JP2018112674A - パターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規パターン形成方法を提供する。【解決手段】(a)固相上に、ポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、(b)前記レジスト膜の所望の位置を露光する工程と、(c)前記露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、前記レジスト膜を現像液により現像する工程と、(d)前記固相上の、前記現像により前記レジスト膜が除去された位置に、パターニング材料を用いてパターニング層を形成する工程と、(e)前記(b)〜(d)の工程を、1回以上繰り返す工程と、を含むパターン形成方法。【選択図】図1

Description

本発明は、パターン形成方法に関する。
フォトリソグラフィー技術においては、一般的に、フォトレジスト材料を利用してパターン形成が行われる。フォトレジスト材料は、露光により現像液に対する溶解性が変化する特性を有し、露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するものをポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するものをネガ型という。
例えば、ポジ型レジスト材料を用いる場合、基板上にポジ型レジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスク等を介して、光、電子線等にて選択的露光を行ない、現像処理を施すことにより、前記露光部分のレジスト材料が基板上から除去され、所定形状のレジストパターンが形成される。これに対して、パターニング材料を塗布すると、前記レジストパターン形状に沿って、パターニング材料からなるパターンを基板上に形成することができる。
一方、フォトレジスト膜は、現像工程を経ると、現像液に含まれるアルカリとの反応により変質することが知られている(非特許文献1)。そのため、複数種類のパターニング材料を用いてパターン形成を行う場合には、パターニング材料毎に、レジスト膜の形成、露光、現像、及びパターニング材料によるパターニング層形成後のレジスト膜の除去が行われている。
上田充、「フォトレジスト材料開発の新展開」、CMC出版、2009年、68−69頁
本発明の一実施態様は、(a)固相上に、ポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、(b)前記レジスト膜の所望の位置を露光する工程と、(c)前記露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、前記レジスト膜を現像液により現像する工程と、(d)前記固相上の、前記現像により前記レジスト膜が除去された位置に、パターニング材料を用いてパターニング層を形成する工程と、(e)前記(b)〜(d)の工程を、1回以上繰り返す工程と、を含むパターン形成方法。である。
また、本発明の一実施態様は、(a)酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子が固定化された固相上に、露光により酸を発生する光酸発生剤を含有するポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、(b)前記レジスト膜の所望の位置を露光する工程と、(c)前記露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、前記レジスト膜を現像液により現像する工程と、(d)前記固相上の、前記現像により前記レジスト膜が除去された位置に、パターニング材料を用いてパターニング層を形成する工程と、(e)前記(b)〜(d)の工程を、1回以上繰り返す工程と、を含むパターン形成方法である。
本発明の1実施形態にかかるパターン形成方法の概略図である。 本発明のパターン形成方法を適用した土壌センサ用配線パターンの形成方法の一例を示す概略図である。 本発明のパターン形成方法を適用した薄型トランジスタ又はイオン感応電界効果トランジスタ用配線パターンの形成方法の一例を示す概略図である。 本発明のパターン形成方法を適用したカラーフィルタ用カラーパターンの形成方法の一例を示す概略図である。 本発明のパターン形成方法を適用したバイオチップ用アレイパターン又は細胞培養用基材パターンの形成方法の一例を示す概略図である。 本発明の1実施形態にかかるパターン形成方法の概略図である。 4回のパターン露光と現像を繰り返した基板を示す。 飛行時間二次イオン質量分析計(Time−of−flight secondary ion mass spectrometer:ToF−SIMS)を用いて、パターニング後の基板表面の有機化学構造の質量分布マッピング評価の結果である。酸による脱保護部分のMSスペクトルを示した。 ToF−SIMSを用いて、パターニング後の基板表面の有機化学構造の質量分布マッピング評価の結果である。酸による脱保護部分のMSスペクトルを示した。 パターニング後の基板におけるフラグメントイオンm/z59と保護基由来のm/z303に由来する質量でのマッピング評価結果を示す。 パターニングによる露光部分における水酸基生成の模式図である。
≪第1実施形態≫
1実施形態において、本発明は、(a)固相上に、ポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、(b)前記レジスト膜の所望の位置を露光する工程と、(c)前記露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、前記レジスト膜を現像液により現像する工程と、(d)前記固相上の、前記現像により前記レジスト膜が除去された位置に、パターニング材料を用いてパターニング層を形成する工程と、(e)前記(b)〜(d)の工程を、1回以上繰り返す工程と、を含む、パターン形成方法を提供する。
図1に基づき、本実施形態のパターン形成方法の概略を説明する。
まず、図1(1)及び(2)に示すように、固相1上に、ポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜2を形成する(工程(a))。次に、図1(3)に示すように、レジスト膜に対してパターン露光を行う(工程(b))。その後、レジスト膜2に対して超音波照射を行いながら、現像液による現像を行う。これにより、図1(4)に示すように、前記露光部分のレジスト膜が除去される(工程(c))。次に、図1(5)に示すように、固相1上の、前記現像によってレジスト膜2が除去された位置に、パターニング材料を用いてパターニング層3aを形成する(工程(d))。なお、図1(5)の例では、パターニング層3aは、レジスト膜2上には形成されていないが、レジスト膜2上にもパターニング層3aが形成されていてもよい。
次に、図1(6)に示すように、パターニング層3aを形成した固相1上のレジスト膜2に対して、再度パターン露光を行なう(工程(e)における工程(b))。その後、図1(7)に示すように、レジスト膜2に対して超音波照射を行いながら、現像液による現像を行なう(工程(e)における工程(c))。次に、図1(8)に示すように、パターニング材料を用いてパターニング層3bを形成する(工程(e)における工程(d))。なお、図1(8)の例では、パターニング層3bは、レジスト膜2上には形成されていないが、レジスト膜2上にもパターニング層が形成されていてもよい。さらにパターニングを行う場合には、図1(6)〜(8)の工程を繰り返す。
以下、各工程の詳細を説明する。
[レジスト膜形成工程]
工程(a)は、固相上に、ポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程である。
本実施形態の方法において、固相としては、例えば、基板やビーズ等を用いることができる。基板を使用する場合、基板の材質としては、例えば、シリコン、ガラス、石英、ソーダ石灰ガラス、ポリアミド樹脂、プラスチックフィルム、金属等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、例えば、シリコン基板表面上に、金、銀、銅、白金、パラジウム、水銀などの金属膜を形成したものであってもよい。
また、固相は、必要に応じて表面処理を行ってもよい。表面処理の例としては、例えば、フェニル基、フルオロアルキル基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、ポリエーテル基、カテコール基など任意の官能基を導入するカップリング処理や、コロナ放電処理・プラズマ放電処理・UV処理・オゾン処理、酸アルカリ洗浄・硫酸過酸化水素水洗浄による表面改質処理、研磨や摩擦などによるメカノケミカル処理による親水化処理、疎水化処理等を挙げることができる。また、必要に応じて、これらの化学的・物理的・機械的処理により、固相表面を、任意の表面粗さとする処理を施してもよい。また、これらの処理を複数組み合わせて行ってもよく、固相上の任意の領域のみに選択的に表面処理を行ってもよい。したがって、本実施形態の方法は、工程(a)を行う前に、固相に対して前記に例示するような表面処理を行う工程を含むことができる。
