JP2018112735A - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そのためには、低温側の定着性(耐コールドオフセット性)、及び高温側の定着性(耐ホットオフセット性)を改善する必要があるが、これらは結着樹脂と離型剤との親和性を制御することで達成可能である。しかし、耐ホットオフセット性を改善させるためには結着樹脂と離型剤との親和性を下げる、すなわち結着樹脂の極性を上げるというのが一般的に知られているが、その場合に高温高湿環境下における帯電安定性との両立が十分であるとは言えないのが実情である。
特許文献1では耐ホットオフセット性及び高温高湿下でのカブリ(帯電安定性)の抑制に優れるトナーに関する内容が開示されている。高分子量化しやすいが親水性の高いポリエステル樹脂により耐ホットオフセット性を高め、かつ疎水性の高い結晶性複合樹脂と炭化水素ワックスとを併用し、分散性を高めることでトナーの樹脂表面を効率的に疎水化している。これにより、高温高湿下でのカブリ抑制することで、耐ホットオフセット性と高温高湿環境下における帯電安定性との両立を図っている。
樹脂の分子量分布の制御方法としては、水系媒体中で重合性単量体を重合してトナー粒子を得るトナーの製造方法において、α-メチルスチレンダイマー(MSD)やメルカプ
タン系の連鎖移動剤を用いて制御することが提案されている。しかしながら、これらの連鎖移動剤に関しては、前者は添加量に依存して重合性単量体の転化率が低下する課題を抱えている。一方、後者はメルカプト基に起因した臭気を有しており、熱定着時に臭気が発生する問題を有している。後者の課題に対して、特許文献2には、洗浄工程時に消臭剤を添加して臭気を抑制する方法が提案されている。
また、特許文献2に記載の技術では、臭気という課題は解決されるものの、特別な工程を設けて洗浄に長い時間を要する。また、洗浄液として使用した排水の処理に大きな負荷を抱えており、依然として改良の余地を残している。
本発明の第一の目的は、上記問題点を解決することである。即ち、耐ホットオフセット性に優れ、且つ高温・高湿環境下における帯電安定性にも優れたトナーを提供する。
また、本発明の第二の目的は、転化率を下げることなく、分子量が整った結着樹脂が得られ、臭気も抑制されたトナーの製造方法を提供することである。
該結着樹脂の溶解度パラメータSPが、9.4以上10.0以下であり、
該結着樹脂は、主鎖末端に下記式(1)で表される構造を有する樹脂を含み、
式(1) *−CO−R
(式(1)中、Rは、フェニル基若しくはその誘導体、又は−COOR1(R1:炭素数1〜4のアルキル基)を示す。*は、樹脂主鎖との結合手を示す。)
該ワックスの溶解度パラメータSWが、8.1以上9.0以下であり、
SPとSWが式(2)を満たすことを特徴とするトナーに関する。
式(2) |SP−SW|>0.5
該結着樹脂を生成し得る重合性単量体、重合開始剤及び連鎖移動剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、該重合性単量体組成物の液滴を形成する工程、及び、
該液滴中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する工程、を有し、
該重合性単量体が、スチレン、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つを含み、
該連鎖移動剤は、式(3)で示されるビニルエーテル型付加開裂型連鎖移動剤であることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
(式(3)中、R2は、−COOR1、又はフェニル基若しくはその誘導体を示し、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3は、ベンジル基、又は、炭素数4〜8の2級若しくは3級のアルキル基を示す。)
本発明の第二の態様によれば、転化率を下げることなく、分子量が整った結着樹脂が得られ、臭気も抑制されたトナーの製造方法を提供することができる。
定着時の耐ホットオフセット性を良化するためには、結着樹脂とワックスとの親和性を下げること、すなわち結着樹脂に極性基を導入することが好ましい。しかし、結着樹脂の極性を上げることで高温高湿環境下における帯電安定性が不安定化する要因となる。
以上のことから、本発明者らは結着樹脂の分子構造並びに結着樹脂及びワックスとの溶解度パラメータの関係に着目して鋭意検討を行った。その結果、結着樹脂の分子構造として特定の構造を含有させ、さらに結着樹脂とワックスの溶解度パラメータの値に相関を見出すことができ、本発明に至った。
すなわち、結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、結着樹脂の溶解度パラメータSPが、9.4以上10.0以下であり、該結着樹脂は、主鎖末端に下記式(1)で表される構造を有する樹脂を含み、該ワックスの溶解度パラメータSWが8.1以上9.0以下であり、SPとSWが式(2)を満たす条件となった場合に定着時の耐ホットオフセット性と高温高湿環境下における帯電安定性とを両立できることを見出した。
本発明におけるSP値の単位は、(cal/cm3)1/2であるが、1(cal/cm3)1/2=2.046×103(J/m3)1/2によって(J/m3)1/2の単位に換算することができる。
(式(1)中、Rは、フェニル基若しくはその誘導体、又は−COOR1(R1:炭素数1〜4のアルキル基)を示す。*は、樹脂主鎖との結合手を示す。)
式(2) |SP−SW|>0.5
上記条件を満たすトナーとすることにより本発明の効果が得られる理由について、本発明者らは次のように考えている。本発明においては、結着樹脂が、主鎖末端に式(1)で示される極性基を有する樹脂を含有することを特徴とする。樹脂を構成する高分子には主鎖末端基の構造によって樹脂の熱特性に大きな影響を与える末端基効果と呼ばれる特徴があることが知られている。これは、主鎖末端部分が側鎖よりも運動性が高く、他の高分子鎖と相互作用しやすいことが原因であると考えられている。
本発明において、上記末端基構造を有する結着樹脂とワックスとを含むことで耐ホットオフセット性が良化したのは、結着樹脂とワックスとの間の溶解度パラメータ差が上記式(2)のような関係であることによるワックス離型効果に加えて、前述の末端基効果の影響が大きいものと考えている。
<結着樹脂>
結着樹脂は、主鎖末端に下記式(1)で表される構造を有する樹脂を含むことを特徴としている。
式(1) *−CO−R
(式(1)中、Rは、−COOR1(R1:炭素数1〜4のアルキル基)、又はフェニル基若しくはその誘導体を示す。*は、樹脂主鎖との結合手を示す。)
