JP2018104742A - メッキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メッキ処理時に被処理物にメッキ不良が生じにくく、被処理物がバスケットに残留しにくく、また、各工程へ小型軽量なバスケット単位で被処理物を移動させることを可能とする。【解決手段】撹拌装置101は、メッキ被処理物を収容するバスケット102を着脱可能な状態で保持するバスケット支持部111と、バスケット支持部111を水平方向で往復運動させる駆動装置131とを備え、メッキ槽202内のメッキ液にバスケット102が浸かるように配置される。バスケット102はメッシュを備えていてメッキ液を通過させる。また、メッキ装置201は、バスケット102内のメッキ被処理物に一方の極性の電位を付与するためのカソード電極234と、カソード電極と反対の極性の電位に保たれたアノード電極(メッキ材料214)とを備える。【選択図】図7

Description

本発明はメッキ被処理物にメッキ処理を施すためのメッキ装置に関する。また、前記メッキ装置などに用いる撹拌装置と、当該撹拌装置を備えた洗浄装置に関する。
(バレルタイプのメッキ装置)
微細なメッキ被処理物(以下、被処理物という。)にメッキを施すためのメッキ装置としては、バレルタイプのメッキ装置が一般的である。バレルタイプのメッキ装置では、バレルと呼ばれる六角筒状の容器の中に被処理物を入れ、電極の先端をバレル内に導いて被処理物に接触させておく。この状態で水平な軸の回りにバレルを回転させながら被処理物を転がり混合させて均一に電気メッキを行う。このようなバレルタイプのメッキ装置では、一度に大量の被処理物を処理することができるという利点がある。
しかし、エレクトロニクス分野においては、近年、チップ型セラミック電子部品や水晶振動子、コンタクトプローブなどの電子部品の微細化が顕著であり、このような微細な電子部品をバレルタイプのメッキ装置でメッキしようとすると、種々の不具合が生じる。たとえば、バレルの内面(特に、バレルに設けられているメッキ液導入用の微細孔やメッシュ材、バレルの隅など)に微細な被処理物が付着するとバレルの回転に伴って被処理物が周期的にメッキ液の外へ運ばれるので、被処理物のメッキ不良が生じやすくなる。また、被処理物をバレルから取り出す際に、バレルの内面に付着して被処理物が残留していると、次回ロットで異なる被処理物をメッキするときに前回ロットの被処理物が混入するおそれがある。
(バスケットタイプのメッキ装置)
特許文献1に開示されているものは、バレルに替えてカップユニットを用いたメッキ装置である。このメッキ装置では、カップユニットを電動モータの出力軸に固定してある。カップユニットは電動モータを駆動することにより斜め上方向に傾いた中心軸の回りに回転駆動される。カップユニット内にはメッキ液が溜められている。カップユニットの下部にはカソード電極が埋め込まれている。カップユニットの上面開口からカップユニット内にはアノード電極が挿入されていて、アノード電極の先端がメッキ液中に差し込まれている。メッキ処理にあたっては、カップユニット内に被処理物を投入してカップユニット内のメッキ液に浸漬し、カップユニットを回転させながらカソード電極とアノード電極の間に電流を流して被処理物にメッキ処理を行う。カップユニット内の被処理物はカップユニットが回転することによって撹拌され、メッキ被膜で被処理物どうしがくっついたり、不均一にメッキされたりするのを防止する。
しかし、このようなメッキ装置でも、メッキ液の表面張力によって微細な被処理物がカップユニットの内面に付着すると、カップユニットの回転に伴って被処理物が周期的にメッキ液の外へ運ばれるので、被処理物のメッキ不良が生じやすくなる。また、被処理物をカップユニットから取り出す際に、カップユニットの内面に被処理物が残留していると、次回ロットで異なる被処理物をメッキするときに前回ロットの被処理物が混入するおそれがある。さらに、このメッキ装置では、カップユニット内の液体だけを入れ替えることができないので、被処理物をカップユニットから取り出すことなく水洗いを行うことができない。そのため、メッキ処理が終了したらカップユニットから被処理物を取り出して水洗いなどの工程に移さなければならず、メッキ処理工程の自動化が困難で作業効率が悪い。
(バスケットタイプのメッキ装置の別な従来例)
図1に示すものは、非特許文献1に記載されているメッキ用の撹拌装置である。この撹拌装置51では、図1に示すように、樹脂製のフレーム52の上部に取り付けた制御ボックス53内に駆動モータ54を納め、駆動モータ54の駆動軸54aに駆動ギア55を取り付けている。フレーム52の中央部と下部にはそれぞれ回転軸56、57を設け、各回転軸56、57によって中間ギア58と従動ギア59を回転自在に支持している。駆動ギア55の回転は、中間ギア58を介して従動ギア59に伝えられる。図2(A)に示すように、従動ギア59の回転軸57は、斜め上方向を向くように傾斜しており、回転軸57の先端にはカップ状をした樹脂製のバスケット60が保持されている。バスケット60は、樹脂製のリブ60aにメッシュ60bを張ったものであって、メッシュ60bはメッキ液を通過させるが微細な被処理物を通過させない目の粗さを有している。制御ボックス53からはカソード電極61が延びており、カソード電極61の先端はバスケット60内に入っている。
メッキ処理を行う場合には、図2(B)に示すように、被処理物63をバスケット60に投入し、撹拌装置51をメッキ槽に入れてバスケット60の下部をメッキ液62に沈める。ついで、回転軸57によってバスケット60を回転させて被処理物63を撹拌し、カソード電極61と図外のメッキ材料(アノード電極)の間に電流を流して被処理物63にメッキを行う。
