JP2003147593A - 篭形バレルと篭形バレルを使用した表面処理装置 - Google Patents

篭形バレルと篭形バレルを使用した表面処理装置

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JP2003147593A
JP2003147593A JP2001347353A JP2001347353A JP2003147593A JP 2003147593 A JP2003147593 A JP 2003147593A JP 2001347353 A JP2001347353 A JP 2001347353A JP 2001347353 A JP2001347353 A JP 2001347353A JP 2003147593 A JP2003147593 A JP 2003147593A
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basket
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tank
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JP2001347353A
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Takeo Oki
猛雄 沖
Masaaki Ide
正昭 井出
Tadayuki Date
忠行 伊達
Seiji Nagai
清司 永井
Satoshi Morifuji
聡志 森藤
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Aoyama Seisakusho Co Ltd
Original Assignee
Aoyama Seisakusho Co Ltd
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】めっき等の表面処理、水洗が短時間で高速にで
き、被処理物の投入、取り出しの自動化が容易で、処理
液の汲み出しを減らすことができる篭形バレルと、その
篭形バレルを使用した表面処理装置を提供する。 【解決手段】底部を皿状とし、バレル本体2の底部周縁
の傾斜部3内面に通電電極4を、バレル本体2の上部外
周に集電子6をそれぞれ設け、通電電極4と集電子6は
バレル本体2を等角度で分割するように複数設け、通電
電極4と集電子6を接続して篭形バレル1を構成した。
このバレル1を回転自在に収容し、傾動可能とした処理
槽12、30を設けた単位処理装置10、28を並べ、
バレル1内に挿入されて処理槽12、30の傾動時に処
理液をバレル1内の被処理物に噴射する処理液噴射ノズ
ル27、40を設けて表面処理装置を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バレルに小形の被
処理物を収容してめっき等の表面処理をするバレル式表
面処理装置に使用する篭形バレルと、篭形バレルを使用
した表面処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ボルトのような小形の被処理物
は、バレル式表面処理装置により表面処理されることが
多い。このバレル式表面処理装置は、横向きに置かれた
円筒状あるいは多角形の筒状のバレルに被処理物を収容
し、処理液中に被処理物を収容したバレルを浸漬して軸
を中心として回転させながら表面処理するものである
が、処理速度の高速化、被処理物のバレルへの投入、取
り出しの自動化が難いという問題があった。また、バレ
ルの内部と外部の間の処理液あるいは洗浄水の移動が速
やかに行なわれないことから、液切りが速やかに行なわ
れず、液切り時間の確保による処理時間の増大、あるい
は処理液の汲み出し量の増大を招き、バレルの回転軸を
通した給電リードが断線するというような問題もあっ
た。
【0003】こうした問題を解決するため、様々な提案
がなされているが、いずれもこれらの問題を個別に解決
するものであって、全ての問題を解決するには到ってい
ないのが現状である。例えば、被処理物のバレルへの投
入、取り出しの自動化のためには蓋を自動で開閉するバ
レルを使用するとか、上面を開放した篭形のバレルを傾
斜させて搬送するといった方法が考えられており、液切
り時間の短縮のためにはバレルを処理槽上で回転させる
という方法が採用されている。しかし、処理槽内でのバ
レル内部の処理液の入れ替わりが速やかに行なわれない
ことは変わらないことから、処理速度を上げることは実
現できていない。特に通常最も長時間を要するめっき処
