JP2020159599A - 冷却装置及びプロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】気相の作動流体の排出効率を高めることができる冷却装置及びプロジェクターを提供する。【解決手段】冷却装置は、蒸発部、凝縮部、蒸気管及び液管を備え、蒸発部は、液相の作動流体が流入する筐体と、筐体内の液相の作動流体が浸み込み、液相の作動流体を輸送するウィックと、筐体に流入された液相の作動流体を貯留するリザーバーと、筐体に設けられ、ウィックに接続されるグルーブと、ウィックとグルーブとの間に設けられて気相の作動流体が流通する複数の蒸気流路と備え、ウィックは、第1接続面に螺旋状に形成された複数の第1凸部及び複数の第1凹部を有し、グルーブは、第1接続面に接続される第2接続面に螺旋状に形成された複数の第2凸部及び複数の第2凹部を有し、複数の蒸気流路は、複数の第1凸部が複数の第2凹部に嵌合し、複数の第2凸部が複数の第1凹部に嵌合することによって形成されている。【選択図】図7

Description

本発明は、冷却装置及びプロジェクターに関する。
従来、電子装置等の冷却に用いられる冷却装置として、内部に封入された作動流体の相変化を利用して、発熱体の熱を輸送することによって、発熱体を冷却するループ型ヒートパイプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のループ型ヒートパイプは、蒸発部、凝縮部、蒸気管及び液管を備える。蒸発部は、発熱体の熱によって液相の作動流体を蒸発させる。蒸気管は、蒸発部にて液相から気相に変化した作動流体を凝縮部に流通させる。凝縮部は、気相の作動流体を放熱により凝縮させて液相の作動流体に相変化させる。液管は、凝縮部にて液相に変化した作動流体を蒸発部へ流通させる。
このように、作動流体がループ型ヒートパイプ内を循環し、発熱体の熱が、蒸発部から凝縮部に輸送されて凝縮部にて放出されることによって、発熱体が冷却される。
なお、特許文献1に記載のループ型ヒートパイプでは、蒸発部は、平板型のウィックと、ウィックの下側に配置されて蒸気流路を形成するグルーブと、ウィック及びグルーブを収納する筐体とを有し、発熱体は、筐体に接続される。
ウィックは、多孔質の材料によって形成されている。ウィックの内部には、多数の細孔が設けられており、多数の細孔は、液溜め部側から蒸気流路側へ連通している。多数の細孔には、液相の作動流体が筐体内の液溜め部から毛細管現象によって浸み込む。多数の細孔に浸み込んだ液相の作動流体は、発熱体から伝達される熱によって蒸発して気相の作動流体に変化し、気相の作動流体は、グルーブの蒸気流路を流通して、蒸気管内に流通する。
特開2012−83082号公報
しかしながら、特許文献1に記載のループ型ヒートパイプにおいて、グルーブによって形成される複数の蒸気流路がそれぞれ平行に直線状に延出し、各蒸気流路の終端が蒸気流路の延出方向に交差し、かつ、蒸気管と連通する排出路に接続される場合、気相の作動流体は、蒸気流路から排出路を流通する際に直角に流通し、更に、排出路から蒸気管に流通する際に直角に流通する。このように気相の作動流体が直角に曲がって流通する際には、気相の作動流体の流通抵抗が大きくなり、蒸気管への気相の作動流体の排出効率が低下するという問題がある。
本発明の第1態様に係る冷却装置は、冷却対象から伝達される熱によって液相の作動流体を蒸発させて、液相の前記作動流体を気相の前記作動流体に変化させる蒸発部と、気相の前記作動流体を凝縮させて、気相の前記作動流体を液相の前記作動流体に変化させる凝縮部と、前記蒸発部にて液相から気相に変化した前記作動流体を前記凝縮部へ流通させる蒸気管と、前記凝縮部にて気相から液相に変化した前記作動流体を前記蒸発部へ流通させる液管と、を備え、前記蒸発部は、前記液管に接続され、液相の前記作動流体が内部に流入する筐体と、前記筐体内に設けられ、液相の前記作動流体が浸み込み、液相の前記作動流体を輸送するウィックと、前記筐体内に設けられ、前記筐体に流入された液相の前記作動流体を貯留するリザーバーと、前記筐体に設けられ、前記ウィックに接続されるグルーブと、前記ウィックと前記グルーブとの間に設けられ、液相から気相に変化した前記作動流体が流通する複数の蒸気流路と、備え、前記ウィックは、前記グルーブに接続される第1接続面に、第1位置を起点とする螺旋状に形成された複数の第1凸部及び複数の第1凹部を有し、前記グルーブは、前記第1接続面に接続される第2接続面に、第2位置を起点とする螺旋状に形成された複数の第2凸部及び複数の第2凹部を有し、前記複数の蒸気流路は、前記複数の第1凸部が前記複数の第2凹部に嵌合し、前記複数の第2凸部が前記複数の第1凹部に嵌合することによって形成されていることを特徴とする。
上記第1態様では、前記第1位置を原点とし、一回転当たりの拡大率をA、基準からの回転角度をθとした場合、前記複数の第1凸部及び前記複数の第1凹部は、以下の式(1)及び式(2)によって示される螺旋曲線に沿って、前記第1位置から前記ウィックの外側に向かって延出し、前記複数の第2凸部及び前記複数の第2凹部は、前記螺旋曲線に沿って、前記第2位置から前記グルーブの外側に向かって延出していることが好ましい。
Figure 2020159599
上記第1態様では、前記複数の第1凸部及び前記複数の第2凸部のうち少なくとも一方の凸部の断面形状は、略台形状であり、前記複数の第1凹部及び前記複数の第2凹部のうち前記少なくとも一方の凸部が嵌合する凹部の断面の形状は、略V字状であることが好ましい。
上記第1態様では、前記複数の蒸気流路は、前記複数の第2凸部が前記複数の第1凹部に嵌合することによって、前記複数の第2凸部と前記複数の第1凹部との間に形成され、前記ウィックから前記グルーブに向かう第1方向に直交し、かつ、前記第1位置を含む仮想面を第1基準面とし、前記第1方向に直交し、かつ、前記第2位置を含む仮想面を第2基準面とした場合、前記第1方向において前記第1基準面からの前記複数の第1凸部の寸法は、前記第1位置から前記ウィックの外側に向かうに従って大きくなり、前記第1方向とは反対方向において前記第1基準面からの前記複数の第1凹部の寸法は、前記第1位置から前記ウィックの外側に向かうに従って大きくなり、前記第1方向において前記第2基準面からの前記複数の第2凹部の寸法は、前記第2位置から前記グルーブの外側に向かうに従って大きくなることが好ましい。
上記第1態様では、前記複数の第2凸部における前記ウィック側の部位は、前記第2基準面と平行な同一平面上に位置していることが好ましい。
上記第1態様では、前記ウィックから前記リザーバーに向かう方向から見て、前記ウィックの外形及び前記グルーブの外形は、略円形状であり、前記蒸発部は、前記ウィックから前記リザーバーに向かう方向から見て前記ウィック及び前記グルーブを囲み、前記複数の蒸気流路を流通した気相の前記作動流体を前記蒸気管に導く環状の排出路を備えることが好ましい。
本発明の第2態様に係るプロジェクターは、光を出射する光源を有する光源装置と、前記光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、上記冷却装置と、を備えることを特徴とする。
上記第2態様では、前記冷却対象は、前記光源であることが好ましい。
一実施形態におけるプロジェクターの外観を示す斜視図。 一実施形態におけるプロジェクターの内部構成を示す模式図。 一実施形態における光源装置の構成を示す模式図。 一実施形態における蒸発部の外観を示す斜視図。 一実施形態における蒸発部を示す平面図。 図5に示すVI−VI線における蒸発部を示す断面図。 一実施形態における熱交換部を示す斜視図。 一実施形態における第2筐体内に設けられた熱交換部を示す平面図。 一実施形態におけるウィックをグルーブ側から見た斜視図。 一実施形態におけるウィックをグルーブ側から見た平面図。 一実施形態におけるウィック及びグルーブを示す断面図。 一実施形態におけるグルーブをウィック側から見た斜視図。 一実施形態におけるグルーブをウィック側から見た平面図。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、後述する光源装置4から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する画像表示装置である。プロジェクター1は、図1に示すように、プロジェクター1の外装を構成する外装筐体2を備える。
[外装筐体の構成]
外装筐体2は、天面部21、底面部22、正面部23、背面部24、左側面部25及び右側面部26を有し、略直方体形状に形成されている。
