JP2021096027A - 冷却装置及びプロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】正常に作動する傾きの許容範囲を拡大できる冷却装置及びプロジェクターを提供する。【解決手段】冷却装置は、冷却対象から伝達される熱によって液相から気相に作動流体を変化させる蒸発部と、気相から液相に作動流体を変化させる凝縮部と、気相の作動流体を凝縮部へ流通させる蒸気管と、液相の作動流体を蒸発部へ流通させる液管とを備え、蒸発部は、液管から液相の作動流体が流入されるリザーバーを有する筐体と、筐体内に設けられ、液相の作動流体を輸送するウィックと、液相から気相に変化した作動流体が流通する複数の流路を有するグルーブ部材と、を有し、ウィックは、リザーバーからグルーブ部材に向かう第1方向とは反対方向に位置する第1面を有し、リザーバーは、第1面に対して第1方向とは反対方向に位置する第1貯留部と、第1貯留部と連通し、第1面に対して第1方向に位置する第2貯留部と、を有する。【選択図】図5

Description

本開示は、冷却装置及びプロジェクターに関する。
従来、電子装置等の冷却に用いられる冷却装置として、内部に封入された作動流体の相変化を利用して、発熱体の熱を輸送することによって、発熱体を冷却するループ型ヒートパイプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のループ型ヒートパイプは、蒸発部、凝縮部、蒸気管及び液管を備える。蒸発部は、発熱体の熱によって液相の作動流体を蒸発させる。蒸気管は、蒸発部にて液相から気相に変化した作動流体を凝縮部に流通させる。凝縮部は、気相の作動流体を放熱により凝縮させて液相の作動流体に変化させる。液管は、凝縮部にて液相に変化した作動流体を蒸発部へ流通させる。
このように、作動流体がループ型ヒートパイプ内を循環し、発熱体の熱が、蒸発部から凝縮部に輸送されて凝縮部にて放出されることによって、発熱体が冷却される。
なお、特許文献1に記載のループ型ヒートパイプでは、蒸発部は、平板型のウィックと、ウィックの下側に配置されて蒸気流路を形成する複数のグルーブと、ウィック及び複数のグルーブを収納する筐体とを有し、発熱体は、筐体に接続される。
ウィックは、多孔質の材料によって形成されている。ウィックの内部には、多数の細孔が設けられており、多数の細孔は、液溜め部側から蒸気流路側へ連通している。多数の細孔には、液相の作動流体が筐体内の液溜め部から毛細管現象によって浸み込む。多数の細孔に浸み込んだ液相の作動流体は、発熱体から伝達される熱によって蒸発して気相の作動流体に変化し、気相の作動流体は、複数のグルーブによって仕切られた蒸気流路を流通して、蒸気管内に流通する。
特開2012−83082号公報
ここで、ウィックに液相の作動流体が保持されていない状態では、冷却対象の熱による液相から気相への作動流体の変化は生じないことから、ループ型ヒートパイプは、正常に作動しない。
しかしながら、特許文献1に記載の蒸発部では、ループ型ヒートパイプが設けられた電子装置の姿勢が変化し、蒸発部が傾いた場合、液溜め部に貯留された液相の作動流体がウィックから離れやすい。すなわち、特許文献1に記載の蒸発部では、ループ型ヒートパイプが正常に作動する許容範囲が狭いという問題がある。
本開示の第1態様に係る冷却装置は、冷却対象から伝達される熱によって液相の作動流体を蒸発させて、液相の前記作動流体を気相の前記作動流体に変化させる蒸発部と、気相の前記作動流体を凝縮させて、気相の前記作動流体を液相の前記作動流体に変化させる凝縮部と、前記蒸発部にて液相から気相に変化した前記作動流体を前記凝縮部へ流通させる蒸気管と、前記凝縮部にて気相から液相に変化した前記作動流体を前記蒸発部へ流通させる液管と、を備え、前記蒸発部は、前記液管と接続され、内部に流入された液相の前記作動流体を貯留するリザーバーを有する筐体と、前記筐体内に設けられ、液相の前記作動流体が浸み込み、液相の前記作動流体を輸送するウィックと、液相から気相に変化した前記作動流体が流通する複数の流路を有するグルーブ部材と、を有し、前記ウィックは、前記リザーバーから前記グルーブ部材に向かう第1方向とは反対方向に位置する第1面を有し、前記リザーバーは、前記第1面に対して前記第1方向とは反対方向に位置する第1貯留部と、前記第1貯留部と連通し、前記第1面に対して前記第1方向に位置する第2貯留部と、を有することを特徴とする。
本開示の第2態様に係るプロジェクターは、光を出射する光源と、前記光源から出射された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、上記冷却装置と、を備えることを特徴とする。
第1実施形態におけるプロジェクターの外観を示す斜視図。 第1実施形態におけるプロジェクターの内部構成を示す模式図。 第1実施形態における光源装置の構成を示す模式図。 第1実施形態における蒸発部の外観を示す斜視図。 第1実施形態における蒸発部の内部構造を模式的に示す断面図。 第1実施形態における蒸発部の内部構造を模式的に示す断面図。 第1実施形態における回動された蒸発部を模式的に示す断面図。 第1実施形態における回動された蒸発部を模式的に示す断面図。 比較例としての蒸発部を模式的に示す断面図。 回動された比較例としての蒸発部を模式的に示す断面図。 第2実施形態におけるプロジェクターの冷却装置が備える蒸発部の内部構造を模式的に示す断面図。 第2実施形態における回動された蒸発部を模式的に示す断面図。
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、後述する光源411から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する画像表示装置である。プロジェクター1は、図1に示すように、プロジェクター1の外装を構成する外装筐体2を備える。
[外装筐体の構成]
外装筐体2は、天面部21、底面部22、正面部23、背面部24、左側面部25及び右側面部26を有し、略直方体形状に形成されている。
底面部22は、プロジェクター1が載置される設置面と接する複数の脚部221を有する。
正面部23は、外装筐体2において画像の投射側に位置する。正面部23は、後述する投射光学装置36の一部を露出させる開口部231を有し、投射光学装置36によって投射される画像は、開口部231を通過する。また、正面部23は、プロジェクター1内の冷却対象を冷却した冷却気体が外装筐体2の外部に排出される排気口232を有する。
右側面部26は、外装筐体2外の空気等の気体を冷却気体として内部に導入する導入口261を有する。
[プロジェクターの内部構成]
図2は、プロジェクター1の内部構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、図2に示すように、画像投射装置3及び冷却装置5を外装筐体2内に備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター1は、プロジェクター1の動作を制御する制御装置、及び、プロジェクター1の電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
[画像投射装置の構成]
画像投射装置3は、制御装置から入力される画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像を投射する。画像投射装置3は、光源装置4、均一化装置31、色分離装置32、リレー装置33、画像形成装置34、光学部品用筐体35及び投射光学装置36を備える。
光源装置4は、照明光を出射する。光源装置4の構成については、後に詳述する。
均一化装置31は、光源装置4から出射された照明光を均一化する。この均一化された照明光は、色分離装置32及びリレー装置33を経て、画像形成装置34の後述する光変調装置343の変調領域を照明する。均一化装置31は、2つのレンズアレイ311,312、偏光変換素子313及び重畳レンズ314を備える。
色分離装置32は、均一化装置31から入射される光を赤、緑及び青の各色光に分離する。色分離装置32は、2つのダイクロイックミラー321,322と、ダイクロイックミラー321によって分離された青色光を反射させる反射ミラー323と、を備える。