また、フェニル基の誘導体としては、置換基を有するフェニル基が挙げられ、該置換基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、及びエトキシ基などからなる群から選択される少なくとも一つが挙げられる。また、Rの構造としては好ましくは、−COOCH3、又はフェニル基が挙げられる。
ここでいう式(1)で表される構造の存在率が100%ということは、すなわち結着樹脂中の主鎖末端構造の少なくとも片方が全て式(1)で表される構造(ケト基)であることを指す。
結着樹脂の溶解度パラメータSPが、9.4以上10.0以下であり、かつワックスの溶解度パラメータSWが8.1以上9.0以下であり、SPとSWが前記式(2)の関係であるトナー中において、式(1)で表される構造の存在率が上記範囲となった場合、結着樹脂に占める極性基末端を有する結着樹脂の割合が、極性基の末端基効果に由来するワックス浸み出し効果を得るのに十分な量となる。
また、結着樹脂中の式(1)で表される主鎖末端構造の存在率は5%以上70%以下であることがより好ましい。これにより帯電安定性が良化する。
高分子反応を用いる場合、予め結着樹脂の主鎖末端を反応性に富む水酸基やカルボキシル基などにし、その後式(1)で表される構造となるような化合物とを反応させることで、式(1)で表される構造を導入することができる。
また、重合の停止反応、又は連鎖移動反応を用いる場合、結着樹脂の重合中に、反応後に式(1)で表される構造となるような重合停止剤又は連鎖移動剤を用いることで、式(1)で表される構造を導入することができる。
このように、結着樹脂の主鎖末端に式(1)で表されるケト基構造を有し、かつ結着樹脂の溶解度パラメータSPを、9.4以上10.0以下とすることで、結着樹脂とワックスとの親和性に寄与する結着樹脂の疎水性と、高温高湿環境下における帯電安定性に寄与する結着樹脂の極性とのバランスがよくなる。その結果、耐ホットオフセット性と高温・高湿環境下における帯電安定性に優れた効果を示す。
ニル基を有する重合性単量体を公知のラジカル重合法を用いて得られた樹脂の総称であり、スチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、及びスチレン−メタクリル樹脂などが挙げられる。
ビニル系樹脂を構成する重合性単量体としては、ビニル基を一つ有する単官能性重合性単量体を単独、あるいは二種以上組み合わせて、又は、単官能性重合性単量体とビニル基を複数有する多官能性重合性単量体とを組み合わせて、又は、多官能性重合性単量体を単独で、あるいは、二種以上を組み合わせてもよい。
本発明の効果を損なわない範囲で、結着樹脂に、主鎖末端に前記式(1)で表される構造を有する樹脂以外の樹脂を用いてもよい。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及び、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル;
重合性単量体は、スチレン、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
本発明では、ワックスの溶解度パラメータSWが8.1以上9.0以下であることを特
徴としている。本発明者らは、溶解度パラメータSWが上記範囲にあるワックスと、SPが前記範囲である結着樹脂の主鎖末端に前記式(1)で表されるケト基構造を有している樹脂とを含むことでワックスと結着樹脂との親和性バランスが良好となり、定着時のワックス浸み出し効果を良化させることが可能となることを見出した。溶解度パラメータが上記の範囲であれば特に制限はなく公知のワックスが利用できるが、好ましくは炭化水素ワックス、又はエステルワックスである。SWは、好ましくは8.3以上8.9以下である。
合成エステルワックスの例としては、直鎖脂肪族酸と直鎖脂肪族モノアルコールとのエステルが挙げられ、好ましくは長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和モノアルコールから合成されるモノエステルワックスが挙げられる。長鎖直鎖飽和脂肪酸は、一般式CnH(2n+1)COOHで表され、n=5〜28のものが好ましく用いられる。また、長鎖直鎖飽和モノアルコールはCnH(2n+1)OHで表されn=5〜28のものが好ましく用いられる。
長鎖直鎖飽和脂肪酸の具体例としては、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ヘプタデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸及びメリシン酸が挙げられる。
長鎖直鎖飽和モノアルコールの具体例としては、アミルアルコール、ヘキシールアルコール、ヘプチールアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール及びヘプタコサノールが挙げられる。
具体的には、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオール−ビス−ステアレート等;ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート)が挙げられる。
くなりすぎないため、一定以上の拡散速度を保つことができ、定着時にワックスが浸み出しやすくなる。下限は特に制限されないが、好ましくは300以上である。
また、トナー粒子中のワックスの含有量は、1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。ワックス含有量が上記範囲となった場合、トナー全体におけるワックスの占める割合が適切となるため、トナー定着に際し良好な定着結果を得やすくなる。
ワックスの融点は60℃以上120℃以下が好ましく、より好ましくは65℃以上100℃以下である。
トナーには、ワックスを1種類のみ、又は複数種類を組み合わせて使用してもよい。
式(2) |SP−SW|>0.5
SP及びSWを前述の範囲にし、さらにSPとSWの差の絶対値を上記範囲とした場合に、定着時において良好なワックスが浸み出し効果が得られやすくなる。
これは一般的に、トナー定着時のワックスの離型効果を出すためには結着樹脂とワックスとの親和性のバランスが親和する方に偏りすぎないようにする、すなわち溶解度パラメータにおいて差分の絶対値が一定値以上であることが必要となるためである。
|SP−SW|は、1.0以上であることが好ましい。一方、上限は特に制限されないが、好ましくは2.0以下であり、より好ましくは1.5以下である。
トナー粒子には結着樹脂及びワックス以外にも必要に応じて様々な添加剤を加えてもよい。これらの添加剤について代表的な例を以下に記す。
