JP2018111111A - 金属接合体及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

金属接合体及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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浩次 山▲崎▼
Koji Yamazaki
浩次 山▲崎▼
智明 加東
Tomoaki Kato
智明 加東
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Abstract

【課題】耐熱性及び接合強度が高く且つヒートサイクル環境下でも接合強度が低下し難い、接合信頼性に優れた接合部を有する金属接合体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、2つの金属部材が固相接合部を介して接合された金属接合体の製造方法である。この製造方法では、一方の金属部材上に、Ti膜2、Cu−Zn膜3及びAg膜4aを順次形成してTi/Cu−Zn/Ag膜5を得る工程であって、Cu−Zn膜5中のZn含有量が10質量%以上39質量%以下、Ag膜4aの厚みが0.2μm以上5μm未満である工程と、他方の金属部材上にAg膜4bを形成する工程と、Ti/Cu−Zn/Ag膜5とAg膜4bとを固相接合させることにより、固相接合部としてTi/Cu−Zn/Ag−Zn膜8を形成する工程とを含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器等で用いられる、金属接合体及び半導体装置の製造方法に関する。
近年、絶縁基板上に半導体素子が搭載された半導体装置における信頼性の要求が増大しており、特に、熱膨張係数差の大きい半導体素子と絶縁基板との間の接合部に対する信頼性(以下、「接合信頼性」という。)の向上が強く要求されている。
半導体素子としては、従来、動作温度が100℃〜125℃であるシリコン(Si)及びガリウム砒素(GaAs)が一般に用いられてきた。シリコンが半導体素子として用いられる場合、半導体素子と絶縁基板との接合部を形成するために用いられる接合材料には、Sn−38Pb(質量%)、Pb−5Sn(質量%)に代表される鉛(Pb)含有半田;Sn−3Ag−0.5Cu(質量%)、Sn−9Zn(質量%)、Sn−0.7Cu(質量%)に代表される鉛フリーの(すなわち、鉛を含有しない)スズ(Sn)系半田等が主に用いられてきた。また、ガリウム砒素が半導体素子として用いられる場合、接合材料には、80Au−20Sn(質量%)、Sn−10Au(質量%)に代表される金(Au)含有半田等が主に用いられてきた。しかしながら、有害な鉛を含有する鉛含有半田には、環境負荷が増大するという問題があり、また、金含有半田には、貴金属の高騰及び埋蔵量の観点から、コストが増大するという問題があった。そのため、従来の接合材料としては、鉛フリーのスズ系半田が、環境負荷及びコストの観点から有利であると言える。
近年、省エネルギーの観点から、次世代デバイスとして、シリコンカーバイド(SiC)及び窒化ガリウム(GaN)を半導体素子に用いた半導体装置の開発が盛んになされている。これらの半導体装置は、電力損失低減の観点から、その動作温度が175℃以上であり、将来的には250℃になるとも言われている。この半導体装置に用いられる接合材料としては、鉛フリーのスズ系半田が、環境負荷及びコストの観点から候補となり得る。しかしながら、鉛は、融点が232℃と低く、耐熱性が十分でない。特に、Sn−3Ag−0.5Cuは共晶半田であるため、融点が220℃と更に低い。また、融点が高いスズ系半田として、高融点金属であるSbをSnに添加したSn−5Sb(質量%)及びSn−10Sb(質量%)等があるけれども、これらの融点は230℃から240℃であり、耐熱性が依然として十分でない。また仮に高融点金属の添加量を増加した場合、液相線と固相線との差が広がる結果、接合時の濡れ性が低下すると共に、引け巣が発生したり、ボイドが多発したりする等の原因となる。さらに、Snは低温(例えば、氷点下以下)になると、β―Snから脆弱なα―Snに相変態するため、接合強度が低下し、接合信頼性が十分に確保されない。実際、信頼性試験の一つであるヒートサイクル試験では、スズ系半田から形成された接合部にクラックが発生し易いことも判明している。接合部にクラックが発生すると、実動作(通電)時に半導体素子の熱が伝達され難くなる結果、放熱性の低下によって接合部にクラックが更に発生し、熱暴走に繋がる可能性もある。したがって、接合部には、接合信頼性を確保する観点から、耐熱性及び接合強度が高く、ヒートサイクル環境下でも接合強度が低下し難いことが要求される。