リレー装置33は、他の色光の光路より長い赤色光の光路に設けられ、赤色光の損失を抑制する。リレー装置33は、入射側レンズ331、リレーレンズ333及び反射ミラー332,334を備える。なお、本実施形態では、他の色光より光路が長い色光を赤色光とし、赤色光の光路上にリレー装置33を設けることとした。しかしながら、これに限らず、例えば他の色光より光路が長い色光を青色光とし、青色光の光路上にリレー装置33を設ける構成としてもよい。
画像形成装置34は、入射される赤、緑及び青の各色光を変調し、変調された各色光を合成する。画像形成装置34は、3つのフィールドレンズ341、3つの入射側偏光板342、3つの光変調装置343、3つの視野角補償板344及び3つの出射側偏光板345と、1つの色合成装置346と、を備える。フィールドレンズ341、入射側偏光板342、光変調装置343、視野角補償板344及び出射側偏光板345の組は、入射される色光に応じて設けられる。
光変調装置343は、光源装置4から出射された光を画像情報に応じて変調する。光変調装置343は、赤色光用の光変調装置343R、緑色光用の光変調装置343G及び青色光用の光変調装置343Bを含む。本実施形態では、光変調装置343は、透過型の液晶パネルによって構成されており、入射側偏光板342、光変調装置343、出射側偏光板345によって液晶ライトバルブが構成される。
色合成装置346は、光変調装置343B,343G,343Rによって変調された各色光を合成する。本実施形態では、色合成装置346は、クロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、これに限らず、例えば複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
光学部品用筐体35は、上記した各装置31〜34を内部に収容する。なお、画像投射装置3には、設計上の光軸である照明光軸Axが設定されており、光学部品用筐体35は、照明光軸Axにおける所定位置に各装置31〜34を保持する。なお、光源装置4及び投射光学装置36は、照明光軸Axにおける所定位置に配置される。
投射光学装置36は、画像形成装置34から入射される画像を被投射面に拡大投射する。すなわち、投射光学装置36は、光変調装置343B,343G,343Rによって変調された光を投射する。投射光学装置36は、例えば筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成される。
[光源装置の構成]
図3は、光源装置4の構成を示す模式図である。
光源装置4は、照明光を均一化装置31に出射する。光源装置4は、図3に示すように、光源用筐体CAと、光源用筐体CA内にそれぞれ収容される光源部41、アフォーカル光学素子42、ホモジナイザー光学素子43、偏光分離素子44、第1集光素子45、波長変換素子46、第1位相差素子47、第2集光素子48、拡散反射装置49及び第2位相差素子RPと、を備える。
光源用筐体CAは、塵埃等が内部に侵入しづらい密閉筐体として構成されている。
光源部41、アフォーカル光学素子42、ホモジナイザー光学素子43、偏光分離素子44、第1位相差素子47、第2集光素子48及び拡散反射装置49は、光源装置4に設定された照明光軸Ax1上に配置されている。
波長変換素子46、第1集光素子45、偏光分離素子44及び第2位相差素子RPは、光源装置4に設定され、かつ、照明光軸Ax1に直交する照明光軸Ax2上に配置されている。照明光軸Ax2は、レンズアレイ311の位置にて、照明光軸Axと一致する。換言すると、照明光軸Ax2は、照明光軸Axの延長線上に設定されている。
[光源部の構成]
光源部41は、光を出射する光源411及びコリメーターレンズ415を備える。
光源411は、複数の第1半導体レーザー412及び複数の第2半導体レーザー413と、支持部材414と、を備える。
複数の第1半導体レーザー412は、照明光軸Ax1と直交する平面にそれぞれアレイ状に配置されている。第1半導体レーザー412は、偏光分離素子44に対してs偏光の青色光L1sを励起光として出射するLD(Laser Diode)である。青色光L1sは、例えば、ピーク波長が440nmのレーザー光である。第1半導体レーザー412から出射された青色光L1sは、波長変換素子46に入射される。
複数の第2半導体レーザー413は、照明光軸Ax1と直交する平面にそれぞれアレイ状に配置されている。第2半導体レーザー413は、偏光分離素子44に対してp偏光の青色光L2pを出射するLD(Laser Diode)である。青色光L2pは、例えば、ピーク波長が460nmのレーザー光である。第2半導体レーザー413から出射された青色光L2pは、拡散反射装置49に入射される。
なお、光源装置4において、s偏光の光とは、偏光分離素子44に対してs偏光である光を示し、p偏光の光とは、偏光分離素子44に対してp偏光である光を示す。
支持部材414は、複数の第1半導体レーザー412及び複数の第2半導体レーザー413を支持する。支持部材414は、熱伝導性を有する金属製部材であり、後述する蒸発部6Aに受熱部材RM(図5及び図6参照)を介して接続される。そして、熱源である各半導体レーザー412,413の熱、すなわち、光源411の熱は、蒸発部6Aに伝達される。
第1半導体レーザー412から出射された青色光L1s及び第2半導体レーザー413から出射された青色光L2pは、コリメーターレンズ415によって平行光束に変換され、アフォーカル光学素子42に入射される。
なお、本実施形態では、光源411は、s偏光の青色光L1sと、p偏光の青色光L2pとを出射する構成である。しかしながら、これに限らず、光源411は、偏光方向が同じ直線偏光光である青色光を出射する構成としてもよい。この場合、入射された1種類の直線偏光をs偏光及びp偏光が含まれる光とする位相差素子を、光源部41と偏光分離素子44との間に配置すればよい。
[アフォーカル光学素子及びホモジナイザー光学素子の構成]
アフォーカル光学素子42は、光源部41から入射される青色光L1s,L2pの光束径を調整して、ホモジナイザー光学素子43に入射させる。アフォーカル光学素子42は、入射される光を集光するレンズ421と、レンズ421によって集光された光束を平行化するレンズ422とにより構成されている。
ホモジナイザー光学素子43は、青色光L1s,L2pの照度分布を均一化する。ホモジナイザー光学素子43は、一対のマルチレンズアレイ431,432により構成されている。
[偏光分離素子の構成]
ホモジナイザー光学素子43を通過した青色光L1s,L2pは、偏光分離素子44に入射する。
偏光分離素子44は、プリズム型の偏光ビームスプリッターであり、入射される光に含まれるs偏光成分とp偏光成分とを分離する。具体的に、偏光分離素子44は、s偏光成分を反射させ、p偏光成分を透過させる。また、偏光分離素子44は、s偏光成分及びp偏光成分のいずれの偏光成分であっても、所定波長以上の光を透過させる色分離特性を有する。従って、s偏光の青色光L1sは、偏光分離素子44にて反射され、第1集光素子45に入射する。一方、p偏光の青色光L2pは、偏光分離素子44を透過して、第1位相差素子47に入射する。
[第1集光素子の構成]
第1集光素子45は、偏光分離素子44にて反射された青色光L1sを波長変換素子46に集光する。また、第1集光素子45は、波長変換素子46から入射される蛍光YLを平行化する。図3の例では、第1集光素子45は、2つのレンズ451,452によって構成されているが、第1集光素子45を構成するレンズの数は問わない。
[波長変換素子の構成]
波長変換素子46は、入射された光によって励起されて、入射された光より波長が長い蛍光YLを出射する。換言すると、波長変換素子46は、入射された光の波長を変換し、変換された光を出射する。波長変換素子46によって生成された蛍光YLは、例えば、ピーク波長が500〜700nmの光である。波長変換素子46は、波長変換部461及び放熱部462を備える。