しかし、この撹拌装置でも、バスケットの中心軸が傾斜しているので、図2(B)に示すようにメッキ液の表面張力によって微細な被処理物がバスケットの内面に付着すると、バスケットの回転に伴って被処理物が周期的にメッキ液の外へ運ばれる。そのため、被処理物にメッキ不良が生じやすくなる。また、被処理物をバスケットから取り出す際に、バスケットの内面に濡れた被処理物が残留していると、次回ロットで異なる被処理物をメッキするときに前回ロットの被処理物が混入するおそれがある。
この撹拌装置では、メッシュを通して液体(メッキ液や洗浄水など)を循環させて入れ替えることができるので、水洗いの工程にも用いることができる。しかし、バスケットは傾斜した不安定な姿勢で回転するので、バスケットの下部は従動ギアの回転軸と一体に形成されている。そのため、メッキ処理後に被処理物をバスケットに収容したまま水洗いなどの後工程に移動させようとすると、この撹拌装置ごと移動させなければならない。その結果、各工程間での被処理物の自動搬送が困難になる。特に、乾燥装置のインライン化ができない。
また、種類の異なる未処理の被処理物をそれぞれ異なるバスケットに入れてストックしておき、工程をずらせて各被処理物に順次連続的にメッキ処理しようとすると多数の撹拌装置が必要となり、コストが高くつくという難点がある。
(その他の従来例)
特許文献2には、被処理物を入れた容器をメッキ液内で往復運動させ、それによって被処理物と陰極(容器の底面)との付着を防止するようにしたものが記載されている。しかし、この従来例では、被処理物を入れる容器自体が陰極となっているので、被処理物を収容した容器をメッキ槽から取り出し、容器ごと被処理物を搬送することはできない。そのため、たとえばメッキ装置から次工程へ被処理物を移すには、容器から被処理物を取り出さなければならず、やはりメッキ処理の自動化が困難であったり、異なる被処理物が混入するおそれがある。
特開2016−14171号公報 特開平8−3790号公報
「超微細部品用バレル」(カタログ)、発行者;城南樹脂工業株式会社、発行日;2015年11月
本発明は上記の従来技術に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、メッキ処理時に被処理物にメッキ不良が生じにくく、被処理物がバスケットに残留しにくく、また、各工程へバスケット単位で被処理物を移動させることを可能とするメッキ装置を提供することにある。
本発明に係るメッキ装置は、メッキ液を溜めたメッキ槽と、複数個のメッキ被処理物を収容し前記メッキ液を通過させることができるバスケットと、前記バスケットを着脱可能な状態で保持するバスケット支持部と、前記バスケット支持部を水平方向で往復運動させる駆動装置とを有し、前記メッキ液に前記バスケットが浸かるように配置された撹拌装置と、前記バスケット内のメッキ被処理物に一方の極性の電位を付与するための第1の電極と、前記第1の電極と反対の極性の電位に保たれた第2の電極とを備えたものである。
本発明に係るメッキ装置のある実施態様は、前記バスケットと前記第1の電極とが別個に形成されていることを特徴としている。
本発明に係るメッキ装置の別な実施態様は、前記第1の電極が電極棒の一方端部に設けられ、前記電極棒は前記第1の電極を前記バスケット内に挿入するようにして固定されていることを特徴としている。
本発明に係るメッキ装置のさらに別な実施態様は、前記バスケットが前記バスケット支持部によって揺動自在に支持されていることを特徴としている。
本発明に係るメッキ装置のさらに別な実施態様は、前記バスケットがその外周面上部にフランジを有し、前記バスケットは前記フランジを前記バスケット支持部に引っ掛けることによって揺動自在に吊り下げられていることを特徴としている。
本発明に係るメッキ装置のさらに別な実施態様は、前記バスケットがハンドリング用の取っ手を有することを特徴としている。
本発明に係る撹拌装置は、複数個のメッキ被処理物を収容し液体を通過させることができるバスケットを着脱可能な状態で保持するバスケット支持部と、前記バスケット支持部を水平方向で往復運動させる駆動装置とを備えたものである。
本発明に係る洗浄装置は、洗浄液を溜めた洗浄槽と、前記洗浄液に前記バスケットが浸かるように配置された前記撹拌装置とを備えたことを特徴としている。
本発明のメッキ装置に用いられる撹拌装置は、バスケット支持部に保持されたバスケットを駆動装置により水平方向で往復運動させるだけの簡単な仕組みであり、メッキ処理工程や洗浄工程などにおいてメッキ被処理物をメッキ液に浸けた状態で撹拌することができる。そして、メッキ被収納物を収容したバスケットは水平方向に往復運動するだけであるので、バスケットをメッキ液に浸けてメッキ処理を行っているときにメッキ被処理物がバスケットにくっついてもメッキ被処理物がメッキ液の外に運び出されることがない。そのため、メッキ被処理物のメッキ不良が起きにくい。
本発明の撹拌装置では、バスケットはバスケット支持部から着脱自在になっているので、予備処理工程や前処理工程からメッキ処理装置へ、さらには後処理工程や乾燥工程へはバスケットごとメッキ被処理物を運ぶことができ、メッキ処理のための全工程をインライン化し、全自動化することも可能になる。
メッキ被処理物はバスケットごと移動させることができるので、乾燥装置にもバスケットに入ったままメッキ被処理物を運ぶことができ、バスケットに入れたままでメッキ被処理物を乾燥させることができる。その結果、メッキ被処理物は乾燥処理を終えた後にバスケットから取り出すことができる。このためメッキ被処理物がバスケットにくっついて残りにくく、バスケットを繰り返し使用しても異種のメッキ被処理物が混入しにくくなる。
