さらに自動車のエンジンルーム用の吸音材には、防水性が求められることから、前記表面材として用いられる不織布には防水加工が施されている。一方、前記基材に用いられるグラスウールやフェルトは、そのままでは熱プレスによる賦形ができないため、熱により硬化するフェノール樹脂を予め含浸させておくことが行われる。
このように、従来においては、熱プレス成形によって吸音材を製造する際に、吸音材の吸音性を保証するための通気性確保に関する処理、表面材と基材を接着するための種々の処理、表面材に対する防水処理など、面倒な作業がそれぞれ別個に必要となるため、作業手順が複雑になってコストが嵩む問題がある。さらに、前記表面材に使用する不織布と、前記基材に使用するグラスウールとの接着は、不織布に剛性が不足することから、しばしば不織布とグラスウール間に未接着な箇所が発生する問題がある。また、グラスウールの使用によって吸音材が重くなる問題もある。この重くなる問題は、軽量化が求められる自動車用の吸音材にとっては無視できない問題である。
特開2001−347587号公報 特開2001−98449号公報
本発明はかかる点に鑑みなされたもので、吸音性及び防水性を備え、しかも表面材と基材との接着が確実でかつ軽量な吸音材を提供すると共に、その製造を容易かつ安価に行える製造方法の提供を目的とする。
本発明における吸音材は、多孔質体のシートの少なくとも片面に不織布が積層された吸音材であって、前記多孔質体のシートには触媒未含有のイソシアネート接着剤が塗布され、前記不織布には撥水剤とイソシアネート接着剤の触媒が分散され、前記多孔質体のシートと前記不織布との界面が前記イソシアネート接着剤で接合されていることを特徴とする。
また、本発明の吸音材は、車両用エンジンルームの吸音材であるのが好ましい。さらに、前記多孔質体は軟質スラブポリウレタン発泡体、前記不織布は目付量100g/mのニードルパンチされたポリエステル繊維、前記撥水剤はフッ素樹脂、前記イソシアネート接着剤はメチレンジフェニルジイソシアネートからなるのが好ましい。
本発明の吸音材の製造方法は、撥水剤の水性エマルジョンにイソシアネート接着剤の触媒を混合してエマルジョン配合液を得る工程と、前記エマルジョン配合液を不織布に塗布して前記エマルジョン配合液が含浸した不織布を得る工程と、多孔質体のシートに、触媒未含有のイソシアネート接着剤を塗布して前記触媒未含有のイソシアネート接着剤が付着した多孔質体のシートを得る工程と、前記エマルジョン配合液が含浸した不織布と前記触媒未含有のイソシアネート接着剤が付着した多孔質体のシートを、前記エマルジョン配合液が含浸した不織布に前記多孔質体のシートにおける前記触媒未含有のイソシアネート接着剤塗布面が対向するように積層し、熱プレス型により120〜180℃で熱プレスして賦形する熱プレス工程とにより、多孔質体のシートの少なくとも片面に不織布が積層され、前記不織布には撥水剤が分散し、前記多孔質体のシートと前記不織布との界面がイソシアネート接着剤で接合されている吸音材を得ることを特徴とする。
本発明の吸音材によれば、表面材に相当する不織布には撥水剤が分散しているため、吸音材が防水性を備え、しかも前記多孔質体のシートと前記不織布との界面を接着するイソシアネート接着剤は、熱によって接着性が損なわれ難いため、本発明の吸音材は、高温となる自動車のエンジンルーム用として好適である。さらに、軟質ポリウレタンスラブ発泡体は、グラスウールよりも軽量なため、多孔質体のシートを軟質ポリウレタンスラブ発泡体とすることによって軽量性に優れる吸音材が得られる。
また、本発明の吸音材の製造方法によれば、不織布には撥水剤の水性エマルジョンとイソシアネート接着剤の触媒を含浸させ、多孔質体のシートには触媒未含有のイソシアネート接着剤を塗布し、前記エマルジョン配合液が含浸した不織布と前記触媒未含有のイソシアネート接着剤が付着した多孔質体のシートを、前記エマルジョン配合液が含浸した不織布に前記多孔質体のシートにおける前記触媒未含有のイソシアネート接着剤塗布面が対向するように積層し、熱プレス型によって120〜180℃で熱プレスし賦形するため、前記触媒未含有のイソシアネート接着剤が塗布された多孔質体のシートは、前記触媒及び撥水剤のエマルジョンが含浸した不織布と積層されて熱プレスされるまでイソシアネート接着剤が硬化せず、取り扱いが容易である。