波長変換部461は、図示を省略するが、波長変換層及び反射層を有する。波長変換層は、入射される青色光L1sを波長変換した非偏光光である蛍光YLを拡散出射する蛍光体を含む。反射層は、波長変換層から入射される蛍光YLを第1集光素子45側に反射させる。
放熱部462は、波長変換部461における光入射側とは反対側の面に設けられ、波長変換部461にて生じた熱を放出する。
波長変換素子46から出射された蛍光YLは、照明光軸Ax2に沿って第1集光素子45を通過した後、上記色分離特性を有する偏光分離素子44に入射される。蛍光YLは、偏光分離素子44を照明光軸Ax2に沿って通過し、第2位相差素子RPに入射する。
なお、波長変換素子46は、モーター等の回転装置によって、照明光軸Ax2と平行な回転軸を中心として回転される構成であってもよい。
[第1位相差素子及び第2集光素子の構成]
第1位相差素子47は、偏光分離素子44と第2集光素子48との間に配置されている。第1位相差素子47は、偏光分離素子44を通過した青色光L2pを円偏光の青色光L2cに変換する。青色光L2cは、第2集光素子48に入射される。
第2集光素子48は、第1位相差素子47から入射される青色光L2cを拡散反射装置49に集光する。また、第2集光素子48は、拡散反射装置49から入射される青色光L2cを平行化する。なお、第2集光素子48を構成するレンズの数は、適宜変更可能である。
[拡散反射装置の構成]
拡散反射装置49は、波長変換素子46から出射される蛍光YLと同様の拡散角で、入射された青色光L2cを拡散反射させる。拡散反射装置49の構成として、入射された青色光L2cをランバート反射させる反射板と、反射板を照明光軸Ax1と平行な回転軸を中心として回転させる回転装置とを備える構成を例示できる。
拡散反射装置49にて拡散反射された青色光L2cは、第2集光素子48を通過した後、第1位相差素子47に入射される。青色光L2cは、拡散反射装置49にて反射される際に、回転方向が反対方向の円偏光に変換される。このため、第2集光素子48を介して第1位相差素子47に入射された青色光L2cは、偏光分離素子44から第1位相差素子47に入射された際のp偏光の青色光L2pではなく、s偏光の青色光L2sに変換される。そして、青色光L2sは、偏光分離素子44にて反射されて、第2位相差素子RPに入射される。すなわち、偏光分離素子44から第2位相差素子RPに入射される光は、青色光L2s及び蛍光YLが混在した白色光である。
[第2位相差素子の構成]
第2位相差素子RPは、偏光分離素子44から入射される白色光をs偏光及びp偏光が混在する光に変換する。このように変換された白色の照明光WLは、上記した均一化装置31に入射される。
[冷却装置の構成]
冷却装置5は、プロジェクター1を構成する冷却対象を冷却する。本実施形態において、冷却対象は、光源装置4の光源411である。冷却装置5は、図2に示すように、ループ型ヒートパイプ51及び冷却ファン55を備える。
冷却ファン55は、外装筐体2内の空間において排気口232とループ型ヒートパイプ51の後述する凝縮部53との間に設けられている。冷却ファン55は、外装筐体2内の冷却気体を吸引して排気口232から排出する過程にて、凝縮部53に冷却気体を流通させ、これにより、凝縮部53を冷却する。なお、冷却ファン55は、例えば、外装筐体2内の空間において導入口261と凝縮部53との間に設けられ、外装筐体2外の冷却気体を吸引して凝縮部53に冷却気体を送出する構成であってもよい。
ループ型ヒートパイプ51は、減圧状態で封入されることによって比較的低温で相状態が変化する作動流体が循環する循環流路を有する。詳述すると、ループ型ヒートパイプ51は、冷却対象から伝達される熱によって、作動流体の相状態を液相から気相に相変化させ、作動流体が液相から気相へ相変化する部位以外の部位にて気相の作動流体の熱を放出することによって、冷却対象を冷却する。また、ループ型ヒートパイプ51は、気相の作動流体から熱を奪うことによって作動流体の相状態を気相から液相に変化させ、液相に変化した作動流体を、冷却対象からの熱が伝達される部位に流通させる。
このようなループ型ヒートパイプ51は、蒸発部6A、蒸気管52、凝縮部53及び液管54を備える。なお、蒸発部6Aの構成は、後に詳述する。
[蒸気管の構成]
蒸気管52は、作動流体の循環流路において、気相の作動流体が流通可能に蒸発部6Aと凝縮部53とを接続する管状部材である。蒸気管52は、蒸発部6Aにて液相から気相に変化して蒸発部6Aから流入される作動流体を、凝縮部53に流通させる。
[凝縮部の構成]
凝縮部53は、気相の作動流体の熱を奪って作動流体を冷却し、冷却によって気相から液相に相変化した作動流体を液管54に流出させるとともに、気相の作動流体から奪った熱を放出する。すなわち、凝縮部53は、気相の作動流体を凝縮させることによって、気相の作動流体を液相の作動流体に変化させる。凝縮部53は、図示を省略するが、蒸気管52及び液管54が接続される本体部と、本体部に接続される放熱部と、を有する。
本体部は、蒸気管52から流入される気相の作動流体が流通し、液管54と連通する相変化流路を、循環流路の一部として、内部に有する。気相の作動流体は、相変化流路を流通する過程にて本体部に受熱されて冷却され、これにより液相の作動流体に変化される。そして、気相から液相に変化された作動流体は、相変化流路内を更に流通して、本体部に受熱されて冷却された後、液管54に流出される。
放熱部は、本体部に伝達された作動流体の熱を放出する部材であり、いわゆるヒートシンクである。放熱部には、冷却ファン55の駆動によって冷却気体が流通し、これにより、凝縮部53が冷却される。
[液管の構成]
液管54は、作動流体の循環流路において、液相の作動流体が流通可能に凝縮部53と蒸発部6Aとを接続する管状部材である。液管54は、凝縮部53において気相から液相に変化した作動流体を、蒸発部6Aに流通させる。
[蒸発部の構成]
蒸発部6Aは、冷却対象としての光源411から伝達される熱によって液相の作動流体を蒸発させて、液相の作動流体を気相の作動流体に変化させる。具体的に、蒸発部6Aは、光源411の支持部材414を介して伝達される半導体レーザー412,413の熱によって液相の作動流体を蒸発させることにより、半導体レーザー412,413を冷却する。
[筐体の構成]
図4は、蒸発部6Aの外観を示す斜視図である。
蒸発部6Aは、図4に示すように、筐体61を備える。
筐体61は、略円柱状に形成されている。筐体61は、天面部61A、底面部61B及び側面部61Cを有する。
天面部61A及び底面部61Bは、筐体61において互いに反対側となる部位である。天面部61A及び底面部61Bのそれぞれは、略円形状の平面である。
底面部61Bは、ループ型ヒートパイプ51の冷却対象である光源411と、受熱部材RM(図5及び図6参照)を介して熱伝達可能に接続される。光源411の熱は、底面部61Bに伝達される。なお、受熱部材RMは無くてもよく、底面部61Bと光源411とが直接接続されていてもよい。
側面部61Cは、天面部61Aと底面部61Bとを接続する。
以下の説明では、互いに直交する3つの方向を+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。図示を省略するが、説明の便宜上、+X方向の反対方向を−X方向とし、+Y方向の反対方向を−Y方向とし、+Z方向の反対方向を−Z方向とする。+Y方向は、天面部61Aから底面部61Bに向かう方向である。
筐体61は、液管接続部611及び蒸気管接続部612を有する。
液管接続部611は、天面部61Aの略中央から−Y方向に起立している。液管接続部611は、筐体61の内部と連通しており、液管54と接続される。液管54を流通する液相の作動流体は、液管接続部611を介して、筐体61内に設けられたリザーバー62(図5及び図6参照)に流入する。
蒸気管接続部612は、蒸気管52と接続される部位であり、側面部61Cから筐体61の外径方向に突出している。具体的に、蒸気管接続部612は、側面部61Cから+X方向に突出している。詳しくは後述するが、筐体61内に設けられたグルーブ部材65から排出された気相の作動流体は、蒸気管接続部612を介して蒸気管52内に流入する。