底面部22は、プロジェクター1が載置される設置面と接する複数の脚部221を有する。
正面部23は、外装筐体2において画像の投射側に位置する。正面部23は、後述する投射光学装置36の一部を露出させる開口部231を有し、投射光学装置36によって投射される画像は、開口部231を通過する。また、正面部23は、プロジェクター1内の冷却対象を冷却した冷却気体が外装筐体2の外部に排出される排気口232を有する。
右側面部26は、外装筐体2外の空気等の気体を冷却気体として内部に導入する導入口261を有する。
[プロジェクターの内部構成]
図2は、プロジェクター1の内部構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、図2に示すように、外装筐体2内にそれぞれ収容される画像投射装置3及び冷却装置5を更に備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター1は、プロジェクター1の動作を制御する制御装置、及び、プロジェクター1の電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
[画像投射装置の構成]
画像投射装置3は、制御装置から入力される画像情報に応じた画像を形成及び投射する。画像投射装置3は、光源装置4、均一化装置31、色分離装置32、リレー装置33、画像形成装置34、光学部品用筐体35及び投射光学装置36を備える。
光源装置4は、照明光を出射する。光源装置4の構成については、後に詳述する。
均一化装置31は、光源装置4から出射された照明光を均一化する。この均一化された照明光は、色分離装置32及びリレー装置33を経て、画像形成装置34の後述する光変調装置343の変調領域を照明する。均一化装置31は、2つのレンズアレイ311,312、偏光変換素子313及び重畳レンズ314を備える。
色分離装置32は、均一化装置31から入射される光を赤、緑及び青の各色光に分離する。色分離装置32は、2つのダイクロイックミラー321,322と、ダイクロイックミラー321によって分離された青色光を反射させる反射ミラー323と、を備える。
リレー装置33は、他の色光の光路より長い赤色光の光路に設けられ、赤色光の損失を抑制する。リレー装置33は、入射側レンズ331、リレーレンズ333、反射ミラー332,334を備える。なお、本実施形態では、他の色光より光路が長い色光を赤色光とし、赤色光の光路上にリレー装置33を設けることとした。しかしながら、これに限らず、例えば他の色光より光路が長い色光を青色光とし、青色光の光路上にリレー装置33を設ける構成としてもよい。
画像形成装置34は、入射される赤、緑及び青の各色光を変調し、変調された各色光を合成して、画像を形成する。画像形成装置34は、それぞれ入射される色光に応じて設けられる3つのフィールドレンズ341、3つの入射側偏光板342、3つの光変調装置343、3つの視野角補償板344及び3つの出射側偏光板345と、1つの色合成装置346と、を備える。
光変調装置343は、光源装置4から出射された光を画像情報に応じて変調する。光変調装置343は、赤色光用の光変調装置343R、緑色光用の光変調装置343G及び青色光用の光変調装置343Bを含む。本実施形態では、光変調装置343は、透過型の液晶パネルによって構成されており、入射側偏光板342、光変調装置343、出射側偏光板345によって液晶ライトバルブが構成される。
色合成装置346は、光変調装置343B,343G,343Rによって変調された各色光を合成して画像を形成する。本実施形態では、色合成装置346は、クロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、これに限らず、例えば複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
光学部品用筐体35は、上記した各装置31〜34を内部に収容する。なお、画像投射装置3には、設計上の光軸である照明光軸Axが設定されており、光学部品用筐体35は、照明光軸Axにおける所定位置に各装置31〜34を保持する。なお、光源装置4及び投射光学装置36は、照明光軸Axにおける所定位置に配置される。
投射光学装置36は、画像形成装置34から入射される画像を被投射面上に拡大投射する。すなわち、投射光学装置36は、光変調装置343B,343G,343Rによって変調された光を投射する。投射光学装置36は、例えば筒状の鏡筒内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成される。
[光源装置の構成]
図3は、光源装置4の構成を示す模式図である。
光源装置4は、照明光を均一化装置31に出射する。光源装置4は、図3に示すように、光源用筐体CAと、光源用筐体CA内にそれぞれ収容される光源部41、アフォーカル光学素子42、ホモジナイザー光学素子43、偏光分離素子44、第1集光素子45、波長変換素子46、第1位相差素子47、第2集光素子48、拡散反射装置49及び第2位相差素子RPと、を備える。
光源用筐体CAは、塵埃等が内部に侵入しづらい密閉筐体として構成されている。
光源部41、アフォーカル光学素子42、ホモジナイザー光学素子43、偏光分離素子44と、第1位相差素子47、第2集光素子48及び拡散反射装置49は、光源装置4に設定された照明光軸Ax1上に配置されている。
波長変換素子46、第1集光素子45、偏光分離素子44及び第2位相差素子RPは、光源装置4に設定され、かつ、照明光軸Ax1に直交する照明光軸Ax2上に配置されている。照明光軸Ax2は、レンズアレイ311の位置にて、照明光軸Axと一致する。換言すると、照明光軸Ax2は、照明光軸Axの延長線上に設定されている。
[光源部の構成]
光源部41は、光を出射する光源411及びコリメーターレンズ415を備える。
光源411は、複数の第1半導体レーザー412及び複数の第2半導体レーザー413と、支持部材414と、を備える。
第1半導体レーザー412は、励起光であるs偏光の青色光L1sを出射する。青色光L1sは、例えば、ピーク波長が440nmのレーザー光である。第1半導体レーザー412から出射された青色光L1sは、波長変換素子46に入射される。
第2半導体レーザー413は、p偏光の青色光L2pを出射する。青色光L2pは、例えば、ピーク波長が460nmのレーザー光である。第2半導体レーザー413から出射された青色光L2pは、拡散反射装置49に入射される。
支持部材414は、照明光軸Ax1と直交する平面にそれぞれアレイ状に配置された複数の第1半導体レーザー412及び複数の第2半導体レーザー413を支持する。支持部材414は、熱伝導性を有する金属製部材であり、後述する蒸発部6に接続される。そして、熱源である各半導体レーザー412,413、すなわち、光源411の熱は、蒸発部6に伝達される。
第1半導体レーザー412から出射された青色光L1s及び第2半導体レーザー413から出射された青色光L2pは、コリメーターレンズ415によって平行光束に変換され、アフォーカル光学素子42に入射される。
なお、本実施形態では、光源411は、s偏光の青色光L1sと、p偏光の青色光L2pとを出射する構成である。しかしながら、これに限らず、光源411は、偏光方向が同じ直線偏光光である青色光を出射する構成としてもよい。この場合、入射された1種類の直線偏光をs偏光及びp偏光が含まれる光とする位相差素子を、光源部41と偏光分離素子44との間に配置すればよい。
[アフォーカル光学素子及びホモジナイザー光学素子の構成]
アフォーカル光学素子42は、光源部41から入射される青色光L1s,L2pの光束径を調整して、ホモジナイザー光学素子43に入射させる。アフォーカル光学素子42は、入射される光を集光するレンズ421と、レンズ421によって集光された光束を平行化するレンズ422とにより構成されている。
ホモジナイザー光学素子43は、青色光L1s,L2pの照度分布を均一化する。ホモジナイザー光学素子43は、一対のマルチレンズアレイ431,432により構成されている。
[偏光分離素子の構成]
ホモジナイザー光学素子43を通過した青色光L1s,L2pは、偏光分離素子44に入射する。
偏光分離素子44は、プリズム型の偏光ビームスプリッターであり、入射される光に含まれるs偏光成分とp偏光成分とを分離する。具体的に、偏光分離素子44は、s偏光成分を反射させ、p偏光成分を透過させる。また、偏光分離素子44は、s偏光成分及びp偏光成分のいずれの偏光成分であっても、所定波長以上の光を透過させる色分離特性を有する。従って、s偏光の青色光L1sは、偏光分離素子44にて反射され、第1集光素子45に入射する。一方、p偏光の青色光L2pは、偏光分離素子44を透過して、第1位相差素子47に入射する。
