JP2015080812A - 接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】他の部材に対する損傷が少なく、接合部において優れた接続信頼性を得られる接合方法を提供する。【解決手段】実施形態の接合方法は、被接合体10、20同士を接合する接合方法であって、被接合体10の接合面11に、被接合体10の母材より硬度の低い表面軟化層12を形成する工程と、被接合体10、20の接合面11、21同士を、表面軟化層12を介して常温接合する工程とを有する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、接合方法に関する。
パワーモジュールでは、パワーデバイスとしての半導体チップと回路基板との間、及び回路基板と金属ベースの間がはんだ接合により接合され、回路基板とケースの間の空隙部にはシリコーンゲルなどが充填される。
はんだ付けに使用されるはんだは、Pb(鉛)はんだ(Pb−Sn共晶はんだ)が従来使用されてきた。このPb(鉛)はんだ(Pb−Sn共晶はんだ)は、有害物質であるPbを高い割合で含んだものであり、欧州のRoHs指令により、今後、規制対象となることが想定されている。
このため、近年、はんだ材料のPbフリー化が要求されており、Pbはんだ(Pb−Sn共晶はんだ)に代えて、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Bi系、Sn−Cu系、Sn−Zn系などのPbフリーはんだが広範囲に使用されている。
このため、近年、はんだ材料のPbフリー化が要求されており、Pbはんだ(Pb−Sn共晶はんだ)に代えて、Sn−Ag−Cu系、Sn−Ag−Bi系、Sn−Cu系、Sn−Zn系などのPbフリーはんだが広範囲に使用されている。
しかしながら、上記したCu、Ag、Sn等のはんだ材料は、将来的に枯渇することが予想されている。
また、はんだ接合では、はんだ材料を加熱溶融させる際の熱により、他の部材等に損傷が生じ易い。さらに、はんだ材料は一般に低融点であることから、常温でもクリープ変形が生じることがあり、パワーモジュールの昇温・降温サイクル(パワーサイクル)に伴ってはんだ接合部にひずみが発生したり、又ははんだが再結晶化する等の現象が生じ易い。
この場合、はんだ接合部が脆弱化して亀裂が発生・進展し易く、破断等により接続信頼性が低下するという問題がある。このため、はんだ接合に代わる、新たな接合技術の開発が求められている。
また、はんだ接合では、はんだ材料を加熱溶融させる際の熱により、他の部材等に損傷が生じ易い。さらに、はんだ材料は一般に低融点であることから、常温でもクリープ変形が生じることがあり、パワーモジュールの昇温・降温サイクル(パワーサイクル)に伴ってはんだ接合部にひずみが発生したり、又ははんだが再結晶化する等の現象が生じ易い。
この場合、はんだ接合部が脆弱化して亀裂が発生・進展し易く、破断等により接続信頼性が低下するという問題がある。このため、はんだ接合に代わる、新たな接合技術の開発が求められている。
上記したPbフリーはんだを用いることなく接合する方法として、各部材と略同等の組成を有し、かつ、各部材の母材よりも高温強度が低い材料で構成される肉盛層を介して、各部材同士の接合部を、摺動による摩擦熱で圧接接合する接合方法が提案されている。
一方、はんだ接合に代わる接合技術として、酸化銀ナノ粒子を用いた接合材料を用いる方法、又は液相拡散により接合する方法も知られている。
上述した、肉盛層を摩擦熱により圧接接合する方法では、肉盛部を溶融させる際の摩擦熱により、接合部に損傷が生じるおそれがあった。
一方、酸化銀ナノ粒子を用いた接合材料を用いる方法や液相拡散により接合する方法は、未だ発展途上にあり、繰り返し使用したときの接続信頼性に欠ける、又はコストが高くなる等の問題があり、実用化には未だ到っていないのが実情である。
本発明が解決しようとする課題は、他の部材に対する損傷が少なく、接合部において優れた接続信頼性を得られる接合方法を提供することを目的とする。
実施形態の接合方法は、被接合体同士を接合する接合方法であって、少なくとも一方の前記被接合体の接合面に、当該被接合体の母材より硬度の低い表面軟化層を形成する工程と、前記被接合体の接合面同士を、前記表面軟化層を介して常温接合する工程とを有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
以下に、第1の実施形態に係る接合方法について説明する。
以下に、第1の実施形態に係る接合方法について説明する。
図1は、実施形態に係る接合方法により得られる接合体を示す図である。
図1において、接合体100は、被接合体10と、被接合体20と、被接合体10の接合面11と被接合体20の接合面21との間に介設された表面軟化層12と、を有している。
第1の実施形態において、被接合体10の母材は、特に限定されず、例えばCu、Al、Ni、Fe等の金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものであってもよく、AlN等のセラミックを主成分とするものであってもよく、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂材料を主成分とするものであってもよい。
表面軟化層12は、被接合体10より低い硬度を有するものであり、被接合体10の母材の種類に応じて、適宜選択される。
被接合体10が、例えばCu、Al、Ni、Feから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものである場合、被接合体10の硬度は、熱処理の条件等により変動するものの、概ねHv100〜300程度であり、表面軟化層12は、この被接合体10の硬度より低い硬度を有する。
第1の実施形態において、表面軟化層12は、被接合体10より低い融点を有する金属又は合金からなる。被接合体10の母材が、例えば、Cu、Al、Ni、Feから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものである場合には、その融点は概ね600〜1100℃である。この場合、表面軟化層12としては、600〜1100℃より低い融点を有するように例えばIn、Sn、Bi、Ga、Znからなる群から選択された金属又は合金を主成分とすることができる。