図5及び図6は、蒸発部6Aの内部構造を模式的に示す断面図である。換言すると、図5及び図6は、筐体61の内部を模式的に示す断面図である。図5に示される蒸発部6Aの断面と、図6に示される蒸発部6Aの断面とは、−Y方向から見た場合の筐体61の中央にて直交している。なお、図5においては、見易さを考慮して、ウィック64の貫通孔641と、グルーブ部材65の接続部652及び流路653とを、実際の構成よりも少なく図示している。
筐体61は、図5及び図6に示すように、液管接続部611を介して液管54から内部に流入された液相の作動流体を貯留するリザーバー62を有する。換言すると、リザーバー62は、筐体61内において、後述するウィック64によって吸引されなかった液相の作動流体が貯留される部位である。
なお、リザーバー62の構成については、後に詳述する。
[熱交換部の構成]
蒸発部6Aは、筐体61に設けられる熱交換部63を備える。
熱交換部63は、冷却対象である光源411から伝達される熱によって、リザーバー62から供給された液相の作動流体を蒸発させて、液相から気相に変化した作動流体である蒸気を生成し、生成した蒸気を、蒸気管接続部612を介して蒸気管52に排出する。
熱交換部63は、流体輸送層であるウィック64と、流路形成層であるグルーブ部材65と、を有する。すなわち、蒸発部6Aは、熱交換部63を構成するウィック64及びグルーブ部材65を有する。詳述すると、熱交換部63は、リザーバー62から+Y方向に向かって順に設けられるウィック64及びグルーブ部材65を有する。ここで、+Y方向は、換言すると、リザーバー62からグルーブ部材65に向かう第1方向である。
[ウィックの構成]
ウィック64は、+Y方向に位置する面64Bと、+Y方向とは反対の−Y方向に位置する第1面としての面64Aと、を有し、面64Aがリザーバー62に貯留された液相の作動流体と接触可能に設けられる。すなわち、ウィック64は、筐体61内に設けられる。ウィック64は、リザーバー62に貯留された液相の作動流体が浸み込み、浸み込んだ液相の作動流体を、グルーブ部材65側である+Y方向に輸送する。ウィック64は、図5に示すように、+Y方向に沿ってウィック64を貫通する複数の貫通孔641を有する。
複数の貫通孔641は、ウィック64においてリザーバー62側である−Y方向に開口し、かつ、ウィック64においてグルーブ部材65側である+Y方向に開口している。複数の貫通孔641のそれぞれには、リザーバー62に貯留された液相の作動流体が浸み込み、複数の貫通孔641に浸み込んだ液相の作動流体は、毛管力によって+Y方向に輸送される。
詳しい図示を省略するが、貫通孔641は、+X方向に複数配列されているとともに、+Z方向に複数配列されている。具体的に、+X方向に沿って配列された複数の貫通孔641を一列の貫通孔641とすると、複数列の貫通孔641がウィック64全体において+Z方向に沿って設けられている。
本実施形態では、−Y方向から見た貫通孔641の形状は、円形状であるが、多角形状であってもよい。貫通孔641の形状が円形状であると、多角形状である場合に比べて、貫通孔641内の流通抵抗を小さくできる。
このようなウィック64において複数の貫通孔641以外の部位は、例えば銅やステンレス鋼(SUS:Steel Use Stainless)等の金属材料によって中実に形成されている。
なお、+Z方向に沿って複数配列された貫通孔641の列は、一列毎に貫通孔641を+X方向にずらして互い違いに並べられていてもよい。
このようなウィック64の側面と筐体61の内面との間は、環状の封止部材SMによって封止されている。封止部材SMによって、液相の作動流体がウィック64の側面と筐体61の内面との間を+Y方向に流通することが抑制されるとともに、気相の作動流体がウィック64の側面と筐体61の内面との間を−Y方向に流通することが抑制される。
[グルーブ部材の構成]
グルーブ部材65は、ウィック64と接続されている。グルーブ部材65は、受熱部材RM及び筐体61を介して冷却対象である光源411から伝達される熱によって、ウィック64によって輸送された液相の作動流体を蒸発させて、液相の作動流体を気相の作動流体に変化させる。グルーブ部材65にて気相に変化した作動流体は、蒸気管接続部612を介して、蒸気管52に流通する。グルーブ部材65は、図5に示すように、基部651、複数の接続部652及び複数の流路653を有する。
本実施形態では、グルーブ部材65は、筐体61とは別体として構成されている。しかしながら、これに限らず、グルーブ部材65は、筐体61の一部であってもよい。換言すると、グルーブ部材65は、筐体61と一体化されていてもよい。この場合、基部651及び複数の接続部652は、筐体61の一部を構成する。
[基部の構成]
基部651は、筐体61の内面のうち、筐体61の略中央に位置して−Y方向を向く内面と熱伝達可能に接続される。基部651には、筐体61を介して光源411の熱が伝達される。基部651は、平板状に形成されている。
[接続部の構成]
複数の接続部652は、基部651からリザーバー62側である−Y方向に突出し、+X方向に沿って延出する突出部である。具体的に、各接続部652は、基部651から−Y方向に四角柱状に突出しており、+Z方向に沿って並んで設けられている。
複数の接続部652における−Y方向の面は、ウィック64における+Y方向の面64Bと接続されている。
[流路の構成]
複数の流路653は、基部651、接続部652又はウィック64にて液相から気相に変化した作動流体が流通する流路である。複数の流路653のそれぞれは、隣り合う2つの接続部652の間に設けられている。具体的に、複数の流路653は、基部651、複数の接続部652、及び、ウィック64によって囲まれる空間である。複数の流路653は、接続部652とともに、第3方向である+X方向に沿って延出しており、蒸気管接続部612と連通している。
複数の流路653のそれぞれは、複数の貫通孔641のうち少なくとも1つの貫通孔641に対応して設けられている。具体的に、複数の流路653のそれぞれは、複数の貫通孔641のうち、+X方向に沿って配列された一列の貫通孔641に応じて設けられている。このため、一列の貫通孔641は、1つの流路653に対応して開口している。
なお、本実施形態では、複数の流路653のそれぞれは、ウィック64に設けられた複数列の貫通孔641に応じて設けられている。すなわち、ウィック64に設けられた複数の貫通孔641のそれぞれは、複数の流路653のいずれかに開口している。しかしながら、これに限らず、複数の貫通孔641の一部は、ウィック64と接続される複数の接続部652のうち少なくとも1つの接続部652によって閉塞されていてもよい。この場合でも、1つの流路653が、少なくとも1つの貫通孔641に対応して設けられ、少なくとも1つの貫通孔641が、1つの流路653に開口していればよい。
[リザーバーの構成]
リザーバー62は、上記のように、筐体61内に設けられた空間であって、液管54から筐体61内に流入した液相の作動流体を貯留する空間である。リザーバー62は、図5及び図6に示すように、第1貯留部621及び第2貯留部622を有し、第1貯留部621と第2貯留部622とは、互いに連通している。リザーバー62は、第1方向である+Y方向に沿う中心軸CLを中心として略軸対称に形成されている。
[第1貯留部の構成]
第1貯留部621は、筐体61内において、ウィック64の面64Aに対して−Y方向に位置する空間である。すなわち、第1貯留部621は、ウィック64における第1面である−Y方向の面64Aよりも−Y方向に位置する部位である。第1貯留部621は、第1貯留部621において+Y方向に位置する第1部分6211と、第1部分6211に対して−Y方向に位置する第2部分6212と、を有する。第1部分6211と第2部分6212とは、互いに連通している。
第1部分6211は、第1貯留部621において+Y方向に位置する空間であり、中心軸CLを中心とする円柱状の空間である。中心軸CLを中心とする第1部分6211の内径は、中心軸CLを中心とするウィック64の直径よりも大きい。換言すると、第1部分6211における+Y方向に直交する断面の面積は、ウィック64における+Y方向に直交する断面の面積よりも大きい。このように、第1部分6211は、−Y方向から見て、ウィック64と重なるとともに、ウィック64の外側に略円形状に拡がる空間である。