[第1集光素子の構成]
第1集光素子45は、偏光分離素子44にて反射された青色光L1sを波長変換素子46に集光する。また、第1集光素子45は、波長変換素子46から入射される蛍光YLを平行化する。図3の例では、第1集光素子45は、2つのレンズ451,452によって構成されているが、第1集光素子45を構成するレンズの数は問わない。
[波長変換素子の構成]
波長変換素子46は、入射された光によって励起されて、入射された光より波長が長い蛍光YLを生成し、蛍光YLを第1集光素子45に出射する。換言すると、波長変換素子46は、入射された光の波長を変換し、変換された光を出射する。波長変換素子46によって生成された蛍光YLは、例えば、ピーク波長が500〜700nmの光である。波長変換素子46は、波長変換部461及び放熱部462を備える。
波長変換部461は、図示を省略するが、波長変換層及び反射層を有する。波長変換層は、入射される青色光L1sを波長変換した非偏光光である蛍光YLを拡散出射する蛍光体を含む。反射層は、波長変換層から入射される蛍光YLを第1集光素子45側に反射させる。
放熱部462は、波長変換部461における光入射側とは反対側の面に設けられ、波長変換部461にて生じた熱を放出する。
波長変換素子46から出射された蛍光YLは、照明光軸Ax2に沿って第1集光素子45を通過した後、上記色分離特性を有する偏光分離素子44に入射される。そして、蛍光YLは、偏光分離素子44を照明光軸Ax2に沿って通過し、第2位相差素子RPに入射する。
なお、波長変換素子46は、モーター等の回転装置によって、照明光軸Ax2と平行な回転軸を中心として回転される構成であってもよい。
[第1位相差素子及び第2集光素子の構成]
第1位相差素子47は、偏光分離素子44と第2集光素子48との間に配置されている。第1位相差素子47は、偏光分離素子44を通過した青色光L2pを円偏光の青色光L2cに変換する。青色光L2cは、第2集光素子48に入射される。
第2集光素子48は、第1位相差素子47から入射される青色光L2cを拡散反射装置49に集光する。また、第2集光素子48は、拡散反射装置49から入射される青色光L2cを平行化する。なお、第2集光素子48を構成するレンズの数は、適宜変更可能である。
[拡散反射装置の構成]
拡散反射装置49は、波長変換素子46にて生成及び出射される蛍光YLと同様の拡散角で、入射された青色光L2cを拡散反射させる。拡散反射装置49の構成として、入射された青色光L2cをランバート反射させる反射板と、反射板を照明光軸Ax1と平行な回転軸を中心として回転させる回転装置とを備える構成を例示できる。
拡散反射装置49にて拡散反射された青色光L2cは、第2集光素子48を通過した後、第1位相差素子47に入射される。青色光L2cは、拡散反射装置49にて反射される際に、回転方向が反対方向の円偏光に変換される。このため、第2集光素子48を介して第1位相差素子47に入射された青色光L2cは、偏光分離素子44から第1位相差素子47に入射された際のp偏光の青色光L2cではなく、s偏光の青色光L2sに変換される。そして、青色光L2sは、偏光分離素子44にて反射されて、第2位相差素子RPに入射される。すなわち、偏光分離素子44から第2位相差素子RPに入射される光は、青色光L2s及び蛍光YLが混在した白色光である。
[第2位相差素子の構成]
第2位相差素子RPは、偏光分離素子44から入射される白色光をs偏光及びp偏光が混在する光に変換する。このように変換された白色の照明光WLは、上記した均一化装置31に入射される。
[冷却装置の構成]
冷却装置5は、プロジェクター1を構成する冷却対象を冷却する。本実施形態において、冷却対象は、光源装置4の光源411である。冷却装置5は、図2に示すように、ループ型ヒートパイプ51及び冷却ファン55を備える。
冷却ファン55は、外装筐体2内の空間において排気口232とループ型ヒートパイプ51の後述する凝縮部53との間に設けられている。冷却ファン55は、外装筐体2内の冷却気体を吸引して排気口232から排出する過程にて、凝縮部53に冷却気体を流通させ、これにより、凝縮部53を冷却する。なお、冷却ファン55は、例えば、外装筐体2内の空間において導入口261と後述する凝縮部53との間に設けられ、外装筐体2外の冷却気体を吸引して凝縮部53に冷却気体を送出する構成であってもよい。
ループ型ヒートパイプ51は、減圧状態で封入されることによって比較的低温で相状態が変化する作動流体が循環する循環流路を有する。詳述すると、ループ型ヒートパイプ51は、冷却対象から伝達される熱によって、減圧状態で内部に封入された作動流体の相状態を液相から気相に相変化させ、作動流体が液相から気相へ相変化した部位以外の部位にて気相の作動流体から熱を奪って、作動流体の相状態を気相から液相に変化させるとともに、奪った熱を放出することによって、冷却対象を冷却する。
このようなループ型ヒートパイプ51は、蒸発部6、蒸気管52、凝縮部53及び液管54を備える。なお、蒸発部6の構成は、後に詳述する。
[蒸気管の構成]
蒸気管52は、作動流体の循環流路において、気相の作動流体が流通可能に蒸発部6と凝縮部53とを接続する管状部材である。蒸気管52は、蒸発部6において液相から気相に変化して蒸発部6から蒸気管52に流入される作動流体を、凝縮部53に流通させる。
[凝縮部の構成]
凝縮部53は、気相の作動流体の熱を奪って放熱し、作動流体を気相から液相に相変化させ、液相の作動流体を液管54に流出させる。すなわち、凝縮部53は、気相の作動流体を凝縮させることによって、気相の作動流体を液相の作動流体に変化させる。凝縮部53は、図示を省略するが、蒸気管52及び液管54が接続される本体部と、本体部に接続される放熱部と、を有する。
本体部は、蒸気管52から流入される気相の作動流体が流通し、液管54と連通する相変化流路を内部に有する。気相の作動流体は、相変化流路を流通する過程にて本体部に受熱されて冷却され、これにより液相の作動流体に変化される。そして、気相から液相に変化された作動流体は、相変化流路内を更に流通して、本体部に受熱されて冷却された後、液管54に流出される。
放熱部は、本体部に伝達された作動流体の熱を放出する部材であり、いわゆるヒートシンクである。放熱部には、冷却ファン55の駆動によって冷却気体が流通し、これにより、凝縮部53が冷却される。
[液管の構成]
液管54は、作動流体の循環流路において、液相の作動流体が流通可能に凝縮部53と蒸発部6とを接続する管状部材である。液管54は、凝縮部53において気相から液相に変化した作動流体を、蒸発部6に流通させる。
[蒸発部の構成]
蒸発部6は、冷却対象としての光源411と接続され、光源411から伝達される熱によって液相の作動流体を蒸発させて、液相の作動流体を気相の作動流体に変化させる。具体的に、蒸発部6は、光源411の支持部材414に接続され、支持部材414を介して伝達される半導体レーザー412,413の熱によって液相の作動流体を蒸発させることにより、半導体レーザー412,413を冷却する。
[筐体の構成]
図4は、蒸発部6の外観を示す斜視図である。
蒸発部6は、図2に示したように液管54に接続される。蒸発部6は、図4に示すように、接続された液管54から液相の作動流体が内部に流入する筐体61を備える。
筐体61は、それぞれ金属により形成された第1筐体611及び第2筐体612を有する他、図4においては図示を省略するが、第1筐体611と第2筐体612との間を封止する円環状の封止部材613(図6参照)を有する。筐体61は、封止部材613が内部に設けられた状態にて第1筐体611及び第2筐体612が組み合わされることによって、全体が略円柱の形状に構成される。
このような筐体61は、天面部61A、底面部61B及び側面部61Cを有する。
天面部61A及び底面部61Bは、筐体61において互いに反対側となる部位である。
底面部61Bは、冷却装置5の冷却対象である光源411と熱伝達可能に接続される。光源411の熱は、底面部61B、ひいては、第2筐体612を介して、後述するグルーブ65に伝達される。なお、底面部61Bと光源411との間に、光源411から受熱した熱を底面部61Bに伝達する受熱部材が設けられていてもよい。
第1筐体611は、天面部61Aと、側面部61Cにおける天面部61A側の部位とを構成する。第1筐体611における内部の空間は、第2筐体612と組み合わされたときに、後述するリザーバー62を構成する。すなわち、第1筐体611には、リザーバー62が設けられている。