また、メッキ被処理物を一定量ずつストックしておく場合には、安価な樹脂成形品であるバスケットに入れてストックしておくことができるので、メッキ処理を効率化するとともにランニングコストを安価に抑えることができる。
また、バスケットがバスケット支持部によって揺動自在に支持されていて、バスケット支持部が往復運動する場合には、バスケット支持部の往復運動によってバスケットが揺動(首振り運動)するので、メッキ被処理物の撹拌効果がより高まる。
また、メッキ装置の場合には、第1の電極を備えた電極棒が、第1の電極をバスケット内に挿入するようにして固定されていれば、バスケットが動くことでメッキ被処理物が第1の電極によって撹拌されることになり,撹拌効果がより向上する。
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
図1は非特許文献1に記載されている撹拌装置の概略側面図である。 図2(A)及び図2(B)は、図1に示した撹拌装置のバスケット部分を示す概略斜視図と概略断面図である。 図3は本発明に係る撹拌装置を示す斜視図である。 図4(A)は図3の撹拌装置に用いられるバスケットの斜視図、図4(B)はバスケットの他例を示す斜視図、図4(C)はバスケットのさらに他例を示す斜視図である。 図5は本発明に係る撹拌装置を用いたメッキ装置の概略図である。 図6は図5に示すメッキ装置の平面図である。 図7は図5に示したメッキ装置の断面図である。 図8(A)及び図8(B)は、電極棒と電極支持部の要部を示す斜視図及び断面図である 図9は支持プレートにバスケットをセットし、電極支持部に電極棒をセットした状態を示す断面図である。 図10は本発明に係るメッキ装置において被処理物が撹拌される様子を示す概略図である。 図11(A)、図11(B)及び図11(C)は、それぞれ電極棒の他例を示す一部破断した正面図である。 図12(A)は、バスケットに40ccのサンプル(被処理物とメディア)を投入して本発明のメッキ装置によりメッキを施したときのメッキ厚の測定結果を示す。図12(B)は、バスケットに30ccのサンプル(被処理物とメディア)を投入して本発明のメッキ装置によりメッキを施したときのメッキ厚の測定結果を示す。図12(C)は、バレルに40ccのサンプル(被処理物とメディア)を投入してバレルメッキ装置によりメッキを施したときのメッキ厚の測定結果を示す。 図13は本発明に係る洗浄装置の断面図である。 図14は、ハンドリング用の取っ手を設けたバスケットを示す斜視図である。 図15(A)は吸引乾燥装置の支持台の構造を示す概略断面図、図15(B)はホルダーにバスケットをセットした状態を示す概略断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々設計変更することができる。
(撹拌装置の実施形態)
以下、図3を参照して本発明に係る撹拌装置の一実施形態を説明する。この撹拌装置101は、バスケット102に収容した被処理物(メッキ被処理物)、特に微細な被処理物を撹拌するものである。メッキ処理を行う被処理物としては、チップ型セラミック電子部品や水晶振動子、コンタクトプローブなどの電子部品を挙げることができるが、これらの部品に限るものではない。
バスケット102は樹脂製品であって、上面が開口したカップ状に成形されている。バスケット102は、その骨格となるリブ103によって複数の開口を形成されており、上面を除く開口にはメッシュ104が一体成形されている。また、その上端部外周には外側に広がったフランジ105を有している。メッシュ104の網目の粗さや厚みは、メッキ液等の種類に応じたメッキ液等の通過しやすさや被処理物のサイズなどを考慮して決められる。
このバスケット102は大部分がメッシュ104によって構成されているので、電解メッキ時の電気抵抗が小さい。また、メッキ液や洗浄液などの液体に対する流体抵抗も小さいので、液体がバスケット102を容易に通過する。さらに、このバスケット102は水切り性がよいので、メッキ液などの汲み出し量や持ち込み量が少なくなり、メッキ液や洗浄液の循環システムへの負担が軽減され、環境に対してもやさしい。
図3及び図4(A)に示すものはバスケット102の一例であって、上部は六角筒状をしており、下部は六角錐状又は六角錐台状をしている。バスケット102は図4(A)のような形状に限らず、たとえば上部を八角筒状とし、下部を八角錐状又は八角錐台状としてもよい。また、図4(B)に示すように、六角筒状のバスケット102とすることも可能である。ただし、バスケット102の隅が90°以下になると被処理物がその隅に挾まりやすくなるので、バスケット102は図4(A)のような形状とすることが望ましい(もっとも、被処理物のサイズや形状によっては図4(B)のようなバスケット102を用いることもできる)。図4(C)はバスケット102のさらに別な例であって、上部が円柱状となり、下部が半球状(あるいは、円錐状でもよい。)となっている。
撹拌装置101は、バスケット102を着脱自在に支持するバスケット支持部111を備えている。バスケット支持部111はステンレス製のプレートからなる。バスケット支持部111は、平板状をしたエンドプレート111aから逆L形をした一対のアーム111bを延出し、両アーム111bの下端に支持プレート111cを設けたものである。支持プレート111cは、アーム111bと一体となった平板状のベースプレート113aの上面に平板状のアダプタ113bをネジ止めして構成されている。ベースプレート113aには比較的大きな開口(図示せず)をあけてあり、アダプタ113bの中央部にはバスケット102を挿通させるための開口112があいている。上方から開口112に納めたバスケット102は、フランジ105を開口112の縁に引っ掛けることによって支持プレート111cに吊り下げられる(図9参照)。アダプタ113bは、ネジによってベースプレート113aから着脱することができるので、種々の開口サイズや開口形状のものを用意しておけば、バスケット102のサイズや形状に応じて異なるアダプタ113bにを交換することができる。
