JPH1048832A - レジスト・パターン形成方法 - Google Patents

レジスト・パターン形成方法

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JPH1048832A
JPH1048832A JP20830296A JP20830296A JPH1048832A JP H1048832 A JPH1048832 A JP H1048832A JP 20830296 A JP20830296 A JP 20830296A JP 20830296 A JP20830296 A JP 20830296A JP H1048832 A JPH1048832 A JP H1048832A
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JP
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film
sulfur
resist
resist pattern
chemically amplified
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JP20830296A
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Junichi Sato
淳一 佐藤
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Original Assignee
Sony Corp
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学増幅系レジスト材料からなるレジスト・
パターンの形状の下地依存性を解消する。 【解決手段】 ポジ型化学増幅系レジスト膜4の下地が
SiN膜2のようにN原子上の孤立電子対に由来して塩
基性を呈する膜である場合、両膜の間にイオウ系保護膜
3を介在させ、レジスト膜内にレジスト可溶化反応の酸
触媒として発生するプロトンH+ のSiN膜2への拡散
を防止する。レジスト膜厚方向での酸濃度が一定となる
ため、良好な矩形のレジスト・パターン4pが形成でき
る。イオウ系保護膜3は、S2 2 あるいはこれにN2
を添加したガスを用いたプラズマCVD法で単体のイオ
ウ(S)または窒化イオウを堆積させて形成し、レジス
ト・パターン4p形成後の露出部は、レジスト・パター
ン4pの耐熱温度範囲内で基板を加熱して昇華除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス製
造等の微細加工分野で行われるレジスト・パターンの形
成方法に関し、特に化学増幅系レジスト膜を用いる場合
のパターン形状の下地依存性を解消する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造分野では、デザイン・
ルールの縮小が加速度的に進行しており、次世代の64
MDRAMでは0.35μm前後、次々世代の256M
DRAMでは0.25μm前後の最小加工寸法を達成し
得る微細加工技術が要求されている。この微細加工実現
の鍵となる技術はフォトリソグラフィであり、そのひと
つの選択肢としてKrFエキシマ・レーザ光(λ=24
8nm)等の遠紫外光源と化学増幅系レジストを用いた
遠紫外線リソグラフィに関する研究が盛んに行われてい
る。
【0003】化学増幅系レジストは、露光によりレジス
ト膜内に発生した活性種が、続く露光後ベーク(PE
B)工程でベース樹脂の架橋,重合,官能基変換等のレ
ジスト反応の触媒として働くことにより、現像液に対す
る局部的な溶解度変化を生じさせるタイプのフォトレジ
スト材料である。ここで、1個の活性種はレジスト膜中
で複数個の化学反応を誘起するので、見掛け上の量子収
率は活性種発生の量子収率と活性種の拡散によって引き
起こされる反応数の積によって決まる。したがって、化
学増幅系レジストの量子収率は、せいぜい0.2〜0.
3止まりであった従来型のノボラック系レジストの量子
収率に比べて格段に高い。
【0004】活性種としては酸と塩基の両方が知られて
いるが、最初に提案され、研究も進んでいるのは酸であ
る。この酸としては、オニウム塩やスルホン酸エステル
等の光酸発生剤(PAG=Photo Acid Generator)から
分解生成するH+ (プロトン)が最も一般的である。ポ