理に関しては、処理液の入れ替わりが遅いことから金属
イオンの移動が遅く、高速化できていない。また、水洗
槽においても、水洗槽内でのバレル内部の処理液と洗浄
水の入れ替わりが速やかに行なわれず、水洗速度を上げ
ることができていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決し、めっき等の処理、水洗が短時間で高速にで
き、被処理物の投入、取り出しの自動化が容易で、処理
液の汲み出しを減らすことができる篭形バレルと、その
篭形バレルを使用した表面処理装置を提供するためにな
されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
めになされた本発明の篭形バレルは、篭形のバレル本体
の底部を皿状とし、バレル本体の底部周縁の傾斜部内面
には通電電極を、バレル本体の上部外周には集電子をそ
れぞれ設け、通電電極と集電子はバレル本体を等角度で
分割するように複数設けるものとし、通電電極と集電子
を電気的に接続したことを特徴とするものである。この
本発明の篭形バレルは、通電電極と集電子を接続する導
体を絶縁物で覆うこと、バレル本体の底部外面中央に係
合凸部を設けること、バレル本体の上部外周に歯車部を
設けることが好ましい。
【0006】また、同一の問題を解決するためになされ
た本発明の篭形バレルを使用した表面処理装置は、請求
項1乃至4の何れかに記載の篭形バレルを回転自在に収
容する処理槽を設けた単位処理装置を並べて構成し、処
理槽は水平な状態と傾動した状態の何れかの位置を取る
ことができるように設けたものとし、単位処理装置には
バレル内に処理液をバレル内の被処理物に噴射する処理
液噴射ノズルを設けたことを特徴とするものである。こ
の本発明の篭形バレルを使用した表面処理装置は、処理
槽上面にバレルの歯車部と噛合してバレルを回転させる
駆動機構を設けること、あるいは、処理槽底部にバレル
を支承してバレルを回転させる駆動機構を設けることが
好ましく、処理槽上面にバレルの集電子に接触して給電
する円弧状の給電バーを設けることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の篭形バレルと篭形
バレルを使用した表面処理装置の実施の形態について、
図を参照しながら具体的に説明する。図1及び2はバレ
ル1の平面図及び縦断面図であって、上面を開口とした
8角形状の篭形のバレル本体2の底部を皿状にして底部
周縁の傾斜部3の内面に通電電極4、4が設けてあり、
底面下側中央には係合凸部5が設けてある。バレル本体
2の上端には集電子6、6が外周を等分するように設け
てあり、この実施の形態では8角形状のバレル本体2の
各辺について各1個の集電子6、6を設けたものとして
ある。各集電子6、6には通電バー7、7が接続してあ
り、各通電バー7、7はバレル本体2の壁内を下方に延
長して下端部を傾斜部3の内面に露出させ、通電電極
4、4としてある。また、バレル本体2の上部周縁には
歯車部8が設けてあり上面には吊り金具9が設けてあ
る。図示していないが、バレル本体2には従来のバレル
と同様に多数の透孔が穿設してあり、該透孔は通電バー
7、7が露出しないように配置してある。バレル本体2
及び歯車部8の材質はポリプロピレン等の合成樹脂、通
電電極4、4の材質はチタン等の耐食性金属とすること
が好ましい。
【0008】図3はめっき処理を行なう単位処理装置1
0の縦断側面図、図4は平面図であって、架台11の上
に角箱形状の処理槽12が軸13を中心にして前方に傾
動できるように設けてあり、図示しない傾動装置により
駆動され、水平位置と傾動位置の何れかの姿勢をとるよ
うにしてある。処理槽12の上面は上蓋14により覆っ
てあり、該上蓋14の後方寄りの位置にはバレル1挿入
用の挿入孔15が設けてある。処理槽12の前面側には
隔壁16を設けてオーバーフロー槽17を形成し、オー
バーフロー槽17の底部にはオーバーフロー排出口18
が設けてあり、隔壁16の後方底部には処理液排出口1
9が設けてある。隔壁16の後方には挿入されるバレル
1に対向するように陽極20が設置してあるが、陽極2
0は不溶性金属の枠体にめっき金属である陽極金属を固
定したものとするのが好ましく、例えば亜鉛めっきの場
合にはチタン製の枠体に亜鉛板を固定したものとするの
が好ましい。
【0009】上蓋14には、挿入孔15の後方にモータ
21を設けてモータ21の軸に取り付けた歯車22が挿
入孔15に臨ませてあり、バレル1を挿入した際に歯車
部8と噛合する。挿入孔15には縁辺に沿ってその略半
周にわたる円弧状の給電バー23を設け、給電バー23
の円周方向の中心は処理槽12の前方中心からバレル1
