JPH1063001A - レジスト・パターン形成方法 - Google Patents
レジスト・パターン形成方法Info
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- JPH1063001A JPH1063001A JP8214694A JP21469496A JPH1063001A JP H1063001 A JPH1063001 A JP H1063001A JP 8214694 A JP8214694 A JP 8214694A JP 21469496 A JP21469496 A JP 21469496A JP H1063001 A JPH1063001 A JP H1063001A
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- film
- resist
- protective film
- resist pattern
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- Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 化学増幅系レジスト膜のパターニングにおけ
る寸法や形状の安定性を向上させる。 【解決手段】 選択露光(ステップS7)を終了後、直
ちに化学増幅系レジスト膜の表面にイオウ系保護膜を堆
積させ(ステップS8)、PEB(ステップS10)の
直前で該イオウ系保護膜を昇華除去する(ステップS
9)。レジスト膜が大気遮断されることにより、レジス
ト膜内で発生した酸触媒(プロトンH+ )の雰囲気中へ
の散逸や、雰囲気中の塩基性物質の中和作用による酸触
媒の失活が防止され、ポジ型レジストのT−トップ形状
やネガ型レジスト・パターンの膜減りが防止できる。プ
リベーク(ステップS3)と冷却(ステップS4)の後
にイオウ系保護膜を堆積させ(ステップS5)、選択露
光(ステップS7)の直前に昇華(ステップS6)させ
ても良い。
る寸法や形状の安定性を向上させる。 【解決手段】 選択露光(ステップS7)を終了後、直
ちに化学増幅系レジスト膜の表面にイオウ系保護膜を堆
積させ(ステップS8)、PEB(ステップS10)の
直前で該イオウ系保護膜を昇華除去する(ステップS
9)。レジスト膜が大気遮断されることにより、レジス
ト膜内で発生した酸触媒(プロトンH+ )の雰囲気中へ
の散逸や、雰囲気中の塩基性物質の中和作用による酸触
媒の失活が防止され、ポジ型レジストのT−トップ形状
やネガ型レジスト・パターンの膜減りが防止できる。プ
リベーク(ステップS3)と冷却(ステップS4)の後
にイオウ系保護膜を堆積させ(ステップS5)、選択露
光(ステップS7)の直前に昇華(ステップS6)させ
ても良い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス製
造等の微細加工分野で行われるレジスト・パターンの形
成方法に関し、特に化学増幅系レジスト膜を用いる場合
のパターン寸法および形状の雰囲気依存性を解消する方
法に関する。
造等の微細加工分野で行われるレジスト・パターンの形
成方法に関し、特に化学増幅系レジスト膜を用いる場合
のパターン寸法および形状の雰囲気依存性を解消する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造分野では、デザイン・
ルールの縮小が加速度的に進行しており、次世代の64
MDRAMでは0.35μm前後、次々世代の256M
DRAMでは0.25μm前後の最小加工寸法を達成し
得る微細加工技術が要求されている。この微細加工実現
の鍵となる技術はフォトリソグラフィであり、そのひと
つの選択肢としてKrFエキシマ・レーザ光(λ=24
8nm)等の遠紫外光源と化学増幅系レジストを用いた
遠紫外線リソグラフィに関する研究が盛んに行われてい
る。
ルールの縮小が加速度的に進行しており、次世代の64
MDRAMでは0.35μm前後、次々世代の256M
DRAMでは0.25μm前後の最小加工寸法を達成し
得る微細加工技術が要求されている。この微細加工実現
の鍵となる技術はフォトリソグラフィであり、そのひと
つの選択肢としてKrFエキシマ・レーザ光(λ=24
8nm)等の遠紫外光源と化学増幅系レジストを用いた
遠紫外線リソグラフィに関する研究が盛んに行われてい
る。
【0003】化学増幅系レジストは、露光によりレジス
ト膜内に発生した活性種が、続く露光後ベーク(PE
B)工程でベース樹脂の架橋,重合,官能基変換等のレ
ジスト反応の触媒として働くことにより、現像液に対す
る局部的な溶解度変化を生じさせるタイプのフォトレジ
スト材料である。ここで、1個の活性種はレジスト膜中
で複数個の化学反応を誘起するので、見掛け上の量子収
率は活性種発生の量子収率と活性種の拡散によって引き
起こされる反応数の積によって決まる。したがって、化
学増幅系レジストの量子収率は、せいぜい0.2〜0.
3止まりであった従来型のノボラック系レジストの量子
収率に比べて格段に高い。
ト膜内に発生した活性種が、続く露光後ベーク(PE
B)工程でベース樹脂の架橋,重合,官能基変換等のレ
ジスト反応の触媒として働くことにより、現像液に対す
る局部的な溶解度変化を生じさせるタイプのフォトレジ
スト材料である。ここで、1個の活性種はレジスト膜中
で複数個の化学反応を誘起するので、見掛け上の量子収
率は活性種発生の量子収率と活性種の拡散によって引き
起こされる反応数の積によって決まる。したがって、化
学増幅系レジストの量子収率は、せいぜい0.2〜0.
