JP2015135360A - プロジェクター - Google Patents

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Takuro Nagatsu
拓郎 永津
桜井 照夫
Teruo Sakurai
照夫 桜井
柳澤 佳幸
Yoshiyuki Yanagisawa
佳幸 柳澤
千種 ▲高▼木
千種 ▲高▼木
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Abstract

【課題】様々な姿勢において、冷却対象を効率良く冷却できるプロジェクターを提供する。【解決手段】プロジェクターは、冷却装置を備える。冷却装置は、冷却対象の熱を受熱する受熱部51と、内部に作動液を収容し、受熱部51の熱を受熱して作動液が蒸発する内装部54A、および作動液の蒸気が凝縮する延出部54B,54Cを有するヒートパイプ54と、延出部54B,54Cに熱伝導可能に配置されたヒートシンク53と、を備え、プロジェクター1の第1設置姿勢、第1設置姿勢における水平面Hpに対する投写レンズの光軸の角度が一方の方向に第1の所定の角度で変えられた第2設置姿勢、および他方の方向に第2の所定の角度で変えられた第3設置姿勢において、延出部54B,54Cの少なくともいずれか一方は、内装部54Aの上側に位置する。【選択図】図3

Description

本発明は、プロジェクターに関する。
従来、光源と、光源から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、光変調装置で変調した光を投写する投写光学系とを備え、スクリーン等の投写面に画像を投写するプロジェクターが知られている。近年、光源の高輝度化が求められ、光変調装置等の光学素子は、より高温に発熱するため、これらの光学素子を効率良く冷却するためのプロジェクターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプロジェクターは、熱輸送装置、液冷装置および空冷装置を備える。
熱輸送装置は、ヒートパイプ、受熱ブロック、およびペルチェ素子を備える。ヒートパイプは、内部に毛細管構造を有する断面視円形状の管状に形成されるとともに、L字形状を有するように屈曲形成されている。ヒートパイプは、一端側の蒸発部が光変調装置に熱伝達可能に接続され、他端側の凝縮部が光変調装置の上側に位置する受熱ブロックに熱伝達可能に接続されている。そして、熱輸送装置は、光変調装置に生じた熱をヒートパイプの発熱部から凝縮部に移動させ、受熱ブロック、およびペルチェ素子を介して液冷装置に伝達する。
液冷装置は、液体圧送部、受熱ジャケット、ラジエーター、および複数の液体循環部材等を備え、冷却液体が流通する環状の流路が設けられている。そして、液冷装置は、液体圧送部が熱輸送装置のペルチェ素子における放熱面に熱伝達可能に接続されている。
そして、熱輸送装置から伝えられた熱は、液冷装置において、液体圧送部〜受熱ジャケット〜ラジエーターの熱伝達経路を辿り、空冷装置によって放熱される。
特開2009−229955号公報
しかしながら、特許文献1に記載の熱輸送装置は、毛細管構造を有するヒートパイプを用いているとはいうものの、凝縮部が蒸発部の下方に位置するようなプロジェクターの姿勢(例えば、天井等に設置されて床等に設置された投写面に投写する姿勢等)においては、蒸発部から凝縮部への熱移動を充分発揮できなくなる恐れがある。そして、ヒートパイプによるこの熱移動が充分行われないと、光変調装置の冷却が不十分で光変調装置が劣化するという課題がある。
また、毛細管構造を有する特殊なヒートパイプは高価で、特許文献1に記載の熱輸送装置のように1つの光変調装置に複数のヒートパイプを配する構成では、複数(例えば、3つ)の光変調装置を冷却する構成においては、熱輸送装置が複雑でさらに高価なものとなってしまう。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源と、前記光源から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置で変調された光を投写する投写レンズと、冷却対象を冷却する冷却装置と、を備えたプロジェクターであって、前記冷却装置は、前記冷却対象の熱を受熱する受熱部と、内部に作動液を収容し、前記受熱部の熱を受熱して前記作動液が蒸発する蒸発部、および前記作動液の蒸気が凝縮する凝縮部を有するヒートパイプと、前記凝縮部に熱伝導可能に配置されたヒートシンクと、を備え、前記ヒートパイプは、当該プロジェクターの第1設置姿勢、前記第1設置姿勢における水平面に対する前記投写レンズの光軸の角度が一方の方向に第1の所定の角度で変えられた第2設置姿勢、および他方の方向に第2の所定の角度で変えられた第3設置姿勢において、前記蒸発部の上側に位置する前記凝縮部を有することを特徴とする。
ヒートパイプは、管状の部材の内部に作動液が封入された構成を有し、この作動液が蒸発部で蒸発してその蒸気が凝縮部に移動し、凝縮部で液体に凝縮されて蒸発部に還流することで熱移動が行われる。
この構成によれば、ヒートパイプは、プロジェクターの第1設置姿勢、第2設置姿勢、および第3設置姿勢において、蒸発部の上側に位置する凝縮部を有する。
これによって、ヒートパイプは、プロジェクターが水平面に対する投写レンズの光軸の角度が所定の範囲で変えられた姿勢であっても、熱移動が行われるので、冷却装置は、冷却対象の熱をヒートシンクに移動させ、冷却対象を冷却することができる。例えば、壁等に設置された投写面に画像を投写するプロジェクターの姿勢を第1設置姿勢とした場合、この第1設置姿勢からプロジェクターが回転され、上方や下方に画像を投写する第2設置姿勢や第3設置姿勢であっても、冷却装置は、冷却対象を安定して冷却することが可能となる。
また、冷却装置は、特殊なヒートパイプ(例えば、毛細管力を利用して作動液を移動させるように構成されたヒートパイプ等)を備えることなく、簡素な構成のヒートパイプを用いても、このヒートパイプが熱移動を行うので、安定して冷却対象を冷却することが可能となる。
したがって、複雑な構成や高価なヒートパイプを用いることなく冷却装置を構成し、様々な使用シーンに対応できるプロジェクターの提供が可能となる。
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記第1の所定の角度、および前記第2の所定の角度は、それぞれ90°であることが好ましい。