の回転方向にずらしてあり、上蓋14の給電バー23の
円周方向の中心に対向する位置にはバレル1に設けた集
電子6を給電バー23に押し付ける集電子押さえ24が
設けてある。また、挿入孔15の中央下部の処理槽12
底面にはバレル1の底部の係合凸部5を支承するバレル
受け25が設けてある。架台11の前端には支柱26が
立設してあり、支柱26の先端には処理液噴射ノズル2
7が傾動自在に設けてある。
【0010】図5はめっき処理以外の処理を行なう単位
処理装置28の縦断側面図であって、めっき処理を行な
う単位処理装置10と同様に架台29の上に角箱形状の
処理槽30が軸31を中心にして傾動し、水平位置と傾
動位置の何れかの姿勢をとることができるように設けて
ある。処理槽30の上面はバレル1挿入用の挿入孔32
を設けた上蓋33により覆ってあり、上蓋33には、挿
入孔32の後方にモータ34を設けてモータ34の軸に
取り付けた歯車35が挿入孔32に臨ませてあり、バレ
ル1を挿入した際に歯車部8と噛合する。処理槽30の
底面には処理液排出口36とバレル受け37が、処理槽
30の後側面内側にはシャワーノズル38が、架台29
の前端には支柱39がそれぞれ設けてあり、支柱39の
先端には処理液噴射ノズル40が傾動自在に設けてあ
る。なお、上蓋33には前面側に図示しない支承ローラ
を設けてバレル1の歯車部8を支承し、歯車部8と歯車
35との安定した噛合状態が確保できるようにしてあ
る。
【0011】図6は特に水洗を行なうのに適した単位処
理装置41の縦断面図であって、単位処理装置28と同
様に架台29の上に角箱形状の処理槽30が軸31を中
心にして傾動し、水平位置と傾動位置の何れかの姿勢を
とることができるように設けてある。処理槽30には単
位処理装置28と同様に処理液排出口36とシャワーノ
ズル38が設けてあり、上面にエアシリンダ42により
開閉される蓋43が設けてある。また、水洗槽30の底
面にはバレル1を支承するバレル受け枠44が回動自在
に設けてあり、バレル受け枠44の軸は水洗槽2の底面
を貫通させてプーリー45を取り付け、モータ34の軸
との間にベルト46を懸装して回転させられるようにし
てある。蓋43にはバレル1に対向するシャワーノズル
47が設けてある。
【0012】図7は上記のように構成した単位処理装置
10、28及び41を並べて亜鉛めっきを行なう表面処
理装置を構成した例を示す配置図であって、湯洗、脱
脂、電解脱脂はめっき以外の処理を行なう単位処理装置
28であり、水洗は水洗用の単位処理装置41、めっき
1乃至4はめっき処理を行なう単位処理装置10であ
る。各単位処理装置10、10、28、28、41、4
1は一列に配置してあり、必要に応じて自動搬送装置を
付設する。また、各単位処理装置10、28、41には
個別に処理液槽48、49が付設してあり、該処理液槽
48、49は各処理槽12、30で使用される処理液の
全量を貯留できる容量のものとして単位処理装置10、
28、41より低い位置に設置し、処理液が各処理槽1
2、30から処理液槽48、49に流下するようにして
ある。
【0013】単位処理装置10と処理液槽48との間に
はそれぞれ2台のポンプを設け、第一のポンプによって
処理液槽48から処理液噴射ノズル27に、第二のポン
プによって処理液排出口19から処理液槽48にそれぞ
れ処理液を移送するように配管してあり、さらに、オー
バーフロー排出口18から処理液槽48に処理液が流下
して戻るように配管してある。また、単位処理装置2
8、41と処理液槽49との間にはそれぞれ1台のポン
プを設け、ポンプによって処理液槽49からシャワーノ
ズル38及び処理液噴射ノズル40あるいはシャワーノ
ズル47に処理液を移送し、処理液排出口36から処理
液槽49に処理液が流下して戻るように配管してある。
図7においては、処理液槽48、49はそれぞれ収容さ
れる処理液の名称を付して表記しており、めっき処理に
使用する処理液槽48は各単位処理装置10に対して個
別に設けるのではなく共通のものとしている。
【0014】前記のように構成した表面処理装置では、
各処理槽12、30を水平な状態としてバレル1の移送
を行なうものであって、先ず、被処理物を投入したバレ
ル1を表面処理装置の投入位置に置き、搬送装置により
湯洗を行なう単位処理装置28の挿入孔15から処理槽
30に挿入する。処理槽30に挿入されたバレル1は係
合凸部5がバレル受け37により支承され、歯車部8が
歯車35に噛合する。処理槽30をバレル1と共に傾動
させ、処理液噴射ノズル40を後方へ倒すと、図8に示
すように処理液噴射ノズル40はバレル1内に挿入され
ることとなる。
【0015】この状態で、モータ34を回転させれば歯
車35、歯車部8を介してバレル1が回転させられ、被