さらに、本発明の吸音材の製造方法によれば、前記触媒及び撥水剤の水性エマルジョンが含浸した不織布と前記触媒未含有のイソシアネート接着剤が塗布された多孔質体のシートを熱プレスすることによって、前記多孔質体のシートにおけるイソシアネート接着剤が前記不織布内の水分及び触媒と接触して水分との反応により硬化すると共に、前記撥水剤が不織布内へ確実に分散するため、接着と防水処理を同時に行うことができ、作業が簡略となる。しかも、前記熱プレスを120〜180℃の温度範囲で行うことにより、前記不織布内に含浸しているエマルジョンの水分を一気に不織布内から外部へ蒸発させることができ、それによって水分の蒸発経路跡が不織布内から表面まで連通して連通孔を形成するため、前記連通孔による通気性によって吸音材の吸音性を確保することができると共に向上させることができ、防水性及び吸音性を備えた吸音材を、安価かつ容易に製造することができる。また、前記多孔質体のシートを軟質ポリウレタンスラブ発泡体とすることにより、軽量性に優れる吸音材を容易に得ることができる。
図1は本発明の一実施例に係る吸音材の断面図、図2は本発明の製造方法における熱プレスの一例を示す断面図である。
図1に示す本発明の一実施例に係る吸音材10は、多孔質体のシート11の少なくとも片面に、本実施例では両面に、不織布21,22が積層された構造からなり、自動車のエンジンルーム用として好適なものである。前記多孔質体のシート11は吸音材10の基材に相当し、前記不織布21,22は吸音材10の表面材に相当する。
前記多孔質体のシート11は、多孔質体を裁断等により所要厚みのシート状に形成したものからなる。前記多孔質体は、軟質スラブポリウレタン発泡体が好ましい。前記軟質スラブポリウレタン発泡体は、通常、連続コンベアー上に軟質ポリウレタン発泡原液を流して、断面が角形又はカマボコ形に連続発泡させた後、所定長さに裁断したもので、セル(気泡)の連通による通気性が高く、しかも安価なため、本発明における吸音材として好適である。前記軟質スラブポリウレタン発泡体は、より良好な通気性及び軽量性を得るため、密度5〜20kg/mのものが、特に好ましい。また、前記吸音材10における多孔質体のシート11は、適宜の厚みとされるが、例として10〜50mmを挙げる。
前記不織布21,22は、不織布に撥水剤が分散したものからなる。前記不織布としては、適宜のものを使用できるが、前記吸音材10がエンジンルーム用の場合には、高温のエンジンルームに耐えられるように、耐熱性に優れるポリエステル繊維の不織布が好ましい。特には目付量30〜100g/mのニードルパンチされたポリエステル繊維からなるものが好ましい。さらに、前記吸音材10が自動車のボンネットのフードの裏側に貼着されるものの場合において、例えば、前記不織布21がエンジンルーム側を向く不織布とされ、他方前記不織布22がボンネットフード側を向く不織布とされた場合、前記エンジンルーム側を向く不織布21を、前記ボンネットフード側を向く不織布22よりも、ポリエステル繊維の目付量を大にするのが吸音性の点から好ましい。特には、前記エンジンルーム側を向く不織布21は、目付量100g/mのニードルパンチされたポリエステル繊維からなるものが好ましく、また前記ボンネットフード側を向く不織布22は、目付量30g/mのニードルパンチされたポリエステル繊維からなるものが好ましい。
前記不織布21,22に分散される撥水剤としては、適宜のものを使用可能であるが、前記吸音材10が自動車のエンジンルーム用の場合には、耐熱性の良好なものが好ましく、特にフッ素樹脂が好ましい。前記撥水剤は、水性エマルジョンにして不織布に含浸させ、その後の熱プレスによってエマルジョンの水分を蒸発させることによって不織布への分散固定が行われる。
前記多孔質体のシート11と前記不織布21,22との界面31,32は、イソシアネート接着剤で接合されている。前記イソシアネート接着剤としては、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)が、良好な耐熱性及び扱いやすさの点で好ましい。前記イソシアネート接着剤は、水分によって硬化する。
次に前記吸音材10の製造方法について説明する。前記吸音材10の製造方法は、エマルジョン配合液調製工程、エマルジョン配合液含浸工程、イソシアネート接着剤含浸工程、熱プレス工程とよりなる。
前記エマルジョン配合液調製工程では、前記撥水剤の水性エマルジョンにイソシアネート接着剤の触媒を混合して、前記撥水剤及びイソシアネートの触媒を含有するエマルジョン配合液を得る。前記イソシアネートの触媒としてはアミン触媒が好適である。