第1貯留部621において、第1部分6211は、ウィック64と対向する。ウィック64には、第1部分6211内の液相の作動流体が浸み込む。
第2部分6212は、第1部分6211より−Y方向に位置する空間であり、液管接続部611と連通している。すなわち、第2部分6212は、リザーバー62において液管接続部611を介して液管54から液相の作動流体が最初に流入する部位である。
第2部分6212は、第1部分6211と同様に、中心軸CLを中心とする円柱状の空間である。中心軸CLを中心とする第2部分6212の内径は、中心軸CLを中心とする第1部分6211の内径よりも小さく、更にはウィック64の直径よりも小さい。換言すると、第2部分6212における+Y方向に直交する断面の面積は、第1部分6211における+Y方向に直交する断面の面積よりも小さく、更に、ウィック64における+Y方向に直交する断面の面積よりも小さい。このため、第1貯留部621の形状は、−Y方向に向かうに従って、+Y方向に直交する断面の面積が段階的に小さくなる形状である。
[第2貯留部の構成]
第2貯留部622は、第1貯留部621における外縁側の部位から+Y方向に延出した空間である。詳述すると、第2貯留部622は、第1部分6211において、+Y方向から見てウィック64よりも外側の部位から+Y方向に延出した空間である。すなわち、第2貯留部622は、ウィック64の面64Aに対して+Y方向に位置する。
第2貯留部622は、第1部分6211、ひいては、第1貯留部621と連通しており、第2貯留部622には、第1貯留部621に流入した液相の作動流体の一部が流入する。第2貯留部622に流入した液相の作動流体は、第2貯留部622に貯留される。詳しくは後述するが、蒸発部6Aが傾けられたときに、第2貯留部622に貯留された液相の作動流体の一部は、第1貯留部621に流入する。
本実施形態では、第2貯留部622における+Y方向の端面6221の延長面は、ウィック64における+Y方向の面64Bと略一致する。換言すると、端面6221は、面64Bの延長面上に位置する。しかしながら、これに限らず、端面6221は、面64Aより+Y方向に位置し、かつ、底面部61Bより−Y方向に位置していればよい。
[蒸発部の姿勢が通常姿勢であるときの液面の位置]
図5及び図6に示すように、底面部61Bが鉛直方向Eを向き、かつ、底面部61Bに対する垂線が鉛直方向と平行になるように配置されたときの蒸発部6Aの姿勢を通常姿勢とする。蒸発部6Aの姿勢が通常姿勢である場合、+Y方向は、鉛直方向Eと一致する。なお、鉛直方向Eは、換言すると、重力方向である。
蒸発部6Aの姿勢が通常姿勢である場合、図5及び図6に示すように、リザーバー62内の液相の作動流体の一部は、第2貯留部622に貯留されて第2貯留部622を満たすとともに、第1貯留部621に貯留される。すなわち、蒸発部6Aの姿勢が通常姿勢である場合、液管54からリザーバー62内に流入した液相の作動流体は、第1貯留部621から第2貯留部622に流入して第2貯留部622を満たし、第2貯留部622の余剰分が第1貯留部621に貯留される。
蒸発部6Aの姿勢が通常姿勢であるときのリザーバー62内における液相の作動流体の液面LSは、ウィック64の面64Aよりも−Y方向に位置し、面64Aの全面が、液相の作動流体と接触する。
本実施形態では、蒸発部6Aの姿勢が通常姿勢である場合、液面LSは、第1部分6211に位置する。しかしながら、蒸発部6Aの姿勢が通常姿勢である場合の液面LSの位置は、第2部分6212に位置していてもよい。
但し、ループ型ヒートパイプ51が作動するには、ウィック64と液相の作動流体とが接触している等して、ウィック64が液相の作動流体を+Y方向に輸送可能であることが挙げられる他、ループ型ヒートパイプ51が作動していない状態において、リザーバー62が液相の作動流体によって満たされないことが挙げられる。
このため、蒸発部6Aの姿勢が通常姿勢である場合に、液相の作動流体によって、少なくとも第1貯留部621が満たされないように、ループ型ヒートパイプ51は構成されている。
[蒸発部が傾いた場合の液面の位置]
図7は、通常姿勢から回動方向D1に沿って90°回動された蒸発部6Aを示す断面図である。
図5に示した通常姿勢の蒸発部6Aが+X方向に沿う回動軸Rxを中心として回動方向D1に沿って90°回動されると、図7に示すように、鉛直方向Eは−Z方向と一致する。
このような蒸発部6Aの姿勢では、リザーバー62内の液面LSは、ウィック64の面64Aにおける−Z方向の部位と交差する。具体的に、図7に示す蒸発部6Aの姿勢では、面64Aにおける+Z方向の部位は、液相の作動流体と接触しないものの、面64Aにおける−Z方向の部位は、液相の作動流体と接触する。このため、液相の作動流体は、ウィック64に浸み込み、ウィック64が液相の作動流体を輸送可能であることから、ループ型ヒートパイプ51は、作動可能である。
図8は、通常姿勢から回動方向D1に沿って150°回動された蒸発部6Aを示す断面図である。
蒸発部6Aが回動方向D1に更に回動され、通常姿勢の蒸発部6Aを回動軸Rxを中心として回動方向D1に沿って、例えば150°回動された場合、図8に示すように、面64Aにおける+Z方向の部位は、液相の作動流体と接触しない。しかしながら、この姿勢でも、面64Aにおける−Z方向の部位は、液相の作動流体と接触する。このような姿勢の蒸発部6Aにおいても、ループ型ヒートパイプ51は、作動可能である。
ここで、リザーバー62は、上記のように、+Y方向と平行な中心軸CLを中心とする略軸対称に形成されている。このため、蒸発部6Aが+Y方向と直交する回動軸Rxを中心として回動された場合でも、通常姿勢からの回動角が0°以上であり、かつ、少なくとも150°以下の範囲内であれば、ループ型ヒートパイプ51を作動させることができる。すなわち、通常姿勢からの回動角が0°以上であり、かつ、少なくとも150°以下の範囲内であれば、蒸発部6Aがどの方向に傾いた場合でも、ループ型ヒートパイプ51を作動させることができる。
なお、蒸発部6Aの回動軸は、+Y方向と直交する軸であればよい。
[従来の蒸発部との比較]
図9は、蒸発部6Aに対する比較例としての従来の蒸発部EVの構成を模式的に示す断面図である。換言すると、図9は、通常姿勢に配置された蒸発部EVを示す図である。
ここで、従来の蒸発部の一例である蒸発部EVについて説明する。
蒸発部EVは、図9に示すように、筐体EV1と、筐体EV1内に設けられる熱交換部EV2と、を備える。熱交換部EV2は、ウィック64と同様のウィックEV3、及び、グルーブ部材65と同様のグルーブ部材EV4を有する。蒸発部EVは、蒸発部6Aと同様に、筐体EV1内に流入する液相の作動流体を、冷却対象から伝達される熱によって蒸発させ、冷却対象の熱を消費するとともに、気相の作動流体を排出する。
なお、蒸発部EVにおいて、ウィックEV3と筐体EV1の内面との間を封止する封止部材SMは、ウィックEV3においてグルーブ部材EV4とは反対側の面EV3Aと接触するように設けられている。
筐体EV1は、筐体61と同様に、天面部EV11、底面部EV12及び側面部EV13を有する略円柱状に構成されている。筐体EV1は、天面部EV11に設けられた液管接続部EV14と、側面部EV13に設けられた蒸気管接続部(図示省略)と、筐体EV1内に設けられたリザーバーEV15と、を有する。
リザーバーEV15は、リザーバー62と同様に、液管接続部EV14を介して液管54から筐体EV1内に流入する液相の作動流体を貯留する。リザーバーEV15は、天面部EV11側から見てウィックEV3の外側に位置する第2貯留部622に相当する構成を有しない。更に言えば、リザーバーEV15からグルーブ部材EV4に向かう第1方向を+Y方向とすると、リザーバーEV15における+Y方向に直交する断面の面積は、ウィックEV3における+Y方向に直交する断面の面積よりも僅かに小さい。