バスケット支持部111は、エンドプレート111aをスライダ122にネジ止め固定してあり、スライダ122とともに水平移動可能となっている。スライダ122は、図3に示すように、スライド機構121の可動部分を構成している。スライド機構121は、略U字状をしたスタンド123と、スタンド123に支持された一対のスライド軸124と、スライダ122からなる。スライド軸124はスタンド123の上端間に互いに平行となるように架け渡され、その両端がそれぞれスタンド123の上端に固定されている。両スライド軸124はスライダ122に摺動自在に挿通されている。よって、スライダ122はスライド軸124に沿って滑らかに移動するので、バスケット支持部111もスライダ122と一緒に水平移動する。
スライダ122は、駆動装置131によって水平に往復運動させられる。駆動装置131は、スライダ122の側面に取り付けた連結部材132と、連結部材132に固定した延出バー132aと、クランク機構133と、クランク機構133を動かすモータ134からなる。クランク機構133は、リンク部材133aと円板133bによって構成している。円板133bは、その中心をモータ134の回転軸134aに固定されている。リンク部材133aの一端は延出バー132aの先端に回動自在にピン結合されており、リンク部材133aの他端は円板133bの回転中心から外れた位置に回動自在にピン結合されている。したがって、モータ134を駆動して円板133bを回転させると、クランク機構133によって回転運動が直線運動に変換され、スライダ122及びバスケット支持部111が水平方向に往復運動する。
なお、スライダを往復運動させるための駆動機構は、上記のようなクランク機構を用いたものに限らない。たとえば、エアシリンダを用いたものでもよく、クランク機構とエアシリンダを組みあわせたものでもよい。
この撹拌装置101では、バスケット102内にメッキ処理を施す対象となる被処理物を投入しておき、そのバスケット102を開口112に入れてバスケット支持部111から吊り下げる。そして、バスケット102内の被処理物をメッキ液や洗浄液などの液体に浸けた状態でバスケット支持部111を往復振動(往復運動)させると、バスケット102の往復振動と液体による抵抗のために被処理物が撹拌される。
(メッキ装置の実施形態)
つぎに、図5−図7を参照して本発明に係るメッキ装置の構造を説明する。図5はこのメッキ装置201を斜め方向から見た概略図である。図6はメッキ装置201の平面図、図7はその断面図である。メッキ装置201は、上記撹拌装置101を用いたものであるので、撹拌装置101の説明は省略する。
メッキ装置201は、メッキ液を溜めるためのメッキ槽202を備えている。メッキ槽202の一壁面の外側には、メッキ槽202と一体的にメッキ液回収槽203を設けている。メッキ槽202の内部とメッキ液回収槽203の内部を仕切る壁面の上部には、メッキ槽202で溢れたメッキ液をメッキ液回収槽203へこぼしてメッキ液回収槽203で回収させるための回収窓204が開口している。メッキ液回収槽203の下部には、メッキ液回収管205の一方端部が挿入されている。メッキ液回収管205の他方端部は循環ポンプ206の取込口に接続されている。また、循環ポンプ206の排出口にはメッキ液供給管207の一方端部を接続してあり、メッキ液供給管207の他方端部をメッキ槽202の上部から底面近傍へ導いている。メッキ液供給管207の途中には、フィルタ208を設置している。
上記のような構造のため、メッキ液供給管207からメッキ液を供給されたり、撹拌装置101で揺すられたりして溢れたメッキ液は回収窓204からメッキ液回収槽203へ流れ込んで回収される。循環ポンプ206は常時運転されており、メッキ液回収槽203内のメッキ液はメッキ液回収管205から引き抜かれて循環ポンプ206へ送られる。循環ポンプ206へ送られたメッキ液はメッキ液供給管207へ押し出され、その途中でフィルタ208によって微細なホコリや異物を除去され、フィルタ208を通過した清浄なメッキ液がメッキ液供給管207からメッキ槽202へ戻される。よって、メッキ槽202内のメッキ液は常に清浄な状態に保たれ、メッキ品質が保たれる。
撹拌装置101は、支持プレート111cをメッキ槽202内に納めるようにし、スライド機構121及び駆動装置131をメッキ槽202の外に設置する。支持プレート111cは回収窓204の下端とほぼ同じ高さに位置しているので、メッキ槽202内にメッキ液を溜めたとき、支持プレート111cはメッキ液の液面よりも上方で、その近傍に位置する。また、支持プレート111cは、メッキ槽202内の液面とほぼ平行に往復振動する。
メッキ槽202の上端部四周に沿ってフレーム211が設置されている。メッキ槽202の内部には4つの壁面に隣接して、それぞれボックス213が配置されている。ボックス213は、吊り金具212によってフレーム211から吊り下げられており、ほぼ全体が液面よりも下方に位置するように配置されている。ボックス213は、アノード電極となるSn、Niなどの導電性メッキ材料214を投入して保持するものであり、メッキ材料214の金属イオンを通過させるように多数の孔を有している。フレーム211、吊り金具212及びボックス213は、ステンレスなどの導電性金属によって形成されており、互いに電気的に導通している。なお、フレーム211と吊り金具212との間には、電気的な導通を確実にするため、Cu片などを挟み込んでおいてもよい。