上記の要求に対して、特許文献1では、焼結性金属又は金属ペーストと呼ばれるナノ又はマイクロサイズの金属粒子と有機溶剤とを含む接合材料が提案されている。この接合材料は、熱処理時に有機溶剤が揮発することにより、金属粒子同士が焼結して接合部を形成し、焼結(接合)後の接合部の耐熱温度が金属粒子の融点と同程度の温度(例えば、銀の場合は約960℃)となる。有機溶剤の種類にもよるけれども、有機溶剤は約200℃〜300℃で揮発するため、接合対象を劣化させない温度で接合することができ、しかも接合後は高耐熱化を図ることができる。金属粒子としては、熱伝導性、耐酸化性及びコストの観点から銀(Ag)が一般に用いられる。銀以外にも金(Au)、銅(Cu)又はニッケル(Ni)を金属粒子として用い得るけれども、金はコスト、銅は酸化による焼結密度低下、ニッケルは酸化による焼結密度低下及び熱伝導性の観点で銀よりも劣る。
しかしながら、上記の接合材料は、接合部の接合強度を十分に確保するために、金属粒子を緻密に焼結させなければならない。すなわち、金属粒子の焼結密度は、加熱のみによって向上させるのには限界があるため、焼結時に加圧することが要求される。一般に、接合部の接合強度を高めるためには、高圧力(例えば、100MPa以上)下で加圧する必要があるけれども、高圧力下で加圧すると接合対象(例えば、半導体素子)が破壊されてしまう。また、圧力を最適化しても、接合部はAgから構成されているため、接合部の接合強度はAgのバルク強度以上になることはない。そのため、この接合材料の使用は、特定の用途に限定されている。
他方、接合部の接合強度をAgのバルク強度以上にするためには、Ag中に異種の元素を拡散させて合金化すればよいと考えらえる。例えば、特許文献2には、銅に銀等の金属をメッキしたメッキ線素線又はメッキ線素線を撚り合わせた撚線と、銀等の金属をメッキした黄銅(Cu−%Zn)製の端子を、圧力を加えながら加熱することにより、導体と端子の空隙にメッキ材(銀)が液相として浸入し、この液相のメッキ金属を介して固相の導体と固相の端子の拡散を促進させ且つ圧接を行なう、端子と導体の接合方法が提案されている。すなわち、この方法は、Agが溶解する約960℃まで加熱し、圧接によって端子と導体とを接合する方法であり、端子の成分(Zn)をAg中に拡散させることができると考えられる。
特開2012−54358号公報 特開平11−176552号公報
特許文献1の接合材料は、接合条件を最適化(例えば、高温高圧条件下で焼結等)したとしても、Agのバルク強度以上の接合強度が得られず、接合信頼性が十分に確保されない。また、特許文献2の方法は、例えば、半導体素子の接合に適用した場合、Agが溶解する約960℃まで加熱した際に半導体素子が破壊されてしまう。また、特許文献2は、拡散させる成分を含む部材(端子)の組成等の特徴と、接合強度との関係についても何ら言及していない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、耐熱性及び接合強度が高く且つヒートサイクル環境下でも接合強度が低下し難い、接合信頼性に優れた接合部を有する金属接合体及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、接合対象である2つの部材上に耐熱性が高い特定の金属膜を形成した後、それらを固相接合し、特定の金属膜に特定の元素を拡散させて合金化することにより、接合部の接合強度を向上させ得ると共に、その接合強度がヒートサイクル環境下でも低下し難くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、2つの金属部材が固相接合部を介して接合された金属接合体の製造方法であって、
一方の金属部材上に、Ti膜、Cu−Zn膜及びAg膜を順次形成してTi/Cu−Zn/Ag膜を得る工程であって、前記Cu−Zn膜中のZn含有量が10質量%以上39質量%以下、前記Ag膜の厚みが0.2μm以上5μm未満である工程と、
他方の金属部材上にAg膜を形成する工程と、
前記Ti/Cu−Zn/Ag膜と前記Ag膜とを固相接合させることにより、前記固相接合部としてTi/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成する工程と
を含むことを特徴とする、金属接合体の製造方法である。
また、本発明は、半導体素子と絶縁基板とが固相接合部を介して接合された半導体装置の製造方法であって、
前記半導体素子上に、Ti膜、Cu−Zn膜及びAg膜を順次形成してTi/Cu−Zn/Ag膜を得る工程であって、前記Cu−Zn膜中のZn含有量が10質量%以上39質量%以下、前記Ag膜の厚みが0.2μm以上5μm未満である工程と、
前記絶縁基板上にAg膜を形成する工程と、
前記Ti/Cu−Zn/Ag膜と前記Ag膜とを固相接合させることにより、前記固相接合部としてTi/Cu/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成する工程と
を含むことを特徴とする、半導体装置の製造方法である。
本発明によれば、耐熱性及び接合強度が高く且つヒートサイクル環境下でも接合強度が低下し難い、接合信頼性に優れた接合部を有する金属接合体及び半導体装置の製造方法を提供することができる。
実施の形態1の半導体装置の製造方法を説明するための概略断面図である。 Cu−Zn二元系状態図である。 Ag−Zn二元系状態図である。 実施の形態2の半導体装置の製造方法を説明するための概略断面図である。
以下、本発明の金属接合体及び半導体装置の製造方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
