JP4910789B2 - パワー素子搭載用基板およびパワー素子搭載用基板の製造方法並びにパワーモジュール - Google Patents

パワー素子搭載用基板およびパワー素子搭載用基板の製造方法並びにパワーモジュール Download PDF

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Description

この発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワー素子搭載用基板およびパワー素子搭載用基板の製造方法並びにパワーモジュールに関するものである。
この種のパワーモジュールは一般に、例えば下記特許文献1に示されるように、セラミックス板の表面に回路層がろう付けされたパワー素子搭載用基板と、回路層の表面にはんだ接合されたパワー素子とを備えている。ここで、従来では、回路層とパワー素子はPbSn系のはんだ材ではんだ接合されていたが、近年では環境問題の観点からPbを含有しないいわゆる無鉛系のはんだ材が広く採用されている。
再表03/090277号公報
しかしながら、この無鉛系のはんだ材は、PbSn系のはんだ材と比べて降伏応力やヤング率が高いので、このパワーモジュールを熱サイクル下で使用する過程において、回路層とパワー素子との間のはんだ層でクラックが進展し易くなるおそれがある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、回路層とパワー素子とをはんだ接合するのに無鉛系のはんだ材を採用しても、熱サイクル時にこのはんだ層でクラックが進展し易くなるのを抑えることができるパワー素子搭載用基板およびパワー素子搭載用基板の製造方法並びにパワーモジュールを提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明のパワー素子搭載用基板は、セラミックス板の表面に回路層がろう付けされてなり、この回路層の表面にパワー素子がはんだ接合されるパワー素子搭載用基板であって、前記回路層は、全体の平均純度が98.0wt%以上99.9wt%以下のAl合金により形成されるとともに、前記セラミックス板とのろう付け面側に含まれるFeの濃度が0.1wt%未満とされ、かつこのろう付け面と反対の表面側に含まれるFeの濃度が0.1wt%以上とされていることを特徴とする。
この発明によれば、回路層において、前記反対の表面側に含まれるFeの濃度が0.1wt%以上とされているので、熱サイクル時に回路層が繰り返し熱変形するのに伴い、徐々にこの反対の表面側を硬化させることが可能になり、この部分に発生する塑性変形量を抑えることができる。これにより、熱サイクル時の回路層の塑性変形に起因して、この回路層の前記反対の表面とパワー素子とを接合するはんだ層に作用する負荷を低減することが可能になり、熱サイクル時に、このはんだ層にクラックが発生してもその進展が抑えられ、回路層とパワー素子とをはんだ接合するのに無鉛系のはんだ材を採用しても、熱サイクル時にこのはんだ層でクラックが進展し易くなるのを抑えることができる。
一方、回路層において、ろう付け面側に含まれるFeの濃度が0.1wt%未満とされているので、熱サイクル時に、セラミックス板および回路層の各熱膨張係数の差に起因して、これらの接合界面に応力が生じようとした場合においても、回路層のろう付け面側を塑性変形させることによりこの応力を吸収させることが可能になる。これにより、前記接合界面に作用する応力を抑えることが可能になり、セラミックス板と回路層との接合信頼性を向上させることもできる。
ここで、前記ろう付け面側は、回路層においてこのろう付け面から前記反対の表面に向けて回路層の厚さの10%以上50%以下までに位置する部分とされ、残部が前記反対の表面側とされてもよい。
この場合、前記の作用効果が確実に奏効されることになる。
また、本発明のパワー素子搭載用基板の製造方法は、セラミックス板の表面に回路層がろう付けされてなり、この回路層の表面にパワー素子がはんだ接合されるパワー素子搭載用基板の製造方法であって、セラミックス板の表面に、Al系のろう材箔と、Feを0.05wt%以上1.0wt%以下含有する純度が98.5wt%以上99.95wt%以下のAl合金からなる回路層部材とをこの順に配置して積層体とした後に、この積層体を積層方向に加圧した状態で加熱し、ろう材箔を溶融させて、セラミックス板の表面に回路層部材をろう付けすることにより、本発明のパワー素子搭載用基板を形成することを特徴とする。
