JP2018105585A - 熱輸送装置、およびプロジェクター - Google Patents
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Abstract
Description
また、蒸発部は、第1多孔質体が受熱部の収容領域内で第1方向に移動可能に構成され、第1流体管および第2流体管は、上述した位置で収容領域に接続されている。これによって、収容領域の第1方向における一方の端部側が他方の端部側より上側に位置する第1姿勢、および第1姿勢に対して上下が反転された第2姿勢において、受熱部に接続された発熱部材を冷却することが可能となる。すなわち、受熱部が受熱することによって第1多孔質体に熱が伝達され、この熱によって、第1多孔質体に浸透している作動液は、気化される。この気化された気体は、第1姿勢においては、収容領域の第1多孔質体の上側の空間(上空間)から第1流体管を介して凝縮部に流れ、第2姿勢においては、上空間から第2流体管を介して凝縮部に流れる。そして、凝縮部で液化された作動液は、第1姿勢においては、第2流体管を介して蒸発部に流れ、第2姿勢においては、第1流体管を介して蒸発部に流れる。第1流体管、第2流体管は、第1姿勢、第2姿勢に対応して、気体が流通する通気管、作動液が流通する液管として機能する。
したがって、第1姿勢および第2姿勢において、受熱部に接続された発熱部材の熱を凝縮部に移動させ、発熱部材を冷却する熱輸送装置の提供が可能となる。
この構成によれば、第1流体管および第2流体管の内面には、第2多孔質体が設けられているので、管内に作動液が残ったとしても、この作動液は、第2多孔質体に浸透する。よって、通気管の内部が作動液によって塞がれることを防止し、気体が流通する空間を確保することが可能となる。よって、姿勢が変更された場合であっても、速やかに熱の移動を行う熱輸送装置の提供が可能となる。
また、熱輸送装置内で熱移動に寄与する作動液の量が減少しても、第1姿勢においては第2タンク部から、第2姿勢においては第1タンク部から作動液が補充されるので、第1姿勢および第2姿勢において、システム内の熱移動が確実に行われる熱輸送装置の提供が可能となる。
以下、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて変調し、変調した光をスクリーン等の投写面に拡大投写する。また、本実施形態のプロジェクターは、机上等に据え置かれる据置姿勢(第1姿勢)、および据置姿勢に対して上下が反転され、天井等に設置される天吊り姿勢(第2姿勢)で投写可能に構成されている。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態のプロジェクター1の主な構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2、光源装置10を有する光学ユニット3、冷却装置4、および図示しない制御部や、電源装置等を備えている。
基材11は、銅やコバール等の材料で形成されている。
発光素子12は、半導体レーザーであり、蛍光体42を励起させる青色光(例えば、発光強度のピークが約445nmの光)を射出する。
円板41は、発光素子12から射出された光を透過する部材、例えば、石英ガラス、水晶や、サファイア等により形成されている。
蛍光体42は、円板41の集光光学系20とは反対側に設けられ、集光光学系20により集光された光の焦点位置に設けられている。蛍光体42は、光源装置10から射出された光(青色光)の一部を透過させるとともに、残部を吸収し黄色光(例えば、発光強度のピークが約550nmの光)を発する。蛍光体42から発せられる光は、青色光と黄色光とが合成された白色光を成している。
本実施形態の光学ユニット3は、光源装置10が射出する光の方向と、投写光学装置600が射出する光の方向とが同一側となるように構成されている。なお、以下では説明の便宜上、投写光学装置600が射出する光の方向を+Y方向(前方)、据置姿勢において、プロジェクター1の上側を+Z方向、後方から見たプロジェクター1の右側を+X方向として記載する。
熱輸送装置5は、蒸発部51、凝縮部52、および蒸発部51と凝縮部52とにそれぞれ接続され、蒸発部51および凝縮部52とで環状の流路を形成する第1流体管53および第2流体管54を備え、いわゆるループ型のヒートパイプシステムを構成する。
熱輸送装置5は、蒸発部51が光源装置10に接続され、光源装置10の熱を凝縮部52に移動させる。後で詳細に説明するが、蒸発部51は、受熱部としての容器510、および容器510内で移動可能な第1多孔質体7(いずれも図2参照)を備え、プロジェクター1の据置姿勢および天吊り姿勢において、光源装置10の熱を効率よく凝縮部52に移動させるように構成されている。