例えば、固相の疎水化処理を行うことにより、レジスト膜の固相に対する密着性を高めることができる。これにより、同じレジスト膜に対して、露光・現像を複数回繰り返した場合でも、パターニングの解像性が維持されやすい。固相の疎水化処理の方法は、特に限定されず、レジスト膜形成時に基板に対して一般的に行われる疎水化処理方法を用いればよい。疎水化処理の方法としては、例えば、ヘキサメチレンジシラザン(HMDS)による処理が挙げられる。例えば、固相上に、CVD法やスピンコート法等によりHMDSを成膜し、70〜130℃程度で20秒〜5分程度加熱等することにより、疎水化処理を行うことができる。
また、固相の親水処理を行うことにより、親水性のパターニング材料との親和性が高くなる。そのため、親水性のパターニング材料でパターニングを行う場合には、固相の親水処理を行ってもよい。固相の親水処理の方法は、特に限定されず、一般的な親水化処理方法を用いればよい。親水化処理の方法として、例えば、プラズマ処理、シランカップリング剤等の有機シラン化合物を用いたシラン化処理等を挙げることができる。
また、自己組織化単分子膜(Self−assembled Monolayer:SAM)を形成することが知られている分子(以下、「SAM形成分子」という。)により、固相の表面処理を行ってもよい。SAM形成分子としては、例えば、チオール化合物、有機シラン化合物、ホスホン酸誘導体等を挙げることができる。これらのSAM形成分子は、試薬として市販されているため、市販のSAM形成用試薬を使用してもよい。SAM形成分子で固相の表面処理を行うことにより、固相上にSAMが形成され得る。固相上にSAMを形成することにより、固相の表面エネルギーを均一にすることができるので、固相上でのレジスト膜の成膜をより均一にし、現像時の描画性を高めることができる。また、固相上にSAMを形成することにより、パターニング材料の密着性を上げることができる。
また、SAM形成分子に所望の官能基を導入し、固相の表面処理に使用することにより、固相表面上に所望の官能基を固定化することができる。SAM形成分子に対し、適宜化学反応を用いてより適切な官能基の導入を行ってもよい。例えば、縮合剤を用いて、カルボキシ基と水酸基との結合形成や、アミノ基とスクシンイミジル基又はエポキシ基との結合形成を行うことができる。また、各種ラジカル反応によるアクリル基間の結合形成を用いて、SAM形成分子の積層や表面グラフト重合などを行うことができる。
また、チオール化合物にSAMを形成させる場合には、金等の金属膜が有効であることが知られている。そのため、固相の表面処理にチオール化合物を用いる場合には、表面に金属膜を有する固相を使用してもよい。また、ホスホン酸誘導体や有機シラン化合物にSAMを形成させる場合には、酸化膜が有効であることが知られている。そのため、固相の表面処理にホスホン酸誘導体や有機シラン化合物を用いる場合には、表面に酸化膜を有する固相を使用してもよい。
なお、固相に対して、疎水化処理以外の表面処理を行った場合には、その後、レジスト膜を形成する前に、疎水化処理を行ってもよい。これにより、行った表面処理の効果を維持しつつ、固相に対するレジスト膜の密着性を高めることができる。
ポジ型レジスト組成物は、露光により現像液に対する溶解性が増大するレジスト組成物である。本実施形態の方法において、使用可能なポジ型レジスト組成物は、特に限定されない。フォトリソグラフィーに一般的に使用されるものを、特に制限なく、使用することができる。
ポジ型レジスト組成物は、g線、h線、i線等の紫外線用、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー等のエキシマレーザー用、極紫外線(EUV)用、真空紫外線(VUV)用、電子線(EB)用、X線用等であってもよい。一例として、ポジ型レジスト組成物は、i専用のものであることができる。ポジ型レジスト組成物の例としては、例えば、ノボラック樹脂を含むノボラック系レジスト組成物、アクリル樹脂を含むアクリル系レジスト組成物等を挙げることができる。ポジ型レジスト組成物は、一例として、ノボラック系レジスト組成物である。また、ノボラック系レジスト組成物の一例として、i線用ノボラック系レジスト組成物を挙げることができる。
また、ポジ型レジスト組成物は、市販のものを用いてもよい。例えば、i線用ノボラック系レジスト組成物の市販品の例としては、スミレジスト(登録商標)(住友化学社製)、PFRシリーズ(JSR社製)、OFPRシリーズ(東京応化社製)等を挙げることができる。
固相上に、ポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する方法は、特に限定されず、レジスト膜の形成に一般的に用いられる方法を使用すればよい。レジスト膜の形成方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法等を挙げることができる。固相上に形成するレジスト膜の膜厚は、特に限定されないが、例えば、50nm〜30μm、80nm〜25μm、100nm〜20μm程度とすることができる。
なお、レジスト膜の形成後、工程(b)の前に、露光前ベーク(プリベーク)は行ってもよく、行わなくてもよい。プリベークを行う場合、一例として、90℃でプリベークを行ってもよい。また、レジスト膜をより低温に維持し、レジスト膜における熱的架橋反応を抑制するために、プリベークを行わないようにしてもよい。
[露光工程]
工程(b)は、上記工程(a)で形成したレジスト膜の所望の位置を露光する工程である。
露光は、レジスト膜の形成に用いたポジ型レジスト組成物の種類に応じて、g線、h線、i線、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、EUV、VUV、EB、X線等を放射する適切な光源を用いて行うことができる。例えば、ArF用ポジ型レジスト組成物を用いた場合には、ArFエキシマレーザーを用いて露光を行なうことができる。また、i線用ポジ型レジスト組成物を用いた場合には、i線を用いて露光を行なうことができる。
露光における露光量は、特に限定されないが、例えば、10〜600mJ/cm、又は50〜200mJ/cmとすることができる。
露光は、後述するパターニング材料により形成するパターン形状に応じて、レジスト膜の所望の位置に対してのみ行う。すなわち、パターニング材料により形成するパターン形状に、レジスト膜に対してパターン露光を行なう。このようなパターン露光は、フォトリソグラフィーにおいて、一般的に用いられる方法で行うことができる。パターン露光の方法としては、例えば、フォトマスク、メタルマスク等を用いる方法、レンズやミラーなどの光学系を用いるプロジェクション露光、空間光変調素子、レーザービームなどを用いるマスクレス露光等を挙げることができる。
なお、露光後ベーク(PEB)は行ってもよく、行わなくてもよい。一例として、本実施形態の方法においては、PEBを行わない。PEBを行わないことにより、一連の工程を低温化し、レジスト膜における熱的架橋反応を抑制することができる。これにより、同じレジスト膜に対して、露光・現像を複数回繰り返してもパターニングの解像性が維持されやすい。
[現像工程]
工程(c)は、上記工程(b)で露光した露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、レジスト膜を現像液により現像する工程である。
本工程により、図1(4)に示すように、工程(b)で露光された部分のレジスト膜2が除去される。
本工程において使用する現像液は、特に限定されず、ポジ型レジスト膜の現像に一般的に使用される現像液を用いることができる。現像液の例としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等を挙げることができる。TMAH水溶液を用いる場合、TMAHの濃度は0.1〜10質量%程度を例示することができる。また、現像液の例としては、トリエチルアミン、トリメチルアミンなどの有機塩基;水酸化ナトリウム;炭酸イオン、重炭酸イオン、ケイ酸イオンなどと金属イオンとの金属塩等もまた挙げることができる。金属塩の例としては、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本工程においては、レジスト膜に対して超音波照射を行いながら、現像を行う。超音波照射を行いながら現像を行うことにより、露光部分のレジスト膜の除去が促進され、現像時間を短縮することができる。これにより、未露光部分のレジスト膜に対する現像液の影響を小さくすることができる。そのため、同じレジスト膜に対して、露光・現像を複数回繰り返しても、短時間の現像できれいなパターンを得ることができる。
