JP2010026134A - 冷却装置、光源装置、プロジェクタ及び冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率良く熱源を冷却させるための冷却装置、その冷却装置を用いる光源装置及びプロジェクタを提供すること。
【解決手段】冷却装置1は、熱源からの熱を液相冷媒に吸収させるコールドプレート8と、液相冷媒が吸収した熱を放熱させるラジエータ10とを備え、コールドプレートとラジエータとが液相冷媒の循環を可能に接続された冷却装置であって、ラジエータの液相冷媒の流出側とコールドプレートの液相冷媒の流入側との間に設けられるともに、液相冷媒を収容する内部空間3において液相冷媒の一部を蒸発させて気相冷媒にする蒸発器2と、蒸発器の内部空間を減圧するとともに、コールドプレートを介さずに気相冷媒をラジエータに送り込む減圧器4と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】冷却装置1は、熱源からの熱を液相冷媒に吸収させるコールドプレート8と、液相冷媒が吸収した熱を放熱させるラジエータ10とを備え、コールドプレートとラジエータとが液相冷媒の循環を可能に接続された冷却装置であって、ラジエータの液相冷媒の流出側とコールドプレートの液相冷媒の流入側との間に設けられるともに、液相冷媒を収容する内部空間3において液相冷媒の一部を蒸発させて気相冷媒にする蒸発器2と、蒸発器の内部空間を減圧するとともに、コールドプレートを介さずに気相冷媒をラジエータに送り込む減圧器4と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷却装置、光源装置及びプロジェクタ、特に、熱源に接触させて用いられる液冷方式の冷却装置の技術に関する。
近年、プロジェクタは高輝度化が求められており、供給可能な光量の増加に伴って光源装置の発熱量も増大する傾向にある。光源装置の放熱効率を高めるには、従来の空冷方式に代えて、冷媒である液体を流動させる液冷方式を採用することが望ましい。液冷方式によりプロジェクタの光源装置を冷却するための技術は、例えば、特許文献1に提案されている。
近年、プロジェクタの光源装置への適用が検討されているレーザダイオード、LED等の半導体素子は、パッケージの底面を例えば室温のプラス20度程度以下にまで冷却することが要求される。特に、プロジェクタの高輝度化が求められていることから、レーザダイオードやLEDの総発熱量は例えば200W程度にまでなり得る。この場合、冷却装置は、全体として例えば0.1K/W程度の低い熱抵抗であることが要求されることとなる。このように低い熱抵抗の冷却装置を構築するためには、冷媒の放熱のためのラジエータにおける放熱面積を大きくする必要が生じる。大きな放熱面積を確保するためにラジエータを大型にすると、冷却装置、さらにその冷却装置を用いるプロジェクタが大型になるという問題を生じる。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、効率良く熱源を冷却させるための冷却装置、その冷却装置を用いる光源装置、プロジェクタ及び冷却方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る冷却装置は、熱源からの熱を液相冷媒に吸収させるコールドプレートと、液相冷媒が吸収した熱を放熱させるラジエータとを備え、コールドプレートとラジエータとが液相冷媒の循環を可能に接続された冷却装置であって、ラジエータの液相冷媒の流出側とコールドプレートの液相冷媒の流入側との間に設けられるともに、液相冷媒を収容する内部空間において液相冷媒の一部を蒸発させて気相冷媒にする蒸発器と、蒸発器の内部空間を減圧するとともに、コールドプレートを介さずに気相冷媒をラジエータに送り込む減圧器と、を有する。
蒸発器の内部空間で液相冷媒の一部を蒸発させて気相冷媒とするので、気相冷媒に気化熱が奪われて液相冷媒が冷却される。コールドプレートに送り込まれる液相冷媒が、蒸発によってラジエータ流出時よりも冷却されるので、効率よく熱源からの熱を吸収することができる。また、蒸発器の内部空間が減圧器によって減圧されるので、液相冷媒の沸騰温度を低くすることができ、液相冷媒の蒸発量、すなわち液相冷媒が吸収する熱量をより大きくすることができる。