この構成によれば、プロジェクターは、第1設置姿勢における水平面に対し、±90°の範囲で回転された姿勢においても、冷却対象を安定して冷却することが可能となる。例えば、壁等に設置された投写面に画像を投写する姿勢を第1設置姿勢とすれば、第2設置姿勢で天井等に設置された投写面に画像を投写し、第3設置姿勢で床等に設置された投写面に画像を投写できるプロジェクターを提供することが可能となる。
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記ヒートパイプは、前記蒸発部の両側から延出し、互いに対向する一対の前記凝縮部を有し、前記一対の凝縮部は、前記蒸発部から遠ざかるに従って当該一対の凝縮部の間に位置する中心線からの距離が大きくなるように、前記中心線に対して傾斜し、前記ヒートパイプは、前記第1設置姿勢において、前記一対の凝縮部が前記蒸発部の上側に位置し、前記中心線を通る鉛直面が前記光軸に直交するように配置されることが好ましい。
この構成によれば、ヒートパイプは、上述したように形成された蒸発部および一対の凝縮部を有し、第1設置姿勢において、一対の凝縮部が蒸発部の上側に位置し、中心線を通る鉛直面が投写レンズの光軸に直交するように配置される。
これによって、プロジェクターは、第1設置姿勢から第2設置姿勢、あるいは第1設置姿勢から第3設置姿勢に変更される場合には、ヒートパイプの中心線に沿う軸を中心に回転されることとなる。一対の凝縮部は、中心線に対して上述したように傾斜しているので、第1設置姿勢から第2設置姿勢、および第1設置姿勢から第3設置姿勢に変更されても、一対の凝縮部の少なくともいずれか一方は、発熱部の上側に位置することとなる。よって、簡素な形状でヒートパイプを形成し、第1設置姿勢、第2設置姿勢および第3設置姿勢において、冷却対象を安定して冷却できる冷却装置が可能となる。
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記ヒートパイプは、前記蒸発部の両側から互いに離間する方向に延出する一対の前記凝縮部を有し、前記一対の凝縮部は、前記第1設置姿勢において、前記蒸発部の上側に位置し、かつ、前記蒸発部の中心線を通る鉛直面に対し、互いが異なる方向に前記蒸発部に対して屈曲し、前記ヒートパイプは、前記第1設置姿勢において、前記中心線を通る鉛直面が前記光軸に直交するように配置されることが好ましい。
この構成によれば、ヒートパイプは、上述したように形成された蒸発部および一対の凝縮部を有し、第1設置姿勢において、一対の凝縮部が蒸発部の上側に位置し、中心線を通る鉛直面が投写レンズの光軸に直交するように配置される。
これによって、プロジェクターは、上述した一対の凝縮部が互いに対向するように形成されたヒートパイプを備える構成と同様に、第1設置姿勢から第2設置姿勢や第3設置姿勢に姿勢が変えられても、一対の凝縮部の少なくともいずれか一方の凝縮部を蒸発部の上側に位置させることができる。よって、簡素な形状でヒートパイプを形成し、第1設置姿勢、第2設置姿勢および第3設置姿勢において、冷却対象を安定して冷却できる冷却装置が可能となる。
また、一対の凝縮部は、蒸発部の両側から互いに離間する方向に延出しているので、ヒートシンクも蒸発部の両側に配置されることとなる。これによって、受熱部から蒸発部に伝わる熱を、このヒートシンクに伝えることができる。よって、ヒートシンクの放熱性をより高めることができるので、冷却対象のさらに効率的な冷却が可能となる。
[適用例5]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記冷却装置は、前記受熱部と前記蒸発部との間に、前記受熱部の熱を前記蒸発部に伝える熱電変換素子を備えることが好ましい。
熱電変換素子は、電力が供給されると、受熱部の熱を吸熱部で吸熱し、発熱部で発熱する。
この構成によれば、受熱部と蒸発部との間に熱電変換素子が設けられているので、受熱部の熱を効率良く蒸発部に移動させることができる。よって、冷却対象のより効率的な冷却が可能となる。
[適用例6]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記冷却装置は、前記受熱部と前記蒸発部との間に、前記受熱部の熱を前記蒸発部に伝える熱電変換素子と、冷却空気を送風する冷却ファンと、をさらに備え、前記ヒートシンクは、前記熱電変換素子側から見て、前記熱電変換素子に重なり、前記蒸発部および前記熱電変換素子に熱伝導可能な積層部、および前記熱電変換素子から飛び出る突出部を有し、前記冷却ファンは、前記積層部側から前記ヒートシンクに冷却空気を送風するように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、ヒートシンクには、熱電変換素子に重なる積層部側から冷却空気が送風される。これによって、ヒートシンクには、温度が高い側から冷却空気が送風されるので、ヒートシンクをより効率良く放熱させることが可能となる。
[適用例7]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記受熱部は、内部に冷却液体が流通する流路を有し、前記冷却装置は、内部に前記冷却液体が流通する流路を有し、前記冷却対象を保持する冷却対象保持部と、前記冷却液体を吸入および圧送する液体圧送部と、内部に前記冷却液体を貯留する供給タンクと、前記冷却対象保持部、前記液体圧送部、前記供給タンク、および前記受熱部に前記冷却液体が環状に流通するように、前記冷却対象保持部、前記液体圧送部、前記供給タンク、および前記受熱部を接続する管状部材と、をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、冷却装置には、冷却対象保持部、液体圧送部、供給タンク、受熱部、および管状部材で構成された、冷却液体が流通する環状の流路が設けられる。
これによって、光源からの光によって発熱した冷却対象の熱を、冷却液体を介して受熱部に伝導させることができる。冷却装置は、上述したように、受熱部の熱を効率良く放熱させるので、冷却装置は、冷却液体を効率良く冷却することができる。よって、受熱部で冷却した冷却液体が流通する冷却対象保持部の冷却、ひいては冷却対象の効率的な冷却が可能となる。