超音波照射の方法は、特に限定されないが、例えば、15〜40kHz程度、20〜1000kHz程度、又は80〜100kHz程度の周波数を使用することができる。これらの周波数を2つ以上組み合わせてもよく、周波数を可変しながら照射してもよい。また、現像方法は、特に限定されず、レジスト膜の現像に一般的に用いられる方法を使用すればよい。現像方法としては、例えば、浸漬法、パドル法、スプレー法等を挙げることができる。これらの方法で現像を行いながら、レジスト膜に対して超音波照射を行えばよい。例えば、浸漬法で現像する場合には、現像液に浸漬した固相上のレジスト膜に対して、超音波照射を行うようにすればよい。現像液をかけ流しにする場合には、固相に対して直接超音波照射してもよく、現像液流路自体を導波路として用いてもよい。
現像時間は、特に限定されないが、例えば、80秒以下とすることができる。上記のとおり、本工程では、超音波照射を行いながら現像を行うことにより、現像時間を短縮することができる。現像時間の例としては、例えば、20秒〜5分程度、30秒〜3分程度、40〜80秒程度等を挙げることができる。
なお、本実施形態の方法は、工程(c)の後、工程(d)の前に、レジスト膜を洗浄する操作を含んでいてもよい。洗浄液は、現像後のレジスト膜の洗浄に一般的に使用されるものを用いることができ、水系溶媒であってもよく、有機溶媒であってもよい。洗浄液としては、レジスト膜を侵さず、汚染成分や粒子のみを除去可能なものを適宜選択して用いることができる。例えば、水系溶媒としては水を使用することができ、有機溶媒としてはトルエンやアセトン等を使用することができる。また、極性や溶解性パラメーターなどを考慮し、適宜、複数種類の溶媒を組み合わせた混合溶媒を用いてもよい。また、水系溶媒での洗浄と、有機溶媒での洗浄を組合せて行ってもよい。さらに、洗浄中に、超音波照射を行うこともできる。超音波照射は、例えば、15〜40kHz程度、又は20〜35kHz程度で行うことができる。洗浄操作を行うことにより、露光部に残存するレジスト残渣を除去することができる。
[パターニング層形成工程]
工程(d)は、固相上の、上記工程(c)における現像によりレジスト膜が除去された位置に、パターニング材料を用いてパターニング層を形成する工程である。
本実施形態の方法において、パターニング材料は、特に限定されない。パターンの用途に応じて、適宜、パターニング材料を選択すればよい。なお、本明細書において、「パターニング材料」とは、パターンを形成する材料をいう。すなわち、本実施形態において形成されるパターンは、パターニング材料からなる。パターニング材料は、単体であっても、化合物であってもよく、組成物や混合物であってもよい。
例えば、土壌センサ用の配線パターンを形成する場合、パターニング材料として、亜鉛、アルミニウム、銅などの金属を用いることができる。
また、薄型トランジスタ(TFT)やイオン感応電界効果トランジスタ(IS−FET)用の配線パターンを形成する場合、パターニング材料として、半導体や絶縁体等を用いることができる。
また、カラーフィルタ用のカラーパターンを形成する場合、パターニング材料として、ブラックマトリクスやカラーレジストなど、又は顔料若しくは染料を含む樹脂成分等を用いることができる。
また、バイオチップ用のアレイパターンを形成する場合、パターニング材料として所定の官能基を有する化合物や、生体物質を用いることができる。
また、細胞培養用の基材パターンを形成する場合、パターニング材料として、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、マトリゲルなどの細胞外マトリクス;ポリリジン、カドヘリン、アミノシランなどの細胞接着物質;アルキルシラン、PEGシランなどの細胞接着阻害物質等を用いることができる。
パターニング材料を用いてパターニング層を形成する方法は、特に限定されず、工程(a)で形成したレジスト膜やパターニング材料の種類に応じて、適切な方法を選択すればよい。パターニング層の形成方法としては、例えば、スピンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法、印刷法、真空成膜法、スポッティング法等を挙げることができる。また、バイオチップ用のアレイパターンや細胞培養用の基材パターンを形成する場合には、所定の官能基を有する化合物、生体物質、細胞外マトリクス、細胞接着物質、細胞接着阻害物質等を含む水溶液を、現像後の固相に接触させ、固相上の官能基等と反応させるようにしてもよい。
なお、図1(5)の例では、パターニング層3aは、固相1上の、現像によりレジスト膜2が除去された位置にのみ形成されているが、レジスト膜2上にもパターニング層3aが形成されていてもよい。この場合、レジスト膜2上のパターニング層3aの膜厚は、100nm以下とすることができる。レジスト膜2上のパターニング層3aの膜厚が100nm以下であれば、後の工程(e)における再度の露光・現像における、レジスト膜2上のパターニング層3aの影響を抑えることができる。
なお、本工程は、パターニング層形成後に、パターニング層を含むレジスト膜を洗浄する操作を含んでいてもよい。洗浄液は、パターニング層の種類に応じて、適宜選択すればよい。洗浄液は、水系溶媒であってもよく、有機溶媒であってもよい。洗浄液としては、レジスト膜及びパターニング層を侵さず、汚染成分や粒子のみを除去可能なものを適宜選択して用いることができる。例えば、水系溶媒としては水を使用することができ、有機溶媒としてはトルエンやアセトン、フッ素系溶剤等を使用することができる。また、極性や溶解性パラメーターなどを考慮し、適宜、複数種類の溶媒を組み合わせた混合溶媒を用いてもよい。また、水系溶媒での洗浄と、有機溶媒での洗浄を組合せて行ってもよい。洗浄操作を行うことにより、パターニング材料の残渣を除去することができる。
[多重露光によるパターン形成]
工程(e)は、上記(b)〜(d)の工程を、1回以上繰り返す工程である。
本工程により、図1(6)〜(8)に示すように、1回目の(b)〜(d)の工程において形成されたパターニング層3aとは別のパターニング層3bが形成される。
本工程では、レジスト膜の除去及び再度のレジスト膜の形成を行うことなく、同じレジスト膜に対して、上記(b)〜(d)の工程を1回以上繰り返す。本実施形態の方法では、露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、レジスト膜を現像することにより、現像時間を短縮することができる。そのため、現像液によるレジスト膜の変質を抑えることができ、同じレジスト膜に対して、複数回の露光・現像を行っても高い解像度でパターニングを行うことができる。
本工程において1回以上繰り返す上記(b)〜(d)の各工程は、上記と同様に行うことができる。なお、工程(d)において用いるパターニング材料には、(d)の工程の各回において、それぞれ異なる種類のパターニング材料を用いてもよい。工程(d)の各回において、それぞれ異なるパターニング材料を用いることにより、複数種類のパターニング材料からなるパターンを形成することができる。
本工程において、(b)〜(d)の工程を繰り返す回数は、特に限定されない。形成するパターンの用途に応じて、適宜、繰り返し回数を選択すればよい。本工程における(b)〜(d)の工程の繰り返し回数は、例えば、1〜5回又は1〜4回等とすることができる。
また、本工程における(b)〜(d)の工程の繰り返し数は、使用するパターニング材料の種類数に応じて、決定するようにしてもよい。例えば、4種類のパターニング材料を用いてパターンを形成する場合、最初の(b)〜(d)の工程に加えて、本工程において(b)〜(d)の工程を3回繰り返すようにすることができる。また、2種類のパターニング材料を用いてパターンを形成する場合、最初の(b)〜(d)の工程に加えて、本工程において(b)〜(d)の工程を1回繰り返すようにすることができる。
本実施形態の方法によれば、同じレジスト膜に対して、複数回の露光・現像を行っても高い解像度でパターニングを行うことができる。そのため、複数種類のパターニング材料を用いてパターニングを行う場合であっても、パターニング材料毎に、レジスト膜の形成・除去を行う必要がない。したがって、レジスト膜の形成・除去にかかる手間とコストを削減することができる。
[本実施形態のパターン形成方法の応用例]
以下、本実施形態の方法を適用したパターン形成の応用例を記載するが、本実施形態の方法は、以下の応用例に限定されるものではない。
(土壌センサ)
土壌のpHや水分量を検出する土壌センサでは、異種の金属で電極を形成し、当該異種金属間に流れる電子の量を検出することにより、pHや水分量を算出している。本実施形態のパターン形成方法は、土壌センサにおける異種金属電極からなる配線パターンの形成に適用することができる。
本実施形態のパターン形成方法を適用した土壌センサ用の配線パターンの形成方法の一例を、図2に基づき説明する。