蒸発時に気化熱を奪った気相冷媒が、コールドプレートを介さずにラジエータに送り込まれるので、ラジエータへ流入させる冷媒の温度を高くすることができる。すなわち、ラジエータには、コールドプレートにおいて熱を吸収した液相冷媒と、蒸発器において気化熱として熱を奪った気相冷媒とが流入するので、この両方の熱によってラジエータに流入させる冷媒の温度を高くすることができる。これにより、ラジエータに流入させる冷媒の温度とラジエータの周囲の温度(外気温)との差を大きくすることができ、冷媒の熱を効率よく放熱させることができる。したがって、ラジエータを小型に構成しても十分に冷媒の熱を放熱をさせることができ、冷却装置自体の小型化に寄与することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、蒸発器の内部空間を、気相冷媒を収容する気相冷媒収容部と液相冷媒を収容する液相冷媒収容部とに分割し、気体を通過させかつ液体の通過を遮断する気液分離膜をさらに有し、減圧器は、気相冷媒収容部を減圧することが望ましい。
気液分離膜によって蒸発器の内部空間が、気相冷媒収容部と液相冷媒収容部とに分割されており、気液分離膜は気体を通過させかつ液体の通過を遮断するので、内部空間における気相冷媒の存在領域と液相冷媒の存在領域とを区別することができる。また、液相冷媒が気液分離膜を越えて気相冷媒収容部に移動することはないため、減圧器で気相冷媒収容部を減圧しても、液相冷媒収容部に収容された液相冷媒が減圧器側に流れこんでしまうことがなく、液相冷媒を確実にコールドプレートに送り込むことができる。
気液分離膜を越えた液相冷媒の移動がないため、蒸発器の内部空間における気相冷媒が収容される領域と液相冷媒が収容される領域とが、冷却装置の設置姿勢によって変化することがない。さらに、減圧器は気相冷媒収容部を減圧しているため、冷却装置の設置姿勢にかかわらず、気相冷媒収容部が減圧されて液相冷媒の蒸発が促進される。したがって、冷却装置の設置姿勢にかかわらず、液相冷媒を冷却することができるとともに冷却された液相冷媒のコールドプレートへ送り込んで熱源を冷却することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、減圧器は、エジェクターポンプであることが望ましい。エジェクターポンプにより蒸発器の内部空間を減圧するので、コンプレッサー等を備えることなく冷却装置を構成することができ、製造コストの低下に寄与することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、コールドプレートから流出した液相冷媒をエジェクターポンプ内に通過させ、液相冷媒がエジェクターポンプ内を通過することによって生じる圧力低下によって、蒸発器の内部空間を減圧することが望ましい。
コールドプレートから流出した液相冷媒を利用して蒸発器の内部空間を減圧するので、コンプレッサー等の特別の動力部を備えることなく冷却装置を構成することができることに加えて、エジェクターポンプ内に流体を通過させるための特別の系統を構成する必要がないため、より一層の低コスト化及び小型化に寄与することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、コールドプレートと蒸発器とが一体となっていることが望ましい。コールドプレートと蒸発器とが一体となっているので、冷却装置のより一層の小型化に寄与することができる。また、部品点数の削減によるコスト低下を図ることもできる。
さらに、本発明に係る光源装置は、光を射出する光源部と、上記冷却装置を有し、熱源は、光源部であることを特徴とする。上記の冷却装置を用いることにより、効率良く光源部を冷却可能とし、高い信頼性、かつ高い効率で光を供給可能な光源装置を得られる。さらに、光源装置の小型化、低コスト化にも寄与することができる。