トナーには着色剤を用いてもよい。黒色着色剤としては、カーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、128、129、138、147、150、151、154、155、168、180、185、214等が例示できる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン化合物,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレット19等が例示できる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の添加量は、結着樹脂を生成しうる重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下が好ましい。
上記磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましい。重合法により磁性トナーを調製する場合には、重合阻害のない表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
これらの磁性体の個数平均粒径は、好ましくは2μm以下、より好ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。トナー粒子中の含有量としては結着樹脂を生成しうる重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し、好ましくは20質量部以上200質量部以下、より好ましくは40質量部以上150質量部以下である。
トナーには、帯電特性を安定化するために帯電制御剤を配合してもよい。帯電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる帯電制御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法にて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない帯電制御剤が特に好ましい。
具体的な化合物としては、負帯電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などの芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料又はアゾ顔料の金属塩又は金属錯体、ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。正帯電制御剤として四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
これらの帯電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではない。内添する場合は、結着樹脂または重合性単量体100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上5質量部以下である。また、外添する場合、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは0.005質量部以上1.0質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上0.3質量部以下である。
また、本発明者らは、上記トナーの製造において、式(3)で表されるビニルエーテル型付加開裂型連鎖移動剤、重合性単量体及び重合開始剤を含む重合性単量体組成物を重合し、結着樹脂を得る工程を含む方法により、定着時の耐ホットオフセット性及び高温高湿環境下における帯電安定性が向上することを見出した。
若しくは3級のアルキル基を示す。)
該連鎖移動剤は、式(3)で示すようにビニルエーテルを骨格とした連鎖移動剤である。ラジカル重合場で効率的な連鎖移動反応を示すためには、式(3)中のR2が、−COOR1(R1:炭素数1〜4のアルキル基)、又はフェニル基若しくはその誘導体である
ことが必要である。上記構造であると重合性単量体に対して効率的な連鎖移動反応を示す。
R1としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
また、フェニル基の誘導体としては、置換基を有するフェニル基が挙げられ、該置換基としては例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基などからなる群から選択される少なくとも一つが挙げられる。
R2は、より好ましくは−COOCH3、又はフェニル基若しくはその誘導体である。
そのためには、R3がベンジル基、炭素数4〜8の2級又は3級のアルキル基であることが必要である。炭素数4〜8の2級又は3級アルキル基としては、例えばiso−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基などが挙げられる。
R3は、より好ましくはベンジル基、iso−ブチル基、又はtert−ブチル基である。
さらに、該連鎖移動剤が、式(4)〜(6)からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
重合性単量体組成物に使用することのできる重合開始剤としては、公知の有機過酸化物開始剤やアゾ化合物開始剤が挙げられる。有機過酸化物開始剤としては、以下のものが挙げられる。
t−ブチルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキシピバレートなどのアルキルパーオキシエステル型、t−アミルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシモノカーボネート型、1,1-ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサンなどのパーオ
キシケタール型、ジt−ブチルパーオキサイド、ジt−アミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド型、ジイソナノイルパーオキサイド、ジイソブチリルパーオキサイドなどジアシルパーオキサイド型、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート型が挙げられる。
フェニルエタン)などが挙げられる。
重合開始剤は、アルキルパーオキシエステル型有機過酸化物、ジアシルパーオキサイド型有機過酸化物、又はアゾ化合物であることが好ましい。
有機過酸化物開始剤やアゾ化合物開始剤をそのまま一種類で、又は複数種類を混合して用いてもよい。
<重合性単量体組成物を重合し結着樹脂を得る工程>
本発明のトナーの製造方法は、式(3)で表されるビニルエーテル型付加開裂型連鎖移動剤と重合性単量体と重合開始剤とを含む重合性単量体組成物を重合し結着樹脂を得る工程を含むことが好ましい。