まず、図2(a)に示すように、電極110を形成した土壌センサ用基板(固相1)上に、レジスト組成物を用いてレジスト膜2を形成し、所望の電極上のレジスト膜2を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後、パターニング材料として1種目の金属を用いてパターニング層3aを形成する。
そして、再度、図2(b)に示すように、所望の電極上のレジスト膜2を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後、パターニング材料として2種目の金属を用いてパターニング層3bを形成する。
そして、再度、図2(c)に示すように、所望の電極上のレジスト膜2を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後、パターニング材料として3種目の金属を用いてパターニング層3cを形成する。
その後、図2(e)に示すように、レジスト膜2を除去し、被覆剤を用いて被覆層120を形成する。そして、図2(f)に示すように、固相1を剥離し、電極110及び電極110の周囲のパターニング層3a〜cを露出させる。そして、図2(g)に示すように、データ処理部130を設置することにより、土壌センサ100を作成することができる。
土壌センサにおいて、パターニング材料として用いる金属は特に限定されない。金属としては、例えば、リチウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ、鉛、銅、水銀、銀、白金、金、クロムなどの金属元素の単体;ステンレスなどの合金;グラファイトなどのカーボン;これらの複合材等を挙げることができる。これらの金属をパターニング材料として用いたパターニング層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、印刷法、真空成膜法、スポッティング法、スプレー法等を用いることができる。
(TFT、IS−FET)
本実施形態のパターン形成方法は、TFTやIS−FET用の配線パターンの形成に適用することもできる。本実施形態のパターン形成方法を適用したTFT又はIS−FET用の配線パターンの形成方法の一例を、図3に基づき説明する。
まず、図3(a)に示すように、TFT又はIS−FET用基板(固相1)上に、レジスト組成物を用いてレジスト膜2を形成し、レジスト膜2上の所望の位置を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後、パターニング材料として金、銀、銅、ニッケル、アルミなどの金属;カーボン膜;酸化インジウムスズ(ITO)などの導電性酸化物;PEDOT/PSSなどの導電性有機物等を用いて、パターニング層3aを形成する。パターニング層3aは、ソース電極及びドレイン電極を形成する。
そして、再度、図3(b)に示すように、レジスト膜2の所望の位置を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後(図3(c))、パターニング材料として半導体又は絶縁体を用いてパターニング層3bを形成する(図3(d))。
その後、レジスト膜2を除去し、ゲート絶縁膜210、ゲート220等を形成することにより、TFT又はIS−FETを作成することができる。
上記のようなTFT又はIS−FETにおける配線パターンの形成において、パターニング層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、浸漬法、めっき法、スリットダイコート法、スプレーコート法、印刷法、真空成膜法、スポッティング法等を用いることができる。
(カラーフィルタ)
本実施形態のパターン形成方法は、カラーフィルタ用のカラーパターンの形成に適用することもできる。本実施形態のパターン形成方法を適用したカラーフィルタ用のカラーパターンの形成方法の一例を、図4に基づき説明する。
まず、図4(a)に示すように、カラーフィルタ用基板(固相1)上に、レジスト組成物を用いてレジスト膜2を形成し、レジスト膜2のブラックマトリクスを形成する位置を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後、パターニング材料としてブラックマトリクスを用いて、パターニング層3aを形成する。
そして、再度、図4(b)に示すように、レジスト膜2の所望の位置を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後(図4(c))、パターニング材料としてブルー(B)のカラーレジストを用いてパターニング層3bを形成する(図4(d))。
そして、再度、図4(d)に示すように、レジスト膜2の所望の位置を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後(図4(e))、パターニング材料としてレッド(R)のカラーレジストを用いてパターニング層3cを形成する(図4(f))。
そして、再度、図4(f)に示すように、レジスト膜2の所望の位置を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後(図4(g))、パターニング材料としてグリーン(G)のカラーレジストを用いてパターニング層3dを形成する(図4(h))。
上記のようにして、RGBのカラーパターンを有するカラーフィルタ300を作成することができる。なお、RGBのカラーレジストによるパターニング層の形成順序は、上記の順序に限定されず、適宜変更してもよい。
上記のようなカラーフィルタのカラーパターン形成において、パターニング層の形成方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、スプレーコート法、スポッティング法等を用いることができる。
(バイオチップ)
本実施形態のパターン形成方法は、バイオチップ用のアレイパターンの形成に適用することもできる。バイオチップ用のアレイパターンは、複数種の生体関連物質を同時に検出し得るもの又は、複数種の生体関連物質の機能を同時に検出できるものであれば、特に限定されない。例えば、バイオチップ用のアレイパターンは、2種以上の生体関連物質を結合させるために、2種以上の官能基によって形成されるアレイパターンであってよい。また、バイオチップ用のアレイパターンは、2種以上の生体関連物質によって形成されるアレイパターンであってもよい。なお、バイオチップの検出対象となる生体関連物質は、特に限定されない。ここで、「生体関連物質」とは、生体内での化学反応等に関与する化学物質のことをいい、天然又は人工の生体物質及び生理活性物質を包含する。検出対象となる生体関連物質としては、例えば、ヌクレオチド、アミノ酸、糖、核酸、タンパク質、ホルモン、脂質、ビタミン、サイトカイン、ペプチド、糖鎖、生理活性を有する低分子化合物、薬物、毒物等を挙げることができる。
本実施形態のパターン形成方法を適用したバイオチップ用のアレイパターンの形成方法の一例を、図5に基づき説明する。
まず、図5(a)に示すように、バイオチップ用基板(固相1)上に、レジスト組成物を用いてレジスト膜2を形成し、レジスト膜2の所望の位置を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後(図5(b))、パターニング材料として所定の官能基を有する化合物や所定の生体関連物質(第1の分子)を用いて、パターニング層3aを形成する(図5(c))。
そして、再度、図4(c)に示すように、レジスト膜2の所望の位置を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後(図5(d))、パターニング材料として上記第1の分子とは異なる化合物又は生体関連物質(第2の分子)を用いて、パターニング層3bを形成する(図5(e))。
そして、再度、図5(e)に示すように、レジスト膜2の所望の位置を露光する。露光後のレジスト膜2を現像した後、パターニング材料として、上記第1の分子及び第2の分子とは異なる化合物又は生体関連物質(第3の分子)を用いて、パターニング層3cを形成する。同様に、露光及び現像を行い、上記第1の分子、第2の分子及び第3の分子とは異なる化合物又は生体関連物質(第4の分子)を用いて、パターニング層3dを形成する。
その後、レジスト膜2を除去することにより、バイオチップ400を作成することができる。なお、上記において、パターニング材料は4種使用したが、パターニング材料の種類数は特に限定されない。例えば、パターニング材料は、1〜5種又は1〜4種使用することができる。
バイオチップにおけるアレイパターンの形成において、パターニング層の形成方法は特に限定されない。例えば、所定の官能基を有する化合物や生体関連物質を含む水溶液等を、現像後の固相に接触させ、固相上に固定された分子と反応させる方法等を用いることができる。