さらに、本発明に係るプロジェクタは、上記光源装置から射出した光を用いて画像を表示することを特徴とする。これにより、高い信頼性、かつ高い効率で明るい画像を表示可能なプロジェクタを得ることができる。さらに、小型かつ低コストであるプロジェクタを得ることができる。
さらに、本発明に係る冷却方法は、液相冷媒が収容された蒸発器の内部空間を減圧して、液相冷媒の一部を蒸発させて気相冷媒とするステップと、一部が蒸発した液相冷媒をコールドプレートに送り込むステップと、熱源からの熱をコールドプレートで液相冷媒に吸収させるステップと、熱を吸収した液相冷媒をラジエータに送り込むステップと、気相冷媒を、コールドプレートを介さずにラジエータに送り込むステップと、ラジエータで、気相冷媒と液相冷媒とが混合された冷媒から熱を放熱させるステップと、ラジエータで放熱した冷媒を蒸発器に送り込むステップと、を含むことを特徴とする。
蒸発器の内部空間で液相冷媒の一部を蒸発させて気相冷媒とするステップにより、気相冷媒に気化熱が奪われて液相冷媒が冷却される。コールドプレートに送り込まれる液相冷媒が、蒸発によってラジエータ流出時よりも冷却されるので、効率よく熱源からの熱を吸収することができる。また、蒸発器の内部空間が減圧器によって減圧されるので、液相冷媒の沸騰温度を低くすることができ、液相冷媒の蒸発量、すなわち液相冷媒が吸収する熱量をより大きくすることができる。
蒸発時に気化熱を液相冷媒から奪った気相冷媒が、コールドプレートを介さずにラジエータに送り込まれるステップにより、ラジエータに流入させる液相冷媒と気相冷媒とが混合された冷媒の温度を高くすることができる。すなわち、ラジエータには、コールドプレートにおいて効率よく熱を吸収した液相冷媒と、蒸発時に気化熱として液相冷媒から熱を奪った気相冷媒とが流入するので、この両方の熱によってラジエータに流入させる冷媒の温度を高くすることができる。これにより、ラジエータ内の冷媒の温度とラジエータの周囲の温度(外気温)との差を大きくすることができ、冷媒の熱を効率よく放熱させることができる。したがって、この冷却方法によれば、ラジエータを小型に構成しても十分に冷媒の熱を放熱させることができ、冷却装置自体の小型化にも寄与することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る冷却装置の概略構成を示す。冷却装置1は、蒸発器2、圧縮機4、ポンプ6、コールドプレート8、ラジエータ10を有して大略構成される。
図2は、蒸発器の内部構造の概略構成を示す断面図である。蒸発器2には、液相冷媒を収容する内部空間3が形成されている。蒸発器2は、内部空間3に収容した液相冷媒の一部を蒸発させて気相冷媒とする。液相冷媒の一部が蒸発する際に気化熱が奪われるため、蒸発器2の内部空間3において液相冷媒は冷却される。なお、気相冷媒と液相冷媒を含む概念又は気相冷媒と液相冷媒とが混合されたものを示す概念として単に冷媒の語を用いる。冷媒としては、水の他、フッ素系不活性液体等、従来知られているものを用いる。
内部空間3は気液分離膜12によって分割されており、その分割された一方の空間が液相冷媒を収容する液相冷媒収容空間(液相冷媒収容部)3a、他方の空間が気相冷媒を収容する気相冷媒収容空間(気相冷媒収容部)3bとなっている。気液分離膜12は、気体を通過させ、液体の通過を遮断する特質を有する。したがって、液相冷媒収容空間3aに収容されている液相冷媒が気液分離膜12を通過して気相冷媒収容空間3b側に移動することがない。液相冷媒が蒸発して気体となった気相冷媒は、気液分離膜12を通過して気相冷媒収容空間3bに移動する。気液分離膜12は、例えば、防水透湿性素材である多孔質膜を備える。
蒸発器2には、液相冷媒収容空間3aに冷媒を流入させるための流入口2aと、液相冷媒収容空間3aから冷媒を流出させるための流出口2bが形成されている。また、蒸発器2には、気相冷媒収容空間3bを減圧するための減圧口2cが形成されている。蒸発器2は減圧口2cを介して圧縮機4と接続され、その圧縮機4によって気相冷媒収容空間3bを含めた内部空間3が減圧される。