この発明では、前記積層体を積層方向に加圧してろう付けするので、セラミックス板の表面と回路層部材とを良好にろう付けすることが可能になり、回路層部材においてセラミックス板とのろう付け面側に含まれるFeを、前記接合界面で溶融しているろう材中に良好に溶解させることができる。したがって、回路層のろう付け面側に含まれるFeの濃度が0.1wt%未満とされ、かつこのろう付け面と反対の表面側に含まれるFeの濃度が0.1wt%以上とされたパワー素子搭載用基板を確実に形成することができる。
さらに、本発明のパワーモジュールは、セラミックス板の表面に回路層がろう付けされたパワー素子搭載用基板と、回路層の表面にはんだ接合されたパワー素子とを備えたパワーモジュールであって、前記パワー素子搭載用基板が本発明のパワー素子搭載用基板であることを特徴とする。
この発明によれば、回路層とパワー素子とをはんだ接合するのに無鉛系のはんだ材を採用しても、熱サイクル時にこのはんだ層でクラックが進展し易くなるのを抑えることができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の一実施形態に係るパワー素子搭載用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図である。
このパワーモジュール10は、セラミックス板11においてその表面に回路層12がろう付けされるとともに、裏面に金属層13がろう付けされたパワー素子搭載用基板14と、回路層12の表面にはんだ層15を介してはんだ接合された半導体チップ(パワー素子)16と、金属層13の表面にろう付けまたははんだ付けされたヒートシンク17とを備えている。
ここで、これらの各部材を形成する材質としては、例えば、セラミックス板11ではAlN、Al、Si、SiC等が挙げられ、ヒートシンク17では純Al、純Cu、Al合金若しくはCu合金等が挙げられ、はんだ層15では例えばSn−Ag−Cu系等の無鉛系のはんだ材が挙げられる。また、セラミックス板11と回路層12および金属層13とをろう付けするろう材では、例えばAl−Si系等のAl系のろう材が挙げられる。本実施形態では、Siを、11.6wt%以下で、かつ回路層12を形成する後述の回路層部材に含まれるSiの濃度より高い濃度含有するAl−Si系のろう材とされている。
そして、本実施形態では、回路層12は、全体の平均純度が98.0wt%以上99.9wt%以下のAl合金により形成されるとともに、セラミックス板11とのろう付け面12a側に含まれるFeの濃度が0.1wt%未満で、かつこのろう付け面12aと反対の表面12b側に含まれるFeの濃度が0.1wt%以上とされている。また、ろう付け面12a側は、回路層12においてこのろう付け面12aから前記反対の表面12bに向けて回路層12の厚さの10%以上50%以下までに位置する部分とされ、残部が前記反対の表面12b側とされている。なお、ろう付け面12a側に含まれるFeの濃度は、セラミックス板11と回路層12との界面の剥離進展率の観点から0.05wt%以下であることが好ましい。
ここで、回路層12に含まれるFeの濃度は、電子線マイクロアナライザ(EPMA)装置において加速電圧を15kVとし、かつ電流値を5×10−8Aとして、スポットサイズを30μmに設定し、回路層12においてろう付け面12a側および前記反対の表面12b側についてそれぞれ、任意の10箇所で測定し、得られた測定値の平均値を算出した。
また、回路層12全体の平均純度は、まず、回路層12を、水、フッ化水素酸および硝酸がそれぞれ同量ずつ混入された水浴中(約100℃)に浸して分解し、その後、この分解した試料を、ICP−AES法(誘導結合プラズマ−発光分析法)を用いることにより測定した。
次に、以上のように構成されたパワー素子搭載用基板14の製造方法について説明する。
まず、回路層12と同形同大の回路層部材を形成する。ここで、回路層部材は、その全体の平均で、Feを0.05wt%以上1.0wt%以下含有する純度が98.5wt%以上99.95wt%以下のAl合金からなっている。その後、セラミックス板11の表面にろう材箔と回路層部材とをこの順に配置する。また、セラミックス板11の裏面にろう材箔を介して金属層13と同形同大の金属層部材を配置する。