第1実施形態のプロジェクターの主な構成を示す模式図。 第1実施形態における冷却装置の主な構成を示すブロック図。 第1実施形態における熱交換装置を説明するための模式図。 第1実施形態の第2設置姿勢におけるヒートパイプの熱移動を説明するための模式図。 第1実施形態の第3設置姿勢におけるヒートパイプの熱移動を説明するための模式図。 第2実施形態における熱交換装置を説明するための模式図。 第2実施形態の第2設置姿勢におけるヒートパイプの熱移動を説明するための模式図。 第2実施形態の第3設置姿勢におけるヒートパイプの熱移動を説明するための模式図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて変調し、変調した光をスクリーン等の投写面に拡大投写する。また、本実施形態のプロジェクターは、壁等に設置された投写面に画像を投写する第1設置姿勢、第1設置姿勢から回転されて、天井等に設置された投写面に画像を投写する第2設置姿勢、および床等に設置された投写面に画像を投写する第3設置姿勢が可能に構成されている。
〔プロジェクターの主な構成〕
図1は、本実施形態のプロジェクター1の主な構成を示す模式図である。
プロジェクター1は、図1に示すように、外装を構成する外装筐体2、制御部(図示省略)、光源311を有する光学ユニット3、および冷却装置4を備えている。なお、図1において、冷却装置4については、一部を示している。図示は省略するが、外装筐体2の内部には、さらに、光源311や制御部に電力を供給する電源装置等が配置されている。また、以下では、説明の便宜上、プロジェクター1から射出される光の方向を+Y方向(前方向)、第1設置姿勢におけるプロジェクター1の上側を+Z側、第1設置姿勢におけるプロジェクター1を後方から見た右側を+X側として記載する。
外装筐体2は、詳細な説明は省略するが、複数の部材が組み合わされて構成され、変調された光が通過する開口部、外気を取り込む吸気口や内部の空気が排出される排気口が設けられている。
制御部は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、コンピューターとして機能するものであり、プロジェクター1の動作の制御、例えば、画像の投写に関わる制御や冷却装置4の動作に関わる制御等を行う。
光学ユニット3は、光源311から射出された光を制御部による制御の下、画像情報に応じて変調し、変調した光を投写面に投写する。
光学ユニット3は、図1に示すように、一対の光源装置31A,31B、反射ミラー31C、照明光学装置32、色分離光学装置33、光変調装置を有する光学装置34、投写光学装置としての投写レンズ35、およびこれら各部材31A,31B、32〜34を内部に収納する光学部品用筐体36を備える。
一対の光源装置31A,31Bは、同様の構成を有し、放電型の光源311およびリフレクター312を備える。そして、一対の光源装置31A,31Bは、反射ミラー31Cに向けて光束を射出するように反射ミラー31Cを挟んで対向配置されている。そして、一対の光源装置31A,31Bから射出された光束は、反射ミラー31Cにより、光学部品用筐体36内部に設定された照明光軸Axに沿って反射され、照明光学装置32に照射される。
照明光学装置32は、レンズアレイ321,322、偏光変換素子323、および重畳レンズ324を備える。レンズアレイ321,322、および重畳レンズ324は、光源装置31A,31Bから射出された光を光変調装置の表面で略均一化させる。偏光変換素子323は、レンズアレイ322から射出されたランダム光を光変調装置で利用可能な第1の直線偏光光に揃える。
色分離光学装置33は、ダイクロイックミラー331,332、および反射ミラー333〜336を備え、照明光学装置32から射出された光を赤色光(R光)、緑色光(G光)、および青色光(B光)に分離する。
光学装置34は、光変調装置としての3つの液晶パネル341(R光用の液晶パネルを341R、G光用の液晶パネルを341G、B光用の液晶パネルを341Bとする)、各液晶パネル341の光入射側、光射出側にそれぞれ配置された入射側偏光板342、射出側偏光板343、および色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム344を備える。
液晶パネル341は、図示しない複数の微小画素がマトリックス状に設けられた矩形状の画像形成領域を有し、各画素が画像情報に応じた光透過率に設定される。色分離光学装置33で分離された各色光は、各液晶パネル341にて画像情報に応じてそれぞれ変調され、クロスダイクロイックプリズム344にて合成され、投写レンズ35にてスクリーン等(図示略)に投写される。
そして、プロジェクター1は、第1設置姿勢、第1設置姿勢における水平面に対して投写レンズ35の光軸35Axの角度が上方へ第1の所定の角度で変えられた第2設置姿勢、および第1設置姿勢における水平面に対して光軸35Axの角度が下方へ第2の所定の角度で変えられた第3設置姿勢で画像を投写することができる。また、プロジェクター1は、第1設置姿勢と第2設置姿勢との間の姿勢、第1設置姿勢と第3設置姿勢との間の姿勢でも画像を投写することができる。本実施形態のプロジェクターは、第1の所定の角度および第2の所定の角度として、それぞれ90°設定可能に構成されている。
冷却装置4は、環状の流路に沿ってプロピレングリコール等の冷却液体を循環させることにより、冷却対象である液晶パネル341を冷却する装置である。なお、詳細な説明は省略するが、プロジェクター1内には、液晶パネル341以外の光学部品や、電源装置等を冷却するためのファンや、ダクト等が配置されている。
図2は、冷却装置4の主な構成を示すブロック図である。
冷却装置4は、図2に示すように、3つの光学素子保持部41、液体圧送部42、供給タンク43、熱交換装置5、複数の管状部材45、および冷却ファン46を備えている。光学素子保持部41は、冷却対象保持部に相当する。
3つの光学素子保持部41は、詳細な図示は省略するが、液晶パネル341R,341G,341Bをそれぞれ保持すると共に、内部に冷却液体が流動する流路が設けられている。液晶パネル341R用の光学素子保持部41を41R、液晶パネル341G用の光学素子保持部41を41G、液晶パネル341B用の光学素子保持部41を41Bとする。
液体圧送部42は、冷却液体を吸入および圧送するポンプであり、環状の流路に沿って冷却液体を循環させる。この液体圧送部42には、冷却液体を吸入する吸入口、冷却液体を圧送する流出口が設けられている。
供給タンク43は、アルミニウム等の熱伝導率が高い部材で略直方体状に形成され、内部に冷却液体を貯留し、環状の流路に流通する冷却液体を供給する。