内部空間3が減圧されることで、冷媒の沸騰温度が下がる(例えば30℃)。冷媒の沸騰温度が下がることで、液相冷媒が蒸発しやすくなり、液相冷媒がより一層冷却される。このように、冷媒の沸騰温度が下がることで、室温程度の温度でも十分に冷媒を蒸発させることができる。また、内部空間3が減圧されても、気液分離膜12によって液相冷媒は気相冷媒収容空間3bに移動できないため、減圧口2cに液相冷媒が流入することがない。したがって、気液分離膜を内部空間3に設けない場合に比べて、液相冷媒を円滑にコールドプレート8に送り込むことができる。
圧縮機4は、蒸発器2の減圧口2cを介して蒸発器2の内部空間3を減圧するものであって、小型のコンプレッサー等が用いられる。圧縮機4は、蒸発器2の気相冷媒収容空間3bから気相冷媒を吸い込んで、内部空間3を減圧する。圧縮機4は、吸い込んだ気相冷媒を圧縮して、コールドプレート8を介さずに直接ラジエータ10に送り込む。
ポンプ6は、冷却装置1内に冷媒を循環させる動力源である。ポンプ6は、矢印Pで示すように冷媒を循環させる。これにより、蒸発器2で冷却された液相冷媒がコールドプレート8に流入し、コールドプレート8から流出した冷媒がラジエータ10に流入する。また、ラジエータ10から流出した冷媒が蒸発器2に流入し再度冷却される。
コールドプレート8は、熱源(例えば、レーザダイオード。図示せず。)を冷却するためのものである。コールドプレート8は、熱伝導性の高い材料、例えばアルミニウム等の金属材料で構成されている。
図3は、コールドプレート8の内部構造を説明するためのA−A断面図である。コールドプレート8の内部には、蒸発器2で冷却された液相冷媒が流れるための流路8aが形成されている。コールドプレート8には、例えば、熱源が接触配置され、その熱源から発生した熱がコールドプレート8を介して、流路8aを流れる冷媒に伝わって吸収される。
流路8aには、波板形状の板部材である波状板部14が配置されている。波状板部14は、その形状により流路8の内壁に多数の箇所で接触している。また、波状板部14によって、流路8a内部に複数の冷媒流路が形成されて液相冷媒との接触面積が広くなっている。したがって、波状板部14を流路8に配置することで、熱源からの熱を効率よく液相冷媒に吸収させることができる。流路8を流れる過程で熱を吸収した液相冷媒は、ラジエータ10に送り込まれる。なお、流路8に複数の冷媒流路が形成されていればよく、その構成は波状板部14を有するものに限られない。熱源からの熱を効率よく液相冷媒に吸収させることができるものであればよく、例えば、流路8が複数の流路から構成されていてもよい。
ラジエータ10は、冷媒の熱を外気に放熱させるためのものである。ラジエータ10の内部にも冷媒が流れる流路(図示せず)が形成されている。圧縮機4に圧縮された気相冷媒とコールドプレート8で熱を吸収した液相冷媒とがラジエータ10に流入する前に合流して混合される。混合された冷媒の熱はラジエータ10の流路を流れる過程で外気に放熱される。ラジエータ10での放熱効率を高めるため、ラジエータ10に対してファン(図示せず)から風が送り込まれている。
ラジエータ10から流出した冷媒は再度蒸発器2に送り込まれる。蒸発器2に送り込まれた冷媒は、一部は液相冷媒として再度コールドプレート8に送り込まれ、一部は蒸発して気相冷媒となり圧縮機4を介してラジエータ10に送り込まれる。
次に、冷却装置1における冷媒の循環の流れを図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、蒸発器2の内部空間が減圧されて液相冷媒の一部が蒸発して気相冷媒となる(S.1)。一部が蒸発した液相冷媒がコールドプレート8に送り込まれて(S.2)、流路8aを流れる過程で熱源からの熱を吸収する(S.3)。熱を吸収した液相冷媒がラジエータ10に送り込まれる(S.4)。この液相冷媒に対して蒸発器2で蒸発した気相冷媒が合流されて混合される(S.5)。この混合された冷媒がラジエータ10で放熱して(S.6)、再度蒸発器2に送り込まれる(S.7)。
以上に説明したように、コールドプレート8に送り込まれる液相冷媒は蒸発器2において冷却されるため、ラジエータ10流出時の冷媒の温度よりも蒸発器2流出時の冷媒の温度を低くすることができる。これにより、冷媒と熱源との温度差を大きくすることができ、コールドプレート8において、効率よく熱源からの熱を冷媒に吸収させることができる。