パターニング材料の一例としては、チオール化合物、有機シラン化合物、ホスホン酸誘導体等のSAM形成分子を挙げることができる。例えば、パターニング層の形成毎に、異なる官能基を導入したSAM形成分子を用いれば、異なる官能基からなるアレイパターンを形成することができる。これらのSAM形成分子をパターニング材料として使用する場合には、金属膜や酸化膜を有する固相を使用してもよい。金属膜や酸化膜を有する固相を使用することにより、SAM形成分子の固相への結合を促進することができる。なお、SAM形成分子に導入する官能基の例としては、例えば、水酸基、アミノ基、チオール基、スクシンイミジル基、カルボキシ基、エポキシ基等を挙げることができる。
また、例えば、パターニング材料としては、ヌクレオチド、アミノ酸、糖、核酸、タンパク質、ホルモン、脂質、ビタミン、サイトカイン、ペプチド、糖鎖、生理活性を有する低分子化合物、薬物、毒物等の生体関連物質を挙げることができる。生体関連物質は、天然のものであってもよく、改変を加えたものであってもよい。また、所定の官能基(反応基)を人工的に導入したものであってもよい。例えば、所定の官能基を導入したSAM形成分子等で固相を表面処理すると、固相表面上に、当該官能基を固定することができる。この固相に対して、当該官能基と結合し得る反応基を有する生体関連物質を反応させれば、固相に生体関連物質を結合させることができる。そして、パターニング層の形成毎に、当該反応基を有する異なる生体関連物質を用いれば、複数種の生体関連物質からなるアレイパターンを形成することができる。なお、上記官能基と反応基との組み合わせとしては、例えば、水酸基に対して水酸基、エポキシ基;アミノ基に対してカルボキシ基、エポキシ基、チオール基;チオール基に対してアミノ基、カルボキシ基;スクシンイミジル基に対してアミノ基;カルボキシ基に対してアミノ基、チオール基;エポキシ基に対してアミノ基、水酸基等を挙げることができる。パターニング層の形成においては、前記のような組合せにより官能基と反応基とを直接結合させるほか、適宜縮合剤(リンカー、架橋剤等)を介して固相に固定された官能基に生体関連物質を結合させてもよい。また、パターニング層の形成は、必ずしも化学結合を介して行う必要はなく、密着性が得られれば静電相互作用などの物理吸着でパターニング層を形成してもよい。
(細胞培養用基板)
本実施形態のパターン形成方法は、細胞培養用の基材パターンの形成に適用することもできる。本実施形態のパターン形成方法を適用した細胞培養用の基材パターンの形成は、上記バイオチップ用のアレイパターン形成と同様に行うことができる。
細胞培養用の基材パターン形成において、パターニング材料としては、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、マトリゲルなどの細胞外マトリクス;ポリリジン、カドヘリン、アミノシランなどの細胞接着物質、アルキルシランやPEGシランなどの細胞接着阻害物質等を用いることができる。例えば、パターニング層の形成毎に、パターニング材料として、異なる細胞を接着可能な細胞外マトリクスや細胞接着物質を用いれば、同一基板(固相)上で異なる細胞を培養し得る、細胞培養用基板を作成することができる。さらに、パターニング材料として細胞接着物質及び細胞接着阻害物質を用いてパターニング層を形成すれば、所定の形状に細胞を培養することもできる。
バイオチップや細胞培養用基板の作成においては、パターニング材料として生体関連物質を使用する場合があるが、本実施形態の方法は、生体関連物質を用いたパターニング層の形成にも適している。レジスト膜を形成する際には、通常、有機溶媒等を使用するため、当該有機溶媒がパターニング層を形成する生体関連物質に悪影響を及ぼす恐れがある。しかしながら、本実施形態の方法では、1回のレジスト膜の形成で、複数種類のパターニング材料によるパターン形成を行うことができる。そのため、パターニング層を形成する生体関連物質に対するレジスト膜形成時の悪影響を回避することができる。
≪第2実施形態≫
1実施形態において、本発明は、(a)酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子が固定化された固相上に、露光により酸を発生する光酸発生剤を含有するポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、(b)前記レジスト膜の所望の位置を露光する工程と、(c)前記露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、前記レジスト膜を現像液により現像する工程と、(d)前記固相上の前記現像により前記レジスト膜が除去された位置に、前記官能基と結合し得る反応基を有するパターニング材料を用いてパターニング層を形成する工程と、(e)前記(b)〜(d)の工程を、1回以上繰り返す工程と、を含むパターン形成方法を提供する。
図6に基づき、本実施形態のパターン形成方法の概略を説明する。
まず、図6(1)及び(2)に示すように、酸分解性保護基PGで保護された官能基Aを有する分子が固定化された固相1上に、露光により酸を発生する光酸発生剤を含有するポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜2’を形成する(工程(a))。次に、図6(3)に示すように、レジスト膜2’に対してパターン露光を行う(工程(b))。これにより、露光された位置のレジスト膜2’中に存在する光酸発生剤から酸が発生し、酸分解性保護基PGが脱保護される。その後、レジスト膜2’に対して超音波照射を行いながら、現像液による現像を行う。これにより、図6(4)に示すように、前記露光部分のレジスト膜2’が除去される(工程(c))。次に、図6(5)に示すように、固相1上の、前記現像によってレジスト膜2’が除去された位置に、官能基Aと結合し得る反応基Bを有するパターニング材料を用いてパターニング層3aを形成する(工程(d))。
次に、図6(6)に示すように、パターニング層3aを形成した固相1上のレジスト膜2’に対して、再度パターン露光を行なう(工程(e)における工程(b))。これにより、露光された位置のレジスト膜2’中に存在する光酸発生剤から酸が発生し、酸分解性保護基PGが脱保護される。その後、図6(7)に示すように、レジスト膜2’に対して超音波照射を行いながら、現像液による現像を行なう(工程(e)における工程(c))。次に、図6(8)に示すように、官能基Aと結合し得る反応基Bを有するパターニング材料を用いてパターニング層3bを形成する(工程(e)における工程(d))。さらにパターニングを行う場合には、図6(6)〜(8)の工程を繰り返す。
以下、各工程の詳細を説明する。
[レジスト膜形成工程]
工程(a)は、酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子が固定化された固相上に、露光により酸を発生する光酸発生剤を含有するポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程である。
工程(a)では、まず、図6(1)に示されるように、酸分解性保護基PGで保護された官能基Aを有する分子が固定化された固相1を準備する。固相は、第1実施形態で記載したものと同様のものを用いることができる。
酸分解性保護基は、酸の作用により脱保護される基である。本実施形態において、酸分解性保護基は、特に限定されず、酸の作用により脱保護されるものであれば、特に制限なく使用することができる。酸分解性保護基としては、例えば、アセチル基(Ac);ベンゾイル基(Bz);トリチル基(Tr)、モノメトキシトリチル基(MMT)、ジメトキシトリチル基(DMT)、トリメトキシトリチル基(TMT)などのエーテル系保護基;β‐メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、メトキシメチルエーテル基(MOM)、テトラヒドロピラニル基(THP)などのアセタール系保護基;t−ブチルジメチルシリル基(TBS)などのシリルエーテル基等を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの酸分解性保護基は、保護する官能基が水酸基である場合に用いられる。保護する官能基がアミノ基等である場合も、適宜好適な酸分解性保護基を選択して用いることができる。一例として、酸分解性保護基として、ジメトキシトリチル(DMT)基を挙げることができる。
本実施形態においては、固相上に固定化された分子の官能基が酸分解性保護基で保護されている。官能基は、特に限定されないが、例えば、水酸基、アミノ基、チオール基、スクシンイミジル基、カルボキシ基、エポキシ基等を挙げることができる。
酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子が固定化された固相を準備する方法は、特に限定されないが、例えば、SAM形成分子を使用する方法を挙げることができる。SAM形成分子としては、第1実施形態で例示したものと同様のものを用いることができる。例えば、SAM形成分子に、酸分解性保護基で保護された所望の官能基を導入し、当該SAM形成分子で固相の表面処理を行うことにより、固相表面上に所望の官能基を固定化することができる。あるいは、SAM形成分子で固相の表面処理を行った後、酸分解性保護基で保護された所望の官能基を有する分子を反応させることにより、固相に酸分解性保護基で保護された官能基を固定化するようにしてもよい。
例えば、シラン有機化合物を使用する場合には、固相表面にシラン有機化合物を固定し、シラン有機化合物に酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子を結合させるようにしてもよい。具体的には、以下のような方法を例示することができる。
まず、酸素ガス等で固相表面のプラズマ処理を行った後、水又はエタノール中で有機シラン化合物を反応させる。前記反応で用いる有機シラン化合物としては、例えば、ヒドロキシアルキルシラン、ヒドロキシアルキルアミドシラン、ヒドロキシグリコールシラン等を挙げることができる。一例として、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド)等を用いることができる。
例えば、固相をプラズマ処理した後、有機シラン化合物溶液に浸漬して、70〜120℃程度で5〜40分程度加熱した後、イソプロパノール等の有機溶媒に浸漬して洗浄する。なお、洗浄の際には、超音波処理を行ってもよい。洗浄後、固相を乾燥し、100〜140℃程度で1〜10分程度加熱することにより、有機シラン化合物分子を固相に固定することができる。
続いて、固相に固定化された有機シラン化合物に、酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子を反応させる。酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子としては、例えば、酸分解性保護基を有するホスホロアミダイトヌクレオチド、5’又は3’の水酸基を酸分解性保護基で保護したヌクレオチド等、人工核酸合成法として知られるホスホロアミダイト法やリン酸エステル法に適用可能な核酸モノマー等を挙げることができるが、これらに限定されない。そのような分子としては、一例として、DMT−ホスホロアミダイトヌクレオチドを挙げることができる。例えば、有機シラン化合物を固定化した固相を、酸分解性保護基を有するホスホロアミダイトヌクレオチド溶液に浸漬し、1〜15分程度揺動することにより、酸分解性保護基を有する分子を固相表面に固定化することができる。当該反応は、禁水条件下で行ってもよい。反応後、適宜アセトニトリル等の有機溶媒で洗浄してもよい。
なお、上記の例では、有機シラン化合物に酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子を結合させたが、有機シラン化合物が有する官能基を直接酸分解保護基で保護してもよい。
上記の例では、有機シラン化合物を介して、酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子を、固相に固定化する方法について記載したが、本実施形態の方法はこれに限定されず、有機シラン化合物に替えて、適宜、他の分子を用いることができる。
なお、上記のように準備した固相は、必要に応じて、レジスト膜を形成する前に、疎水化処理を行ってもよい。疎水化処理の方法は、第1実施形態で記載した方法と同様に行うことができる。疎水化処理を行うことにより、レジスト膜の固相に対する密着性を高めることができる。これにより、同じレジスト膜に対して、露光・現像を複数回繰り返してもパターニングの解像性が維持されやすい。
上記のように準備した固相上に、図6(2)に示されるように、露光により酸を発生する光酸発生剤を含有するポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する。
光酸発生剤は、露光により酸を発生する分子である。本実施形態の方法において、光酸発生剤は、特に限定されず、レジスト組成物に一般的に用いられるものを使用することができる。光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩;ジアゾメタン;スルホン酸エステル等が挙げられる。ジアゾメタンやスルホン酸エステル等のノニオン系光酸発生剤よりも、オニウム塩等のイオン系光酸発生剤の方が、強い酸を生成することができる。一例として、光酸発生剤は、オニウム塩である。オニウム塩としては、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウムなどのスルホニウム塩;パーフルオロプロパンスルホン酸ジフェニルヨードニウムなどのヨードニウム塩等が挙げられる。そのようなオニウム塩から生成される酸としては、フルオロアンチモネート(HsbF)、FAP(フルオロアルキルフォスフェート)、トリフルオロメタンスルホン酸(CFSOH:TfOH)、パーフルオロプロパンスルホン酸等が挙げられる。
本実施形態の方法に用いる光酸発生剤が生成する酸は、一例として、酸解離定数(pKa)が−30〜5程度である。また、一例として、pKaが−25〜0である。光酸発生剤は、溶媒に対する溶解度が約1質量%以上のものを用いることができるが、溶解度がより高いものを用いてもよい。光酸発生剤として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に対する溶解度が、30質量%以上、40質量%以上、又は50質量%以上のものを用いてもよい。また、光酸発生剤は、レジスト組成物用に市販されているものを使用することもできる。一例として、サンアプロ社のCPI(登録商標)シリーズの光酸発生剤を使用することができ、CPI−210Sを例示することができる。
ポジ型レジスト組成物は、第1実施形態で記載したものと同様のものを用いることができる。ポジ型レジスト組成物としては、例えば、ノボラック系レジスト組成物を用いることができ、ノボラック系レジスト組成物の一例として、i線用ノボラック系レジスト組成物を挙げることができる。
ポジ型レジスト組成物に対する光酸発生剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、0.005〜10質量%、0.5〜5質量%、1〜3質量%等とすることができる。また、市販のポジ型レジスト組成物を用いる場合には、既に光酸発生剤が添加されている場合がある。この場合には、追加で光酸発生剤を添加してもよく、添加しなくてもよい。なお、市販のポジ型レジスト組成物を用いる場合であって、市販のポジ型レジスト組成物に光酸発生剤が添加されていない場合には、適切な光酸発生剤を添加する。例えば、i線用ノボラック系レジスト組成物として、住友化学社製のスミレジスト(登録商標)を使用する場合、スミレジスト(登録商標)には、光酸発生剤が添加されていないため、適切な光酸発生剤(例えば、サンアプロ社製のCPIシリーズ等)を添加して使用する。
ポジ型レジスト組成物を用いたレジスト膜の形成は、第1実施形態で記載した方法と同様に行うことができる。
なお、第1実施形態の方法と同様に、プリベークは行ってもよく、行わなくてもよい。プリベークを行う場合、一例として、90℃でプリベークを行ってもよい。また、レジスト膜をより低温に維持し、レジスト膜における熱的架橋反応を抑制するために、プリベークを行わないようにしてもよい。
[露光工程]
工程(b)は、上記工程(a)で形成したレジスト膜の所望の位置を露光する工程である。
図6(3)に示すように、レジスト膜2’に対してパターン露光を行うと、露光部分のレジスト膜2’に含まれる光酸発生剤から酸が生成する。この酸により、レジスト膜2’の下層に存在する酸分解性保護基PGが脱保護され、酸分解性保護基で保護されていた官能基Aが露出する。
本工程における露光は、第1実施形態で記載した方法と同様に行うことができる。第1実施形態の方法と同様に、PEBは行ってもよく、行わなくてもよい。一例として、本実施形態の方法においては、PEBを行わない。PEBを行わないことにより、一連の工程を低温化し、レジスト膜における熱的架橋反応を抑制することができる。これにより、同じレジスト膜に対して、露光・現像を複数回繰り返してもパターニングの解像性が維持されやすい。
[現像工程]
工程(c)は、上記工程(b)で露光した露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、レジスト膜を現像液により現像する工程である。
図6(4)に示すように、現像により、工程(b)で露光された部分のレジスト膜2’が除去されて、レジスト膜2’の下層の官能基Aが露出する。
本工程における現像は、第1実施形態で記載した方法と同様に行うことができる。第1実施形態の方法と同様に、超音波照射を行いながら現像を行うことにより、露光部分のレジスト膜の除去が促進され、現像時間を短縮することができる。これにより、未露光部分のレジスト膜に対する現像液の影響を小さくすることができる。そのため、同じレジスト膜に対して、露光・現像を複数回繰り返しても、短時間の現像できれいなパターンを得ることができる。