処理物はバレル1の傾斜部3付近で緩やかに撹拌され
る。ここで、ポンプを運転すれば、処理液槽49内の温
水がポンプによりシャワーノズル38及び処理液噴射ノ
ズル40に供給されることとなり、被処理物は撹拌され
ながら処理液噴射ノズル40から噴射される温水によっ
て洗浄される。シャワーノズル38から噴射される温水
はバレル1の外面に当たってバレル1の外面を洗浄する
とともに一部は透孔を通してバレル1内に入り、透孔を
洗浄する。被処理物を洗浄した温水は透孔を通してバレ
ル1の外に流出し、処理槽30から処理液排出口36を
通って処理液槽49に戻る。処理液槽49に油水分離機
を設けておけば油分は除去され、温水を繰り返し使用す
ることが可能である。ポンプを停止させ、処理槽30を
傾動させたまま、あるいは水平な状態に戻してモータ3
4を回転させればバレル1内の被処理物中に残留する温
水が振り切られ次工程に持ち込まれる量が僅かとなる。
【0016】次に、処理槽30を傾動させたままバレル
1を回動させた場合には処理槽30を水平な状態に戻
し、湯洗を行なう単位処理装置28から次の脱脂を行な
う単位処理装置28に移送する。前記と同様に、脱脂を
行なう単位処理装置28の処理槽30を水平な状態とし
て処理槽30にバレル1を挿入し、処理槽30を傾動さ
せ、処理液噴射ノズル40を後方へ倒してモータ34を
回転させるとともにポンプを運転すれば、被処理物は撹
拌されながら処理液噴射ノズル40から噴射される脱脂
液に浸漬され、湯洗で取りきれなかった油分が除去され
る。被処理物を脱脂処理した処理液は透孔を通してバレ
ル1の外に流出し、処理槽30から処理液排出口36を
通って処理液槽49に戻る。脱脂液槽にバイオリアクタ
ーを付設しておけば油分は分解除去され、脱脂液を長期
間使用することが可能となる。
【0017】脱脂を終わったバレル1は蓋43を開いた
状態とした水洗を行なう単位処理装置41に移送し、バ
レル受け枠44に支承させる。次に蓋43を閉じるとシ
ャワーノズル47はバレル1に対向することになる。こ
の状態で、洗浄槽30を傾動させ、モータ34を回転さ
せてバレル1を回転させれば、処理液槽49内の洗浄水
がポンプによりシャワーノズル47及び38に供給され
ることとなり、被処理物は撹拌されながらシャワーノズ
ル47から噴射される洗浄水によって洗浄される。シャ
ワーノズル38から噴射される洗浄水はバレル1の外面
に当たってバレル1の外面を洗浄するとともに一部は透
孔を通してバレル1内に入り、透孔を洗浄する。被処理
物を洗浄した洗浄水は透孔を通してバレル1の外に流出
し、処理槽30から処理液排出口36を通って処理液槽
49に戻る。単位処理装置41はバレル1をバレル受け
枠44により支承し、下部で回転させるようにしている
ので高速でも安定してバレル1を回転させることがで
き、また、蓋43を設けているのでバレル1を高速回転
させたときにも被処理物が飛び出すことがない。
【0018】以下同様に電解酸洗を行なう単位処理装置
28、水洗を行なう単位処理装置41に順次バレルを移
送して各処理を行い、めっきを行なう単位処理装置10
にバレルを移送する。いずれの単位処理装置28、41
においてもバレル1内に処理液噴射ノズル40、シャワ
ーノズル38から噴射された処理液は、バレル1の外周
が処理液に浸漬されていないことにより速やかにバレル
1の外に流出する。図示していないが、電解酸洗を行な
う単位処理装置28には処理槽30内に対向電極を設
け、付設した電源装置から電源が供給される。ここにお
いて、バレル1を次の単位処理装置28、41又は10
に移送するに先立ち、処理槽30を傾動させたまま、あ
るいは水平な状態に戻してモータ34を回転させること
により被処理物及びバレル1内の温水、処理液又は洗浄
水を遠心力により振り切ることができ、処理液の汲み出
しによる減少、前工程の処理液の持ち込みによる処理液
成分の変化を抑制することができる。特に、水洗槽の前
の処理槽で処理液を振り切ると持ち込まれる処理液が少
なくできることから洗浄水の量を減らすことができる。
【0019】めっきを行なう単位処理装置10にバレル
1を移送する場合には処理槽12を水平な状態としてお
くことは同様であり、バレル1を処理槽12に挿入する
と係合凸部5がバレル受け25により支承され、歯車部
8が歯車22に噛合するが、さらに、集電子6が給電バ
ー23に接触するので、集電子押さえ24を移動させれ
ば集電子6が給電バー23に押し付けられる。処理槽1
2を傾動させ、処理液噴射ノズル27を後方へ倒すと、
図9に示すように処理液噴射ノズル27はバレル1内に
挿入されることとなる。
【0020】ここで、モータ21を回転させるとともに