第1の実施形態において、表面軟化層12は、例えば、Ga−In−Zn、Ga−Ag−In若しくはIn−Bi−Snから選択される3元系合金、又はIn−Bi、Ga−In、In−Zn、In−Sn、Al−Sn、若しくはAl−Gaから選択される2元系合金を用いることができる。
第1の実施形態において、表面軟化層12を形成する金属又は合金としては、具体的には、例えば、Ga−In−Zn(融点13℃)、Ga−Ag−In(融点14℃)、51In−32.5Bi−16.5Sn(融点62℃)、57Bi−17Sn−26In(融点78.9℃)等の三元系合金(構成成分の前に記載された数字は各構成成分の含有率(質量%))や、In−48Sn(Snを48質量%、残部がInからなる合金(融点117℃))、Bi−33In(Inを33質量%、残部がBiからなる合金(融点110℃))、In−34Bi(Biを34質量%、残部がInからなる合金(融点72℃))、Ga−24.5In(Inを24.5質量%、残部がGaからなる合金(融点15.7℃))等の二元系合金を好適に用いることができる。
以下に、図1に示す接合体100を得るための第1の実施形態に係る接合方法について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る接合方法の工程を説明するための流れ図である。
第1の実施形態においては、まず、被接合体10の接合面11(図3参照。)に、図4で示すように、被接合体10の母材よりも低い硬度を有する表面軟化層12を形成する(表面軟化層形成工程(ステップS10))。第1の実施形態においては、表面軟化層12として、例えば上記したように、被接合体10の母材より低い融点を有する金属又は合金からなる層を形成する。
表面軟化層12は、例えば、化学メッキ法、冷間クラッド法、又は拡散接合法の少なくとも1つの方法を用いて形成することができる。
表面軟化層12は、10〜500μmの厚さとすることが好ましく、50〜200μmの厚さとすることがより好ましい。表面軟化層12の厚さが10μm未満であると、後述する接合工程(ステップS11)において、被接合体10又は20に対して加圧したときに、表面軟化層12において、被接合体20の表面形状に応じた変形を十分に得られず、均一な接合強度を得られないおそれがある。一方、表面軟化層12の厚さが500μmを超えると、常温接合時に、接合面11と接合面21との間の幅が過度に大きくなり、接合状態が不安定となるおそれがある。
次に、被接合体10、20の接合面11、21同士を、表面軟化層12を介して常温接合し、接合体100を得る(接合工程(ステップS11))。
具体的には、図5に示すように、接合面11に表面軟化層12を形成した被接合体10と、他方の被接合体20とを、接合面11、21を対向させるように突き合わせた後、接合面11と接合面21とを、表面軟化層12を介して衝合させて常温接合する(図1参照。)。
以下の各実施形態において、常温接合とは、室温〜180℃以下の低温加熱下、好ましくは室温で接合する方法を示す。常温接合時の温度は、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは50℃以下である。
被接合体10の接合面11と被接合体20の接合面21との接合は、被接合体10、20のうちの少なくとも一方を所定の圧力で加圧しながら行ってもよく、さらに、被接合体10、20のうちの少なくとも一方を摺動させながら行ってもよい。
表面軟化層12を、例えば、51In−32.5Bi−16.5Sn合金で形成した場合、摺動により接合を行うことで、共晶組成が変化し、表面軟化層12としての融点が高められる。このため、高温下でも、安定した接合状態を維持することができる。
接合工程(ステップS11)は、大気圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよいが、被接合体10、20の接合をより円滑に行う観点からは、減圧下で行うことが好ましい。一方、大気圧下で接合を行う場合には、被接合体10、20のうちの一方を摺動させながら、接合を行うことが好ましい。
また、接合工程(ステップS11)は、大気下で行ってもよく、不活性雰囲気下で行ってもよいが、接合工程を円滑に進める観点からは、例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下や、水素ガス等の還元ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
第1の実施形態では、被接合体10と被接合体20とを常温接合した後(接合工程(ステップS11))、表面軟化層12の融点より高い温度で熱処理を実施することが好ましい(熱処理工程(ステップS12))。
熱処理工程(ステップS12)の熱処理の温度は、表面軟化層12の組成に応じて適宜調整されるが、概ね、100〜300℃の温度で行うことが好ましい。表面軟化層12を介して一旦接合した被接合体10、20に対して、熱処理を施すことで、表面軟化層12と、被接合体10、20の母材との間で、それぞれの構成原子の拡散が生じるため、表面軟化層12の組成を、より高融点を有する組成に変化させることができる。このため、高温下でも、安定した接合状態を維持することができるため好ましい。
接合後の熱処理を行う条件は、特に限定されないが、減圧下で行うことが好ましい。
上記した第1の実施形態によれば、はんだ材を用いることなく、常温で接合を行うため、はんだ材を加熱溶融させる際の熱による、他の部材に対する損傷を抑制することができる。また、はんだ材を用いることなく接合を行うため、はんだ接合部のクリープ変形や、これに伴うはんだ接合部の亀裂や破断等を回避することができ、接続信頼性を向上させることができる。
また、第1の実施形態では、高真空雰囲気を必要とせず、また、プラズマ等による表面活性化処理用の設備も必要としないため、接合工程を低コストで行うことができる。
