JP3687744B2 - 連続搬送バレルメッキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チップ部品の外部電極(端子電極)の形成等を行うにときに利用するチップ部品のバレルメッキ装置に関するものであり、特に、チップ部品の外部電極のバレル電解メッキ処理及びその後の洗浄処理を連続的に実行する連続搬送バレルメッキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チップ部品の端子電極を形成するバレルメッキ装置として、メッキ液を入れたメッキ浴槽内にバレルユニットを浸漬させる構成が知られている。そのメッキ浴槽はメッキする金属毎に異なり複数を用いる。また、洗浄工程を含めてバレルメッキ装置としては、メッキ前洗浄及びメッキ浴槽間洗浄、そうして最終洗浄を行う。メッキ浴槽は各々単独であり、洗浄も単独である。バレルユニットにチップ部品とメッキ用メディア(電解メッキのために使用する金属球体)を収容し、所定のメッキが完了するとバレルユニットのバレルユニットが有するバレルからチップ部品とメディアを取り出し、次の工程においてチップ部品とメディアを分離するとともに洗浄する。そのバレルメッキ装置と分離・洗浄する工程は人の作業を介して仲介される。そのために人の作業に伴う時間及びコストが掛かり、このためにメッキ品質の向上や所要時間の短縮が求められる状況にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、上記の点に鑑み、チップ部品を収容するバレルユニットをバレルメッキ装置部内で搬送し、また、そのバレルユニットのバレルから分離洗浄装置部に用いる洗浄用ポットに自動的に移し替える構成として、人の作業を削減し、かつメッキの品質を向上し所要時間の短縮ができる連続搬送バレルメッキ装置を提供することにある。
【0004】
本発明の第2の目的は、さらに、分離洗浄装置部でメディア分離及びチップ部品洗浄が自動的に行われる構成とし、チップ部品をバレルに収容してバレルメッキ装置部に投入すると、チップ部品の外部電極に電解メッキし、チップ部品とメディアを分離し洗浄して、チップ部品の外部電極へのメッキが自動的に行われるようにして人の作業を削減し、かつメッキの品質を向上し所要時間の短縮ができる連続搬送バレルメッキ装置を提供することにある。
【0005】
また、複数のバレルメッキ装置部の配置を工夫することで省設置スペースとした連続搬送バレルメッキ装置を提供することをもう一つの目的とする。
【0006】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、チップ部品とメディアを収納するバレルと、該バレル内に収納するチップ部品とメディアに電気的に接触する電極と、該電極を当該バレル外部に導出した集電器とを有するバレルユニットと、該バレルユニットが浸されるメッキ液を貯留したメッキ浴槽と、該メッキ浴槽内にて前記バレルユニットを横方向に移動させる搬送手段と、前記集電器が接触する給電器とを有していて、前記給電器を通して前記集電器に通電してバレルメッキ処理を行うバレルメッキ装置部と、
該バレルメッキ装置部でのバレルメッキ処理が終了したバレルユニットをバレル移送手段により受け取り、当該バレルユニットからチップ部品とメディアを取り出して、メディアは通過可能であるがチップ部品は通過させない筒状メッシュを有する洗浄用ポットに移し替える受渡装置部とを備えたことを特徴としている。
【0008】
本願請求項2の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、チップ部品とメディアを収納するバレルと、該バレル内に収納するチップ部品とメディアに電気的に接触する電極と、該電極を当該バレル外部に導出した集電器とを有するバレルユニットと、該バレルユニットが浸されるメッキ液を貯留したメッキ浴槽と、該メッキ浴槽内にて前記バレルユニットを横方向に移動させる搬送手段と、前記集電器が接触する給電器とを有していて、前記給電器を通して前記集電器に通電してバレルメッキ処理を行うバレルメッキ装置部と、
該バレルメッキ装置部でのバレルメッキ処理が終了したバレルユニットをバレル移送手段により受け取り、当該バレルユニットからチップ部品とメディアを取り出して、メディアは通過可能であるがチップ部品は通過させない筒状メッシュを有する洗浄用ポットに移し替える受渡装置部と、
前記受渡装置部にてチップ部品とメディアが収容された前記洗浄用ポットをポット移送手段から受け取り、当該洗浄用ポットに洗浄液を噴射して当該洗浄用ポットからメディアを落下させて分離するとともにチップ部品を洗浄する分離洗浄装置部とを備えたことを特徴としている。
【0009】
本願請求項3の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項1又は2において、前記バレルメッキ装置部が複数配置され、各バレルメッキ装置部は互いに異なるメッキ液を貯留するものであり、各バレルメッキ装置部後段に前記バレルユニットを洗浄液で洗浄する洗浄部が設けられているとともに、前段のバレルメッキ装置部から該洗浄部へ、当該洗浄部から後段のバレルメッキ装置部へ前記バレルユニットを移し替える移替手段が設けられていることを特徴としている。
【0010】
本願請求項4の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項1,2又は3において、前記バレルメッキ装置部の一部は下段位置に、残りのバレルメッキ装置部は上段位置に配置され、下段位置と上段位置間のバレルユニットの昇降移動をエレベータ機構で行うことを特徴としている。
【0011】
本願請求項5の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項1,2,3又は4において、前記搬送手段が前記バレルユニットを間欠搬送するものであり、前記給電器は前記バレルユニットが停止する所定停止位置毎に設けられていることを特徴としている。
【0012】
本願請求項6の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項1,2,3,4又は5において、前記バレルユニットが前記電極を持つ電極構造体を備え、該電極構造体は、前記バレルの筒体内部を軸方向に伸びる中心棒と、該中心棒に対して放射方向に伸びる電極棒と、該電極棒の先端部に露出して設けられた前記電極とを有し、前記中心棒及び電極棒は前記電極に導通する金属導体の表面に絶縁被覆を設けたものであり、軸方向に垂直な断面が上端に向けて幅の狭くなった刃先形状となっている山形部を前記中心棒外周の上側に軸方向に設けていることを特徴としている。
【0013】
本願請求項7の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項6において、前記バレルが、前記筒体と、前記筒体の両側開口に各々設けられた蓋とを備え、一方の蓋は前記筒体に固定され、他方の蓋は中心部に前記筒体の外側から内側に導通する前記電極構造体をほぼ水平に保持して備え、かつ前記他方の蓋は前記筒体の開口に対して着脱自在であることを特徴としている。
【0014】
本願請求項8の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項6又は7において、前記山形部の軸方向に垂直な断面が二等辺三角形であって、該二等辺三角形の頂点が前記山形部の最上端となっていることを特徴としている。
【0015】
本願請求項9の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項1,2,3,4,5,6,7又は8において、前記受渡装置部は、前記バレルメッキ処理が終了したバレルユニットのチップ部品及びメディアを収納したバレルの蓋を開けてから、開口を下向きにして、当該バレルから落下したチップ部品及びメディアを液体中で待機している前記洗浄用ポットの開口に落下させることを特徴としている。
【0016】
本願請求項10の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項9において、前記受渡装置部が、前記バレルメッキ処理が終了したバレルユニットのバレルの蓋を開ける蓋開け手段と、該蓋開け手段で蓋を開けられたバレルの開口を下に向けるバレル支持手段と、前記蓋を開けられたバレルから落下したチップ部品及びメディアを受ける漏斗と、該漏斗を通って落下したチップ部品及びメディアを受け取る位置に洗浄用ポットの開口が位置するように当該ポットを支えるポット支持手段と、前記漏斗及び前記洗浄用ポットが浸るように液体を満たすことのできる液槽とを備え、
前記蓋を開けられたバレルからチップ部品及びメディアを前記漏斗へ落下させるときに前記漏斗の少なくともチップ部品及びメディアを受ける面が前記液槽内の液体中に浸っていることを特徴としている。
【0017】
本願請求項11の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項9又は10において、前記受渡装置部における前記液体が洗浄液であり、前記分離洗浄装置部における洗浄液の供給源を共用していることを特徴としている。
【0018】
本願請求項12の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11において、前記分離洗浄装置部がメディア分離後の前記洗浄用ポットに空気流を当てることで当該洗浄用ポット内のチップ部品を乾燥させる乾燥手段を有していることを特徴としている。
【0019】
本願請求項13の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12において、前記バレルユニット移送手段が第1のロボットアームであり、前記ポット移送手段が第2のロボットアームであることを特徴としている。
【0020】
本願請求項14の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項1乃至13のいずれかにおいて、前記メッキ浴槽には前記バレルの下方位置にアノードが配され、前記アノードに給電する給電用接続導体は前記電極を前記集電器に導出した側の反対側にて前記アノードに接続されていることを特徴としている。
【0021】
本願請求項15の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項14において、前記アノードが矩形板状であり、前記バレルの筒体の軸方に平行に配置されていることを特徴としている。
【0022】
本願請求項16の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項15において、前記バレルユニットの複数箇所の停止位置に対応して前記アノードがそれぞれ配置されていることを特徴としている。
【0023】
本願請求項17の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項14,15又は16において、前記アノードの角部を覆う絶縁部材を設け、前記アノードの角部を電気的に絶縁したことを特徴としている。
【0024】
本願請求項18の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項17において、前記アノードは矩形板状であり、前記バレルの筒体の軸方向に平行な当該アノードの両縁部における少なくとも上側角部が前記絶縁部材で覆われていることを特徴としている。
【0025】
本願請求項19の発明に係る連続搬送バレルメッキ装置は、請求項17又は18において、前記絶縁部材は前記アノードの縁部に嵌合する断面コ字状であることを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る連続搬送バレルメッキ装置の実施の形態を図面に従って説明する。
【0027】
図1乃至図3は本発明に係る連続搬送バレルメッキ装置の実施の形態であって、全体構成を示す。
【0028】
これらの図において、1はCuの電解メッキを施す第1バレルメッキ装置部、2はNiの電解メッキを施す第2バレルメッキ装置部、3はSnの電解メッキを施す第3バレルメッキ装置部である。
【0029】
バレル内にチップ部品及びメッキ用メディア(電解メッキのために使用する金属球体)を収納したバレルユニット5(図4乃至図7で後述する)を第1バレルメッキ装置部1に供給するために図2のようにバレルユニット供給部6が設置されている。バレルユニット供給部6はローラーコンベアの先端部にバレルユニット5を第1バレルメッキ装置部1に移し替える移し替え手段が設けられたものである。
【0030】