本実施の形態における金属接合体の製造方法は、一方の金属部材上にTi/Cu−Zn/Ag膜を形成する工程と、他方の金属部材上にAg膜を形成する工程と、Ti/Cu−Zn/Ag膜とAg膜とを固相接合させることにより、固相接合部としてTi/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成する工程とを含む。
ここで、本明細書において「固相接合」とは、金属部材上に形成された各金属膜を溶融することなく固相(固体)状態のまま加熱及び加圧して接合する接合法を意味し、好ましくは金属部材上に形成された各金属膜同士を密着させて加熱及び加圧し、接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合する拡散接合法を意味する。
また、本明細書において「金属接合体」とは、2つの金属部材が固相接合部を介して接合された構造物を意味する。この金属接合体は、各種装置に適用可能であるが、半導体装置に適用するのに特に適している。以下、本実施の形態における金属接合体の製造方法について、理解し易くする観点から、半導体装置を具体例に挙げつつ説明する。
本実施の形態における製造方法は、半導体素子上にTi/Cu−Zn/Ag膜を形成する工程と、絶縁基板上にAg膜を形成する工程と、Ti/Cu−Zn/Ag膜とAg膜とを固相接合させることにより、固相接合部としてTi/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成する工程とを含む。
ここで、本明細書において「Ti/Cu−Zn/Ag膜」とは、Ti膜、Cu−Zn膜及びAg膜を含む多層膜を意味し、好ましくはTi膜、Cu−Zn膜及びAg膜からなる多層膜を意味する。
また、本明細書において「Ti/Cu−Zn/Ag−Zn膜」とは、Ti膜、Cu−Zn及びAg−Zn膜を含む多層膜を意味し、好ましくはTi膜、Cu−Zn及びAg−Zn膜からなる多層膜を意味する。ただし、「Ti/Cu−Zn/Ag−Zn膜」は、固相接合によって生成する多層膜であるため、各膜間の境界が明確でなく、また、Cu−Zn膜及びAg−Zn膜にはZnの濃度勾配が存在していてもよい(例えば、界面付近でZn濃度が高い等)ことに留意すべきである。
図1は、本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略断面図である。
図1(a)は、Ti膜2、Cu−Zn膜3及びAg膜4aを順次形成して得られたTi/Cu−Zn/Ag膜5を有する半導体素子1と、Ag膜4bが形成された絶縁基板6とを表す概略断面図である。
図1(b)は、半導体素子1上に形成されたTi/Cu−Zn/Ag膜5と、絶縁基板6上に形成されたAg膜4bとを向かい合せて積層した状態を表す概略断面図である。
図1(c)は、図1(b)の積層体を固相接合することによって、Ti膜2、Cu−Zn膜3及びAg−Zn膜7を含むTi/Cu−Zn/Ag−Zn膜8が固相接合部として形成された状態を表す概略断面図である。
ここで、本明細書において「Ti膜2」とは、Tiを主成分とする金属膜を意味し、好ましくはTiを99質量%以上含み、残部が不可避的不純物である金属膜を意味する。
また、本明細書において「Cu−Zn膜3」とは、Cu及びZnを主成分とする合金膜を意味し、好ましくはCu及びZnを99質量%以上含み、残部が不可避的不純物である合金膜を意味する。
また、本明細書において「Ag膜4a,4b」とは、Agを主成分とする金属膜を意味し、好ましくはAgを99質量%以上含み、残部が不可避的不純物である金属膜を意味する。
また、本明細書において「Ag−Zn膜7」とは、Ag及びZnを主成分とする合金膜を意味し、好ましくはAg及びZnを99質量%以上含み、残部が不可避的不純物である合金膜を意味する。
図1(a)に示される半導体素子1は、半導体ウェハ上に、Ti膜2、Cu−Zn膜3及びAg膜4aを順次形成した後、半導体ウェハをダイシングすることによって得ることができる。
半導体ウェハの材料としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。半導体ウェハの材料の例としては、Si(シリコン)、GaAs(ガリウム砒素)、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、ダイヤモンド等が挙げられる。これらの中でも、高温動作が可能であり、次世代デバイスに有用なSiC、GaN、ダイヤモンド等のワイドバンドギャップ半導体が好ましく、SiCが特に好ましい。
半導体素子1上に形成されたTi膜2は、半導体素子1とCu−Zn膜3との間の密着性を向上させる金属膜である。Ti膜2は、例えば、Siとの間でTiSiを形成し、SiCとの間でTiSi又はTiCを形成することができるため、半導体素子1との間の密着性が高くなる。
Ti膜2の厚さは、半導体素子1とCu−Zn膜3との間の密着性を向上させ得る範囲であれば特に限定されないが、半導体素子1とCu−Zn膜3との間の密着性を安定して向上させる観点から、一般的に0.01μm〜0.5μm、好ましくは0.05μm〜0.3μm、より好ましくは0.08μm〜0.2μmである。