以上より、セラミックス板11において、その表面にろう材箔と回路層部材とがこの順に配置され、裏面に前記ろう材箔と金属層部材とがこの順に配置された積層体を形成する。
そして、この積層体を、不活性雰囲気、還元雰囲気、または真空中(真空度1×10−5Torr(1.33×10−3Pa)以下)に置いて、積層方向に0.098MPa〜0.294MPaで加圧した状態で、577℃以上660℃以下で加熱し、ろう材箔を溶融させることによって、セラミックス板11の表面に回路層部材をろう付けにより接合して回路層12を形成し、セラミックス板11の裏面と金属層部材とをろう付けにより接合して金属層13を形成してパワー素子搭載用基板14を形成する。
以上説明したように、本実施形態によるパワー素子搭載用基板によれば、回路層12において、前記反対の表面12b側に含まれるFeの濃度が0.1wt%以上とされているので、熱サイクル時に回路層12が繰り返し熱変形するのに伴い、徐々にこの反対の表面12b側を硬化させることが可能になり、この部分に発生する塑性変形量を抑えることができる。これにより、熱サイクル時の回路層12の塑性変形に起因してはんだ層15に作用する負荷を低減することが可能になり、熱サイクル時に、このはんだ層15にクラックが発生してもその進展が抑えられ、回路層12と半導体チップ16とをはんだ接合するのに無鉛系のはんだ材を採用しても、熱サイクル時にこのはんだ層15でクラックが進展し易くなるのを抑えることができる。
一方、回路層12において、ろう付け面12a側に含まれるFeの濃度が0.1wt%未満とされているので、熱サイクル時に、セラミックス板11および回路層12の各熱膨張係数の差に起因して、これらの接合界面に応力が生じようとした場合においても、回路層12のろう付け面12a側を塑性変形させることによりこの応力を吸収させることが可能になる。これにより、前記接合界面に作用する応力を抑えることが可能になり、セラミックス板11と回路層12との接合信頼性を向上させることもできる。なお、ろう付け面12a側に含まれるFeの濃度が0.05wt%以下であれば、このような作用効果が確実に奏効されることになる。
また、回路層部材とセラミックス板11とをろう付けする際、前記積層体を積層方向に加圧するので、セラミックス板11の表面と回路層部材との接合界面に酸化膜が形成されるのを防ぐことが可能になり、回路層部材においてセラミックス板11とのろう付け面側に含まれるFeを、前記接合界面で溶融しているろう材中に良好に溶解させることができる。したがって、回路層12のろう付け面12a側に含まれるFeの濃度が0.1wt%未満とされ、かつこのろう付け面12aと反対の表面12b側に含まれるFeの濃度が0.1wt%以上とされたパワー素子搭載用基板14を確実に形成することができる。
さらに、回路層部材とセラミックス板11とを接合するろう材箔に含まれるSiの濃度が、回路層部材に含まれるSiの濃度よりも高くなっているので、ろう付け時の加熱により回路層部材におけるSiの限界固溶量が増大することと相俟って、溶融したろう材に含まれるSiを、回路層部材の内部に向けてろう付け面側から拡散させることが可能になり、回路層部材において、ろう付け面側に含まれるSiの濃度を、前記反対の表面側よりも高めることができる。これにより、ろう付け面側におけるFeの限界固溶量が、前記反対の表面側よりも小さくなるので、ろう付け面側に含まれるFeの濃度を前記反対の表面側よりも低くすることが可能になる。したがって、前述のように、回路層部材においてセラミックス板11とのろう付け面側に含まれるFeを、前記接合界面で溶融しているろう材中に良好に溶解させることが可能になることと相俟って、前記のパワー素子搭載用基板14をより一層確実に形成することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、金属層部材や回路層部材は、母材を打ち抜いて形成したり、あるいはいわゆるエッチング法により形成してもよい。また、前記実施形態では、はんだ層15のはんだ材として、例えばSn−Ag−Cu系等の無鉛系のはんだ材を示したが、これに限らず、Pbを含むはんだ材、例えばPbSn系のはんだ材を採用してもよい。この場合においても、前記実施形態と同様の作用効果が奏される。