第1バレルメッキ装置部1と第2バレルメッキ装置部2との間にはCuのメッキ液を洗浄して落とす第1洗浄部11が、第2バレルメッキ装置部2と第3バレルメッキ装置部3との間にはNiのメッキ液を洗浄して落とす第2洗浄部12が、第3バレルメッキ装置部3の後段にはSnのメッキ液を洗浄して落とす第3洗浄部13が配置され、この後段にバレルユニット5を傾斜状態で洗浄する傾斜洗浄部14が配置されている。この傾斜洗浄部14は後述の受渡装置部20へのバレルユニット5の取り出し位置となる。
【0031】
前記第1バレルメッキ装置部1と第1洗浄部11と第2バレルメッキ装置部2とはメッキ部架台10の下段位置に1列に配置されているが、第2洗浄部12と第3バレルメッキ装置部3と第3洗浄部13と傾斜洗浄部14とは架台10の上段位置に1列に配置されている。このため、下段位置の第2バレルメッキ装置部2からバレルユニット5を上段位置に引き上げるエレベータ機構15が設置されている。
【0032】
受渡装置部20はバレルユニットの取り出し位置となる傾斜洗浄部14に近接して設置されており、つまり受渡装置部架台21がメッキ部架台10に連結されており、最後の第3バレルメッキ装置部3でのバレルメッキ処理して傾斜洗浄部14での洗浄が終了したバレルユニット5をバレル移送手段により受け取り、当該バレルユニットからチップ部品とメッキ用メディアを取り出して、メディアは通過可能であるがチップ部品は通過させない筒状メッシュを有する洗浄用ポット30(図14及び図15で後述する)に移し替える動作を自動的に実行するものである。
【0033】
前記受渡装置部20に並行してチップ部品及びメッキ用メディアが取り出された空のバレルユニット5を排出して置くためのバレルユニット排出部7が図3のように設置されている。このバレルユニット排出部7はローラーコンベアであり、その上に載置されたバレルユニット5を排出方向に移送するものである。
【0034】
前記受渡装置部20に隣接して分離洗浄装置部25が設置されている。つまり、分離洗浄装置部架台26が受渡装置部架台21に連結されている。この分離洗浄装置部25は、前記受渡装置部20にてチップ部品とメッキ用メディアが収容された洗浄用ポット30をポット移送手段から受け取り、当該洗浄用ポットに洗浄液を噴射して当該洗浄用ポットからメディアを落下させて分離するとともにチップ部品を洗浄し、乾燥する工程を自動的に実行するものである。
【0035】
また、分離洗浄装置部25に並行して空の洗浄用ポット30を受渡装置部20に供給するための洗浄用ポット供給部8が図2のように設置されている。
【0036】
図4乃至図7は、本実施の形態において、バレルメッキ処理を実行するために用いるバレルユニット5を示す。水平方向を回転中心軸とするバレルユニット5は、各バレルメッキ装置部1,2,3のメッキ浴槽にバレルユニット5を次々と連続的に投入して搬送し、各々のバレルユニット5が収容するチップ部品の外部電極に効率よくメッキする構成に用いられるものであり、バレル40、ユニット側板43,44及び連結棒45等を有している。連結棒45はバレルユニット5の持ち上げ個所として機能する。
【0037】
このバレルユニット5はバレル40を回転自在に備えるもので、バレル40は、略円筒状の筒体51として、樹脂製の骨組でなるかごを構成し、骨組が構成する複数の開口を塞ぐように樹脂製の網を取り付け、筒体51の両側開口に樹脂製の蓋52,53を取り付けて基本的な容器を構成するものである。前記網のメッシュはバレル40に収納しバレルメッキするチップ部品や共に収納するメディアが通過しない値とする。前記蓋52は筒体51に対して開閉自在な開閉蓋であり、蓋53は筒体51に対し常時固定とする。
【0038】
樹脂製の蓋52,53は中心に穴を備え、開閉蓋52には樹脂製フランジ55を取り付け、蓋53には樹脂製軸部56を取り付ける。軸部56はユニット側板44に嵌着されたブッシュ57により回転自在に支持される。
【0039】
前記ユニット側板43には円筒支持部材60が固着され、これに嵌合して金属導体64,65,66を有する電極構造体61の樹脂被覆された基部である軸部が固定的に支持されている。また、電極構造体61の軸部の外周にブッシュ62が嵌められ、ブッシュ62の外側に前記蓋52側のフランジ55が回転自在に嵌合している。従って、ユニット側板43,44でバレル40が回転自在に保持されることになる。なお、電極構造体61の金属導体64は中心の金属棒であって絶縁被覆された中心棒をなし、これと直交する方向に所定の間隔を有し複数本の金属導体65が金属導体64に固着してあり、絶縁被覆された電極棒をなし、さらに金属導体65の先端部、つまり電極棒の先端部は内部電極として露出した金属導体66となっていて、バレル40内に収容されたチップ部品及びメディアに電気的に接触するようになっている。
【0040】
前記金属導体64,65は図9及び図31(B)のように樹脂製絶縁被覆67で被覆されている。それらの表面に施された樹脂製絶縁被覆67は、例えば耐熱性の塩化ビニール等であり、この絶縁被覆67の部材に対応して山形部68を構成する部材も同材質の耐熱性塩化ビニール等の樹脂を用いる。樹脂製絶縁被覆67と山形部68は樹脂溶接して固着する。樹脂溶接は周知の手段を用いて行う。断面が円形である中心棒となる金属導体64の絶縁被覆67部分の外周は基本的に円周であり、特に電極棒となる金属導体65(図9参照)の突出がない絶縁被覆67部分の上部は長手方向に全て円周面である。山形部68は長手方向(軸方向)が中心棒の絶縁被覆67部分の長さとほぼ同じ長さとし、かつ長手方向に直交する断面は上端が尖った刃先形状となるように、図31(B)のように頂点68aが鋭角の三角形(ここでは二等辺三角形を示す)とし、加えて底辺部だけが前記絶縁被覆67に合致する部分円周凹面としている。その山形部68の底辺部を樹脂製絶縁被覆67の上部に合致して当接させて、当接部分の外周を樹脂溶接して固着する。溶接方法は、樹脂製絶縁被覆67及び山形部68が例えば耐熱性の塩化ビニールである場合、同じ耐熱性の塩化ビニールでなる溶接棒と加熱手段を用いて行うのがよい。そうして、溶接しただけでは表面が凸凹しておりヤスリ仕上げなどして滑らかにする。
【0041】
バレルユニット5はメッキ浴槽81に投入されて、そのバレル40部分が浴槽内のメッキ液に浸り、後述の回転駆動用チェーン92からスプロケット46が駆動力を受けて回転しながらメッキ処理が行われるのであるが、その際、チップ部品とメディアはバレル2の回転方向に内面との摩擦で上方に持ち上げられるが、チップ部品とメディアはバレル2の下方に重力の作用で落下しようとし、摩擦と重力の作用がバランスする個所に集合する。しかし、一部のチップ部品とメディアはバレル40の内周を最上部に向かって持ち上げられ、上部から電極構造体61の外周を覆う樹脂製被覆67部分に落下してくる。図31(A)のように山形部68が無い場合、中心棒となる金属導体64の樹脂製被覆67の上部にチップ部品Cが載ったままとなり、メッキされずに残ってメッキ不良となるが、本実施の形態の図31(B)のように、中心棒となる金属導体64の樹脂製被覆67の上部に山形部68を固着してあると、断面が上下方向に頂点30aを最上部とする二等辺三角形としてあり、山形部68側面が急斜面であるため、落下してくるチップ部品Cとメディアは付着しないで落下する。落下以外の要因で山形部68に当接するチップ部品とメディアも付着しないで落下し、再びバレル40の下方で集合に加わることになる。従って、メッキされずに残るチップ部品を無くすことができる。
【0042】
なお、山形部68について長手方向に直交する断面は二等辺三角形として図示したが、二等辺三角形に限らず、断面は電極構造体61の中心棒部分の樹脂製被覆67から上部に尖った頂点を有し、尖った頂点から中心棒の横幅に向かって傾斜する面を備えればよく、この面が傾斜した平面に限らず任意の曲面であってもよい。総じて山形部68は刃先形状であると言うことができる。
【0043】
バレル40内に露出する内部電極としての金属導体66は、金属導体65、金属導体64を経て電極構造体61の左端に導出され、ここでリード線70の一端に接続される。リード線70の他端はユニット側板43の上部に設けられた集電器71に接続される。すなわち、ユニット側板43の上端に庇状集電ベース74が固着され、ここに集電器71が設置され、該集電器71は底面が円弧状面の接触部となった集電子72をU字状板ばね部材73を介して庇状集電ベース74に固着する構造を複数個(図示は2個)備える。各集電子72は庇状集電ベース74の下方位置となり、それぞれにリード線70の他端が接続される。つまり、バレル40内部に露出している電極構造体61の内部電極が集電器71の各集電子72に導出されたことになる。また、各集電子72はU字状板ばね部材73でそれぞれ独立に支持され、それぞれ弾性力で下方に付勢されている。各集電子72は良導電性金属部材、例えば銅、銅合金等である。
【0044】
なお、リード線70と電極構造体61との接続部分はカバー75で水密に覆われるとともに、リード線70も保護管76で覆われる。これはバレルユニット5をメッキ浴槽に浸したときに前記接続部分及びリード線70がメッキ液に直接触れないようにするためである。
【0045】
また、前記蓋52側のフランジ55にはバレル40を回転させるための駆動力を受けるスプロケット46が固着されている。また、ユニット側板43,44の下端にはユニット座47が固着されており、各ユニット座47が各バレルメッキ装置部1,2,3のメッキ浴槽側の搬送手段上に載るようになっている。
【0046】
なお、前記バレル40の一方の蓋53は筒体51に固定であるが、他方の蓋52は中心部に前記筒体51の外側から内側に導通する前記電極構造体61を水平に保持して備え、かつ蓋52は前記筒体51の開口に対して着脱自在である。
【0047】
次に、図8及び図9で第1乃至第3バレルメッキ装置部1,2,3の構成について説明する。これらのバレルメッキ装置部1,2,3はメッキ液の組成及びメッキ用アノードの金属材質が異なること以外は実質的に同じ構成であり、バレルユニット5が浸されるメッキ液82を貯留したメッキ浴槽81と、該メッキ浴槽81内にてバレルユニット5を横方向に移動させる搬送手段としての搬送機構90と、バレルユニット5側の集電器71が接触する給電器110とを有していて、前記給電器110を通して前記集電器71に通電してバレルメッキ処理を行うようになっている。
【0048】
図8及び図9において、メッキ部架台10は複数の梁を組み合わせてなり、メッキ浴槽81や搬送手段としての搬送機構90や給電器110や複数個のバレルユニット5が載る骨組みである。
【0049】
バレルユニット5は矢印Dのようにメッキ浴槽81の一端から投入し、メッキ浴槽81中のメッキ液82に浸漬されたバレルユニット5は該メッキ浴槽81中を図8の矢印Sの如く右方向に間欠的に進行し他端から矢印Uのように取り出される構成である。
【0050】
メッキ浴槽81は上部が開口する長方形の樹脂製容器である。メッキ浴槽81は長手方向にバレルユニット5が一列に進行する空間と、バレルユニット5を間欠的に進行させる搬送機構90が組み込まれ、さらにメッキ液82をバレルユニット5が有するバレル40の大部分又は全部が浸る液面となるように貯留する。
【0051】
バレルユニット5の搬送機構90は、各バレルユニット5を横方向に間欠的に移動させるチェーン91を用いた第1の無端帯機構と、各バレルユニット5のバレル40を自転させるチェーン92を用いた第2の無端帯機構と、これらに付随する機構とを有している。
【0052】
第1の無端帯機構の無端帯としてのチェーン91はメッキ浴槽81内に回転自在に支持されたスプロケット93A,93B間に張架されている。メッキ浴槽81の上方に支持されたベース94上には搬送モータ95が設置され、一方のスプロケット93Aの取付軸は図示しないスプロケット、チェーン96を介してモータ95により回転駆動されるようになっている。前記チェーン91はバレルユニット5側のユニット座47を保持するホルダー100を備えている。すなわち、チェーン91にアタッチメントとしてホルダー100がバレルユニット5を該チェーン91に搬送させる所定の間隔で取り付けられる。1個のバレルユニット5に対してホルダー100のアタッチメント101、102の1組が対応する。チェーン91は図8の手前と裏側(バレルユニットの右側と左側を支持するため)に計2連を備えるので、1個のバレルユニット5は計4個のアタッチメントで保持される構成である。
【0053】
第2の無端帯機構の無端帯としてのチェーン92はメッキ浴槽81内に回転自在に支持されたスプロケット97A,97B間に張架されている。メッキ浴槽81の上方に支持されたベース94上にはバレル回転モータ98が設置され、一方のスプロケット97Aの取付軸は図示しないスプロケット、チェーン99を介してモータ98により回転駆動されるようになっている。前記チェーン92は図4に示したバレルユニット5側のバレル40と一体のスプロケット46に係合し、バレル40を自転させるようになっている。