Ti膜2上に形成されたCu−Zn膜3は、固相接合の際にAg膜4a,4bにZnを拡散させてAg膜4a,4bを合金化する金属膜である。
ここで、Cu−Zn膜3中のZnがAg膜4a,4bに拡散する理由を説明する。図2はCu−Zn二元系状態図であり、図3はAg−Zn二元系状態図である。
固相接合は、200℃以上400℃未満の温度範囲内で行われるため、この温度範囲内において、Znは、Cu中に約34質量%〜約38質量%固溶し(図2参照)、また、Ag中に約25質量%〜約29質量%固溶する(図3参照)ことが可能である。このように、Znは、Cu及びAgの両方に対して固溶限が高く、拡散し易い金属である。そのため、固相接合の際に、Cu−Zn膜3中のZnがAg膜4aに容易に拡散し、さらにZnの拡散が進行すると、絶縁基板6側のAg膜4bまでZnが拡散して合金化される。そして、Ag膜4aとAg膜4bとの間は、合金化によって接合強度が増大するため、半導体素子1と絶縁基板6との間の接合信頼性が向上する。
Cu−Zn膜3は、Zn含有量が10質量%以上39質量%以下である。Zn含有量が10質量%未満であると、Ag膜4a,4bに対するZnの拡散量が少なくなり、固相接合部の接合強度を十分に高めることができない。一方、Zn含有量が39質量%を超えると、固相接合の前にAg膜4aの表面にZnが拡散して析出してしまう。そして、Znは酸化され易い金属であるため、固相接合の際にZnの酸化膜によってAg膜4bにZnが拡散し難くなる結果、固相接合部の接合強度を十分に高めることができない。
Cu−Zn膜3の厚さは、Ag膜4a,4bに対するZnの拡散量を確保し得る範囲であれば特に限定されないが、Ag膜4a,4bに対するZnの拡散量を安定して確保する観点から、一般的に0.1μm〜1.0μm、好ましくは0.2μm〜0.8μm、より好ましくは0.3μm〜0.7μmである。
Ag膜4aは、Ag膜4bと接合され、Znの拡散によって合金化する金属膜である。
Ag膜4aの厚みは、固相接合前にZnが表面に析出することを防止すると共に、固相接合時にZnの拡散を十分に確保する観点から、0.2μm以上5μm未満である。Ag膜4aの厚みが0.2μm未満であると、固相接合の前にAg膜4aの表面にZnが析出するため、固相接合部の接合強度を十分に高めることができない。一方、Ag膜4aの厚みが5μmを超えると、固相接合時にZnがAg膜4bまで十分に拡散しないため、固相接合部の接合強度を十分に高めることができない。
半導体ウェハ上に、Ti膜2、Cu−Zn膜3及びAg膜4aを形成する方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の成膜方法を用いることができる。当該成膜方法の例としては、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、スパッタ、電解又は無電解めっき等が挙げられる。成膜条件は、使用する方法及び装置に応じて適宜設定すればよい。例えば、各金属の成膜レートを予め求めておき、各金属膜の厚さ等に応じて、成膜レートから成膜時間を算出すればよい。
半導体ウェハをダイシングする方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。具体的には、レーザー、ブレード等を用いて所定の大きさにダイシングすればよい。
他方、図1(a)に示されるように、絶縁基板6上にはAg膜4bが形成される。
絶縁基板6としては、特に限定されず、半導体素子1との接合が要求される様々な部材であり得る。絶縁基板6の例としては、DBC基板等の回路基板、金属板、セラミックス板等が挙げられる。
絶縁基板6上に形成されたAg膜4bは、Ag膜4aと接合され、Znの拡散によって合金化する金属膜である。
Ag膜4bの厚みは、Ag膜4bと接合が可能な範囲であれば特に限定されないが、一般的に0.1μm〜1.0μm、好ましくは0.2μm〜0.8μm、より好ましくは0.3μm〜0.7μmである。
絶縁基板6上にAg膜4bを形成する方法としては、特に限定されず、上記の各金属膜と同様に当該技術分野において公知の成膜方法を用いることができる。
各金属膜が形成された半導体素子1及び絶縁基板6は、図1(b)に示すように、半導体素子1上に形成されたTi/Cu−Zn/Ag膜5のAg膜4aと絶縁基板6上に形成されたAg膜4bとを向かい合せるようにして積層させる。その後、図1(c)に示すように、得られた積層体を固相接合させることにより、Ag膜4aとAg膜4bとの間が接合されると共に、Cu−Zn膜3のZnがAg膜4aとAg膜4bとの接合界面にまで拡散して合金化され、Ag−Zn膜7が生成する。生成したAg−Zn膜7は、Ag膜4a,4bに比べて接合強度が数倍であり、接合信頼性が向上する。ここで、Znは、Ag膜4aとAg膜4bとの接合界面付近まで拡散すれば、合金化によって接合強度が向上するため、Ag膜4bの全体に拡散していなくてもよい。