3止まりであった従来型のノボラック系レジストの量子
収率に比べて格段に高い。
【0004】活性種としては酸と塩基の両方が知られて
いるが、最初に提案され、研究も進んでいるのは酸であ
る。この酸としては、オニウム塩やスルホン酸エステル
等の光酸発生剤(PAG=Photo Acid Generator)から
分解生成するH+ (プロトン)が最も一般的である。ポ
ジ型の化学増幅系レジストでは、アルカリ可溶性樹脂の
極性基を溶解抑止基でブロックしたベース樹脂にPAG
が混合されており、露光部においてこのPAGから発生
したH+ が溶解抑止基の極性を変化させたり脱離させる
ことにより、溶解度変化が生ずるようになされている。
たとえば、極性基であるフェノール性水酸基をt−BO
C(ターシャリ・ブトキシカルボニル)基でブロックし
たレジストでは、H+ の攻撃によりフェノール性水酸基
が再生されてベース樹脂が可溶化し、イソブテンとCO
2 が放出される。
いるが、最初に提案され、研究も進んでいるのは酸であ
る。この酸としては、オニウム塩やスルホン酸エステル
等の光酸発生剤(PAG=Photo Acid Generator)から
分解生成するH+ (プロトン)が最も一般的である。ポ
ジ型の化学増幅系レジストでは、アルカリ可溶性樹脂の
極性基を溶解抑止基でブロックしたベース樹脂にPAG
が混合されており、露光部においてこのPAGから発生
したH+ が溶解抑止基の極性を変化させたり脱離させる
ことにより、溶解度変化が生ずるようになされている。
たとえば、極性基であるフェノール性水酸基をt−BO
C(ターシャリ・ブトキシカルボニル)基でブロックし
たレジストでは、H+ の攻撃によりフェノール性水酸基
が再生されてベース樹脂が可溶化し、イソブテンとCO
2 が放出される。
【0005】一方、ネガ型の化学増幅系レジストには、
(a)t−BOC基でブロックされたベース樹脂とPA
Gの2成分系からなり、t−BOC基の脱離によりベー
ス樹脂の極性変化を生じさせるタイプ、(b)ベース樹
脂,PAG,ピナコール誘導体の3成分系からなり、ピ
ナコール転移反応による極性変化を生じさせるタイプ、
(c)架橋性基を導入したベース樹脂とPAGの2成分
系からなり、露光で発生した酸によりベース樹脂の分子
内架橋が進行するタイプ、および(d)ベース樹脂,P
AG,架橋剤の3成分系からなり、露光で発生した酸に
よりベース樹脂と架橋剤との分子間架橋が進行するタイ
プ、がある。これらポジ型,ネガ型のいずれのタイプ
も、PAGから発生する酸としてH+を利用し、また反
応の結果、H+ が再生させる点で共通している。つま
り、H+は触媒作用を果たしているのである。
(a)t−BOC基でブロックされたベース樹脂とPA
Gの2成分系からなり、t−BOC基の脱離によりベー
ス樹脂の極性変化を生じさせるタイプ、(b)ベース樹
脂,PAG,ピナコール誘導体の3成分系からなり、ピ
ナコール転移反応による極性変化を生じさせるタイプ、
(c)架橋性基を導入したベース樹脂とPAGの2成分
系からなり、露光で発生した酸によりベース樹脂の分子
内架橋が進行するタイプ、および(d)ベース樹脂,P
AG,架橋剤の3成分系からなり、露光で発生した酸に
よりベース樹脂と架橋剤との分子間架橋が進行するタイ
プ、がある。これらポジ型,ネガ型のいずれのタイプ
も、PAGから発生する酸としてH+を利用し、また反
応の結果、H+ が再生させる点で共通している。つま
り、H+は触媒作用を果たしているのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、化学増幅系
レジストの反応は上述のように触媒反応であるから、微
量の活性種でも十分に反応を促進でき、高感度であるこ
とが重要なメリットとなっている。しかしその反面、活
性種が微量であるがゆえに、g線レジスト,i線レジス
トといった従来型のレジストに比べ、レジスト反応の進
行が雰囲気に大きく影響され易く、線幅安定性に劣ると
いう問題を抱えている。たとえば活性種が酸である場
合、レジスト膜から酸が雰囲気中へ向けて散逸したり、
あるいはこの酸を中和し得るような塩基性物質が雰囲気
中からレジスト膜へ向けて拡散してレジスト膜表層部の
酸濃度が低下すると、ポジ型では表面難溶化層の形成、
ネガ型ではパターン形状劣化や残膜率の減少等の不良が
発生する。
レジストの反応は上述のように触媒反応であるから、微
量の活性種でも十分に反応を促進でき、高感度であるこ
とが重要なメリットとなっている。しかしその反面、活
性種が微量であるがゆえに、g線レジスト,i線レジス
トといった従来型のレジストに比べ、レジスト反応の進
行が雰囲気に大きく影響され易く、線幅安定性に劣ると
いう問題を抱えている。たとえば活性種が酸である場
合、レジスト膜から酸が雰囲気中へ向けて散逸したり、
あるいはこの酸を中和し得るような塩基性物質が雰囲気
中からレジスト膜へ向けて拡散してレジスト膜表層部の
酸濃度が低下すると、ポジ型では表面難溶化層の形成、
ネガ型ではパターン形状劣化や残膜率の減少等の不良が
発生する。
【0007】たとえば、図9に示されるように、基板2
1上に成膜された被加工膜22の上で光酸発生型のポジ
型化学増幅系レジスト膜23またはネガ型化学増幅系レ
ジスト膜24に対して選択露光を行うと、フォトマスク
・パターンに対応した露光部23e,24eと未露光部
23u,24uとが形成される。露光部23e,24e
では、PAGの分解により酸触媒であるプロトンH+ が
発生する。上記プロトンH+ は本来、べース樹脂に結合
されている溶解抑止基の極性を変化させたり脱離させる
働きをすべき活性種であるが、レジスト膜の表面付近で
はその濃度が低下し易い。図9では、雰囲気中への散逸
状態が示されているが、雰囲気中の塩基性物質による活
性種の中和もしばしば起こる。
1上に成膜された被加工膜22の上で光酸発生型のポジ
型化学増幅系レジスト膜23またはネガ型化学増幅系レ
ジスト膜24に対して選択露光を行うと、フォトマスク
・パターンに対応した露光部23e,24eと未露光部
23u,24uとが形成される。露光部23e,24e
では、PAGの分解により酸触媒であるプロトンH+ が
発生する。上記プロトンH+ は本来、べース樹脂に結合
されている溶解抑止基の極性を変化させたり脱離させる
働きをすべき活性種であるが、レジスト膜の表面付近で
はその濃度が低下し易い。図9では、雰囲気中への散逸
状態が示されているが、雰囲気中の塩基性物質による活
性種の中和もしばしば起こる。
【0008】いずれにしても、ポジ型化学増幅系レジス
ト膜23の表層部でこのようなプロトンH+ の濃度低下
が起こると、表層部ではベース樹脂の低分子化が十分に
進行しなくなり、現像液に溶解しにくい難溶化層が形成
される。したがって、図10に示されるように、現像後
のレジスト・パターン23pは、正常なレジスト・パタ
ーン25に対して上端が庇のように張り出した、いわゆ
るT−トップと呼ばれる断面形状を呈する。表面難溶化
層が厚く形成された場合には、現像そのものが妨げられ
ることもある。
ト膜23の表層部でこのようなプロトンH+ の濃度低下
が起こると、表層部ではベース樹脂の低分子化が十分に
進行しなくなり、現像液に溶解しにくい難溶化層が形成