また、ラジエータ10に流入する冷媒は、圧縮機4に圧縮された気相冷媒とコールドプレート8で熱を吸収した液相冷媒とが混合されたものである。したがって、この混合された冷媒は、コールドプレート8において熱源から吸収した熱に加えて、蒸発器2において気相冷媒が液相冷媒から気化熱として奪った熱を有している。すなわち、ラジエータ10の内部を流れる冷媒の温度を高いものとすることができる。これにより、ラジエータ10の内部を流れる冷媒と外気との温度差を大きくすることができ、冷媒の熱を効率よく放熱させることができる。
したがって、ラジエータ10を小型に構成しても、冷媒が吸収した熱源からの熱を十分に放熱させることができ、冷却装置1自体の小型化に寄与することができる。
図5は、本実施例1の変形例1に係る蒸発器2の概略構成を示す。本変形例1に係る蒸発器2は、内部空間3を複数有し、それぞれの内部空間3が気液分離膜12によって液相冷媒収容空間3aと気相冷媒収容空間3bとに分割されて構成される。この構成により、液相冷媒の蒸発面積を増やすことができ、より効率よく液相冷媒の冷却ができるようになる。
図6は、本実施例1の変形例2に係る蒸発器2の横断面図である。本変形例2に係る蒸発器2は、内部空間3内にチューブ状に形成された気液分離膜12を複数有し、そのチューブ内に液相冷媒が収容されるようになっている。つまり、チューブの内部領域が液相冷媒収容空間3aとして機能し、チューブの外部領域が気相冷媒収容空間3bとして機能する。この構成により、液相冷媒の蒸発面積を増やすことができ、より効率よく液相冷媒の冷却ができるようになる。
図7は、本発明の実施例2に係る冷却装置21の概略構成を表す。本実施例2は、減圧器がエジェクターポンプ16であることを特徴とする。なお、上記実施例1と同様の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
エジェクターポンプ16は、主ノズル16aの周囲を副ノズル16bが囲む同軸の二重ノズル形状を呈している。また、主ノズル16aの壁面には、主ノズル16aと副ノズル16bとを連通する連通孔16cが形成されている。エジェクターポンプ16の主ノズル16aは、コールドプレート8と接続されている。コールドプレート8から流出した液相冷媒はエジェクターポンプ16の主ノズル16aの内部を通過してラジエータ10に送り込まれる。また、エジェクターポンプ16の副ノズル16bと蒸発器2の減圧口2cとが接続されている。
主ノズル16aの内部を液相冷媒が通過すると、連通孔16cを介して副ノズル16b内の流体つまり気相冷媒が主ノズル16a内に引き込まれる。主ノズル16a内に引き込まれた気相冷媒は液相冷媒と混合されて、ラジエータ10に送り込まれる。副ノズル16b内の気相冷媒が主ノズル16a内に引き込まれることで、副ノズル16b内に圧力低下が生じる。これにより、減圧口2cを介して副ノズル16bに接続された気相冷媒収容空間3bを減圧することができる。
このように、減圧器としてエジェクターポンプ16を用いることで、蒸発器2の気相冷媒収容空間3bを減圧するための特別の動力部を備えることなく冷却装置を構成することができ、製造コストの低下に寄与することができる。また、コンプレッサー等の圧縮機を用いる場合に比べて消費電力を抑えることができる。
本実施例2では、蒸発器2の気相冷媒収容空間3bを減圧するために、エジェクターポンプ16の主ノズル16aに通過させる流体を、コールドプレート8から流出した液相冷媒としているが、これに限られない。例えば、ラジエータ10から流出した冷媒を分岐させて主ノズル16aに直接接続させて構成してもよい。この系統に冷媒を循環させるためのポンプを別途設けることで、主ノズル16a内を流れる冷媒の流速を調整しやすくなり、これに伴って、蒸発器2の気相冷媒収容空間3bの圧力も所望の圧力に調整しやすくなる。