固相接合の方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。例えば、所定の圧力下で固相接合が可能な温度に積層体を加熱すればよい。固相接合が可能な加熱温度は、形成した金属膜の厚さ及び組成等に応じて適宜設定すればよいが、一般的に200℃以上400℃未満、好ましくは250℃以上350℃未満である。また、加圧力は、特に限定されないが、一般的に0.1MPa以上200MPa未満、好ましくは0.5MPa以上100MPa未満である。また、加熱時間は、加熱温度及び加圧力に応じて適宜設定すればよいが、一般的に1分以上60分未満、好ましくは3分以上30分未満である。
固相接合によって固相接合部としてTi/Cu−Zn/Ag−Zn膜8を形成した後、加熱を停止して冷却を行う。冷却は、強制的に冷却する必要はなく、自然冷却させればよい。
本実施の形態の半導体装置の製造方法では、蒸着等の成膜方法によって半導体素子1及び絶縁基板6上に金属膜を形成しているため、印刷等の成膜方法に比べて、均一且つ薄い金属膜を安定して形成することができ、生産安定性が高い。
また、この製造方法では、1個当たりの半導体素子1にかかる成膜コストを低減することができると共に、固相状態で接合しているため、固相接合部の厚さの制御を安定且つ容易に行うことができる。
また、半導体素子1及び絶縁基板6の最表面に形成されたAg膜4a,4bは、その表面に酸化膜が形成されることがあるが、該酸化膜は200℃以上で容易に分解されるため、固相接合の際にAg膜4a,4bを最表面に露出させることができる。したがって、Ag膜4a,4bの酸化膜の除去工程を設ける必要がないと共に、半導体素子1と絶縁基板6とを固相接合する際に加熱を大気雰囲気中で行うことができるため高価な加熱炉等も要求されない。
また、Ag膜4aとAg膜4bとの間を固相接合することにより、Cu−Zn膜3中のZnがAg膜4aとAg膜4bとの間の接合面に拡散し、合金化してAg−Zn膜7を生成することができる。このAg−Zn膜7は、Ag膜4a,4bに比べて接合強度が数倍高いため、接合信頼性を向上させることができる。
さらに、半導体素子1と絶縁基板6との間の固相接合部であるTi/Cu−Zn/Ag−Zn膜8は、耐熱性及び熱伝導性が高い材料から形成されているため、ヒートサイクル環境下でも接合強度が低下し難く、放熱性も高い。
実施の形態2.
本実施の形態における金属接合体の製造方法は、Ti膜2とCu−Zn膜3との間にCu膜及びSn膜を形成してTi/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜を得た後、Ti/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜とAg膜とを固相接合させることにより、固相接合部としてTi/Cu/Sn−Cu/Sn−Cu−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成する点で、実施の形態1における金属接合体の製造方法と異なる。
以下、本実施の形態における金属接合体の製造方法について、実施の形態1における金属接合体の製造方法と異なる点について説明し、同じ点については説明を省略する。また、理解し易くする観点から、半導体装置を具体例に挙げつつ説明する。
図4は、本実施の形態の半導体装置の製造方法を説明するための概略断面図である。
図4(a)は、Ti膜2、Cu膜9、Sn膜10、Cu−Zn膜3及びAg膜4aを順次形成して得られたTi/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜11を有する半導体素子1と、Ag膜4bが形成された絶縁基板6とを表す概略断面図である。
図4(b)は、半導体素子1上に形成されたTi/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜11と、絶縁基板6上に形成されたAg膜4bとを向かい合せて積層した状態を表す概略断面図である。
図4(c)は、図4(b)の積層体を固相接合することによって、Ti膜2、Cu膜9、Sn−Cu膜12、Sn−Cu−Zn膜13、Cu−Zn膜3及びAg−Zn膜7を含むTi/Cu/Sn−Cu/Sn−Cu−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜14が固相接合部として形成された状態を表す概略断面図である。
ここで、本明細書において「Cu膜9」とは、Cuを主成分とする金属膜を意味し、好ましくはCuを99質量%以上含み、残部が不可避的不純物である金属膜を意味する。
また、本明細書において「Sn膜10」とは、Snを主成分とする金属膜を意味し、好ましくはSnを99質量%以上含み、残部が不可避的不純物である金属膜を意味する。
また、本明細書において「Ti/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜11」とは、Ti膜2、Cu膜9、Sn膜10、Cu−Zn膜3及びAg膜4aを含む多層膜を意味し、好ましくはTi膜2、Cu膜9、Sn膜10、Cu−Zn膜3及びAg膜4aからなる多層膜を意味する。
また、本明細書において「Sn−Cu膜12」とは、Sn及びCuを主成分とする合金膜を意味し、好ましくはSn及びCuを99質量%以上含み、残部が不可避的不純物である合金膜を意味する。
また、本明細書において「Sn−Cu−Zn膜13」とは、Sn、Cu及びZnを主成分とする合金膜を意味し、好ましくはSn、Cu及びZnを99質量%以上含み、残部が不可避的不純物である合金膜を意味する。