第一及び第二のポンプを運転すれば、被処理物は撹拌さ
れながら処理液噴射ノズル27から噴射されるめっき液
に浸漬されることとなるが、処理液槽48から第一のポ
ンプによって処理液噴射ノズル27に供給される液量を
処理液排出口19から処理液槽48に第2のポンプによ
って送られる液量より若干多くしておくことによりめっ
き液が処理槽12内に蓄積され、やがて隔壁16を越え
てオーバーフロー槽17に入るようになる。オーバーフ
ロー槽17に入っためっき液はオーバーフロー排出口1
8から処理液槽48に戻り、処理槽12内の処理液の液
面は図9に一点鎖線で示す高さに保たれる。
【0021】モータ21の回転によるバレル1の回転に
伴い、被処理物はバレル1の最下部に位置する傾斜部3
に集積して団塊を形成し、回転方向に持ち上げられ、持
ち上げられた団塊の上部が崩れて落ちるという動きを繰
り返し、結果的にバレル1の下部から回転方向に偏った
位置に集積することになる。陽極20と給電バー23と
の間に直流電源を接続して電流を流せば、陽極20から
処理液中に溶出した金属イオンはめっき液の流れに従っ
て被処理物の表面に到り、析出して被処理物にめっきが
施されることとなる。前記実施の形態ではバレル1の形
状を8角形状の篭形としているが、その他の多角形ある
いは円形の篭形としても、被処理物はバレル1内で同様
の動きを繰り返し、同様にめっきが施される。
【0022】処理槽12内のめっき液は、バレル1内の
被処理物が浸漬されるに充分なだけの量であって、しか
もバレル1全体がめっき液に浸漬されていないことから
処理液噴射ノズル27からバレル1内に噴射されためっ
き液は容易にバレル1から処理槽12内に移動すること
ができ、被処理物に処理液噴射ノズル27からめっき液
が直接吹き付けられることから被処理物の周辺のめっき
液の循環速度を上げることが可能となって金属イオンの
供給を充分に行なうことができる。したがって被処理物
の電流密度をあげることによりめっき速度を上げること
ができる。さらに処理液噴射ノズル27内に補助陽極を
設けて同時に通電すれば、補助陽極から溶出した金属イ
オンは直ちに被処理物に供給されることとなり、めっき
速度をさらに上げることができる。
【0023】前記のようにめっきが行なわれる間におい
て、給電バー23の円周方向の中心が処理槽12の前方
中心からバレルの回転方向にずらしてあることから、バ
レル1内の下部に集積した被処理物が接触する通電電極
4に接続された集電子6のみが給電バー23に接触する
こととなり、被処理物が接触していない通電電極4は電
源に接続されないことから通電電極4に無駄なめっきが
析出することがない。しかも被処理物に接触して通電す
る通電電極4は、被処理物に覆われていることからここ
にめっきが析出することもない。なお、給電バー23の
位置と長さは、処理しようとする被処理物の性状とその
量により最適に調整することができる。また、集電子6
と通電電極4を接続する通電バー7は露出しないように
してあるので、ここにも無駄なめっきが析出することは
なく、集電子6、通電バー7、通電電極4は全てバレル
本体2に固定されており、通電バー7が断線することは
ない。
【0024】めっき処理の終了後は前記と同様にポンプ
とモータ21を停止させ、処理槽12を水平な状態に戻
し、次の水洗を行なう単位処理装置28にバレル1を移
送する。めっき処理の終了時、処理槽12を傾動させた
まま、あるいは水平な状態に戻した後モータ21を回転
させることにより被処理物及びバレル1内のめっき液を
遠心力により振り切ることができ、めっき液の汲み出し
による減少を抑制することができることも同様である。
【0025】図7において、電解酸洗を行なう単位処理
装置28、めっきを行なう単位処理装置10が複数設け
てあるのはこれらの処理時間が湯洗、脱脂、水洗等の処
理時間に比べて長いことによる。なお、前記実施の形態
においては、バレル1の駆動装置を単位処理装置10、
28では処理槽12又は30の上部に、単位処理装置4
1では処理槽30の下部に設けているが、これに限るも
のではない。また、自動搬送装置を設け、バレル1の吊
り金具9を使用してバレル1を自動的に搬送することも
可能である。
【0026】
【発明の効果】以上説明した本発明の篭形バレルによれ
ば、バレルの上面を開放したので被処理物の投入取り出
しの自動化が容易である。また、集電子と通電電極を分
割してバレル本体に固定して設けたことにより被処理物
に接触しない通電電極に無駄なめっきが析出することが
なく、給電リードが断線することもない利点がある。ま
た、本発明の篭形バレルを使用した表面処理装置によれ
ば、処理槽にバレルを収容し、傾動した状態でバレル内
に処理液を噴射するようにしたので被処理物への処理液