ジ型の化学増幅系レジストでは、アルカリ可溶性樹脂の
極性基を溶解抑止基でブロックしたベース樹脂にPAG
が混合されており、露光部においてこのPAGから発生
したH+ が溶解抑止基の極性を変化させたり脱離させる
ことにより、溶解度変化が生ずるようになされている。
たとえば、極性基であるフェノール性水酸基をt−BO
C(ターシャリ・ブトキシカルボニル)基でブロックし
たレジストでは、H+ の攻撃によりフェノール性水酸基
が再生されてベース樹脂が可溶化し、イソブテンとCO
2 が放出される。
【0005】一方、ネガ型の化学増幅系レジストには、
(a)t−BOC基でブロックされたベース樹脂とPA
Gの2成分系からなり、t−BOC基の脱離によりベー
ス樹脂の極性変化を生じさせるタイプ、(b)ベース樹
脂,PAG,ピナコール誘導体の3成分系からなり、ピ
ナコール転移反応による極性変化を生じさせるタイプ、
(c)架橋性基を導入したベース樹脂とPAGの2成分
系からなり、露光で発生した酸によりベース樹脂の分子
内架橋が進行するタイプ、および(d)ベース樹脂,P
AG,架橋剤の3成分系からなり、露光で発生した酸に
よりベース樹脂と架橋剤との分子間架橋が進行するタイ
プ、がある。これらポジ型,ネガ型のいずれのタイプ
も、PAGから発生する酸としてH+を利用し、また反
応の結果、H+ が再生させる点で共通している。つま
り、H+は触媒作用を果たしているのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、化学増幅系
レジストの反応は上述のように触媒反応であるから、微
量の活性種でも十分に反応を促進でき、高感度であるこ
とが重要なメリットとなっている。しかしその反面、活
性種が微量であるがゆえに、g線レジスト,i線レジス
トといった従来型のレジストに比べ、下地膜である被加
工膜の表面の化学的性状にレジスト反応が極めて影響を
受け易く、線幅安定性に劣るという問題を抱えている。
以下、ポジ型化学増幅系レジストを用いた場合の問題点
について図7ないし図9を、またネガ型化学増幅系レジ
ストを用いた場合の問題点については図10および図1
1を参照しながら、それぞれ説明する。
【0007】図7は、基板21の上に絶縁膜であるSi
N膜22が形成され、さらにこの膜の上にポジ型化学増
幅系レジスト膜23が形成された基体(ウェハ)に対
し、フォトマスク30を介して選択露光を行っている状
態を示したものである。なお、この露光を通常のステッ
パ(縮小投影露光装置)を用いて行う場合、フォトマス
ク30上のパターンはウェハ上では5分の1に縮小され
るが、ここでは簡単のために両者を等倍で示す。
【0008】上記フォトマスク30は、露光光に対して
透明なフォトマスク基板31上に所定パターンを有する
Cr膜からなる遮光膜パターン32が形成されたもので
あり、この遮光膜パターン32の開口部を透過した露光
光hνがポジ型化学増幅系レジスト膜23を照射する。
この露光により、ポジ型化学増幅系レジスト膜23には
露光部23eと未露光部23uの区別が生じ、露光部2
3eではPAGの分解によりプロトンH+ が発生する。
上記プロトンH+ は本来、べース樹脂に結合されている
溶解抑止基の極性を変化させたり脱離させる働きをすべ
き活性種であるが、SiN膜22との界面付近に存在す
るH+ はSiN膜22中へ拡散し、そこでトラップされ
てしまう。これは、SiN膜22を構成するSiN結晶
のN原子上の孤立電子対がブレンステッド塩基、すなわ
ちプロトン受容体として作用するためである。このた
め、SiN膜22との界面近傍ではプロトンH+ の濃度
が低下し、ベース樹脂の可溶化が十分に進行しなくな
る。
【0009】このようなポジ型化学増幅系レジスト膜2
3をPEBを経て現像すると、図8に示されるように、
SiN膜22との界面付近で裾引き形状を有するレジス
ト・パターン23pが形成されてしまう。このようなレ
ジスト・パターン23pをマスクとしてSiN膜22の
異方性ドライエッチングを行うと、図9に示されるよう
に、形成されるSiN膜パターン22pの線幅は設計寸
法に対して正の寸法変換差を生じたものとなる。これ
は、プラズマ中からのイオンの入射方向がウェハに対し
てほぼ垂直に制御されている異方性エッチング条件下で
は、SiN膜パターン22pの線幅がレジスト・パター
ン23pの裾幅でほぼ規定されてしまうからである。な
お、上述のプロトンH+ 濃度がより著しく低下すると、