また、前記実施形態では、パワー素子搭載用基板14として、回路層12、セラミックス板11および金属層13を備え、金属層13とヒートシンク17とがろう付けまたははんだ付けされた構成を示したが、これに代えて、例えば、図3に示すように、金属層13は設けずに、セラミックス板11の裏面とヒートシンク17とが直接ろう付けされたパワー素子搭載用基板14を採用してもよい。このような構成においても、熱サイクル時にはんだ層15でクラックが進展し易くなるのを抑えることができる。
さらに、ヒートシンク17の構造については、図1に例示した放熱フィンを備えたものに限定されることはなく、図3に示すように、多穴管タイプのものやその他の構造のものを適用してもよい。
次に、この製造方法についての具体的な実施例について説明する。
まず、材質については、金属層部材および回路層部材を、Feを約0.3wt%含有する純度が99.5wt%のAl合金、金属層13および回路層12とセラミックス板11とを接合するろう材をAl−Si系(Alが92.5wt%、Siが7.5wt%)、セラミックス板11をAlNによりそれぞれ形成した。厚さについては、金属層13および回路層12をそれぞれ約0.6mm、ろう材箔を約30μm、セラミックス板11を約0.635mmとした。なお、金属層13は平面視四角形とされ、縦および横の寸法はそれぞれ、約30mmとした。
そして、前記積層体を600℃〜650℃の真空中(真空度1×10−5Torr(1.33×10−3Pa)以下)に置いて、約1時間、積層方向に0.098MPa〜0.294MPaで加圧して、パワー素子搭載用基板14を形成した。
以上により形成された回路層12において、電子マイクロアナライザ(EPMA)を用い、ろう付け面12a側の領域と前記反対の表面12b側の領域とを判定した。具体的には、回路層12を切断し、その断面のろう付け面12aから反対の表面12bに向かって、加速電圧15kV、電流値5×10−8A、スポットサイズ1μm、1点測定時間5秒、移動間隔1μmの条件でEPMAの線分析を行った。その結果を図2に示す。
この図により、ろう付け面12aから反対の表面12bに向かって0.15mmまでの領域(回路層12の厚さの約25%に相当)ではFeの濃度が低くなっており、それより反対の表面12b側ではFeの濃度が高い領域になっていることが確認される。
そして、回路層12のろう付け面12a側、および反対の表面12b側の各Fe濃度は、加速電圧15kV、電流値5×10−8A、スポットサイズ30μmの条件でEPMAを用いて、ろう付け面12a側、および反対の表面12b側のそれぞれについて、任意の10箇所で測定し、その平均値を算出することによって求めた。
次に、以上説明した作用効果についての検証試験を実施した。
回路層を形成する回路層部材において、Alの純度、厚さおよびFeの濃度の少なくとも1つを異ならせて8種類のパワー素子搭載用基板を形成し、各パワー素子搭載用基板の回路層において、ろう付け面側に含まれるFeの濃度、前記反対の表面側に含まれるFeの濃度、ろう付け面側の厚さ、および前記反対の表面側の厚さの少なくとも1つを異ならせた。そして、これらのパワー素子搭載用基板それぞれの回路層の表面に、同一の性能を有するSiチップをSn−Ag−Cu系の無鉛はんだではんだ接合したものを、−40℃から105℃に約3分間で昇温した後、105℃から−40℃に10分間で降温する温度履歴を1サイクルとした熱サイクルを2000サイクル付与した。
その後、各パワー素子搭載用基板を5箇所、積層方向に切断し、それぞれの切断面を研磨した後、この切断面を光学顕微鏡を用いて撮像し、この切断面において、セラミックス板および回路層の接合界面の全長および剥離進展長さをそれぞれ測定した。そして、前記接合界面の全長に対する剥離進展長さの比率、つまり剥離進展率の平均値を算出した。また、同様にして、前記切断面において、回路層とSiチップとをはんだ接合するはんだ層の全長、およびこのはんだ層で発生したクラック進展長さをそれぞれ測定した。そして、はんだ層の全長に対するクラック進展長さの比率、つまりクラック進展率の平均値を算出した。
ここで、剥離進展率が4%を超えものを×とし、2%以上4%以下のものを○とし、さらに2%未満のものを◎として評価した。また、クラック進展率が3%を超えたものを×とし、3%以下ものを○として評価した。
結果を表1に示す。
Figure 0004910789
この結果、回路層12が、その全体の平均純度が98.0wt%以上99.9wt%以下のAl合金により形成されるとともに、セラミックス板11とのろう付け面12a側に含まれるFeの濃度が0.1wt%未満とされ、かつこのろう付け面12aと反対の表面12b側に含まれるFeの濃度が0.1wt%以上とされていれば、前記の温度サイクルを2000サイクル付与しても、剥離進展率およびクラック進展率の双方が抑えられ、前記の作用効果が奏効されることが確認された。