供給タンク43には、内部に冷却液体を注入するための注入口、冷却液体が流入する流入口、および冷却液体が流出する流出口が設けられている。すなわち、供給タンク43には、冷却装置4が組み立てられた後、注入口から冷却液体が注入される。
管状部材45は、柔軟性を有する部材で形成され、図2に示すように、光学素子保持部41B〜光学素子保持部41G〜光学素子保持部41R〜液体圧送部42〜供給タンク43〜後述する受熱部51〜光学素子保持部41Bに冷却液体が環状に流通するように、それぞれの部材の間を接続する。
熱交換装置5は、後で詳細に説明するが、受熱部51、熱電変換素子としてのペルチェ素子52やヒートシンク53等を備えている。熱交換装置5は、光源311からの光が照射されることによって発熱する液晶パネル341の熱を光学素子保持部41および冷却液体を介して受熱部51が受熱し、ペルチェ素子52等を介してヒートシンク53に伝導させる。
冷却ファン46は、シロッコファンで構成され、熱交換装置5のヒートシンク53に冷却空気を送風し、発熱したヒートシンク53の熱を放熱させる。
〔熱交換装置の構成〕
ここで、熱交換装置5について詳細に説明する。
図3は、熱交換装置5を説明するための模式図であり、(a)は、第1設置姿勢のプロジェクター1を示す図、(b)は、熱交換装置5を後方(−Y方向)から見た図、(c)は熱交換装置5を下方(−Z方向)から見た図である。
熱交換装置5は、図3(b)、(c)に示すように、受熱部51、ペルチェ素子52、ヒートシンク53、およびヒートパイプ54を備え、これらの部材が積層された構成を有している。
受熱部51は、略直方体状の外形の内部に冷却液体が流通する複数の微細な流路(図示省略)を備え、いわゆるマイクロチャンネル等の熱交換器の構造を有している。そして、受熱部51は、微細な流路を流れる冷却液体から熱を受熱する。すなわち、受熱部51は、光源311からの光によって発熱した冷却対象(液晶パネル341)の熱を受熱する。
ペルチェ素子52は、具体的な図示は省略するが、p型半導体とn型半導体とが金属片で接合されたPN接合を複数有し、図3(b)に示すように、一方の側に吸熱部52a、他方の側に発熱部52bが設けられている。ペルチェ素子52は、吸熱部52aが受熱部51に熱伝導可能に、発熱部52bがヒートパイプ54およびヒートシンク53に熱伝導可能に配置される。そして、ペルチェ素子52は、電力が供給されると、受熱部51の熱を吸熱部52aで吸熱し、発熱部52bで発熱する。
ヒートシンク53は、アルミニウム等で形成され、図3(b)、(c)に示すように、板状のベース部531、およびベース部531の一方の面から突出する複数のフィン532を有している。
ベース部531には、図3(c)に示すように、フィン532とは反対側の面の一方の側寄りにペルチェ素子52が熱伝導可能に配置され、ペルチェ素子52と重なる積層部531A、およびペルチェ素子52から飛び出る突出部531Bを有している。
また、ベース部531には、フィン532とは反対側の面に、積層部531Aおよび突出部531Bに亘って形成されたU字状の凹部5311が形成されている。
複数のフィン532は、連続的に薄板状に切り起こされることによってベース部531と一体的に形成されており、積層部531Aと突出部531Bとが並設される方向に延出している。
ヒートパイプ54は、銅等の管状の部材に作動液が収容された構成を有し、図3(c)に示すように、ベース部531の凹部5311に配置される。ヒートパイプ54は、中心線54Lを中心とする平面視略U字状に形成されている。
ヒートパイプ54は、凹部5311に配置された状態で、ヒートシンク53の凹部5311周囲の面と略面一となるように形成されている。
ヒートパイプ54は、U字状の谷部近傍の内装部54A、および内装部54Aの両側から延出し、互いに対向する一対の延出部54B,54Cを有している。内装部54Aは、ベース部531における積層部531Aとペルチェ素子52との間に位置し、一対の延出部54B,54Cは、ペルチェ素子52に対して露出している。
そして、ヒートパイプ54が取り付けられたヒートシンク53とペルチェ素子52とが組み合わされた際に、ペルチェ素子52と積層部531A、およびペルチェ素子52と内装部54Aとが良好に熱伝導する。
ヒートパイプ54は、内装部54A内で作動液が蒸発し、一対の延出部54B,54C内で作動液の蒸気が凝縮する。内装部54Aは、蒸発部に相当し、延出部54B,54Cは、凝縮部に相当する。そして、ヒートパイプ54は、ペルチェ素子52の発熱部52bの熱を内装部54Aから一対の延出部54B,54Cへ移動させる。このように、ヒートパイプ54は、ペルチェ素子52を介して受熱部51の熱を内装部54Aで受熱し、受熱した熱を一対の延出部54B,54Cへ移動させる。
また、一対の延出部54B,54Cは、図3(c)に示すように、内装部54Aから遠ざかるに従って中心線54Lからの距離が大きくなるように傾斜している。具体的に、図3(c)に示すように、中心線54Lの+Y側に位置する延出部54Bは、中心線54Lに対して傾斜角θbを有し、中心線54Lの−Y側に位置する延出部54Cは、中心線54Lに対して傾斜角θcを有している。
熱交換装置5は、図示しない部材やネジ等を用いて受熱部51、ペルチェ素子52、ヒートシンク53、およびヒートパイプ54が一体化される。
熱交換装置5が一体化されることによって、受熱部51〜ペルチェ素子52〜ヒートシンク53、ペルチェ素子52〜ヒートパイプ54〜ヒートシンク53への熱伝達経路が形成される。なお、熱伝導可能に配置される互いの部材の間に、より熱伝導性が高まるように熱伝導性のグリスを塗布するように構成してもよい。
一体化された熱交換装置5は、図3(b)に示すように、ヒートシンク53が受熱部51の上側に位置し、内装部54Aが一対の延出部54B,54Cの右側(+X側)に位置するように配置される。そして、ヒートパイプ54は、第1設置姿勢において、中心線54Lを通る鉛直面が光軸35Axに直交し(図1参照)、一対の延出部54B,54Cが内装部54Aの上側に位置するように、中心線54Lが水平面Hpに対して傾斜角θaを有して配置される(図3(b)参照)。
プロジェクター1は、第1設置姿勢から第2設置姿勢、あるいは第1設置姿勢から第3設置姿勢に変更される場合には、上方から見て(図1参照)、ヒートパイプ54の中心線54Lに沿う軸を中心に回転されることとなる。なお、冷却ファン46は、図1に示すように、熱交換装置5の+X側に配置される。
〔冷却動作〕
ここで、冷却装置4による冷却動作について説明する。