【0054】
停止位置(給電ステーションとなる)のバレルユニット5の集電器71に接触してメッキ電流を供給する給電器110を説明する。バレルユニット5の投入位置と取り出し位置以外にバレルユニット5の停止位置は数箇所乃至十数箇所(必要とするメッキ膜厚等により相違する)あり、これらの停止位置にあるバレルユニット5の集電器71にそれぞれ接触するように複数個の給電器110が架台10側にて固定支持された給電ベース111に組み付けられる。
【0055】
図9に示すように、給電器110は、給電ベース111に対して固定された電気的絶縁部材でなる保持板112上に給電レール113を固定配置したものであり、給電レール113はバレルユニット5側集電器71の下側配置となり、給電レール113上面がバレルユニット5側の集電子72の接触面となる導体が露出した平坦面に形成されている。給電レール113は良導電性金属板材、例えば銅、銅合金等である。給電レール113はメッキ用電源のマイナス側に引出線114を介して接続される。
【0056】
図8及び図9において、メッキ浴槽81の内側底面に電気的な絶縁部材でなる複数の台115を設ける。そうして、台115に支持させてメッキ用金属部材でなるアノード116を載置する。アノード116に一端を固定した給電用接続導体としての引出線117を外部に引き出してメッキ用電源のプラス側に接続する。但し、引出線117は、前記内部電極としての金属導体66を前記集電器71に導出した側の反対側にて前記アノード116に接続する。これは、前記電極構造体61やアノード116の内部抵抗の影響を受けにくくし、チップ部品の外部電極のメッキ状態のばらつきを解消するためである。ここで、アノード116は、バレルユニット5の各停止位置に対応させてそれぞれ配置する。つまり、個々の停止位置で停止中の1個のバレルユニット5の真下位置に1個のアノード116を配置する。なお、メッキ液82に浸漬される引出線は例えばTi等の不溶性金属を用いる。Cuの電解メッキを実行する第1バレルメッキ装置部1ではアノード116の材質はCuであり、Niの電解メッキを実行する第2バレルメッキ装置部2ではアノード116の材質はNiであり、Snの電解メッキを実行する第3バレルメッキ装置部3ではアノード116の材質はSnである。
【0057】
図8の搬送手段のチェーン91が循環すると矢印Dのようにメッキ浴槽81に投入されたバレルユニット5は矢印の方向に間欠的に進行する。つまり、投入後のバレルユニット5は各停止位置に順次間欠移送される。一方、図8のバレル回転モータ98の回転はチェーン92を循環させている。チェーン92が循環するとバレルユニット5に対して図4のスプロケット46が回転し、バレル40を回転させる。従って、バレルユニット5は図8の矢印の方向に間欠搬送されながらバレル40を別に回転(自転)することになる。回転方向はチェーン92の循環方向とバレルユニット5の搬送速度による相対関係で決まる。
【0058】
各停止位置に間欠送りされたバレルユニット5の集電器71の集電子72は、対応する給電器110の給電レール113に接触するようになる。各バレルユニット5が停止している期間において、メッキ用電源より通電が開始され、陰極側は給電レール113、集電子72を経てバレル40内の内部電極への接続が行われ、陽極側はアノード116が引出線117を介して既に接続されているので、バレル内の内部電極とアノード116間のメッキ液の存在により、バレル40に収納されたチップ部品の外部電極はメディアを介しあるいは直接に内部電極と接触し、メッキ液によりCuやNiやSnがメッキされる。
【0059】
この際、メッキ析出量は、メッキ浴槽81内を間欠搬送される個々のバレルユニット5についての電流値と通電時間の積の総和を個々のバレルユニット毎に制御することで最適化される。
【0060】
メッキ浴槽81に投入されたバレルユニット5は間欠搬送されながら各停止位置を経て図8に示すメッキ浴槽81の右端の取り出し位置に至る。右端の取り出し位置に至ったバレルユニット5は後述する移替手段が当該バレルユニット5の連結棒45を把持し、持ち上げて次の工程であるバレルメッキ装置部後段の洗浄部11,12,13の水洗槽に移し替える。つまり、第1バレルメッキ装置部1のバレルメッキ処理が終了したバレルユニット5であれば、第1洗浄部11に、第2バレルメッキ装置部2のバレルメッキ処理が終了したバレルユニット5であれば、第2洗浄部12に、第3バレルメッキ装置部3のバレルメッキ処理が終了したバレルユニット5であれば、第3洗浄部13に移し替える。
【0061】
次に、図10及び図11で第1乃至第3洗浄部11,12,13の構成について説明する。これらの洗浄部11,12,13は同じ構成であり、バレルユニット5が1個毎入る3つの区画121,122,123を有する水洗槽120を有している。各区画にはバレルユニット5が載置される台座125が設置されている。水洗槽120には台座125上に載置されたバレルユニット5のバレル40全体が浸る洗浄水124が満たされている。そして、各区画121,122,1123に配置されたバレルユニット5のチップ部品及びメッキ用メディアに付着した前段のバレルメッキ装置部のメッキ液を洗浄水で洗浄して落とす。つまり、次段のバレルメッキ装置部のメッキ液を汚染しないようにする。
【0062】
図12及び図13はバレルメッキ装置部1,2,3から後段の洗浄部11,12,13へ、洗浄部11,12から後段のバレルメッキ装置部2,3へバレルユニット5を移し替える移替手段としてのピック・アンド・プレース機構130を示す。このピック・アンド・プレース機構130は、メッキ部架台10の天井部に固定された横方向レール131に沿って横移動する本体132と、本体132の垂直レール133で上下にスライド自在な昇降スライダ134と、これに取り付けられたピックアップアーム134aとを有している。ピックアップアーム134aの先端部は図4乃至図6に示すバレルユニット5の連結棒45に係合するようになっている。
【0063】
昇降スライダ134の昇降駆動は、本体132の上下に支持されたプーリー135A,135B間にベルト135Cを張架し、このベルト135Cに昇降スライダ134を固定しておき、上部プーリー135Aをモータ136で回転駆動することにより実行する。同様に、本体132の横移動もレール131の両端部側に固定支持したプーリー137A,137B間にベルト137Cを張架し、このベルト137Cに本体132を固定しておき、ベルト137Cをモータ138で走行駆動することで実行可能である。
【0064】
このようなピック・アンド・プレース機構130は架台10の必要箇所にそれぞれ配置され、これを用いて、第1バレルメッキ装置部1のバレルメッキ処理が終了したバレルユニット5を第1洗浄部11の水洗槽120の区画121に、同様に第2バレルメッキ装置部2のバレルメッキ処理が終了したバレルユニット5を第2洗浄部12の水洗槽120の区画121に、第3バレルメッキ装置部3のバレルメッキ処理が終了したバレルユニット5を第3洗浄部13の水洗槽120の区画121に移し替える。
【0065】
また、各洗浄部11,12,13においては、後段のバレルメッキ装置部にバレルユニット5を受け入れる余地が発生する毎に、水洗槽120の区画123からバレルユニット5を前記ピック・アンド・プレース機構130で取り出して後段のバレルメッキ装置部に移し替える。そして、ピック・アンド・プレース機構130にて区画122のバレルユニット5を区画123へ、区画121のバレルユニット5を区画122に順次移送し、空きとなった区画121に前段のバレルメッキ装置部からバレルユニット5を受け入れる。
【0066】
最後段のバレルメッキ装置部、つまり第3バレルメッキ装置部3のバレルメッキ処理が終了したバレルユニット5はピック・アンド・プレース機構130により第3洗浄部13に移し替えられ、さらに第3洗浄部13での洗浄処理が終了したバレルユニット5は図1乃至図3に示す傾斜洗浄部14(バレルユニット5の取り出し位置)に移し替えられる。
【0067】
受渡装置部20は、第3バレルメッキ装置部3でバレルメッキ処理して傾斜洗浄部14での洗浄が終了したバレルユニット5をバレル移送手段により受け取り、当該バレルユニットからチップ部品とメッキ用メディアを取り出して洗浄用ポット30に移し替えるものであるが、その受渡装置部20の説明の前に、洗浄用ポット30の構造について図14及び図15を用いて説明する。
【0068】
図14及び図15に示すように、洗浄用ポット30は、円筒状メッシュポット31を有する。このメッシュポット31はステンレス鋼線の網を円筒状にし、円筒網の両端を塞ぐ円盤状の蓋32A,32Bを装着したものである。図14のように蓋32Aは円筒網の一端に固着され、蓋32Aの外側には当該蓋32Aの中心に円筒網に平行な軸33が固着され、軸33の端部に蓋32Aと面を平行にしてスプロケット34が固着されている。メッシュポット31の中心とスプロケット34の回転中心は同心である。
【0069】
前記蓋32Bは前記円筒網の他方にワンタッチで着脱自在なワンタッチ蓋である。図15に示すように、蓋32Bには複数本の放射状ピン35が設けられており、円筒網端部に固着された環状部材36の内周溝36aに突出状態の放射状ピン35が係合するようになっている。放射状ピン35は引き込み方向にばね38で付勢されている。蓋32Bの中央部にはワンタッチのロック解除部材39が設けられており、ロック解除部材39のテーパー面39aが放射状ピン35の基端に当接するようになっている。ロック解除部材39は底面側のコイルばね39bにて突出方向に付勢されている。
【0070】
従って、ロック解除部材39に外力が加わらない状態では、図14に図示の状態であり、ロック解除部材39のテーパー面39aによって放射状ピン35がばね38の弾性力に抗して突出方向に駆動されて環状部材36の内周溝36aに係合している。ロック解除部材39を押せば、テーパー面39aの位置が放射状ピン35から外れて放射状ピン35はばね38によって引き込み方向に駆動され、放射状ピン35と環状部材36との係合が外れ、蓋32Bを離脱させることができる。逆に蓋32Bを装着するときはロック解除部材39を押した状態で円筒網端部の環状部材36に嵌合すればよい。なお、蓋32Aと環状部材36とは補強用ピン37で連結されている。
【0071】
このように構成された洗浄用ポット30は、ワンタッチ蓋32Bを開けた状態にてバレルユニット5のバレルからチップ部品とメッキ用メディアをそのまま移し入れ、その後ワンタッチ蓋32Bを閉めることで、その内部にチップ部品とメディアとを収容保持できる。洗浄用ポット30のサイズは、例えば円筒網の外径100mm×長さ200mmで容量が1570ccとし、チップ部品とメディアの合計で800ccを収容するので約半分の内容量になる。
【0072】
図16乃至図23で受渡装置部20について説明する。図16及び図17は受渡装置部全体の正断面図及び平面図を示し、図18及び図19はその受渡装置部の要部構成の正断面図及び平面図を示す。この受渡装置部20は、受渡装置部架台21上に設置されたバレル移送手段としてのロボットアーム22にて第3バレルメッキ装置部3の後段側のバレルユニット取り出し位置である傾斜洗浄部14からメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを収納したバレルユニット5を取り出し、後述する機構にてバレル40の内容物、つまりメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを図14及び図15に示した洗浄用ポット30に移し替えるものである。なお、ロボットアーム22はバレル排出手段としても機能し、空になったバレルユニット5を図3のバレルユニット排出部7に移送する。
【0073】
一方、新規の(空の)洗浄用ポット30の供給手段及びメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアが移し替えられた洗浄用ポット30の分離洗浄装置部25への排出手段としてロボットアーム23が前記架台21上に設けられている。
【0074】
各ロボットアーム22,23自体は汎用の装置を用いるが、そのアタッチメントに関しては本装置に適用する構成にしてある。左側のロボットアーム22のアタッチメント22aはバレルユニット5を把持するためのものであり、右側のロボットアーム23のアタッチメント23aは洗浄用ポット30を把持するためのものである。
【0075】