前記エマルジョン配合液含浸工程では、前記撥水剤及びイソシアネートの触媒を含有するエマルジョン配合液を前記不織布に塗布して含浸させる。前記エマルジョン配合液の塗布は、適宜の方法で行うことができるが、スプレー塗布が作業し易く、好ましい。前記エマルジョン配合液の塗布量は、適宜の量とされ、不織布の材質、厚み、不織布の目付量等により最適な量が異なる。
前記イソシアネート接着剤含浸工程では、前記多孔質体のシートに、触媒未含有のイソシアネート接着剤を塗布して、触媒未含有のイソシアネート接着剤が塗布された多孔質体のシートを得る。前記触媒未含有のイソシアネート接着剤の塗布は、適宜の方法で行うことができるが、スプレー塗布が作業し易く、好ましい。また、前記触媒未含有のイソシアネート接着剤は、適宜の塗布量とされ、多孔質体のシートの密度や厚み等によって異なるが、後の熱プレス時に不織布の表面へイソシアネート接着剤が染み出さず、しかも不織布との接着力不足を生じない量が好ましい。
前記熱プレス工程では、図2に示すように、前記エマルジョン配合液が含浸した不織布21a,22aと、前記多孔質体のシート11における前記触媒未含有のイソシアネート接着剤の塗布面11b,11cが対向するようにして、前記不織布21a,22aと前記多孔質体のシート11aを積層し、熱プレス型41,42により120〜180℃で熱プレスし、賦形する。前記熱プレス時、前記触媒未含有のイソシアネート接着剤が含浸した多孔質体のシート11aと、前記エマルジョン配合液が含浸した不織布21a,22aとの積層界面では、前記多孔質体のシート11aに塗布されているイソシアネート接着剤と、前記不織布21a,22aに含浸しているエマルジョン配合液中のイソシアネートの触媒及び水分が接触し、前記触媒の存在下でイソシアネート接着剤が水分と反応して硬化する。前記イソシアネート接着剤の硬化により、図1に示した前記多孔質体のシート11及び撥水剤の分散した不織布21,22が接着してなる吸音材10が得られる。
また、前記120〜180℃の熱プレス時、前記エマルジョン配合液が含浸している不織布21a,22aは、前記エマルジョン配合液の水分が前記不織布21a,22a内から外部へ一気に蒸発し、得られる前記吸音材10は、前記水分の蒸発経路跡が不織布21a,22の内部から表面まで連通して連通孔を形成し、前記不織布21,22の連通孔により前記吸音材10の吸音性が確保されると共に良好になる。前記熱プレスの温度が120℃より低くなると、前記イソシアネート接着剤の硬化に時間がかかるのみならず、前記水分の蒸発が一気に行われなくなって前記蒸発経路跡からなる通気路が途中で途切れたり、細くなったりして良好な通気性が得難くなり、前記吸音材10の吸音性が低下するようになる。それに対して180℃よりも高くなると、前記不織布や多孔質体のシートが熱によって変質等の不具合を生じるおそれがある。なお、前記熱プレス時における前記触媒未含有のイソシアネート接着剤が含浸した多孔質体のシート11aと、前記エマルジョン配合液が含浸した不織布21a,22aとの圧縮量は、目的とする吸音材10の厚み等により、適宜設定される。図2では、前記熱プレス型41,42間に配置されるスペーサ43,43によって前記熱プレス時の最大圧縮量が調節される。また、前記熱プレス型41,42には、電熱ヒータ等の加熱手段が設けられ、前記熱プレス型41,42が加熱可能にされている。
以下、自動車のボンネットの裏側に貼着されるエンジンルームの吸音材に関し、具体的な実施例について説明する。
撥水剤のエマルジョンとして、フッ素樹脂を水に分散させたエマルジョン(商品名:アサヒガードAG533S、旭硝子株式会社製、固形分:18%)、イソシアネート接着剤として、メチレンジフェニルジイソシアネート(商品名:44V20、住友バイエルウレタン株式会社)、イソシアネート接着剤のアミン触媒として、トリエチレンジアミン(商品名:DABCO 33LV、三共エアプロダクツ株式会社製)を用いた。
また、エンジンルーム側を向く不織布として、目付量100g/mのニードルパンチされたポリエステル繊維からなるもの、ボンネットフード側を向く不織布として、目付量30g/mのニードルパンチされたポリエステル繊維からなるもの、多孔質体のシートとして、密度12kg/mの軟質スラブポリウレタン発泡体(品番:RD10FR、株式会社イノアックコーポレーション製)を用いた。前記不織布は、目付量に関わらず幅500mm×長さ500mmのサイズとし、前記弾性多孔体のシートは、厚み20mm×500mm×500mmのサイズとした。