送風ファン5Fは、凝縮部52に冷却空気を送風し、蒸発部51から凝縮部52に伝わった熱の放熱を促進させる。
ここで、熱輸送装置5について詳細に説明する。
熱輸送装置5は、前述したように、作動液、蒸発部51、凝縮部52、第1流体管53および第2流体管54を備えている(図1参照)。
作動液として水等が用いられ、この作動液は、熱輸送装置5における環状の流路内が脱気された後、この流路内に封入されている。
図2は、光源装置10および蒸発部51を模式的に示す断面図であり、上方(+Z側)から見た図である。図3は、蒸発部51を模式的に示す断面図であり、後方(−Y側)から見た図である。
容器510は、例えば、銅やアルミニウム、あるいはこれらの材料を含む合金等で形成されている。容器510は、直方体状の本体部511、および本体部511の左右両側から突出する管状の第1接続部512、第2接続部513を有している。
本体部511は、図2に示すように、光源装置10の基材11に接続された壁部511aを有し、この壁部511aの内側には、第1多孔質体7が移動可能な収容領域51eが設けられている。また、壁部511aは、図3に示すように、後述する第1方向51Hに沿う内面511fを有し、この内面511fには、第1方向51Hに沿って延びる複数の溝511gが形成されている。
すなわち、収容領域51eは、据置姿勢において、第1方向51Hにおける一方の端部側(+Z側の端部側、「第1端部側」とする)が他方の端部側(−Z側の端部側、「第2端部側」とする)より上側となり、天吊り姿勢において、第2端部側が第1端部側より上側となる。
このように、据置姿勢において、第1接続部512は、第2接続部513に対し、鉛直方向上方に形成されている。そして、天吊り姿勢においては、第2接続部513が第1接続部512の鉛直方向上方に位置することとなる。
第1多孔質体7は、図3に示すように、平面視円形に形成され、収容領域51e内に収納されている。第1多孔質体7は、収容領域51eの一方の円弧側を塞ぎ、他方の円弧側と離間するように形成されている。また、第1多孔質体7は、内面511fと接し、溝511gの底面と離間して配置され、収容領域51e内で第1方向51Hに移動可能に形成されている。また、第1多孔質体7は、平面視円形に形成されているので、収容領域51e内での回動も可能となっている。
第1流体管53は、据置姿勢において、蒸発部51で気化された気体が流通する。第2流体管54は、天吊り姿勢において、蒸発部51で気化された気体が流通する。熱輸送装置5の動作については後で説明する。
凝縮部52で液化された作動液は、据置姿勢においては第2流体管54を、天吊り姿勢においては第1流体管53を介して蒸発部51に運ばれる。
ここで、熱輸送装置5の動作について説明する。
図4、図5は、熱輸送装置5の動作を説明するための模式図である。具体的に、図4は、据置姿勢における蒸発部51、および第1流体管53、第2流体管54の一部を後方(−Y側)から見た断面図である。図5は、天吊り姿勢における蒸発部51、および第1流体管53、第2流体管54の一部を後方(−Y側)から見た断面図である。なお、図4、図5は、溝511g(図3参照)を省略した図である。
このように、熱輸送装置5は、環状の流路内を作動液が気化、液化されて循環することで蒸発部51から凝縮部52に熱が輸送され、蒸発部51に接続された光源装置10を冷却する。
このように、熱輸送装置5は、天吊り姿勢においても、環状の流路内を作動液が気化、液化されて循環することで蒸発部51から凝縮部52に熱が輸送され、蒸発部51に接続された光源装置10を冷却する。
(1)蒸発部51は、第1多孔質体7が収容領域51e内で第1方向51Hに移動可能に構成され、第1流体管53および第2流体管54は、前述した位置で収容領域51eに接続されている。これによって、据置姿勢および天吊り姿勢において、容器510(壁部511a)に接続された光源装置10の熱を凝縮部52に移動させ、光源装置10を冷却する熱輸送装置5の提供が可能となる。
以下、第2実施形態に係る熱輸送装置について、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成要素には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態の熱輸送装置は、第1実施形態の熱輸送装置5が備える第1流体管53および第2流体管54とは異なる第1流体管81および第2流体管82を備えている。
多孔質体を有さない流体管Tuにおいては、液管として機能する姿勢から通気管として機能する姿勢に変更された場合等、図7に示すように、作動液の表面張力によって、作動液が管内を閉塞するように残る恐れがある(残った作動液を「閉塞液Wa」とする)。通気管として機能する管内に閉塞液Waが発生すると、この閉塞液Waを開口させるために蒸発部51で気化された気体が使われるため、熱の移動を循環させるシステムの動作開始が遅くなる。