また、メッキ槽202の近傍には電極支持部221が設けられている。電極支持部221では、蝶番223によって支持板224が受け部222に回動自在に取り付けられており、支持板224は受け部222によって水平に支持されるとともに上後方へ回動させられる。よって、支持プレート111cにバスケット102を着脱する際には、邪魔にならないように支持板224を上後方へ持ち上げることができる。
図8(A)及び図8(B)に示すように、支持板224はステンレス板と樹脂層との2層構造となっており、支持板224には表裏に貫通する貫通孔226が開口されている。支持板224の樹脂層表面には貫通孔226を囲むようにして環状の突起部225が突設されており、突起部225に内外に貫通するように設けられた雌ネジ孔228bには蝶ネジ228aが挿入されている。貫通孔226の上部は貫通孔226の下部よりも直径が大きくなっており、その上部と下部の間には段部227が形成されている。支持板224を水平に倒した状態では、支持板224の貫通孔226は支持プレート111cの真上に位置する。
電極棒231はCuなどの良導性金属からなる芯棒232を被覆233によって被覆したものである。芯棒232の上端部は被覆233から露出しており、芯棒232の下端部も芯棒232から露出しており、さらに被覆233から露出した下端部は複数本に分岐した第1の電極、すなわちカソード電極234となっている。このカソード電極234は、バスケット102内のメッキ被処理物に一方の極性の電位、すなわちマイナス電位を付与するための電極である。また、電極棒231の上部には、樹脂によって円柱状の固定用ブロック235が形成されている。固定用ブロック235の直径は、貫通孔226の下部の開口径よりも大きく、貫通孔226の上部の開口径と等しいか若干小さくなっている。
よって、図9に示すように、水平に倒した支持板224の貫通孔226に上方から電極棒231を差し込むと、固定用ブロック235が段部227の上に乗ることで電極棒231が所定位置に支持される。その状態で蝶ネジ228aを固定用ブロック235に締め付けることにより、電極棒231が支持板224に固定される。こうして水平な支持板224に固定されたとき、カソード電極234は支持プレート111cに吊り下げられたバスケット102内の底面近くに位置する。
上記メッキ装置201によって微細な被処理物にメッキ処理をするには、バスケット102内に多量または複数個の被処理物100を投入しておく。このとき被処理物100どうしの導通を確実にし、また被処理物100どうしがメッキ皮膜を介してくっつくのを防ぐため、CuやFeなどの微粒子(メディアと呼ばれる。)も一緒にバスケット102内に入れておいてもよい。図9に示すように、このバスケット102を支持プレート111cの開口112に挿入し、フランジ105を支持プレート111cに引っ掛けてバスケット102を吊り下げる。ついで、水平に支持された支持板224の貫通孔226に電極棒231を挿入し、蝶ネジ228aを締めて電極棒231を支持板224に固定する。このとき、電極棒231の下端のカソード電極234は、バスケット102内の被処理物100の間に差し込まれている。電極棒231は若干弾性を有していてもよい。また、カソード電極234は、被処理物に傷をつけないように角を除去して表面を滑らかにしておくことが望ましい。
この状態でフレーム211と電極棒231の間に電圧を印加すると、フレーム211、吊り金具212及びボックス213を通じてメッキ材料214(アノード電極)が陽電位に保たれ、カソード電極234との接触や被処理物100どうしの接触を通じて被処理物100が陰電位に保たれる。同時に、撹拌装置101を駆動し、支持プレート111cを適当な振動数(たとえば、1分あたり数百回程度)で水平に往復振動させる。この結果、メッキ材料214から金属イオンが溶け出し、被処理物100の表面に析出して被処理物100が電解メッキされる。また、撹拌装置101によってバスケット102が水平方向に往復振動させられるので、バスケット102内の被処理物100が撹拌され、被処理物100が均一にメッキ処理されるとともに被処理物100どうしのくっつきが防止される。また、電極棒231は電極支持部221に保持されていて静止しているので、バスケット102内の被処理物100はカソード電極234によっても撹拌され、撹拌効果が高くなる。さらに、バスケット102はフランジ105を支持プレート111cに引っ掛けて吊り下げられているだけであり、しかもバスケット102はメッキ液L1に浸かっているので、図10(A)又は図10(B)の矢印方向に支持プレート111cが水平に移動するとメッキ液L1の抵抗によってバスケット102は図10(A)又は図10(B)のように傾く。そのため、撹拌装置101によってバスケット102が往復振動させられると、バスケット102が両方向へ揺れ動き、被処理物の撹拌効果がさらに高くなる。
また、固定用ブロック235の直径が貫通孔226の上部の開口径よりも小さくて固定用ブロック235と貫通孔226の間に遊びがあり、しかも、固定用ブロック235が1本の蝶ネジ228a(もしくは、一直線上に位置する2本の蝶ネジ)で固定されている場合には、電極棒231は揺動することができる。そのため、上方から見たとき、電極棒231の揺動する方向がバスケット102の往復振動する方向に対して傾いていれば、バスケット102の往復振動に応じて電極棒231が揺れ動く。特に、上方から見たとき、電極棒231の揺動する方向がバスケット102の往復振動する方向に対して直交していれば、バスケット102の往復振動によって電極棒231が不規則に揺れ動く。この結果、電極棒231による被処理物の撹拌効果がより一層高くなる。