図8は、本発明の実施例3に係る冷却装置31の概略構成を表す。本実施例3は、減圧器とコールドプレートが一体化された蒸発冷却器18を用いることを特徴とする。なお、上記実施例1と同様の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図9は、蒸発冷却器18の平面図である。蒸発冷却器18の表面領域は、蒸発領域18aと吸熱領域18bとを有している。蒸発冷却器18における蒸発領域18aの内部には、蒸発流路19が形成されている。蒸発流路19は、細い流路が蛇行した形状で形成されている。
図10は、蒸発冷却器18のB−B断面図である。蒸発流路19は気液分離膜12によって、液相冷媒収容空間(液相冷媒収容部)19aと気相冷媒収容空間(気相冷媒収容部)19bとに分割されている。気相冷媒収容空間19bには減圧口18cが形成されており、圧縮機4によって気相冷媒収容空間19bが減圧される。気相冷媒収容空間19bが減圧されることで、液相冷媒の蒸発が促進され、液相冷媒がより一層冷却される。
蒸発冷却器18における吸熱領域18bの内部には、吸熱空間20が形成されている。吸熱空間20は蒸発流路19とつながっており、蒸発流路19で冷却された液相冷媒が吸熱空間20に流入する。吸熱領域18bには熱源(図示せず)が配置され、熱源からの熱が液相冷媒に吸収される。また、吸熱空間20は、気液分離膜12によって液相冷媒収容空間20aと気相冷媒収容空間20bとに分割されており、吸熱領域18b側が液相冷媒収容空間20aとなっている。
蒸発冷却器18は、蒸発領域18aが蒸発器として機能し、吸熱領域18bがコールドプレートとして機能している。このように、蒸発器とコールドプレートとが一体化した蒸発冷却器18を用いることで、蒸発器とコールドプレートとの配管等を省略することができ、冷却装置31自体の小型化を図ることができる。
また、蒸発冷却器18の蒸発流路19は、細い流路が蛇行した形状で形成されているので、液相冷媒がよどみなく流れるとともに、蒸発面積も大きく確保できるため、効率よく液相冷媒を蒸発・冷却させることができる。
また、蒸発冷却器18の吸熱空間20は、気液分離膜12によって液相冷媒収容空間20aと気相冷媒収容空間20bとに分割されているため、蒸発冷却器18の姿勢にかかわらず吸熱領域側に液相冷媒を流すことができる。したがって、冷却装置31の設置姿勢によって冷却性能が左右されることがない。
図11は、本発明の実施例4に係るプロジェクタ50の概略構成を示す。プロジェクタ50は、スクリーン55に光を供給し、スクリーン55で反射する光を観察することで画像を鑑賞するフロント投写型のプロジェクタである。プロジェクタ50は、赤色(R)光用光源部(熱源)51R、緑色(G)光用光源部(熱源)51G、及び青色(B)光用光源部(熱源)51Bを有する。R光用光源部51Rは、R光を供給する光源部である。G光用光源部51Gは、G光を供給する光源部である。B光用光源部51Bは、B光を供給する光源部である。
R光用光源部51Rは、固体光源であるLEDを備える。R光用空間光変調装置52Rは、R光用光源部51RからのR光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。R光用空間光変調装置52Rで変調されたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム53へ入射する。G光用光源部51Gは、固体光源であるLEDを備える。G光用空間光変調装置52Gは、G光用光源部51GからのG光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。G光用空間光変調装置52Gで変調されたG光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム53へ入射する。
B光用光源部51Bは、固体光源であるLEDを備える。B光用空間光変調装置52Bは、B光用光源部51BからのB光を画像信号に応じて変調する空間光変調装置であって、透過型液晶表示装置である。B光用空間光変調装置52Bで変調されたB光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム53へ入射する。透過型液晶表示装置としては、例えば高温ポリシリコンTFT液晶パネル(High Temperature Polysilicon;HTPS)を用いることができる。クロスダイクロイックプリズム53は、それぞれ異なる方向から入射したR光、G光及びB光を合成し、投写レンズ54の方向へ出射させる。投写レンズ54は、クロスダイクロイックプリズム53からの光をスクリーン55へ投写させる。