される。したがって、図10に示されるように、現像後
のレジスト・パターン23pは、正常なレジスト・パタ
ーン25に対して上端が庇のように張り出した、いわゆ
るT−トップと呼ばれる断面形状を呈する。表面難溶化
層が厚く形成された場合には、現像そのものが妨げられ
ることもある。
【0009】このようなポジ型化学増幅系レジスト・パ
ターン23p(以下、レジスト・パターン23pと称す
る。)をマスクとして被加工層22の異方性ドライエッ
チングを行うと、図11に示されるように、形成される
被加工膜パターン22pの線幅は設計寸法に対して正の
寸法変換差Δwを生じたものとなる。これは、プラズマ
中からのイオンの入射方向がウェハに対してほぼ垂直に
制御されている異方性エッチング条件下では、被加工膜
パターン22pの線幅がレジスト・パターン23pの上
端の幅でほぼ規定されてしまうからである。
ターン23p(以下、レジスト・パターン23pと称す
る。)をマスクとして被加工層22の異方性ドライエッ
チングを行うと、図11に示されるように、形成される
被加工膜パターン22pの線幅は設計寸法に対して正の
寸法変換差Δwを生じたものとなる。これは、プラズマ
中からのイオンの入射方向がウェハに対してほぼ垂直に
制御されている異方性エッチング条件下では、被加工膜
パターン22pの線幅がレジスト・パターン23pの上
端の幅でほぼ規定されてしまうからである。
【0010】一方、レジスト・パターンの形状劣化は、
ネガ型化学増幅系レジスト膜を用いた場合にも生ずる。
図12は、表層部でプロトンH+ の濃度低下が生じたネ
ガ型化学増幅系レジスト膜24を現像した後の状態を示
したものである。ネガ型レジストにおけるプロトンH+
は本来、べース樹脂の難溶化または架橋を促進すべき活
性種であるが、その濃度の低下によりこれらの化学反応
が促進されなくなる。したがって、得られるネガ型化学
増幅系レジスト・パターン(以下、レジスト・パターン
24pと称する。)は、正常なレジスト・パターン25
に比べて膜減りを生じたものとなる。
ネガ型化学増幅系レジスト膜を用いた場合にも生ずる。
図12は、表層部でプロトンH+ の濃度低下が生じたネ
ガ型化学増幅系レジスト膜24を現像した後の状態を示
したものである。ネガ型レジストにおけるプロトンH+
は本来、べース樹脂の難溶化または架橋を促進すべき活
性種であるが、その濃度の低下によりこれらの化学反応
が促進されなくなる。したがって、得られるネガ型化学
増幅系レジスト・パターン(以下、レジスト・パターン
24pと称する。)は、正常なレジスト・パターン25
に比べて膜減りを生じたものとなる。
【0011】上記のレジスト・パターン24pを異方性
ドライエッチングのマスクとして用いると、矩形パター
ンに比べてイオン入射を多く受けるためにマスクが膜減
りを一層早く起こすようになる。このため、図13に示
されるように、形成される被加工膜パターン22pの線
幅は設計寸法に対して負の寸法変換差−Δwを生じたも
のとなる。
ドライエッチングのマスクとして用いると、矩形パター
ンに比べてイオン入射を多く受けるためにマスクが膜減
りを一層早く起こすようになる。このため、図13に示
されるように、形成される被加工膜パターン22pの線
幅は設計寸法に対して負の寸法変換差−Δwを生じたも
のとなる。
【0012】プロトンH+ を中和して失活させるような
雰囲気中の塩基性物質は、基板の疎水化処理に用いられ
るHMDS(ヘキサメチルジシラザン),レジスト現像
液,クリーン・ルームの壁紙の接着剤中に含まれるアミ
ン等の蒸気であり、クリーン・ルーム内に数〜数十pp
bのオーダーで含まれている。このような極微量の塩基
性物質を雰囲気中から除去することは、設備,費用の両
面で困難である。そこで、レジスト膜の表面に樹脂コー
ティングを施して大気遮断を行う方法も提案されている
が、操作が煩雑でスループットを低下させる虞れが大き
く、量産ラインへの導入は難しい。そこで本発明は、化
学増幅系レジスト材料を用いた場合にも、簡便な操作に
より雰囲気の影響を排した正確なパターン形成を行うこ
とを可能とする方法を提供することを目的とする。
雰囲気中の塩基性物質は、基板の疎水化処理に用いられ
るHMDS(ヘキサメチルジシラザン),レジスト現像
液,クリーン・ルームの壁紙の接着剤中に含まれるアミ
ン等の蒸気であり、クリーン・ルーム内に数〜数十pp
bのオーダーで含まれている。このような極微量の塩基
性物質を雰囲気中から除去することは、設備,費用の両
面で困難である。そこで、レジスト膜の表面に樹脂コー
ティングを施して大気遮断を行う方法も提案されている
が、操作が煩雑でスループットを低下させる虞れが大き
く、量産ラインへの導入は難しい。そこで本発明は、化
学増幅系レジスト材料を用いた場合にも、簡便な操作に
より雰囲気の影響を排した正確なパターン形成を行うこ
とを可能とする方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のレジスト・パタ
ーン形成方法は、基板上で化学増幅系レジスト材料の塗
布、プリベーク、選択露光、PEB、現像の一連の工程
を経る中で、イオウ系保護膜を用いて化学増幅系レジス
ト膜の表面の大気遮断を行うことにより、上述の目的を
達成しようとするものである。このイオウ系保護膜は、
(a)選択露光の直後に堆積させてPEBの直前に除去
するか、あるいは(b)プリベークを終了して前記基板
を冷却した後に堆積させて選択露光の直前に除去する。
もちろん、上記(a)と(b)の両方を行っても良い。
ーン形成方法は、基板上で化学増幅系レジスト材料の塗
布、プリベーク、選択露光、PEB、現像の一連の工程
を経る中で、イオウ系保護膜を用いて化学増幅系レジス
ト膜の表面の大気遮断を行うことにより、上述の目的を
達成しようとするものである。このイオウ系保護膜は、
(a)選択露光の直後に堆積させてPEBの直前に除去
するか、あるいは(b)プリベークを終了して前記基板
を冷却した後に堆積させて選択露光の直前に除去する。
もちろん、上記(a)と(b)の両方を行っても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、イオウ系保護膜が化
学増幅系レジスト膜の表面を大気から遮断する役割を果
たす。上述(a)のように選択露光とPEBの間でイオ
ウ系保護膜の堆積と除去を行う方法は、化学増幅系レジ
スト・プロセスの中でも最も雰囲気の影響が大きく現れ
る段階においてできるだけ長時間にわたってレジスト膜
表面を大気遮断するものである。この段階では、露光に
よりレジスト膜中に既に活性種が生成しているが、イオ
ウ系保護膜が存在するために、この活性種が雰囲気中へ
散逸したり、あるいは雰囲気中の化学物質との接触によ
り活性種が失活することがなくなる。
学増幅系レジスト膜の表面を大気から遮断する役割を果
たす。上述(a)のように選択露光とPEBの間でイオ
ウ系保護膜の堆積と除去を行う方法は、化学増幅系レジ
スト・プロセスの中でも最も雰囲気の影響が大きく現れ
る段階においてできるだけ長時間にわたってレジスト膜
表面を大気遮断するものである。この段階では、露光に
よりレジスト膜中に既に活性種が生成しているが、イオ