また、本発明のメッキ装置201では、バスケット102を水平に、すなわちメッキ液L1の液面と平行に往復振動させて撹拌しているので、被処理物100がバスケット102の内面に付着しても被処理物100がメッキ液L1の外に出にくく、メッキ不良が起きにくい。
撹拌装置101のコントローラ(図示せず)によってモータ134の回転数を調整できるので、支持プレート111cの振動数は被処理物の寸法や量などに応じて調整することができる。
カソード電極234は、上記実施形態ではたとえば二股状や三つ股状というように複数本に枝分かれしていたが、撹拌効果を考慮して種々の形状のものを用いることができる。たとえば、図11(A)ではカソード電極234は螺旋状をしている。図11(B)ではそろばん玉状をしており、図11(C)では放射状に飛び出た翼状となっている。このような形状の場合には、カソード電極234の螺旋部分や突起部分によってできる隙間に被処理物を挟み込むことのないように螺旋部分や突起部分の間隔を適宜広くとることが望ましい。また、実験例によれば、1本の直棒状をしたカソード電極234でも好ましい結果が得られた。
(測定結果)
本発明のメッキ装置によりメッキ処理を行った場合の効果を検証するために行った実験結果について説明する。図12(A)は、容量が50cc程度のバスケット(図4(A)のような形状のバスケット)に40ccのサンプルを投入して本発明のメッキ装置によりメッキ処理を施したときのメッキ厚の測定結果を示す。サンプルは、10ccの被処理物と30ccのメディアである。被処理物としては、直径が1mmのCu球を用いた。メディアとしては、被処理物のCu球とは粒径の異なるCu球の表面にSnメッキを施したものを用いた。この被処理物とメディアをバスケットに投入したとき、投入された被処理物とメディアはバスケットの六角柱状部分の高さ方向の中央まで入った。
まず、このバスケットを本発明の撹拌装置(電極棒は取り付けていない。)にセットし、撹拌装置のバスケット支持部を高速目盛よりも小さな速度で往復振動させた。高速目盛であるとサンプルがバスケットの外にこぼれるおそれがあるため、それよりも小さな速度で往復振動させた。被処理物のCu色とメディアのSn色との混合具合(色むら)を目視で観察することによって被処理物とメディアが十分に撹拌されるまでの時間を測定したところ、約2秒後に均一に混合された。
つぎに、10ccの被処理物と30ccのメディアを投入したバスケットを本発明のメッキ装置にセットした。用いたメッキ液は、低発泡性Snメッキ液(有機酸浴)であり、液温を35℃に保った。カソード電極とアノード電極との間には50A/mの電流密度の電流を流し(電流値9A)、被処理物の目標メッキ厚を8μmとして16分間メッキ処理を行った。
こうしてメッキ処理を行った後、サンプルを篩にかけて被処理物とメディアとを分離し、分離された被処理物から検体として10個の被処理物を無作為に拾い出した。そして、拾い出した10個の検体(No.1〜10)のメッキ厚を検査した結果と、外観検査などを行った結果が図12(A)である。この結果によれば、メディアを多く入れることによってメッキ厚(平均厚)を目標値に近づけられることがわかる。また、メッキされた被処理物の外観も「やや光沢のある錫白」となっており、メッキ品質も良好となる。しかし、図12(B)の場合に比べてサンプルを均一かつ十分に撹拌することが難しくなるので、メッキ厚のバラツキが大きくなり(最大厚/最小厚=24.4)、被処理物のメッキ被膜どうしのくっつきも多く、くっつき具合も大きくなっている。
図12(B)は、同じバスケットに30ccのサンプルを投入して本発明のメッキ装置によりメッキ処理を施したときのメッキ厚の測定結果を示す。サンプルは、10ccの被処理物と20ccのメディアである。被処理物とメディアは、図12(A)の実験で用いたものと同じものである。この被処理物とメディアをバスケットに投入したとき、投入された被処理物とメディアはバスケットの六角錐状部分の上端(六角柱状部分と六角錐状部分の境目)まで入った。
このバスケットを本発明の撹拌装置(電極棒は取り付けていない。)にセットし、撹拌装置のバスケット支持部を高速目盛で往復振動させた。被処理物のCu色とメディアのSn色との混合具合(色むら)を目視で観察することによって被処理物とメディアが十分に撹拌されるまでの時間を測定したところ、約1秒後に均一に混合された。
つぎに、10ccの被処理物と20ccのメディアを投入したバスケットを本発明のメッキ装置にセットした。図12(A)の場合と同じメッキ液を用い、50A/mの電流密度(電流値7A)で16分間のメッキ処理を行った。
こうしてメッキ処理を行った後、サンプルを篩にかけて被処理物とメディアとを分離し、分離された被処理物から検体として10個の被処理物を無作為に拾い出した。そして、拾い出した10個の検体(No.1〜10)のメッキ厚を検査した結果と、外観検査などを行った結果が図12(B)である。この結果によれば、メディアの量を少なくすると、図12(A)の場合に比べてメッキ厚(平均厚)が小さくなる。しかし、図12(B)の場合では、メッキされた被処理物の外観は「やや光沢のある錫白」となっており、メッキ品質は図12(B)と変わりがない。しかも、図12(A)の場合に比べてサンプルを均一かつ十分に撹拌することができるので、メッキ厚のバラツキが小さくなり(最大厚/最小厚=1.9)、被処理物のメッキ被膜どうしのくっつきも少なくなり、くっつき具合も小さくなっている。