底面部EV12が鉛直方向Eを向き、かつ、底面部EV12に対する垂線が鉛直方向Eと平行になるように配置されたときの蒸発部EVの姿勢を通常姿勢とする。そして、蒸発部EVの姿勢が通常姿勢である場合、ウィックEV3の面EV3Aは、リザーバーEV15に貯留された液相の作動流体と接触し、ウィックEV3には液相の作動流体が浸み込む。このため、ウィックEV3は、液相の作動流体をグルーブ部材EV4側に輸送でき、蒸発部EVを有するループ型ヒートパイプは、作動可能である。
図10は、通常姿勢から+X方向に沿う回動軸RxAを中心として回動方向DAに沿って150°回動された蒸発部EVを示す図である。
しかしながら、+X方向に沿う回動軸RxAを中心として蒸発部EVが回動方向DAに沿って150°回動された場合、図10に示すように、リザーバーEV15に貯留された液相の作動流体は、ウィックEV3の面EV3Aから離れる。すなわち、図10に示した蒸発部EVの姿勢では、ウィックEV3は、液相の作動流体と接触しない。このため、ウィックEV3に液相の作動流体が浸み込まず、ウィックEV3が液相の作動流体をグルーブ部材EV4側に輸送できないことから、蒸発部EVを有するループ型ヒートパイプが作動できない。
これに対し、上記のように、蒸発部6Aが通常姿勢から回動方向D1に沿って150°回動された場合では、第2貯留部622に貯留されていた液相の作動流体が第1貯留部621に流入する。このため、第1貯留部621には、蒸発部6Aが通常姿勢に配置されていたときに、第1貯留部621に貯留されていた液相の作動流体が存在するだけでなく、第2貯留部622に貯留されていた液相の作動流体が流入する。すなわち、通常姿勢から150°回動された蒸発部6Aでは、第1貯留部621内の液相の作動流体の液量は、通常姿勢での第1貯留部621内の液相の作動流体の液量よりも大きくなる。
このことから、リザーバー62内の液面LSをウィック64に近付けることができ、ウィック64の面64Aと液相の作動流体との接触状態を維持できる。すなわち、ウィック64が液相の作動流体をグルーブ部材65側に輸送でき、ループ型ヒートパイプ51を作動できる。
従って、蒸発部6Aでは、ウィック64と液相の作動流体とが接触可能な回動角の範囲を、蒸発部EVでの範囲に比べて拡大できる。換言すると、上記構成により、ループ型ヒートパイプ51を作動可能な蒸発部6Aの傾きの許容範囲を、蒸発部EVの傾きの許容範囲に比べて拡大できる。
なお、第1貯留部621は、+Y方向に直交する断面の面積がウィック64における+Y方向に直交する断面の面積よりも大きい第1部分6211と、第1部分6211に対して−Y方向に位置し、+Y方向に直交する断面の面積がウィック64における+Y方向に直交する断面の面積よりも小さい第2部分6212と、を有する。このため、+Y方向が鉛直方向Eとは反対方向を向くように、蒸発部6Aが傾けられた場合に、第1部分6211に対して鉛直方向Eには、第2部分6212が位置する。
これによれば、第2部分6212における断面積が、第1部分6211における断面積と同じである場合や、ウィック64における断面積と同じである場合に比べて、リザーバー62内での液相の作動流体の水位を高くすることができる。従って、ウィック64と液相の作動流体とを接触させやすくすることができる。
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1は、以下の効果を有する。
プロジェクター1は、光を出射する光源411と、光源411から出射された光を変調する光変調装置343と、光変調装置343によって変調された光を投射する投射光学装置36と、冷却装置5と、を備える。
冷却装置5は、蒸発部6A、蒸気管52、凝縮部53及び液管54を備える。蒸発部6Aは、冷却対象である光源411から伝達される熱によって液相の作動流体を蒸発させて、液相の作動流体を気相の作動流体に変化させる。蒸気管52は、蒸発部6Aにて液相から気相に変化した作動流体を凝縮部53へ流通させる。凝縮部53は、気相の作動流体を凝縮させて、気相の作動流体を液相の作動流体に変化させる。液管54は、凝縮部53にて気相から液相に変化した作動流体を蒸発部6Aへ流通させる。
蒸発部6Aは、筐体61、ウィック64及びグルーブ部材65を有する。筐体61は、液管54と接続される。筐体61は、内部に流入された液相の作動流体を貯留するリザーバー62を有する。ウィック64は、筐体61内に設けられる。ウィック64には、液相の作動流体が浸み込み、ウィック64は、浸み込んだ液相の作動流体を輸送する。グルーブ部材65は、液相から気相に変化した作動流体が流通する複数の流路653を有する。
ウィック64は、−Y方向に位置する第1面である面64Aを有する。−Y方向は、リザーバー62からグルーブ部材65に向かう第1方向である+Y方向とは反対方向である。
リザーバー62は、第1貯留部621及び第2貯留部622を有する。第1貯留部621は、面64Aに対して−Y方向に位置する。第2貯留部622は、第1貯留部621と連通し、面64Aに対して+Y方向に位置する。
このような構成によれば、+Y方向が鉛直方向Eとは反対方向を向くように、蒸発部6Aが、+Y方向に対して直交する回動軸を中心として傾けられた場合に、第2貯留部622に貯留されていた液相の作動流体が第1貯留部621に流入する。このため、蒸発部6Aが傾けられた場合に、第2貯留部622が無い従来の蒸発部、例えば、蒸発部EVに比べて、リザーバー62内の液相の作動流体の水位を高くすることができ、液相の作動流体をウィック64に接触させやすくすることができる。従って、第2貯留部622が無い従来の蒸発部に比べて、ウィック64と液相の作動流体との接触状態が維持される蒸発部6Aの回動角を大きくでき、蒸発部6Aの傾きについての許容範囲であって、冷却装置5が正常に作動する許容範囲を拡大できる。
第1貯留部621は、第1貯留部621における+Y方向に位置する第1部分6211と、第1部分6211に対して−Y方向に位置する第2部分6212と、を有する。第2部分6212における+Y方向に直交する断面の面積は、第1部分6211における+Y方向に直交する断面の面積よりも小さい。
このような構成によれば、第1貯留部621において+Y方向に直交する断面の面積は、−Y方向に向かって小さくなる。このため、+Y方向が鉛直方向Eとは反対方向を向くように、蒸発部6Aが傾けられた場合、すなわち、第2部分6212が第1部分6211に対して鉛直方向Eに位置するように、蒸発部6Aが傾けられた場合に、リザーバー62における水位をより高くすることができる。従って、ウィック64と液相の作動流体との接触状態が維持される蒸発部6Aの回動角を大きくでき、上記許容範囲を拡大できる。
リザーバー62は、+Y方向に沿う中心軸CLを中心として略軸対称である。すなわち、第1貯留部621及び第2貯留部622は、中心軸CLを中心として略軸対称である。
このような構成によれば、蒸発部6Aがどの方向に傾いた場合であっても、ウィック64に液相の作動流体を接触させやすくすることができ、ウィック64と液相の作動流体との接触状態を維持しやすくすることができる。
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、蒸発部に設けられたリザーバー内に可動体が設けられている点で、第1実施形態に係るプロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、本実施形態に係るプロジェクターが備える冷却装置の蒸発部6Bを示す断面図である。詳述すると、図11は、通常姿勢の蒸発部6BにおけるYZ平面に沿う断面を示す図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、蒸発部6Aに代えて蒸発部6Bを有する他は、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。すなわち、本実施形態における冷却装置は、蒸発部6Aに代えて蒸発部6Bを有する他は、第1実施形態にて示した冷却装置5と同様の構成を有し、冷却対象としての光源411を冷却する。