現像後にSiN膜22を全く露出させることができず、
したがって異方性エッチングそのものが不可能となる場
合もある。
【0010】上述のようなポジ型化学増幅系レジスト膜
のパターンの裾引き形状は、SiN膜上のみならず、T
iN膜やBPSG膜上でも生ずることが知られている。
TiN膜の影響は、上述と同じく窒素原子上の孤立電子
対によるものと考えられるが、BPSG膜の影響につい
ては、その表面に吸着されたアンモニアによる中和作用
によるものとの報告がある。かかる裾引き形状は、活性
種を失活させる虞れがない単結晶Si基板上では発生し
ない。
【0011】一方、レジスト・パターンの形状異常は、
ネガ型化学増幅系レジスト膜を用いた場合にも生ずる。
図10は、前掲の図7に示したポジ型化学増幅系レジス
ト膜23に替えて、ネガ型化学増幅系レジスト膜24を
形成したウェハに対し、同じフォトマスク30を介して
選択露光を行っている状態を示したものである。この露
光により、ネガ型化学増幅系レジスト膜24には露光部
24eと未露光部24uの区別が生じ、露光部24eで
はPAGの分解によりプロトンH+ が発生する。
【0012】上記プロトンH+ は本来、べース樹脂の難
溶化または架橋を促進すべき活性種であるが、SiN膜
22との界面付近に存在するH+ はSiN膜22中へ拡
散し、前述の理由によりトラップされてしまう。このた
め、SiN膜22との界面近傍ではプロトンH+ の濃度
が低下し、ベース樹脂の難溶化または架橋が進行しなく
なる。このようなネガ型化学増幅系レジスト膜24をP
EBを経て現像すると、図11に示されるように、Si
N膜22との界面付近でノッチ(切欠き)形状を有する
レジスト・パターン24pが形成されてしまう。
【0013】上述のようなネガ型化学増幅系レジスト膜
のパターンのノッチ形状は、SiN膜上のみならず、S
OG(スピン・オン・グラス)膜上でも生ずることが知
られている。これは、SOGの膜質が粗であり、活性種
の拡散を促進させ易いことが原因であると考えられてい
る。なお、かかるノッチ形状は、単結晶Si基板上では
やはり発生しない。
【0014】このように、従来の化学増幅系レジストを
用いたレジスト・パターニングには、レジスト・パター
ンの形状が下地である被加工膜の表面の化学的性状に依
存するという問題があった。この問題を解決するための
被加工膜表面の前処理として、酸性溶液処理や酸素プラ
ズマ処理も提案されている。しかし、前者にはクリーン
・ルーム内で装置の占有面積が大きくなり、またドライ
処理に比べてスループットが低下すること、後者には耐
酸化性を持たない被加工膜上では適用できないこと、と
いう問題が個々に存在し、所望の効果を得るには至って
いないのが現状である。そこで、本発明はこの問題を解
決し、いかなる被加工膜の上であっても高い形状安定性
と寸法安定性をもってレジスト・パターンを形成するこ
とが可能な方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のレジスト・パタ
ーン形成方法は、被加工膜上に直接に化学増幅系レジス
ト膜を成膜するのではなく、この被加工膜の表面を予め
イオウ系保護膜でパッシベートし、活性種を失活させる
虞れのある該表面との接触を遮断した状態で露光から現
像までの一連の工程を行うことにより、上述の目的を達
成しようとするものである。このイオウ系保護膜の露出
部は、レジスト・パターンが完成された後に該パターン
に悪影響を与えない手段により選択的に除去する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の基本的な考え方は、化学
増幅系レジスト膜とその下地である被加工膜との間に活
性種の拡散を遮断することが可能なイオウ系保護膜を設
け、これにより被加工膜との界面近傍における活性種の
濃度低下を防止し、得られるレジスト・パターンの形状
異常を防止することにある。レジスト膜がポジ型であれ
ば裾引き形状が、ネガ型であればノッチ形状がそれぞれ
防止され、垂直壁を有するレジスト・パターンを形成す
ることができる。
【0017】特に、上記の活性種がPAGから生成する
プロトンH+ のような酸である場合、少なくとも表面が
塩基性を呈する被加工膜はこの酸を失活させる虞れが大
きいので、上記のイオウ系保護膜が効果を発揮する。こ
こで、被加工膜の表面の塩基性は、塩基性の外来物質の
吸着によりもたらされるものであっても、被加工膜の材
料そのものの性質に由来するものであっても良い。吸着