冷却装置4は、液体圧送部42が駆動されることによって、管状部材45を介して、液体圧送部42、供給タンク43、熱交換装置5、光学素子保持部41、液体圧送部42の順で冷却液体を還流させ、液晶パネル341R,341G,341Bを冷却する。
具体的に、液晶パネル341R,341G,341Bは、光源311から射出された光が照射されることによって発熱する。この液晶パネル341R,341G,341Bで発生した熱は、それぞれの光学素子保持部41R,41G,41Bを介して冷却液体に伝導する。光学素子保持部41R,41G,41Bでは、光学素子保持部41B、光学素子保持部41G、光学素子保持部41Rの順で流動し、その後、液体圧送部42、供給タンク43の順で流動し、熱交換装置5の受熱部51に流入する。
受熱部51に流入した冷却液体は、受熱部51内の複数の微細流路を流動する際、受熱部51に熱を伝える。
受熱部51に伝導した熱は、ペルチェ素子52の吸熱部52aに伝導する。ペルチェ素子52は、吸熱部52aに熱が伝えられると、この熱を吸熱し、発熱部52bが発熱する。発熱部52bの熱は、ヒートシンク53の積層部53A、およびヒートパイプ54の内装部54Aに伝導する。
ヒートパイプ54は、内装部54Aが発熱することによって、内装部54A内の作動液が蒸発して熱移動が行われる。
ヒートパイプ54は、プロジェクター1の第1設置姿勢、第2設置姿勢、第3設置姿勢で、異なる熱移動を行う。
先ず、第1設置姿勢におけるヒートパイプ54の熱移動について説明する。
第1設置姿勢においては、図3(b)に示すように、延出部54B,54Cが内装部54Aの上側に位置するので、内装部54A内で発生した蒸気は、延出部54B,54Cに移動し、延出部54B,54C内で凝縮されて、内装部54Aに移動する。このように、ヒートパイプ54は、第1設置姿勢において、内装部54Aと一対の延出部54B,54Cとの間で作動液が還流することにより、内装部54Aの熱を一対の延出部54B,54Cに移動させる。
次に、第2設置姿勢におけるヒートパイプ54の熱移動を説明する。
図4は、第2設置姿勢におけるヒートパイプ54の熱移動を説明するための模式図であり、(a)は水平面Hpに沿う方向から見たプロジェクター1の平面図、(b)は、水平面Hpに沿う方向から見たヒートパイプ54の平面図である。
図4(a)に示すように、プロジェクター1は、第1設置姿勢における水平面Hpに対する光軸35Axの角度が上方に90°変更された第2設置姿勢で床等に載置されると、天井等に設置された投写面SCへの画像の投写が可能となる。
この第2設置姿勢において、ヒートパイプ54は、図4(b)に示すように、内装部54Aに対し、延出部54Cは、下側に位置することになるが、延出部54Bは、上側に位置する。
そして、内装部54A内で発生した蒸気は、殆どが延出部54Bに移動し、延出部54B内で凝縮されて、内装部54Aに移動する。このように、ヒートパイプ54は、第2設置姿勢において、内装部54Aと延出部54Bとの間で作動液が還流することにより、内装部54Aの熱を延出部54Bに移動させる。また、延出部54Cにおいても、内装部54Aと一体に形成されていることにより、内装部54Aの熱が伝えられる。
次に、第3設置姿勢におけるヒートパイプ54の熱移動を説明する。
図5は、第3設置姿勢におけるヒートパイプ54の熱移動を説明するための模式図であり、(a)は水平面Hpに沿う方向から見たプロジェクター1の平面図、(b)は、水平面Hpに沿う方向から見たヒートパイプ54の平面図である。
図5(a)に示すように、プロジェクター1は、第1設置姿勢における水平面Hpに対する光軸35Axの角度が下方に90°変更された第3設置姿勢で天井等に載置されると、床等に設置された投写面SCへの画像の投写が可能となる。
この第3設置姿勢において、ヒートパイプ54は、図5(b)に示すように、内装部54Aに対し、延出部54Bは、下側に位置することになるが、延出部54Cは、上側に位置する。
そして、内装部54A内で発生した蒸気は、殆どが延出部54Cに移動し、延出部54C内で凝縮されて、内装部54Aに移動する。このように、ヒートパイプ54は、第3設置姿勢において、内装部54Aと延出部54Cとの間で作動液が還流することにより、内装部54Aの熱を延出部54Cに移動させる。また、延出部54Bにおいても、内装部54Aと一体に形成されていることにより、内装部54Aの熱が伝えられる。
また、ヒートパイプ54は、第1設置姿勢における水平面Hpに対する光軸35Axの角度が上方へ90°未満変更された姿勢、および第1設置姿勢における水平面Hpに対する光軸35Axの角度が下方へ90°未満変更された姿勢においても、一対の延出部54B,54Cの少なくともいずれか一方が内装部54Aの上側に位置し、内装部54Aの熱を一対の延出部54B,54Cに移動させる。すなわち、ヒートパイプ54は、プロジェクター1の第1設置姿勢と第2設置姿勢との間の姿勢、および第1設置姿勢と第3設置姿勢との間の姿勢においても、一対の延出部54B,54Cの少なくともいずれか一方が内装部54Aの上側に位置し、内装部54Aの熱を一対の延出部54B,54Cに移動させる。
そして、プロジェクター1の設置姿勢に応じて延出部54B,54Cに伝わった熱は、ヒートシンク53の突出部531Bに伝導する。このように、ヒートパイプ54を備えない構成においては、ヒートシンク53における積層部531Aから突出部531Bに充分伝えることができなかった熱をヒートパイプ54によって効率良く突出部531Bに伝えることができる。
そして、積層部531A、および突出部531Bに伝わった熱は、フィン532に伝導し、冷却ファン46から送風された冷却空気が積層部531A側からフィン532に沿うように流れて放熱される。
このように、受熱部51に伝導した熱は、ペルチェ素子52、およびヒートパイプ54を介してヒートシンク53に伝えられ、冷却ファン46によって放熱される。なお、ヒートシンク53を冷却した空気は、光源装置31A,31Bを冷却した後、外装筐体2に設けられた排気口(図示省略)からプロジェクター1外部に排気される。
そして、受熱部51に伝導した熱がヒートシンク53で放熱されることにより、受熱部51内の冷却液体は冷却され、光学素子保持部41B、光学素子保持部41G、光学素子保持部41Rの順で、これらの部材に流動し、液晶パネル341B,341G,341Rを冷却する。