蒸発部6Bは、図11に示すように、可動体66を更に有する他は、蒸発部6Aと同様の構成及び機能を有する。すなわち、蒸発部6Bは、リザーバー62を有する筐体61と、ウィック64及びグルーブ部材65を有する熱交換部63と、複数の可動体66と、を備える。そして、蒸発部6Bにおけるリザーバー62の容積は、第1実施形態に係る蒸発部6Aにおけるリザーバー62の容積と同じである。また、蒸発部6Bのリザーバー62に貯留されている液相の作動流体の液量は、蒸発部6Aのリザーバー62に貯留されている液相の作動流体の液量と同じである。
可動体66は、リザーバー62内に移動可能に設けられている。可動体66は、密度が液相の作動流体よりも大きい球体である。このため、リザーバー62内では、可動体66は、液相の作動流体中に沈んでいる。例えば、蒸発部6Bの姿勢が通常姿勢である場合には、可動体66は、第2貯留部622内に位置しており、第2貯留部622内に貯留された液相の作動流体中に沈んでいる。
このような可動体66が設けられていることにより、リザーバー62内に貯留されている液相の作動流体の液量が、蒸発部6Aと蒸発部6Bとの間で同じである場合には、蒸発部6Bにおけるリザーバー62内の水位は、第1実施形態に係る蒸発部6Aのリザーバー62内の水位より高い。換言すると、蒸発部6Bにおけるリザーバー62内の液面LSは、蒸発部6Aにおけるリザーバー62内の液面LSよりもウィック64の面64Aから−Y方向に離れる。
本実施形態では、可動体66は、リザーバー62内に複数設けられているが、少なくとも1つ設けられていればよい。また、可動体66は、球形であるとしたが、リザーバー62内を移動可能であれば、多面体であってもよい。
図12は、通常姿勢から回動方向D1に沿って150°回動された蒸発部6BにおけるYZ平面に沿う断面を示す図である。
+X方向に沿う回動軸Rxを中心として蒸発部6Bが回動方向D1に沿って150°回動された場合では、図12に示すように、ウィック64の面64Aにおける−Z方向の部位は、液相の作動流体と接触する。このため、蒸発部6Aでの場合と同様に、蒸発部6Bが上記のように回動された場合でも、ループ型ヒートパイプ51は、作動可能である。
この状態では、可動体66がリザーバー62内を鉛直方向Eに移動する。これにより、リザーバー62内の液面LSは、通常姿勢から同じ角度だけ回動された蒸発部6Aにおけるリザーバー62内の液面LSよりも+Y方向に位置する。すなわち、液相の作動流体の液量が、蒸発部6A,6Bで同じである場合、天面部61Aが鉛直方向Eを向くように回動された蒸発部6Bでの液面LSは、蒸発部6Bと同じ角度だけ回動された蒸発部6Aでの液面LSよりも+Y方向に位置する。このため、蒸発部6Bにおけるウィック64と液相の作動流体との接触面積は、蒸発部6Aにおけるウィック64と液相の作動流体との接触面積よりも大きい。
このことから、蒸発部6Aではウィック64と液相の作動流体とが接触しない角度だけ蒸発部6Bが回動された場合でも、ウィック64と液相の作動流体とを接触させることができる。換言すると、蒸発部6Bでは、ウィック64と液相の作動流体とが接触可能な回動角の範囲を、第1実施形態に係る蒸発部6Aでの範囲に比べて拡大できる。すなわち、ループ型ヒートパイプ51、ひいては、冷却装置5を作動可能な蒸発部6Bの傾きの許容範囲を、蒸発部6Aの傾きの許容範囲に比べて拡大できる。
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
蒸発部6Bは、リザーバー62内に設けられる可動体66を有する。
このような構成によれば、可動体66が設けられた蒸発部6Bにおけるリザーバー62内の水位を、可動体66が設けられていない蒸発部6Aにおけるリザーバー62内の水位よりも高くすることができる。これにより、蒸発部6Bが傾けられた場合でも、ウィック64を液相の作動流体に接触させやすくすることができる。従って、蒸発部6Aに比べて、ウィック64と液相の作動流体との接触状態が維持される蒸発部6Bの回動角を更に大きくでき、蒸発部6Bの傾きについての許容範囲であって、冷却装置が正常に作動する許容範囲を更に拡大できる。
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。
上記各実施形態では、第1貯留部621は、第1部分6211及び第2部分6212を有するとした。しかしながら、これに限らず、第1貯留部621は、第2部分6212を有さない構成としてもよい。
また、第2部分6212における+Y方向に直交する断面の面積は、第1部分6211における+Y方向に直交する断面の面積よりも小さければよく、必ずしもウィック64における+Y方向に直交する断面の面積よりも小さくなくてもよい。
なお、第1貯留部621における+Y方向に直交する断面の面積は、−Y方向に向かうに従って小さくなればよく、断面の面積は、−Y方向に向かって多段階的に小さくなってもよく、連続的に小さくなってもよい。
上記各実施形態では、第2貯留部622を有する蒸発部6A,6Bが傾けられたとき、リザーバー62内の液相の作動流体がウィック64に接触することができる通常姿勢からの回動角を、0°以上であり、かつ、150°以下の範囲とした。しかしながら、これに限らず、第2貯留部を有する蒸発部において、例えば、リザーバー内に貯留する液相の作動流体の流量、リザーバーの容積、第1貯留部及び第2貯留部の各寸法等を適宜設定することで、上記回動角の範囲、すなわち、ループ型ヒートパイプ51を作動可能な蒸発部6Aの傾きの許容範囲を適宜設定することができる。
上記各実施形態では、リザーバー62は、+Y方向に沿う中心軸CLを中心とする略軸対称であるとした。しかしながら、これに限らず、リザーバー62は、中心軸CLを中心とする軸対称でなくてもよい。
例えば、側面部61Cから+X方向に突出する蒸気管接続部612の位置と、第2貯留部622の位置とが干渉する場合には、蒸気管接続部612における気相の作動流体の流路に応じて、第2貯留部622の形状を変更してもよい。この場合には、蒸気管接続部612から蒸気管52に流通する気相の作動流体の流路が屈曲することを抑制できるので、気相の作動流体を凝縮部53に速やかに流通させることができる。
上記各実施形態では、ウィック64は、複数の貫通孔641を有するとした。しかしながら、これに限らず、本開示における蒸発部に採用されるウィックは、貫通孔を有しないものであってもよい。例えば、本開示における蒸発部に採用されるウィックは、内部に設けられた隙間に液相の作動流体が浸み込むことによって、液相の作動流体をグルーブ部材側に輸送するものであってもよい。
上記各実施形態では、光源装置4の光源411は、半導体レーザー412,413を有するものとした。しかしながら、これに限らず、光源装置は、超高圧水銀ランプ等の光源ランプや、LED(Light Emitting Diode)等の他の固体光源を、光源として有するものであってもよい。この場合、冷却装置5の冷却対象は、光源ランプや他の固体光源であってもよい。
また、冷却装置5の冷却対象は、光源411に限らず、他の構成であってもよい。例えば、冷却装置5は、光変調装置343及び偏光変換素子313等の光学部品を冷却するものでもよく、制御装置や電源装置に設けられた回路素子を冷却するものであってもよい。
上記各実施形態では、プロジェクターは、3つの光変調装置343を備えるとした。しかしながら、これに限らず、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を備えるプロジェクターにも、本開示を適用可能である。
上記各実施形態では、光変調装置343は、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルであるとした。しかしながら、これに限らず、光変調装置として、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。また、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
上記各実施形態では、画像投射装置3は、図2に示すレイアウト及び光学部品を有する構成を例示した。しかしながら、これに限らず、他のレイアウト及び光学部品を有する画像投射装置を採用してもよい。
上記各実施形態では、ループ型ヒートパイプ51を備える冷却装置5をプロジェクターに適用した例を挙げた。しかしながら、これに限らず、本開示の冷却装置は、プロジェクター以外の装置及び機器に適用可能である他、単体で利用することも可能である。すなわち、本開示の冷却装置の用途は、プロジェクターの構成部品を冷却するものに限定されない。