姿勢が変更された場合であっても、閉塞液Wが発生せずに管内の中央部の空間8Arが確保される。よって、据置姿勢から天吊り姿勢、あるいは天吊り姿勢から据置姿勢に変更された場合であっても、速やかに光源装置10を冷却可能な熱輸送装置5の提供が可能となる。
以下、第3実施形態に係る熱輸送装置9について、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態と同様の構成要素には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態の熱輸送装置9は、第1実施形態の熱輸送装置5が備える蒸発部51とは異なる蒸発部91を備えている。
蒸発部91は、図8に示すように、蒸発本体部91Aおよびタンク部92を備えている。
蒸発本体部91Aは、第1実施形態の蒸発部51と同様に構成され、蒸発部51における第1接続部512、第2接続部513(図3参照)と略同形状のタンク接続部512t,513tを有している。
第1タンク部921は、図8に示すように、タンク本体部921a、および第1流体管53が接続される第1接続部921bを有している。
タンク本体部921aは、タンク接続部512tと第1接続部921bとの間に設けられ、タンク接続部512tおよび第1接続部921b対して上下に突出し、内部に作動液を貯留可能に形成されている。
タンク本体部922aは、タンク接続部513tと第2接続部922bとの間に設けられ、タンク接続部513tおよび第2接続部922b対して上下に突出し、内部に作動液を貯留可能に形成されている。
このように、第1タンク部921は、収容領域51eと第1流体管53との間に配置され、第2タンク部922は、収容領域51eと第2流体管54との間に配置されている。また、第1タンク部921は、収容領域51eの上側(+Z側、第1端部側)に連通するように形成され、第2タンク部922は、収容領域51eの下側(−Z側、第2端部側)に連通するように形成されている。
具体的に、据置姿勢においては、第2タンク部922に作動液が貯留されている。そして、光源装置10の熱によって気化された気体は、第1多孔質体7の上側(+Z側)の空間51Arから第1タンク部921および第1流体管53(図8参照)を介して凝縮部52に流れ、凝縮部52で作動液に液化される。凝縮部52で液化された作動液は、第2流体管54および第2タンク部922を通って蒸発本体部91Aに流れる。また、凝縮部52で液化された作動液の一部は、第2タンク部922に貯留される。
熱輸送装置9は、タンク部92を備えているので、作動液の量を厳密に調整しなくても、熱移動に寄与する作動液を流路内に封入させることが可能となる。よって、熱輸送装置9の製造の簡素化が可能となる。
また、熱輸送装置9内で熱移動に寄与する作動液の量が減少しても、据置姿勢においては第2タンク部922から、天吊り姿勢においては第1タンク部921から作動液が補充されるので、据置姿勢および天吊り姿勢において、システム内の熱移動が確実に行われる熱輸送装置9の提供が可能となる。
前記実施形態の蒸発部51は、第1流体管53および第2流体管54が蒸発部51の左右両側に接続されているが、第1流体管53が収容領域51eの第1端部側に接続され、第2流体管54が収容領域51eの第2端部側に接続されていれば、他の位置で接続された構成であってもよい。
このように、光源装置10とは反対側に第1流体管53および第2流体管54が接続される構成によって、蒸発部51の左右方向の小型化が可能となる。
前記実施形態の熱輸送装置5,9は、第1多孔質体7に浸透している作動液が気化された気体が通る溝511gが容器510(壁部511a)に設けられているが、気体が通る溝が第1多孔質体に設けられた構成であってもよい。
図10は、この変形例の蒸発部450を示す模式図である。また、図10は、第1方向51Hに沿う方向から見た図である。
図10に示すように、蒸発部450は、受熱部としての容器4501、および容器4501に収容された第1多孔質体17を備えている。
容器4501は、光源装置10の基材11に接続された壁部4501aを有し、内部には、平面視の形状が前記実施形態の収容領域51eと同形状の収容領域4501eが設けられている。また、壁部4501aの内面4501fは、溝511g(図3参照)を有さず、平坦に形成されている。
この構成によれば、第1多孔質体17に浸透している作動液が蒸発して気化した気体は、この溝171gを通って、前記実施形態と同様に、第1流体管53あるいは第2流体管54に流れる。