第1筐体611は、第1筐体611から突出して液管54と接続される液管接続部6111を有する。液管接続部6111は、第1筐体611の内部と連通しており、液管54を流通する液相の作動流体は、液管接続部6111を介して、第1筐体611内に流入する。
図5は、蒸発部6を構成する第1筐体611側から見た蒸発部6を示す平面図である。
第2筐体612は、底面部61Bと、側面部61Cにおける底面部61B側の部位とを構成する。第2筐体612内には、後述する熱交換部63が配置される。
第2筐体612は、図5に示すように、第1筐体611側から見て、第1筐体611からの液管接続部6111の突出方向に直交する方向に突出して蒸気管52と接続される蒸気管接続部6121を有する。この他、図5では図示を省略するが、第2筐体612内に設けられ、気相の作動流体が流通する排出路6122(図8参照)を有する。
蒸気管接続部6121は、蒸気管52と接続される。詳しくは後述するが、熱交換部63に設けられた複数の蒸気流路VCを流通した気相の作動流体は、排出路6122を流通した後、蒸気管接続部6121を介して、蒸気管52内に流入する。
なお、排出路6122については後に詳述する。
以下の説明では、互いに直交する三方向を、+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。これらのうち、底面部61Bから天面部61Aに向かう方向を+Z方向とする。また、+Z方向から筐体61を見た場合に、第1筐体611から液管接続部6111が突出する方向を+X方向とし、第2筐体612から蒸気管接続部6121が突出する方向を+Y方向とする。更に、図示を省略するが、説明の便宜上、+X方向の反対方向を−X方向とし、+Y方向の反対方向を−Y方向とし、+Z方向の反対方向を−Z方向とする。
[蒸発部の内部構成]
図6は、図5に示すVI−VI線における蒸発部6の断面を示す図である。なお、図6においては、見易さを考慮して、熱交換部63に設けられる複数の蒸気流路VCのうち、一部の蒸気流路VCについてのみ符号を付す。
蒸発部6は、筐体61に加えて、図6に示すように、筐体61に設けられるリザーバー62及び熱交換部63を備える。
[リザーバーの構成]
リザーバー62は、第1筐体611と第2筐体612とが組み合わされることによって、第1筐体611内に形成される。リザーバー62は、液管接続部6111を介して液管54から筐体61内に流入された液相の作動流体を貯留する貯留部である。換言すると、リザーバー62は、筐体61内において、後述するウィック64によって吸引されなかった液相の作動流体が貯留される部位である。
[熱交換部の構成]
図7は、熱交換部63を示す斜視図である。
熱交換部63は、図6に示すように、第2筐体612内に設けられている。熱交換部63は、冷却対象である光源411から伝達される熱によって、リザーバー62に貯留された液相の作動流体を蒸発させ、液相から気相に変化した作動流体である蒸気を、熱交換部63の外側に排出する。
熱交換部63は、図6及び図7に示すように、流体輸送層としてのウィック64と、熱伝達層としてのグルーブ65と、ウィック64及びグルーブ65の間に設けられる複数の蒸気流路VCと、を有する。すなわち、蒸発部6は、熱交換部63を構成するウィック64、グルーブ65及び複数の蒸気流路VCを有する。詳述すると、熱交換部63は、リザーバー62側に位置する流体輸送層としてのウィック64と、ウィック64に対してリザーバー62とは反対側に位置する熱伝達層としてのグルーブ65と、ウィック64及びグルーブ65の間に設けられる複数の蒸気流路VCと、を有する。そして、熱交換部63は、図7に示すように、ウィック64とグルーブ65とが互いに嵌合することによって略円柱状をなす。
[ウィックの構成]
ウィック64は、リザーバー62に貯留されている液相の作動流体と接続するように第2筐体612内に設けられ、毛管力によって、リザーバー62から浸み込んだ液相の作動流体を−Z方向に輸送する。すなわち、ウィック64は、リザーバー62に貯留された液相の作動流体をグルーブ65側に輸送する。ウィック64は、例えば、銅やステンレス鋼(SUS:Steel Use Stainless)等の金属材料によって形成された多孔質体であり、液相の作動流体がグルーブ65側に流通する空隙が内部に形成された構成を有する。また、ウィック64は、グルーブ65に接続される第1接続面としての接続面64Aを有する。
このようなウィック64の外形は、ウィック64からリザーバー62に向かう方向である+Z方向から見て略円形状である。
なお、ウィック64の詳細な構成については、後に詳述する。
[グルーブの構成]
グルーブ65は、第2筐体612内に設けられ、第2筐体612を介して、冷却対象である光源411の熱が伝達される。グルーブ65の外形は、+Z方向から見て略円形状である。
グルーブ65は、グルーブ65における+Z方向の面である接続面65Aがウィック64における−Z方向の接続面64Aと接続されるようにして、ウィック64と組み合わされる。換言すると、グルーブ65は、ウィック64における接続面64Aに接続される第2接続面としての接続面65Aを有する。このように、ウィック64とグルーブ65とが組み合わされることによって、ウィック64とグルーブ65との間には、複数の蒸気流路VCが形成される。
[蒸気流路の構成]
複数の蒸気流路VCは、ウィック64又はグルーブ65にて液相から気相に変化した作動流体が流通する流路である。複数の蒸気流路VCは、図7に示すように、熱交換部63の周面63Aに開口している。なお、周面63Aは、+Z方向から熱交換部63を見た場合の熱交換部63の周方向に沿う面である。
複数の蒸気流路VCは、詳しくは後述するが、グルーブ65の凸部651がウィック64の凹部642に嵌合することによって、凸部651と凹部642との間に形成される。
[液相の作動流体の蒸発部位]
熱交換部63において、ウィック64によりグルーブ65側に輸送された液相の作動流体は、第2筐体612からグルーブ65に伝達された光源411の熱によって蒸発されて、作動流体の蒸気、すなわち、気相の作動流体に変化する。液相の作動流体の蒸発部位は、グルーブ65である場合と、ウィック64である場合とがある。
蒸発部位がグルーブ65である場合、ウィック64によって複数の蒸気流路VCの表面に輸送された液相の作動流体が、グルーブ65に伝達された熱によって蒸発される。
蒸発部位がウィック64である場合、ウィック64に保持された液相の作動流体が、グルーブ65からウィック64に伝達された熱によって蒸発される。
そして、グルーブ65又はウィック64にて蒸発されて、液相から気相に変化した作動流体は、複数の蒸気流路VCを流通する。複数の蒸気流路VCを流通した気相の作動流体は、熱交換部63の周面63Aから熱交換部63の外側に排出される。
[排出路の構成]
図8は、第2筐体612内に設けられた熱交換部63を第1筐体611側、すなわち、+Z方向から見た平面図である。
ここで、図6及び図8に示すように、第2筐体612は、熱交換部63の周面63Aと、周面63Aに対向する第2筐体612の内面612Aとの間に、蒸気管接続部6121と連通する排出路6122を有する。
排出路6122は、図8に示すように、+Z方向から見て熱交換部63を囲む環状、詳しくは円環状に形成されている。そして、周面63Aから排出された気相の作動流体は、図8において一点鎖線の矢印にて示すように、図8の図面視で時計周りに排出路6122を流通して、蒸気管接続部6121を介して蒸気管52(図2参照)に流入する。すなわち、蒸発部6は、ウィック64からリザーバー62に向かう方向から見てウィック64及びグルーブ65を囲み、複数の蒸気流路VCを流通した気相の作動流体を蒸気管52に導く環状の排出路6122を備える。
このように、光源411から奪われた熱が液相から気相への作動流体の相変化に利用されることにより熱伝達が促進され、光源411が冷却される。
[ウィックの詳細構成]
図9は、ウィック64をグルーブ65側である−Z方向から見た斜視図であり、図10は、ウィック64を−Z方向から見た平面図である。
ウィック64は、図9及び図10に示すように、接続面64Aに設けられた複数の凸部641及び複数の凹部642を有する。
複数の凸部641は、複数の第1凸部に相当する。複数の凸部641は、グルーブ65側、すなわち、−Z方向に突出している。複数の凸部641は、ウィック64とグルーブ65とが組み合わされたときに、グルーブ65において後述する凹部652に嵌合する。
複数の凹部642は、複数の第1凹部に相当する。複数の凹部642は、グルーブ65とは反対側、すなわち、+Z方向に没入している。複数の凹部642には、ウィック64とグルーブ65とが組み合わされたときに、グルーブ65において後述する凸部651が嵌合する。