[本開示のまとめ]
以下に、本開示のまとめを付記する。
本開示の第1態様に係る冷却装置は、冷却対象から伝達される熱によって液相の作動流体を蒸発させて、液相の前記作動流体を気相の前記作動流体に変化させる蒸発部と、気相の前記作動流体を凝縮させて、気相の前記作動流体を液相の前記作動流体に変化させる凝縮部と、前記蒸発部にて液相から気相に変化した前記作動流体を前記凝縮部へ流通させる蒸気管と、前記凝縮部にて気相から液相に変化した前記作動流体を前記蒸発部へ流通させる液管と、を備え、前記蒸発部は、前記液管と接続され、内部に流入された液相の前記作動流体を貯留するリザーバーを有する筐体と、前記筐体内に設けられ、液相の前記作動流体が浸み込み、液相の前記作動流体を輸送するウィックと、液相から気相に変化した前記作動流体が流通する複数の流路を有するグルーブ部材と、を有し、前記ウィックは、前記リザーバーから前記グルーブ部材に向かう第1方向とは反対方向に位置する第1面を有し、前記リザーバーは、前記第1面に対して前記第1方向とは反対方向に位置する第1貯留部と、前記第1貯留部と連通し、前記第1面に対して前記第1方向に位置する第2貯留部と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、第1方向が鉛直方向とは反対方向を向くように、蒸発部が、第1方向に対して直交する回動軸を中心として傾けられた場合に、第2貯留部に貯留されていた液相の作動流体が第1貯留部に流入する。このため、蒸発部が傾けられた場合に、第2貯留部が無い蒸発部に比べて、リザーバーにおける液相の作動流体の水位を高くすることができ、液相の作動流体をウィックに接触させやすくすることができる。従って、第2貯留部が無い蒸発部に比べて、液相の作動流体とウィックとの接触状態が維持される蒸発部の回動角を大きくでき、蒸発部の傾きについての許容範囲であって、冷却装置が正常に作動する許容範囲を拡大できる。
上記第1態様では、前記第1貯留部は、前記第1貯留部における前記第1方向に位置する第1部分と、前記第1部分に対して前記第1方向とは反対方向に位置する第2部分と、を有し、前記第2部分における前記第1方向に直交する断面の面積は、前記第1部分における前記第1方向に直交する断面の面積よりも小さいことが好ましい。
このような構成によれば、第1貯留部において第1方向に直交する断面の面積は、第1方向とは反対方向に向かって小さくなる。このため、第1方向が鉛直方向とは反対方向を向くように蒸発部が傾けられた場合、すなわち、第2部分が第1部分に対して鉛直方向に位置するように蒸発部が傾けられた場合に、リザーバーにおける液相の作動流体の水位をより高くすることができる。従って、第2貯留部が無い蒸発部に比べて、ウィックと液相の作動流体との接触状態が維持される回動角を大きくでき、上記許容範囲を拡大できる。
上記第1態様では、前記リザーバーは、前記第1方向に沿う中心軸を中心として略軸対称であることが好ましい。
すなわち、第1貯留部及び第2貯留部のそれぞれは、第1方向に沿う中心軸を中心として略軸対称に構成されている。
このような構成によれば、蒸発部がどの方向に傾いた場合であっても、ウィックに液相の作動流体を接触させやすくすることができる。従って、ウィックと液相の作動流体との接触状態を維持しやすくすることができる。
上記第1態様では、前記蒸発部は、前記リザーバー内に設けられる可動体を有することが好ましい。
このような構成によれば、可動体が設けられた蒸発部と可動体が設けられていない蒸発部とで、リザーバーの容積が同じで、かつ、液相の作動流体の液量が同じである場合に、可動体が設けられた蒸発部における水位を、可動体が設けられていない蒸発部における水位よりも高くすることができる。これにより、蒸発部が傾けられた場合でも、ウィックを液相の作動流体に接触させやすくすることができる。従って、可動体が設けられていない蒸発部に比べて、液相の作動流体とウィックとの接触状態が維持される蒸発部の回動角を更に大きくでき、上記許容範囲を更に拡大できる。
本開示の第2態様に係るプロジェクターは、光を出射する光源と、前記光源から出射された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、上記冷却装置と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、上記した冷却装置と同様の効果を奏することができる。
上記第2態様では、前記冷却対象は、前記光源であることが好ましい。
このような構成によれば、光源を効率よく冷却できる。
1…プロジェクター、343(343B,343G,343R)…光変調装置、36…投射光学装置、411…光源(冷却対象)、5…冷却装置、52…蒸気管、53…凝縮部、54…液管、6A,6B…蒸発部、61…筐体、61A…天面部、61B…底面部、61C…側面部、6111…液管接続部、6112…蒸気管接続部、62…リザーバー、621…第1貯留部、6211…第1部分、6212…第2部分、622…第2貯留部、63…熱交換部、64…ウィック、641…貫通孔、65…グルーブ部材、651…基部、652…接続部、653…流路。

Claims (6)

  1. 冷却対象から伝達される熱によって液相の作動流体を蒸発させて、液相の前記作動流体を気相の前記作動流体に変化させる蒸発部と、
    気相の前記作動流体を凝縮させて、気相の前記作動流体を液相の前記作動流体に変化させる凝縮部と、
    前記蒸発部にて液相から気相に変化した前記作動流体を前記凝縮部へ流通させる蒸気管と、
    前記凝縮部にて気相から液相に変化した前記作動流体を前記蒸発部へ流通させる液管と、を備え、
    前記蒸発部は、
    前記液管と接続され、内部に流入された液相の前記作動流体を貯留するリザーバーを有する筐体と、
    前記筐体内に設けられ、液相の前記作動流体が浸み込み、液相の前記作動流体を輸送するウィックと、
    液相から気相に変化した前記作動流体が流通する複数の流路を有するグルーブ部材と、を有し、
    前記ウィックは、前記リザーバーから前記グルーブ部材に向かう第1方向とは反対方向に位置する第1面を有し、
    前記リザーバーは、
    前記第1面に対して前記第1方向とは反対方向に位置する第1貯留部と、
    前記第1貯留部と連通し、前記第1面に対して前記第1方向に位置する第2貯留部と、を有することを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1に記載の冷却装置において、
    前記第1貯留部は、
    前記第1貯留部における前記第1方向に位置する第1部分と、
    前記第1部分に対して前記第1方向とは反対方向に位置する第2部分と、を有し、
    前記第2部分における前記第1方向に直交する断面の面積は、前記第1部分における前記第1方向に直交する断面の面積よりも小さいことを特徴とする冷却装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の冷却装置において、
    前記リザーバーは、前記第1方向に沿う中心軸を中心として略軸対称であることを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷却装置において、
    前記蒸発部は、前記リザーバー内に設けられる可動体を有することを特徴とする冷却装置。
  5. 光を出射する光源と、
    前記光源から出射された光を変調する光変調装置と、
    前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷却装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
  6. 請求項5に記載のプロジェクターにおいて、
    前記冷却対象は、前記光源であることを特徴とするプロジェクター。
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