ウ系保護膜が存在するために、この活性種が雰囲気中へ
散逸したり、あるいは雰囲気中の化学物質との接触によ
り活性種が失活することがなくなる。
【0015】一方、上述(b)のようにプリベークと選
択露光の間でイオウ系保護膜の堆積と除去を行う方法で
は、イオウ系保護膜は主として雰囲気中の化学物質のレ
ジスト膜表面への吸着を防止する役割を果たす。この段
階ではまだレジスト膜中に活性種は生成していないが、
ここでもできるだけ長時間にわたってレジスト表面を大
気から遮断しておくことにより、後に生成する活性種の
失活を予防することができる。
択露光の間でイオウ系保護膜の堆積と除去を行う方法で
は、イオウ系保護膜は主として雰囲気中の化学物質のレ
ジスト膜表面への吸着を防止する役割を果たす。この段
階ではまだレジスト膜中に活性種は生成していないが、
ここでもできるだけ長時間にわたってレジスト表面を大
気から遮断しておくことにより、後に生成する活性種の
失活を予防することができる。
【0016】以上のような(a)と(b)の方法の両方
を採り入れた典型的なレジスト・パターン形成のプロセ
ス・フローを図1に示す。このフローでは、基板表面を
疎水化するためのHMDS処理(ステップS1)、レジ
スト塗布(ステップS2)、レジスト膜中の溶剤を除去
するためのプリベーク(ステップS3)、冷却(ステッ
プS4)、イオウ系保護膜の堆積(ステップS5)、イ
オウ系保護膜の昇華(ステップS6)、選択露光(ステ
ップS7)、イオウ系保護膜の堆積(ステップS8)、
イオウ系保護膜の昇華(ステップS9)、PEB(ステ
ップS10)、冷却(ステップS11)、現像(ステッ
プS12)を順に経る。ここで、上記ステップS6とス
テップS9において「イオウ系保護膜の昇華」とあるの
は、イオウ系保護膜の除去を昇華を通じて行うことを意
味する。昇華については後述する。また、参照図面があ
るステップについては、その図面番号を併記した。
を採り入れた典型的なレジスト・パターン形成のプロセ
ス・フローを図1に示す。このフローでは、基板表面を
疎水化するためのHMDS処理(ステップS1)、レジ
スト塗布(ステップS2)、レジスト膜中の溶剤を除去
するためのプリベーク(ステップS3)、冷却(ステッ
プS4)、イオウ系保護膜の堆積(ステップS5)、イ
オウ系保護膜の昇華(ステップS6)、選択露光(ステ
ップS7)、イオウ系保護膜の堆積(ステップS8)、
イオウ系保護膜の昇華(ステップS9)、PEB(ステ
ップS10)、冷却(ステップS11)、現像(ステッ
プS12)を順に経る。ここで、上記ステップS6とス
テップS9において「イオウ系保護膜の昇華」とあるの
は、イオウ系保護膜の除去を昇華を通じて行うことを意
味する。昇華については後述する。また、参照図面があ
るステップについては、その図面番号を併記した。
【0017】ところで、レジスト反応における活性種が
酸である場合には雰囲気中の塩基性物質がこれを失活さ
せる原因物質となり、活性種が塩基である場合には雰囲
気中の酸性物質が失活の原因物質となる。本発明では使
用する化学増幅系レジスト材料が酸発生型,塩基発生型
のいずれであっても良いが、雰囲気中の塩基性物質の影
響が既に現実の問題となっている酸発生型のレジスト材
料について、特に効果が高い。また、ポジ型,ネガ型の
別は問わない。
酸である場合には雰囲気中の塩基性物質がこれを失活さ
せる原因物質となり、活性種が塩基である場合には雰囲
気中の酸性物質が失活の原因物質となる。本発明では使
用する化学増幅系レジスト材料が酸発生型,塩基発生型
のいずれであっても良いが、雰囲気中の塩基性物質の影
響が既に現実の問題となっている酸発生型のレジスト材
料について、特に効果が高い。また、ポジ型,ネガ型の
別は問わない。
【0018】上記イオウ系保護膜はプラズマCVD法に
より堆積させることができ、特にハロゲン化イオウから
プラズマ中に解離生成するイオウ系堆積物を堆積させる
ことが好適である。このイオウ系堆積物としては、単体
のイオウあるいは窒化イオウを用いることができる。
より堆積させることができ、特にハロゲン化イオウから
プラズマ中に解離生成するイオウ系堆積物を堆積させる
ことが好適である。このイオウ系堆積物としては、単体
のイオウあるいは窒化イオウを用いることができる。
【0019】ハロゲン化イオウとしては、SF6 (六フ
ッ化イオウ)がシリコン系材料膜のエッチング・ガスと
して古くから知られているが、本発明ではSF6 よりも
プラズマ反応系のS/X比〔イオウ原子数とハロゲン
(X)原子数の比〕を高めることが可能な化合物を用い
てイオウの堆積効率を高める。かかるハロゲン化イオウ
とは、S2 F2 ,SF2 ,SF4 ,S2 F10,S3 Cl
2 ,S2 Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,
SBr2 から選ばれる少なくとも1種類の化合物であ
る。これらの化合物は、プラズマ中に遊離のSを放出す
る。つまり、単体のイオウを堆積させることができる。
ッ化イオウ)がシリコン系材料膜のエッチング・ガスと
して古くから知られているが、本発明ではSF6 よりも
プラズマ反応系のS/X比〔イオウ原子数とハロゲン
(X)原子数の比〕を高めることが可能な化合物を用い
てイオウの堆積効率を高める。かかるハロゲン化イオウ
とは、S2 F2 ,SF2 ,SF4 ,S2 F10,S3 Cl
2 ,S2 Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,
SBr2 から選ばれる少なくとも1種類の化合物であ
る。これらの化合物は、プラズマ中に遊離のSを放出す
る。つまり、単体のイオウを堆積させることができる。
【0020】また、上記のS/X比は、プラズマ反応系
に水素系ガスを添加することで、一層高めることができ
る。これは、水素系ガスから解離生成したH(水素)を
HがハロゲンXと結合し、これをHX(ハロゲン化水
素)の形で系外へ除去するからである。かかる水素系ガ
スとしては、H2 ,H2 S,シラン系化合物を挙げるこ
とができる。なお、H2 SはHとSの双方をプラズマ中
に放出するので、S/X比の上昇効果が極めて大きい。
に水素系ガスを添加することで、一層高めることができ
る。これは、水素系ガスから解離生成したH(水素)を
HがハロゲンXと結合し、これをHX(ハロゲン化水
素)の形で系外へ除去するからである。かかる水素系ガ
スとしては、H2 ,H2 S,シラン系化合物を挙げるこ
とができる。なお、H2 SはHとSの双方をプラズマ中
に放出するので、S/X比の上昇効果が極めて大きい。
【0021】さらに、上記のようにSが放出されるプラ
ズマ反応系にNが共存していれば、窒化イオウ(SN
x)を堆積させることができる。窒化イオウにはSとN
の組成比により様々な種類の化合物が存在するが、本発
明においてプラズマ中から主として生成させる化合物は
ポリチアジル(SN)xである。このポリマーは、結晶
状態ではS−N−S−N−…の繰り返し構造を有する共
有結合鎖が平行に配向した構造をとり、単体のSよりも
強固な保護膜となる。Nを供給するための窒素系ガスと
しては、N2 ,NF3 ,ヒドラジン等を挙げることがで
きる。なお、NH3 はSと結合して固体物質である硫化