各凸部641及び各凹部642は、+Z方向から見て、第1位置である接続面64Aの中央C1を起点とする螺旋状に形成されている。
具体的に、凸部641及び凹部642は、中央C1をXY平面と平行なxy平面における原点とした場合、以下に示す式(3)及び(4)に示される螺旋曲線に沿って、中央C1からウィック64の外側に向かって延出している。以下の式(3)及び式(4)において、Aは、螺旋曲線の一回転当たりの拡大率であり、θは、基準からの回転角度である。
Figure 2020159599
そして、各凸部641は、中央C1を中心として時計回り又は反時計回りに所定角度ずつずれて形成されており、各凹部642は、複数の凸部641のうち隣り合う2つの凸部641の間に形成されている。
本実施形態では、凸部641は、中央C1を中心として時計回り又は反時計回りにそれぞれ20°ずつずれて形成されており、凸部641の数は、18である。凹部642は、中央C1を中心として時計回り又は反時計回りにそれぞれ20°ずつずれて形成されており、凹部642に対して隣り合う2つの凸部641のうち、一方の凸部641に対して+10°、他方の凸部641に対して−10°ずれて形成されている。凹部642の数は、凸部641の数と同じ18である。
なお、凸部641及び凹部642が、上記螺旋曲線に沿って形成されている理由については、後に詳述する。
図11は、離間させた状態のウィック64及びグルーブ65のXZ平面に沿う断面を示す図である。なお、図11においては、見易さを考慮して、凸部641,651及び凹部642,652の一部に符号を付す。
また、各凸部641の延出方向に直交する断面の形状は、略三角形状であり、当該断面の面積は、中央C1からウィック64の外側に向かうに従って大きくなる。そして、各凸部641は、凸部641における−Z方向の部位、すなわち、凸部641の頂点が中央C1からウィック64の外側に向かうに従ってグルーブ65側、すなわち、−Z方向に位置するように形成されている。換言すると、ウィック64からグルーブ65に向かう−Z方向に直交する面を基準面とした場合、当該基準面に対する−Z方向に沿う複数の凸部641の寸法は、中央C1からウィック64の外側に向かうに従って大きくなる。詳述すると、図11に示すように、−Z方向に直交し、第1位置である中央C1を含む仮想面を第1基準面SS1とした場合、−Z方向において第1基準面SS1からの複数の凸部641の寸法は、中央C1からウィック64の外側に向かうに従って大きくなる。
一方、各凹部642の延出方向に直交する断面の形状は、略V字形状であり、当該略V字形状は、中央C1からウィック64の外側に向かうに従って大きくなる。そして、各凹部642は、凹部642において最も+Z方向の部位、すなわち、凹部642の谷が、中央C1からウィック64の外側に向かうに従ってグルーブ65とは反対側、すなわち、+Z方向に位置するように形成されている。換言すると、上記基準面に対する−Z方向に沿う複数の凹部642の寸法は、中央C1からウィック64の外側に向かうに従って大きくなる。詳述すると、+Z方向において上記第1基準面SS1からの複数の凹部642の寸法は、中央C1からウィック64の外側に向かうに従って大きくなる。
[グルーブの詳細構成]
図12は、グルーブ65をウィック64側である+Z方向から見た斜視図であり、図13は、グルーブ65を+Z方向から見た平面図である。
グルーブ65は、図12及び図13に示すように、接続面65Aに設けられた複数の凸部651及び複数の凹部652を有する。
複数の凸部651は、複数の第2凸部に相当する。複数の凸部651は、ウィック64側、すなわち、+Z方向に突出している。複数の凸部651は、ウィック64とグルーブ65とが組み合わされたときに、複数の凹部642に嵌合する。
複数の凹部652は、複数の第2凹部に相当する。複数の凹部652は、ウィック64とは反対側、すなわち、−Z方向に没入している。複数の凹部652には、ウィック64とグルーブ65とが組み合わされたときに、複数の凸部641が嵌合する。
各凸部651及び各凹部652は、図12及び図13に示すように、+Z方向から見て、第2位置である接続面65Aの中央C2を起点とする螺旋状に形成されている。
具体的に、凸部651及び凹部652は、中央C2をXY平面と平行なxy平面における原点とした場合、上記式(3)及び(4)に示される螺旋曲線に沿って、+Z方向から見て中央C2からグルーブ65の外側に向かって延出している。すなわち、接続面64Aと接続面65Aとは、略鏡面対称である。
そして、各凸部651は、中央C2を中心として時計回り又は反時計回りに所定角度ずつずれて形成されており、各凹部652は、複数の凸部651のうち隣り合う2つの凸部651の間に形成されている。
本実施形態では、凸部651は、中央C2を中心として時計回り又は反時計回りにそれぞれ20°ずつずれて形成されており、凸部651の数は、凸部651が嵌合する凹部642の数と同じ18である。凹部652は、中央C2を中心として時計回り又は反時計回りにそれぞれ20°ずつずれて形成されており、凹部652に対して隣り合う2つの凸部651のうち、一方の凸部651に対して+10°、他方の凸部651に対して−10°ずれて形成されている。凹部652の数は、凹部652に嵌合する凸部641の数と同じ18である。
なお、凸部651及び凹部652が、上記螺旋曲線に沿って延出している理由については、後に詳述する。
また、各凸部651の延出方向に直交する断面の形状は、+Z方向の部位が切り欠かれたような略台形状であり、当該断面の面積は、中央C2からグルーブ65の外側に向かうに従って大きくなる。すなわち、凸部651における+Z方向の部位は、平面となっている。そして、各凸部651におけるウィック64側の部位は、図6に示すように、上記基準面、詳しくは、後述する第2基準面SS2(図11参照)と平行な同一平面上に位置している。
一方、各凹部652は、図12に示すように、凹部642と同様に、凹部652の延出方向に直交する断面の形状が、略V字形状であり、当該略V字形状は、中央C2からグルーブ65の外側に向かうに従って大きくなる。そして、各凹部652は、凹部652において−Z方向の部位、すなわち、凹部652の谷が、中央C2からグルーブ65の外側に向かうに従ってウィック64とは反対側、すなわち、−Z方向に位置するように形成されている。換言すると、上記基準面に対する−Z方向に沿う複数の凹部642の寸法は、中央C2からウィック64の外側に向かうに従って大きくなる。詳述すると、図11に示すように、−Z方向に直交し、第2位置である中央C2を含む仮想面を第2基準面SS2とした場合、−Z方向において第2基準面SS2からの複数の凹部652の寸法は、中央C2からグルーブ65の外側に向かうに従って大きくなる。
[ウィック及びグルーブの嵌合]
図7に示したように、接続面64A,65Aが互いに接続されるように、ウィック64とグルーブ65とは組み合わされる。この際、ウィック64の各凸部641がグルーブ65の各凹部652に嵌合し、グルーブ65の各凸部651がウィック64の各凹部642に嵌合する。
これにより、ウィック64とグルーブ65とが平面同士で接続される場合に比べて、ウィック64とグルーブ65との接触面積が拡大される。
また、各凹部652の断面形状が略V字形状であり、各凹部652に嵌合する各凸部641の断面形状が、各凹部652の断面形状に応じた略三角形状である。一方、各凹部642の断面形状は略V字形状であるが、各凹部642に嵌合する各凸部651の断面形状は、略台形状である。このため、凹部642と凸部651との間には、隙間SPが形成される。これら隙間SPは、周面63Aに開口し、気相の作動流体が流通する螺旋状の蒸気流路VCとなる。このように、複数の蒸気流路VCは、複数の凸部641が複数の凹部652に嵌合し、複数の凸部651が複数の凹部642に嵌合することによって形成されている。すなわち、複数の蒸気流路VCは、複数の凸部651が複数の凹部642に嵌合することによって、複数の凸部651と複数の凹部642との間に形成されている。
そして、各凹部642において最も+Z方向に位置する谷の部分は、各凹部642において中央C1からウィック64の外側に向かうに従って+Z方向に位置するのに対し、各凸部651における+Z方向の部位は、同一平面上に位置する。このため、蒸気流路VCの延出方向における蒸気流路VCの断面積(流路面積)は、中央C1,C2から熱交換部63の外側、すなわち、周面63Aに向かうに従って大きくなる。これにより、蒸気流路VCを流通する気相の作動流体の排出路6122への排出効率が高められ、気相の作動流体の蒸気管52への排出効率が高められる。