このように、冷却装置4は、プロジェクター1の姿勢が変えられても熱移動を行うヒートパイプ54を備え、液晶パネル341R,341G,341Bを冷却する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ヒートパイプ54は、プロジェクター1が水平面Hpに対する投写レンズ35の光軸35Axの角度が所定の範囲で変えられた姿勢であっても、熱移動が行われるので、冷却装置4は、冷却液体の熱を熱交換装置5において放熱させ、液晶パネル341を安定して冷却することができる。
また、冷却装置4は、特殊なヒートパイプ(例えば、毛細管力を利用して作動液を移動させるように構成されたヒートパイプ等)を備えることなく、簡素な構成のヒートパイプ54を用いても、このヒートパイプ54が熱移動を行うので、安定して液晶パネル341を冷却することが可能となる。
したがって、複雑な構成や高価な部材を用いることなく冷却装置4を構成し、様々な使用シーンに対応できるプロジェクター1の提供が可能となる。
(2)第1の所定の角度、および第2の所定の角度がそれぞれ90°なので、プロジェクター1が第1設置姿勢における水平面Hpに対し、±90°の範囲で回転された姿勢においても、液晶パネル341を安定して冷却することが可能となる。よって、冷却装置4の冷却性能を確保しつつ、床面〜壁面〜天井の範囲に設置された投写面に画像を投写できるプロジェクター1の提供が可能となる。
(3)ヒートパイプ54は、U字状に形成され、内装部54A(蒸発部)および一対の延出部54B,54C(凝縮部)を有している。そして、ヒートパイプ54は、プロジェクターが第1設置姿勢から第2設置姿勢や第3設置姿勢に姿勢が変えられても、一対の延出部54B,54Cの少なくともいずれか一方が内装部54Aの上側に位置する。よって、簡素な形状でヒートパイプ54を形成し、第1設置姿勢、第2設置姿勢および第3設置姿勢において、液晶パネル341を安定して冷却できる冷却装置4が可能となる。
(4)受熱部51と内装部54Aとの間にペルチェ素子52が設けられているので、受熱部51の熱を効率良く内装部54Aに移動させることができる。よって、冷却液体の発熱をより抑え、液晶パネル341のより効率的な冷却が可能となる。
(5)ヒートシンク53には、ペルチェ素子52に重なる積層部531A側から冷却空気が送風される。これによって、ヒートシンク53には、温度が高い側から冷却空気が送風されるので、ヒートシンク53をより効率良く放熱させることが可能となる。
(6)冷却装置4には、液体圧送部42、供給タンク43、受熱部51、光学素子保持部41B,41G,41Rおよび管状部材45で構成された、冷却液体が流通する環状の流路が設けられている。
これによって、光源311からの光によって、液晶パネル341で発生した熱を冷却液体を介して受熱部51に伝導させることができる。熱交換装置5は、上述したように、受熱部51の熱を効率良く放熱させるので、冷却装置4は、冷却液体を効率良く冷却することができる。よって、受熱部51で冷却した冷却液体が流通する光学素子保持部41の冷却、ひいては液晶パネル341の効率的な冷却が可能となる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。以下の説明では、第1実施形態のプロジェクター1と同様の構成および同様の部材には、同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
本実施形態のプロジェクター10は、第1実施形態のプロジェクター1における熱交換装置5と構成の異なる熱交換装置7を備えている。
図6は、熱交換装置7を説明するための模式図であり、(a)は、第1設置姿勢のプロジェクター10を示す図、(b)は、熱交換装置7を後方(−Y方向)から見た図、(c)は熱交換装置7を下方(−Z方向)から見た図である。
熱交換装置7は、図6(b)、(c)に示すように、受熱部51、ペルチェ素子52に加え、熱交換装置5におけるヒートシンク53、ヒートパイプ54と形状の異なるヒートシンク71、ヒートパイプ72を備え、これらの部材が積層された構成を有している。
ヒートシンク71は、図6に示すように、板状のベース部711、およびベース部711の一方の面から突出する複数のフィン712を有している。
ベース部711には、図6(c)に示すように、フィン712とは反対側の面の略中央にペルチェ素子52が熱伝導可能に配置され、ペルチェ素子52と重なる積層部711A、およびペルチェ素子52から飛び出る突出部711B,711Cを有している。
また、ベース部711には、フィン712とは反対側の面に、ヒートパイプ72が嵌合する凹部7111が積層部711Aおよび突出部711B,711Cに亘って形成されている。
ヒートパイプ72は、ベース部711の凹部7111に配置され、図6(b)、(c)に示すように、略中央に位置する内装部72A、および内装部72Aの両側から互いに離間する方向に延出し、内装部72Aに対して屈曲する一対の延出部72B,72Cを有している。内装部72Aは、図6(c)に示すように、ペルチェ素子52と重なり、ベース部711とペルチェ素子52との間に位置し、一対の延出部72B,72Cは、ペルチェ素子52に対して露出し、突出部711B,711Cに沿うように配置される。
一対の延出部72B,72Cは、図6(b)に示すように、熱交換装置7を後方(−Y方向)から見て、上方に屈曲している。さらに、一対の延出部72B,72Cは、図6(c)に示すように、内装部72Aの中心線72Lを通り第1設置姿勢における鉛直面に対し、互いが異なる方向に内装部72Aから屈曲している。具体的に、図6(c)に示すように、延出部72Bは、+Y方向に屈曲され、延出部72Cは、−Y方向に屈曲されている。
ヒートパイプ72は、内装部72A内に作動液が蒸発する蒸発部が形成され、一対の延出部72B,72C内に作動液の蒸気が凝縮する凝縮部が形成される。内装部72Aは、蒸発部に相当し、延出部72B,72Cは、凝縮部に相当する。そして、ヒートパイプ72は、ペルチェ素子52の発熱部52bの熱を受熱することによる内装部72A内の作動液の蒸発、および一対の延出部72B,72C内の蒸気の凝縮によって、内装部72Aから一対の延出部72B,72Cへの熱移動が行われる。
熱交換装置7は、図示しない部材やネジ等を用いて受熱部51、ペルチェ素子52、ヒートシンク71、およびヒートパイプ72が一体化される。
熱交換装置7が一体化されることによって、受熱部51〜ペルチェ素子52〜ヒートシンク71、ペルチェ素子52〜ヒートパイプ72〜ヒートシンク71への熱伝達経路が形成される。なお、熱伝導可能に配置される互いの部材の間に、より熱伝導性が高まるように熱伝導性のグリスを塗布するように構成してもよい。