次に、上記のパワー素子搭載用基板14においてセラミックス板11をAlとしたものを形成して検証試験を実施した。評価結果を表2に示す。
Figure 0004910789
この結果、セラミックス板11をAlとした場合であっても、回路層12が、その全体の平均純度が98.0wt%以上99.9wt%以下のAl合金により形成されるとともに、セラミックス板11とのろう付け面12a側に含まれるFeの濃度が0.1wt%未満とされ、かつこのろう付け面12aと反対の表面12b側に含まれるFeの濃度が0.1wt%以上とされていれば、前記の温度サイクルを2000サイクル付与しても、剥離進展率およびクラック進展率の双方が抑えられることが確認された。
さらに、上記のパワー素子搭載用基板14においてセラミックス板11をSiとしたものを形成して検証試験を実施した。評価結果を表3に示す。
Figure 0004910789
この結果、セラミックス板11をSiとした場合であっても、回路層12が、その全体の平均純度が98.0wt%以上99.9wt%以下のAl合金により形成されるとともに、セラミックス板11とのろう付け面12a側に含まれるFeの濃度が0.1wt%未満とされ、かつこのろう付け面12aと反対の表面12b側に含まれるFeの濃度が0.1wt%以上とされていれば、前記の温度サイクルを2000サイクル付与しても、剥離進展率およびクラック進展率の双方が抑えられることが確認された。
回路層とパワー素子とをはんだ接合するのに無鉛系のはんだ材を採用しても、熱サイクル時にこのはんだ層でクラックが進展し易くなるのを抑えることができる。
この発明の一実施形態に係るパワー素子搭載用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図である。 図1に示す回路層の厚さ方向におけるFeの濃度分布の一例を示す図である。 この発明の他の実施形態に係るパワー素子搭載用基板を適用したパワーモジュールを示す全体図である。
符号の説明
10 パワーモジュール
11 セラミックス板
12 回路層
12a ろう付け面
12b 反対の表面
13 金属層
14 パワー素子搭載用基板
15 はんだ層
16 半導体チップ(パワー素子)

Claims (4)

  1. セラミックス板の表面に回路層がろう付けされてなり、この回路層の表面にパワー素子がはんだ接合されるパワー素子搭載用基板であって、
    前記回路層は、全体の平均純度が98.0wt%以上99.9wt%以下のAl合金により形成されるとともに、前記セラミックス板とのろう付け面側に含まれるFeの濃度が0.1wt%未満とされ、かつこのろう付け面と反対の表面側に含まれるFeの濃度が0.1wt%以上とされていることを特徴とするパワー素子搭載用基板。
  2. 請求項1記載のパワー素子搭載用基板において、
    前記ろう付け面側は、回路層においてこのろう付け面から前記反対の表面に向けて回路層の厚さの10%以上50%以下までに位置する部分とされ、残部が前記反対の表面側とされていることを特徴とするパワー素子搭載用基板。
  3. セラミックス板の表面に回路層がろう付けされてなり、この回路層の表面にパワー素子がはんだ接合されるパワー素子搭載用基板の製造方法であって、
    セラミックス板の表面に、Al系のろう材箔と、Feを0.05wt%以上1.0wt%以下含有する純度が98.5wt%以上99.95wt%以下のAl合金からなる回路層部材とをこの順に配置して積層体とした後に、
    この積層体を積層方向に加圧した状態で加熱し、ろう材箔を溶融させて、セラミックス板の表面に回路層部材をろう付けすることにより、請求項1または2に記載のパワー素子搭載用基板を形成することを特徴とするパワー素子搭載用基板の製造方法。
  4. セラミックス板の表面に回路層がろう付けされたパワー素子搭載用基板と、回路層の表面にはんだ接合されたパワー素子とを備えたパワーモジュールであって、
    前記パワー素子搭載用基板が請求項1または2に記載のパワー素子搭載用基板であることを特徴とするパワーモジュール。
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