される外来物質としては、クリーンルーム内に残留する
アンモニアやHMDS(ヘキサメチルジシラザン)等の
蒸気が考えられる。また、被加工膜がSiN,SiO
N,TiN,TiON等のように、結晶構造中に孤立電
子対を有する窒素原子を含む場合には、この孤立電子対
がプロトン受容体あるいは電子供与体として働くので、
被加工膜自身が塩基性を呈することになる。ただし、T
iN膜,TiON膜を金属配線膜の反射防止膜として用
いるプロセスでは、この上にイオウ系保護膜を成膜して
しまうと反射防止効果が損なわれるので、本発明を適用
することはできない。
【0018】前記イオウ系保護膜は、プラズマCVD法
により成膜することができ、特にハロゲン化イオウから
プラズマ中に解離生成するイオウ系堆積物を堆積させる
ことにより形成することが好適である。このイオウ系堆
積物としては、単体のイオウあるいは窒化イオウを用い
ることができる。
【0019】ハロゲン化イオウとしては、SF6 (六フ
ッ化イオウ)がシリコン系材料膜のエッチング・ガスと
して古くから知られているが、本発明ではSF6 よりも
プラズマ反応系のS/X比〔イオウ原子数とハロゲン
(X)原子数の比〕を高めることが可能な化合物を用い
てイオウの堆積効率を高める。かかるハロゲン化イオウ
とは、S2 2 ,SF2 ,SF4 ,S2 10,S3 Cl
2 ,S2 Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2
SBr2 から選ばれる少なくとも1種類の化合物であ
る。これらの化合物は、プラズマ中に遊離のSを放出す
る。つまり、単体のイオウを堆積させることができる。
【0020】また、上記のS/X比は、プラズマ反応系
に水素系ガスを添加することで、一層高めることができ
る。これは、水素系ガスから解離生成したH(水素)を
HがハロゲンXと結合し、これをHX(ハロゲン化水
素)の形で系外へ除去するからである。かかる水素系ガ
スとしては、H2 ,H2 S,シラン系化合物を挙げるこ
とができる。なお、H2 SはHとSの双方をプラズマ中
に放出するので、S/X比の上昇効果が極めて大きい。
【0021】さらに、上記のようにSが放出されるプラ
ズマ反応系にNが共存していれば、窒化イオウ(SN
x)を堆積させることができる。窒化イオウにはSとN
の組成比により様々な種類の化合物が存在するが、本発
明においてプラズマ中から主として生成させる化合物は
ポリチアジル(SN)xである。このポリマーは、結晶
状態ではS−N−S−N−…の繰り返し構造を有する共
有結合鎖が平行に配向した構造をとり、単体のSよりも
強固な保護膜となる。Nを供給するための窒素系ガスと
しては、N2 ,NF3 ,ヒドラジン等を挙げることがで
きる。NH3 はSと結合して固体物質である硫化アンモ
ニウムを生成させるので、好ましくない。なお、窒化イ
オウを生成させるためのプラズマ中にフッ素系化学種が
共存する場合には、(SN)xのS原子上にF原子が結
合したフッ化チアジルも生成し得る。また、水素系化学
種が共存する系では、チアジル水素も生成し得る。さら
に、条件によっては分子内のS原子数とN原子数が不均
衡な環状窒化イオウ化合物、あるいはこれら環状窒化イ
オウ化合物のN原子上にH原子が結合したイミド型の化
合物等も生成可能である。
【0022】ところで、上記の単体のSや窒化イオウの
堆積は、基体(ウェハ)がこれらの昇華温度あるいは分
解温度よりも低い温度域に維持されている場合に可能で
ある。このことは逆に、基体上に堆積しているSや窒化
イオウを、その昇華温度あるいは分解温度以上に加熱す
れば、基体上にパーティクル汚染を残すことなく、容易
にこれらを除去できることをも意味している。このとき
の加熱温度は、常圧下においてSでおおよそ90℃、窒
化イオウでおおよそ130℃であり、減圧下では一層低
くなる。この温度域は、一般的なレジスト材料のPEB
温度域と同程度である。したがって、レジスト・パター
ンを形成した後にイオウ系保護膜の露出部を選択的に除
去する際に基体の加熱を行ったとしても、レジスト・パ
ターンの形状に悪影響が及ぼされる懸念はない。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0024】実施例1 本実施例では、SiN膜上でのポジ型化学増幅系レジス
ト膜のパターニング・プロセスについて、図1ないし図
6を参照しながら説明する。図1は、基板1の上に絶縁