光源装置57は、R光用光源部51R、G光用光源部51G、B光用光源部51B、冷却装置41を有して構成されている。冷却装置41は実施例1に記載のものと略同様の構成であり、同様の構成部分には同一の符号を付して説明を省略する。冷却装置41のコールドプレート8は、熱源であるR光用光源部51R、G光用光源部51G、B光用光源部51Bのそれぞれを冷却するために、R光用コールドプレート8R、G光用コールドプレート8G、B光用コールドプレート8Bを有して構成される。
冷却装置41を用いることで、R光用光源部51R、G光用光源部51G、B光用光源部51Bを効率よく冷却でき、信頼性が高く、かつ高い効率で明るい画像を表示可能なプロジェクタ50とすることができる。さらに、ラジエータ10等の小型化も可能であるので、プロジェクタ50を小型かつ低コストなものとすることができる。
本実施例4では、R光用光源部51R、G光用光源部51G、B光用光源部51Bのそれぞれを1つの冷却装置41で冷却するように光源装置57を構成したが、各光源部ごとに冷却装置を設けて、別個独立の光源装置を3つ備えるように構成してもよい。各色光用光源部51R、51G、51Bは、LEDを用いる構成に限られず、他の固体光源、例えば半導体レーザ等を用いる構成としても良い。さらに、プロジェクタ50は、固体光源以外の光源、例えば超高圧水銀ランプ等のランプを用いる構成であっても良い。
プロジェクタ50は、空間光変調装置として透過型液晶表示装置を用いる場合に限られない。空間光変調装置としては、反射型液晶表示装置(Liquid Crystal On Silicon;LCOS)、DMD(Digital Micromirror Device)、GLV(Grating Light Valve)等を用いても良い。空間光変調装置として反射型液晶表示装置を用いた場合には、反射型液晶表示装置の反射面の裏側にコールドプレートを配置して、反射型液晶表示装置で発生する熱を放熱するように構成してもよい。
プロジェクタ50は、色光ごとに空間光変調装置を備える構成に限られない。プロジェクタ50は、一の空間光変調装置により2つ又は3つ以上の色光を変調する構成としても良い。プロジェクタ50は、空間光変調装置を用いる場合に限られない。プロジェクタ50は、ガルバノミラー等の走査手段により光源部からのレーザ光を走査することで被投写面へ画像を投写する、レーザースキャン型のプロジェクタとしても良い。プロジェクタは、スクリーンの一方の面に光を供給し、スクリーンの他方の面から出射される光を観察することで画像を鑑賞する、いわゆるリアプロジェクタであっても良い。
本発明の冷却装置は、プロジェクタ50に用いる場合に限られず、効果的な放熱が求められる電子機器、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークルーター、ゲーム機等に対して適用することができる。
以上のように、本発明に係る冷却装置は、プロジェクタに用いる場合に適している。
P 矢印、1,21,31,41 冷却装置、2 蒸発器、2a 流入口、2b 流出口、2c 減圧口、3 内部空間、3a 液相冷媒収容空間(液相冷媒収容部)、3b 気相冷媒収容空間(気相冷媒収容部)、4 圧縮機(減圧器)、6 ポンプ、8 コールドプレート(伝熱部)、8a 流路、8R R光用コールドプレート、8G G光用コールドプレート、8B B光用コールドプレート、10 ラジエータ、12 気液分離膜、14 波状板部、16 エジェクターポンプ(減圧器)、16a 主ノズル、16b 副ノズル、16c 連通孔、18 蒸発冷却器、18a 蒸発領域、18b 吸熱領域、18c 減圧口、19 蒸発流路、19a 液相冷媒収容空間(液相冷媒収容部)、19b 気相冷媒収容空間(気相冷媒収容部)、20 吸熱空間、20a 液相冷媒収容空間、20b 気相冷媒容空間、50 プロジェクタ、51R 赤色(R)光用光源部(熱源)、51G 緑色(G)光用光源部(熱源)、51B 青色(B)光用光源部(熱源)、52R R光用空間光変調装置、52G G光用空間光変調装置、52B B光用空間光変調装置、53 クロスダイクロイックプリズム、54 投写レンズ、55 スクリーン、57 光源装置