表1は、不織布へ塗布するエマルジョン配合液の配合を示す。配合1は、水とイソシアネート接着剤のアミン触媒を混合する配合、配合2は、撥水剤の水性エマルジョンとイソシアネート接着剤のアミン触媒を混合する配合である。
Figure 0004219283
前記エンジンルーム側を向く不織布及び前記ボンネットフード側を向く不織布のそれぞれ片面に、前記配合2のエマルジョン配合液をスプレーガンによりスプレー塗布し、含浸させた。塗布量は100g/mである。また、前記多孔体のシートの両面に、触媒を含まない前記イソシアネート接着剤をスプレーガンによりスプレー塗布し、含浸させた。イソシアネート接着剤の塗布量は、表1に示す通り、実施例1では10g/m、実施例2では100g/mである。
図2のように、前記エマルジョン配合液が含浸した両不織布21a,22aと、前記触媒を含まないイソシアネート接着剤が塗布された多孔質体のシート11aの塗布面11b,11cが対向するように、前記両不織布21a,22a間に前記多孔質体のシート11aを挟んで積層し、前記不織布21a,22a及び多孔質体のシート11aを熱プレス型41,42間に配置し、熱プレス温度170℃で60秒間、プレス厚15mmに熱プレスし、図1に示した吸音材10と同様の構成からなる実施例1及び2の吸音材を得た。熱プレス型41,42のプレス面は、平面からなり、サイズは1000mm×1000mmである。
また、比較のために、表2に示す比較例1〜5の吸音材を製造した。比較例1は、前記不織布に配合1を塗布した場合、比較例2は前記触媒を含まないイソシアネート接着剤の塗布量を5g/m、比較例3は150g/mとした場合である。比較例4及び比較例5は、多孔質体のシートに代えて、従来エンジンルーム内の吸音材に使用されている目付量1000g/mのフェノール樹脂を含浸したグラスウールを用いた。また比較例4は、比較例1〜3と同様に実施例1及び2の不織布を用いたが、比較例5では、不織布として、エンジンルーム内の繊維成形品に多用されている、DFK(ジフェノール誘導体)樹脂をコーティングした目付量100g/mのニードルパンチタイプの不織布と、目付量30g/mのニードルパンチタイプの不織布用いた。なお、比較例5については、イソシアネート接着剤、配合1及び2の何れも塗布せず、熱プレスのみ行った。
Figure 0004219283
比較例及び実施例の吸音材に対して、剥離試験、水滴試験、表皮染み出し試験、吸音性試験を行った。測定結果は表2に示す通りである。なお、比較例4においては、イソシアネート接着剤がグラスウールの内部に染み込んで不織布との接着に使用されず、熱プレス後に表皮が剥がれてしまい、剥離試験等の各試験を行うことができなかった。
剥離試験は、ボンネットフード側を向く不織布と多孔質体のシートに対して、幅25mm、長さ150mmの試験片を作成し、その試験片の一端に対して長さ10mmにわたって不織布と多孔質体のシートを剥がし、剥がした部分の不織布と多孔質体のシートを把持して引張速度200mm/minにて剥離試験を行った。評価は多孔質体のシートが材料破壊された場合に○、不織布が界面で剥離した場合に×、多孔質体のシートの破壊と不織布の剥離の両方を生じた場合に△とした。
水滴試験は、ボンネットフード側を向く不織布の表面に水滴を注射器により1滴落とした後、6時間後に水滴の状態を確認し、水滴が滴下時と同じ半球の場合に○、不織布へ浸透あるいは馴染んだ場合(半球でなくなった場合)に×とした。
表皮染み出し試験は、エンジンルーム側を向く不織布の表面を目視し、イソシアネート接着剤の染み出しが確認されなかった場合に○、染み出しが明確に確認された場合に×、僅かに確認された場合に△とした。また、全体の目付量(不織布と多孔質体のシートの目付量)は熱プレス後の吸音材の重量をそれぞれの吸音材における片面の面積で除した値であり、吸音材の軽量性判断に用いた。
吸音性試験は、垂直入射吸音率(JIS A 1405)にて吸音性を測定し、その測定値のうち、800〜3150Hzの吸音率(単位%)の合計値を計算した。なお、測定周波数は7点のため、吸音率の最大値は700%である。