アンモニウムを生成させるので、好ましくない。なお、
窒化イオウを生成させるためのプラズマ中にフッ素系化
学種が共存する場合には、(SN)xのS原子上にF原
子が結合したフッ化チアジルも生成し得る。また、水素
系化学種が共存する系では、チアジル水素も生成し得
る。さらに、条件によっては分子内のS原子数とN原子
数が不均衡な環状窒化イオウ化合物、あるいはこれら環
状窒化イオウ化合物のN原子上にH原子が結合したイミ
ド型の化合物等も生成可能である。
ズマ反応系にNが共存していれば、窒化イオウ(SN
x)を堆積させることができる。窒化イオウにはSとN
の組成比により様々な種類の化合物が存在するが、本発
明においてプラズマ中から主として生成させる化合物は
ポリチアジル(SN)xである。このポリマーは、結晶
状態ではS−N−S−N−…の繰り返し構造を有する共
有結合鎖が平行に配向した構造をとり、単体のSよりも
強固な保護膜となる。Nを供給するための窒素系ガスと
しては、N2 ,NF3 ,ヒドラジン等を挙げることがで
きる。なお、NH3 はSと結合して固体物質である硫化
アンモニウムを生成させるので、好ましくない。なお、
窒化イオウを生成させるためのプラズマ中にフッ素系化
学種が共存する場合には、(SN)xのS原子上にF原
子が結合したフッ化チアジルも生成し得る。また、水素
系化学種が共存する系では、チアジル水素も生成し得
る。さらに、条件によっては分子内のS原子数とN原子
数が不均衡な環状窒化イオウ化合物、あるいはこれら環
状窒化イオウ化合物のN原子上にH原子が結合したイミ
ド型の化合物等も生成可能である。
【0022】ところで、上記の単体のSや窒化イオウの
堆積は、基体(ウェハ)がこれらの昇華温度あるいは分
解温度よりも低い温度域に維持されている場合に可能で
ある。このことは逆に、基体上に堆積しているSや窒化
イオウを、その昇華温度あるいは分解温度以上に加熱す
れば、基体上にパーティクル汚染を残すことなく、容易
にこれらを除去できることをも意味している。このとき
の加熱温度は、常圧下においてSでおおよそ90℃、窒
化イオウでおおよそ130℃であり、減圧下では一層低
くなる。この温度域は、一般的なレジスト材料のPEB
温度域と同程度である。したがって、前述(a)のよう
に選択露光とPEBの間でイオウ系保護膜の堆積と除去
を行う方法においては、該イオウ系保護膜を除去するた
めの基板加熱をPEB工程の一部として行うことがで
き、スループットの向上に役立つ。
堆積は、基体(ウェハ)がこれらの昇華温度あるいは分
解温度よりも低い温度域に維持されている場合に可能で
ある。このことは逆に、基体上に堆積しているSや窒化
イオウを、その昇華温度あるいは分解温度以上に加熱す
れば、基体上にパーティクル汚染を残すことなく、容易
にこれらを除去できることをも意味している。このとき
の加熱温度は、常圧下においてSでおおよそ90℃、窒
化イオウでおおよそ130℃であり、減圧下では一層低
くなる。この温度域は、一般的なレジスト材料のPEB
温度域と同程度である。したがって、前述(a)のよう
に選択露光とPEBの間でイオウ系保護膜の堆積と除去
を行う方法においては、該イオウ系保護膜を除去するた
めの基板加熱をPEB工程の一部として行うことがで
き、スループットの向上に役立つ。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
する。
【0024】実施例1 本実施例では、被加工膜上でのポジ型化学増幅系レジス
ト膜のパターニング・プロセスについて、図2ないし図
8を参照しながら説明する。まず、図2に示されるよう
に、基板1の上に被加工膜2を成膜した。ここでは基板
1の一例としてSi基板、被加工膜2の一例としてSi
Ox層間絶縁膜を採り上げるが、この組合せは特に限定
されるものではなく、たとえば基板1が絶縁基板、被加
工膜2が導電膜であっても良い。次に、被加工膜2にH
MDS処理を施してその表面を疎水化した後、ポジ型化
学増幅系レジスト材料(和光純薬社製;WKR−PT
1)をスピンコートし、ホットプレート上で90℃,9
0秒間の露光前ベークを行い、厚さ約1μmのポジ型化
学増幅系レジスト膜3を形成した。
ト膜のパターニング・プロセスについて、図2ないし図
8を参照しながら説明する。まず、図2に示されるよう
に、基板1の上に被加工膜2を成膜した。ここでは基板
1の一例としてSi基板、被加工膜2の一例としてSi
Ox層間絶縁膜を採り上げるが、この組合せは特に限定
されるものではなく、たとえば基板1が絶縁基板、被加
工膜2が導電膜であっても良い。次に、被加工膜2にH
MDS処理を施してその表面を疎水化した後、ポジ型化
学増幅系レジスト材料(和光純薬社製;WKR−PT
1)をスピンコートし、ホットプレート上で90℃,9
0秒間の露光前ベークを行い、厚さ約1μmのポジ型化
学増幅系レジスト膜3を形成した。
【0025】さらに、上記ポジ型化学増幅系レジスト膜
3を表面を、厚さ約20nmのイオウ系保護膜4で被覆
した。上記イオウ系保護膜4として、ここではプラズマ
CVD法により単体のSを堆積させた。その堆積条件は
たとえば、 S2 F2 流量 50 SCCM 圧力 10〜100 Pa RFパワー密度 0.08 W/cm2 (13.56MHz) 基板温度 70 ℃ とした。このイオウ系保護膜4により、ポジ型化学増幅
系レジスト膜3は大気から遮断された状態となり、雰囲
気中の塩基性物質の吸着が防止された。
3を表面を、厚さ約20nmのイオウ系保護膜4で被覆
した。上記イオウ系保護膜4として、ここではプラズマ
CVD法により単体のSを堆積させた。その堆積条件は
たとえば、 S2 F2 流量 50 SCCM 圧力 10〜100 Pa RFパワー密度 0.08 W/cm2 (13.56MHz) 基板温度 70 ℃ とした。このイオウ系保護膜4により、ポジ型化学増幅
系レジスト膜3は大気から遮断された状態となり、雰囲
気中の塩基性物質の吸着が防止された。
【0026】次に、選択露光を行う直前に上記ウェハを
減圧チャンバ内のホットプレートに載置し、約90℃に
加熱することにより、図3に示されるように上記イオウ
系保護膜4を除去した。この除去のメカニズムは昇華で
ある。昇華したイオウの粒子は減圧チャンバに接続され
る排気系統に送られ、この系統に備えられた脱硫装置に
トラップされた。したがって、ウェハ上に何らパーティ
クル汚染は発生しなかった。また、上記の加熱温度はレ
ジスト材料の耐熱温度よりも低いので、ポジ型化学増幅
系レジスト膜3を何ら劣化させることもなかった。
減圧チャンバ内のホットプレートに載置し、約90℃に
加熱することにより、図3に示されるように上記イオウ
系保護膜4を除去した。この除去のメカニズムは昇華で
ある。昇華したイオウの粒子は減圧チャンバに接続され
る排気系統に送られ、この系統に備えられた脱硫装置に
トラップされた。したがって、ウェハ上に何らパーティ
クル汚染は発生しなかった。また、上記の加熱温度はレ
ジスト材料の耐熱温度よりも低いので、ポジ型化学増幅
系レジスト膜3を何ら劣化させることもなかった。
【0027】次に、図4に示されるように、ウェハを縮
小比5:1のKrFエキシマ・レーザ・ステッパにセッ