また、本明細書において「Ti/Cu/Sn−Cu/Sn−Cu−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜14」とは、Ti膜2、Cu膜9、Sn−Cu膜12、Sn−Cu−Zn膜13、Cu−Zn膜3及びAg−Zn膜7を含む多層膜、好ましくはTi膜2、Cu膜9、Sn−Cu膜12、Sn−Cu−Zn膜13、Cu−Zn膜3及びAg−Zn膜7からなる多層膜を意味する。ただし、「Ti/Cu/Sn−Cu/Sn−Cu−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜14」は、固相接合によって生成する多層膜であるため、各膜間の境界が明確でなく、また、Cu、Sn又はZnの濃度勾配が存在していてもよい(例えば、界面付近でこれらの元素の濃度が高い等)ことに留意すべきである。
図4(a)に示される半導体素子1は、半導体ウェハ上に、Ti膜2、Cu膜9、Sn膜10、Cu−Zn膜3及びAg膜4aを順次形成した後、半導体ウェハをダイシングすることによって得ることができる。
Cu膜9は、Ti膜2とSn膜10との密着性を向上させる金属膜である。すなわち、Ti膜2上にSn膜10を設けた場合、固相接合時にSn膜10が一時的に溶融してTi膜2とSn膜10との間が剥離し易くなることがある。そこで、Ti膜2とSn膜10との間の剥離を防止する観点から、Ti膜2及びSn膜10と密着性が良好なCu膜9を設けている。
Cu膜9の厚みは、Ti膜2とSn膜10との間の密着性を向上させ得る範囲であれば特に限定されないが、Ti膜2とSn膜10との間の密着性を安定して向上させる観点から、一般的に0.1mm〜1.0mm、好ましくは0.2mm〜0.8mm、より好ましくは0.3mm〜0.7mmである。
Sn膜10は、固相接合を行い易くする金属膜である。すなわち、Snは融点が232℃であるため、Sn膜10は固相接合時に先に溶融して固相接合を促進させる役割を果たす。したがって、固相接合時の加圧力を低減することができる。具体的には、固相接合時に積層体を保持し得る程度の圧力(例えば、0.005〜0.05MPa)まで加圧力を抑えることができる。
Sn膜10の厚みは、上記の効果が得られる範囲であれば特に限定されないが、上記の効果を安定して向上させる観点から、一般的に0.1mm〜1.0mm、好ましくは0.2mm〜0.8mm、より好ましくは0.3mm〜0.7mmである。
Cu膜9及びSn膜10を形成する方法としては、特に限定されず、上記の各金属膜と同様に当該技術分野において公知の成膜方法を用いることができる。
各金属膜が形成された半導体素子1及び絶縁基板6は、図4(b)に示すように、半導体素子1上に形成されたTi/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜11のAg膜4aと絶縁基板6上に形成されたAg膜4bとを向かい合せるようにして積層させる。その後、図4(c)に示すように、得られた積層体を固相接合させることにより、Ag膜4aとAg膜4bとの間が接合されると共に、Cu−Zn膜3のZnがAg膜4bにまで拡散して合金化され、Ag−Zn膜7が生成する。なお、Znは、Ag膜4aとAg膜4bとの接合界面付近まで拡散すれば、合金化によって接合強度が向上するため、Ag膜4bの全体に拡散していなくてもよい。また、Sn膜10中のSnが固相接合時に先に溶融してCu膜9及びCu−Zn膜3に拡散して合金化され、Sn−Cu膜12及びSn−Cu−Zn膜13が生成する。このようにして、Ti/Cu/Sn−Cu/Sn−Cu−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜14が固相接合部として形成される。
固相接合の方法としては、特に限定されず、実施の形態1と同様に当該技術分野において公知の方法を用いることができるが、本実施の形態では、実施の形態1に比べて固相接合時の加圧力を固相接合時に積層体を保持し得る程度の圧力(例えば、0.005〜0.05MPa)まで低減することができる。
したがって、本実施の形態の半導体装置の製造方法では、実施の形態1の半導体装置の製造方法によって得られる効果に加えて、固相接合時に加える圧力を低減することができるため、半導体装置の製造が容易になると共に、製造コストを抑えることが可能になる。
なお、上記の実施の形態では、Ti膜2とCu−Zn膜3との間にCu膜9及びSn膜10を形成したが、Cu膜9の代わりにNi膜を形成した場合にも上記と同様の効果を得ることができる。この場合、Ti膜2とCu−Zn膜3との間にNi膜及びSn膜10を形成してTi/Ni/Sn/Cu−Zn/Ag膜を得た後、Ti/Ni/Sn/Cu−Zn/Ag膜とAg膜とを固相接合させることにより、固相接合部としてTi/Ni/Sn−Ni/Sn−Ni−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成することができる。Ni膜を用いる場合の条件等は、Cu膜9を用いる場合の条件等と同様であるため、説明を省略する。
ここで、本明細書において「Ni膜」とは、Niを主成分とする金属膜を意味し、好ましくはNiを99質量%以上含み、残部が不可避的不純物である金属膜を意味する。