表2に示すように、実施例1及び2の吸音材は、剥離試験、水滴試験、表皮染み出し試験の何れも良好な結果であり、また、目付量の値から比較例5の吸音材(従来のグラスウール製吸音材)に対して1/2〜1/3の重量であって軽量とあることが判明し、さらに吸音性も従来の吸音材から劣るものではなかった。このことから、実施例1及び2の吸音材は、結露を生じ易い自動車のエンジンルームの吸音材として好適であり、また、軽量性が求められる自動車用の吸音材として好適である。
それに対し、撥水剤が分散していない比較例1の吸音材は水滴試験が×であり、結露を生じ易いエンジンルームの吸音材として好ましくないのがわかる。また、比較例2及び比較例3の剥離試験の結果から、触媒を含まないイソシアネート接着剤の塗布量が5g/mの場合には不織布と多孔質体のシートとの接着性が不足気味となり、それに対して塗布量が150g/mの場合には、吸音材が重くなるのみならず吸音性が低くなる傾向がある。これらのことから、前記多孔質体のシートに対する前記触媒を含まないイソシアネート接着剤の塗布量は、10〜100g/mの範囲が特に好ましい。
なお、前記の説明では、多孔質体のシートに対して両面に不織布を積層した吸音材及びその製造方法を主として説明したが、本発明は、多孔質体のシートに対して片面のみに不織布を積層した吸音材及びその製造方法にも適用されるものであり、前記説明から容易に実施できるところであり、重複説明を省略する。
本発明の一実施例に係る吸音材の断面図である。 本発明の製造方法における熱プレスの一例を示す断面図である。
符号の説明
10 吸音材
11 多孔質体のシート
21,22 不織布
31,32 界面
41,42 熱プレス型

Claims (6)

  1. 多孔質体のシートの少なくとも片面に不織布が積層された吸音材であって、前記多孔質体のシートには触媒未含有のイソシアネート接着剤が塗布され、前記不織布には撥水剤とイソシアネート接着剤の触媒が分散され、前記多孔質体のシートと前記不織布との界面が前記イソシアネート接着剤で接合されていることを特徴とする吸音材。
  2. 前記吸音材が車両用エンジンルームの吸音材であることを特徴とする請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記吸音材は、車両のボンネットのフードの裏側に貼着されるものであって、前記不織布が前記多孔質体のシートの両側に積層されると共に、前記両側の不織布のうち一方の不織布がボンネットのフード側を向くものとされ、他方の不織布がエンジンルーム側を向くものとされ、前記エンジンルーム側の不織布の目付量が前記ボンネットフード側の不織布の目付量よりも大であることを特徴とする請求項2に記載の吸音材。
  4. 前記多孔質体は軟質スラブポリウレタン発泡体、前記不織布は目付量30〜100g/m のニードルパンチされたポリエステル繊維、前記撥水剤はフッ素樹脂、前記イソシアネート接着剤はメチレンジフェニルジイソシアネートからなることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の吸音材。
  5. 撥水剤の水性エマルジョンにイソシアネート接着剤の触媒を混合してエマルジョン配合液を得る工程と、
    前記エマルジョン配合液を不織布に塗布して前記エマルジョン配合液が含浸した不織布を得る工程と、
    多孔質体のシートに、触媒未含有のイソシアネート接着剤を塗布して前記触媒未含有のイソシアネート接着剤が付着した多孔質体のシートを得る工程と、
    前記エマルジョン配合液が含浸した不織布と前記触媒未含有のイソシアネート接着剤が付着した多孔質体のシートを、前記エマルジョン配合液が含浸した不織布に前記多孔質体のシートにおける前記触媒未含有のイソシアネート接着剤塗布面が対向するように積層し、熱プレス型により120〜180℃で熱プレスして賦形する熱プレス工程とにより、
    多孔質体のシートの少なくとも片面に不織布が積層され、前記不織布には撥水剤が分散し、前記多孔質体のシートと前記不織布との界面がイソシアネート接着剤で接合されている吸音材を得ることを特徴とする吸音材の製造方法。
  6. 前記多孔質体は軟質スラブポリウレタン発泡体、前記不織布は目付量30〜100g/m のニードルパンチされたポリエステル繊維、前記撥水剤はフッ素樹脂、前記イソシアネート接着剤はメチレンジフェニルジイソシアネート、前記触媒はアミン触媒が使用されていることを特徴とする請求項5に記載の吸音材の製造方法。
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