前述した第1多孔質体7、17は、平面視において円形やトラック状に形成されているが、この形状に限定されるものではなく、例えば、平面視矩形状や、平面視矩形状から角部がカットされたような形状であってもよい。また、収容領域の形状は、第1多孔質体の形状に対応した形状となる。
前記実施形態の第1方向51Hは、−Y側から見てZ方向に対して傾斜した方向であるが、Z方向に沿う方向であってもよい。すなわち、据置姿勢および天吊り姿勢において、第1方向が鉛直方向に沿う方向であってもよい。
前記実施形態のプロジェクター1は、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブ400R,400G,400Bを用いているが、反射型の液晶ライトバルブを用いたものであってもよい。また、光変調装置としてマイクロミラー型の光変調装置、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものであってもよい。
前記実施形態の光変調装置は、R光、G光、およびB光に対応する3つの光変調装置を用いるいわゆる3板方式を採用しているが、これに限らず、単板方式を採用してもよく、あるいは、2つまたは4つ以上の光変調装置を備えるプロジェクターにも適用できる。
前記実施形態のプロジェクター1は、青色光を射出する光源装置10を備えているが、青色光に限らず、他の波長帯の光を発する光源装置を備えた構成であってもよい。そして、この光源装置の熱を移動させる熱輸送装置を構成してもよい。
前記実施形態の光学ユニット3は、光源装置10が射出する光の方向と、投写光学装置600が射出する光の方向とが同一側となるように構成されているが、光源装置10が射出する光の方向と、投写光学装置600が射出する光の方向とが異なる光学ユニットを構成してもよい。
前述した熱輸送装置5,9は、光源装置10を冷却するように構成されているが、この技術は、光源装置10とは異なる発熱部材(例えば、電源装置や光変調装置などの光学部品等)を冷却する熱輸送装置にも適用可能である。
Claims (6)
- 作動液を有する熱輸送装置であって、
外部からの熱を受熱して前記作動液を気化させる蒸発部と、
前記蒸発部で気化された気体を前記作動液に液化する凝縮部と、
前記蒸発部と前記凝縮部とにそれぞれ接続され、前記蒸発部および前記凝縮部とで環状の流路を形成する第1流体管および第2流体管と、
を備え、
前記蒸発部は、
毛細管力によって前記作動液が浸透する第1多孔質体と、
外部からの熱を受熱し、前記第1多孔質体が第1方向に移動可能な収容領域を有する受熱部と、
を備え、
前記第1流体管は、前記収容領域の前記第1方向における一方の端部側に接続され、
前記第2流体管は、前記収容領域の前記第1方向における他方の端部側に接続されていることを特徴とする熱輸送装置。 - 請求項1に記載の熱輸送装置であって、
前記受熱部は、前記収容領域を形成するための壁部を有し、
前記壁部は、前記第1多孔質体と接し、前記第1方向に沿う内面を有していることを特徴とする熱輸送装置。 - 請求項2に記載の熱輸送装置であって、
前記第1多孔質体は、前記壁部の前記内面に対向する側を形成する対向部を有し、
前記内面および前記対向部の少なくともいずれか一方には、前記第1方向に沿って延びる溝が形成されていることを特徴とする熱輸送装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の熱輸送装置であって、
前記第1流体管および前記第2流体管の内面には、毛細管力によって前記作動液が浸透する第2多孔質体が設けられていることを特徴とする熱輸送装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の熱輸送装置であって、
前記蒸発部は、前記作動液を貯留するタンク部を備え、
前記タンク部は、
前記収容領域と前記第1流体管との間に配置された第1タンク部と、
前記収容領域と前記第2流体管との間に配置された第2タンク部と、
を有し、
前記第2タンク部は、前記一方の端部側が前記他方の端部側より上側となる第1姿勢において、前記作動液を貯留し、
前記第1タンク部は、前記他方の端部側が前記一方の端部側より上側となる第2姿勢において、前記作動液を貯留することを特徴とする熱輸送装置。 - 光源装置と、
前記光源装置から射出された光を変調する光変調装置と、
前記光変調装置で変調された光を投写する投写光学装置と、
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の熱輸送装置と、
を備えることを特徴とするプロジェクター。
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