受渡装置部20は、第1及び第2のロボットアーム22,23の他に、メッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを収納したバレルユニット5のバレル40の開閉蓋52を開ける蓋開け手段140と、バレルユニット5を載置する載置台171を有していて、蓋開け手段140で開閉蓋52を開けられたバレル40の開口を傾斜させて下に向けるバレル支持手段170と、前記開閉蓋52を開けられたバレル40から落下したメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを受ける漏斗190と、該漏斗を通って落下したメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを受け取る位置に洗浄用ポット30を支えるポット支持手段200と、前記漏斗190及び洗浄用ポット30が浸るように衝撃緩和用液体としても機能する洗浄水Wを満たすことのできる液槽210と、洗浄用ポットを前記漏斗下方の液槽内位置と液槽外位置との間で移送するポット移送手段220とを備えている。前記衝撃緩和用液体を兼ねた洗浄水Wとして、第1乃至第3洗浄部11,12.13、傾斜洗浄部14や分離洗浄装置部25と共用して洗浄水を循環し用いるのが好都合である。
【0076】
図20のように、バレルユニットを載置する載置台171は、架台21上に立設された固定台24で軸支された回転軸172と一体となって回転可能であり、回転軸172は歯車等の伝動機構を介して傾斜駆動用モータ173により0°〜135°の範囲で回転駆動される。また、載置台171はバレル40を載せたときにこれを回転自在に支える空転テーブル171aを上側に有している。回転軸172の回転角0°では載置台171の載置面(空転テーブル上面)は水平であり、回転角135°でその載置面は斜め下向きとなる。
【0077】
載置台171上にはバレル40の一端(下側)の円形リング53a(蓋53の外周)を回転自在に保持するように先端部がローラーとなった保持チャック174が設けられている。保持チャック174はエアーシリンダ176で前後に動くものであり、前進時にバレル40を落下しないように保持(挟持)する。また、載置台171に立設された支柱177の上端には、バレル40の他端(上側)の円形リング52aを回転自在に支持するように当接ローラー178が枢着されている。また、載置台171に立設された支柱179の上端には、エアーシリンダ183が取り付けられ、このピストンロッド側にモータ取付板180が固着され、ここにバレル回転駆動モータ181が設置されるとともに前記円形リング52aを回転駆動するための駆動ローラー182が枢着されている。駆動ローラー182は歯車機構等の伝動機構を介してモータ181で回転駆動される。そして、エアーシリンダ183の伸びた状態で駆動ローラー182はバレル側円形リング52aに圧接する。その圧接位置は当接ローラー178の当接位置の正反対側である。
【0078】
前記蓋開け手段140は前記載置台171の載置面上に載置されたバレルユニット5のバレル40から開閉蓋52を回転して外すものであり、架台21の上部に固定の支持フレーム141、支持フレーム141で垂直に固定支持されるガイドロッド142、及びガイドロッド142に昇降自在に嵌合している昇降台143を有している。さらに、支持フレーム141には前記ガイドロッド142に平行にボール螺子軸144が軸支され、支持フレーム141に固定の昇降用モータ145によってボール螺子軸144はベルト等の伝動機構を介し回転駆動される。前記昇降台143にはボール螺子軸144に螺合するボール螺子ナット146が取り付けられており、昇降用モータ145を回転することで昇降台143は昇降駆動される。
【0079】
昇降台143には蓋開け用回転軸147が軸支されており、この下部に蓋開け用回転部148が固着され、バレル40の開閉蓋52(又は開閉蓋52に一体の部材)に係合する蓋保持チャック149が回転部148に設けられている。蓋保持チャック149はエアーシリンダ150で前後に動くものであり、前進時に開閉蓋52を保持(挟持)する。前記回転軸147は昇降台143に取り付けられた蓋開け用モータ151にて歯車機構等の伝動機構を介し回転駆動される。
【0080】
従って、バレル40を保持チャック174で保持し、かつローラー178,182でバレル40を挟持してバレル回転駆動モータ181の回転停止状態としておき、昇降台143を下降位置とし、蓋保持チャック149で開閉蓋52を保持した状態で前記蓋開け用モータ151を回転駆動することで、バレル40の開閉蓋52を外すことができる。また、その後昇降台143を上昇させることで、図22に示すように開閉蓋52と一体の電極構造体61(金属導体62,63及び内部電極となる金属導体64)をバレル40の本体の外に引き出すことができる。この図22の状態では、1対の半円筒カバー160にて電極構造体61を囲み、洗浄水噴射ノズル161から洗浄水(通常、液槽210内の洗浄水Wと同じ)のシャワーを噴射して電極構造体61に付着したメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを洗い流してバレル40の本体内に落下させることができる。なお、半円筒カバー160の下部にはチップ部品やメディアを確実にバレル40の本体内に戻すためのガイド160aが一体化されている。
【0081】
図16及び図18の仮想線のように、開閉蓋52を外した後のバレル40を斜め下を向けた状態では、その内容物であるメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアは漏斗190を通して洗浄用ポット30の開口よりその内部に入れられるのであるが、一部の内容物がバレル40の内側に付着している恐れがあり、そのため載置台171と一体に傾動するエアーシリンダ165の先端に洗浄水噴射ノズル166が取り付けられ、バレル40の内面に洗浄水(通常、液槽210内の洗浄水Wと同じ)をシャワー状に噴射できるようになっている。
【0082】
図21のように、前記架台21上には衝撃緩和用液体としても機能する洗浄水Wを満たした液槽210が設置されている。また、液槽210の外側位置にて漏斗支持アーム211が架台21に固定され、このアーム211に固定の昇降用エアーシリンダ212のピストンロッド側に漏斗190がその液槽210の上縁に近い高さで支持されている。液槽210の底部には途中に開閉バルブ214を設けた排液管213が接続され、その管213の下端は排液路216に導かれている。また、液槽210から溢れた洗浄水を受ける樋状部217と排液路216間も排液管218で接続されている。
【0083】
図18、図21等に示すように、漏斗190を通って落下したメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを受け取る位置に洗浄用ポット30を支えるポット支持手段200は、架台21側にて支持された支持枠201と、該支持枠201で軸支された回転駆動軸202と、回転駆動軸202の下端部に固着されたポット支持テーブル203とを有している。ポット支持テーブル203は、180°毎に、つまり2箇所に洗浄用ポット30を立てて保持するポット受座203aを有している。
【0084】
支持枠201上にはテーブル回転モータ204が設置され、このモータ204によって歯車機構等の伝動機構を介し回転駆動軸202が回転駆動される。位置P1にある一方のポット受座203aは漏斗190の下方位置にて停止し、その受座203a上に載置された洗浄用ポット30の開口が漏斗190の下方に位置するように位置決めする。
【0085】
前記漏斗190は、昇降用エアーシリンダ212の下降位置で液槽210の衝撃緩和用液体としても機能する洗浄水Wに浸っている状態(少なくともメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを受ける面が前記洗浄水W中に浸っている状態)であり、上昇位置では前記ポット支持テーブル203に載置された洗浄用ポット30の移動を妨げないように上昇位置となる。なお、図23のように、上昇位置の漏斗190の内面に洗浄水噴射ノズル215から洗浄水(通常、液槽210内の洗浄水Wと同じ)をシャワー状に噴射して漏斗190上に残っていたメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを洗浄用ポット30に入れるようにする。
【0086】
洗浄用ポットを漏斗下方の液槽210内位置と液槽210外位置との間で移送するポット移送手段220は、架台21に垂直に立設固定される複数本のガイド軸221と、これらのガイド軸221の上部に取り付けられた支持板222と、ガイド軸221によって昇降自在に支持される昇降部材223と、ガイド軸221と平行に設けられたボール螺子軸224と、これを伝動機構を介し回転駆動する駆動用モータ225と、昇降部材223に枢着されて所定範囲で回動する回動アーム236と、回動アーム236の先端部下側に取り付けられた開閉チャック227とを有している。前記昇降部材223はボール螺子軸224に螺合するボール螺子ナットを有しており、前記モータ225を回転させることで昇降部材223は昇降する。開閉チャック227はエアーシリンダにて開閉動作を行うものであり、閉じたときに洗浄用ポット30の着脱式蓋32Bを含む上端部を保持(挟持)できる構造である。
【0087】
前記架台21上には所定の高さで液槽210外位置であるポット仮置き台230が設置されている。この仮置き台230には、ロボットアーム23で図17の新規(空の)洗浄用ポット供給部8の所定供給位置から新規の(空の)洗浄用ポット30を把持して移載することができる。また、漏斗190の下方位置から外れた方の位置P2にある受座203aからポット移送手段220のチャック227でメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアが移し替えられた洗浄用ポット30を取り出し、ポット仮置き台230に載置することができる。
【0088】
なお、前記チャック227は洗浄用ポット30のワンタッチ着脱式蓋32Bのロック解除部材39を押圧することで着脱式蓋32Bとポット30の本体との係合を外す機能を併せ持ち、着脱式蓋32Bの付いた新規の洗浄用ポット30を位置P2の受座203aに載置後、チャック227は着脱式蓋32Bを外して持ち帰る。また、ポット支持テーブル203の回転により位置P1から位置P2に移されたメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを収容した洗浄用ポット30に対してはチャック227は持っていた着脱式蓋32Bを装着してからポット仮置き台230に移送する。
【0089】
右側のロボットアーム23はポット仮置き台230に載置された洗浄用ポット30(メッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを収容したもの)を分離洗浄装置部25のポット受入位置Qに移送する。ポット仮置き台230が空くとロボットアーム23は図17の洗浄用ポット供給部8から新規の洗浄用ポット30(着脱式蓋32Bのついたもの)をポット仮置き台230に移送する。
【0090】
次に、受渡装置部20の全体的な動作説明を行うと、まず、ロボットアーム22にて第3洗浄部13後段の最後尾のステーションである傾斜洗浄部14からメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを収納したバレルユニット5を取り出し、バレル支持手段170の載置台171上に移載する。
【0091】
載置台171上に上向きに置かれたバレルユニット5に対して蓋開け手段140にてバレル40の開閉蓋52を開ける。すなわち、図20の蓋保持チャック149にて開閉蓋52を保持して回転させることで開閉蓋52を解放する。
【0092】
そして、蓋保持チャック149が設けられた昇降台143を上昇させることで、図22に示すように開閉蓋52と一体の内部電極を含む電極構造体61をバレル40の本体の外に引き出し、1対の半円筒カバー160にて電極構造体61を囲み、洗浄水噴射ノズル161から洗浄水(通常、液槽210内の洗浄水Wと同じ)のシャワーを噴射して電極構造体61に付着したメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを洗い流してバレル40の本体内に落下させる。
【0093】