また、第1の実施形態では、被接合体10の表面に、被接合体10の母材より硬度が低い表面軟化層12を形成することで、表面軟化層12を介して接合面11、21同士を衝合させ、例えば加圧及び/又は摺動させたときに、被接合体20の形状に応じて、表面軟化層12が変形する。このため、接合面21との接合面における接触面積が増大し、高い接合強度が得られる。また、表面軟化層12が被接合体20の形状に応じて変形することで、接合面において均一な荷重が付加されるため、接合強度のばらつきが抑制され、高い接続信頼性を得ることができる。さらに、被接合体10より硬度の低い表面軟化層12を形成することで、被接合体10又は20を摺動させながら接合を行った場合でも、接合体100における接合面11、接合面21間の厚さを所望の範囲に調整することができ、均一な接合体100を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る接合方法について説明する。
次に、第2の実施形態に係る接合方法について説明する。
なお、第2の実施形態においては、図1に示す接合体100を得るための接合方法について説明する。
第2の実施形態において、被接合体10の母材としては、例えばCu、Al、Ni、Fe等の金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とすることができる。
表面軟化層12は、被接合体10より低い硬度を有するものであり、第2の実施形態においては、表面軟化層12は、被接合体10の母材と同等の組成を有する金属又は合金を主成分とすることができる。
被接合体10が、例えばCu、Al、Ni、Feから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものである場合、被接合体10の硬度は、熱処理の条件等により変動するものの、概ねHv100〜300程度であり、表面軟化層12は、この被接合体10の硬度より低い硬度を有する。
図6は、第2の実施形態に係る接合方法の工程を説明するための流れ図である。
第2の実施形態においては、まず、図7に示すように、板状体13を形成する(板状体形成工程(ステップ20))。
板状体13は、被接合体10の母材と同等の組成を有する金属又は合金を板状にして形成する。
被接合体10が、例えば、Cu、Al、Ni、Feから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものである場合、板状体13としては、被接合体10の母材と略同等の組成を有する金属又は合金、すなわち、Cu、Al、Ni、Feから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分として形成することができる。
次いで、この板状体13に冷間加工を行い、板状体13を加工硬化させる(板状体冷間加工工程(ステップS21)、図8参照。)。冷間加工は、例えばプレス加工や圧延加工として行うことができる。
例えば、被接合体10がCuを主成分とするものである場合には、後述するように、冷間加工工程(ステップS21)後に行う板状体熱処理工程(ステップ23)は、200℃以下の温度で行うことが好ましいことから、板状体13に対する冷間加工は、冷間加工処理後の板状体13の再結晶化温度が200℃以下となるように、その加工率を調整して行うことが好ましい。
なお、実施形態において、加工率(%)とは、(冷間加工前の試料高さ−冷間加工後の試料高さ)/(冷間加工前の試料高さ)×100で示される値をいう。
例えば、Cuを99.96%含む導電用Cu合金(例えば、JISC1020)においては、加工率を90%以上として冷間加工を行うと、200℃以下の温度で再結晶化する。このため、上記した導電用Cu合金を板状体13の構成材料として使用する場合には、冷間加工は、加工率を90%以上として行うことが好ましい。
次いで、図9に示すように、冷間加工工程後の板状体13(図8参照。)を、例えば冷間クラッド法により、被接合体10の接合面11に貼着する(板状体貼着工程(ステップS22))。
次いで、被接合体10の接合面11に貼着した板状体13の表面に熱処理を施す(板状体熱処理工程(ステップ23))。
熱処理の方法は特に限定されないが、例えば、板状体13の表面領域のみを加熱できるヒータ等を用いて行うことができる。
接合面11に貼着された板状体13に対する熱処理は、冷間加工工程(ステップS21)後の板状体13の再結晶化温度以上の温度で行えばよいが、被接合体10に対する損傷を抑制する観点から、200℃以下の温度で行うことが好ましい。このため、板状体13の構成材料としては、冷間加工処理後において、200℃以下の再結晶化温度を得られる金属又は合金を選択することが好ましく、例えば、Cu、Alから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分として形成することが好ましい。
このように、冷間加工後の板状体13に対して、再結晶化温度以上の温度で表面に熱処理を加えることで、冷間加工により加工硬化した結晶組織が再結晶化して粗大化し、硬度が低下する。これにより、被接合体10の母材より硬度の低い表面軟化層12が形成される(図4参照)。例えば、上記した、Cuを99.96%含む導電用Cu合金(例えば、JISC1020)では、冷間加工処理前の室温(20℃程度)での硬さがHv110程度であるのに対し、冷間加工処理後、180℃で熱処理を行った後の硬度は、Hv90程度まで低減する。
被接合体10が、例えばCu、Al、Ni、Feから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものである場合、上記したように、被接合体10の硬度は、概ねHv100〜300程度であり、表面軟化層12は、この被接合体10の硬度より低い硬度とする。
表面軟化層12は、10〜500μmの厚さとすることが好ましく、50〜200μmの厚さとすることがより好ましい。表面軟化層12の厚さが10μm未満であると、後述する接合工程(ステップ24)において、被接合体10又は20に対して加圧したときに、表面軟化層12において、被接合体20の表面形状に応じた変形を十分に得られず、均一な接合強度を得られないおそれがある。