膜としてたとえば厚さ約500nmのSiN膜2を成膜
し、さらにこの表面をたとえば厚さ約20nmのイオウ
系保護膜3で被覆した状態を示している。ここで、上記
SiN膜2の成膜はたとえばLPCVD法により行うこ
とができ、その条件はたとえば、 SiH2 Cl2 流量 50 SCCM NH3 流量 200 SCCM N2 流量 2000 SCCM 圧力 70 Pa 基板温度 760 ℃ とした。
【0025】また、上記イオウ系保護膜3としては、こ
こではプラズマCVD法により単体のSを堆積させた。
その堆積条件はたとえば、 S2 2 流量 50 SCCM 圧力 10〜100 Pa RFパワー密度 0.08 W/cm2 (13.56MHz) 基板温度 70 ℃ とした。
【0026】次に、図2に示されるように、上記イオウ
系保護膜3の上にポジ型化学増幅系レジスト材料(和光
純薬社製;WKR−PT1)をスピンコートし、ホット
プレート上で90℃,90秒間の露光前ベークを行い、
厚さ約1μmのポジ型化学増幅系レジスト膜4を形成し
た。この状態のウェハを縮小比5:1のKrFエキシマ
・レーザ・ステッパにセットし、フォトマスク10を介
して選択露光を行った。このフォトマスク10は、フォ
トマスク基板11上にCr膜からなる遮光膜パターン1
2が1.75μm幅のライン・アンド・スペース状に形
成されたものである。この露光により、ウェハ上には
0.35μm幅のライン・アンド・スペースの潜像が形
成されるが、図では簡単のためにフォトマスク上のパタ
ーンとウェハ上のパターンを等倍で示す。
【0027】この選択露光では、遮光膜パターン12の
開口部を透過した露光光hνがポジ型化学増幅系レジス
ト膜4を照射する。この露光により、ポジ型化学増幅系
レジスト膜4には露光部4eと未露光部4uの区別が生
じ、露光部4eではPAGの分解によりプロトンH+
発生した。しかし、本発明ではSiN膜2の表面がイオ
ウ系保護膜3で被覆されているために、このプロトンH
+ がSiN膜2側へ拡散してそこにトラップされてしま
うことはなく、プロトンH+ 濃度はポジ型化学増幅系レ
ジスト膜4の膜厚方向の全体にわたって均一に保たれ
た。
【0028】露光終了後、100℃,90秒間のPEB
を経て、アルカリ現像液(東京応化工業社製,NMD−
W)を用いた60秒間のパドル現像を行った。この結
果、図3に示されるように、ほぼ矩形の断面形状を有す
る良好なレジスト・パターン4pが形成された。この時
点で、各パターン間のスペースにはイオウ系保護膜3が
露出した。
【0029】そこで次に、減圧チャンバ内でウェハを9
0℃に加熱し、図4に示されるようにイオウ系保護膜3
の露出部を除去した。この除去のメカニズムは昇華であ
る。昇華したイオウの粒子は減圧チャンバに接続される
排気系統に送られ、この系統に備えられた脱硫装置にト
ラップされた。したがって、ウェハ上に何らパーティク
ル汚染は発生しなかった。また、上記の加熱温度はレジ
スト材料の耐熱温度よりも低いので、すでに形成されて
いるレジスト・パターン4pの形状を何ら劣化させるこ
ともなかった。この結果、イオウ系保護膜3は、レジス
ト・パターン4pに遮蔽された部分のみがイオウ系保護
膜パターン3pとして残存することになる。
【0030】このようにして形成されたレジスト・パタ
ーン4pをマスクとして、SiN膜2のドライエッチン
グを行った。このエッチングは、たとえば有磁場マイク
ロ波プラズマ・エッチング装置を用い、次のような条件 CHF3 流量 50 SCCM マイクロ波パワー 1200 W(2.45GHz) RFバイアス・パワー 180 W(800kHz) ウェハ温度 20 ℃ で行った。本発明ではレジスト・パターン4pが設計寸
法どおりに形成されているため、形成されたSiN膜パ
ターン2pの寸法変換差も許容範囲内であった。
【0031】エッチング終了後、通常のO2 プラズマ・
アッシングを行ってレジスト・パターン4pを除去し
た。このとき、このレジスト・パターン4pの下側のイ
オウ系保護膜3pも同時に除去された。この除去のメカ
ニズムは燃焼であり、ウェハ上には最終的に何ら汚染が
生じなかった。
【0032】実施例2 本実施例では、イオウ系保護膜3として単体のSの堆積
条件を変更した。ここでは、S2 2 にH2 を添加して
プラズマ反応系内のS/F比を上昇させ、Sの堆積効率