トし、フォトマスク10を介して選択露光を行った。こ
のフォトマスク10は、フォトマスク基板11上にCr
膜からなる遮光膜パターン12が1.75μm幅のライ
ン・アンド・スペース状に形成されたものである。この
露光により、ウェハ上には0.35μm幅のライン・ア
ンド・スペースの潜像が形成されるが、図4では簡単の
ためにフォトマスク上のパターンとウェハ上のパターン
を等倍で示す。この選択露光では、遮光膜パターン12
の開口部を透過した露光光hνがポジ型化学増幅系レジ
スト膜3を照射する。この露光により、ポジ型化学増幅
系レジスト膜3には露光部3eと未露光部3uの区別が
生じ、露光部3eではPAGの分解によりプロトンH+
が発生した。
小比5:1のKrFエキシマ・レーザ・ステッパにセッ
トし、フォトマスク10を介して選択露光を行った。こ
のフォトマスク10は、フォトマスク基板11上にCr
膜からなる遮光膜パターン12が1.75μm幅のライ
ン・アンド・スペース状に形成されたものである。この
露光により、ウェハ上には0.35μm幅のライン・ア
ンド・スペースの潜像が形成されるが、図4では簡単の
ためにフォトマスク上のパターンとウェハ上のパターン
を等倍で示す。この選択露光では、遮光膜パターン12
の開口部を透過した露光光hνがポジ型化学増幅系レジ
スト膜3を照射する。この露光により、ポジ型化学増幅
系レジスト膜3には露光部3eと未露光部3uの区別が
生じ、露光部3eではPAGの分解によりプロトンH+
が発生した。
【0028】露光終了後、ウェハを直ちにプラズマCV
D装置へ搬入し、前述の条件でS2F2 ガスを放電させ
ることにより、図5に示されるように、ポジ型フォトレ
ジスト膜3を再びイオウ系保護膜5で被覆した。このよ
うに、雰囲気の影響を最も大きく受けやすい状態にある
ポジ型化学増幅系レジスト膜3の表面がイオウ系保護膜
5により大気遮断されるので、プロトンH+ の濃度はレ
ジスト表層部でも深部でもほぼ一定であった。
D装置へ搬入し、前述の条件でS2F2 ガスを放電させ
ることにより、図5に示されるように、ポジ型フォトレ
ジスト膜3を再びイオウ系保護膜5で被覆した。このよ
うに、雰囲気の影響を最も大きく受けやすい状態にある
ポジ型化学増幅系レジスト膜3の表面がイオウ系保護膜
5により大気遮断されるので、プロトンH+ の濃度はレ
ジスト表層部でも深部でもほぼ一定であった。
【0029】次に、ウェハを減圧チャンバ内のホットプ
レートに載置し、100℃,90秒間のPEBを行っ
た。この工程では、図6に示されるように、イオウ系保
護膜5が昇華して除去されると共に、露光部3eにおい
てプロトンH+ を触媒としたレジスト反応が進行した。
このウェハを室温まで冷却した後、アルカリ現像液(東
京応化工業社製,NMD−W)を用いた60秒間のパド
ル現像を行った。この結果、図7に示されるように、ほ
ぼ矩形の断面形状を有する良好なレジスト・パターン3
pが形成された。
レートに載置し、100℃,90秒間のPEBを行っ
た。この工程では、図6に示されるように、イオウ系保
護膜5が昇華して除去されると共に、露光部3eにおい
てプロトンH+ を触媒としたレジスト反応が進行した。
このウェハを室温まで冷却した後、アルカリ現像液(東
京応化工業社製,NMD−W)を用いた60秒間のパド
ル現像を行った。この結果、図7に示されるように、ほ
ぼ矩形の断面形状を有する良好なレジスト・パターン3
pが形成された。
【0030】このようにして形成されたレジスト・パタ
ーン3pをマスクとして、被加工膜2のドライエッチン
グを行った。このエッチングは、たとえば有磁場マイク
ロ波プラズマ・エッチング装置を用い、次のような条件 CHF3 流量 50 SCCM マイクロ波パワー 1200 W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 180 W(800kHz) ウェハ温度 20 ℃ で行った。本発明ではレジスト・パターン3pが設計寸
法どおりに形成されているため、図8に示されるよう
に、形成された被加工膜パターン2pの寸法変換差も許
容範囲内であった。
ーン3pをマスクとして、被加工膜2のドライエッチン
グを行った。このエッチングは、たとえば有磁場マイク
ロ波プラズマ・エッチング装置を用い、次のような条件 CHF3 流量 50 SCCM マイクロ波パワー 1200 W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 180 W(800kHz) ウェハ温度 20 ℃ で行った。本発明ではレジスト・パターン3pが設計寸
法どおりに形成されているため、図8に示されるよう
に、形成された被加工膜パターン2pの寸法変換差も許
容範囲内であった。
【0031】実施例2 本実施例では、イオウ系保護膜4,5として単体のSの
堆積条件を変更した。ここでは、S2 F2 にH2 を添加
してプラズマ反応系内のS/F比を上昇させ、Sの堆積
効率を向上させた。堆積条件はたとえば、 S2 F2 流量 40 SCCM H2 流量 10 SCCM 圧力 10〜100 Pa RFパワー密度 0.08 W/cm2 (13.56MHz) 基板温度 70 ℃ とした。この他のプロセス条件は、実施例1と同じであ
る。本実施例によっても、良好な形状を有するレジスト
・パターン3pを形成することができた。
堆積条件を変更した。ここでは、S2 F2 にH2 を添加
してプラズマ反応系内のS/F比を上昇させ、Sの堆積
効率を向上させた。堆積条件はたとえば、 S2 F2 流量 40 SCCM H2 流量 10 SCCM 圧力 10〜100 Pa RFパワー密度 0.08 W/cm2 (13.56MHz) 基板温度 70 ℃ とした。この他のプロセス条件は、実施例1と同じであ
る。本実施例によっても、良好な形状を有するレジスト
・パターン3pを形成することができた。
【0032】実施例3 本実施例では、イオウ系保護膜4,5として単体のSで
はなく、窒化イオウを堆積させた。イオウ系保護膜4,
5の堆積はプラズマCVD法により行い、その堆積条件
はたとえば S2 F2 流量 50 SCCM N2 流量 10 SCCM 圧力 10〜100 Pa RFパワー密度 0.08 W/cm2 (13.56MHz) 基板温度 70 ℃ とした。このようにして形成される窒化イオウの主成分
は、ポリチアジル(SN)xであった。
はなく、窒化イオウを堆積させた。イオウ系保護膜4,
5の堆積はプラズマCVD法により行い、その堆積条件
はたとえば S2 F2 流量 50 SCCM N2 流量 10 SCCM 圧力 10〜100 Pa RFパワー密度 0.08 W/cm2 (13.56MHz) 基板温度 70 ℃ とした。このようにして形成される窒化イオウの主成分
は、ポリチアジル(SN)xであった。
【0033】また、上記イオウ系保護膜4,5の除去
は、減圧雰囲気下でウェハを120℃に加熱することに
より行った。この除去のメカニズムは昇華である。本実
施例でも、ウェハ上でパーティクル汚染を発生させるこ
となく、良好な形状を有するレジスト・パターン3pを
形成することができた。
は、減圧雰囲気下でウェハを120℃に加熱することに