一方、表面軟化層12の厚さが500μmを超えると、常温接合時に、接合面11と接合面21との間の幅が過度に大きくなり、接合状態が不安定となるおそれがある。
一方、表面軟化層12の厚さが500μmを超えると、常温接合時に、接合面11と接合面21との間の幅が過度に大きくなり、接合状態が不安定となるおそれがある。
次に、被接合体10、20の接合面11、21同士を、表面軟化層12を介して常温接合し、接合体100を得る(接合工程(ステップ24))。
具体的には、第1の実施形態と同様、図5に示すように、接合面11に表面軟化層12を形成した被接合体10と、他方の被接合体20とを、接合面11、21を対向させるように突き合わせた後、接合面11と接合面21とを、表面軟化層12を介して衝合させて常温接合する(図1参照。)。
被接合体10の接合面11と被接合体20の接合面21との接合は、被接合体10、20のうちの少なくとも一方を所定の圧力で加圧しながら行ってもよく、さらに、被接合体10、20のうちの少なくとも一方を摺動させながら行ってもよい。
接合工程(ステップ24)は、大気圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよいが、被接合体10、20の接合をより円滑に行う観点からは、減圧下で行うことが好ましい。一方、大気圧下で接合を行う場合には、被接合体10、20のうちの一方を摺動させながら、接合を行うことが好ましい。
また、接合工程(ステップ24)は、大気下で行ってもよく、不活性雰囲気下で行ってもよいが、接合工程を円滑に進める観点からは、例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下や、水素ガス等の還元ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上記した第2の実施形態によれば、はんだ材を用いることなく、常温で接合を行うため、はんだ材を加熱溶融させる際の熱による、他の部材に対する損傷を抑制することができる。また、はんだ材を用いることなく接合を行うため、はんだ接合部のクリープ変形や、これに伴うはんだ接合部の亀裂や破断等を回避することができ、接続信頼性を向上させることができる。
また、第2の実施形態では、高真空雰囲気を必要とせず、また、プラズマ等による表面活性化処理用の設備も必要としないため、接合工程を低コストで行うことができる。
また、第2の実施形態では、被接合体10の表面に、被接合体10の母材と同等の組成を有する金属又は合金と同等の組成を有する金属又は合金からなり、かつ被接合体10の母材より硬度が低い表面軟化層12を形成することで、表面軟化層12を介して接合面11、21同士を衝合させ、例えば加圧及び/又は摺動させたときに、被接合体20の形状に応じて、表面軟化層12が変形する。このため、接合面21との接合面における接触面積が増大し、高い接合強度が得られる。また、表面軟化層12が被接合体20の形状に応じて変形することで、接合面において均一な荷重が付加されるため、接合強度のばらつきが抑制され、高い接続信頼性を得ることができる。さらに、被接合体10より硬度の低い表面軟化層12を形成することで、被接合体10又は20を摺動させながら接合を行った場合でも、接合体100における接合面11、接合面21間の厚さを所望の範囲に調整することができ、均一な接合体100を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3の実施形態に係る接合方法について説明する。
次に、第3の実施形態に係る接合方法について説明する。
なお、第3の実施形態においては、図1に示す接合体100を得るための接合方法について説明する。
第3の実施形態において、被接合体10の母材としては、例えばCu、Al、Ni、Fe等の金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とすることができる。
表面軟化層12は、被接合体10より低い硬度を有するものであり、第3の実施形態においては、表面軟化層12は、被接合体10の母材と同等の組成を有する金属又は合金を主成分としている。
被接合体10が、例えばCu、Al、Ni、Feから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものである場合、被接合体10の硬度は、上記したように、概ねHv100〜300程度であり、表面軟化層12は、この被接合体10の硬度より低い硬度を有する。
図10は、第3の実施形態に係る接合方法の工程を説明するための流れ図である。
第3の実施形態においては、まず、被処理体10に対して冷間加工を行う(冷間加工工程(ステップS30))。
冷間加工は、例えばプレス加工や圧延加工として行うことができる。この冷間加工により、被接合体10を加工硬化させる。
冷間加工の加工率は、被接合体10の母材の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、被接合体10の母材がAlを主成分とするものである場合には、後述する熱処理工程(ステップ31)後、得られる表面軟化層12において所望の硬度を得る観点から、冷間加工の加工率は、85%以上とすることが好ましく、被接合体10の母材がCuを主成分とするものである場合には、同様の観点から、冷間加工の加工率は、50%以上とすることが好ましい。
被接合体10に対して冷間加工工程(ステップS30)を行った後、後述する熱処理工程(ステップS31)を行う前に、適宜、熱間圧延加工を行ってもよい。例えば、被接合体10の母材がAlを主成分とするものである場合には、冷間圧延加工を行った後、熱間圧延加工を行うことが好ましい。この場合、Alを主成分とする被接合体10に対する熱間圧延加工処理は、350〜450℃の温度範囲で行うことが好ましい。
次に、冷間加工を施した被処理体10の接合面11に対して熱処理を施し、表面軟化層12(図4参照。)を形成する(熱処理工程(ステップ31))。