現像時間は、第1実施形態で記載した方法と同様に、例えば、80秒以下とすることができる。現像時間の例としては、例えば、20秒〜5分程度、30秒〜3分程度、40〜80秒程度等を挙げることができる。
なお、本工程は、第1実施形態で記載した方法と同様に、工程(c)の後、工程(d)の前に、レジスト膜を洗浄する工程を含んでいてもよい。洗浄操作を行うことにより、露光部に残存するレジスト残渣を除去することができる。洗浄液及び洗浄方法は、第1実施形態で記載した洗浄液及び洗浄方法と同様とすることができる。
[パターニング層形成工程]
工程(d)は、固相上の、上記工程(c)における現像によりレジスト膜が除去された位置に、上記官能基と結合し得る反応基を有するパターニング材料を用いてパターニング層を形成する工程である。
図6(5)に示されるように、官能基Aと結合し得る反応基Bを有するパターニング材料を、現像後のレジスト膜2’を含む固相1に接触させる。これにより、パターニング材料が有する反応基Bが、露光・現像によって露出した官能基Aと結合し、パターニング層3aが形成される。
パターニング材料は、第1実施形態で記載したものと同様のものを用いることができる。一例として、パターニング材料として、ヌクレオチド、アミノ酸、糖、核酸、タンパク質、ホルモン、脂質、ビタミン、サイトカイン、ペプチド、糖鎖、生理活性を有する低分子化合物、薬物、毒物等の生体関連物質を挙げることができる。また、一例として、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、マトリゲルなどの細胞外マトリクス;ポリリジン、カドヘリン、アミノシランなどの細胞接着物質;アルキルシラン、PEGシランなどの細胞接着阻害物質等を挙げることができる。なお、上記のような生体関連物質、細胞外マトリクス、細胞接着物質、細胞接着阻害物質等を、以下まとめて「生体関連物質等」という。
上記のような生体関連物質等が、固相に固定化した官能基と結合し得る反応基を有する場合には、これらの生体関連物質をそのままパターニング材料として用いることができる。また、これらの生体関連物質が、当該反応基を有しない場合には、そのような反応基を導入し、パターニング材料として用いればよい。
官能基と反応基との組み合わせとしては、例えば、水酸基に対して水酸基、エポキシ基;アミノ基に対してカルボキシ基、エポキシ基、チオール基;チオール基に対してアミノ基、カルボキシ基;スクシンイミジル基に対してアミノ基;カルボキシ基に対してアミノ基、チオール基;エポキシ基に対してアミノ基、水酸基等を挙げることができる。
パターニング材料を用いてパターニング層を形成する方法は、特に限定されず、工程(a)で形成したレジスト膜やパターニング材料の種類に応じて、適切な方法を選択すればよい。例えば、パターニング材料である生体関連物質等を含む水溶液を、現像後の固相に接触させ、固相上の官能基と反応させるようにしてもよい。
なお、本工程は、第1実施形態の方法と同様に、パターニング層形成後に、パターニング層を含むレジスト膜を洗浄する操作を含んでいてもよい。洗浄方法は、第1実施形態で記載した方法と同様に行うことができる。
[多重露光によるパターン形成]
工程(e)は、上記(b)〜(d)の工程を、1回以上繰り返す工程である。
本工程により、図6(6)〜(8)に示すように、1回目の(b)〜(d)の工程において形成されたパターニング層3aとは別のパターニング層3bが形成される。
本工程では、第1実施形態の方法と同様に、レジスト膜の除去及び再度のレジスト膜の形成を行うことなく、同じレジスト膜に対して、上記(b)〜(d)の工程を1回以上繰り返す。第1実施形態の方法と同様に、露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、レジスト膜を現像することにより、現像時間を短縮することができる。そのため、現像液によるレジスト膜の変質を抑えることができ、同じレジスト膜に対して、複数回の露光・現像を行っても高い解像度でパターニングを行うことができる。
本工程において1回以上繰り返す上記(b)〜(d)の各工程は、上記と同様に行うことができる。なお、工程(d)において用いるパターニング材料には、(d)の工程の各回において、それぞれ異なる種類のパターニング材料を用いてもよい。工程(d)の各回において、それぞれ異なるパターニング材料を用いることにより、複数種類のパターニング材料からなるパターンを形成することができる。例えば、工程(d)の各回において、配列の異なる核酸を用いることにより、配列の異なる複数種類の核酸からなるパターンを形成することができる。また、程(d)の各回において、種類の異なるタンパク質を用いることにより、種類の異なる複数種類のタンパク質からなるパターンを形成することができる。他の生体関連物質等をパターニング材料として用いる場合も同様である。
本工程において、(b)〜(d)の工程を繰り返す回数は、特に限定されない。形成するパターンの用途に応じて、適宜、繰り返し回数を選択すればよい。本工程における(b)〜(d)の工程の繰り返し回数は、例えば、1〜5回又は1〜4回等とすることができる。例えば、配列の異なる4種類の核酸を用いてパターンを形成する場合、最初の(b)〜(d)の工程に加えて、本工程において(b)〜(d)の工程を3回繰り返すようにすることができる。また、2種類のタンパク質を用いてパターン形成する場合、最初の(b)〜(d)の工程に加えて、本工程において(b)〜(d)の工程を1回繰り返すようにすることができる。
本実施形態の方法によれば、同じレジスト膜に対して、複数回の露光・現像を行っても高い解像度でパターニングを行うことができる。そのため、複数種類のパターニング材料を用いてパターニングを行う場合であっても、パターニング材料毎に、レジスト膜の形成・除去を行う必要がない。したがって、レジスト膜の形成・除去にかかる手間とコストを削減することができる。
また、酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子を固相上に固定化し、レジスト膜中に含まれる光酸発生剤から、露光により酸を発生させて、当該酸により前記酸分解性保護基の脱保護を行うため、前記官能基に結合し得る反応基を有するパターニング材料を、精度よく前記官能基に結合させて、パターニング層を形成することができる。
本実施形態のパターン形成方法の応用例としては、バイオチップ用のアレイパターン、細胞培養用の基材パターンの作成等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
≪実験例1≫
[基板上でのリンカー層の形成、及び酸分解性保護基の導入]
ビーカーに、シランカップリング剤(N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド、Gelest社製)を150mg秤量し、90℃に加温した150mLのイオン交換水を加えた。90℃で5分間撹拌した後、1.5mLの酢酸を添加し、さらに30分間加熱撹拌してシラン溶液を作成した。
次に、基板となる150nm熱酸化膜付3インチシリコンウエハーを大気圧酸素プラズマ装置(YAP510;ヤマト科学社製)で400W×3回処理し活性化させた後、反応容器に入れ、上記シラン溶液を加えて設定温度90℃で20分間加熱を行った。
加熱後、容器から基板を取り出し、イソプロパノール(IPA)に浸漬して、28kHz超音波洗浄を5分間行った後、窒素フローで乾燥した。その後、120℃で3分間加熱を行うことにより、シランを基板に定着させてリンカー層の形成を行った。
なお、必要に応じて、プラズマ処理前の基板片面にマスキングテープ(N380,日東電工社製)を貼り付け、IPA洗浄する前にマスキングテープを剥離することで片面のみにリンカー層を形成した。
次に、酸素濃度0.0%、湿度3.3%以下の窒素雰囲気に制御したグローブボックス内にて、以下の作業を行った。
ジメトキシトリチル(DMT)−dTホスホロアミダイト(Sigma−aldrich社製)1gに、テトラゾールのアセトニトリル溶液(450mM, Sigma−aldrich社製)を20mL、乾燥アセトニトリル(Sigma−aldrich社製)を10mL加えた。このようにしてDMT−dT 45mM溶液を30mL調製した。
上記のようにリンカー層を形成した基板を乾燥アセトニトリルに浸漬し、窒素フローで乾燥した。乾燥後、反応容器に入れ、上記DMT−dT溶液を加えて2分間揺動した。基板を容器から取り出し、搬送用の別容器に乾燥アセトニトリルを基板と共に入れ、グローブボックスから取り出した。
基板をアセトニトリル100mLが入った洗浄用容器に浸漬し、28kHz超音波洗浄を5分間行った。別の容器にアセトニトリル100mLを用意し、同様の洗浄をさらに2回、全3回行った。窒素フローで乾燥後、基板をグローブボックス内で保管した。
[レジスト組成物の調製]