一方、ロボットアーム23は図17の洗浄用ポット供給部8から新規の洗浄用ポット30(着脱式蓋32Bのついたもの)をポット仮置き台230に移送し、この上に載置された洗浄用ポット30をさらにポット移送手段220のチャック227で保持して液槽210内におけるポット支持テーブル203の位置P2の受座203aに載置する。チャック227はその洗浄用ポット30から着脱式蓋32Bを外し、当該着脱式蓋32Bを保持して待機位置に復帰する。位置P2の受座203aに置かれた上部が開口した洗浄用ポット30は前記テーブル203の半回転(180°回転)で位置P1に移送されて漏斗190の下方位置となる。なお、位置P2の空きとなった受座203aには次の新規の洗浄用ポット30が移送される。
【0094】
前述のように電極構造体61に付着したメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを洗い流した後、載置台171を回転し、図16や図18仮想線のようにバレル40を斜め下向きに傾斜させる。これによりバレル40の内容物は漏斗190を通してその下方に待機した洗浄用ポット30の開口に入る。このとき、漏斗190は下降位置でメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを受ける面が液槽210に満たされた衝撃緩和用液体としても機能する洗浄水Wに浸っている状態であり、メッキ済チップ部品及びメッキ用メディアは洗浄水Wで落下速度が低下し、漏斗190に当たるときの衝撃が緩和されることになる。この結果、メッキ済チップ部品の割れ、欠け等の破損を防止できる。なお、バレル40内面に付着したメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアはバレル40を回転させながら洗浄水噴射ノズル166でバレル内側に向け洗浄水(通常、液槽210内の洗浄水Wと同じ)をシャワー状に出して漏斗190上に落下させる。
【0095】
内容物の無くなったバレル40を持つバレルユニット5は載置台171が水平位置に復帰することで上向きとなり、蓋開け手段140にて保持されていた開閉蓋52がバレル40に装着された後、ロボットアーム22にて図17のバレルユニット排出部7に排出される。
【0096】
漏斗190上に残ったメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアは図23のように、上昇位置とした漏斗190の内面に洗浄水噴射ノズル215から洗浄水(通常、液槽210内の洗浄水Wと同じ)をシャワー状に噴射して洗浄用ポット30内に落下させる。
【0097】
バレル40の内容物が移し替えられた位置P1の洗浄用ポット30は、ポット支持テーブル203の半回転で位置P2となり、着脱式蓋32Bを持って待機していたチャック227が下降して洗浄用ポット30の着脱式蓋32Bを装着してからポット仮置き台230に移載する。そして、ポット仮置き台230上のメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを収容した洗浄用ポット30はロボットアーム23にて分離洗浄装置部25のポット受入位置Qに移送する。ポット仮置き台230があくとロボットアーム23は図17の洗浄用ポット供給部8から新規の洗浄用ポット30(着脱式蓋32Bのついたもの)をポット仮置き台230に移送する。
【0098】
図24乃至図30を用いて分離洗浄装置部25について説明する。図24は分離洗浄装置部25の主要部全体構成を示す正断面図、図25は平面図である。この分離洗浄装置部25は、ポット受入位置Qで受け入れた洗浄用ポット30を間欠搬送し、移送される洗浄用ポット30内のメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを洗浄水(例えば、前段では工業用水、後段では純水)により洗浄するとともに、メディアは洗浄用ポット30の外部に落下させ、洗浄用ポット30内にメッキ済チップ部品のみが残るようにする処理を行う。
【0099】
バレル電解メッキ処理において、チップ部品とメッキ用メディアはバレル内に一緒に収容されているが、前述したように、受渡装置部20において、分離洗浄乾燥処理の前に、バレルから図14及び図15に示した洗浄用ポット30にチップ部品とメディアは入れ替えられている。図26の洗浄用ポット30の模式図に示すように、洗浄用ポット30のサイズが、例えば円筒網の外径100mm×長さ200mmで容量が1570ccであるとすると、チップ部品CとメディアMの合計で800ccを収容するので約半分の内容量になる。
【0100】
分離洗浄装置部25は、分離洗浄装置部架台26上にメディア分離部250、超音波洗浄部260、純水リンス部270及び乾燥部280を備えており、チップ部品CとメディアMを入れた専用の洗浄用ポット30を受け取り、メディア分離部250によって始めにチップ部品CとメディアMを洗浄しながら分離し、超音波洗浄部260にてチップ部品Cを超音波洗浄し、純水リンス部270にてチップ部品Cを純水で洗浄し、乾燥部280でチップ部品Cを乾燥し、専用の洗浄用ポット30からチップ部品Cを取り出す次の工程に対し、この洗浄用ポット30を受け渡すまでを1パスで自動的に行う構成である。
【0101】
例えば、チップ部品Cは寸法が長さ1.6mm、幅0.8mm、厚さ0.8mmを製品1608と呼ぶことにする、製品とメディアサイズの関係について、製品1608に対して、メディアMは形状が球形で外径0.57mmを選択しメディアサイズφ0.57と呼ぶことにする。洗浄用ポット30は円筒状のメッシュポット31を有し、このメッシュポット31はメディアサイズφ0.57が通過し製品1608が通過しないメッシュで構成する。チップ部品Cの寸法が異なるとメディアMの形状やサイズを変更し、洗浄用ポット30のメッシュポット31のメッシュを変更することになる。
【0102】
洗浄用ポット30を搬送しながらチップ部品CとメディアMを分離し、その後に乾燥までの一連の自動化を図るためには、メディアMの分離、チップ部品Cの洗浄、乾燥まで洗浄用ポット30を共用することが重要であり、洗浄用ポット30は上記工程を通して使用できる専用のメッシュポットを具備している。
【0103】
この洗浄用ポット30に対して、バレルからチップ部品CとメディアMをそのまま移し入れワンタッチ蓋32Bを閉めたものが、受渡装置部20により分離洗浄装置部25の入口(ポット受入位置Q)に載置され、ここから分離洗浄装置部25の搬送チェーン27A,27Bに載せることで一連の分離、洗浄、乾燥プロセスが完了できるようになっている。
【0104】
図24及び図25に示す如く、分離洗浄装置部25はその架台26に各機構を組み付けて構成してある。架台26に固定する軸受28が軸支する軸29と、軸29に嵌着するスプロケットは複数組が備えられる。図25の複数のスプロケット290A間には洗浄用ポット30を回転駆動するための回転用チェーン291が張架されている。また、軸29の両側に設けられたスプロケット290B,290C間には洗浄用ポット30を搬送する一対の搬送用チェーン27A,27Bが張架されている。つまり、搬送用チェーンは図24の手前からチェーン27A,27Bと複数が備えられる。この状態は、図24に対し直交する方向からチェーン27A,27B上の洗浄用ポット30を見て示す図14により詳しく示され、洗浄用ポット30のメッシュポット31の両側に搬送チェーン27A,27Bが位置するように設定している。搬送チェーン27A,27Bは対向する位置のリンク軸を延長するステーピン27Pで一体化され、搬送チェーン27A,27Bは複数のステーピン27Pを梯子のような形態に備える。そうして、搬送チェーン27Aは複数のスプロケット290Bで、搬送チェーン27Bは複数のスプロケット290Cで、各々張架されている。回転用チェーン291は図14に示す如く洗浄用ポット30が備えるスプロケット34に係合する。搬送チェーン27A,27Bを連結するステーピン27Pは両端にローラ295A,295Bを回転自在に支持し、隣り合うローラ295Aの2個と、隣り合うローラ295Bの2個で計4個が1つの洗浄用ポット30を回転自在に支持する構成である。これらの搬送チェーン27A,27B等を含む機構が搬送機構をなしている。
【0105】
また、走行する回転用チェーン291にて前記洗浄用ポット30側スプロケット34を回転させると、軸33から蓋32Aを経てメッシュポット31に回転力が伝わり、結局、洗浄用ポット30は一体にローラ295A,295Bに回転自在に支持され回転することになる。これらの回転用チェーン291を含む機構が洗浄用ポット30を回転させる回転駆動手段をなしている。
【0106】
図24の左端の洗浄用ポット受入側には洗浄用ポット30を搬送チェーン27A,27B上に自動載置するためのローダー300が設置されている。
【0107】
また、図24において架台26右端にモータ298,299が固定されている。モータ298の出力軸に固着したスプロケットと軸29に固着したスプロケット間にチェーンを張架して、モータ298の出力軸が回転すると搬送チェーン27A,27Bが循環する仕組みとする。モータ299の出力軸に固着したスプロケットと軸29Aに固着したスプロケット間にチェーンを張架して、モータ299の出力軸が回転すると回転用チェーン291が循環する仕組みとする。
【0108】
架台26の上方に複数のチェーンガイドが固定される。チェーンガイドは図24の手前から直交する方向にチェーンガイド293A,293Bと備えられ、チェーンガイド293Aは図24の手前において横一列に複数個が配置され、チェーンガイド293Bは図24の奥側において横一列に複数個が配置される。チェーンガイド293Aは搬送チェーン27Aを支持し、チェーンガイド293Bは搬送チェーン27Bを支持する。
【0109】
図24に示すように、分離洗浄装置部25は矢印Pの方向に洗浄用ポット30を搬送する構成であるが、搬送される洗浄用ポット30に対し行われるプロセス用の構成を順に説明する。なお、本実施の形態では洗浄用ポット30の搬送は間欠搬送であるものとする。
【0110】
図27及び図28に示すように、メディアMを分離排出するメディア分離部250がポット搬送方向よりみて最前位置に配置されている。このメディア分離部250はシャワー部251を備えている。シャワー部251はシャワーノズル252を備え、シャワーノズル252は噴出口253を備えていて、洗浄水を噴出する噴出手段を構成している。噴出口253は洗浄用ポット30の円筒方向に延長する長方形で細長い開口であり、例えば洗浄水を下方の洗浄用ポット30の円筒方向全長にわたりナイフエッジ状に噴出する。図28のように矢印P1方向に間欠搬送される洗浄用ポット30の下方にはメディアMや洗浄水の排出路254を配置する。排出路254は漏斗状のシュート255と排出口256でなり、シュート255でメディアMや洗浄水を受けて排出口256から洗浄水分離部257に排出する。図28は矢印TでメディアMや洗浄水が移動することを示すが、排出口256の真下に洗浄水分離部257を配置するか、排出口256にダクトやパイプを接続する構成とすれば真下に位置しなくてもよい。いずれにしても、排出口256から排出されたメディアMや洗浄水は全て洗浄水分離部257に至る構成である。
【0111】
シャワー部251での条件として例えば、メッシュポット31を有する洗浄用ポット30の回転数を25〜30rpmとし、噴出口253のスリット寸法は幅0.8〜1.0mm×長さ250mmとし、噴出する洗浄水量は50リットル/分以上とし、分離に要する時間を180秒とすると、ほぼ完全に洗浄用ポット30からメディアMを分離することが可能である。シャワー部251により分離されたメディアMが、約4分毎に2.5kg(容量にして500cc以上)ずつ排出されることになり、図28のようにシュート255で受け止めて洗浄水と同時に排出口256から排出し、洗浄水分離部257のメッシュ篭258内に導いてメディアMを残し洗浄水は通過させて水切りする構成である。メッシュ篭258は円筒網の内周に螺旋状ヒレ259を設けたものであり、かつ円筒網はその円筒中心を回転中心として回転駆動されるようになっている。回転するメッシュ篭258内に洗浄水とともに導入されたメディアMはメッシュ篭258により通過を阻止され、メッシュ篭258内側の螺旋ヒレ259の働きで篭左端方向に移送され、水タンク301の横に併設されたメディア回収箱302内に次々に落下する。洗浄水はメッシュ篭258を通過して下方の水タンク301に戻る。図28に示すように、水タンク301内の水をポンプ303で汲み上げてシャワーノズル252に供給する。つまり、水タンク301の下方にパイプ304が接続し、パイプ304の他端にポンプ303が接続し、ポンプ303の出口に接続したパイプ305を通してシャワーノズル252に水を供給するようになっている。
【0112】
なお、後述するが水タンク301内の水は超音波洗浄部260と純水リンス部270でも使用するため、水タンク301に補給する水は純水とする。