熱処理工程(ステップ31)は、例えば焼なまし処理により行うことができる。焼なまし処理の温度は、被接合体10の母材の種類に応じて、その再結晶化温度との関係で適宜設定される。例えば、被処理体10がAlを主成分とするものである場合には、100〜200℃の温度範囲で行うことが好ましく、130〜170℃の温度範囲で行うことがより好ましい。また、被処理体10がCuを主成分とするものである場合には、150〜250℃の温度範囲で行うことが好ましく、180〜220℃の温度範囲で行うことがより好ましい。
このように、冷間加工後の被接合体10の接合面11に対して、再結晶化温度以上の温度で熱処理を加えることで、冷間加工により加工硬化した結晶組織が再結晶化して粗大化し、硬度が低下する。これにより、被接合体10の接合面11に、被接合体10の母材より硬度の低い表面軟化層12が形成される(図4参照。)。
被接合体10が、例えばCu、Al、Ni、Feから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものである場合、上記したように、被接合体10の硬度は、概ねHv100〜300程度であり、表面軟化層12は、この被接合体10の硬度より低い硬度とする。
表面軟化層12は、10〜500μmの厚さとすることが好ましく、50〜200μmの厚さとすることがより好ましい。表面軟化層12の厚さが10μm未満であると、後述する接合工程(ステップS32)において、被接合体10又は20に対して加圧したときに、表面軟化層12において、被接合体20の表面形状に応じた変形を十分に得られず、均一な接合強度を得られないおそれがある。一方、表面軟化層12の厚さが500μmを超えると、常温接合時に、接合面11と接合面21との間の幅が過度に大きくなり、接合状態が不安定となるおそれがある。
次に、被接合体10、20の接合面11、21同士を、表面軟化層12を介して常温接合し、接合体100を得る(接合工程(ステップS32))。
具体的には、第1の実施形態と同様、図5に示すように、接合面11に表面軟化層12を形成した被接合体10と、他方の被接合体20とを、接合面11、21を対向させるように突き合わせた後、接合面11と接合面21とを、表面軟化層12を介して衝合させて常温接合する(図1参照)。
被接合体10の接合面11と被接合体20の接合面21との接合は、被接合体10、20のうちの少なくとも一方を所定の圧力で加圧しながら行ってもよく、さらに、被接合体10、20のうちの少なくとも一方を摺動させながら行ってもよい。
接合工程(ステップS32)は、大気圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよいが、被接合体10、20の接合をより円滑に行う観点からは、減圧下で行うことが好ましい。一方、大気圧下で接合を行う場合には、被接合体10、20のうちの一方を摺動させながら、接合を行うことが好ましい。
また、接合工程(ステップS32)は、大気下で行ってもよく、不活性雰囲気下で行ってもよいが、接合工程を円滑に進める観点からは、例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下や、水素ガス等の還元ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上記した第3の実施形態によれば、はんだ材を用いることなく、常温で接合を行うため、はんだ材を加熱溶融させる際の熱による、他の部材に対する損傷を抑制することができる。また、はんだ材を用いることなく接合を行うため、はんだ接合部のクリープ変形や、これに伴うはんだ接合部の亀裂や破断等を回避することができ、接続信頼性を向上させることができる。
また、第3の実施形態では、高真空雰囲気を必要とせず、また、プラズマ等による表面活性化処理用の設備も必要としないため、接合工程を低コストで行うことができる。
また、第3の実施形態では、被接合体10の表面に、被接合体10の母材より硬度が低い表面軟化層12を形成することで、表面軟化層12を介して接合面11、21同士を衝合させ、例えば加圧及び/又は摺動させたときに、被接合体20の形状に応じて、表面軟化層12が変形する。このため、接合面21との接合面における接触面積が増大し、高い接合強度が得られる。また、表面軟化層12が被接合体20の形状に応じて変形することで、接合面において均一な荷重が付加されるため、接合強度のばらつきが抑制され、高い接続信頼性を得ることができる。さらに、被接合体10より硬度の低い表面軟化層12を形成することで、被接合体10又は20を摺動させながら接合を行った場合でも、接合体100における接合面11、接合面21間の厚さを所望の範囲に調整することができ、均一な接合体100を得ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4の実施形態に係る接合方法について説明する。
次に、第4の実施形態に係る接合方法について説明する。
なお、第4の実施形態においては、図1に示す接合体100を得るための接合方法について説明する。
第4の実施形態において、被接合体10の母材は、特に限定されず、例えばCu、Al、等の金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものであってもよく、AlN等のセラミックを主成分とするものであってもよく、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂材料を主成分とするものであってもよい。
表面軟化層12は、被接合体10より低い硬度を有するものであり、第4の実施形態においては、表面軟化層12は、被接合体10の母材と同等の組成を有するものとしてもよく、被接合体10の母材と異なる組成を有するものとしてもよい。
被接合体10が、例えばCu、Al、Ni、Feから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものである場合、上記したように、被接合体10の硬度は、概ねHv100〜300程度であり、表面軟化層12は、この被接合体10の硬度より低い硬度を有する。
図11は、第4の実施形態に係る接合方法の工程を説明するための流れ図である。
第4の実施形態においては、まず、接合面11に対してナノドット形成を行い、表面軟化層12(図4参照。)を形成する(ナノドット形成工程(ステップS40))。