前述したように、重合下において連鎖移動剤を使用することで効率よく主鎖末端構造を制御することが可能となる。
ここで、式(3)で表されるビニルエーテル型付加開裂型連鎖移動剤はラジカルが付加したのちに開始ラジカルが開裂するが、その際にラジカル生長末端はケト基を生成する。前述した連鎖移動剤の項において説明したように、式(3)で表される構造であることで、スチレンやアクリル系又はメタクリル系の重合性単量体の重合時に転化率低下を最小限に抑えつつ、末端ケト基を効率よく導入することができる。
結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
該結着樹脂を形成し得る重合性単量体、重合開始剤及び連鎖移動剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、該重合性単量体組成物の液滴を形成する工程、及び、
該液滴中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する工程、を有し、
該重合性単量体が、スチレン、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つを含み、
該連鎖移動剤は、前記式(3)で示されるビニルエーテル型付加開裂型連鎖移動剤であることを特徴とするトナーの製造方法。
げることなく分子量が整った結着樹脂が得られることを見出した。また、得られたトナー粒子は臭気が抑制されることを見出した。
連鎖移動剤が上記構造であるとスチレン、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルに対して効率的な連鎖移動反応を示す。また、該連鎖移動剤は付加開裂型の連鎖移動剤であり、付加開裂後に発生する開始ラジカルが効率的に重合性単量体へ付加することで重合転化率の低下が起りにくくなる。
該連鎖移動剤はビニルエーテルを骨格とした連鎖移動剤となっている。このビニルエーテル型付加開裂型連鎖移動剤は臭気の原因となるメルカプト基等の官能基を有さないため特別な工程を施すことなく臭気が抑制された結着樹脂が得られる。
結着樹脂を生成しうる重合性単量体、式(3)で示される連鎖移動剤、および、必要に応じて、着色剤、ワックスなどその他の添加物を、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機のような分散機で均一に溶解又は分散させ、これに重合開始剤を溶解し、重合性単量体組成物を調製する。次に、重合性単量体組成物を分散安定剤含有の水系媒体中に懸濁して重合性単量体組成物の液滴を形成する。その後、該液滴中の重合性単量体の重合を行なうことによってトナー粒子は製造される。
重合開始剤及び連鎖移動剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加するときに同時に加えてもよいし、水系媒体中に懸濁する直前に混合してもよい。また、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体又は溶媒に溶解した重合開始剤を加えてもよい。
<ワックスの分子量の測定方法>
ワックスの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
ゲルクロマトグラフ用のo−ジクロロベンゼンに、特級2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を濃度が0.10質量/体積%となるように添加し、室温で溶解する。サンプルビンにワックスと上記のBHTを添加したo−ジクロロベンゼンとを入れ、150℃に設定したホットプレート上で加熱し、ワックスを溶解する。ワックスが溶けたら、予め加熱しておいたフィルターユニットに入れ、本体に設置する。フィルターユニットを通過させたものをGPCサンプルとする。なお、サンプル溶液は、濃度が0.15質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。装置:HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
検出器:高温用RI
カラム:TSKgel GMHHR−H HT 2連(東ソー社製)
温度:135.0℃
溶媒:ゲルクロマトグラフ用o−ジクロロベンゼン(BHT0.10質量/体積%添加)流速:1.0ml/min
注入量:0.4ml
ワックスの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
結着樹脂の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で、結着樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:高速GPC装置「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:LF−604の2連
溶離液:THF
流速:0.6ml/min
オーブン温度:40℃
試料注入量 :0.020ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
結着樹脂の主鎖末端構造の存在率(%)の測定方法について記す。主鎖末端構造は運動性の異なる末端基であることとケト基構造であることから、公知の核磁気共鳴分光法による分析法を用いることができる。具体的には、ブルカー・バイオスピン(株)製FT−NMR極低温プローブ付 AVANCE−600(使用溶剤 重クロロホルム)を使用し、13C−NMR測定を行う。
なお、試料100mgを溶剤0.7mlに溶かし、緩和試薬としてクロム(III)アセチルアセトナートを50mM添加した試料溶液を用い、逆ゲートデカップリング法により定量化する。組成分析を行い、末端ケト基のカルボニル炭素のシグナルとポリマー中のアクリル構造などに由来する他のカルボニル炭素又は、ポリマー中のスチレン構造に由来するフェニル炭素などとの積分比より、各モノマー量に対する末端基の存在比率が算出できる。
一方、ポリマー中のモノマー組成比から上記末端基存在率100%と仮定した際の、みかけの分子量が算出できるため、みかけの分子量と数平均分子量との比より、主鎖末端構造の存在率が算出できる。
本発明のトナーに含まれる結着樹脂は平均分子量が大きい場合があるため、その場合の主鎖末端構造の存在率の測定方法について記す。
対象ポリマーの良溶媒/貧溶媒混合系で沈殿分別を行い、又は市販の分取クロマトグラフィー(分取GPC)を用いて複数の分子量毎の留分(フラクション分)を得る。