また、本明細書において「Ti/Ni/Sn/Cu−Zn/Ag膜」とは、Ti膜2、Ni膜、Sn膜10、Cu−Zn膜3及びAg膜4aを含む多層膜を意味し、好ましくはTi膜2、Ni膜、Sn膜10、Cu−Zn膜3及びAg膜4aからなる多層膜を意味する。
また、本明細書において「Ti/Ni/Sn−Ni/Sn−Ni−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜」とは、Ti膜2、Ni膜、Sn−Ni膜、Sn−Ni−Zn膜、Cu−Zn膜3及びAg−Zn膜7を含む多層膜、好ましくはTi膜2、Ni膜、Sn−Ni膜、Sn−Ni−Zn膜、Cu−Zn膜3及びAg−Zn膜7からなる多層膜を意味する。ただし、「Ti/Ni/Sn−Ni/Sn−Ni−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜」は、固相接合によって生成する多層膜であるため、各膜間の境界が明確でなく、また、Ni、Sn又はZnの濃度勾配が存在していてもよい(例えば、界面付近でこれらの元素の濃度が高い等)ことに留意すべきである。
以下、実施例により本発明の詳細を説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
(サンプル1〜42)
8インチのSiCウェハ(厚み0.35mm)上に、厚みが0.1μmのTi膜、厚みが0.5μmのCu−Zn膜、及び厚みが0.18μm〜5μmのAg膜をスパッタによって順次形成した。ここで、各金属膜の厚みは、成膜時間を調整することによって制御し、Cu−Zn膜中のZn含有量は、成膜時のZn量を調整することによって0〜40質量%に調整した。その後、SiCウェハにダイヤモンドブレードを押し当てながら切削加工を行うことによって□10mmにダイシングし、Ti/Cu−Zn/Ag膜が形成された半導体素子を得た。
次に、Si板の両面にCu板がAgを主成分とするロウ材によって接合されたDBC基板(Si板:厚さ0.32mm、サイズ□21mm、Cu板:厚さ0.8mm、サイズ□20mm)上に、厚みが0.5μmのAg膜をスパッタによって形成した。
次に、半導体素子とDBC基板とをAg膜同士が向かい合うようにして積層させた後、加熱加圧装置内において、加熱温度330℃、加熱時間10分及び加圧力10MPaの条件下で接合させた。
上記で得られた各サンプルについて、接合部のシア試験を行い、接合信頼性を評価した。ここで、シア試験とは、絶縁基板(DBC基板)と接合された半導体素子の側面にシア試験ツールを接触させて横方向に平行移動させることにより、せん断(シア)力を加えて接合部の接合強度を測定する試験である。シア試験は、IEC 60749−19に従って実施した。この評価は、サンプル数を3として行い、平均値をシア強度(初期)の結果として表1に示す。シア強度(初期)は、60MPa以上であれば、初期の接合強度が良好であると考えられる。
また、上記で得られた各サンプルについてヒートサイクル試験を行った後、上記と同様にして接合部のシア試験を行った。ヒートサイクル試験は、−40℃〜175℃の間を1000回繰返し往復させた。この評価は、サンプル数を3として行い、平均値をシア強度(ヒートサイクル試験後)の結果とした。そして、シア強度(初期)に対するシア強度(ヒートサイクル試験後)の低下率を以下の式によって算出した。
(1−シア強度(ヒートサイクル試験後)/シア強度(初期))×100
この評価において、シア強度の低下率が5%以下であった場合を〇、シア強度の低下率が5%を超えた場合を×として表1に示す。シア強度の低下率が5%以下であった場合、ヒートサイクル試験を行なっても接合強度が良好であった考えられる一方、低下率が5%を超えた場合、接合部に剥離又はクラックが生じ、接合強度が低下したと考えられる。
(サンプル43〜44)
上記の方法と同様にして、Ti/Cu−Zn/Ag膜が形成された半導体素子、及びAg膜が形成されたDBC基板を得た後、それらの間をAgペースト(DOWA株式会社製Agナノペースト)を用いて接合した。ここで、Agペーストは、メタルマスク印刷で塗布し、印刷厚みを100μmに設定した。また、接合は、加熱温度250℃、加熱時間10分および加圧力10MPaの条件下で焼結させることによって行った。
得られたサンプルについて、上記と同様にして、シア強度(初期)及びシア強度(ヒートサイクル試験後)を測定すると共に、シア強度(初期)に対するシア強度(ヒートサイクル試験後)の低下率を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2018111111
表1の結果に示されているように、半導体素子上に形成されたTi/Cu−Zn/Ag膜において、Cu−Zn膜中のZn含有量が10質量%以上39質量%以下、Ag膜の厚みが0.2μm以上5μm未満であるサンプル(No.8〜11、14〜17、20〜23、26〜29及び32〜35)は、シア強度(初期)が高く、且つシア強度の低下率も少なく、接合信頼性に優れていることがわかった。