を向上させた。堆積条件はたとえば、 S2 2 流量 40 SCCM H2 流量 10 SCCM 圧力 10〜100 Pa RFパワー密度 0.08 W/cm2 (13.56MHz) 基板温度 70 ℃ とした。この他のプロセス条件は、実施例1と同じであ
る。本実施例によっても、良好な形状を有するレジスト
・パターン4pを形成することができた。
【0033】実施例3 本実施例では、イオウ系保護膜3として単体のSではな
く、窒化イオウを堆積させた。ここでは、実施例1とプ
ロセスの異なる部分についてのみ説明する。イオウ系保
護膜3の堆積はプラズマCVD法により行い、その堆積
条件はたとえば S2 2 流量 50 SCCM N2 流量 10 SCCM 圧力 10〜100 Pa RFパワー密度 0.08 W/cm2 (13.56MHz) 基板温度 70 ℃ とした。このようにして形成される窒化イオウの主成分
は、ポリチアジル(SN)xであった。
【0034】また、ポジ型化学増幅系レジスト膜4の現
像を終了した後のイオウ系保護膜3の露出部の除去は、
減圧雰囲気下でウェハを120℃に加熱することにより
行った。この除去のメカニズムは昇華である。本実施例
でも、ウェハ上でパーティクル汚染を発生させることな
く、良好な形状を有するレジスト・パターン4pを形成
することができた。なお、このイオウ系保護膜3は、窒
化膜2のドライエッチング後に行われるO2 プラズマ・
アッシングにより、レジスト・パターン4pと同時に除
去することができた。
【0035】以上、本発明の具体的な実施例を3例挙げ
たが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。たとえば、上述のポジ型化学増幅系レジスト材
料に替えてネガ型化学増幅系レジスト材料(シプレイ社
製,SAL−601)を使用した場合には、ノッチ形状
の無い良好な矩形パターンを得ることができた。また、
本発明によるレジスト・パターン形成を、SiN膜に替
えてSiON膜,TiN膜,TiON膜のように結晶構
造そのものに起因して塩基性を呈する膜の上、あるいは
SOGやBPSG膜のように塩基性物質の表面吸着によ
り塩基性を呈する膜の上で行った場合にも、イオウ系保
護膜が良好な活性種の遮断効果を発揮し、同様に良好な
レジスト・パターンを形成することができた。この他、
イオウ系保護膜を堆積させるためのガス組成、デザイン
・ルール、各プロセスに使用する装置の種類、各プロセ
ス条件等の細部については、適宜変更や選択が可能であ
る。
【0036】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば化学増幅系レジストに関して従来より問題と
なっていたパターン形状の下地依存性を、既存の装置を
用いた簡便かつ比較的低コストな方法で解決することが
できる。したがって本発明は、化学増幅系レジスト材料
の実用化を促進し、これにより半導体デバイスの微細化
や高集積化に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をSiN膜上でのレジスト・パターニン
グに適用したプロセス例において、SiN膜をイオウ系
保護膜で被覆した状態を示す模式的断面図である。
【図2】図1のイオウ系保護膜の上にポジ型化学増幅系
レジスト膜を成膜し、フォトマスクを介して選択露光を
行っている状態を示す模式的断面図である。
【図3】図2のポジ型化学増幅系レジスト膜のPEBお
よび現像を経てレジスト・パターンを形成した状態を示
す模式的断面図である。
【図4】加熱により図3のイオウ系保護膜の露出部を選
択的に除去している状態を示す模式的断面図である。
【図5】図4のレジスト・パターンをマスクとしてSi
N膜のドライエッチングを行った状態を示す模式的断面
図である。
【図6】図5のレジスト・パターンおよびイオウ系保護
膜パターンを除去した状態を示す模式的断面図である。
【図7】SiN膜上でレジスト・パターニングを行う従
来のプロセス例において、ポジ型化学増幅系レジスト膜
に対して選択露光を行っている状態を示す模式的断面図
である。
【図8】図7のポジ型化学増幅系レジスト膜のPEBお
よび現像を経て、裾引き形状を有するレジスト・パター
ンが形成された状態を示す模式的断面図である。
【図9】図8のレジスト・パターンをマスクとするドラ
イエッチングにより、設計寸法より線幅の広いSiN膜
パターンが形成された状態を示す模式的断面図である。
【図10】SiN膜上でレジスト・パターニングを行う
従来のプロセス例において、ネガ型化学増幅系レジスト