これらの留分の分子量、分子量分布をGPCなどにより測定し、このうち分子量の小さい複数のサンプルにおいて前述の13C−NMR測定を行い、各サンプルにおける主鎖末端構造の存在率を算出する。これらの主鎖末端構造の存在率の平均をとることで主鎖末端構造の存在率を決定することができる。
トナー中の結着樹脂、及びワックス等の分離については、トナーの組成分析を行い、含まれる結着樹脂、ワックス、定着助剤等の種類を推定したのち、それぞれの良溶媒を用いて抽出することができる。あるいは前述の沈殿分別法や分取GPCを用いた分取を行い、各成分の留分が得られる。これらを公知の構造分析法(核磁気共鳴分光法、赤外分光法、熱分解GC/MSなど)により分析することで、各ポリマー、ワックス、定着助剤の構造を同定し、SP値などを算出できる。また、各ポリマー種の存在比率より結着樹脂を推定し、前記末端基構造の存在率算出法で末端基存在率を決定できる。
ワックスの融点Tmは、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、ワックス5mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで10℃/minで降温し、その後に再度10℃/minで昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、DSC測定における融点Tmとする。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件設定及び測定データ解析には付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用い、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処
理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、粒径を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
以下の方法で重合転化率を求める。
重合反応終了後の懸濁液1gに重合禁止剤を添加し、これをTHF4mlに溶解したものを用いてガスクロマトグラフィーにて以下の条件で内部標準法により残存重合性単量体量より求める。
G.C.条件
測定装置:島津GC−15A(キャピラリー付)
キャリア:N2, 2kg/cm2 50ml/min. split10ml/1
3s
カラム:ULBON HR−150m×0.25mm
昇温:50℃で5min.保持
→10℃/min.で100℃に昇温
→20℃/min.で200℃に昇温し保持
試料量:2μl
標準物質:トルエン
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。
・スチレン 75.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 25.0質量部
・α−ベンジルオキシスチレン 1.0質量部
・パーブチルPV(日本油脂製) 7.0質量部
・トルエン 100.0質量部
その後、均一に攪拌したのち、窒素を10分バブリングしてから、窒素フロー状態にして75℃に加熱した。6時間反応させ、メタノールを沈殿剤として再沈、精製させ、真空乾燥させることで結着樹脂1を得た。
得られた結着樹脂の組成はスチレン:アクリル酸n−ブチル=75:25(質量比)であり、この組成比から導き出される溶解度パラメータSPは9.8であった。GPCで求めた結着樹脂1の分子量は、重量平均分子量(Mw)18900、数平均分子量(Mn)13100であった。
結着樹脂の主鎖末端構造は−CO−Phであり、13C−NMRにより算出した末端構造の存在率は12.5%であった。得られた結着樹脂の物性を表1に示す。
表1に示すように原材料及び添加部数を変更すること以外は結着樹脂1と同様の方法で結着樹脂2〜15を得た。得られた各結着樹脂の物性を表1に示す。
<トナー1の製造>
・結着樹脂1 100.0質量部
・炭化水素ワックス(融点78℃;日本精蝋社製) 12.0質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 4.5質量部
・負荷電制御剤(ボントロンE−88;オリエント化学社製) 0.3質量部
上記材料を三井ヘンシェルミキサ(「FM−75型」、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(「PCM−30型」、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて微粉砕した。次に、コアンダ効果を利用した風力分級機(「エルボージェットラボEJ−L3」、日鉄鉱業社製)で分級して微粉及び粗粉を同時に分級除去し、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100.0質量部に対して、外添剤として、シリカ微粉体に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:7nm、BET比表面積:300m2/g)1.5質量部を三井ヘンシェルミキサで、撹拌速度3000rpmで15分間混合してトナー1を得た。トナー1の重量平均粒径(D4)は5.9μmであった。得られたトナーの物性を表2に示す。
<トナー2〜17の製造>
表2に示すように原材料及び添加部数を変更すること以外はトナー1と同様の製造方法でトナー2〜17を得た。得られた各トナーの物性を表2に示す。
<トナー18の製造>
(コア用樹脂微粒子分散液1の製造)
・結着樹脂10 60.0質量部
・アニオン界面活性剤(ネオゲンRK;第一工業製薬社製) 0.2質量部
・N,N−ジメチルアミノエタノール 1.9質量部
・テトラヒドロフラン 200.0質量部
以上を混合し、溶解し、超高速撹拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス社製)を用いて4000rpmで撹拌した。さらに、イオン交換水177.80質量部を滴下し、その後エバポレーターを用いてテトラヒドロフランを除去し、コア用樹脂微粒子分散液1を得た。分散液中の樹脂微粒子の体積基準の粒径は動的光散乱式粒度分布計(ナノトラック:日機装社製)を用いて測定した結果、0.22μmであった。
・ポリエステル樹脂A 60.0質量部
・アニオン界面活性剤(ネオゲンRK;第一工業製薬社製) 0.3質量部
・N,N−ジメチルアミノエタノール 1.9質量部
・テトラヒドロフラン 200.0質量部
(ポリエステル樹脂Aは、テレフタル酸:イソフタル酸:プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物):エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)=20:20:44:50(質量比)の重縮合物;Mn:3200、Mw:7000である。)