より行った。この除去のメカニズムは昇華である。本実
施例でも、ウェハ上でパーティクル汚染を発生させるこ
となく、良好な形状を有するレジスト・パターン3pを
形成することができた。
【0034】以上、本発明の具体的な実施例を3例挙げ
たが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。たとえば、上述のポジ型化学増幅系レジスト材
料に替えてネガ型化学増幅系レジスト材料(シプレイ社
製,SAL−601)を使用した場合には、膜減りの無
い良好な矩形パターンを得ることができた。この他、イ
オウ系保護膜を堆積させるためのガス組成、デザイン・
ルール、各プロセスに使用する装置の種類、各プロセス
条件等の細部については、適宜変更や選択が可能であ
る。
たが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。たとえば、上述のポジ型化学増幅系レジスト材
料に替えてネガ型化学増幅系レジスト材料(シプレイ社
製,SAL−601)を使用した場合には、膜減りの無
い良好な矩形パターンを得ることができた。この他、イ
オウ系保護膜を堆積させるためのガス組成、デザイン・
ルール、各プロセスに使用する装置の種類、各プロセス
条件等の細部については、適宜変更や選択が可能であ
る。
【0035】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば化学増幅系レジストに関して従来より問題と
なっていた雰囲気依存性を、既存の装置を用いた簡便か
つ比較的低コストな方法で解決することができる。した
がって本発明は、化学増幅系レジスト材料の実用化を促
進し、これにより半導体デバイスの微細化や高集積化に
大きく貢献するものである。
明によれば化学増幅系レジストに関して従来より問題と
なっていた雰囲気依存性を、既存の装置を用いた簡便か
つ比較的低コストな方法で解決することができる。した
がって本発明は、化学増幅系レジスト材料の実用化を促
進し、これにより半導体デバイスの微細化や高集積化に
大きく貢献するものである。
【図1】本発明のレジスト・パターン形成のプロセス・
フローの一例を示す流れ図である。
フローの一例を示す流れ図である。
【図2】本発明を適用したレジスト・パターン形成プロ
セスにおいて、プリベーク後のポジ型化学増幅系レジス
ト膜の上にイオウ系保護膜を堆積させた状態を示す模式
的断面図である。
セスにおいて、プリベーク後のポジ型化学増幅系レジス
ト膜の上にイオウ系保護膜を堆積させた状態を示す模式
的断面図である。
【図3】図2のイオウ系保護膜を、選択露光の直前に昇
華させた状態を示す模式的断面図である。
華させた状態を示す模式的断面図である。
【図4】図3のポジ型化学増幅系レジスト膜に対して選
択露光を行っている状態を示す模式的断面図である。
択露光を行っている状態を示す模式的断面図である。
【図5】図4のポジ型化学増幅系レジスト膜の上に再び
イオウ系保護膜を堆積させた状態を示す模式的断面図で
ある。
イオウ系保護膜を堆積させた状態を示す模式的断面図で
ある。
【図6】図5のポジ型化学増幅系レジスト膜のポストベ
ーク(PEB)を行っている状態を示す模式的断面図で
ある。
ーク(PEB)を行っている状態を示す模式的断面図で
ある。
【図7】図6のポジ型化学増幅系レジスト膜を現像して
レジスト・パターンを形成した状態を示す模式的断面図
である。
レジスト・パターンを形成した状態を示す模式的断面図
である。
【図8】図7のレジスト・パターンをマスクとするドラ
イエッチングにより、設計寸法どおりの被加工膜パター
ンが形成された状態を示す模式的断面図である。
イエッチングにより、設計寸法どおりの被加工膜パター
ンが形成された状態を示す模式的断面図である。
【図9】従来のレジスト・パターン形成プロセスにおい
て、選択露光後の化学増幅系レジスト膜から酸触媒が雰
囲気中へ散逸している状態を示す模式的断面図である。
て、選択露光後の化学増幅系レジスト膜から酸触媒が雰
囲気中へ散逸している状態を示す模式的断面図である。
【図10】ポジ型化学増幅系レジスト膜の現像後に、い
わゆるT−トップ形状を有するレジスト・パターンが形
成された状態を示す模式的断面図である。
わゆるT−トップ形状を有するレジスト・パターンが形
成された状態を示す模式的断面図である。
【図11】図10のレジスト・パターンをマスクとする
ドライエッチングにより、被加工膜パターンに正の寸法
変換差が発生した状態を示す模式的断面図である。
ドライエッチングにより、被加工膜パターンに正の寸法
変換差が発生した状態を示す模式的断面図である。
【図12】ネガ型化学増幅系レジスト膜の現像後に、膜
減りが生じた状態を示す模式的断面図である。
減りが生じた状態を示す模式的断面図である。
【図13】図12のレジスト・パターンをマスクとする
ドライエッチングにより、被加工膜パターンに負の寸法
変換差が発生した状態を示す模式的断面図である。
ドライエッチングにより、被加工膜パターンに負の寸法
変換差が発生した状態を示す模式的断面図である。
1…基板 2…被加工膜 2p…被加工膜パターン 3
…ポジ型化学増幅系レジスト膜 3e…露光部 3u…
未露光部 3p…レジスト・パターン 4,5…イオウ
系保護膜 10…フォトマスク
…ポジ型化学増幅系レジスト膜 3e…露光部 3u…
未露光部 3p…レジスト・パターン 4,5…イオウ
系保護膜 10…フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/38 511 G03F 7/38 511 H01L 21/027 H01L 21/30 563 565 568 575
Claims (16)
- 【請求項1】 基板上でレジスト塗布、プリベーク、選
択露光、ポストベーク、現像の各工程を順次経ることに
より化学増幅系レジスト膜のパターニングを行うレジス
ト・パターン形成方法であって、 選択露光の直後に前記化学増幅系レジスト膜の表面をイ
オウ系保護膜で被覆し、ポストベークの直前に該イオウ
系保護膜を除去するレジスト・パターン形成方法。 - 【請求項2】 前記イオウ系保護膜を、プラズマCVD
法により成膜する請求項1記載のレジスト・パターン形
成方法。 - 【請求項3】 前記イオウ系保護膜を、ハロゲン化イオ
ウを含むガスからプラズマ中に解離生成するイオウ系堆
積物を堆積させることにより形成する請求項2記載のレ
ジスト・パターン形成方法。 - 【請求項4】 前記ハロゲン化イオウは、S2 F2 ,S
F2 ,SF4 ,S2 F10,S3 Cl2 ,S2 Cl2 ,S
Cl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr2 から選ばれ
る少なくとも1種類の化合物である請求項3記載のレジ
スト・パターン形成方法。 - 【請求項5】 前記ハロゲン化イオウを含むガスは、S
2 F2 ,SF2 ,SF4 ,S2 F10,S3 Cl2 ,S2
Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr2
から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン化イオウと、