これに対して、半導体素子上に形成されたTi/Cu−Zn/Ag膜において、Cu−Zn膜中のZn含有量及びAg膜の厚みが上記範囲外であるサンプル(No.1〜7、12〜13、18〜19、24〜25、30〜31及び36〜42)は、シア強度(初期)が低いと共にシア強度の低下率も大きく、接合信頼性が十分でないことがわかった。また、Agペーストを用いて接合したサンプル(No.43〜44)も同様に、シア強度(初期)が低いと共にシア強度の低下率も大きく、接合信頼性が十分でないことがわかった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、耐熱性及び接合強度が高く且つヒートサイクル環境下でも接合強度が低下し難い、接合信頼性に優れた接合部を有する金属接合体及び半導体装置の製造方法を提供することができる。
1 半導体素子、2 Ti膜、3 Cu−Zn膜、4a,4b Ag膜、5 Ti/Cu−Zn/Ag膜、6 絶縁基板、7 Ag−Zn膜、8 Ti/Cu−Zn/Ag−Zn膜、9 Cu膜、10 Sn膜、11 Ti/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜、12 Sn−Cu膜、13 Sn−Cu−Zn膜、14 Ti/Cu/Sn−Cu/Sn−Cu−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜。

Claims (6)

  1. 2つの金属部材が固相接合部を介して接合された金属接合体の製造方法であって、
    一方の金属部材上に、Ti膜、Cu−Zn膜及びAg膜を順次形成してTi/Cu−Zn/Ag膜を得る工程であって、前記Cu−Zn膜中のZn含有量が10質量%以上39質量%以下、前記Ag膜の厚みが0.2μm以上5μm未満である工程と、
    他方の金属部材上にAg膜を形成する工程と、
    前記Ti/Cu−Zn/Ag膜と前記Ag膜とを固相接合させることにより、前記固相接合部としてTi/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成する工程と
    を含むことを特徴とする、金属接合体の製造方法。
  2. 前記Ti膜と前記Cu−Zn膜との間にCu膜及びSn膜を形成してTi/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜を得た後、前記Ti/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜と前記Ag膜とを固相接合させることにより、前記固相接合部としてTi/Cu/Sn−Cu/Sn−Cu−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載の金属接合体の製造方法。
  3. 前記Ti膜と前記Cu−Zn膜との間にNi膜及びSn膜を形成してTi/Ni/Sn/Cu−Zn/Ag膜を得た後、前記Ti/Ni/Sn/Cu−Zn/Ag膜と前記Ag膜とを固相接合させることにより、前記固相接合部としてTi/Ni/Sn−Ni/Sn−Ni−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載の金属接合体の製造方法。
  4. 半導体素子と絶縁基板とが固相接合部を介して接合された半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体素子上に、Ti膜、Cu−Zn膜及びAg膜を順次形成してTi/Cu−Zn/Ag膜を得る工程であって、前記Cu−Zn膜中のZn含有量が10質量%以上39質量%以下、前記Ag膜の厚みが0.2μm以上5μm未満である工程と、
    前記絶縁基板上にAg膜を形成する工程と、
    前記Ti/Cu−Zn/Ag膜と前記Ag膜とを固相接合させることにより、前記固相接合部としてTi/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成する工程と
    を含むことを特徴とする、半導体装置の製造方法。
  5. 前記Ti膜と前記Cu−Zn膜との間にCu膜及びSn膜を形成してTi/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜を得た後、前記Ti/Cu/Sn/Cu−Zn/Ag膜と前記Ag膜とを固相接合させることにより、前記固相接合部としてTi/Cu/Sn−Cu/Sn−Cu−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成することを特徴とする、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記Ti膜と前記Cu−Zn膜との間にNi膜及びSn膜を形成してTi/Ni/Sn/Cu−Zn/Ag膜を得た後、前記Ti/Ni/Sn/Cu−Zn/Ag膜と前記Ag膜とを固相接合させることにより、前記固相接合部としてTi/Ni/Sn−Ni/Sn−Ni−Zn/Cu−Zn/Ag−Zn膜を形成することを特徴とする、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
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