一体化された熱交換装置7は、図6(b)に示すように、ヒートシンク71が受熱部51の上側に位置するように配置される。そして、ヒートパイプ72は、第1設置姿勢において、中心線72Lを通る鉛直面が光軸35Axに直交し、中心線72Lが水平面Hpに略沿うように配置される。
ヒートパイプ72は、プロジェクター10が第1設置姿勢における水平面Hpに対し、±90°の範囲で回転された姿勢において、延出部72B,72Cの少なくともいずれか一方が内装部72Aの上側に位置する。
具体的に、ヒートパイプ72は、第1設置姿勢において、図6(b)に示すように、延出部72B,72Cが内装部72Aの上側に位置し、内装部72Aに伝えられた熱を延出部72B,72Cに移動させる。
図7は、第2設置姿勢におけるヒートパイプ72の熱移動を説明するための模式図であり、(a)は水平面Hpに沿う方向から見たプロジェクター10の平面図、(b)は、水平面Hpに沿う方向から見たヒートパイプ72の平面図である。
第2設置姿勢において、ヒートパイプ72は、図7(b)に示すように、内装部72Aに対し、延出部72Cは、下側に位置することになるが、延出部72Bは、上側に位置する。
そして、内装部72A内で発生した蒸気は、殆どが延出部72Bに移動し、延出部72B内で凝縮されて、内装部72Aに移動する。このように、ヒートパイプ72は、第2設置姿勢において、内装部72Aと延出部72Bとの間で作動液が還流することにより、内装部72Aの熱を延出部72Bに移動させる。また、延出部72Cにおいても、内装部72Aと一体に形成されていることにより、内装部72Aの熱が伝えられる。
図8は、第3設置姿勢におけるヒートパイプ72の熱移動を説明するための模式図であり、(a)は水平面Hpに沿う方向から見たプロジェクター10の平面図、(b)は、水平面Hpに沿う方向から見たヒートパイプ72の平面図である。
第3設置姿勢において、ヒートパイプ72は、図8(b)に示すように、内装部72Aに対し、延出部72Bは、下側に位置することになるが、延出部72Cは、上側に位置する。
そして、内装部72A内で発生した蒸気は、殆どが延出部72Cに移動し、延出部72C内で凝縮されて、内装部72Aに移動する。このように、ヒートパイプ72は、第3設置姿勢において、内装部72Aと延出部72Cとの間で作動液が還流することにより、内装部72Aの熱を延出部72Cに移動させる。また、延出部72Bにおいても、内装部72Aと一体に形成されていることにより、内装部72Aの熱が伝えられる。
また、ヒートパイプ72は、プロジェクター10の第1設置姿勢と第2設置姿勢との間の姿勢、および第1設置姿勢と第3設置姿勢との間の姿勢においても、一対の延出部72B,72Cの少なくともいずれか一方が内装部72Aの上側に位置し、内装部72Aの熱を一対の延出部72B,72Cに移動させる。
このように、ヒートパイプ72は、第1設置姿勢における水平面Hpに対し、±90°の範囲で回転された姿勢において、内装部72Aの熱を一対の延出部72B,72Cに移動させる。
熱交換装置7は、第1実施形態で説明したと同様に、受熱部51が受熱した熱を、ペルチェ素子52およびヒートパイプ72を介してヒートシンク71に伝える。そして、ヒートシンク71に伝えられた熱は、冷却ファン46が送風する冷却空気によって放熱される。
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター10によれば、第1実施形態のプロジェクター1の効果に加え以下の効果を得ることができる。
ヒートシンク71は、積層部711Aの両側に突出部711B,711Cが設けられ、ヒートパイプ72は、この両側の突出部711B,711Cにそれぞれ沿う延出部72B,72Cを有している。これによって、ペルチェ素子52から積層部711Aに伝わる熱を、積層部711Aの両側に拡散させると共に、ペルチェ素子52からヒートパイプ72の内装部72Aに伝わる熱を延出部72B,72Cから突出部711B,711Cに伝えることができる。よって、ヒートシンク71の能力をより効率的に発揮させて受熱部51の熱を放熱させ、液晶パネル341を効率良く冷却することが可能となる。
(変形例)
なお、前記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態の熱交換装置5,7は、それぞれ1つのヒートパイプ54,72を備えて構成されているが、複数のヒートパイプを備えるように構成してもよい。また、異なる形状の複数のヒートパイプを備えるように構成してもよい。
前記実施形態では、第1の所定の角度、第2の所定の角度をそれぞれ90°としたが、90°に限らない。例えば、第1の所定の角度、第2の所定の角度をそれぞれ90°より数度小さな角度で設定し、略直線に沿って延出するヒートパイプを第1設置姿勢において、凝縮部が蒸発部の上側となるように傾斜して配置するように構成してもよい。これによって、さらに単純な形状のヒートパイプを用いても、第2設置姿勢および第3設置姿勢において、凝縮部が蒸発部の上側となるので、冷却対象を安定して冷却することが可能になる。この構成の場合、壁等に設置された投写面に画像を投写する姿勢を第1設置姿勢とすれば、天井や床等に設置された投写面に画像を投写する場合、プロジェクターは、第1設置姿勢に対し90°未満で回転された姿勢になるため、画像は台形状に歪むこととなるが、台形歪補正を備える構成とすることで、数度の歪補正で矩形の画像の投写が可能となる。
また、第1の所定の角度と第2の所定の角度とが異なる角度となるように構成してもよい。
前記実施形態では、壁等に設置された投写面に画像を投写する姿勢を第1設置姿勢としたが、他の姿勢を第1設置姿勢としてもよい。
熱交換装置5,7は、第1設置姿勢において、受熱部51の上側にヒートシンク53,71が位置するように配置されているが、これに限らない。
前記実施形態の熱交換装置5,7は、ペルチェ素子52を1つ備えて構成されているが、ペルチェ素子52を複数備えるように構成してもよい。
前記実施形態では、液晶パネル341を冷却装置4が冷却する冷却対象として構成しているが、液晶パネル341以外の光学部品、例えば、入射側偏光板342、射出側偏光板343、偏光変換素子323や、光源311を冷却対象として構成してもよい。
また、光学ユニット3が位相差板や、光の位相のずれを補償する補償素子等を備える構成とし、この位相差板や補償素子等を冷却対象として構成してもよい。
前記実施形態のプロジェクター1は、光変調装置として透過型の液晶パネル341を用いているが、反射型の液晶パネルを利用したものであってもよい。