なお、実施形態において、ナノドットとは、典型的には1ナノメートルから1000ナノメートルまでの大きさの微細構造を意味する。
例えば、被接合体10が、例えばCu、Al、Ni、Feから選ばれる金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものである場合、上記したように、被接合体10の硬度は、概ねHv100〜300であり、表面軟化層12は、この被接合体10の硬度より低い硬度とする。
ナノドットは、上記したように、被接合体10の母材と同等の組成を有するもので形成してもよく、被接合体10の母材と異なる組成を有するもので形成してもよいが、被接合体10との馴染み性を向上させる観点からは、被接合体10と同等の組成を有するものでナノドットを形成することが好ましい。
例えば、被接合体10の母材と同等の組成によりナノドットを形成した場合、ナノオーダーのドットを形成することで、被接合体10の母材と比較して、常温下での融点が低下する。このため、常温下において、被接合体10の母材より低い硬度を有する表面軟化層12を形成することができる。
ナノドット形成は、例えば、自己組織化による焼なまし法、エピタキシャル成長法、又はポーラスアルミナテンプレート法を用いて行うことができる。
表面軟化層12は、10〜500μmの厚さとすることが好ましく、50〜200μmの厚さとすることがより好ましい。表面軟化層12の厚さが10μm未満であると、後述する接合工程(ステップ41)において、被接合体10又は20に対して加圧したときに、表面軟化層12において、被接合体20の表面形状に応じた変形を十分に得られず、均一な接合強度を得られないおそれがある。一方、表面軟化層12の厚さが500μmを超えると、常温接合時に、接合面11と接合面21との間の幅が過度に大きくなり、接合状態が不安定となるおそれがある。
次に、被接合体10、20の接合面11、21同士を、表面軟化層12を介して常温接合し、接合体100を得る(接合工程(ステップ41))。
具体的には、第1の実施形態と同様、図5に示すように、接合面11に表面軟化層12を形成した被接合体10と、他方の被接合体20とを、接合面11、21を対向させるように突き合わせた後、接合面11と接合面21とを、表面軟化層12を介して衝合させ、常温接合する(図1参照)。
本実施形態では、上記したように、表面軟化層12を均一なナノドットにより形成しているので、被接合体10又は20に押圧力を付与したときに、接合面21との接合面において均一な荷重を得られる。また、表面軟化層12が、接合面21に対して複数の点(ドット)で接触することで、被接合体10、20に対して付与した押圧力よりも大きい荷重が接合面21に対して付与される。このため、接合体において均一かつ高い接合強度を得ることができ、良好な接合状態を得ることができる。
被接合体10の接合面11と被接合体20の接合面21との接合は、被接合体10、20のうちの少なくとも一方を所定の圧力で加圧しながら行ってもよく、さらに、被接合体10、20のうちの少なくとも一方を摺動させながら行ってもよい。被接合体10、20のうちの少なくとも一方を摺動させることで、接合面において両者の接合が促進され、良好な接合状態を得ることができる。
接合工程(ステップ41)は、大気圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよいが、被接合体10、20の接合をより円滑に行う観点からは、減圧下で行うことが好ましい。一方、大気圧下で接合を行う場合には、被接合体10、20のうちの一方を摺動させながら、接合を行うことが好ましい。
また、接合工程(ステップ41)は、大気下で行ってもよく、不活性雰囲気下で行ってもよいが、接合工程を円滑に進める観点からは、例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下や、水素ガス等の還元ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上記した第4の実施形態によれば、はんだ材を用いることなく、常温で接合を行うため、はんだ材を加熱溶融させる際の熱による、他の部材に対する損傷を抑制することができる。また、はんだ材を用いることなく接合を行うため、はんだ接合部のクリープ変形や、これに伴うはんだ接合部の亀裂や破断等を回避することができ、接続信頼性を向上させることができる。
また、第4の実施形態では、高真空雰囲気を必要とせず、また、プラズマ等による表面活性化処理用の設備も必要としないため、接合工程を低コストで行うことができる。
また、第4の実施形態では、被接合体10の表面に、被接合体10の母材より硬度が低い表面軟化層12を形成することで、表面軟化層12を介して接合面11、21同士を衝合させ、例えば加圧及び/又は摺動させたときに、被接合体20の形状に応じて、表面軟化層12が変形する。このため、接合面21との接合面における接触面積が増大し、高い接合強度が得られる。また、表面軟化層12が被接合体20の形状に応じて変形することで、接合面において均一な荷重が付加されるため、接合強度のばらつきが抑制され、高い接続信頼性を得ることができる。さらに、被接合体10より硬度の低い表面軟化層12を形成することで、被接合体10又は20を摺動させながら接合を行った場合でも、接合体100における接合面11、接合面21間の厚さを所望の範囲に調整することができ、均一な接合体100を得ることができる。
なお、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態において、被接合体10の母材は、特に限定されず、例えばCu、Al、Ni、Fe等の金属又はこれらの金属を含む合金を主成分とするものであってもよく、AlN等のセラミックを主成分とするものであってもよく、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂材料を主成分とするものであってもよい。