膜に対して選択露光を行っている状態を示す模式的断面
図である。
【図11】図10のネガ型化学増幅系レジスト膜のPE
Bおよび現像を経て、ノッチ形状を有するレジスト・パ
ターンが形成された状態を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1…基板 2…SiN膜 2p…SiN膜パターン 3
…イオウ系保護膜 3p…イオウ系保護膜パターン 4
…ポジ型化学増幅系レジスト膜 4e…露光部 4u…未露光部 4p…レジスト・パターン 10…フ
ォトマスク
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/30 570

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工膜上で化学増幅系レジスト膜のパ
    ターニングを行うレジスト・パターン形成方法であっ
    て、 前記被加工膜をイオウ系保護膜で被覆する第1工程と、 前記イオウ系保護膜の上に化学増幅系レジスト膜を成膜
    する第2工程と、 前記化学増幅系レジスト膜に対して選択露光と露光後ベ
    ークと現像とを行うことにより、レジスト・パターンを
    形成する第3工程と、 前記イオウ系保護膜の露出部を選択的に除去する第4工
    程とを有するレジスト・パターン形成方法。
  2. 【請求項2】 前記化学増幅系レジスト膜が光化学反応
    により活性種として酸を発生させ、被加工膜の少なくと
    も表面が塩基性を呈することを特徴とする請求項1記載
    のレジスト・パターン形成方法。
  3. 【請求項3】 前記被加工膜が、その結晶構造中に孤立
    電子対を有する窒素原子を含むことを特徴とする請求項
    2記載のレジスト・パターン形成方法。
  4. 【請求項4】 前記イオウ系保護膜を、プラズマCVD
    法により成膜することを特徴とする請求項1記載のレジ
    スト・パターン形成方法。
  5. 【請求項5】 前記イオウ系保護膜を、ハロゲン化イオ
    ウを含むガスからプラズマ中に解離生成するイオウ系堆
    積物を堆積させることにより形成することを特徴とする
    請求項4記載のレジスト・パターン形成方法。
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン化イオウは、S2 2 ,S
    2 ,SF4 ,S2 10,S3 Cl2 ,S2 Cl2 ,S
    Cl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr2 から選ばれ
    る少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする請
    求項5記載のレジスト・パターン形成方法。
  7. 【請求項7】 前記ハロゲン化イオウを含むガスは、S
    2 2 ,SF2 ,SF4 ,S2 10,S3 Cl2 ,S2
    Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr2
    から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン化イオウと、
    2 ,H2 S,シラン系化合物から選ばれる少なくとも
    1種類の水素系ガスとを含むことを特徴とする請求項5
    記載のレジスト・パターン形成方法。
  8. 【請求項8】 前記ハロゲン化イオウを含むガスは、S
    2 2 ,SF2 ,SF4 ,S2 10,S3 Cl2 ,S2
    Cl2 ,SCl2 ,S3 Br2 ,S2 Br2 ,SBr2
    から選ばれる少なくとも1種類のハロゲン化イオウと、
    窒素系ガスとを含み、前記イオウ系堆積物として窒化イ
    オウを堆積させることを特徴とする請求項5記載のレジ
    スト・パターン形成方法。
  9. 【請求項9】 前記イオウ系保護膜の除去は、前記レジ
    スト・パターンの耐熱温度以下の温度域で基体を加熱す
    ることにより、昇華または分解を通じて行うことを特徴
    とする請求項1記載のレジスト・パターン形成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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