【0113】
図28に示すように、洗浄用ポット30の搬送方向よりみてメディア分離部250の後に超音波洗浄部260と純水リンス部270とが設けられている。超音波洗浄部260において、矢印P2の方向に間欠搬送されながら回転するメッシュポット31を有する洗浄用ポット30に対し超音波洗浄する構成であり、洗浄槽261は4側面の角筒形状に底262を備える容器であって、上面の開口と下方の排水口263を備える。さらに、洗浄用ポット30の搬送路において開口264,265を備え、開口264を開閉するシャッター266と、開口265を開閉するシャッター267とを備える。シャッター266,267は開口264,265の上部に枢支され、仮想線266’,267’に示す位置まで揺動して開閉する。シャッター266,267は図示しない駆動手段(例えば空庄あるいは油圧あるいは電動等)で開閉する構成である。間欠走行する搬送チェーン27A,27Bでシャッター266,267の開いているときに洗浄槽261内に1つの洗浄用ポット30を送り込んだ後、シャッター266,267を閉めると洗浄槽261は上面の開口以外は下方の排水口263が開口するだけである。排水口263はスリット状で所定の流量を通過させるが、水タンク301から所定量の水をポンプ303で補給することで洗浄槽261内の水位を保つ。つまり、水タンク301の下方にパイプ304が接続し、パイプ304の他端にポンプ303が接続し、ポンプ303の出口にパイプ305が接続する循環系において、洗浄槽261に所定の量の水を補給することで水位を保つ構成である。シャッター266,267を開く前には水補給を止めて開口の下辺以下に水位を下げてから開くようにする。
【0114】
超音波洗浄部260は、洗浄槽261に対して、例えば洗浄用ポット30の搬送経路の下側に超音波振動子268を配置する。但し、超音波振動子の個数及び配置は超音波洗浄が有効に行われる範囲で任意である。超音波振動子268は図示しない駆動電源に接続されており、駆動電源(超音波発振器)から電力を供給すると振動し、洗浄槽261に所定の水位を保ち収容された水に超音波振動を与える。所定の位置の洗浄用ポット30は超音波振動子268から最も効率的に超音波振動を受ける位置にあり、洗浄用ポット30内のチップ部品Cを効果的に振動させてチップ部品Cから付着物を除去し、また、純水置換によりより高度な洗浄をする。洗浄用ポット30を各々次の位置に搬送する前にはポンプ303を止めて洗浄槽261の水位を下げ、シャッター266,267を仮想線の位置に開いてから洗浄用ポット30を各々次の位置に搬送し、各々次の位置に洗浄用ポット30が停止するとシャッター266,267を閉じてからポンプ303を運転し、洗浄槽261に所定の量の水を供給し水位を所定の位置に回復する。このためポンプ303と超音波振動子268は間欠的な運転をすることになる。なお、前記洗浄槽261の排水口263から出た水は漏斗状のシュート255、洗浄水分離部257を経て水タンク301に戻るようになっている。
【0115】
純水リンス部270と純水の循環処理系について説明すると、純水リンス部270は前記シャワーノズルとは異なるスプレーノズル271を備える。スプレーノズル271は洗浄用ポット30の円筒に平行なパイプ272と、ポット円筒方向に沿ってパイプ272の長手方向に配列された複数個の噴射口273とを備え、加圧された純水がパイプ272に供給されると噴射口273から洗浄用ポット30に噴射する構成であり、噴射により洗浄用ポット30が純水でリンスシャワーされ、チップ部品Cの表面は純水置換される。噴射後の水は漏斗状のシュート255、洗浄水分離部257を経て水タンク301に戻るようになっている。洗浄用ポット30は搬送チェーン27A,27Bの間欠走行により矢印P3の方向に搬送され超音波洗浄部260から純水リンス部270に搬入され、リンスシャワーを受けた後、次の位置に送り出される。
【0116】
前記水タンク301には純水を補給するが、メディア分離部250、超音波洗浄部260及び純水リンス部270で循環使用するため、回収した水は幾分汚れている可能性がある。メディア分離部250及び超音波洗浄部260ではポンプ303で水タンク301内の水を直接汲み上げて使用可能であるが(必要ならば汚染物質を除去するフィルターを通す)、純水リンス部270では純水のリンスシャワーをかける必要上、水タンク301の水を直接使用することはできない。このため、水タンク301の最下方にパイプ310が接続し、パイプ310の他端にポンプ311が接続し、ポンプ311の吐出口にパイプ312が接続し、パイプ312の他端にUV殺菌部313が接続し、UV殺菌部313の出口にパイプ314を介して10μmのフィルター315が接続し、フィルター315の出口にパイプ316を介してイオン交換器317が接続し、イオン交換器317の出口にパイプ318を介して1μmのフィルター319が接続し、フィルター319の出口にパイプ320が接続し、パイプ320の他端はスプレーノズル271のパイプ272に接続する構成とする。パイプ272はパイプ320の接続を除き複数個の噴射口273が外部に開口するのみであり、ポンプ311で加圧された純水がパイプ272に循環すると噴射口273から洗浄用ポット30に噴射する。タンク301からの水がポンプ311で循環する途中のUV殺菌部313はUV殺菌灯で水を照射してバクテリア等を死滅させ、フィルター315,319は、洗浄工程で水が除去し含有した塵、バクテリア等の死菌、ポンプの発塵等の微粒子を除去し、イオン交換器317は使用済み水に含有するイオンを除去して純水リンス部270に純水として供給する。なお、水タンク301に新しい純水330の所定量を補給し、純水の循環系と循環処理系に保有される純水の量を常に所定量に保つようにする。
【0117】
図29に示すように乾燥部280は、洗浄用ポット30を矢印P4の方向に搬送する搬送チェーン27A,27Bに沿い、エアブロー部281,282を備えている。そのエアーブロー部281におけるエアー供給の構成は、大気の取込口にサクションフィルター284を備えるブロアー285と、ブロアー285のエアー出口に接続するパイプ286と、パイプ286の他端に微粒子の除去等に有効なエアーフィルターであるヘパフィルター287が接続し、ヘパフィルタ287の出口にパイプ288が接続する。パイプ288はエアープロ一部281でパイプ288A,288B,288Cに分岐する。エアーブロー部281はエアーブローノズル331,332とスポットノズル333を備え、パイプ288Aに接続するエアーブローノズル331は噴気口341を備え、パイプ288Bに接続するエアーブローノズル332は噴気口342を備える。噴気口341,342は洗浄用ポット30の円筒方向に長いノズルスリットであり、例えばノズルスリットの寸法として幅0.5mmで長さが350mmとすることができ、上方から下方の洗浄用ポット30に向かってエアーブロー(空気流)351,352を噴出する構成である。また、パイプ288Cに接続するスポットノズル333は噴気口343を備え、洗浄用ポット30の円筒方向に複数個が配置され、上方から下方の洗浄用ポット30に向かってエアーブロー353を噴出する構成である。
【0118】
エアーブロー部282はエアーブロー部281の後段に配置されており、洗浄用ポット30の配置された室360の全体に前記ヘパフィルタ287を通過したエアーを通過させて洗浄用ポット30内のチップ部品Cを乾燥させている。
【0119】
前記エアーブロー部281,282は洗浄用ポット30の搬送経路下方にエアー及び水滴の排出路361を備える。排出路361はエアーブロー部281下方に漏斗状をしており、下端に排出口362を有し、排出路361の途中位置に受け網363が配置される。排出口362は排出パイプ364を通して前記水タンク301に接続されている。排出路361を下降した水滴は受け網363を通過して排出口362に至り、排出パイプ364を経て水タンク301に戻る。洗浄用ポット30は乾燥部280に至っても僅かながらメディアMが残存している可能性があり、洗浄用ポット30に上方からエアーブローすると水滴と共に残存するメディアMも落下する。この落下するメディアMを受け止めるのが受け網363であり、水滴だけが下方の排出口362に降下してメディアMを回収することになる。また、乾燥における条件として例えば、メッシュポット31を有する洗浄用ポット30を25〜30rpmで回転させながら、エアブロー部281において180秒の乾燥時間を設けたところ、120秒ほどから急速に乾燥しはじめ180秒では完璧に乾燥することが確認された。さらにエアーブロー部282で洗浄用ポット30全体に送風することで乾燥を一層確実にしている。
【0120】
図30は分離洗浄装置部25の工程を示すフローチャートであり、これにより分離洗浄装置部25の全体的な動作説明を行う。
【0121】
分離洗浄装置部25に洗浄用ポット30を投入すると、図24のローダー300で搬送チェーン27A,27Bを有する搬送機構上に載置され、まずメディア分離部250に間欠搬送され、ここのシャワー部251において洗浄用ポット30を回転させながら洗浄水を噴射して洗浄用ポット30からメディアMを分離する。メディアMは図28の洗浄水分離部257が有するメッシュ篭258を介してメディア回収箱302内に回収される。洗浄水はメッシュ篭258を通過して水タンク301に戻る。なお、シャワー部251への洗浄水の供給は水タンク301の水をポンプ303で汲み上げることにより行う。
【0122】
洗浄用ポット30は搬送機構によりメディア分離部250から図28の超音波洗浄部260のシャッター266,267が開いた状態において洗浄槽261内に導入される。洗浄用ポット30が洗浄槽261内に入るとシャッター266,267が閉じ、洗浄槽261内に洗浄水が満たされ、超音波振動子268より超音波を放射し、洗浄用ポット30内のチップ部品Cに超音波振動を与えることで超音波洗浄が行われる。なお、前記洗浄槽261への洗浄水の供給は水タンク301の水をポンプ303で汲み上げることにより行う。
【0123】
超音波洗浄の終了した洗浄用ポット30は洗浄槽261内の水位を下げ、シャッター266,267を開いた状態にて搬送機構により純水リンス部270に移送される。純水リンス部270においては図28のスプレーノズル271から洗浄用ポット30に純水を噴射して洗浄し、チップ部品Cの表面を純水置換する。スプレーノズル271への純水の供給はポンプ311で水タンク301の水を汲み上げ、UV殺菌部313、10μmのフィルター315、イオン交換器317、1μmのフィルター319を通して行う。
【0124】
純水リンス部270を出た洗浄用ポット30は、搬送機構の間欠搬送により乾燥部280のエアブロー部281,282の順に移送され、サクションフィルター284を持つブロアー285よりヘパフィルター287を介して送風し、エアーブローによってチップ部品Cは乾燥させられる。その後、洗浄用ポット30が搬送機構の排出側端に移送され、さらに図2の洗浄用ポット排出部9に移載される。
【0125】
次に第1バレルメッキ部1乃至分離洗浄装置部25に至る全体の動作説明を行う。
【0126】
図2のバレルユニット供給部6からメッキ部架台10の下段位置にある第1バレルメッキ部1にピック・アンド・プレース機構によりバレルユニット5が供給されると、第1バレルメッキ部1はそのメッキ浴槽のメッキ液にバレルユニット5のバレル40部分を浸漬けながら間欠搬送し、Cuの電解メッキ処理を行う。その後、第1バレルメッキ部1と第2バレルメッキ部2間のピック・アンド・プレース機構130にて第1バレルメッキ部1から第1洗浄部11に移し替える。
【0127】
第1洗浄部11にてメッキ液を洗浄水で落とした後、ピック・アンド・プレース機構130によって第2バレルメッキ部2にバレルユニット5を移し替え、ここでNiの電解メッキ処理を行う。その後、エレベータ機構15で下段位置の第2バレルメッキ部2のバレルユニット5を架台10の上段位置に引き上げ、さらに第3バレルメッキ部3前段のピック・アンド・プレース機構130にて第2バレルメッキ部2から第2洗浄部12に移し替える。
【0128】
第2洗浄部12にてメッキ液を洗浄水で落とした後、ピック・アンド・プレース機構130によって第3バレルメッキ部3にバレルユニット5を移し替え、ここでSnの電解メッキ処理を行う。その後、第3バレルメッキ部3の後段位置のピック・アンド・プレース機構130にて第3バレルメッキ部3から第3洗浄部13に移し替えてメッキ液を洗浄水で落とし、さらに傾斜洗浄部14に移し替えてバレルユニット5を傾斜状態として洗浄水で洗浄する。
【0129】