以上を用いて前記コア用樹脂微粒子分散液と同様の手法でシェル用樹脂微粒子分散液1を得た。分散液中の樹脂微粒子の体積基準の粒径は0.09μmであった。
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 100.0質量部
・アニオン界面活性剤(ネオゲンRK;第一工業製薬社製) 15.0質量部
・イオン交換水 885.0質量部
以上を混合し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー((株)吉田機械興業社製)を用いて1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の水系分散液を調製した。また、着色剤微粒子の水系分散液中の着色剤微粒子の体積基準の粒径は動的光散乱式粒度分布計を用いて測定した結果、0.20μmであった。
・炭化水素ワックス(融点78℃;日本精蝋社製) 100.0質量部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK;第一工業製薬社製) 10.0質量部
・イオン交換水 880.0質量部
以上を撹拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック社製)へ循環しながらローター外径が3cm、クリアランスが0.3mmの剪断撹拌部位にて、ローター回転数19000rpm、スクリーン回転数19000rpmの条件にて撹拌し、60分間分散処理した後、ローター回転数1000rpm、スクリーン回転数0rpm、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、離型剤微粒子の水系分散液を得た。また、離型剤微粒子の水系分散液中の離型剤微粒子の体積基準の粒径は動的光散乱式粒度分布計を用いて測定した結果、0.15μmであった。
・コア用樹脂微粒子分散液1 40.0質量部
・着色剤微粒子の水系分散液 10.0質量部
・離型剤微粒子の水系分散液 20.0質量部
・1質量%硫酸マグネシウム水溶液 20.0質量部
・イオン交換水 140.0質量部
上記を、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用ウォーターバス中で45℃まで撹拌翼にて撹拌しながら加熱した。45℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が5.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。5質量%クエン酸三ナトリウム水溶液40質量部を加えた後、撹拌を継続しながら85℃まで昇温して120分間保持しコア粒子を融合させた。
次いで、撹拌を継続しながら、ウォーターバス内に水を入れ、25℃まで冷却し、コア粒子分散液を得た。また、コア粒子分散液中のコア粒子の粒径をコールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター社製)で測定したところ、重量平均粒径(D4)は4.5μmであった。
1000質量部のコア粒子分散液をトールビーカーに入れ、加熱用ウォーターバス中で25℃で撹拌翼にて撹拌を行った。続いて、シェル用樹脂微粒子分散液を113質量部添加し、10分間撹拌を行った。さらに、2質量%塩化カルシウム水溶液200質量部をゆっくり滴下した。なお、この段階の分散液を分散液Aと称する。
この状態で、随時、液を少量抽出し、2μmのマイクロフィルターに通し、ろ液が透明になるまで、25℃で撹拌を継続した。ろ液が透明になったのを確認後、40℃に昇温し、5質量%クエン酸三ナトリウム水溶液133質量部を添加し、65℃に昇温して1.5時間撹拌を行った。その後、得られた液を25℃まで冷却した後、ろ過・固液分離した後、800質量部のイオン交換水を固形分に加え30分間撹拌洗浄した。その後、再びろ過・固液分離を行った。以上のようにろ過と洗浄を、残留界面活性剤の影響を排除するため、ろ液の電気伝導度が150μS/cm以下となるまで繰り返した。
次に、得られた固形分を乾燥させることにより、コアシェル構造型トナー粒子18を得た。得られたコアシェル構造型トナー粒子18の重量平均粒径(D4)は6.6μmであったため、凝集せずにトナー粒子が得られたものと判断した。
得られたトナー粒子18について、トナー1と同様の手法で外添を行い、トナー18を得た。得られたトナーの物性を表3に示す。
<トナー19の製造>
・結着樹脂1 100.0質量部
・メチルエチルケトン 100.0質量部
・酢酸エチル 100.0質量部
・炭化水素ワックス(融点78℃;日本精蝋社製) 12.0質量部
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・負荷電性制御剤(ボントロンE−88、オリエント化学社製) 1.0質量部
上記材料を、アトライター(三井金属社製)を用いて3時間分散し、着色剤分散液を得た。
一方、温度60℃に加温したイオン交換水3000質量部にリン酸カルシウム27質量部を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、撹拌速度10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を調製した。上記水系媒体へ上記着色剤分散液を投入し、温度65℃、N2雰囲気下において、T.K.ホモミクサーにて撹拌速度12,000rpmで15分間撹拌し、着色剤粒子を造粒した。その後、T.K.ホモミクサーから通常のプロペラ撹拌装置に変更し、撹拌装置の撹拌速度を150rpmに維持し、内温を95℃に昇温して3時間保持して分散液から溶剤を除去し、トナー粒子の分散液を調製した。得られたトナー粒子の分散液に塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。上記分散液を加圧ろ過器にて、ろ過・洗浄をしてトナー凝集物を得た。その後、トナー凝集物を破砕、乾燥してトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子について、トナー1と同様の手法で外添を行い、トナー19を得た。トナー19の重量平均粒径(D4)は6.0μmであった。得られたトナーの物性を表3に示す。
<トナー20の製造>
温度60℃に加温したイオン交換水1300.0質量部に、リン酸三カルシウム9.0質量部を添加し、T.K.ホモミクサーを用いて、撹拌速度15,000rpmにて撹拌し、水系媒体を調製した。
また、下記の結着樹脂材料をプロペラ式攪拌装置にて撹拌速度100rpmで撹拌しながら、混合して混合液を調製した。