[螺旋曲線に沿う凸部及び凹部]
ウィック64は、金属材料によって形成された多孔質体であるのに対し、グルーブ65は、密に形成された金属体である。換言すると、ウィック64は、空隙率が大きい組織、すなわち、密度が小さい組織によって構成されるのに対し、グルーブ65は、密度が大きい組織によって構成される。このため、ウィック64とグルーブ65とを同時に形成することが困難である他、別々の工程で作成後に組み合わされる場合でも、高い寸法精度でそれぞれの形状を一致させることは困難である。
例えば、ウィックとグルーブとの接触面積を拡大するために、それぞれ平行に直線状に形成された溝である複数の蒸気流路が形成されたグルーブと、蒸気流路内に一部が挿入されて、蒸気流路と接触する複数の突出部を有するウィックとを組み合わせようとした場合では、それぞれの寸法精度を厳密に管理できないと、ウィックとグルーブとを組み合わせることができない。
これに対し、本実施形態では、複数の凸部641,651及び複数の凹部642,652は、上記式(3)及び(4)によって示される螺旋曲線に沿って形成されている。これは、複数の凸部641及び複数の凹部642を有するウィック64と、複数の凸部651及び複数の凹部652を有するグルーブ65とのうち、一方が他方に対して等方に拡大又は縮小して形成された場合でも、ウィック64及びグルーブ65のうち一方に対して他方を回転させることによって、これらを組み合わせることができるようにするためである。
例えば、上記式(3)及び式(4)によって示される螺旋曲線を(1+E)の拡大率で拡大した螺旋曲線は、以下の式(5)及び式(6)によって表される。なお、式(5)及び式(6)におけるA及びθは、上記式(3)及び式(4)での場合と同様である。
Figure 2020159599
拡大率(1+E)を以下の式(7)によって表した場合、上記式(5)及び式(6)は、以下の式(8)及び式(9)を経て、以下の式(10)及び式(11)のようになる。
Figure 2020159599
上記式(10)及び式(11)によって示される螺旋曲線は、上記式(3)及び式(4)によって示される螺旋曲線を上記拡大率(1+E)によって拡大した螺旋曲線であるが、原点が揃った状態では、拡大前の螺旋曲線と、拡大後の螺旋曲線とは重ならない。
これに対し、拡大後の螺旋曲線を、原点を中心として所定角度θ’回転させた螺旋曲線は、以下の式(12)及び式(13)によって示される。
このように、所定角度θ’回転させた拡大後の螺旋曲線、すなわち、以下の式(12)及び式(13)によって示される螺旋曲線は、上記式(3)及び式(4)によって示される螺旋曲線と重なる。
Figure 2020159599
これに基づき、本実施形態では、ウィック64及びグルーブ65において、凸部641,651及び凹部642,652は、上記式(3)及び式(4)によって示される螺旋曲線に沿って形成されている。そして、互いに嵌合する凸部641及び凹部652のそれぞれの数は同じであり、互いに嵌合する凸部651及び凹部642のそれぞれの数は同じである。
これにより、ウィック64及びグルーブ65のうち少なくとも一方が、設計された形状に対して中央C1,C2を中心として拡大又は縮小されて形成された場合でも、中央C1,C2を通り+Z方向に沿う回動軸を中心として、ウィック64及びグルーブ65のうち一方を他方に対して相対的に回動させることにより、ウィック64とグルーブ65とを組み合わせることができる。この状態では、複数の凸部641と複数の凹部652とが嵌合し、複数の凸部651と複数の凹部642とが嵌合する。
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果を奏することができる。
プロジェクター1は、光を出射する光源411を有する光源装置4と、光源装置4から出射された光を変調する光変調装置343と、光変調装置343によって変調された光を投射する投射光学装置36と、冷却装置5と、を備える。冷却装置5の冷却対象は、光源411である。
冷却装置5は、蒸発部6、凝縮部53、蒸気管52及び液管54を備える。凝縮部53は、気相の作動流体を凝縮させて、気相の作動流体を液相の作動流体に変化させる。蒸気管52は、蒸発部6にて液相から気相に変化した作動流体を凝縮部53へ流通させる。液管54は、凝縮部53にて気相から液相に変化した作動流体を蒸発部6へ流通させる。
蒸発部6は、冷却対象である光源411から伝達される熱によって液相の作動流体を蒸発させて、液相の作動流体を気相の作動流体に変化させる。蒸発部6は、液管54に接続され、液相の作動流体が内部に流入する筐体61と、リザーバー62、ウィック64、グルーブ65及び複数の蒸気流路VCを備える。リザーバー62は、筐体61内に設けられ、筐体61に流入された液相の作動流体を貯留する。ウィック64は、筐体61内に設けられ、液相の作動流体が浸み込み、液相の作動流体を輸送する。グルーブ65は、筐体61に設けられ、ウィック64に接続される。複数の蒸気流路VCは、ウィック64とグルーブ65との間に設けられ、液相から気相に変化した作動流体が流通する。
ウィック64は、グルーブ65に接続される第1接続面である接続面64Aに、第1位置である中央C1を起点とする螺旋状に形成された複数の凸部641及び複数の凹部642を有する。複数の凸部641は、複数の第1凸部に相当し、複数の凹部642は、複数の第1凹部に相当する。また、グルーブ65は、接続面64Aに接続される第2接続面としての接続面65Aに、第2位置である中央C2を起点とする螺旋状に形成された複数の凸部651及び複数の凹部652を有する。複数の凸部651は、複数の第1凸部に相当し、複数の凹部652は、複数の第2凹部に相当する。そして、複数の蒸気流路VCは、複数の凸部641が複数の凹部652に嵌合し、複数の凸部651が複数の凹部642に嵌合することによって形成されている。
このような構成によれば、複数の蒸気流路VCは、中央C1,C2からウィック64及びグルーブ65の外側に向かって螺旋状に延出する。これによれば、ウィック64又はグルーブ65にて液相から気相に変化した作動流体を円環状の排出路6122に効率よく排出でき、蒸気流路VCの流通方向に沿って時計回りに排出路6122内を流通した気相の作動流体を、蒸気管接続部6121を介して蒸気管52に排出できる。従って、直角に交差する蒸気流路を有する蒸発部に比べて、気相の作動流体の排出抵抗を小さくでき、気相の作動流体の排出効率を高めることができるので、冷却対象である光源411の冷却効率を高めることができる。
また、ウィック64とグルーブ65とが組み合わされた状態では、複数の凸部641が複数の凹部652に嵌合し、複数の凸部651が複数の凹部642に嵌合する。すなわち、ウィック64とグルーブ65とが組み合わされた状態では、凸部641の外面と凹部652の内面とが接触し、凸部651の外面と凹部642の内面とが接触する。
これによれば、ウィックとグルーブとの間に複数の蒸気流路を形成しつつ、ウィックとグルーブとが面接触する場合に比べて、ウィック64とグルーブ65との接触面積を拡大できる。従って、グルーブ65からウィック64に熱を伝達させやすくすることができるので、光源411の熱による液相から気相への作動流体の相変化を促進させることができ、光源411の冷却効率を高めることができる。
第1位置である中央C1を原点とし、一回転当たりの拡大率をA、基準からの回転角度をθとした場合、複数の凸部641及び複数の凹部642は、上記式(3)及び式(4)によって示される螺旋曲線に沿って、中央C1からウィック64の外側に向かって延出している。また、複数の凸部651及び複数の凹部652は、上記式(3)及び式(4)によって示される螺旋曲線に沿って、第2位置である中央C2からグルーブ65の外側に向かって延出している。
このような構成によれば、上記のように、ウィック64及びグルーブ65のうち少なくとも一方が、設計された形状に対して中央C1,C2を中心として拡大又は縮小されて形成された場合でも、中央C1,C2を通り+Z方向に沿う回動軸を中心として、ウィック64及びグルーブ65のうち一方を他方に対して相対的に回動させることにより、ウィック64とグルーブ65とを組み合わせることができる。従って、ウィック64及びグルーブ65の寸法精度に誤差が生じた場合でも、ウィック64とグルーブ65とを組み合わせることができ、上記効果を好適に奏することができる。
複数の凸部641,651のうち、凸部651の断面形状は、略台形状である。詳述すると、凸部651の延出方向に直交する凸部651の断面形状は、略台形状である。一方、複数の凹部642,652のうち、複数の凸部651が嵌合する複数の凹部642の断面の形状は、略V字状である。詳述すると、凹部642の延出方向に直交する凹部642の断面の形状は、略V字状である。