図12(C)は、小型のバレルに40ccのサンプルを投入してバレルメッキ装置によりメッキ処理を施したときのメッキ厚の測定結果を示す。サンプルは、10ccの被処理物と30ccのメディアである。被処理物とメディアは、図12(A)、図12(B)の実験で用いたものと同じものである。この被処理物とメディアをバレルに投入したとき、投入された被処理物とメディアはバレルの高さの約1/3くらいまで入った。
ついで、10ccの被処理物と30ccのメディアを投入したバレルをバレルメッキ装置にセットした。図12(A)、図12(B)の場合と同じメッキ液を用い、50A/mの電流密度(電流値9A)で16分間のメッキ処理を行った。このときバレルは1分間あたり12回転の回転速度で回転させた。
こうしてメッキ処理を行った後、サンプルを篩にかけて被処理物とメディアとを分離し、分離された被処理物から検体として10個の被処理物を無作為に拾い出した。そして、拾い出した10個の検体(No.1〜10)のメッキ厚を検査した結果と、外観検査などを行った結果が図12(C)である。バレルメッキ装置で微小な被処理物にメッキ処理を行った場合には、メッキ厚のバラツキは中程度であり(最大厚/最小厚=2.9)、被処理物のメッキ被膜どうしのくっつきも少なくなり、くっつき具合も小さくなっている。しかし、バレルメッキ装置では、微小な被処理物に十分なメッキ厚(平均厚)でメッキ処理することはできない。また、メッキされた被処理物の外観は「やや灰色の錫白」であり、本発明のメッキ装置を用いて場合に比べて視覚で認識したときのメッキ品質も劣っている。
図12(A)〜(C)の実験結果を比較すると、微小な被処理物にメッキ処理を施す際の本発明のメッキ装置の優位性は明らかである。また、図12(A)の場合よりも図12(B)のほうがメッキ処理結果が良好であることから分かるように、バスケットに入れるサンプル量はバスケットの高さの1/2程度まで、あるいは下部の錐形状となった部分までとし、できるだけ高速でバスケットを往復振動させることが好ましいことが分かる。
(洗浄装置の実施形態)
図13は本発明に係る洗浄装置301を示す断面図である。この洗浄装置301は、大雑把に言うと、上記メッキ装置201からメッキのための部材(ボックス213やメッキ材料214、電極棒231、電極支持部221など)を除き、メッキ液の代わりに洗浄液を槽内に満たしたものである。
すなわち、洗浄槽302には洗浄液L2を満たしてあり、回収窓304から溢れた洗浄水L2は洗浄液回収槽303へ回収される。洗浄液回収槽303へ回収された洗浄液は洗浄液回収管305から循環ポンプ306へ送られる。循環ポンプ306から排出された洗浄液L2は、フィルタ308で微細なホコリや異物を除去された後、洗浄液供給管307から洗浄槽302へ再び戻される。また、洗浄槽302内には支持プレート111cが配置されている。メッキ処理された被処理物100を収容したバスケット102を支持プレート111cにセットし、撹拌装置101でバスケット102を往復振動させると、被処理物100が洗浄液L2で撹拌洗浄される。
メッキ処理前の脱脂工程などでも、この洗浄装置301と同様に、本発明の撹拌装置101を用いることができる。
本発明の撹拌装置101では、水平な支持プレート111cの開口112にバスケット102を挿入し、中心軸がほぼ垂直となるようにしてバスケット102を支持プレート111cに吊り下げているだけである。そのため、バスケット102は撹拌装置101から容易に着脱することができる。そのため、メッキ処理前の洗浄や脱脂などの前処理工程、メッキ処理工程、メッキ処理後の複数回の洗浄工程などの各工程にそれぞれ本発明の撹拌装置101を設置しておけば、各工程間では被処理物を収容したバスケット102を運ぶだけでよく、被処理物の自動搬送が容易になる。特に、バスケット102は軽量コンパクトであるので、取扱いが簡単になる。また、後述のように被処理物はバスケット102に収容したまま乾燥装置(吸引乾燥装置)で乾燥させることができるので、乾燥装置のインライン化も可能になる。
バスケット102を各工程間で自動搬送しやすくするためには、図14に示すように、バスケット102のフランジ105にハンドリング用の取っ手311を設けてもよい。取っ手311を設けてあれば、この取っ手311を搬送装置のフックでつかむことによりバスケット102を容易に搬送することができる。
また、メッキ装置や洗浄装置のそれぞれに撹拌装置を設置しておけば、それらの間ではバスケット102を運べばよい。そのため、これからメッキ処理を行おうとする多種類の被処理物や、メッキ処理の終わった多種類の被処理物をストックしておくためには、バスケット102だけを多数用意しておけばよく、コストが安価になるとともに保管スペースも小さくて済むようになる。
(吸引乾燥装置)
バスケット102に収容された被処理物を乾燥させる工程では吸引乾燥装置を用いる。この吸引乾燥装置は、特開2008−292041号公報(特許5021364号)に記載されたものである。ただし、その乾燥室内に設けられた支持台の構造はバスケットの形状に合わせて設計されている。吸引乾燥装置の全体的な構造については上記公報を参照されたい。
図15(A)は吸引乾燥装置の支持台の構造を示す断面図である(これは上記公報の図5に相当する)。支持台401は、支持台本体402とキャップ403によって構成されており、空気と水分を通過させる構造となっている。すなわち、支持台本体402は、平板状をしたステンレス製の棚板404の上面にホルダー405の下端を固定したものであり、ホルダー405の内側において棚板404には円形の貫通孔406が開口している。また、ホルダー405の内側において、棚板404の上面には吸水性を有する吸水パッキン407が貼り付けられている。吸水パッキン407は、例えば連続気泡を有する多孔質のシリコンゴムなどの弾性材料によって形成されている。