・スチレン 75.0質量部
・アクリル酸n−ブチル 25.0質量部
・α−ベンジルオキシスチレン 1.5質量部
次に上記溶解液に、
・銅フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・負荷電制御剤(ボントロンE−88、オリエント化学社製) 0.5質量部
・炭化水素ワックス(融点 78℃) 12.0質量部
を加え、その後、混合液を温度70℃に加温した後にT.K.ホモミクサーにて、撹拌速度10,000rpmにて攪拌し、溶解、分散し、重合性単量体組成物を調整した。
続いて、上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤として
・パーブチルPV 7.0質量部を加え、温度70℃にてT.K.ホモミクサーを用いて、撹拌速度15,000rpmで20分間攪拌し、造粒した。
プロペラ式攪拌装置に移して撹拌速度200rpmで攪拌しつつ、温度85℃で5時間
、重合性単量体組成物中の重合性単量体であるスチレン及びn−ブチルアクリレートを重合反応させ、トナー粒子を含むスラリーを製造した。重合反応終了後、スラリーを冷却した。冷却されたスラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。結着樹脂における主鎖末端構造は−CO−Phであり、13C−NMRにより算出した末端構造の存在率は15.2%であった。
得られたトナー粒子について、トナー1と同様の手法で外添を行い、トナー20を得た。トナー20の重量平均粒径(D4)は5.8μmであった。得られたトナーの物性を表3に示す。
<トナー21〜28の製造>
表4に示すように原材料及び添加部数を変更すること以外はトナー1と同様の製造方法でトナー21〜28を得た。各トナーの物性を表4に示す。
得られた各トナーについて、以下の方法に従って性能評価を行った。
画像形成装置としてLBP−7700C(キヤノン製)の改造機を用い、画像評価を行った。なお、LBP−7700Cは以下の点を改造した。
・評価機本体のギア及びソフトウエアを変更することにより、プロセススピードを任意に設定できるようにした。
・評価に用いるカートリッジはシアンカートリッジを用いた。すなわち、市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、作製したトナーを200g充填した。なお、マゼンタ、イエロー、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、及びブラックカートリッジを挿入した。
・定着ユニットを、手動で定着温度が設定できるようにした。
常温常湿環境下(温度23℃、相対湿度50%)、A4の複写機用普通紙(75g/m2)の先端中央部に単位面積あたりのトナー質量を0.70mg/cm2になるように調整した濃度測定用の10mm×10mmベタ画像を多数有する画像を出力した。定着器通過時の記録材の通紙方向後端部に、ホットオフセット(定着画像の一部が定着器の部材表面に付着し、更に、次周回で記録材上に定着する現象)が生じた時点の定着加熱部表面の温度をホットオフセット発生温度とし、以下の評価基準に基づいて評価した。なお画像を出力する際には、プロセススピードが100mm/secとなるようにした。
A:200℃以上
B:195℃以上200℃未満
C:190℃以上195℃未満
D:180℃以上190℃未満
E:180℃未満
高温高湿環境下(温度32.5℃、相対湿度80%)、評価紙にA4のカラーレーザーコピー用紙(キヤノン製、80g/m2)を用い、白地部分を有する画像を出力した。デジタル白色光度計(TC−6D型、有限会社東京電色製、アンバーフィルター使用)を用いて出力画像の白地部分の反射率(%)をそれぞれ5点測定し、平均値を求めた。同様に、出力前の評価紙の白地部分の反射率(%)を測定し、両者反射率(%)の平均値の差を画像カブリ(%)とした。
この画像カブリ差(%)が低いほど、帯電安定性に優れたトナーであると判断した。
A:出力前後の画像カブリ差(%)が0.5%未満である。
B:出力前後の画像カブリ差(%)が0.5%以上、1.0%未満である。
C:出力前後の画像カブリ差(%)が1.0%以上、1.5%未満である。
D:出力前後の画像カブリ差(%)が1.5%以上、2.0%未満である。
E:出力前後の画像カブリ差(%)が2.0%以上である。
トナーの性能評価の結果を表5に示す。
温度60℃に加温したイオン交換水1300.0質量部に、リン酸三カルシウム9.0質量部を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、撹拌速度15,000rpmにて撹拌し、水系媒体を調製した。
また、下記の結着樹脂材料をプロペラ式攪拌装置にて撹拌速度100rpmで撹拌しながら、混合して混合液を調製した。
・スチレン 75.0質量部
・n−ブチルアクリレート 25.0質量部
・α−BnOSt(α−ベンジルオキシスチレン) 2.0質量部
次に上記溶解液に、
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 6.5質量部
・負荷電制御剤(ボントロンE−88、オリエント化学社製) 0.5質量部
・炭化水素ワックス(Tm=78℃) 9.0質量部
を加え、その後、混合液を温度70℃に加温した後にT.K.ホモミクサーにて、撹拌速度10,000rpmにて攪拌し、溶解、分散し、重合性単量体組成物を調整した。
続いて、上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤として
・パーブチルPV(10時間半減期温度54.6℃(日本油脂製))7.0質量部を加え、温度70℃にてT.K.ホモミクサーを用いて、撹拌速度15,000rpmで20分間攪拌し、造粒した。
プロペラ式攪拌装置に移して撹拌速度200rpmで攪拌しつつ、温度85℃で5時間、重合性単量体組成物中の重合性単量体であるスチレン及びn−ブチルアクリレートを重合反応させ、トナー粒子を含むスラリーを製造した。重合反応終了後、該スラリーを冷却した。冷却されたスラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100.0質量部に対して、外添剤として、シリカ微粒子に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粒子(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m2/g)1.5質量部を三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で、撹拌速度3000rpmで15分間混合してトナー101を得た。その評価結果を表8に示す。