また、前記実施形態の光変調装置は、R光、G光、およびB光に対応する3つの光変調装置を用いるいわゆる3板方式を採用しているが、これに限らず、単板方式を採用してもよく、あるいは、2つまたは4つ以上の光変調装置を備えるプロジェクターにも適用できる。
また、光変調装置としてマイクロミラー型の光変調装置、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものであってもよい。
前記実施形態のプロジェクター1は、2つの光源装置31A,31Bを備えているが、これに限らず、1つあるいは3つ以上の光源装置を備えるように構成してもよい。また、光源装置は、放電型の光源311を用いたものに限らず、その他の方式の光源や発光ダイオード、レーザー等の固体光源を用いたものであってもよい。
前記実施形態の冷却装置4は、冷却液体を用いて受熱部51が冷却対象の熱を受熱するように構成されているが、冷却液体を用いずに受熱部が冷却対象の熱を受熱するように、冷却装置を構成してもよい。例えば、冷却対象を保持する部材を受熱部として構成してもよく、熱伝導可能な部材を介して冷却対象の熱を受熱部が受熱するように構成してもよい。
1,10…プロジェクター、3…光学ユニット、4…冷却装置、5,7…熱交換装置、35…投写レンズ、35Ax…光軸、41,41B,41G,41R…光学素子保持部、42…液体圧送部、43…供給タンク、45…管状部材、46…冷却ファン、51…受熱部、52…ペルチェ素子、52a…吸熱部、52b…発熱部、53,71…ヒートシンク、53A…積層部、54,72…ヒートパイプ、54A,72A…内装部、54B,54C,72B,72C…延出部、54L,72L…中心線、311…光源、341,341B,341G,341R…液晶パネル。

Claims (7)

  1. 光源と、前記光源から射出された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置で変調された光を投写する投写レンズと、冷却対象を冷却する冷却装置と、を備えたプロジェクターであって、
    前記冷却装置は、
    前記冷却対象の熱を受熱する受熱部と、
    内部に作動液を収容し、前記受熱部の熱を受熱して前記作動液が蒸発する蒸発部、および前記作動液の蒸気が凝縮する凝縮部を有するヒートパイプと、
    前記凝縮部に熱伝導可能に配置されたヒートシンクと、
    を備え、
    前記ヒートパイプは、当該プロジェクターの第1設置姿勢、前記第1設置姿勢における水平面に対する前記投写レンズの光軸の角度が一方の方向に第1の所定の角度で変えられた第2設置姿勢、および他方の方向に第2の所定の角度で変えられた第3設置姿勢において、前記蒸発部の上側に位置する前記凝縮部を有することを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターであって、
    前記第1の所定の角度、および前記第2の所定の角度は、それぞれ90°であることを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクターであって、
    前記ヒートパイプは、前記蒸発部の両側から延出し、互いに対向する一対の前記凝縮部を有し、
    前記一対の凝縮部は、前記蒸発部から遠ざかるに従って当該一対の凝縮部の間に位置する中心線からの距離が大きくなるように、前記中心線に対して傾斜し、
    前記ヒートパイプは、前記第1設置姿勢において、前記一対の凝縮部が前記蒸発部の上側に位置し、前記中心線を通る鉛直面が前記光軸に直交するように配置されることを特徴とするプロジェクター。
  4. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクターであって、
    前記ヒートパイプは、前記蒸発部の両側から互いに離間する方向に延出する一対の前記凝縮部を有し、
    前記一対の凝縮部は、前記第1設置姿勢において、前記蒸発部の上側に位置し、かつ、前記蒸発部の中心線を通る鉛直面に対し、互いが異なる方向に前記蒸発部に対して屈曲し、
    前記ヒートパイプは、前記第1設置姿勢において、前記中心線を通る鉛直面が前記光軸に直交するように配置されることを特徴とするプロジェクター。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記冷却装置は、
    前記受熱部と前記蒸発部との間に、前記受熱部の熱を前記蒸発部に伝える熱電変換素子を備えることを特徴とするプロジェクター。
  6. 請求項3に記載のプロジェクターであって、
    前記冷却装置は、
    前記受熱部と前記蒸発部との間に、前記受熱部の熱を前記蒸発部に伝える熱電変換素子と、
    冷却空気を送風する冷却ファンと、
    をさらに備え、
    前記ヒートシンクは、前記熱電変換素子側から見て、前記熱電変換素子に重なり、前記蒸発部および前記熱電変換素子に熱伝導可能な積層部、および前記熱電変換素子から飛び出る突出部を有し、
    前記冷却ファンは、前記積層部側から前記ヒートシンクに冷却空気を送風するように配置されていることを特徴とするプロジェクター。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記受熱部は、内部に冷却液体が流通する流路を有し、
    前記冷却装置は、
    内部に前記冷却液体が流通する流路を有し、前記冷却対象を保持する冷却対象保持部と、
    前記冷却液体を吸入および圧送する液体圧送部と、
    内部に前記冷却液体を貯留する供給タンクと、
    前記冷却対象保持部、前記液体圧送部、前記供給タンク、および前記受熱部に前記冷却液体が環状に流通するように、前記冷却対象保持部、前記液体圧送部、前記供給タンク、および前記受熱部を接続する管状部材と、
    をさらに備えることを特徴とするプロジェクター。
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JP2019117262A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 セイコーエプソン株式会社 プロジェクター
JP2023019175A (ja) * 2021-07-28 2023-02-09 セイコーエプソン株式会社 透過型液晶パネル

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