H2 ,H2 S,シラン系化合物から選ばれる少なくとも
1種類の水素系ガスとを含む請求項3記載のレジスト・
パターン形成方法。 - 【請求項6】 前記ハロゲン化イオウを含むガスは、S
2 F2 ,SF2 ,SF4 ,S2 F10,S3 Cl2 ,S2
Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr2
から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン化イオウと、
窒素系ガスとを含み、前記イオウ系堆積物として窒化イ
オウを堆積させる請求項3記載のレジスト・パターン形
成方法。 - 【請求項7】 前記イオウ系保護膜の除去は、前記基板
の加熱を通じた昇華または分解により行う請求項1記載
のレジスト・パターン形成方法。 - 【請求項8】 前記基板の加熱をポストベークの工程の
一部として行う請求項7記載のレジスト・パターン形成
方法。 - 【請求項9】 基板上でレジスト塗布、プリベーク、選
択露光、ポストベーク、現像の各工程を順次経ることに
より化学増幅系レジスト膜のパターニングを行うレジス
ト・パターン形成方法であって、 プリベークを終了して前記基板を冷却した後に前記化学
増幅系レジスト膜の表面をイオウ系保護膜で被覆し、選
択露光の直前に該イオウ系保護膜を除去するレジスト・
パターン形成方法。 - 【請求項10】 前記イオウ系保護膜を、プラズマCV
D法により成膜する請求項9記載のレジスト・パターン
形成方法。 - 【請求項11】 前記イオウ系保護膜を、ハロゲン化イ
オウを含むガスからプラズマ中に解離生成するイオウ系
堆積物を堆積させることにより形成する請求項10記載
のレジスト・パターン形成方法。 - 【請求項12】 前記ハロゲン化イオウは、S2 F2 ,
SF2 ,SF4 ,S2F10,S3 Cl2 ,S2 Cl2 ,
SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr2から選ば
れる少なくとも1種類の化合物である請求項11記載の
レジスト・パターン形成方法。 - 【請求項13】 前記ハロゲン化イオウを含むガスは、
S2 F2 ,SF2 ,SF4 ,S2 F10,S3 Cl2 ,S
2 Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2,SBr
2 から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン化イオウ
と、H2 ,H2 S,シラン系化合物から選ばれる少なく
とも1種類の水素系ガスとを含む請求項11記載のレジ
スト・パターン形成方法。 - 【請求項14】 前記ハロゲン化イオウを含むガスは、
S2 F2 ,SF2 ,SF4 ,S2 F10,S3 Cl2 ,S
2 Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2,SBr
2 から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン化イオウ
と、窒素系ガスとを含み、前記イオウ系堆積物として窒
化イオウを堆積させる請求項11記載のレジスト・パタ
ーン形成方法。 - 【請求項15】 前記イオウ系保護膜の除去は、前記基
板の加熱を通じた昇華または分解により行う請求項9記
載のレジスト・パターン形成方法。 - 【請求項16】 前記加熱を前記化学増幅系レジスト膜
の耐熱温度以下の温度域で行う請求項15記載のレジス
ト・パターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8214694A JPH1063001A (ja) | 1996-08-14 | 1996-08-14 | レジスト・パターン形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8214694A JPH1063001A (ja) | 1996-08-14 | 1996-08-14 | レジスト・パターン形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1063001A true JPH1063001A (ja) | 1998-03-06 |
Family
ID=16660062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8214694A Pending JPH1063001A (ja) | 1996-08-14 | 1996-08-14 | レジスト・パターン形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1063001A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006049330A1 (ja) * | 2004-11-08 | 2006-05-11 | Fujifilm Corporation | 露光装置 |
JP2010161162A (ja) * | 2009-01-07 | 2010-07-22 | Tokyo Electron Ltd | 微細パターンの形成方法 |
WO2015129505A1 (ja) * | 2014-02-28 | 2015-09-03 | 富士フイルム株式会社 | パターン形成方法、処理剤、電子デバイス及びその製造方法 |
WO2016017415A1 (ja) * | 2014-08-01 | 2016-02-04 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理方法、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム |
-
1996
- 1996-08-14 JP JP8214694A patent/JPH1063001A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10303058B2 (en) | 2014-02-28 | 2019-05-28 | Fujifilm Corporation | Pattern forming method, treating agent, electronic device, and method for manufacturing the same |
WO2016017415A1 (ja) * | 2014-08-01 | 2016-02-04 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理方法、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム |
JP2016035956A (ja) * | 2014-08-01 | 2016-03-17 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び基板処理システム |
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