表7に示すように原材料及び添加部数を変更すること以外はトナー101と同様の製造方法でトナー102〜112を得た。その評価結果を表8に示す。
表7に示すように原材料及び添加部数を変更すること以外はトナー101と同様の製造方法でトナー113を作製したが、転化率が上がらずトナーとして得られなかった。
<比較例102〜105の製造>
表7に示すように原材料及び添加部数を変更すること以外はトナー101と同様の製造方法でトナー114〜117を得た。その評価結果を表8に示す。
<重合転化率の評価>
前述のように重合転化率を算出し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:転化率99.0%以上
B:転化率98.0%以上99.0%未満
C:転化率96.0%以上98.0%未満
D:転化率96.0%未満
トナーの臭気は以下の方法で評価した。
トナー100gを250ccの樹脂製瓶に詰め、蓋で密封し、2日間放置した後、
開封した時の臭気の有無を官能評価にて実施した。臭気の有無は10名の評価員を使用して、臭気を感じた人数を評価した。
低温定着評価は、市販のカラーレーザープリンタ〔 HP Color LaserJet 3525dn]を一部改造して評価を行った。改造は一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改良した。また、定着器を任意の温度に変更できるように改造した。
このカラーレーザープリンタに搭載されていたシアントナー用のプロセスカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、プロセスカートリッジに各トナーを導入し、トナーを詰め替えたプロセスカートリッジをカラーレーザープリンタに装着し定着器温度160℃での定着こすり試験を実施した。
常温常湿環境下(温度23℃、相対湿度50%)で、転写材にトナーの載り量が0.5mg/cm2になるように調整し、濃度測定用の10mm×10mm画像を縦3点×横3点の9点有する画像を50枚出力した。
得られた50枚目の定着画像を、50g/cm2の加重をかけたシルボン紙で5回摺擦し、摺擦後の画像濃度の低下率から以下に基づいて評価した。なお、画像濃度の測定には、マクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、摺擦後の画像濃度の低下率を算出して評価した。転写材は、普通紙(LETTERサイズのXEROX 4200用紙、XEROX社製、75g/m2)を用いた。
(評価基準)
A:画像濃度の低下率が1.0%未満
B:画像濃度の低下率1.0%以上、3.0%未満
C:画像濃度の低下率3.0%以上、5.0%未満
D:画像濃度の低下率5.0%以上
Claims (11)
- 結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂の溶解度パラメータSPが、9.4以上10.0以下であり、
該結着樹脂は、主鎖末端に下記式(1)で表される構造を有する樹脂を含み、
式(1) *−CO−R
(式(1)中、Rは、フェニル基若しくはその誘導体、又は−COOR1(R1:炭素数1〜4のアルキル基)を示す。*は、樹脂主鎖との結合手を示す。)
該ワックスの溶解度パラメータSWが、8.1以上9.0以下であり、
SPとSWが式(2)を満たすことを特徴とするトナー。
式(2) |SP−SW|>0.5 - 前記ワックスの分子量が、2500以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記結着樹脂が、ビニル系樹脂を含む請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記トナー粒子中の前記ワックスの含有量が、1質量%以上30質量%以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記結着樹脂における、上記式(1)で表される構造の存在率が、5%以上100%以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法であって、
式(3)で表されるビニルエーテル型付加開裂型連鎖移動剤、重合性単量体、及び重合開始剤を含む重合性単量体組成物を重合し、前記結着樹脂を得る工程を有することを特徴とするトナーの製造方法。
(式(3)中、R2は、−COOR1、又はフェニル基若しくはその誘導体を示し、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3は、ベンジル基、又は、炭素数4〜8の2級若しくは3級のアルキル基を示す。) - 結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
該結着樹脂を生成し得る重合性単量体、重合開始剤及び連鎖移動剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、該重合性単量体組成物の液滴を形成する工程、及び、
該液滴中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する工程、を有し、
該重合性単量体が、スチレン、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つを含み、
該連鎖移動剤は、式(3)で示されるビニルエーテル型付加開裂型連鎖移動剤であることを特徴とするトナーの製造方法。
(式(3)中、R2は、−COOR1、又はフェニル基若しくはその誘導体を示し、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を示す。R3は、ベンジル基、又は、炭素数4〜8の2級若しくは3級のアルキル基を示す。) - 前記連鎖移動剤の添加量が、重合性単量体100.0質量部に対し、0.1質量部以上5.0質量部以下である請求項7に記載のトナーの製造方法。
- 前記重合開始剤が、アルキルパーオキシエステル型有機過酸化物、ジアシルパーオキサイド型有機過酸化物、又はアゾ化合物である請求項7又は8に記載のトナーの製造方法。
- 前記式(3)中、R2が、−COOCH3、又はフェニル基若しくはその誘導体であり、R3が、ベンジル基、iso−ブチル基、又はtert−ブチル基である請求項7〜9のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- 前記連鎖移動剤が、式(4)〜(6)からなる群から選択される少なくとも一つである請求項7〜10のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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