上記した第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態では、被接合体10の接合面11に表面軟化層12を形成する態様を例に説明したが、表面軟化層12は、被接合体20の接合面21に形成するようにしてもよく、被接合体10の接合面11、被接合体20の接合面21の双方の形成するようにしてもよい。
上記した実施形態の接合方法は、例えば、図12に示す構成の半導体装置の製造工程において適用することができる。
すなわち、図12に示す半導体装置50は、例えばSiN等のセラミックからなる絶縁基板51の表面及び裏面に、例えばCuからなる配線層52が形成された実装基板53と、配線層52上に載置された、Si、SiC又はGaN等からなる半導体素子54と、半導体素子54と配線層52とを接続するAlワイヤ55と、実装基板53を支持するベース板56と、実装基板53を覆うようにベース板56上に設置されたケース57と、を有している。ベース板56には、サーマルグリース58を介して、実装基板53からの熱を放散するヒートシンク59が接合されており、ケース57内には、例えばシリコーンゲル等からなるゲル60が充填されている。
図12に示す半導体装置50の製造方法においては、まず、表面軟化層61を形成したベース板56を、上記した実施形態に係る接合方法により、他方の被接合体である実装基板53(絶縁基板51の表面及び裏面に配線層52が形成された基板)と接合する。さらに、実装基板53とベース板56との接合面の反対側の面に表面軟化層62を形成した実装基板53を、上記した実施形態に係る接合方法により、他方の被接合体である半導体素子54と接合する。
図12においては、ベース板56の接合面に表面軟化層61を形成し、このベース板56を、実装基板53と接合して得られた半導体装置50の例を示したが、ベース板56と実装基板53との接合は、表面軟化層61を、実装基板53の接合面に形成して行うことも可能である。
ベース板56の接合面に表面軟化層12を形成する場合には、上記した第1の実施形態乃至第4の実施形態のいずれの形態の接合方法も適用することが可能である。一方、実装基板53の接合面に表面軟化層12を形成する場合には、第1の実施形態又は第4の実施形態の接合方法を適用することが可能である。
ベース板56の接合面に表面軟化層12を形成する場合には、上記した第1の実施形態乃至第4の実施形態のいずれの形態の接合方法も適用することが可能である。一方、実装基板53の接合面に表面軟化層12を形成する場合には、第1の実施形態又は第4の実施形態の接合方法を適用することが可能である。
また、図12においては、実装基板53の接合面に表面軟化層62を形成し、この実装基板53を、半導体素子54と接合して得られた半導体装置50の例を示したが、実装基板53と半導体素子54との接合は、表面軟化層62を、半導体素子54の接合面に形成して行うことも可能である。ただし、表面軟化層62の形成し易さの面からは、実装基板53の接合面に表面軟化層62を形成することが好ましい。
実装基板53の接合面に表面軟化層12を形成する場合、及び半導体素子54の接合面に表面軟化層12を形成する場合には、上記した第1の実施形態又は第4の実施形態を適用することが可能である。
実装基板53の接合面に表面軟化層12を形成する場合、及び半導体素子54の接合面に表面軟化層12を形成する場合には、上記した第1の実施形態又は第4の実施形態を適用することが可能である。
次いで、ベース板56を、サーマルグリース58を介して、ヒートシンク59と接合した後、実装基板53を覆うようにケース57を設置し、ケース57内にゲル60を注入する。
上記した各実施形態に係る接合方法は、例えば、電気鉄道車両や電気自動車などの長期の信頼性と耐環境変動性が要求される分野の機器や、家電機器などに使用されるパワーモジュールの製造に適用することができる。また、これ以外にも、上記した各実施形態に係る接合方法は、医療用診断装置として活用されている磁気共鳴イメージング(以下、MRI装置という。)やX線CT装置の製造工程において、Al、Cu又はこれらの複合材料からなるコイルの接合にも適用することができる。また、上記した各実施形態に係る接合方法は、発電機等に用いられる回転機の製造工程において、樹脂材料製の軸受けと金属材料との接合などにも適用することができる。
(接合強度の評価)
以下に、2枚の銅板を接合した接合体について、接合強度の評価を行った。
以下に、2枚の銅板を接合した接合体について、接合強度の評価を行った。
まず、純度99.96%(例えば、JISC1020)の2枚の銅板(厚さ1000μm、硬度Hv100)を用意した。次いで、上記した2枚の銅板(被接合体)と同じ組成を有する銅製の板状体(厚さ1mm)を用意し、この板状体に対して、加工率90%で冷間圧延加工を行った。この銅製の板状体を、冷間クラッド法により、銅板の一方の主面に貼着した後、板状体の表面を、200℃の温度で2時間保持して熱処理を行い、表面軟化層(硬度Hv50)を形成した。この表面軟化層を、他方の銅板の主面と突き合わせ、100℃の温度下で、2Paの圧力で加圧しつつ30秒間摺動させて、常温接合を行った。上記した接合工程を、合計15組の銅板に対して行い、15個の試験片を得た(実施例)。
一方、比較例は、以下のようにして銅板の接合を行った。すなわち、実施例で用いたのと同じ2枚の銅板を用意し、この2枚の銅板のいずれに対しても、表面軟化層の形成を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、2枚の銅板の接合を行った。上記した接合工程を、合計15組の銅板に対して行い、15個の試験片を得た(比較例)。
実施例及び比較例で得られた各試験片について、インストロン試験機を用い、引張速度20mm/sで、引張試験を行った。
図13は、実施例及び比較例において得られた各接合体の引張強度の測定結果を、ボックスプロット(boxplot)に表示したグラフ図である。
図13に示すボックスプロットは、縦軸が引張強度(MPa)を表しており、引張強度の全データを小さい方から並べたときの第1四分位点(25%点)から第3四分位点(75%点)までを「箱」形状(実線)に表示し、第1四分位点(25%点)から最小値(5%点)までの点、及び第3四分位点(75%点)から最大値(95%点)までの点をそれぞれ線で結んで「ひげ」状に表示し、中央値(50%点)を破線で表示している。また、全データの平均値は黒丸に示している。