このような構成によれば、凸部651が凹部642に嵌合した場合には、凸部651と凹部642との間に、気相の作動流体が流通する隙間SP、すなわち、蒸気流路VCを形成できる。従って、螺旋状の蒸気流路VCを形成できるので、上記効果を好適に奏することができる。
複数の蒸気流路VCは、複数の凸部651が複数の凹部642に嵌合することによって、複数の凸部651と複数の凹部642との間に形成される。ウィック64からグルーブ65に向かう第1方向である−Z方向に直交し、かつ、第1位置である中央C1を含む仮想面を第1基準面SS1とし、−Z方向に直交し、かつ、第2位置である中央C2を含む仮想面を第2基準面SS2とした場合、−Z方向において第1基準面SS1からの複数の凸部641の寸法は、中央C1からウィック64の外側に向かうに従って大きくなる。第1方向とは反対方向である+Z方向において第1基準面SS1からの複数の凹部642の寸法は、中央C1からウィック64の外側に向かうに従って大きくなる。−Z方向において第2基準面SS2からの複数の凹部652の寸法は、中央C2からグルーブ65の外側に向かうに従って大きくなる。
このような構成によれば、ウィック64とグルーブ65とを組み合わせたときに、中央C1,C2からウィック64及びグルーブ65の外縁に至るまでの範囲において、凸部641と凹部652とを接続でき、また、凸部651と凹部642とを接続できる。従って、ウィック64とグルーブ65との接触面積を一層拡大でき、グルーブ65からウィック64に熱を一層効率よく伝達できる。
複数の凹部642に嵌合する複数の凸部651におけるウィック64側の部位は、上記第2基準面SS2と平行な同一平面上に位置している。
このような構成によれば、凸部651と凹部642との間に形成される蒸気流路VCにおいて、蒸気流路VCの延出方向に直交する断面の面積を、中央C1,C2からウィック64及びグルーブ65の外側に向かうに従って大きくできる。このため、中央C1,C2から蒸気流路VCを流通するに従って流量が大きくなる気相の作動流体を排出路6122に効率よく排出できる。すなわち、蒸気流路VCを流通する気相の作動流体の流通抵抗を小さくできる。従って、排出路6122への気相の作動流体の排出効率を一層高めることができ、液相から気相への作動流体の相変化を促進できるので、冷却対象である光源411の冷却効率を一層高めることができる。
ウィック64からリザーバー62に向かう+Z方向から見て、ウィック64の外形及びグルーブ65の外形は、略円形状である。蒸発部6は、+Z方向から見てウィック64及びグルーブ65を囲み、複数の蒸気流路VCを流通した気相の作動流体を蒸気管52に導く環状の排出路6122を備える。
このような構成によれば、螺旋状の蒸気流路VCから排出路6122への気相の作動流体の流通抵抗を小さくできる。これにより、蒸気管52への気相の作動流体の排出効率を一層高めることができる。
なお、蒸気管接続部6121は、排出路6122を流通した気相の作動流体が、排出路6122における気相の作動流体の流通方向に沿って流通可能な位置に設けられている。このため、蒸気管接続部6121を介して蒸気管52に気相の作動流体を流通しやすくすることができる。従って、気相の作動流体の蒸気管52への排出効率をより一層高めることができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、ウィック64が有する複数の凸部641及び複数の凹部642と、グルーブ65が有する複数の凸部651及び複数の凹部652とは、それぞれ、上記式(3)及び式(4)によって示される螺旋曲線に沿って形成されているとした。しかしながら、これに限らず、複数の第1凸部が複数の第2凹部に嵌合し、複数の第2凸部が複数の第1凹部に嵌合するように、ウィック64とグルーブ65とを精度よく組み合わせることが可能であれば、複数の第1凸部、複数の第1凹部、複数の第2凸部及び複数の第2凹部は、上記式(3)及び式(4)によって示される螺旋曲線とは異なる螺旋曲線に沿って形成されていてもよい。
また、複数の第1凸部、複数の第1凹部、複数の第2凸部及び複数の第2凹部は、上記式(3)及び式(4)によって示される螺旋曲線と鏡面対称となる螺旋曲線に沿って形成されていてもよい。詳述すると、上記実施形態では、図10に示したように、ウィック64における中央C1からの凸部641及び凹部642の延出方向は、反時計回りであり、図13に示したように、グルーブ65における中央C2からの凸部651及び凹部652の延出方向は、時計回りであった。しかしながら、これに限らず、ウィック64における中央C1からの凸部641及び凹部642の延出方向が時計回りであり、グルーブ65における中央C2からの凸部651及び凹部652の延出方向が反時計回りであってもよい。この場合、図8の図面視、すなわち、+Z方向から見て、排出路6122を流通する気相の作動流体の流通方向は、反時計回りとなることから、第2筐体612からの蒸気管接続部6121の延出方向も、図8に示した例に対して鏡面対称となることが好ましい。
更に、第1位置は中央C1であるとし、第2位置は中央C2であるとしたが、第1位置は、必ずしもウィック64の接続面64Aにおける中央C1でなくてもよく、第2位置は、必ずしもグルーブ65の接続面65Aにおける中央C2でなくてもよい。
上記実施形態では、蒸気流路VCは、グルーブ65が有する第2凸部としての凸部651が、ウィック64が有する第1凹部としての凹部642に嵌合することによって、凸部651と凹部642との間に形成されるとした。しかしながら、これに限らず、蒸気流路VCは、ウィック64が有する第1凸部としての凸部641が、グルーブ65が有する第2凹部としての凹部652に嵌合することによって、凸部641と凹部652との間に形成されてもよい。また、凸部641と凹部652との間、及び、凸部651と凹部642との間のそれぞれに、蒸気流路VCが形成されていてもよい。
上記実施形態では、凸部641の断面形状は、略三角形状であるとし、凸部641が嵌合する凹部652の断面形状は、略V字状であるとした。しかしながら、これに限らず、凸部641及び凹部652が互いに接触できれば、凸部641の断面形状及び凹部652の断面形状は、適宜変更可能である。
同様に、凸部651の断面形状は、略台形状であるとし、凸部651が嵌合する凹部642の断面形状は、略V字状であるとした。しかしながら、これに限らず、凸部651の一部と凹部642の一部とが互いに接触し、かつ、凸部651と凹部642との間に蒸気流路VCが形成されれば、凸部651の断面形状及び凹部642の断面形状は、適宜変更可能である。
上記実施形態では、凸部641の断面形状は、略三角形状であるとし、凸部641が嵌合する凹部652の断面形状は、略V字状であるとした。また、凸部651の断面形状は、略台形状であるとし、凸部651が嵌合する凹部642の断面形状は、略V字状であるとした。しかしながら、これに限らず、凸部641及び凸部651の両方の断面形状が略台形状であり、断面形状が略台形状である凸部651が嵌合する凹部642の断面形状、及び、断面形状が略台形状である凸部641が嵌合する凹部652の断面形状が略V字状であってもよい。すなわち、複数の凸部641及び複数の凸部651のうち少なくとも一方の凸部の断面形状は、略台形状であり、複数の凹部642及び複数の凹部652のうち当該少なくとも一方の凸部が嵌合する凹部の断面の形状は、略V字状であってもよい。これにより、上記の様に、凸部641と凹部652との間、及び、凸部651と凹部642との間のそれぞれに、蒸気流路VCが形成される。
上記実施形態では、−Z方向において第1基準面SS1からの各凸部641の寸法は、中央C1からウィック64の外側に向かうに従って大きくなり、+Z方向において第1基準面SS1からの各凹部642の寸法は、中央C1からウィック64の外側に向かうに従って大きくなるとした。各凸部651におけるウィック64側の部位は、ウィック64からグルーブ65に向かう−Z方向に直交する第2基準面SS2と平行な同一平面上に位置するとした。−Z方向において第2基準面SS2からの各凹部652の寸法は、中央C2からグルーブ65の外側に向かうに従って大きくなるとした。しかしながら、これに限らず、凸部641の一部と凹部652の一部とが接触し、凸部651の一部と凹部642の一部とが接触すれば、凸部641,651の形状及び凹部642,652の形状は、必ずしも上記形状に限定されない。
上記実施形態では、排出路6122は、+Z方向から見て円環状に形成されているとした。しかしながら、これに限らず、+Z方向から見た場合の排出路6122の形状は、矩形状であってもよい。