図16及び図17のように、受渡装置部20は、ロボットアーム22にて傾斜洗浄部14からメッキ済みチップ部品及びメディアを収容したバレルユニット5を取り出し、バレル支持手段170の載置台171上に載置し、蓋開け手段140でバレルユニット5の蓋をあけ、さらに載置台171を下向きに傾斜させてバレルユニット5のバレル40から液槽210内の洗浄水Wに浸っている漏斗190を通して洗浄水W中で待機している洗浄用ポット30の開口にメッキ済みチップ部品及びメディアを移し替える。メッキ済みチップ部品及びメディアを収容した洗浄用ポット30は着脱式蓋32Bを装着されてポット仮置き台230に置かれる。その後、ロボットアーム23にて分離洗浄装置部25のポット受入位置Qに移送する。
【0130】
図24及び図25のように、分離洗浄装置部25のポット受入位置Qに載置されたメッキ済みチップ部品及びメディアを収容した洗浄用ポット30は、間欠搬送動作を行う搬送用チェーン27A,27Bに載置され、メディア分離部250による洗浄水のシャワーを洗浄用ポット30にかけることで、メディアをポット外部に落下させて分離する。その後、洗浄用ポット30は超音波洗浄部260にて超音波による洗浄を受け、さらに純水リンス部270にて純水のリンスシャワーを受けて内部のチップ部品を洗浄し、チップ部品表面を純水置換する。その後、乾燥部280のエアーブローにより洗浄用ポット30内のチップ部品を乾燥させる。
【0131】
なお、第1乃至第3洗浄部11,12,13、傾斜洗浄部14、受渡装置部20内の液槽210及び各ノズルへの洗浄水の供給経路は図示しないが、分離洗浄装置部25の水タンク301を洗浄水の供給源として共用する。
【0132】
この実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0133】
(1) バレルメッキ装置部1,2,3によるバレルユニット5を用いたチップ部品の電解メッキ処理、受渡装置部20によるバレルユニット5からチップ部品及びメディアの洗浄用ポット30への移し替え、洗浄用ポット30を用いた分離洗浄装置部25によるメディアの分離、チップ部品の洗浄水による洗浄、乾燥処理を自動化できる。このため、従来人手に頼っていたメッキ浴槽間のバレルの移し替えや、チップ部品とメディアとの分離作業等を無人化でき、省力化及びメッキ品質の向上、作業時間の短縮、ひいては量産性の改善を図ることができる。
【0134】
(2) 各バレルメッキ装置部1,2,3は互いに異なる金属の電解メッキを行う設定であり、チップ部品の外部電極に応じた多層金属メッキ処理が可能である。
【0135】
(3) バレルメッキ装置部1,2,3の配置は2階建て構造としたので、省設置スペースとなる。例えば、Cu,Ni,Snの3種のメッキを行う場合、バレルメッキ装置の長さが単なる平面配置であると約20mとなるものを本実施の形態の構成とすることで約8m程度に縮小でき、設置床面積も約36mから約21mとほぼ6割にすることが可能である。
【0136】
(4) バレルメッキ装置部1,2,3の後段に配置する洗浄部11,12,13の水洗槽120、受渡装置部20の液槽210及び各ノズルに対する洗浄水の供給は、分離洗浄装置部25における水タンク301内の洗浄水を共通に利用できる。このため、給水系統の簡素化を図ることができる。
【0137】
(5) 各バレルメッキ装置部は、バレルユニット5をメッキ浴槽81内で間欠搬送し、停止時のみ通電する構成であり、バレルユニット5を継続移動させながら通電する構成に比較して通電電流のばらつきを少なくできる。
【0138】
(6) 各バレルユニット5が備えるバレル40の回転に伴い上方に持ち上げられたチップ部品が途中から落下し、そのチップ部品が電極構造体61の上部に落下しても、電極構造体61の上部に長手方向に直交する断面が刃先形状の山形部68を備え、チップ部品が載る面を無くして傾斜面としており、チップ部品が載置し付着することがなく、全てのチップ部品の外部電極にメッキを施すことができる。この結果、メッキ不良品を生じることなく、良好なメッキ品質を保ちバラツキが小さいチップ部品の外部電極メッキができる。さらに、山形部68の長手方向に直交する断面が二等辺三角形で、該二等辺三角形の頂点が山形部68の上端となる形状とすることで、頂点の両側の傾斜を同じにして、チップ部品の付着を効果的に防止でき、かつ山形部68の製造も容易とすることができる。
【0139】
(7) 各バレルメッキ装置部において、バレルユニット5の電極構造体61を構成する金属導体64,65,66もアノード116も内部抵抗を有する電導体であり、電極構造体61の導出側とアノード116の引出線117の導出側が一致していると、それらの導出側に近い位置のメッキ電流密度と、導出側から遠い位置のメッキ電流密度にその内部抵抗が影響する。しかし、本実施の形態の図9ではバレル40内の内部電極の導出側にアノード導出側を位置させないので、内部抵抗の影響を相殺することができる。従って、バレル40内においてどこに位置するチップ部品であってもメッキの状態に相違がなく、チップ部品の外部電極の形成における品質を阻害することがなく、ひいてはチップ部品の外部電極の品質のばらつきを低減可能である。
【0140】
(8) 受渡装置部20において、バレルユニット5のバレル40から洗浄用ポット30にメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを移し替える際に、ポット30と漏斗190を衝撃緩和用液体としても機能する洗浄水Wの中に位置させて落下の衝撃を和らげ、チップ部品とメディアの損傷を防止することが可能になる。
【0141】
(9) バレル40の開口を下向きとする前に、バレル40の蓋側に取り付けられた電極構造体61部分に洗浄水を噴射して当該電極構造体部分に付着していたメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを当該バレル40内に落下させる構成を具備するとともに、バレル40開口を下向きにした状態で該バレル内に洗浄水を噴射して当該バレル内側に付着していたメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを落下させる構成を具備する。このため、バレル40内にメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアを残さずにバレルユニット5を排出でき、空となったバレルユニット5をバレルメッキ装置部において直ちに利用できる。
【0142】
(10) チップ部品とメディアとを収容するメッシュポット31を有する洗浄用ポット30について、チップ部品の最大長さ寸法よりも小さい最大長さ寸法のメディアを選択し、かつメッシュポット31はメディアが通過するがチップ部品は通過しないメッシュで構成するようにしたので、メディア分離部250において噴出口から洗浄用ポット30に向けて洗浄水を噴出し、洗浄水によりメッシュポット31からメディアを通過させて排出し、メッシュポット31内にチップ部品を残留させることにより、比較的に簡単な構成で効率よくチップ部品とメディアとを分離できる効果が得られる。その際、洗浄用ポット30を回転させることで、メディア分離をいっそう確実かつ効率的に行うことができる。
【0143】
(11) チップ部品とメディアとを収容するメッシュポット31を有する洗浄用ポット30を一定の方向に搬送する搬送機構と、洗浄用ポット30が搬送される方向に順に、メディア分離部250と、超音波洗浄部260と、純水リンス部270と、乾燥部280とを備え、洗浄用ポット30が間欠的にかつ一定の水平方向(横方向)に搬送される構成であり、搬送方向と異なる例えば上下方向に洗浄用ポット30を移動させる動作を余分に行う必要がなく、洗浄用ポット30の搬送や移動に伴う無駄が生じない。
【0144】
(12) 分離洗浄装置部25において、超音波洗浄部260で容器内のチップ部品Cを超音波洗浄するため、チップ部品Cから汚染物質を確実に除去できる。また、超音波洗浄部260の洗浄槽261は入口、出口にシャッターを有するので、洗浄用ポット30を水平移動させることで洗浄槽261に搬入、搬出できる。
【0145】
(13) 分離洗浄装置部25において、純水リンス部270では洗浄用ポット30内のチップ部品に純水のリンスシャワーをかけるので、チップ部品表面に汚染物質が残存するのを防止できる。
【0146】
(14) 分離洗浄装置部25において、乾燥部280のエアブロー部281では高速エアーブローにより洗浄用ポット内のチップ部品に付着した水滴を吹き飛ばすことができ、チップ部品表面の水滴が付着した状態で乾燥させたときに発生しやすい汚れやしみの発生を回避できる。
【0147】
なお、バレルメッキ装置部の個数は、必要とされるチップ部品の外部電極の構造に対応させて増減できる。
【0148】
また、受渡装置部20における洗浄水は通常、工業用水や純水であるが、それらに洗剤等を添加したものであってもよく、水以外の液体を使用することも可能である。
【0149】
また、分離洗浄装置部25において、メディア分離部250のシャワー部は1つのステーションとしたが、複数ステーションとしてもよい。
【0150】
図32及び図33は本発明の他の実施の形態であって、各バレルメッキ装置部におけるアノードに付随する構造の改良を示す。この場合、横方向に間欠搬送されるバレルユニット5のそれぞれの停止位置で停止中の1個のバレルユニット5の真下位置に、1個の矩形板状アノード116を配置する点は上記実施の形態と同じであるが、バレル40の筒体51の軸方向に平行な当該アノード116の両縁部が絶縁部材118で覆われ、電気的に絶縁されている。換言すれば、アノード116はバレルユニット5が搬送される方向になる両辺に絶縁部材118を備え、該絶縁部材118は断面がコ字形状をしている。絶縁部材118の材質はメッキ液に侵されなくて絶縁性が得られるものがよく、プラスチックス類が適しており、例えば塩化ビニール等を用いることができる。
【0151】
前記絶縁部材118は断面コ字状であり、アノード116の両方の縁部に嵌合して装着するが、さらに固定を確実にするために、絶縁部材118のコ字状の下辺部に螺子穴を設け、螺子穴に樹脂製(例えばPEEKと呼ばれるポリエステルエーテルケトン)ボルト119(例えば十字穴付なべ小螺子)を螺着して絶縁部材118をアノード縁部に固着、保持させる。図32及び図33に図示のように、隣接するバレルユニット5に対するアノード116にも同様に絶縁部材118をそれぞれ装着、固定する。いずれのアノード116も方形の角が絶縁部材118で覆われた構成となる。とくに上側の角が覆われることが重要である。なお、絶縁部材118のコ字状横部分の幅Wは例えば15mm程度とする。
【0152】
両縁部に絶縁部材118を取り付けたアノード116はメッキ浴槽81の内側底面上に電気的な絶縁部材でなる複数の台115にて支持される。
【0153】
なお、その他の構成は前述の実施の形態と同様であり、同一又は相当部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0154】
この実施の形態において、矩形板状アノード116に対して、バレル2の筒体11の軸方向に平行な当該アノード116の両縁部に断面コ字状絶縁部材118を装着し、コ字状横部分の幅Wを15mmとして、チップ部品の外部電極にメッキを形成し評価して見たところ、その変動係数が10%前後であった。アノード116のような電極板は、角でメッキ電流分布が強く内部面は弱いことが知られており、絶縁部材118はこの電流分布の強弱を無くすあるいは弱める働きをする。また、隣接するアノード116相互の影響も遮断するあるいは弱める働きをする。それらの結果、従来は変動係数が18〜26%も生じた工程において、生産の効率を落とすようなゆっくりした所要時間でメッキをしなくても、本実施の形態では変動係数が10%前後と大幅に改善する。条件によっては変動係数を数%程度に抑制可能であり、バレルメッキ装置と分離・洗浄する工程を自動化して効率よくメッキするための障害を取り除くことができる。
【0155】
なお、図32及び図33の実施の形態では、矩形板状アノードの両縁部に断面コ字状の絶縁部材を取り付けたが、メッキ電流密度が大きくなるのはアノードの上側角部(バレルへの距離が近い方の角部)であるから、該上側角部を覆うような断面逆L字状の絶縁部材をアノードの両縁部に設ける構造とすることも可能である。但し、取り付けの確実性の点では断面コ字状絶縁部材の方が優れている。