キャップ403は逆皿状に形成されており、その上段には複数の通気孔408が貫通しており、キャップ403の下端外周にはフランジ409が延出している。ステンレス製のキャップ403の上面には、吸水性を有する吸水シート410(吸水素材)を貼っている。吸水シート410は、例えば連続気泡を有する多孔質のシリコンゴムなどの弾性材料によって形成している。このキャップ403はホルダー405内に収まり、フランジ409が吸水パッキン407の上に乗る。吸水シート410には、通気孔408と同じ位置に通気孔411が開口している。よって、空気及び水分は、通気孔411、408を通って支持台401を通過できる。
ホルダー405は樹脂又は金属からなり、上下に貫通した筒状に形成されている。ホルダー405の上面にはバスケット102のフランジ105の下面と同じ形状のフランジ受け412が設けられている。
しかして、洗浄などの後処理工程が完了した後の被処理物を乾燥させるには、乾燥室の蓋を開き、図15(B)に示すように、搬送されてきたバスケット102をホルダー405内に納めてフランジ105をフランジ受け412の上に乗せる。ついで、蓋を閉じて乾燥室を密閉する。
こうして準備が完了すると、吸引乾燥装置を稼働して乾燥室内の空気を強い力で下方へ吸引する。すると、図15(B)に矢印で示すように、乾燥室内へ送り込まれた乾燥した熱風が乾燥室内からバスケット102を通過し、さらに支持台401の下方へ抜ける。そのため、乾燥室内の空気が被処理物100の間の隙間を通って吸引されることにより、被処理物100の表面に付着していた水分や被処理物100の隙間に保持されていた水分が下方へ引き抜かれ、乾燥室の下方へ落ちる。こうして、バスケット102内の被処理物100がバスケット102ごと強制的に乾燥させられる。なお、吸引乾燥装置の動作の詳細については、上記公報を参照することができる。
フランジ105の下面とフランジ受け412の間の隙間を空気が通過しないよう、フランジ受け412の表面はゴムや軟質樹脂で覆ってあってもよい。
被処理物が十分に乾燥したらバスケット102は吸引乾燥装置から取り出され、乾燥した被処理物はバスケットから取り出される。このように被処理物は、バスケットと被処理物が十分に(完全に)乾燥した後でバスケットから取り出されるので、被処理物がバスケットに付着して残るおそれがない。そのため、バスケットが異なる被処理物のメッキ処理に再度使用されても、異なる被処理物がバスケット内に混入するおそれがなく、メッキ処理の信頼性が向上する。
また、この吸引乾燥装置を用いれば、バスケット102に収容された被処理物をそのまま乾燥させることができるので、乾燥装置のインライン化も可能になり、メッキ処理工程の全自動化も可能になる。
ついで、被処理物とともにメディアが入れられている場合には、篩にかけて被処理物とメディアを分離する。
100 被処理物
101 撹拌装置
102 バスケット
104 メッシュ
105 フランジ
111c 支持プレート
121 スライド機構
122 スライダ
131 駆動装置
133 クランク機構
134 モータ
201 メッキ装置
202 メッキ槽
203 メッキ液回収槽
L1 メッキ液
214 メッキ材料
221 電極支持部
231 電極棒
234 カソード電極
301 洗浄装置
L2 洗浄液

Claims (8)

  1. メッキ液を溜めたメッキ槽と、
    複数個のメッキ被処理物を収容し、前記メッキ液を通過させることができるバスケットと、
    前記バスケットを着脱可能な状態で保持するバスケット支持部と、前記バスケット支持部を水平方向で往復運動させる駆動装置とを有し、前記メッキ液に前記バスケットが浸かるように配置された撹拌装置と、
    前記バスケット内のメッキ被処理物に一方の極性の電位を付与するための第1の電極と、
    前記第1の電極と反対の極性の電位に保たれた第2の電極と、
    を備えたメッキ装置。
  2. 前記バスケットと前記第1の電極とは別個に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のメッキ装置。
  3. 前記第1の電極は電極棒の一方端部に設けられ、前記電極棒は前記第1の電極を前記バスケット内に挿入するようにして固定されていることを特徴とする、請求項2に記載のメッキ装置。
  4. 前記バスケットが前記バスケット支持部によって揺動自在に支持されていることを特徴とする、請求項3に記載のメッキ装置。
  5. 前記バスケットは、その外周面上部にフランジを有し、前記フランジを前記バスケット支持部に引っ掛けることによって揺動自在に吊り下げられていることを特徴とする、請求項4に記載のメッキ装置。
  6. 前記バスケットがハンドリング用の取っ手を有することを特徴とする、請求項1−5のいずれか1項に記載のメッキ装置。
  7. 複数個のメッキ被処理物を収容し、液体を通過させることができるバスケットを着脱可能な状態で保持するバスケット支持部と、
    前記バスケット支持部を水平方向で往復運動させる駆動装置と、
    を備えたことを特徴とする撹拌装置。
  8. 洗浄液を溜めた洗浄槽と、
    前記洗浄液に前記バスケットが浸かるように配置された請求項7に記載の撹拌装置と、
    を備えた洗浄装置。
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