なお、比較例においては、第1四分位点(25%点)と最小値(5%)とが一致しているため、第1四分位点(25%点)から最小値(5%)までの線は表記されない。
また、実施例においては、中央値と第1四分位点(25%点)とが一致しているため、中央値を表す破線は、「箱」形状の表13中下側の実線と一致している。
なお、比較例においては、第1四分位点(25%点)と最小値(5%)とが一致しているため、第1四分位点(25%点)から最小値(5%)までの線は表記されない。
また、実施例においては、中央値と第1四分位点(25%点)とが一致しているため、中央値を表す破線は、「箱」形状の表13中下側の実線と一致している。
実施例及び比較例で得られた各試験片の引張強度(MPa)の測定値から算出される、平均値及び標準偏差の値を、表1に示す。
銅板(被接合体)に対して表面軟化層を形成して接合を行った実施例では、図13で示すように、各接合体(各試験体)間の引張強度の値に殆どばらつきがなく、標準偏差が0.986と小さい値を得られていた。さらに、引張強度の平均値も、18.40と高い値を得られており、均一かつ良好な接合強度が得られることが確認された。
一方、表面軟化層を形成することなく接合を行った比較例では、図13で示すように、実施例と比較して、引張強度のばらつきが大きくなっており、標準偏差も3.00と高く、各接合体(各試験体)間で得られる接合強度が不均一となり易いことが確認された。
上記した実施形態によれば、他の部材に対する損傷を抑制しつつ、安定した接合状態を得ることができ、接合部において優れた接続信頼性を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
10,20…被接合体、11,21…接合面、12,61,62…表面軟化層、13…板状体、50…半導体装置、51…絶縁基板、52…配線層、53…実装基板、54…半導体素子、55…Alワイヤ、56…ベース板、57…ケース、58…サーマルグリース、59…ヒートシンク、60…ゲル、100…接合体
Claims (15)
- 被接合体同士を接合する接合方法であって、
少なくとも一方の前記被接合体の接合面に、当該被接合体の母材より硬度の低い表面軟化層を形成する工程と、
前記被接合体の接合面同士を、前記表面軟化層を介して常温接合する工程とを有することを特徴とする接合方法。 - 前記接合面に、この接合面を有する前記被接合体の母材より低い融点を有する金属又は合金からなる表面軟化層を形成することを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
- 前記表面軟化層を構成する金属又は合金は、In、Sn、Bi、Ga、Znからなる群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする請求項2に記載の接合方法。
- 前記表面軟化層を構成する合金は、In−Bi−Snからなる3元系合金、又はIn−Bi、Ga−In、In−Zn、In−Sn、Al−Sn、若しくはAl−Gaから選択される2元系合金からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の接合方法。
- 前記表面軟化層を形成する工程を、化学メッキ法、冷間クラッド法、又は拡散接合法の少なくとも1つの方法を用いて行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の接合方法。
- 前記接合工程では、前記接合面同士を常温接合した後、前記表面軟化層の融点より高い温度で熱処理を行うことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の接合方法。
- 前記表面軟化層を形成する工程は、前記被接合体の母材と同等の組成を有する金属又は合金を板状体に形成した後、前記板状体に冷間加工を施し、前記冷間加工後の前記板状体を前記接合面に貼着した後、前記板状体の表面に熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
- 前記冷間加工後の前記板状体の再結晶化温度を200℃以下とすることを特徴とする請求項7に記載の接合方法。
- 前記冷間加工後の前記板状体を前記接合面に貼着する工程は、冷間クラッド法を用いて行うことを特徴とする請求項7又は8に記載の接合方法。
- 前記表面軟化層を形成する工程は、前記被処理体に冷間加工を施した後、該冷間加工を施した前記被処理体の接合面に熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
- 前記表面軟化層形成工程は、Alを主成分とする前記被接合体に対して、加工率を85%以上として冷間加工を施した後、350〜450℃の温度範囲で熱間圧延加工を施し、該熱間圧延加工後の前記被接合体の前記接合面に対して、100〜200℃の温度範囲で焼なまし処理を行うことを特徴とする請求項10に記載の接合方法。
- 前記表面軟化層形成工程は、Cuを主成分とする前記被接合体に対して、加工率を50%以上として冷間加工を施した後、該冷間加工後の前記被接合体の前記接合面に対して、150〜250℃の温度範囲で焼なまし処理を施して行うことを特徴とする請求項10に記載の接合方法。
- 前記表面軟化層を形成する工程は、前記接合面に対してナノドットを形成して行うことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
- 前記ナノドットの形成は、自己組織化による焼なまし法、エピタキシャル成長法、又はポーラスアルミナテンプレート法から選択されるいずれかを用いて行うことを特徴とする請求項13に記載の接合方法。
- 前記常温接合は、180℃以下の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の接合方法。
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