上記実施形態では、熱交換部63を構成するグルーブ65は、ウィック64と噛み合った状態にて第2筐体612内に配置されるとした。すなわち、筐体61及びグルーブ65は、それぞれ別体で構成されるとした。しかしながら、これに限らず、グルーブ65は、第2筐体612と一体化されていてもよい。
上記実施形態では、プロジェクター1は、図2に示した画像投射装置3を有し、画像投射装置3は、図3に示した光源装置4を有するものとした。しかしながら、これに限らず、画像投射装置3が有する光学部品の構成及びレイアウトは、適宜変更可能であり、光源装置4が有する光学部品の構成及びレイアウトは、適宜変更可能である。例えば、光源装置4が有する波長変換素子46は、波長変換部461にて生成した蛍光YLを、青色光L1sの入射側に出射する反射型の波長変換素子であるが、青色光L1sの入射方向に沿って蛍光を出射する透過型の波長変換素子を、光源装置に採用してもよい。
上記実施形態では、光源装置4の光源411は、半導体レーザー412,413を有するものとした。しかしながら、これに限らず、光源装置は、超高圧水銀ランプ等の光源ランプや、LED(Light Emitting Diode)等の他の固体光源を、光源として有するものであってもよい。この場合、ループ型ヒートパイプ51の冷却対象は、光源ランプや他の固体光源であってもよい。
また、冷却装置5の冷却対象は、光源411に限らず、他の構成であってもよい。例えば、冷却装置5は、光変調装置343及び偏光変換素子313等の光学部品を冷却するものでもよく、制御装置や電源装置に設けられた回路素子を冷却するものであってもよい。
上記実施形態では、プロジェクター1は、3つの光変調装置343(343B,343G,343R)を備えるとした。しかしながら、これに限らず、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を備えるプロジェクターにも、本発明を適用可能である。
上記各実施形態では、光変調装置343は、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルであるとした。しかしながら、これに限らず、光変調装置として、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。また、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
上記実施形態では、ループ型ヒートパイプ51を備える冷却装置5をプロジェクターに適用した例を挙げた。しかしながら、これに限らず、本発明の冷却装置は、プロジェクター以外の装置及び機器に適用可能である他、単体で利用することも可能である。すなわち、本発明の冷却装置の用途は、プロジェクターの構成部品を冷却するものに限定されない。
1…プロジェクター、343(343B,343G,343R)…光変調装置、36…投射光学装置、4…光源装置、411…光源(冷却対象)、5…冷却装置、51…ループ型ヒートパイプ、52…蒸気管、53…凝縮部、54…液管、6…蒸発部、61…筐体、6122…排出路、62…リザーバー、63…熱交換部、63A…周面、64…ウィック、641…凸部(第1凸部)、642…凹部(第1凹部)、64A…接続面(第1接続面)、65…グルーブ、651…凸部(第2凸部)、652…凹部(第2凹部)、65A…接続面(第2接続面)、C1…中央(第1位置)、C2…中央(第2位置)、SP…隙間、SS1…第1基準面、SS2…第2基準面、VC…蒸気流路。

Claims (8)

  1. 冷却対象から伝達される熱によって液相の作動流体を蒸発させて、液相の前記作動流体を気相の前記作動流体に変化させる蒸発部と、
    気相の前記作動流体を凝縮させて、気相の前記作動流体を液相の前記作動流体に変化させる凝縮部と、
    前記蒸発部にて液相から気相に変化した前記作動流体を前記凝縮部へ流通させる蒸気管と、
    前記凝縮部にて気相から液相に変化した前記作動流体を前記蒸発部へ流通させる液管と、を備え、
    前記蒸発部は、
    前記液管に接続され、液相の前記作動流体が内部に流入する筐体と、
    前記筐体内に設けられ、液相の前記作動流体が浸み込み、液相の前記作動流体を輸送するウィックと、
    前記筐体内に設けられ、前記筐体に流入された液相の前記作動流体を貯留するリザーバーと、
    前記筐体に設けられ、前記ウィックに接続されるグルーブと、
    前記ウィックと前記グルーブとの間に設けられ、液相から気相に変化した前記作動流体が流通する複数の蒸気流路と、備え、
    前記ウィックは、前記グルーブに接続される第1接続面に、第1位置を起点とする螺旋状に形成された複数の第1凸部及び複数の第1凹部を有し、
    前記グルーブは、前記第1接続面に接続される第2接続面に、第2位置を起点とする螺旋状に形成された複数の第2凸部及び複数の第2凹部を有し、
    前記複数の蒸気流路は、前記複数の第1凸部が前記複数の第2凹部に嵌合し、前記複数の第2凸部が前記複数の第1凹部に嵌合することによって形成されていることを特徴とする冷却装置。
  2. 請求項1に記載の冷却装置において、
    前記第1位置を原点とし、一回転当たりの拡大率をA、基準からの回転角度をθとした場合、
    前記複数の第1凸部及び前記複数の第1凹部は、以下の式(1)及び式(2)によって示される螺旋曲線に沿って、前記第1位置から前記ウィックの外側に向かって延出し、
    前記複数の第2凸部及び前記複数の第2凹部は、前記螺旋曲線に沿って、前記第2位置から前記グルーブの外側に向かって延出していることを特徴とする冷却装置。
    Figure 2020159599
  3. 請求項1又は請求項2に記載の冷却装置において、
    前記複数の第1凸部及び前記複数の第2凸部のうち少なくとも一方の凸部の断面形状は、略台形状であり、
    前記複数の第1凹部及び前記複数の第2凹部のうち前記少なくとも一方の凸部が嵌合する凹部の断面の形状は、略V字状であることを特徴とする冷却装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷却装置において、
    前記複数の蒸気流路は、前記複数の第2凸部が前記複数の第1凹部に嵌合することによって、前記複数の第2凸部と前記複数の第1凹部との間に形成され、
    前記ウィックから前記グルーブに向かう第1方向に直交し、かつ、前記第1位置を含む仮想面を第1基準面とし、前記第1方向に直交し、かつ、前記第2位置を含む仮想面を第2基準面とした場合、
    前記第1方向において前記第1基準面からの前記複数の第1凸部の寸法は、前記第1位置から前記ウィックの外側に向かうに従って大きくなり、
    前記第1方向とは反対方向において前記第1基準面からの前記複数の第1凹部の寸法は、前記第1位置から前記ウィックの外側に向かうに従って大きくなり、
    前記第1方向において前記第2基準面からの前記複数の第2凹部の寸法は、前記第2位置から前記グルーブの外側に向かうに従って大きくなることを特徴とする冷却装置。
  5. 請求項4に記載の冷却装置において、
    前記複数の第2凸部における前記ウィック側の部位は、前記第2基準面と平行な同一平面上に位置していることを特徴とする冷却装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷却装置において、
    前記ウィックから前記リザーバーに向かう方向から見て、前記ウィックの外形及び前記グルーブの外形は、略円形状であり、
    前記蒸発部は、前記ウィックから前記リザーバーに向かう方向から見て前記ウィック及び前記グルーブを囲み、前記複数の蒸気流路を流通した気相の前記作動流体を前記蒸気管に導く環状の排出路を備えることを特徴とする冷却装置。
  7. 光を出射する光源を有する光源装置と、
    前記光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、
    前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の冷却装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
  8. 請求項7に記載のプロジェクターにおいて、
    前記冷却対象は、前記光源であることを特徴とするプロジェクター。
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