の供給が充分に行なわれる利点があり、また、単位処理
装置の追加、削除、入れ替え等により処理工程の変更に
容易に対応できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバレルの実施の形態を示す平面図であ
る。
【図2】本発明のバレルの実施の形態を示す縦断面図で
ある。
【図3】めっき処理を行なう単位処理装置の要部縦断面
図である。
【図4】めっき処理を行なう単位処理装置の平面図であ
る。
【図5】めっき以外の処理を行なう単位処理装置の要部
縦断面図である。
【図6】水洗処理に適した単位処理装置の要部縦断面図
である。
【図7】表面処理装置の配置図である。
【図8】めっき以外の処理を行なう単位処理装置におい
て処理槽を傾動した状態を示す要部縦断面図である。
【図9】めっき処理を行なう単位処理装置において処理
槽を傾動した状態を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 バレル 2 バレル本体 3 傾斜部 4 通電電極 5 係合凸部 6 集電子 7 通電バー 8 歯車部 9 吊り金具 10 単位処理装置 11 架台 12 処理槽 13 軸 14 上蓋 15 挿入孔 16 隔壁 17 オーバーフロー槽 18 オーバーフロー排出口 19 処理液排出口 20 陽極 21 モータ 22 歯車 23 給電バー 24 集電子押さえ 25 バレル受け 26 支柱 27 処理液噴射ノズル 28 単位処理装置 29 架台 30 処理槽 31 軸 32 挿入孔 33 上蓋 34 モータ 35 歯車 36 処理液排出口 37 バレル受け 38 シャワーノズル 39 支柱 40 処理液噴射ノズル 41 単位処理装置 42 エアシリンダ 43 蓋 44 バレル受け枠 45 プーリー 46 ベルト 47 シャワーノズル 48 処理液槽 49 処理液槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊達 忠行 愛知県丹羽郡大口町高橋1丁目8番地 株 式会社青山製作所大口工場内 (72)発明者 永井 清司 愛知県丹羽郡大口町高橋1丁目8番地 株 式会社青山製作所大口工場内 (72)発明者 森藤 聡志 愛知県丹羽郡大口町高橋1丁目8番地 株 式会社青山製作所大口工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】篭形のバレル本体の底部を皿状とし、バレ
    ル本体の底部周縁の傾斜部内面には通電電極を、バレル
    本体の上部外周には集電子をそれぞれ設け、通電電極と
    集電子はバレル本体を等角度で分割するように複数設け
    るものとし、通電電極と集電子を接続したことを特徴と
    する篭形バレル。
  2. 【請求項2】通電電極と集電子とを接続する導体を絶縁
    物で覆ったことを特徴とする請求項1に記載の篭形バレ
    ル。
  3. 【請求項3】バレル本体の底部外面中央に係合凸部を設
    けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の篭形バレ
    ル。
  4. 【請求項4】バレル本体の上部外周に歯車部を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の篭形
    バレル。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4の何れかに記載の篭形バレ
    ルを回転自在に収容する処理槽を設けた単位処理装置を
    並べて構成し、処理槽は水平な状態と傾動した状態の何
    れかの位置を取ることができるように設けたものとし、
    単位処理装置には処理液をバレル内の被処理物に噴射す
    る処理液噴射ノズルを設けたことを特徴とする篭形バレ
    ルを使用した表面処理装置
  6. 【請求項6】処理槽上面にバレルの歯車部と噛合してバ
    レルを回転させる駆動機構を設けたことを特徴とする請
    求項5に記載の篭形バレルを使用した表面処理装置。
  7. 【請求項7】処理槽底部にバレルを支承してバレルを回
    転させる駆動機構を設けたことを特徴とする請求項5に
    記載の篭形バレルを使用した表面処理装置。
  8. 【請求項8】処理槽上面にバレルの集電子に接触して給
    電する円弧状の給電バーを設けたことを特徴とする請求
    項5乃至7のいずれかに記載の篭形バレルを使用した表
    面処理装置。
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