スミレジスト(PHR−34A6、住友化学社製)に、光酸発生剤(CPI−210S、サンアプロ社製)を1.2質量%となるように添加した。自公転式混練機を用いて撹拌し、さらに28kHz超音波を5分間照射して、PAGを完溶させた。
[レジスト膜の形成]
上記のように調製した基板に対し、ヘキサメチレンジシラザン(HMDS)をスピン成膜し(1000rpm、30秒)、ホットプレートを用いて110℃で1分間加熱して乾燥した。さらに上記レジスト溶液をスピン成膜し(1000rpm、30秒)、ホットプレートを用いて90℃で1分間加熱して乾燥した。
[多重露光によるパターニング]
365nmのUV光で図7の左下に示すAの部分にパターン露光を行った。露光後、A〜Dの含む基板ごとテトラメチルアンモニウムヒドリド(TMAH)水溶液に浸漬し、22℃で、28kHz超音波を照射しながら1分間現像することで、縞状の開口部を作成した(図7のA/1st)。
次に、Bの部分に365nmのUV光でパターン露光を行い、同様に現像することで新たな開口部を作成した(図7のB/2nd)。一度現像工程に供したレジスト膜であるにもかかわらず、きれいにパターニングできることが確認された。また、現像工程を二度行っても、Aの部分にもダメージがないことが確認された(図7のA/2nd)。
同様に、C及びDの部分にもパターン露光を行い、現像操作を繰り返すことで、4回パターニングすることができた。1〜4回目のパターン露光のいずれにおいても、同様の解像性でレジストの描画が可能であった(図7のA/1st、B/2nd、C/3rd、D/4th)。また、複数回の露光及び現像工程を経ても、形成されたパターンにダメージは見られなかった(図7のA〜C/4th)。
[パターニングの評価]
飛行時間二次イオン質量分析計(Time−of−flight secondary ion mass spectrometer: ToF−SIMS)を用いて基板上の有機化学構造の質量を分析・解析し、質量分布によるマッピング評価を行った。分析に際しては、基板をアセトンに浸漬してレジスト膜の剥離を行った。
酸による脱保護部分のMSスペクトルを図8及び図9に示した。フラグメントイオンピークに相当するm/z59(図9)、分子イオンピークに相当するm/z=487(図8)が検出されており、脱保護構造の帰属が可能であった。
図10には本発明でパターニングした基板におけるフラグメントイオンm/z59と保護基由来のm/z303に由来する質量でのマッピング評価結果を示した。露光量に応じて保護基が減少し、脱保護された構造が増えていること、また位置選択的な脱保護ができていることが分かった。
図11に示すように、露光部分のみ水酸基を生成させることができたことから、露光による選択的な脱保護が可能であることが明らかになった。
1…固相、2…レジスト膜、2’…光酸発生剤を含むレジスト膜、3a〜3d…パターニング層、100…土壌センサ、110…電極、120…被覆層、130…データ処理部、210…ゲート絶縁膜、220…ゲート、300…カラーフィルタ、400…バイオチップ又は細胞培養用基板

Claims (19)

  1. (a)固相上に、ポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、
    (b)前記レジスト膜の所望の位置を露光する工程と、
    (c)前記露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、前記レジスト膜を現像液により現像する工程と、
    (d)前記固相上の、前記現像により前記レジスト膜が除去された位置に、パターニング材料を用いてパターニング層を形成する工程と、
    (e)前記(b)〜(d)の工程を、1回以上繰り返す工程と、を含む
    パターン形成方法。
  2. (a)酸分解性保護基で保護された官能基を有する分子が固定化された固相上に、露光により酸を発生する光酸発生剤を含有するポジ型レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程と、
    (b)前記レジスト膜の所望の位置を露光する工程と、
    (c)前記露光後のレジスト膜に対して超音波照射を行いながら、前記レジスト膜を現像液により現像する工程と、
    (d)前記固相上の前記現像により前記レジスト膜が除去された位置に、前記官能基と結合し得る反応基を有するパターニング材料を用いてパターニング層を形成する工程と、
    (e)前記(b)〜(d)の工程を、1回以上繰り返す工程と、を含む
    パターン形成方法。
  3. 前記(d)の工程において用いる前記パターニング材料が、前記(d)の工程の各回において、それぞれ異なる種類のパターニング材料である、請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記(c)の工程における現像時間が80秒以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  5. 前記(b)の工程の後、前記(c)の工程の前に、前記レジスト膜のベークを行わない、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  6. 前記(a)の工程の前に、前記固相に対して疎水化処理を行う工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  7. 前記(c)の工程の後、前記(d)の工程の前に、前記現像後のレジスト膜を洗浄する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  8. 前記ポジ型レジスト組成物が、ノボラック樹脂を含むノボラック系レジスト組成物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  9. 前記光酸発生剤が、オニウム塩、ジアゾメタン、及びスルホン酸エステルからなる群より選択される、請求項2〜8のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  10. 前記酸分解性保護基が、アセチル基(Ac)、ベンゾイル基(Bz)、トリチル基(Tr)、モノメトキシトリチル基(MMT)、ジメトキシトリチル基(DMT)、トリメトキシトリチル基(TMT)、β‐メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、メトキシメチルエーテル基(MOM)、テトラヒドロピラニル基(THP)、及びt−ブチルジメチルシリル基(TBS)からなる群より選択される、請求項2〜9のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  11. 前記官能基が、水酸基、アミノ基、チオール基、スクシンイミジル基、カルボキシ基、及びエポキシ基からなる群より選択される、請求項2〜10のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  12. 前記反応基が、水酸基、アミノ基、チオール基、スクシンイミジル基、カルボキシ基、及びエポキシ基からなる群より選択される、請求項2〜11のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  13. 前記パターンが、土壌センサ用の配線パターンである、請求項1、3〜8のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  14. 前記パターンが、薄型トランジスタ(TFT)又はイオン感応電界効果トランジスタ(IS−FET)用の配線パターンである、請求項1、3〜8のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  15. 前記パターンが、カラーフィルタ用のカラーパターンである、請求項1、3〜8のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  16. 前記パターンが、バイオチップ用のアレイパターンである、請求項1〜12のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
  17. 前記バイオチップ用のアレイパターンが、生体関連物質を結合させるための、2種以上の官能基によって形成されるアレイパターンである、請求項16に記載のパターン形成方法。
  18. 前記バイオチップ用のアレイパターンが、2種以上の生体関連物質によって形成されるアレイパターンである、請求項16に記載のパターン形成方法。
  19. 前記パターンが、細胞培養用の基材パターンである、請求項1〜12のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
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