Claims (8)
- 熱源からの熱を液相冷媒に吸収させるコールドプレートと、前記液相冷媒が吸収した熱を放熱させるラジエータとを備え、前記コールドプレートと前記ラジエータとが前記液相冷媒の循環を可能に接続された冷却装置であって、
前記ラジエータの液相冷媒の流出側と前記コールドプレートの液相冷媒の流入側との間に設けられるともに、前記液相冷媒を収容する内部空間において前記液相冷媒の一部を蒸発させて気相冷媒にする蒸発器と、
前記蒸発器の内部空間を減圧するとともに、前記コールドプレートを介さずに前記気相冷媒を前記ラジエータに送り込む減圧器と、を有することを特徴とする冷却装置。 - 前記蒸発器の内部空間を、前記気相冷媒を収容する気相冷媒収容部と前記液相冷媒を収容する液相冷媒収容部とに分割するとともに、気体を通過させ液体の通過を遮断する気液分離膜をさらに有し、
前記減圧器は、前記気相冷媒収容部を減圧することを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。 - 前記減圧器は、エジェクターポンプであることを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
- 前記コールドプレートから流出した前記液相冷媒を前記エジェクターポンプ内に通過させ、
前記液相冷媒が前記エジェクターポンプ内を通過することによって生じる圧力低下によって、前記蒸発器の内部空間を減圧することを特徴とする請求項3に記載の冷却装置。 - 前記コールドプレートと前記蒸発器とが一体となっていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の冷却装置。
- 光を射出する光源部と、
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の冷却装置と、を有し、
前記熱源は、前記光源部であることを特徴とする光源装置。 - 請求項6に記載の光源装置から射出した光を用いて画像を表示することを特徴とするプロジェクタ。
- 液相冷媒が収容された蒸発器の内部空間を減圧して、前記液相冷媒の一部を蒸発させて気相冷媒とするステップと、
一部が蒸発した前記液相冷媒をコールドプレートに送り込むステップと、
熱源からの熱を前記コールドプレートで前記液相冷媒に吸収させるステップと、
熱を吸収した前記液相冷媒をラジエータに送り込むステップと、
前記気相冷媒を、前記コールドプレートを介さずに前記ラジエータに送り込むステップと、
前記ラジエータで、前記気相冷媒と前記液相冷媒とが混合された冷媒から熱を放熱させるステップと、
前記ラジエータで放熱した前記混合された冷媒を前記蒸発器に送り込むステップと、を含むことを特徴とする冷却方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008185673A JP2010026134A (ja) | 2008-07-17 | 2008-07-17 | 冷却装置、光源装置、プロジェクタ及び冷却方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018012659A1 (ko) * | 2016-07-14 | 2018-01-18 | 주식회사 코리아하이텍 | 차량용 빔프로젝터 방열 장치 |
WO2024004258A1 (ja) * | 2022-07-01 | 2024-01-04 | 三菱重工業株式会社 | 冷却装置 |
-
2008
- 2008-07-17 JP JP2008185673A patent/JP2010026134A/ja not_active Withdrawn
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