【0156】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る連続搬送バレルメッキ装置によれば、チップ部品を収容するバレルユニットをバレルメッキ装置部内で搬送する構成とし、また、そのバレルユニットのバレルから分離洗浄装置部に用いる洗浄用ポットに自動的に移し替えることができる。さらに、分離洗浄装置部では前記洗浄用ポットを用いてバレル分離及びチップ部品洗浄が自動的に行われる構成としたので、チップ部品をバレルに収容してバレルメッキ装置部に投入すると、チップ部品の外部電極に電解メッキし、チップ部品とメディアを分離し洗浄して、チップ部品の外部電極へのメッキが自動的に行われる。これにより、人の作業を削減し、かつメッキの品質を向上させ、所要時間の短縮が可能となる。例えば、タクトタイムは従来のバレルメッキ装置の1/2程度に短縮でき、生産効率を2倍以上に高めることができる。また、無人稼働可能時間も従来装置では10分程度であったものが、1時間前後と大幅に長くできる。
【0158】
さらに、複数のバレルユニット装置部の配置を立体的配置にする場合、バレルユニット装置部の設置床面積の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連続搬送バレルメッキ装置の実施の形態であって、全体構成の正面図である。
【図2】全体構成の下段(1階)部分の平断面図である。
【図3】全体構成の上段(2階)部分の平断面図である。
【図4】本実施の形態で用いるバレルユニットの正断面図である。
【図5】同平面図である。
【図6】同左側面図である。
【図7】前記バレルユニットのバレル部分の横断面図である。
【図8】本実施の形態におけるバレルメッキ装置部の正断面図である。
【図9】前記バレルメッキ装置部の横断面図である。
【図10】本実施の形態における洗浄部の正断面図である。
【図11】同横断面図である。
【図12】本実施の形態におけるピック・アンド・プレース機構の正面図である。
【図13】同側面図である。
【図14】本実施の形態で用いる洗浄用ポットの側断面図である。
【図15】搬送チェーンに載置された前記洗浄用ポットを示す背面図である。
【図16】本実施の形態における受渡装置部であって一部を断面とした正面図である。
【図17】同平面図である。
【図18】前記受渡装置部の要部構成の正断面図である。
【図19】同じく要部構成の平面図である。
【図20】前記受渡装置部におけるメッキ用バレルの支持手段及び蓋開け手段を示す側面図である。
【図21】前記受渡装置部における液槽及びその周辺機構の正断面図である。
【図22】前記受渡装置部において電極構造体(内部電極)に液体を噴射する工程の説明図である。
【図23】前記受渡装置部において漏斗上のメッキ済チップ部品及びメッキ用メディアに液体を噴射する工程の説明図である。
【図24】本実施の形態における分離洗浄装置部の全体構成を示す正断面図である。
【図25】同平面図である。
【図26】チップ部品及びメディアを収容した状態の前記洗浄用ポットを示す模式図である。
【図27】前記分離洗浄装置部において、前記洗浄用ポットからメディアを分離するメディア分離部を示す説明図である。
【図28】前記分離洗浄装置部におけるメディア分離部、超音波洗浄部及び純水リンス部を示す説明図である。
【図29】前記洗浄用ポットに向かいエアーブローする乾燥部を示す説明図である。
【図30】前記分離洗浄装置部の工程を示すフローチャートである。
【図31】前記バレルユニットの電極構造体を示し、(A)は中心棒上に山形部が無い場合の側面図、(B)は中心棒上に山形部が無い場合の側面図である
【図32】本発明の他の実施の形態であって、アノードに付随した構成を改良したバレルメッキ装置部を示す要部正面図である。
【図33】同じく要部平面図である。
【符号の説明】
1,2,3 バレルメッキ装置部
5 バレルユニット
6 バレルユニット供給部
7 バレルユニット排出部
11,12,13 洗浄部
14 傾斜洗浄部
15 エレベータ機構
20 受渡装置部
22,23 ロボットアーム
25 分離洗浄装置部
30 洗浄用ポット
32A,32B,52,53 蓋
39 ロック解除部材
40 バレル
43,44 ユニット側板
45 連結棒
51 筒体
61 電極構造体
70 リード線
71 集電器
72 集電子
73 板ばね部材
81 メッキ浴槽
82 メッキ液
90 搬送機構
91,92 チェーン
100 ホルダー
110 給電器
111 給電ベース
113 給電レール
116 アノード
118 絶縁部材
130 ピック・アンド・プレース機構
140 蓋開け手段
170 バレル支持手段
171 載置台
190 漏斗
200 ポット支持手段
210 液槽
220 ポット移送手段
230 ポット仮置き台
250 メディア分離部
260 超音波洗浄部
270 純水リンス部
280 乾燥部
301 水タンク

Claims (19)

  1. チップ部品とメディアを収納するバレルと、該バレル内に収納するチップ部品とメディアに電気的に接触する電極と、該電極を当該バレル外部に導出した集電器とを有するバレルユニットと、該バレルユニットが浸されるメッキ液を貯留したメッキ浴槽と、該メッキ浴槽内にて前記バレルユニットを横方向に移動させる搬送手段と、前記集電器が接触する給電器とを有していて、前記給電器を通して前記集電器に通電してバレルメッキ処理を行うバレルメッキ装置部と、
    該バレルメッキ装置部でのバレルメッキ処理が終了したバレルユニットをバレル移送手段により受け取り、当該バレルユニットからチップ部品とメディアを取り出して、メディアは通過可能であるがチップ部品は通過させない筒状メッシュを有する洗浄用ポットに移し替える受渡装置部とを備えたことを特徴とする連続搬送バレルメッキ装置。
  2. チップ部品とメディアを収納するバレルと、該バレル内に収納するチップ部品とメディアに電気的に接触する電極と、該電極を当該バレル外部に導出した集電器とを有するバレルユニットと、該バレルユニットが浸されるメッキ液を貯留したメッキ浴槽と、該メッキ浴槽内にて前記バレルユニットを横方向に移動させる搬送手段と、前記集電器が接触する給電器とを有していて、前記給電器を通して前記集電器に通電してバレルメッキ処理を行うバレルメッキ装置部と、
    該バレルメッキ装置部でのバレルメッキ処理が終了したバレルユニットをバレル移送手段により受け取り、当該バレルユニットからチップ部品とメディアを取り出して、メディアは通過可能であるがチップ部品は通過させない筒状メッシュを有する洗浄用ポットに移し替える受渡装置部と、
    前記受渡装置部にてチップ部品とメディアが収容された前記洗浄用ポットをポット移送手段から受け取り、当該洗浄用ポットに洗浄液を噴射して当該洗浄用ポットからメディアを落下させて分離するとともにチップ部品を洗浄する分離洗浄装置部とを備えたことを特徴とする連続搬送バレルメッキ装置。
  3. 前記バレルメッキ装置部が複数配置され、各バレルメッキ装置部は互いに異なるメッキ液を貯留するものであり、各バレルメッキ装置部後段に前記バレルユニットを洗浄液で洗浄する洗浄部が設けられているとともに、前段のバレルメッキ装置部から該洗浄部へ、当該洗浄部から後段のバレルメッキ装置部へ前記バレルユニットを移し替える移替手段が設けられている請求項1又は2記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  4. 前記バレルメッキ装置部の一部は下段位置に、残りのバレルメッキ装置部は上段位置に配置され、下段位置と上段位置間のバレルユニットの昇降移動をエレベータ機構で行う請求項1,2又は3記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  5. 前記搬送手段は前記バレルユニットを間欠搬送するものであり、前記給電器は前記バレルユニットが停止する所定停止位置毎に設けられている請求項1,2,3又は4記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  6. 前記バレルユニットは前記電極を持つ電極構造体を備え、該電極構造体は、前記バレルの筒体内部を軸方向に伸びる中心棒と、該中心棒に対して放射方向に伸びる電極棒と、該電極棒の先端部に露出して設けられた前記電極とを有し、前記中心棒及び電極棒は前記電極に導通する金属導体の表面に絶縁被覆を設けたものであり、軸方向に垂直な断面が上端に向けて幅の狭くなった刃先形状となっている山形部を前記中心棒外周の上側に軸方向に設けている請求項1,2,3,4又は5記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  7. 前記バレルは、前記筒体と、前記筒体の両側開口に各々設けられた蓋とを備え、一方の蓋は前記筒体に固定され、他方の蓋は中心部に前記筒体の外側から内側に導通する前記電極構造体をほぼ水平に保持して備え、かつ前記他方の蓋は前記筒体の開口に対して着脱自在である請求項6記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  8. 前記山形部の軸方向に垂直な断面が二等辺三角形であって、該二等辺三角形の頂点が前記山形部の最上端となっている請求項6又は7記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  9. 前記受渡装置部は、前記バレルメッキ処理が終了したバレルユニットのチップ部品及びメディアを収納したバレルの蓋を開けてから、開口を下向きにして、当該バレルから落下したチップ部品及びメディアを液体中で待機している前記洗浄用ポットの開口に落下させる請求項1,2,3,4,5,6,7又は8記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  10. 前記受渡装置部は、前記バレルメッキ処理が終了したバレルユニットのバレルの蓋を開ける蓋開け手段と、該蓋開け手段で蓋を開けられたバレルの開口を下に向けるバレル支持手段と、前記蓋を開けられたバレルから落下したチップ部品及びメディアを受ける漏斗と、該漏斗を通って落下したチップ部品及びメディアを受け取る位置に洗浄用ポットの開口が位置するように当該ポットを支えるポット支持手段と、前記漏斗及び前記洗浄用ポットが浸るように液体を満たすことのできる液槽とを備え、
    前記蓋を開けられたバレルからチップ部品及びメディアを前記漏斗へ落下させるときに前記漏斗の少なくともチップ部品及びメディアを受ける面が前記液槽内の液体中に浸っている請求項9記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  11. 前記受渡装置部における前記液体が洗浄液であり、前記分離洗浄装置部における洗浄液の供給源を共用している請求項9又は10記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  12. 前記分離洗浄装置部がメディア分離後の前記洗浄用ポットに空気流を当てることで当該洗浄用ポット内のチップ部品を乾燥させる乾燥手段を有している請求項2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  13. 前記バレルユニット移送手段が第1のロボットアームであり、前記ポット移送手段が第2のロボットアームである請求項2,3,4,5,6,7,8,9,10,11又は12記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  14. 前記メッキ浴槽には前記バレルの下方位置にアノードが配され、前記アノードに給電する給電用接続導体は前記電極を前記集電器に導出した側の反対側にて前記アノードに接続されている請求項1乃至13のいずれかに記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  15. 前記アノードは矩形板状であり、前記バレルの筒体の軸方に平行に配置されている請求項14記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  16. 前記バレルユニットの複数箇所の停止位置に対応して前記アノードがそれぞれ配置されている請求項15記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  17. 前記アノードの角部を覆う絶縁部材を設け、前記アノードの角部を電気的に絶縁した請求項14,15又は16記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  18. 前記アノードは矩形板状であり、前記バレルの筒体の軸方向に平行な当該アノードの両縁部における少なくとも上側角部が前記絶縁部材で覆われている請求項17記載の連続搬送バレルメッキ装置。
  19. 前記絶縁部材は前記アノードの縁部に嵌合する断面コ字状である請求項17又は18記載の連続搬送バレルメッキ装置。
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